JP2933397B2 - 磁気記録用強磁性酸化鉄粉末の製造方法 - Google Patents

磁気記録用強磁性酸化鉄粉末の製造方法

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JP2933397B2 JP3001409A JP140991A JP2933397B2 JP 2933397 B2 JP2933397 B2 JP 2933397B2 JP 3001409 A JP3001409 A JP 3001409A JP 140991 A JP140991 A JP 140991A JP 2933397 B2 JP2933397 B2 JP 2933397B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】産業上の利用分野 本発明は、塗布型高記録密度磁気記録媒体に用いられる
改良された磁性粉末及びその製造方法に関し、更に詳し
くはマグヘマイト粒子もしくは中間体粒子表面を微量の
金属イオンで変成させることにより飽和磁化量の向上を
計った強磁性酸化鉄粉末及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】本発明が解決しようとする問題点 近年の磁気記録再生機器の小型軽量化及び磁気記録にお
ける情報処理量の拡大化に伴い、磁気記録媒体の高記録
密度化、高出力化および低ノイズ化の指向が益々高まっ
てきている。これとあいまって、磁気記録媒体に使用さ
れる磁性酸化鉄粉末については、高保磁力化、高飽和磁
化量化、微粒子化かつ高配向高充填化など諸特性向上の
要求が一段と強まっている。
【0003】ところで低ノイズ化を実現させるためには
微粒子化が最も有効な手段であるが、これに伴って飽和
磁化量の低下がさけられないという問題がある。また配
向性及び充填性の低下も同時に生ずる。すなわち低ノイ
ズ化と高出力化の両方の指向を満足させるためには微粒
子でかつ高飽和磁化量であるという相反する性状を両立
させた磁性酸化鉄の製造を実現させる必要がある。
【0004】この問題を解決すべく、種々の試みが既に
成されている。例えばコバルト被着強磁性酸化鉄粉末の
出発原料をマグヘマイト粒子から中間体粒子もしくはマ
グネタイト粒子に転換して高飽和磁化量を実現させる方
法もある。しかし、その飽和磁化量は未だ不十分であ
る。
【0005】本発明の目的 本発明の目的は、前記の問題点を解決すべく微粒子でか
つ高飽和磁化量である塗布型高密度記録媒体に好適な強
磁性酸化鉄粉末の製造方法を提供することにある。この
新規な磁性酸化鉄粉末の製造方法は、マグヘマイト粒子
もしくはマグヘマイト化する前駆体の水和酸化鉄粒子に
マンガン、亜鉛、鉄もしくはマンガン、亜鉛を被着処理
し特定雰囲気下で熱処理させる工程を持つ点に特徴があ
り、これにより粒子結晶が該金属イオンを含み該粒子表
面がマンガン亜鉛フェライト層で変成されて高飽和磁化
量を示すマグヘマイト粒子もしくは中間体粒子を得るこ
とができるという利点がある。なお、本明細書におい
て、「中間体粒子」とは、マグヘマイトとマグネタイト
の中間体粒子をいう。さらにコバルト化合物もしくはコ
バルトと第一鉄塩の化合物を被着処理することで、より
一層磁気特性を好ましいものにすることができる。
【0006】発明の構成 本発明の磁性酸化鉄粉末を得る一つの好ましい方法は、
以下の通りである。(1)マグヘマイト粒子にマンガ
ン、亜鉛及び任意に鉄を特定量被着処理して非酸化性雰
囲気下で熱処理を施すか、(2)マグヘマイト粒子にマ
ンガン、亜鉛及び任意に鉄を特定量被着処理して酸化性
もしくは非酸化性雰囲気下で熱処理を施した後に再還元
処理して中間体化するか、(3)マグヘマイト化する前
駆体の水和酸化鉄粒子にマンガン及び亜鉛を特定量被着
処理し、加熱脱水処理して得られたヘマタイト粒子を還
元、酸化処理してマグヘマイト化するか、もしくは還
元、微酸化処理するか、または還元、酸化処理してマグ
ヘマイト化した後に再還元処理して中間体化することに
より、粒子表面がマンガン亜鉛フェライト層で変成され
た高飽和磁化量を示すマグヘマイト粒子もしくは中間体
粒子を得ることができる。(4)前記(1)〜(3)の
マグヘマイト粒子もしくは中間体粒子にコバルト化合物
もしくはコバルトと第一鉄塩の化合物を含む溶液で処理
して保磁力や飽和磁化量を更に高めて、高記録磁気テー
プに極めて好適なものに仕上げることができる。本発明
のコバルト被着磁性酸化鉄粉末は、従来の金属で変成さ
れていないマグヘマイト粒子を出発原料としたものに比
べて、コバルト被着処理後の保磁力の発現性や配向特性
が優れる特徴も有している。以下に本発明の磁性酸化鉄
粉末を得る方法の詳細を、(1)〜(4)の順番で説明
する。
【0007】(1) マグヘマイト粒子の水性懸濁液に
マンガン、亜鉛及び任意に鉄化合物を含む水溶液を添加
する。本発明に用いるマンガン、亜鉛及び鉄成分として
種々の化合物が使用できるが、例えばその硫酸塩、硝酸
塩、塩化物などの水溶性のものが適当である。マンガン
成分は第一マンガンを用いる必要があるが鉄成分につい
ては第一鉄もしくは第二鉄のいづれを用いても本発明の
効果は変わらない。添加量については、マンガンイオン
はマンガン、亜鉛及び任意に鉄イオンで変成されたマグ
ヘマイト粒子中のMn/Feとして0.40〜2.50
原子重量%好ましくは0.80〜2.30原子重量%を
含有する量、一方亜鉛イオンはZn/Feとして0.4
0〜2.50原子重量%好ましくは0.80〜2.30
原子重量%を含有する量とする。鉄イオンは無添加にす
るかもしくはモル基準でマンガン及び亜鉛イオンの総添
加量の2倍量までを添加できる。更にアルカリを添加し
てpHを10〜11に調整し、該金属イオンを基体粒子
表面上に水酸化物として被着させてから、濾過、水洗し
懸濁液中に残存する余剰のアルカリなどを除去する。そ
して空気中で50〜110℃の乾燥を行う。引き続いて
非酸化性雰囲気下で熱処理を施す。雰囲気を非酸化性に
する理由は、第一マンガンイオンの酸化を防止するため
である。通常は窒素、二酸化炭素を用いるがヘリウム、
アルゴンなどの希ガスを用いてもかまわない。熱処理温
度は350〜525℃、好ましくは400〜500℃と
する。熱処理温度が前記の範囲より低い場合には所定の
飽和磁化量の向上が得られず、逆に高い場合にはα−ヘ
マタイトへの転移が起こり飽和磁化量が大きく低下して
しまう恐れがある。熱処理時間は0.5〜6時間好まし
くは1.5〜3時間とする。熱処理時間が前記の範囲よ
り短い場合はやはり所定の飽和磁化量が得られない。逆
に長くしても飽和磁化量を更に高くすることはできな
い。前記の熱処理前の段階においては、該金属イオンは
基体粒子表面上に非磁性の水酸化物もしくは酸化物とし
て存在するだけであるが、熱処理を施すことにより該金
属イオンが結晶内部に固溶して基体粒子表面にマンガン
亜鉛フェライト層を形成するために飽和磁化量が向上す
るものと考えられる。
【0008】(2) 金属の被着処理から乾燥工程まで
は(1)の場合と同様である。以降の工程は次の通りで
ある。熱処理雰囲気は(1)の場合と異なり、非酸化性
雰囲気または例えば空気のような酸化性雰囲気のいづれ
でもよい。酸化性雰囲気でも構わない理由は、熱処理で
第一マンガンイオンの一部が第二マンガンイオンや第三
マンガンイオンに酸化されて飽和磁化量の向上が現れな
くても次工程の再還元処理で第二マンガンイオン等が再
度第一マンガンイオンに還元され飽和磁化量の向上効果
が現れてくるからである。但し、再還元の度合を低くし
て第一鉄イオンの含有量が少ない中間体粒子を得ようと
する場合は、再還元処理での第二マンガンイオン等の第
一マンガンイオンへの還元が不十分となり所望の飽和磁
化量向上効果が達成されない恐れがある。従って、熱処
理雰囲気は好ましくは非酸化性雰囲気にした方がよい。
熱処理温度は(1)の場合と同様に350〜525℃、
好ましくは400〜500℃とする。引き続いて公知の
方法を適用することにより、再還元処理を施してFe2+
/Fe3+として最高0.45の第一鉄イオンを含有する
中間体に仕上げる。その方法は、例えば水素ガス流通下
で300〜350℃の還元処理をする方法であるが、第
一鉄イオンの含有量は還元時間を調整することで所望の
レベルにすることができる。
【0009】(3) 水和酸化鉄粒子の水性懸濁液にマ
ンガン及び亜鉛化合物の水溶液を添加する。添加量につ
いてはマンガンイオンは加熱、脱水処理してヘマタイト
化した段階でMn/Feとして0.40〜2.50原子
重量%好ましくは0.80〜2.30原子重量%を含有
する量、一方亜鉛イオンも同様にヘマタイト化した段階
でZn/Feとして0.40〜2.50原子重量%、好
ましくは0.80〜2.30原子重量%を含有する量と
する。更にアルカリを添加してpHを10〜11に調整
し、該金属イオンを基体粒子表面上に水酸化物として被
着させてから濾過、水洗し懸濁液中に残存する余剰のア
ルカリを除去する。後工程は公知の方法を適用すること
により、マグヘマイト粒子もしくは中間体粒子に仕上げ
ることができる。例えばマグヘマイト粒子に仕上げる場
合は以下の通りである。500〜600℃−0.5時間
の加熱脱水処理、水素ガス流通下で300〜350℃−
3時間の還元処理、空気流通下で250℃−3時間の酸
化処理を施してマグヘマイト化する。一方中間体粒子に
仕上げる場合は以下の通りである。500〜600℃−
0.5時間の加熱脱水処理、水素ガス流通下で300〜
350℃−3時間の還元処理、そして空気流通下で微酸
化処理を施して酸化が完結する前に取り出すか、または
250℃−3時間の酸化処理を施してマグヘマイト化し
た後に、水素ガス流通下で300〜350℃の再還元処
理を施して中間体化する。中間体粒子の第一鉄イオン含
有量は微酸化時間または再還元時間を調整することで所
望のレベルにすることができる。なお水和酸化鉄粒子を
出発原料とする場合は、前記(1),(2)のマグヘマ
イト粒子の場合と異なり金属被着処理後の熱処理工程を
付加する必要はない。なぜなら加熱脱水処理が熱処理と
同様の効果を与える為と考えられる。
【0010】(4) 前記(1)〜(3)のマンガン、
亜鉛及び鉄もしくはマンガン及び亜鉛鉄イオンで変成さ
れたマグヘマイト粒子もしくは中間体粒子は、公知の方
法により粒子表面にコバルト化合物もしくはコバルトと
第一鉄塩の化合物を含む溶液で被着処理することで、保
磁力、飽和磁化量を高めて磁気特性をより一層向上させ
ることができる。被着処理の方法は、例えば以下の通り
である。マンガン、亜鉛及び任意に鉄イオンで変成され
たマグヘマイト粒子もしくは中間体粒子の水性懸濁液
に、アルカリ及びコバルト化合物もしくはアルカリ、コ
バルト化合物及び第一鉄化合物を添加して反応させる。
コバルトイオンの被着量は基体粒子基準で1.0〜6.
0wt%、好ましくは2.0〜6.0wt%、第一鉄化
合物を併用する場合、第一鉄イオンの被着量は10.0
wt%以下、好ましくは3.0〜7.0wt%とする。
さらに80〜95℃まで加熱して2〜7時間の熟成を行
う。被着反応後、濾過、水洗、乾燥して、コバルト被着
強磁性酸化鉄粉末に仕上げる。 本発明の効果 本発明によれば、マグヘマイト粒子もしくはマグヘマイ
ト化する前駆体の水和酸化鉄粒子の表面を微量の金属で
被着処理してマンガン亜鉛フェライト層で変成させるこ
とにより、飽和磁化量が向上したマグヘマイト粒子もし
くは中間体粒子を得ることができる。更にコバルト化合
物もしくはコバルトと第一鉄塩の化合物を被着処理する
ことで磁気特性をより一層好ましいものにして微粒子で
ありながら高飽和磁化量を示す高記録密度磁気テープに
極めて好適な強磁性酸化鉄粉末を製造することができ
る。本発明の効果については以下に実施例と比較例を挙
げて、具体的に説明する。
【0011】実施例 実施例1 保磁力Hc250Oe、飽和磁化量σs68.5emu
/g、比表面積62.0m2/gのマグヘマイト(γ−
Fe23)100gを純水1.5l中に分散させた後、
撹拌下で1mol/lの硫酸マンガン水溶液18.8m
l,1mol/lの硫酸亜鉛水溶液18.8ml、硫酸
第二鉄水溶液75.2mlの混合溶液を添加した。次い
で1.0Nの水溶化ナトリウム水溶液を徐添加しpH=
10.0に調整後30分保持し、濾過、水洗そして11
0℃で10時間乾燥した。次いで静置型管状炉において
窒素中450℃で3時間熱処理して目的の磁性酸化鉄粉
末を得た。(試料A−1) 比較例1 実施例1において窒素ガス中450℃の熱処理を空気中
450℃の熱処理に変更したこと以外は同様に処理して
比較試料の磁性酸化鉄粉末を得た。(試料A−2) 実施例2 実施例1において1mol/lの硫酸マンガン水溶液1
8.8mlを7.5mlに、1mol/lの硫酸亜鉛水
溶液18.8mlを30.1mlに変更したこと以外は
同様に処理して、目的の磁性酸化鉄粉末を得た。(試料
B−1) 実施例3 実施例1において1mol/lの硫酸マンガン水溶液1
8.8mlを30.1mlに、1mol/lの硫酸亜鉛
水溶液18.8mlを7.5mlに変更したこと以外は
同様に処理して、目的の磁性酸化鉄粉末を得た。(試料
B−2) 比較例2 実施例1において1mol/lの硫酸マンガン水溶液の
添加を無添加とし、1mol/lの硫酸亜鉛水溶液1
8.8mlを37.6mlに変更したこと以外は同様に
処理して、比較試料の磁性酸化鉄粉末を得た。(試料B
−3) 実施例4 実施例1において窒素ガス中450℃熱処理を窒素ガス
中400℃熱処理に変更したこと以外は同様に処理し
て、目的の磁性酸化鉄粉末を得た。(試料C−1) 実施例5 実施例1において窒素ガス中450℃熱処理を窒素ガス
中475℃熱処理に変更したこと以外が同様に処理し
て、目的の磁性酸化鉄粉末を得た。(試料C−2) 実施例6 実施例1において窒素ガス中450℃熱処理を窒素ガス
中500℃熱処理に変更したこと以外は同様に処理し
て、目的の磁性酸化鉄粉末を得た。(試料C−3) 実施例7 実施例1において窒素ガス中450℃熱処理を350℃
熱処理に変更したこと以外は同様に処理して、目的の磁
性酸化鉄粉末を得た。(試料C−4) 比較例3 実施例1において窒素ガス中450℃熱処理を窒素ガス
中550℃熱処理に変更したこと以外は同様に処理し
て、比較試料の磁性酸化鉄粉末を得た。(試料C−5) 実施例8 実施例5において硫酸第二鉄の添加を無添加とした以外
は同様に処理して、目的の磁性酸化鉄粉末を得た。(試
料D−1) 実施例9 実施例5において1mol/lの硫酸第二鉄水溶液7
5.2mlを37.6mlに変更したこと以外は同様に
処理して、目的の磁性酸化鉄粉末を得た。(試料D−
2) 実施例10 実施例5において1mol/lの硫酸マンガン水溶液1
8.8mlを9.4mlに、1mol/lの硫酸亜鉛水
溶液18.8mlを9.4mlに、1mol/lの硫酸
第二鉄水溶液75.2mlを37.6mlに変更したこ
と以外は同様に処理して、目的の磁性酸化鉄粉末を得
た。(試料E−1) 実施例11 実施例5において1mol/lの硫酸マンガン水溶液1
8.8mlを28.2mlに、1mol/lの硫酸亜鉛
水溶液18.8mlを28.2mlに、1mol/lの
硫酸第二鉄水溶液75.2mlを112.8mlに変更
したこと以外は同様に処理して、目的の磁性酸化鉄粉末
を得た。(試料E−2) 比較例4 実施例5において硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸第二鉄
の添加を無添加とした以外は同様に処理して、比較試料
の磁性酸化鉄粉末を得た。(試料E−3) 実施例12 実施例5において硫酸第二鉄を硫酸第一鉄に変更したこ
と以外は同様に処理して、目的の磁性酸化鉄粉末を得
た。(試料F−1) 実施例13 保磁力Hc384Oe、飽和磁化量σs72.6emu
/g、比表面積25.0m2/gのマグヘマイト(γ−
Fe23)100gを純水1.51中に分散させた後、
撹拌下で1mol/lの硫酸マンガン水溶液18.8m
l、1mol/lの硫酸亜鉛水溶液18.8ml、硫酸
第二鉄水溶液75.2mlの混合溶液を添加した。次い
で1.0Nの水酸化ナトリウム水溶液を徐添加しpH=
10.0に調整後30分保持し、濾過、水洗そして11
0℃で10時間乾燥した。次いで静置型管状炉において
窒素中500℃で3時間熱処理して目的の磁性酸化鉄粉
末を得た。(試料G−1) 実施例14 比較例1により得られた試料を、静置型管状炉において
窒素ガスを含む水素ガス流通下300℃で30分間還元
処理して、Fe2+/Fe3+として0.20の第一鉄を含
む目的の磁性酸化鉄粉末を得た。(試料H−1) 実施例15 実施例5により得られた試料を、静置型管状炉において
窒素ガスを含む水素ガス流通下300℃で30分間還元
処理して、Fe2+/Fe3+として0.20の第一鉄を含
む目的の磁性酸化鉄粉末を得た。(試料H−2) 比較例5 実施例1において使用したマグヘマイト粒子を、静置型
管状炉において窒素ガスを含む水素ガス流通下300℃
で30分間還元処理して、Fe2+/Fe3+として0.2
0の第一鉄を含む比較試料の磁性酸化鉄粉末を得た。
(試料H−3) 実施例16 実施例13により得られた試料を、静置型管状炉におい
て窒素ガスを含む水素ガス流通下300℃で30分間還
元処理して、Fe2+/Fe3+として0.20の第一鉄を
含む目的の磁性酸化鉄粉末を得た。(試料I−1) 比較例6 実施例13において使用したマグヘマイト粒子を、静置
型管状炉において窒素ガスを含む水素ガス流通下300
℃で30分間還元処理して、Fe2+/Fe3+として0.
20の第一鉄を含む比較試料の磁性酸化鉄粉末を得た。
(試料I−2) 実施例17 比表面積68m2/gのゲーサイト(α−Fe23)粒
子100gを純水31中に分散させた後、撹拌下で1m
ol/lの硫酸マンガン水溶液16.9mlと1mol
/lの硫酸亜鉛水溶液16.9mlを添加した。次いで
1.0Nの水酸化ナトリウム水溶液を徐添加しpH=1
0.0に調整後リン化合物を処理して濾過、水洗しアル
カリを除去した後110℃で10時間乾燥した。このゲ
ーサイトを620℃で3時間加熱脱水処理を行い、マン
ガン、亜鉛含有ヘマタイトを得た。このヘマタイトを炭
酸ガスを含む水素ガス流通下350℃−3時間加熱還元
してマグネタイト化した後空気流通下250℃−3時間
の酸化処理でマグヘマイト化して目的の磁性酸化鉄粉末
を得た。(試料J−1) 比較例7 実施例17において硫酸マンガン、硫酸亜鉛の添加を無
添加としたこと以外は同様に処理を行い、比較試料の磁
性酸化鉄粉末を得た。(試料J−2) 実施例18 実施例17で得られたマグヘマイト粒子を窒素ガスを含
む水素ガス流通下で300℃−30分の還元処理を行
い、目的の磁性酸化鉄粉末を得た。(試料K−1) 比較例8 比較例7で得られたマグヘマイト粒子を窒素ガスを含む
水素ガス流通下で300℃−30分の還元処理を行い、
比較試料の磁性酸化鉄粉末を得た。(試料K−2) 実施例19 実施例15において得られたマンガン、亜鉛含有マグネ
タイト100gを純水450mlに分散させた後窒素ガ
スを吹き込みながら撹拌下35℃で10N水酸化ナトリ
ウムを400ml添加した。次いで1mol/lの硫酸
コバルト水溶液88.2mlと1mol/lの硫酸第一
鉄水溶液89.5ml添加した後、95℃で5時間熟成
した。得られた沈澱物を濾過、水洗した後、大気中55
℃で3時間乾燥して目的のコバルト被着磁性酸化鉄粉末
を得た。(試料L−1) 比較例9 実施例15において得られたマグネタイトを比較例5で
得られたマグネタイトに変更したこと以外は実施例19
と同様に処理を行い、比較のコバルト被着磁性酸化鉄粉
末を得た。(試料L−2)前記実施例1〜18及び比較
例1〜8で作製した磁性酸化鉄試料(A−1)〜(L−
2)について、通常の方法にて保磁力(Hc)と飽和磁
化量(σs)を測定した。これらの結果を第1表と第2
表に示す。また磁性酸化鉄試料(L−1),(L−2)
については下記の配合割合に従って小型ニーダー及び小
型サンドグラインダーミル等を用いて磁性塗料を調整し
た。
【0012】 コバルト被着磁性酸化鉄粉末 100.0(重量部) 塩ビ・酢ビ共重合体樹脂 18.0 ポリウレタン樹脂 12.0 メチルエチルケトン 180.0 シクロヘキサノン 60.0 トルエン 60.0 上記磁性塗料をアプリケーターにて厚さ25μmのポリ
エステルフィルム上に塗布し、磁場配向した後乾燥して
乾燥塗膜厚10μmの磁気シートを仕上げた。そして通
常の方法によりこの磁気シートの保持力(Hc)、角形
比(SQ)、配向比(OR)及び反転磁界分布(SF
D)を測定した。これらの結果を第2表に示す。
【0013】以上の結果において本発明による実施例の
磁性酸化鉄試料は飽和磁化量が高く優れた磁気特性を示
すことは明らかである。コバルト被着した試料(L−
1)は、従来の金属無添加で熱処理を施さないマグヘマ
イト粒子を出発原料とした試料(L−2)と比較してH
c発現性が高く、仮に試料(L−2)と同一Hcにした
場合コバルト被着量が削減できるという利点があり工業
的に有利である。また磁気シートにおける角形比及び配
向比が良好で優れた分散性を示すことも明らかである。
【0014】
【表1】
【0015】
【0016】
【表2】
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 一 山口県宇部市大字小串1978番地の25 チ タン工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−141712(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 1/34

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグヘマイト粒子をマンガン、亜鉛およ
    び任意に鉄を含む溶液で処理し、さらに非酸化性雰囲気
    下で350−525℃で熱処理をし、Mn/Feとして
    0.40−2.50原子重量%のマンガンと、Zn/F
    eとして0.40−2.50原子重量%の亜鉛とを含
    み、該粒子表面がマンガン亜鉛フェライト層で変成され
    た、飽和磁化量が向上したマグヘマイト粒子を得ること
    を特徴とする、磁気記録用強磁性酸化鉄粉末の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 マグヘマイト粒子をマンガン、亜鉛およ
    び任意に鉄を含む溶液で処理し、さらに酸化性雰囲気下
    または非酸化性雰囲気下で350−525℃で熱処理を
    し、Mn/Feとして0.40−2.50原子重量%の
    マンガンイオンと、Zn/Feとして0.40−2.5
    0原子重量%の亜鉛イオンとを含み、該粒子表面がマン
    ガン亜鉛フェライト層で変成されたマグヘマイト粒子を
    再還元処理して、Fe2+/Fe3+が0.45以下である
    比率で第一鉄イオンを含有する、飽和磁化量が向上し
    た、マグヘマイトとマグネタイトの中間体粒子を得るこ
    とを特徴とする、磁気記録用強磁性酸化鉄粉末の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 マグヘマイト化する前駆体の水和酸化鉄
    粒子をマンガンおよび亜鉛を含む溶液で処理し、さらに
    加熱脱水処理を施し、Mn/Feとして0.40−2.
    50原子重量%のマンガンイオンと、Zn/Feとして
    0.40−2.50原子重量%の亜鉛イオンとを含み、
    該粒子表面がマンガン亜鉛フェライト層で変成されたヘ
    マタイト粒子を還元酸化処理して、飽和磁化量が向上し
    たマグヘマイト粒子を得ることを特徴とする、磁気記録
    用強磁性酸化鉄粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 マグヘマイト化する前駆体の水和酸化鉄
    粒子をマンガンおよび亜鉛を含む溶液で処理し、さらに
    加熱脱水処理を施し、Mn/Feとして0.40−2.
    50原子重量%のマンガンイオンと、Zn/Feとして
    0.40−2.50原子重量%の亜鉛イオンとを含み、
    該粒子表面がマンガン亜鉛フェライト層で変成されたヘ
    マタイト粒子を還元処理後微酸化処理するかまたは還元
    酸化処理してマグヘマイト化した後にさらに再還元処理
    して、Fe2+/Fe3+として0.45以下の第一鉄イオ
    ンを含有する、飽和磁化量が向上したマグヘマイトとマ
    グネタイトの中間体粒子を得ることを特徴とする、磁気
    記録用強磁性酸化鉄粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項記載の方
    法により得られる飽和磁化量が向上したマグヘマイト粒
    子または中間体粒子をコバルト化合物またはコバルトと
    第一鉄塩の化合物を含む溶液で処理することを特徴とす
    る磁気記録用強磁性酸化鉄粉末の製造方法。
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