JP2925482B2 - 保護膜を有する紫外線吸収ガラス - Google Patents

保護膜を有する紫外線吸収ガラス

Info

Publication number
JP2925482B2
JP2925482B2 JP1981996A JP1981996A JP2925482B2 JP 2925482 B2 JP2925482 B2 JP 2925482B2 JP 1981996 A JP1981996 A JP 1981996A JP 1981996 A JP1981996 A JP 1981996A JP 2925482 B2 JP2925482 B2 JP 2925482B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
glass
zinc
oxide film
zinc oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1981996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08301634A (ja
Inventor
剛 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP1981996A priority Critical patent/JP2925482B2/ja
Publication of JPH08301634A publication Critical patent/JPH08301634A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2925482B2 publication Critical patent/JP2925482B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、選択的に紫外線のみを
吸収する酸化亜鉛の被膜およびその膜を保護するための
酸化珪素等を含有する酸化物被膜を形成せしめた紫外線
吸収ガラスに関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】一般に紫外線吸収ガラスを作
成しようとする場合、紫外線を吸収する組成のガラスを
直接製造するか、または普通の板ガラス組成で製造され
たソーダ石灰ガラスの表面に紫外線吸収被膜を設置する
かの二つの方法が考えられる。
【0003】紫外線吸収ガラスの組成は、通常のガラス
組成に酸化セリウム、酸化鉄、酸化チタンあるいは酸化
バナジウム等を添加した組成となるため、特別な組成の
ガラスを製造する必要があり、手間がかかるだけではな
くコスト高にもなる。
【0004】紫外線吸収被膜を設置する方法としては、
紫外線吸収剤を含む有機フィルムや有機コーティング膜
を接着する方法と、ガラス上に紫外線吸収膜を直接形成
する方法とがある。前者ではフィルムやコーティング膜
の硬度が不充分なため擦り傷が入りやすい等の問題点が
あるため、後者の方法、すなわち通常使用される板ガラ
ス表面に紫外線吸収膜を形成する方法が普通に行われて
いるが、用いられる金属酸化物は酸化セリウム、酸化鉄
あるいは酸化バナジウム等であり、酸化亜鉛(ZnO)
は殆ど使用されていない。
【0005】塗布法により酸化亜鉛膜を形成させた例と
して、2−エチルヘキサン酸亜鉛とリノール酸およびベ
ンゼンの混合溶液をスライドガラスにディップした後引
き上げ、乾燥、焼成して作成した例があり、透明な膜が
得られたと報告されている[日本化学会北海道支部19
82年夏季研究発表会講演要旨集,46(198
2)]。
【0006】本発明者らは前記方法が紫外線吸収膜形成
に応用できると考えて追試を行ったが、前記方法を用い
て紫外線吸収を十分に行おうとすれば、被膜にガーゼ様
の縞模様が生じ、また可視領域での透過が充分ではない
ため、板ガラスの透明感が損なわれるという問題点があ
ることがわかった。
【0007】また、得られる酸化亜鉛膜は、酸性物質、
アルカリ性物質によって浸食を受ける場合があり、機械
的強度ももとのシリカガラスに比べて充分でないという
問題点もあった。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者はかかる問題
点に鑑み、鋭意検討した結果、形成された酸化亜鉛膜
は、酸性物質、アルカリ性物質によって侵食を受ける場
合があり、機械的強度ももとのシリカガラスに比べて充
分でないため、酸化亜鉛膜上に酸化珪素、酸化ジルコニ
ウムまたは酸化チタンを含有する酸化物被膜を形成させ
て保護することが好ましいことを見いだし、本発明に到
達した。
【0009】すなわち、本発明は、2−エチルヘキサン
酸亜鉛100重量部に対し、リノール酸を含む脂肪酸を
60〜100重量部の割合で含む溶液の酸化重合を行
い、その後有機溶媒150〜850重量部を添加して調
製した薬液を用いてガラス上に形成した酸化亜鉛膜の上
に、さらに少なくとも酸化珪素、酸化ジルコニウムまた
は酸化チタンを含有する酸化物被膜を形成せしめた紫外
線吸収ガラスである。
【0010】酸化亜鉛膜は、例えば以下に述べる方法で
作成することができる。すなわち、2−エチルヘキサン
酸亜鉛100重量部に対し、リノール酸を含む脂肪酸を
60〜100重量部の割合で含む溶液の酸化重合を行
い、その後有機溶媒150〜850重量部を添加したこ
とを特徴とする被膜形成用薬液、さらに上記被膜形成用
薬液に2−エチルヘキサン酸亜鉛100重量部に対し3
〜25重量部の割合でシリコーンオイルまたはアクリル
系重合物を添加した被膜形成用薬液、上記薬液でも特に
上記酸化重合を含酸素雰囲気中で攪拌しながら150〜
250℃、1時間以上の加熱、攪拌処理により行うこと
を特徴とする被膜形成用薬液から形成されることができ
る。
【0011】上記薬液を板ガラスの表面に塗布、乾燥さ
せた後、400℃以上で焼成することにより酸化亜鉛被
膜を形成することができる。この時使用される2−エチ
ルヘキサン酸亜鉛およびリノール酸は亜鉛以外の金属な
どの不純物が少ない物であれば特に問題なく、市販の製
品でそのまま使用することができる。
【0012】上記薬液の製造方法としては、まず2−エ
チルヘキサン酸亜鉛100重量部に対し、リノール酸を
含む脂肪酸を60〜100重量部の割合で添加した混合
溶液の酸化重合を行う。
【0013】混合溶液の粘度が高く混合しにくい場合に
は、芳香族系等の溶媒を添加してもよい。リノール酸を
含む脂肪酸としては、リノール酸が90重量%以上のも
のでもよいが、普通安価に得られるリノール酸を60重
量%程度含む脱水ヒマシ油脂肪酸を用いることができ、
その方が経済的にも有利である。
【0014】混合溶液中でのリノール酸の酸化重合は、
有機過酸化物を使用して行うこともできるし、単に含酸
素雰囲気中で加熱、攪拌することによって、ガス中の酸
素により酸化を行うこともできる。
【0015】有機過酸化物を使用する場合は、3,3,
5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のよ
うなケトンパーオキサイド系、tert−ブチルパーオ
キシベンゾエート等のようなパーオキシエステル系、ジ
(tert−ブチル)パーオキサイド等のようなジアル
キルパーオキサイド系、1,1−ビス(tert−ブチ
ルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン等のようなパーオキシケタール系の有機過酸化物が好
ましい。
【0016】酸化重合させる際に金属化合物等の触媒を
用いる場合もあるが、2−エチルヘキサン酸亜鉛自体が
触媒的な役目を果たすために、特に金属化合物は必要と
しない。
【0017】さらに、特に上記のような有機過酸化物を
用いなくても150〜250℃の温度範囲で含酸素雰囲
気中、1時間以上、加熱、攪拌を行うことにより、系全
体として均一にしかも充分酸化重合が進行するため、こ
の方法の方が好ましい。150℃より低い温度では、充
分酸化重合が進行せず、250℃より高い温度では、混
合溶液中の化合物が分解し始めるため好ましくない。時
間は1時間以上であれば充分な酸化重合が進行し、長時
間行なっても余り重合度は上がらす、経済的にも不利で
ある。
【0018】上記のような処理により得られた混合物は
重合が進行しているため粘度がかなり上がっており、室
温まで冷却した場合は殆ど流動性のない固形状の物質と
なる。
【0019】しかし、この物質はしたに例示する有機溶
媒に簡単に溶解するので、得られた溶液を塗布時に使用
することができる。この時、使用する有機溶媒として
は、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒やi−プロパ
ノール、n−ブタノール等のアルコール系溶媒、酢酸エ
チル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒が挙げられ、その
量は、上記固形状物質150〜200重量部に対して有
機溶媒150〜850重量部添加した溶液として使用す
る。
【0020】前記溶媒使用量は、塗布する液中の亜鉛濃
度を適切な値に保つためおよび各種塗布に適した粘度に
するため、さらには良好な平滑膜を得るための量であ
る。塗布方法により膜厚を操作できるが、一般に溶媒の
比率が高すぎると溶液中の亜鉛濃度が低くなりすぎるた
め、塗膜の厚さが薄すぎて紫外線吸収ガラスとした場
合、紫外線吸収効果が充分ではなく、一方溶媒の比率が
低すぎる場合は、溶液中の亜鉛濃度が高く、粘度が高く
なるため塗布液に適さないばかりでなく、膜厚が厚くな
って可視領域の透過率が下がるため好ましくない。
【0021】紫外線吸収ガラスとして可視光波長域の透
過率をさらに高めるためには、シリコーンオイルまたは
アクリル系重合物を2−エチルヘキサン酸亜鉛100重
量部に対し、3〜25重量部の範囲で添加して混合すれ
ばよい。
【0022】使用するシリコーンオイルとしては、ジメ
チルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイ
ル、シリコーンポリオキシエチレン共重合体、アミノ変
性シリコーンオイル等が好ましい。アクリル系重合物と
しては、例えば楠本化成(株)ディスパロン#230、
L−1980−50、L−1982−50、L−198
3−50、L−1984−50やビッグ・ケミー・ジャ
パン製Byk−51、52、53、57、354、35
8、361等が使用できる。
【0023】この様にして得られた溶液は、紫外線吸収
ガラスを作成するための塗布溶液として最適のものであ
る。溶液の塗布方法としては、スプレー法、ロールコー
ト法、スピンコート法、浸漬法、カーテンコート法等の
方法をとることができるが、スピンコート法、浸漬法、
カーテンコート法が光学特性の優れた均一な膜を容易に
製造する方法として優れている。
【0024】上記方法で塗膜を形成せしめた後、有機溶
媒を除去するために70〜200℃で5〜30分間乾燥
を行い、さらに400℃以上の温度で10〜30分間焼
成を行い、塗布層中の有機分を完全に酸化分解し、亜鉛
がその酸化物としてガラス上に残留する。
【0025】上記乾燥を行う場合、対流式の普通の乾燥
炉で乾燥することもできるが、赤外線炉または遠赤外線
炉が、乾燥が早く均一な膜が形成されるため好ましい。
また、熱分解ガスが炉内に滞留しないように充分換気を
おこなう必要がある。
【0026】紫外線吸収ガラスとして使用する場合の被
膜の厚さは、紫外線を充分吸収し、しかも可視光領域の
透過率が充分高い必要がある、そのためには0.4〜
1.2μm程度の膜厚が好ましい。例えば、塗膜の厚さ
を1μm程度とした場合、370nm付近の波長までの
紫外線は殆ど吸収し、420nm以上の長波長域では透
過率の高い被膜が得られる。このような優れた膜が得ら
れるのは、はっきりした理由が解明されたわけではない
が、その理由としては以下のことが考えられる。
【0027】まず、一つの理由としては塗布液は、リノ
ール酸の高分子重合体を含有しており、そのため揮発し
やすい2−エチルヘキサン酸亜鉛が高分子中に包み込ま
れるような形で塗膜中に存在することが考えられ、ま
た、2−エチルヘキサン酸亜鉛の2−エチルヘキサン酸
の一部とリノール酸が交換し、かつそのリノール酸が触
媒作用により酸化重合を促進して硬化することも考えら
れる。
【0028】このように、溶液中の亜鉛は焼成時に殆ど
残存するために塗膜の厚さの変化がなく、均一で凸凹の
少ない透明な膜になると考えられる。また、製膜の際も
適度の粘度を有しているため浸漬法で製膜した場合、塗
膜自体も均一な膜になり、塗布後も膜厚が変化しない。
【0029】このようにして作成された酸化亜鉛の場
合、酸化亜鉛のC軸がガラス面に対して垂直に配向して
いることがX線分析により確認された。シリコーンオイ
ルまたはアクリル系重合物を添加した場合に特に透明性
に優れた膜が形成されるはっきりした理由についてはわ
からないが、X線分析より添加しない場合に比べて結晶
性が低下している。
【0030】シリコーンオイルまたはアクリル系重合物
が焼成時の酸化亜鉛の結晶配向または成長の仕方に何ら
かの関与をしていると考えられる。酸化重合を行ってい
ない全く同じ組成の溶液を塗布して製膜した場合、光線
の透過率自体は紫外線吸収膜としての性能を有している
が、形成された被膜いガーゼ様の縞模様が観察された
り、色ムラが生じ、紫外線吸収ガラスとしては光学的に
好ましくないものとなり、また塗布液中の亜鉛も若干蒸
発していることが分かった。
【0031】得られた酸化亜鉛膜は、酸性物質、アルカ
リ性物質によって浸食を受ける場合があり、機械的強度
ももとのガラスに比べて充分でないため酸化亜鉛膜上に
酸化珪素、酸化シルコニウムまたは酸化チタンを含有す
る酸化物被膜を形成させて保護するのが好ましい。
【0032】酸化物被膜形成に使用される薬液は、S
i、Ti、Zr等のアルコキシド、塩素含有アルコキシ
ド、無機塩単独またはSiアルコキシドにNa、Ca、
K,B,Zn、Ti、Zr、Al等のアルコキシド、塩
素含有アルコキシド、無機塩も同時に含有させたガラス
組成の溶液をそのまま、または部分加水分解させた後、
浸漬法、スプレー法、ローラーコート法、カーテンコー
ト法等の方法により塗布する。
【0033】上記方法により形成された塗膜は、70〜
150℃で5〜15分間乾燥し、電気炉により400℃
以上で10〜30分間焼成することで、酸化物または酸
化物ガラスとして優れた保護膜となり、実用上非常に優
れた紫外線吸収ガラスが得られる。
【0034】以上のように、本発明の紫外線吸収ガラス
は、建築用、自動車用等で様々な用途が考えられ、ガラ
スの内側にある種々のものを紫外線による劣化から保護
することができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例により限定されるものでは
ない。 [酸化亜鉛膜を有するガラスの調製例1]2−エチルヘ
キサン酸亜鉛100g、リノール酸80gおよび溶媒と
して混合キシレンを攪拌機および還流器付き500ml
丸底フラスコに入れ、オイルバスで190〜220℃に
維持しながら2時間攪拌し、茶褐色の粘稠な液体を得
た。この液体をさらに5〜20mmHgの減圧下で蒸留
することにより溶媒として使用した混合キシレンを除去
し、185gの茶褐色の固体状物質を得た。
【0036】上記固体状物質52.5gをトルエン4
7.5g中に投入して、攪拌することにより酸化亜鉛被
膜形成用薬液を調製することができた。この薬液に10
0×100×3mmで片面にマスキングフィルムを付け
たソーダ石灰ガラスを浸漬し、30cm/minの速度
で引き上げて片面の塗膜を形成した。該塗膜は150℃
で15分間遠赤外線炉で乾燥して、溶媒の除去および膜
の硬化を行い、さらに電気炉により550℃で15分間
焼成して、厚さ1.05μmのガーゼ様しわ模様や色ム
ラのない透明で均一な厚さの酸化亜鉛被膜を得た。 得
られた紫外線吸収ガラスの入射光に対する波長と透過率
との関係を第1図に示す。
【0037】この紫外線吸収ガラスの透過率は生板ガラ
スの透過率に比べ、可視領域の短波長側では若干低下し
ているものの、370nm以下では0%であり、紫外線
を有効に吸収していることがわかる。 [酸化亜鉛膜を有するガラスの調製例2][酸化亜鉛膜
を有するガラスの調製例1]において、固体状物質5
2.5gを、トルエン46.5g、ジメチルシリコーン
系化合物(東芝シリコーン製 TSF−400)1gの
混合溶液中に投入した他は、[酸化亜鉛膜を有するガラ
スの調製例1]と、全く同様の方法で実施し、同様に厚
さ1.05μmの酸化亜鉛被膜を得た。得られた紫外線
吸収ガラスの入射光に対する波長と透過率との関係を第
1図に示すが、370nm以下の吸収が100%で、か
つ可視領域では生ガラス板と透過率が殆ど変わらないこ
とがわかる。 [酸化亜鉛膜を有するガラスの調製例3]2−エチルヘ
キサン酸亜鉛100g、脱水ひまし油脂肪酸(総研化
学)80gおよび溶媒として混合キシレンを攪拌機およ
び還流器付き500ml丸底フラスコに入れ、[酸化亜
鉛膜を有するガラスの調製例1]と同様な加熱処理によ
り180gの茶褐色の固体状物質を得た。
【0038】得られた固体状物質52gを、イソプロピ
ルアルコール15g、ジメチルシリコーン0.5gの混
合溶液に投入した他は、[酸化亜鉛膜を有するガラスの
調製例1]と全く同様の方法を実施し、厚さ0.97μ
mの均一透明な膜を得た。
【0039】得られた膜の光学特性は、[酸化亜鉛膜を
有するガラスの調製例2]で得られたものと殆ど変わら
なかった。 [実施例1][酸化亜鉛膜を有するガラスの調製例2]
で得た酸化亜鉛被膜を有するガラス板に、さらに表1に
示す組成の液を浸漬法により塗布した。
【0040】すなわち、ブタノールを溶媒とした表1に
示す組成の化合物を含む溶液0.5mol/lに上記ガ
ラス板を浸漬し、27cm/minの速度で引き上げ、
150℃で15分間熱処理し、500℃で15分間焼成
し、表2に示す膜厚の酸化物膜を得た。実施例1で得ら
れた紫外線吸収ガラスの入射光に対する波長と透過率と
の関係を図1に示すが、保護膜を設けない[酸化亜鉛膜
を有するガラスの調製例2]と比較して殆ど波長吸収特
性の変わらない紫外線吸収ガラスとなることが分かる。 [実施例2〜7]実施例2〜7についても実施例1と同
様、保護膜を設けない[酸化亜鉛膜を有するガラスの調
製例2]に比較して殆ど波長吸収特性の変わらない紫外
線吸収ガラスとなった。
【0041】また、得られた紫外線吸収ガラスにつき種
々の物性試験をおこなった。曇化率については、JIS
R−3212に従った耐磨耗試験で、規定の磨耗ホイ
ールにより供試体を磨耗し、散乱透過率/全透過率
(%)で表し、結果を表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】[比較例1]比較例1は、酸化亜鉛膜、保
護膜を付けていない生板ガラスである。保護膜を付けな
い酸化亜鉛単独の膜については特に表に示していない
が、化学的耐久性や耐磨耗試験等においても、保護膜を
付けたものに比較して性能はかなり劣った。
【0045】結果より分かるように耐酸性が充分といえ
ないものや、曇化率が被覆をおこなわない生板ガラスよ
り少し劣るものもあるが、上記試験でも保護膜が剥離し
たものは全くなく、酸化亜鉛膜単独よりも遥かに化学
的、機械的強度に優れているので、用途によっては充分
使用できるものである。
【0046】
【発明の効果】本発明の紫外線吸収ガラスは紫外線だけ
を吸収する優れた光学特性を示し、酸化亜鉛被膜の上に
さらにシリカなどを含有する酸化物の膜をコーティング
することにより、化学的、機械的に優れた紫外線吸収ガ
ラスとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 [酸化亜鉛膜を有するガラスの調製例1]、
[酸化亜鉛膜を有するガラスの調製例2]および実施例
1で得られた紫外線吸収ガラス並びにコーティング前の
生板ガラスの光の波長と透過率の関係を示す線図であ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2−エチルヘキサン酸亜鉛100重量部に
    対し、リノール酸を含む脂肪酸を60〜100重量部の
    割合で含む溶液の酸化重合を行い、その後有機溶媒15
    0〜850重量部を添加して調製した薬液を用いてガラ
    ス上に形成した酸化亜鉛膜の上に、さらに少なくとも酸
    化珪素、酸化ジルコニウムまたは酸化チタンを含有する
    酸化物被膜を形成せしめた紫外線吸収ガラス。
JP1981996A 1989-12-15 1996-02-06 保護膜を有する紫外線吸収ガラス Expired - Lifetime JP2925482B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1981996A JP2925482B2 (ja) 1989-12-15 1996-02-06 保護膜を有する紫外線吸収ガラス

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1-325557 1989-12-15
JP32555789 1989-12-15
JP1981996A JP2925482B2 (ja) 1989-12-15 1996-02-06 保護膜を有する紫外線吸収ガラス

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2291110A Division JP2524650B2 (ja) 1989-12-15 1990-10-29 被膜形成用薬液およびそれを用いた膜形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08301634A JPH08301634A (ja) 1996-11-19
JP2925482B2 true JP2925482B2 (ja) 1999-07-28

Family

ID=26356677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1981996A Expired - Lifetime JP2925482B2 (ja) 1989-12-15 1996-02-06 保護膜を有する紫外線吸収ガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2925482B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE1016494A3 (fr) * 2005-04-15 2006-12-05 Glaverbel Vitrage anti-feu.
CN115745426B (zh) * 2022-11-03 2023-07-07 青岛中兴通轨道交通科技有限公司 一种锂铝硅玻璃的强化方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08301634A (ja) 1996-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE3786864T2 (de) Beschichtungszusammensetzungen auf der Basis von Siloxanen und Metalloxiden.
US7294365B2 (en) Method for photocatalytically rendering a surface of a substrate superhydrophilic, a substrate with superhydrophilic photocatalytic surface, and method of making thereof
EP1165152B1 (de) Beschichtung für haushaltsgeräte auf silanbasis mit desodorisierender wirkung
JP2555797B2 (ja) 撥水ガラス及びその製造方法
EP2484732B1 (de) Verbundstoff und Verfahren zu seiner Herstellung
US20120168666A1 (en) Coating composition and uses thereof
JP2007137713A (ja) 表面防曇かつ防汚性強化ガラス及びその製造方法
JP2014079920A (ja) 物品およびその製造方法
JP5827107B2 (ja) 被膜形成用組成物の調製方法、および太陽電池モジュールの製造方法
JP2925482B2 (ja) 保護膜を有する紫外線吸収ガラス
JP2524650B2 (ja) 被膜形成用薬液およびそれを用いた膜形成方法
AU706945B2 (en) Colored film forming composition and method of manufacturing colored film coated glass product
JP2001137711A (ja) 光触媒層の形成方法
JP2946569B2 (ja) 高耐熱性高屈折率複合酸化物薄膜形成用組成物
JP7083342B2 (ja) 低反射膜付き透明基板、光電変換装置、低反射膜付き透明基板の低反射膜を形成するための塗工液及び低反射膜付き透明基板の製造方法
JP5192187B2 (ja) 光触媒膜用接着層の形成用組成物、光触媒膜用接着層、光触媒膜用接着層の形成方法及び光触媒構造体
JP2001200202A (ja) 無機質膜の形成方法
JP2008201812A (ja) 親水性皮膜転写シート、及びそれを用いて得た親水性構造体とその製造方法
JP2535113B2 (ja) 紫外線吸収ガラス
JP2007223825A (ja) 断熱ガラス
JPH10316885A (ja) 着色膜形成用組成物および着色膜被覆ガラス物品の製造方法
JP3357090B2 (ja) 紫外線吸収ガラスの製造方法
JPH0616455A (ja) 撥水性酸化物被膜およびその形成法
JP7343750B2 (ja) 反射防止膜及びその製造方法、及びそれを用いた光学部材
JP2004292754A (ja) 防曇性コーティング材料、コーティング膜及びその膜を用いた光学部材