JP2930699B2 - 金属製ガスケット及びその製造方法 - Google Patents

金属製ガスケット及びその製造方法

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JP2930699B2 JP30629590A JP30629590A JP2930699B2 JP 2930699 B2 JP2930699 B2 JP 2930699B2 JP 30629590 A JP30629590 A JP 30629590A JP 30629590 A JP30629590 A JP 30629590A JP 2930699 B2 JP2930699 B2 JP 2930699B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は,シリンダヘッドとシリンダブロックとの
対向取付面間をシールするために使用される金属製ガス
ケット及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来,シリンダヘッドとシリンダブロックとの間のよ
うな内燃機関の構造部材の対向取付面間をシールするた
めに金属材料から製作した金属製ガスケットが使用され
ている。
最近の内燃機関は,高出力化と共に軽量化が求めら
れ,その一環としてシリンダヘッドやシリンダブロック
等を従来の比重の大きい鋳物に代えて比重の小さいアル
ミニウム材料で製作する傾向にある。アルミニウム材料
は軽量である反面,剛性が低い材料であるので,内燃機
関の運転時,シリンダブロックに対するシリンダヘッド
の相対的変位が大きくなる傾向にある。
金属製ガスケットは,シリンダボアや水,油の通路に
対応する周囲近傍にビードを有しており,ボルト等によ
り締付け固定するときに,取付面にはビードが弾性的な
線接触を形成してシールするものである。
かかる金属製ガスケットにおいて,特にシールすべき
高圧部分,即ち,貫通孔の周囲部分のシール性能を向上
するために,上記ビード部の頂部に軟質金属層を設けた
もの(例えば,実開昭60−145665号公報参照)やスペー
サ部材を設けたもの(例えば,実開昭61−16459号公報
参照)が提案されている。
これらの金属製ガスケットは,いずれも貫通孔の周囲
部分に設けられたビード部の頂部に付加されて,ビード
部の高さを増加させたものである。従って,例えば,シ
リンダヘッドをシリンダブロックに対して締め付けて構
造部材の取付面を圧接した時には,金属製ガスケットは
ビード部の高さが軟質金属層やスペーサによって高くな
った分だけ強く圧縮されることになり,これにより,シ
リンダボア孔周囲の構造部材の接合両間のシール性能の
向上が期待され,また,肉盛りを軟質材料で構成するこ
とで,極圧を分散させて,シール性の向上,接面シール
の向上,或いはビードの保護が考えられるものである。
また,上記先行技術とは別の先行技術として,シール
すべき圧接部となるシリンダボア孔周囲にビード部を突
設した金属製ガスケットにおいて,シリンダボア孔の周
縁にグロメットを取付けた金属製ガスケットが知られて
いる(例えば,特開昭63−101574号公報,特開昭63−14
9479号公報参照)。これらの金属製ガスケットは,シリ
ンダボア孔の周縁に取付けたグロメットが先ず燃焼ガス
のような高温高圧の流体に晒されてもこれをシールし,
万一グロメットに洩れが生じた場合であってもビード部
が洩れをシールすることができる。また,後者の公報に
あっては,例えば,シリンダヘッドとシリンダブロック
との締付けによって対向取付面が湾曲歪みを生じても,
構造部材の対向取付面の空隙の不整を補償しようとする
考えが開示されている。
更に,第10図及び第11図に示すように,別の先行技術
として,シールすべき圧接部となる貫通孔9周囲にビー
ド部11を突設した金属製ガスケット8において,ビード
部11によって形成された谷部10にシール部材12を設けた
金属製ガスケット8が知られている(例えば,特開昭63
−101573号公報参照)。このような金属製ガスケット8
においては,ビード部11の頂部による高い面圧で良好な
シールを行わせると同時に,ビード部11の頂部と反対側
についてはシール部材12でシールすることができる。こ
のシール部材12については,ゴムや合成樹脂,或いは軟
質金属材料から製造でき,その断面形状は,円形,方
形,台形等の適宜の形状に形成でき,接着材や加熱によ
って金属製ガスケット8に接着するか,印刷,加硫によ
って金属製ガスケット8と一体成形することもできると
されている。また,シール部材12の周囲におけるビード
部11の谷部10には空隙が形成され,対向取付面の締付け
時にシール部材12が自由に弾性変形することができ,そ
れによってシール性能を長期にわたって向上させること
を図っている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら,上記のような金属製ガスケットについ
ては,次のような技術的な問題点がある。即ち,最近の
内燃機関の軽量化として,シリンダヘッドとシリンダブ
ロックをアルミニウム材料とする傾向があるが,このた
めにこれら構造部材の剛性が低くならざるを得ず,これ
ら構造部材間の対向取付面を単板の金属製ガスケットを
介して締付け用ボルトによって締付ける時には,締付け
ボルト位置が金属製ガスケットの外周部又は比較的に外
周部に分散しているためにシリンダボア孔に対してはそ
の周囲に必ずしも均等に分布していないことになるの
で,対向取付面が不整となり易い。実際には,シリンダ
ブロックが比較的剛性が高いために,相手側であるシリ
ンダヘッドが特にシリンダボア孔が隣り合う領域におい
て対向取付面間の歪みが大きくなる。
その結果,歪みの大きい個所の対向取付面に高温高圧
の燃焼ガスが侵入して対向取付面間に介装されている単
板の金属製ガスケットのビード部を腐食,汚損してシー
ル効果が低下する。
更に,シリンダヘッドガスケットの場合には,内燃機
関の燃焼サイクルの間にシリンダヘッドとシリンダブロ
ックとの間隔が増減を繰り返し,金属製ガスケットにも
繰り返し応力即ちメカニカルストレス及びサーマルスト
レスが作用する。この負荷変動応力は,シリンダブロッ
クやシリンダヘッドの剛性の最も低い部位に大きな値と
して発生し,その結果,ビード部にへたりが生じたり,
亀裂が発生してシール性能を劣化させるという不具合が
生じる。
シールすべき高圧部分,即ち,シリンダボア孔部のシ
ール性能を向上するために,上記ビード部の頂部に軟質
金属層を設けたもの(例えば,実開昭60−145665号公報
参照)や,スペーサ部材を設けたもの(例えば,実開昭
61−16459号公報参照)においては,軟質金属層やスペ
ーサ部材が設けられる金属製ガスケットの部位がビード
部に限られるために,対向取付面への高圧部分即ちシー
ル線の数が基本的に増えるわけではなく,また,ビード
部に位置を合わせて軟質金属層やスペーサ部材を取付け
ることは,製造上困難であり,コストを上昇させること
になる。
また,シールすべき高圧部分,即ち,シリンダボアに
対応して形成される金属ガスケットの貫通孔即ちシリン
ダボア孔の周囲にビード部を突設し,シリンダボア孔の
周縁にグロメットを取付けた金属製ガスケットにおいて
は,ビード部の働きとは別に対向取付面の不整を正す働
きはあるが,シリンダボア孔の周縁にグロメットを取付
けるのはグロメットの製作,シリンダボア孔の周縁への
嵌合,及び変形操作等の手間のかかる作業を伴い,且つ
コスト高になる(例えば,特開昭63−101574号,特開昭
63−149479号各公報参照)。
更に,第10図及び第11図に示すように,シールすべき
対向取付面に位置するシリンダボア孔9の周囲にビード
部11を突設し,ビード部11によって形成された谷部10に
シール部材12を設けた金属製ガスケットについては,金
属製ガスケットを挟む当接面に対してはシリンダボア孔
9からみて半径方向の異なる距離のところにシールのた
めの線接触即ちシール線の数が増加するものではない。
シール線を増やすには増加するシール線の数だけ大きさ
の異なるシール部材12を用意する必要がある。
また,シール部材12は金属製ガスケット8に一体化す
ることもできるが,そのためには締付け前の自由状態で
はビード部11の谷部10が相当広い空隙を有するため金属
製ガスケット8に対するシール部材12の接着や加熱によ
る一体化作業に手間取ることが懸念される(例えば,特
開昭63−101573号公報参照)。
この発明の目的は,上記の課題を解決することであ
り,エンジンにおけるシリンダブロックとシリンダヘッ
ドとを,単板の金属製ガスケットを介して締付け固定す
る時に,その対向取付面の不整を補償し,実際には,シ
リンダヘッド側の湾曲により隣合うシリンダボア同士の
間における大きな歪みが生じても,かかる歪みに対応し
て変位吸収し,締付け後の使用時においてもシール効果
の低下を阻止して高温高圧の燃焼ガスの侵入による金属
製ガスケットのビード部の腐食,汚損を防止すると共
に,シリンダヘッドの剛性の最も低い部位に発生する大
きな変動負荷応力によってもビード部にへたりや亀裂が
発生せず,またビード部とは別の位置においてシール線
を確保し,且つかかるシール線の保持を簡単な構造で得
ることができる金属製ガスケット及びその製造方法を提
供することである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は,上記の目的を達成するために,次のよう
に構成されている。即ち,この発明は,金属板に形成し
たシリンダボア孔,該シリンダボア孔の周縁から半径方
向外側に隔置して前記シリンダボア孔に沿って形成した
ビード,及び前記シリンダボア孔の周囲において半径方
向外側に折り返して形成した折り返し部を有し,前記金
属板の前記折り返し部は,予め設定した厚さにまで圧縮
されることにより無負荷状態において密着状態に成形さ
れ且つ硬化熱処理されていることを特徴とする金属製ガ
スケットに関する。
また,この発明は,金属板に形成したシリンダボア
孔,該シリンダボア孔の周縁から半径方向外側に隔置し
て前記シリンダボア孔に沿って形成したビード,及び前
記シリンダボア孔の周囲において半径方向外側に軟質金
属板を挟んで折り返して形成した折り返し部を有し,前
記金属板の前記折り返し部は,予め設定した厚さにまで
圧縮されることにより無負荷状態において前記軟質金属
板を挟んだ密着状態に成形され且つ硬化熱処理されてい
ることを特徴とする金属製ガスケットに関する。
また,この金属製ガスケットにおいて,前記ビードの
半径方向外側で且つ該ビードの凸面側に厚さ調整のため
の金属板を積層したものである。
また,この金属製ガスケットにおいて,前記金属板の
両面に耐熱性及び耐油性のゴム,樹脂等の非金属材料を
塗布したものである。
更に,この金属製ガスケットにおいて,前記折り返し
部が前記シリンダボア孔間で厚く且つ前記シリンダボア
孔間以外で薄く形成されている。
或いは,この発明は,金属板にシリンダボア孔を形成
する工程,該シリンダボア孔の周縁から半径方向外側に
隔置して前記シリンダボア孔に沿ってビードを成形加工
する工程,前記シリンダボア孔の周囲において半径方向
外側に折り曲げ加工を施して折り返し部を形成する工
程,該折り返し部に圧縮力を付与して予め設定された厚
さにまで圧縮することにより前記折り返し部を密着状態
に成形する工程,及び前記折り返し部を形成した前記金
属板を硬化熱処理して該金属板の硬さを調整する工程か
ら成る金属製ガスケットの製造方法に関する。
また,この発明は,金属板にシリンダボア孔を形成す
る工程,該シリンダボア孔の周縁から半径方向外側に隔
置して前記シリンダボア孔に沿ってビードを成形加工す
る工程,前記シリンダボア孔の周囲において半径方向外
側に折り曲げ加工を施して折り返し部を形成すると共に
該折り返し部に軟質金属板を挟み込む工程,該折り返し
部に圧縮力を付与して予め設定された厚さにまで圧縮す
ることにより前記折り返し部を前記軟質金属板を挟んだ
密着状態に成形する工程,及び前記折り返し部を形成し
た前記金属板及び前記軟質金属板を硬化熱処理して硬さ
を調整する工程から成る金属製ガスケットの製造方法に
関する。
〔作用〕
この発明による金属製ガスケット及びその製造方法
は,以上のように構成されており,次のように作用す
る。
即ち,この金属製ガスケットは,金属板に形成したシ
リンダボア孔,該シリンダボア孔の周縁から半径方向外
側に隔置して前記シリンダボア孔に沿って設けたビー
ド,及び前記シリンダボア孔の周囲において半径方向外
側に折り返して形成された折り返し部から成り,折り返
し部の厚さを予め設定した厚さにまで圧縮することによ
り折り返し部を無負荷状態において密着状態に成形し且
つ硬さを調節するため硬化熱処理しているので,対向取
付面を有する二つの構造部分,即ち,シリンダヘッドと
シリンダブロックとの間でガスケットを締付けて押圧状
態にすると,前記ビードはその押圧力によって変形する
が,シリンダボア孔周縁から半径方向外側に隔置した位
置において対向取付面に対してシール線を形成する。そ
れと同時に,前記折り返し部は,板厚が約二倍であるか
ら,シリンダボア孔の周囲において別のシール線を形成
する。この締付け時に二つの構造部分の対向取付面に不
整が生じても前記ビードや折り返し部が歪みに対応して
変形し,接合両面の不揃いな間隙を吸収する。
また,シール線の増加と上記対向取付面の不整の吸収
とにより内燃機関の燃料サイクルの繰り返しで発生する
シリンダヘッドの歪み量が抑制される。更に,ビード部
に対しては,密着状態となっている折り返し部によって
全圧縮が確実に防止され,内燃機関の始動,運転,停止
に伴って発生する変動負荷応力が軽減される。また,折
り返し部は,ガスケット本体に対して一体であるので,
締付けて使用する時には,ずれ等の不具合は生じない。
前記折り返し部と前記ビードよりも半径方向外側の領
域とにおいて,両者に必要な段差以上の段差となる場合
には,前記シリンダボア孔間を除く前記ビードの半径方
向外側でかつ前記ビードが凸面側に,前記金属板より薄
い金属板を積層して前記段差の調節を行う。
また,両者に必要な段差以下の段差となる場合や折り
返し部のシールや対向取付面との追従性を向上する場合
には,前記折り返し部に軟質金属板を挟んで折り返すこ
とにより,前記段差の調節を行い,また締め付け前の無
負荷状態で前記軟質金属板を挟んだ密着状態とすること
により折り返し部にばね性を持たせることが行われる。
また,この金属製ガスケットにおいて,ガスケットの
両面には耐熱性及び耐油性のゴム又は樹脂等の非金属材
料を塗布すると,ガスケットとシリンダヘッド及びシリ
ンダブロックのような金属製の対向取付面とに対して金
属と金属との直接的な接触が回避され,金属表面の腐食
や汚損を防止すると共に,シリンダヘッドとシリンダブ
ロックの表面の凹凸(機械加工面)に対して充分なシー
ル機能を確保する。
この金属製ガスケットの製造方法において,折り返し
部は単純な折り曲げ加工によって形成することができる
が,折り返し後に折り返し部の厚さを圧縮成形すれば,
該圧縮成形の際に,密着状態にある折り返し部の調整を
所望に応じて自在に行うことができる。即ち,折り返し
部の厚さを一様とするときの厚さの設定は勿論のこと,
同じシリンダボア孔の周囲に形成した折り返し部であっ
ても場所に応じて厚さを調整することができる。例え
ば,シリンダボア孔が互いに接近しているところではシ
リンダヘッド等の歪みを考慮して折り返し部の厚さを厚
くし,上記接近したところから遠ざけるに従って厚さを
次第に薄くするか一定の薄い厚さにすることができる。
また,この厚さの変更は折り返し部に軟質金属板を挟
む際にも折り返し圧縮力を変更して金属板と密着状態に
ある軟質金属板の変形程度を変えることにより行うこと
ができる。
更に,この金属製ガスケットの製造方法において,金
属製ガスケットの硬さは,圧縮成形後の硬化熱処理を行
って調節するので,所望の硬さに自在に調節することが
できる。密着状態になるまで金属板を折り返す加工は,
曲げ加工度が高い加工であり,任意の厚さに加工するこ
とが困難である。したがって,硬さが低い状態の金属板
に加工度の高い曲げ加工を行い,更に圧縮成形によって
厚さを調整し,その後に硬度を高める硬化熱処理を行
う。
〔実施例〕
以下,図面を参照して,この発明による金属製ガスケ
ットの実施例について説明する。
第1図はこの発明による金属製ガスケットの一実施例
を示す平面図である。
第1図において,金属製ガスケット1は,四気筒エン
ジンにおけるシリンダヘッドとシリンダブロック(いず
れも図示せず)との対向取付面をシールするために使用
されるものである。この金属製ガスケット1は,単板の
金属板,例えば,析出硬化処理としてSUS630やSUS631,
窒化処理としてSUS304,SUS301或いはSK材(SK1〜SK
7),焼入れ・焼戻し処理としてSUS420J2やSUS440A,或
いは固溶化熱処理としてチタン合金,アルミニウム合金
等の金属材料から,例えば,約0.2mmの厚さに形成され
ており,ビード加工前の素材の硬さは,例えば,HV200以
下の素材である。
上記金属材料を各熱処理した場合の硬さの具体的な一
例は,次のとおりである。
SUS304,SUS301或いはSK材(SK1〜SK7)を窒化処理し
た場合には,SUS304及びSUS301については熱処理前がHV2
00以下(但し,表面のみ)であるが,熱処理後がHV500
以上であり,また,SK材(SK1〜SK7)については熱処理
前はHV200以下であるが,熱処理後はHV500以上であっ
た。
SUS630やSUS631を析出硬化処理した場合には,熱処理
前がHV200以下であるが,熱処理後はHV350以上であっ
た。
SUS420J2やSUS440Aを焼入れ・焼戻し処理した場合に
は,熱処理前がHV200以下であるが,熱処理後はHV350以
上であった。
更に,チタン合金及びアルミニウム合金(6A1−2Sn−
4Zr−6Mo)を固溶化熱処理した場合には,熱処理前がHV
200以下のものであったが,熱処理後はHV350以上であっ
た。
金属製ガスケット1には,四つの気筒即ちシリンダブ
ロックに形成されたシリンダボアに対応する四つの孔で
あるシリンダボア孔2A,2B,2C及び2Dが形成されている
(これらのシリンダボア孔を総称する時には符号2を用
いる)。更に,この金属製ガスケット1には,符号3で
示すように,冷却水を通す水穴やオイルを通すオイル穴
やオイル戻り穴,ノック孔,リベット穴等が複数個穿設
されているが,これらについては,金属製ガスケットの
技術分野においてそれぞれ周知の技術であるので,ここ
では詳細な説明を省略する。
金属製ガスケット1の表裏両面に対しては,耐熱性及
び耐油性のゴム,樹脂等の非金属材料で,例えば,10μ
m〜50μm程度の厚さのコーティングが施されている。
金属製ガスケット1に対してゴム,樹脂等の非金属材料
でコーティングを施すことによって,シリンダヘッド及
びシリンダブロックに対して金属対金属の接触状態を回
避し,ガスケットとしての耐腐食性,耐久性及び強度を
確保し,金属製ガスケット1は機械加工面に凹凸が存在
していても充分なシール機能を果たすことができる。
第2図は第1図の線II−IIにおける断面図,及び第3
図は第1図の線III−IIIにおける断面図である。
第2図には,それぞれ隣接するシリンダボア孔2A,2B
の境界部分をそのシリンダボア孔2A,2Bの中心を結ぶ線
で切断した金属製ガスケット1の断面,即ちシリンダボ
ア孔間での断面が示されているが,他の隣接するシリン
ダボア孔の境界部分においても同様の断面構造をしてい
るのは勿論である。
また,第3図において,シリンダボア孔2Aと端部即ち
縁部分とを結ぶ線で切断した金属製ガスケット1の断面
が示されているが,反対位置にあるシリンダボア孔2Dに
ついても線部分との間で同様の断面構造を有し,また,
これらに限らずシリンダボア孔間以外のシリンダボア孔
回りでも同様の断面構造を有しているのは勿論である。
これらの図面から理解されるように,金属製ガスケッ
ト1のシリンダボア孔2の近傍周囲を該シリンダボア孔
2と同心に且つ環状に取り巻く断面山形のビード4が形
成されている(符号4は,シリンダボア孔2と同様ビー
ドに対する総称を示す)。図示の例では,ビード4は,
シリンダボア孔2の内周縁から所定の距離L2,例えば,
約2.9mmのところから始まり半径方向で見て所定の幅L3
は約2mmを有し,高さHは,0.2〜0.25mmである。隣接す
るシリンダボア孔2間の間隔L1は,例えば,約7.8mmで
あり,シリンダボア孔2Aの周囲のビード4Aと,シリンダ
ボア孔2Bの周囲のビード4Bとは,シリンダボア孔2A,2B
の接近部分において重なっている。しかしながら,隣接
するビード4同士を重ねることなく,わずかの間隙をお
いて互いに配置してもよい。
また,金属製ガスケット1のシリンダボア孔2の周縁
には折り返し部5Aが形成されている。(以下,折り返し
部を称するときは符号5を用いる)。折り返し部の幅L4
は,例えば,約2.5mmである。金属製ガスケット1の折
り返し部5A,5Bは密着状態にある。即ち,金属製ガスケ
ット1が対向取付面間に締め付けられる前の無負荷状態
において,折り返し部5A,5Bの折り返し部分15A,15B(以
下,総称するときは,符号15を用いる)は金属板の基板
14に実質的に隙間なく折り重ねられた状態に成形されて
いる。したがって,金属製ガスケット1を対向取付面間
に締め付けたときにビード4が圧縮変形するが,ビード
の変形量は,ストッパ量が一定している折り返し部5の
厚さによって確実に規定されるので,ビードのへたりが
確実に防止され耐久性が向上する。
上記の構成を有する金属製ガスケット1は,次の工程
から成る製造方法によって製作される。
まず,所定の厚さtの金属板にシリンダボア孔2等の
必要な種々の孔を穿孔して形成する。次いで,該シリン
ダボア孔2の周縁から半径方向外側に隔置してシリンダ
ボア孔2に沿ってビード4を成形加工する。更に,シリ
ンダボア孔2の周囲において半径方向外側に折り曲げ加
工を施して折り返し部5を形成する。この時,折り返し
部5の厚さは2tである。そこで,金属板に形成された折
り返し部5の厚さを調節するため,折り返し部5に所定
の圧縮力を付与して予め設定された厚さ2t1(=2t−
α)に成形する。圧縮成形された金属製ガスケット1
は,無負荷状態にあるときに,折り返し部5の折り返し
部分15が金属板の基板14に実質的に隙間なく折り重ねら
れた状態となっている。最後に,折り返し部5を形成し
た金属板の全体を硬化熱処理してシリンダヘッドガスケ
ットとしての機能を充分発揮することができるように該
金属板全体の硬さを調整する。この時,折り曲げ加工を
施した金属製ガスケット1を,例えば,硬さでHV350以
上になるように硬化熱処理する。
また,シリンダヘッドはシリンダブロックに比べて剛
性が低く,多気筒エンジンにおいては,隣接するシリン
ダボア孔2間の部分が内燃機関の爆発行程及び膨張工程
の燃焼サイクルにおける負荷変動により最も大きな歪み
を生じ易いところである。従って,この部分が金属製ガ
スケット1によるシール機能が最も低下し易いところで
あるので,折り返し部5の構造を,第2図に示すような
シリンダボア孔2間に位置する部分の厚さ2t1(=2t−
α)を,第3図に示すようなシリンダボア孔2間以外の
部分の厚さ2t2(=2t−β,但し,α<β)に対して厚
い形状の構造としている。
第3図に示すように,折り返し部5を折り曲げ加工す
る時に,シリンダボア孔2間を除く部分においては,予
圧縮(シリンダヘッドとシリンダブロックとの対向取付
面間に使用されるときの圧縮に先立つ意味)が与えら
れ,金属板の厚さをtとした時に,シリンダボア孔2間
での厚さ2t1は金属板の折り返した厚さ2tに比べてαだ
け薄くなるように圧縮成形され,また,シリンダボア孔
2間以外の部分の厚さ2t2は金属板の折り返した厚さ2t
に比べてβだけ薄くなるように圧縮成形されている。
具体的には,第8図及び第9図に示されているよう
に,シリンダボア孔2間の領域aにおいてはシリンダボ
ア孔2間での厚さ2t1が,例えば,0.15mmとされ,領域a
の両側に延びる領域bにおいては厚さが次第に減少して
いき,更にその両側に延びる円弧部分の領域cについて
はシリンダボア孔2間以外の部分の厚さ2t2が,例えば,
0.12mmとされている。
また,第4図及び第5図は,この発明による金属製ガ
スケットの別の実施例の断面図である。この実施例の金
属製ガスケット1の平面図及び断面位置及び金属製ガス
ケット1の主要な構造は,先の実施例と同じであるので
重複する説明は省略する。この実施例においては,シリ
ンダボア孔2間においても折り返し部5は,金属製ガス
ケット板自体に対して予圧縮されており,αだけ板厚が
減少し(2t1=2t−α),そしてシリンダボア孔2間を
除くシリンダボア孔回りにおいてはαより大きな値であ
るβだけ板厚が減少している(2t2=2t−β)。αの値
及びβの値も,第8図及び第9図に示したように,シリ
ンダボア孔2の周囲位置に応じて変更することができ
る。
シリンダボア孔2間を除くシリンダボア孔回りにおい
て,基板14のビード4より半径方向外側で且つビード4
が凸となる側の面には,金属製ガスケット1の板厚tよ
り薄い板厚t4を有する金属板6が装着されている。金属
板6は,シリンダボア孔2回りとビード4より半径方向
外側の領域との厚さの差を調整するために設けられるも
のであり,例えば,予圧縮によってもシリンダボア孔2
回りにおいて折り返し部5の厚さが余り変化しない場合
に,折り返し部5とビード4より半径方向外側の領域と
段差を小さくするためにビード4が凸となる側の面に装
着される。
また,第6図及び第7図は,この発明による金属製ガ
スケットの更に別の実施例の断面図である。この実施例
の金属製ガスケット1の平面図,断面位置及び金属製ガ
スケット1の主要な構造は,先の実施例と同じであるの
で重複する説明を省略する。この実施例においては,折
り返し部5A,5Bに厚さt3,例えば,100〜200μmの軟質金
属板7A,7B(以下,総称するときは符号7を用いる)が
密着状態に挟まれている。即ち,金属製ガスケット1が
無負荷状態にあるときに,軟質金属板7A,7Bは,その両
面において,折り返し部5A,5Bの折り返し部分15A,15Bに
対しても金属板の基板14に対しても実質的に隙間なく折
り重ねられた状態となっている。従って,金属製ガスケ
ット1を対向取付面間に締め付けたときにビード4が圧
縮変形するが,ビードの変形量は軟質金属板7を密着状
態に挟んでいる折り返し部5の厚さ(即ち,一定のスト
ッパ量)によって確実に規定される。また,折り返し部
5の厚さは,予圧縮後において,シリンダボア孔2間で
は2t+t3−αであり,シリンダボア孔2間以外のシリン
ダボア回りで2t+t3−βである。従って,βはαよりも
大きい値を持つので,シリンダボア孔2間の厚さ(2t+
t3−α)は,シリンダボア孔2間以外のシリンダボア回
りの厚さ(2t+t3−β)より厚く構成されることにな
る。勿論,αの値及びβの値も,第8図及び第9図に示
したように,シリンダボア周囲位置に応じて変更するこ
とができる。
上記の構成を有する金属製ガスケット1は,次の工程
から成る製造方法を経ることによって製作することがで
きる。この金属製ガスケットの製造方法では,先に示し
た金属製ガスケットの製造方法の実施例に比較して,折
り返し部5に軟質金属板7を挟み込む工程を有している
以外は,上記実施例と同一であるので,異なっている工
程についてのみ説明する。即ち,上記のシリンダボア孔
2の周囲において半径方向外側に折り曲げ加工を施して
折り返し部5を形成する工程において,金属板の基板14
と折り返し部分15との間に軟質金属板7を挟み込む工程
を加える。次いで,軟質金属板7を挟み込んだ折り返し
部5に圧縮力を付与して予め設定された厚さにまで圧縮
し,無負荷状態において折り返し部5を軟質金属板を挟
んだ密着状態,即ち,軟質金属板7の両面において基板
14と折り返し部分15とに実質的に隙間が形成されないよ
うに挟み込んだ密着状態に成形する。最後に,折り返し
部5を形成した金属板及び挟み込んだ軟質金属板7を硬
化熱処理して硬さを調整する処理を行う。
軟質金属板7は,シリンダボア孔2回りとビード4よ
り半径方向外側の領域との厚さの差を調整するために設
けられるものである。例えば,予圧縮によってシリンダ
ボア孔2回りにおいて折り返し部5の厚さが大きく減少
する場合に,折り返し部5とビード部4より半径方向外
側の領域との段差を大きくするために,該軟質金属板7
をビード4が凸となる側の面に装着する。
金属製ガスケット1は,シリンダヘッドとシリンダブ
ロックとの間に介装されて,例えば,ボルト孔3を通し
たボルトにより締付けて押圧状態にすると,弾性金属板
のシリンダボア孔2の近傍周囲に設けたビード4が,シ
リンダベッドの接合面に対して線接触のシール線を形成
する。また,折り返し部5はシリンダブロック側とシリ
ンダヘッド側の対向取付面に対してやはりシール線を形
成するが,シリンダヘッド及びシリンダブロックに対す
るシール圧力は板厚が増大している分だけ高くなり,こ
れらの二段構えのシール線によって,シリンダボア孔2
からの高温高圧の燃焼ガスが両対向取付面に漏れ出るの
を阻止することができる。
また,シリンダヘッドとシリンダブロックとを締付け
時に,シリンダヘッドとシリンダブロックとの対向取付
面に不整が生じても折り返し部5がこれに対応して変形
し,対向取付面間の不揃いな間隙を吸収する。このよう
にシール線の増加と上記対向取付面の不整の吸収とによ
り,内燃機関の爆発・膨張の燃焼サイクル時の繰り返し
で発生するシリンダヘッドの歪み量が抑制される。折り
返し部5もビード4と共に対向取付面に当接するので,
ビード4の全圧縮を防止し,ビード4に発生する負荷応
力を軽減し,ビード4の耐久性を向上してビード4にへ
たり亀裂が生じるのを防止する。
この発明の実施例は,以上のように構成されている
が,この出願の特許請求の範囲に記載された事項によっ
て構成される技術的思想の範囲内において種々の修正や
変更が可能である。
〔発明の効果〕
この発明による金属製ガスケット及びその製造方法
は,以上のように構成されているので,次のような効果
を有する。即ち,この発明による金属製ガスケットは,
金属板に形成したシリンダボア孔,該シリンダボア孔の
周縁から半径方向外側に隔置して前記シリンダボア孔に
沿って設けたビード,及びシリンダボア孔の周囲におい
て半径方向外側に折り返して形成された折り返し部から
成り,金属板の前記折り返し部は,予め設定した厚さに
まで圧縮されることにより無負荷状態において密着状態
に成形されているので,シリンダヘッドとシリンダブロ
ックとの間で締付けて押圧状態にすると,弾性金属板の
シリンダボア孔近傍周囲に設けたビードが前記二つの構
造部分の対向取付面に対してシール線を形成すると共
に,前記シリンダボア孔周縁に形成した折り返し部も前
記接合面に当接して別のシール線を形成する。二つの構
造部分の対向取付面に不整が生じても折り返し部が歪み
に対応して変形し,対向取付面間の不揃いな間隙を吸収
する。そして,シール線の増加と上記接合面の不整の吸
収により内燃機関の吸入工程,圧縮工程,膨張工程及び
排気工程,特に膨張工程の繰り返しで発生するシリンダ
ヘッドの歪み量が制御される。
しかも,構造部材の対向取付面間にシール線が増加す
ると共に,折り返し部は,無負荷状態において密着状態
に形成されているためビードの変形量を規制するストッ
パ量が一定で確実なストッパとしての働きをするので,
ビード部に対しては全圧縮が確実に防止され,内燃機関
の始動,運転,停止等の作動状態に伴って発生する変動
負荷応力を確実に軽減することができる。従って,ビー
ドのヘタリや亀裂の発生の防止に役立ち,ビードの耐久
性が向上する。
また,この金属製ガスケットの製造方法においては,
素材としての軟質金属板をビード加工し,完成したとき
のシリンダボア孔より小さい孔を形成した金属板をその
孔の周囲において曲げ加工を施してシリンダボア孔を形
成し,次いで,折り曲げ加工によって折り返し部を形成
し,更に折り返し部の厚さを圧縮成形で調節をして折り
返し部を軟質金属板を挟んだ密着状態に形成した後に,
硬化熱処理して金属製ガスケットを製作するので,軟質
状態のときに加工度の高い密着状態に至るまでの曲げ加
工が行われ,切削等の余分な加工が必要でなく,加工コ
ストが低廉であり,熱処理後は所望の硬さを有すると共
に所望の厚さを有する金属製ガスケットを得ることがで
きる。
また,この金属製ガスケットにおいて,前記金属板の
両面に耐熱性及び耐油性のゴム又は樹脂等の非金属材料
を塗布したので,シリンダブロック及びシリンダヘッド
に対して金属対金属の接触状態を避けると共に,腐食性
の燃焼ガスに対抗する対触性と耐久性及び強度が確保さ
れ,十分なシール機能を果たすことができる。
前記折り返し部とビードよりも半径方向外側の領域と
において,両者に必要な段差が得られるように調節する
手段が備わっている。即ち,前記必要な段差以上の段差
が発生する場合には,前記シリンダボア孔間を除く前記
ビードの半径方向外側でかつ前記ビードが凸面側に,前
記金属板より薄い金属板を積層して前記段差の調節を行
うことができる。また,両者に必要な段差以下の段差と
なる場合には,前記折り返し部に軟質金属板を挟んで折
り返し,折り返し部の厚さが大きくなるように前記段差
の調節を行うことができる。
また,この金属製ガスケットの製造方法において,前
記折り返し部に軟質金属板を挟んで折り返した場合に
は,硬化熱処理が挟まれた軟質金属板にまで及ぶように
処理すれば,折り返し部にばね性が与えられ,シリンダ
ヘッドとシリンダブロックとの間に挟んで圧縮したとき
には,シール性能が向上すると共に,両者の動きに対す
る追従性が向上する。
更に,前記折り返し部の厚さは,隣接するシリンダボ
ア孔の間の領域に位置する部分の厚さをその他の部分の
厚さよりも厚くされているので,シリンダブロックに対
して比較的剛性が低いシリンダヘッドが,複数のシリン
ダボア孔を持つときには,隣接するシリンダボア孔の構
造材料の撓み変形に対して効果的に対応することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による金属製ガスケットの一実施例を
示す平面図,第2図は第1図の金属製ガスケットの線II
−IIにおける断面図,第3図は第1図の金属製ガスケッ
トの線III−IIIにおける断面図,第4図はこの発明によ
る金属製ガスケットの別の実施例を示す第2図と同様の
位置における断面図,第5図はこの発明による金属製ガ
スケットの別の実施例を示す第3図と同様の位置におけ
る断面図,第6図はこの発明による金属製ガスケットの
更に別の実施例を示す第2図と同様の位置における断面
図,第7図はこの発明による金属製ガスケットの更に別
の実施例を示す第3図と同様の位置における断面図,第
8図及び第9図はシリンダボア孔の周囲における折り返
し部の厚さの分布を示す説明図,第10図は従来の金属製
ガスケットの一例を示す平面図,及び第11図は第10図の
線VIII−VIIIにおける断面図である。 1……金属製ガスケット,2,2A,2B,2C,2D……シリンダボ
ア孔,4,4A,4B,4C,4D……ビード,5,5A,5B……折り返し
部,6……金属板,7,7A,7B……軟質金属板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−255253(JP,A) 特開 昭62−155375(JP,A) 特開 平1−182563(JP,A) 特開 昭63−96357(JP,A) 実開 平2−59362(JP,U) 実開 昭62−134966(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16J 15/08 F02F 11/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板に形成したシリンダボア孔,該シリ
    ンダボア孔の周縁から半径方向外側に隔置して前記シリ
    ンダボア孔に沿って形成したビード,及び前記シリンダ
    ボア孔の周囲において半径方向外側に折り返して形成し
    た折り返し部を有し,前記金属板の前記折り返し部は,
    予め設定した厚さにまで圧縮されることにより無負荷状
    態において密着状態に成形され且つ硬化熱処理されてい
    ることを特徴とする金属製ガスケット。
  2. 【請求項2】金属板に形成したシリンダボア孔,該シリ
    ンダボア孔の周縁から半径方向外側に隔置して前記シリ
    ンダボア孔に沿って形成したビード,及び前記シリンダ
    ボア孔の周囲において半径方向外側に軟質金属板を挟ん
    で折り返して形成した折り返し部を有し,前記金属板の
    前記折り返し部は,予め設定した厚さにまで圧縮される
    ことにより無負荷状態において前記軟質金属板を挟んだ
    密着状態に成形され且つ硬化熱処理されていることを特
    徴とする金属製ガスケット。
  3. 【請求項3】前記ビードの半径方向外側で且つ該ビード
    の凸面側に厚さ調整のための金属板を積層したことを特
    徴とする請求項1又は2に記載の金属製ガスケット。
  4. 【請求項4】前記金属板の両面に耐熱性及び耐油性のゴ
    ム,樹脂等の非金属材料を塗布したことを特徴とする請
    求項1又は2に記載の金属製ガスケット。
  5. 【請求項5】前記折り返し部が前記シリンダボア孔間で
    厚く且つ前記シリンダボア孔間以外で薄く形成されてい
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属製ガス
    ケット。
  6. 【請求項6】金属板にシリンダボア孔を形成する工程,
    該シリンダボア孔の周縁から半径方向外側に隔置して前
    記シリンダボア孔に沿ってビードを成形加工する工程,
    前記シリンダボア孔の周囲において半径方向外側に折り
    曲げ加工を施して折り返し部を形成する工程,該折り返
    し部に圧縮力を付与して予め設定された厚さにまで圧縮
    することにより前記折り返し部を密着状態に成形する工
    程,及び前記折り返し部を形成した前記金属板を硬化熱
    処理して該金属板の硬さを調整する工程から成る金属製
    ガスケットの製造方法。
  7. 【請求項7】金属板にシリンダボア孔を形成する工程,
    該シリンダボア孔の周縁から半径方向外側に隔置して前
    記シリンダボア孔に沿ってビードを成形加工する工程,
    前記シリンダボア孔の周囲において半径方向外側に折り
    曲げ加工を施して折り返し部を形成すると共に該折り返
    し部に軟質金属板を挟み込む工程,該折り返し部に圧縮
    力を付与して予め設定された厚さにまで圧縮することに
    より前記折り返し部を前記軟質金属板を挟んだ密着状態
    に成形する工程,及び前記折り返し部を形成した前記金
    属板及び前記軟質金属板を硬化熱処理して硬さを調整す
    る工程から成る金属製ガスケットの製造方法。
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