JP2933183B2 - 売上げ集計装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、商品毎に、平常の売価
で販売を行なう平常時売価と、特別の売価で販売を行な
う特別時売価の何れかのデータを用いて、売上げ集計を
行なう売上げ集計装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、商品の在庫管理や、売上げ集計を
集中的に管理するＰＯＳ（Point Of Sales）システム
が、流通業の店舗等に導入されている。このＰＯＳシス
テムが取扱う商品には商品コードが付与され、さらにＰ
ＯＳシステムには、稼動に先立ち、商品コードと売価や
原価を対応付けるテーブルが用意される。商品の売上げ
を計上する場合（精算処理を実施する場合）、例えば各
商品に添付されたバーコード等から商品コードを把握
し、この商品コードを基にテーブルを検索して、売価や
原価を基にした売上げ集計を行なう。ここでは、このよ
うな処理を実現するＰＯＳシステムを、売上げ集計装置
と呼ぶことにする。

【０００３】図２に従来の売上げ集計装置の概念図を示
す。図に示すように、売上げ集計装置１には、プロセッ
サ２と、プロセッサ２に接続されたキーボード３、ディ
スプレイ４、プリンタ５、メモリ６、ハードディスク装
置７が設けられている。プロセッサ２は、売上げ集計装
置１を構成する各部の制御を行なうもので、主に、顧客
毎の商品売上げ（売上げ処理）や１日の総売上げ（精算
処理）等の売上げ集計に伴なう売価及び原価の加算を行
なうものである。

【０００４】キーボード３は、商品コードや個数等を入
力するキーやバーコードリーダ等から構成されるもので
ある。ディスプレイ４は、売上げ集計に伴なう商品名や
商品コード、さらには金額等の表示を行なうものであ
る。プリンタ５は、売上げ集計の結果を示すレシート等
の印刷を行なうものである。メモリ６は、プロセッサ２
の参照するプログラムやデータ、さらにはプロセッサ２
の処理結果等を一時記憶するＲＡＭ等から構成されるも
ので、売上げ集計の際に参照する処理用商品テーブル８
が設けられている。

【０００５】処理用商品テーブル８の構成について、図
３を参照しながら説明する。図３は、従来の処理用商品
テーブル８の説明図である。処理用商品テーブル８は、
商品コード領域８ａ、部門領域８ｂ、売価領域８ｃ、原
価領域８ｄを備えた項目８ｅから構成されている。

【０００６】商品コード領域８ａは、例えば商品を特定
するためのバーコードに対応した数値情報が設定される
領域である。部門領域８ｂは、商品の所属する部門、例
えば食料品や衣料品等の識別を行なうための情報が設定
される領域である。売価領域８ｃは、商品の売価が設定
される領域である。原価領域８ｄは、商品の原価が設定
される領域である。以上の構成の項目８ｅが、売上げ集
計の対象となる全ての商品について用意されることにな
る。

【０００７】再び図２に戻り、ハードディスク装置７
は、プロセッサ２の参照するプログラムやデータ、さら
にはプロセッサの処理結果等を保存するもので、さらに
処理用商品テーブル８ａを生成するために参照する商品
テーブル９及び特売テーブル１０が設けられている。商
品テーブル９は、処理用商品テーブル８と同様のもの
で、商品コード領域９ａ、部門領域９ｂ、売価領域９
ｃ、原価領域９ｄを備えた項目９ｅから構成される。こ
の商品テーブル９の売価領域９ｃ及び原価領域９ｄは、
平常時（特別な値引き等を実施しない平常営業時）に販
売する商品の売価（平常売価）及び原価（平常原価）が
設定される領域である。

【０００８】ここで、特売テーブル１０の構成につい
て、図４を参照しながら説明する。図４は、従来の特売
テーブル１０の説明図である。図に示すように特売テー
ブル１０は、特売期間領域１０ａ、商品コード領域１０
ｂ、特売売価領域１０ｃを備えた項目１０ｄから構成さ
れている。特売期間領域１０ａは、特売を実施する期
間、即ち日付が設定される領域である。商品コード１０
ｂは、特売を実施する商品を特定するための商品コード
が設定される領域である。特売売価領域１０ｃは、特売
時の売価（特別売価）が設定される領域である。特売時
とは、例えば特別な値引きを設定して商品の販売を行な
う特別な営業時期を指す。

【０００９】ここで、再び図２に戻り、従来の売上げ集
計装置１の動作について説明する。なお、ハードディス
ク装置７には、商品テーブル９及び特売テーブル１０が
設けられているものとする。以上の構成の売上げ集計装
置１は、起動直後、メモリ６上には処理用商品テーブル
８が存在しない。このため、プロセッサ２は、ハードデ
ィスク装置７上の商品テーブル９及び特売テーブル１０
を参照し、処理用商品テーブル８を構築する処理を行な
う。

【００１０】まずはじめに、ハードディスク装置７か
ら、商品テーブル９を読出し、メモリ６に複写し、仮の
処理用商品テーブル８を構築する。その後、特売テーブ
ル１０の特売期間１０ａを検索し、現在の日付が含まれ
る項目を抽出する。抽出された項目の商品コード領域１
０ｂ及び特売売価領域１０ｃの内容を読取り、読取った
商品コードと一致する処理用商品テーブル８の項目を検
索する。

【００１１】処理用商品テーブル８上で該当する項目８
ｅを抽出すると、この項目８ｅ上の売価領域８ｃの内容
を、先に特売テーブル１０の特売売価領域１０ｃから読
取った内容、即ち特売売価に変更する。以上の処理を特
売テーブル１０の全ての項目について実施することによ
り、仮の処理用商品テーブル８は、売上げ集計のために
参照する正規の処理用商品テーブル８になる。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】さて従来、特売を行な
う商品についての処理用商品テーブル８上の項目８ｅに
ついては、原価が通常時の売価に対応する値のままであ
った。一般的に、特売を実施する商品は、通常の原価と
異なる原価（特売原価）が設定される場合が多く、売上
げ集計に伴な粗利計算等を実施した場合、特売商品につ
いては、正確な利益算出等が実施できないといった問題
が生じていた。本発明は以上の点に着目してなされたも
ので、特売商品の粗利計算の精度を上げることのできる
売上げ集計装置を提供することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は、商品を特定す
る商品コード毎に、平常売価の単価を示す平常売価デー
タ及びその仕入れ時の平常原価データと特別売価の単価
を示す特別売価データ及びその仕入れ時の特別原価デー
タとが設定された商品テーブルと、前記特別売価の開始
及び終了を示す特売期間データが前記商品コードに対応
して設定された特売テーブルと、前記特売テーブルの前
記特売期間データに基づいて現在の特売期間に該当する
前記商品コードを判定し、前記商品テーブルから少なく
とも前記判定した商品コードに対応する前記特別売価デ
ータ及び前記特別原価データを検索し、該検索したデー
タに基づいて粗利及び売上げ計算用の処理用商品テーブ
ルを生成する特別時制御部とを備えたものである。

【００１４】

【作用】この装置は、商品テーブルに平常売価データと
平常原価データ、特別売価データと特別原価データを設
定し、特売テーブルの特売期間データを利用して特売期
間中の商品コードについての粗利集計処理を実施するた
めに、この商品コードに対応させた特別売価データと特
別原価データを利用して処理用商品テーブルを生成す
る。

【００１５】

【実施例】図１は、本発明の売上げ集計装置の概念図で
ある。図に示した売上げ集計装置１１は、先に図２にお
いて説明した売上げ集計装置１と比べると、プロセッサ
２に特別時制御部１２が設けられた点と、さらにハード
ディスク装置７上の商品テーブル１３、及び特売テーブ
ル１４の構成が相違している。その他の構成は、従来の
ものと同一のため、重複する説明は省略する。

【００１６】商品テーブル１３の構成について、図５を
参照しながら説明する。図５は、本発明に係る商品テー
ブル１３の説明図である。図に示すように商品テーブル
１３は、商品コード領域１３ａ、部門領域１３ｂ、売価
領域１３ｃ、原価領域１３ｄ、特売売価領域１３ｅ、特
売原価領域１３ｆを備えた項目１３ｇから構成されてい
る。

【００１７】商品コード領域１３ａから原価領域１３ｄ
は、先に図３において説明した内容と同一である。特売
売価領域１３ｅは、特売時の売価（特別売価）が設定さ
れる領域である。特売原価領域１３ｆは、特売時の商品
の原価（特別原価）が設定される領域である。

【００１８】次に図６は、本発明に係る特売テーブル１
４の説明図である。図に示すように特売テーブル１４
は、特売期間領域１４ａ、商品コード領域１４ｂを備え
た項目１４ｃから構成されている。特売期間領域１４ａ
は、特売を実施する期間、即ち日付が設定される領域で
ある。商品コード１４ｂは、特売を実施する商品を特定
するための商品コードが設定される領域である。

【００１９】さてここで、再び図１に戻り、本発明の売
上げ集計装置１１の動作を図７を参照しながら説明す
る。図７は、本発明に係るフローチャートである。ここ
では、商品テーブル１３及び特売テーブル１４が設定さ
れ、かつ処理用商品テーブル８が構築されない状態で、
売上げ集計装置１１が起動したものとする。

【００２０】まず、売上げ集計装置１１は、商品テーブ
ル１３と特売テーブル１４を参照し、処理用商品テーブ
ル８を構築処理を実施するため特別時制御部１２が起動
する。特別時制御部１２は、まず初めに特売テーブル１
４の特売期間領域１４ａを検索し、現在の日付を含む期
間が設定された項目を抽出する（ステップＳ１）。該当
する項目が抽出された場合、商品コード領域１４ｂから
商品コードを読出し、プロセッサ２の作業領域であるレ
ジスタ等に一時記憶する（ステップＳ２）。

【００２１】その後、特別時制御部１２は、商品テーブ
ル１３の各項目毎に、商品コード１３ａの内容を読取
り、作業領域上の商品コードと一致するか否かを判断す
る（ステップＳ３）。ステップＳ３の結果がＹＥＳ、即
ち商品コードが一致した場合、特別時の販売に該当する
商品の項目であるものとして、商品コード領域１３ａ、
部門領域１３ｂ、そして特売売価１３ｅ、特売原価１３
ｆの内容を、処理用商品テーブル８に転送する（ステッ
プＳ４）。

【００２２】また、ステップＳ３の結果がＮＯ、即ち商
品コードが一致しない場合、平常時の販売に該当する商
品の項目であるものとして、商品コード領域１３ａ、部
門領域１３ｂ、そして売価領域１３ｃ、原価領域１３ｄ
の内容を処理用商品テーブル８に転送する（ステップＳ
５）。ステップＳ４，Ｓ５の実施後は、商品テーブル１
３上の転送すべき項目が存在するかを判断する（ステッ
プＳ６）。ステップＳ６の結果がＹＥＳ、即ち転送すべ
き項目が存在した場合、ステップＳ２に戻り、結果がＮ
Ｏの場合、処理を終了し、プロセッサ２は、処理用商品
テーブル８を参照した売上げ集計処理を実施することに
なる。

【００２３】この場合、処理用商品テーブル８を参照し
た粗利計算は、特売商品については、特売売価及び特売
原価を基に、その他の商品については売価及び原価を基
に実施されるため、正確な原価が反映された結果を得る
ことができる。

【００２４】ところで、商品テーブル１３の各項目が必
要とする記憶容量は、容易な管理を実現するため、２の
べき乗ビットの構成が確保されている。このため、何ら
データの記憶されない領域が存在する。この領域に特売
売価１３ｅ及び特売原価１３ｆを付与することにより、
処理用商品テーブル８の各項目と記憶容量を変えること
無く、新たなデータを追加することができる。

【００２５】また、現在の日付が特売テーブル１４の特
売期間１４ａの内容が示す期間を経過すると、この特売
期間１４ａに係る項目１４ｃは特売テーブル１４から削
除されるが、商品テーブル１３上の特売売価領域１３ｅ
及び特売原価領域１３ｆの内容は保存される。

【００２６】このため、特別時制御部１２の制御によ
り、新たな項目を特売テーブル１４に設定する際、商品
テーブル１３上の該当する項目１３ｇの特売売価１３ｅ
及び特売原価１３ｆの内容を読出し、更新が必要な場合
のみ新たな特売売価もしくは特売原価を入力し、その他
の場合は、既に設定された値を流用することができ、デ
ータ入力の手間を省くことができる。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の売上げ集
計装置によると、売価の変動に伴ない原価が変動した場
合、売価に対応する正確な原価を基に正確に粗利計算処
理を実施することができるので、正確な売上げ処理結果
を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の売上げ集計装置の概念図である。

【図２】従来の売上げ集計装置の概念図である。

【図３】従来の処理用商品テーブルの説明図である。

【図４】従来の特売テーブルの説明図である。

【図５】本発明に係る商品テーブルの説明図である。

【図６】本発明に係る特売テーブルの説明図である。

【図７】本発明に係るフローチャートである。

【符号の説明】

８ 処理用商品テーブル １２ 特別時制御部 １３ 商品テーブル １４ 特売テーブル

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 商品を特定する商品コード毎に、平常売
   価の単価を示す平常売価データ及びその仕入れ時の平常
   原価データと特別売価の単価を示す特別売価データ及び
   その仕入れ時の特別原価データとが設定された商品テー
   ブルと、 前記特別売価の開始及び終了を示す特売期間データが前
   記商品コードに対応して設定された特売テーブルと、前記特売テーブルの前記特売期間データに基づいて現在
   の特売期間に該当する前記商品コードを判定し、前記商
   品テーブルから少なくとも前記判定した商品コードに対
   応する前記特別売価データ及び前記特別原価データを検
   索し、該検索したデータに基づいて粗利及び売上げ計算
   用の処理用商品テーブルを生成する特別時制御部とを 備
   えたことを特徴とする売上げ集計装置。