JP2923088B2 - スクロール型流体機械 - Google Patents

スクロール型流体機械

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JP2923088B2
JP2923088B2 JP16230591A JP16230591A JP2923088B2 JP 2923088 B2 JP2923088 B2 JP 2923088B2 JP 16230591 A JP16230591 A JP 16230591A JP 16230591 A JP16230591 A JP 16230591A JP 2923088 B2 JP2923088 B2 JP 2923088B2
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徹三 鵜飼
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧縮機又は膨張機として
用いられるスクロール型流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】図2ないし図4には従来の密閉スクロー
ル型圧縮機の1例が示されている。8は密閉ハウジング
で、筒状ハウジング8aとこの上部開口を閉塞するアッパ
ーハウジング8bとからなり、その内部はディスチャージ
カバー31によって高圧側44と低圧側45とに仕切られてい
る。低圧側45の内部にはその上部にスクロール型圧縮機
構Cが、下部に電動モータMが配設され、これらは回転
シヤフト5を介して互いに連動連結されている。電動モ
ータMはロータMaとステータMbとからなり、ロータMaは
回転シヤフト5に固定され、ステータMbは筒状ハウジン
グ8aに固定されている。
【0003】スクロール型圧縮機構Cは固定スクロール
1及び旋回スクロール2を備えている。固定スクロール
1は端板11とその内面に立設されたうず巻状ラップ12と
を備え、この端板11の中央部には吐出ポート13が設けら
れている。旋回スクロール2は端板21とこの内面に立設
されたうず巻状ラップ22とを備え、この端板21の外面に
立設されたボス23内にドライブブッシュ54が旋回軸受73
を介して回転自在に嵌装され、このドライブブッシュ54
に穿設されたスライド穴55内に回転シヤフト5の上端か
ら突出する偏心ピン53がスライド自在に嵌合されてい
る。
【0004】固定スクロール1と旋回スクロール2とを
相互に所定距離だけ偏心させ、かつ、 180°だけ角度を
ずらせて噛み合わせることによって複数個の密閉空間24
が形成されている。旋回スクロール2は密閉ハウジング
8に固定ピン35によって固定されたケーシング6上に摺
動自在に支持され、旋回スクロール2とケーシング6と
の間には旋回スクロール2の公転旋回運動を許容する
が、その自転を阻止するオルダムリンク等からなる自転
阻止機構3が配設されている。
【0005】固定スクロール1の外周に形成されたフラ
ンジ14とケーシング6に突設された脚6bとの間に薄板状
の支持バネ32が配設され、この支持バネ32の両端はボル
ト36によってフランジ14に締結され、中央部はボルト37
によって脚6bに締結されている。このようにして、固定
スクロール1は支持バネ33を介して浮上自在にケーシン
グ6に支持されている。固定スクロール1の端板11の外
面には端板11の中心を中心とする同芯の円筒状フランジ
15、16が上方に向かって突設されている。そして、ディ
スチャージカバー31の下面には下方に向かって円筒状フ
ランジ39が突設されている。この円筒状フランジ39を円
筒状フランジ15と16との間に封密摺動自在に嵌合させる
ことによって中間圧力室40が形成され、この中間圧力室
40は端板11に穿設された導圧管41を介してガスを圧縮途
中の密閉空間24に連通している。そして、この中間圧力
室40の内周側には高圧室42が形成され、また、外周側に
は低圧室43が形成されている。
【0006】回転シヤフト5の上端部はケーシング6に
設けた上部軸受71によって軸承され、下端部はスティ33
に設けた下部軸受72によって軸承され、また、下端はス
ティ33に固定したスラストプレート75によって支持され
ている。このスティ33は固定ピン35によって筒状ハウジ
ング8aに固定されている。
【0007】電動モータMを駆動することによって回転
シヤフト5、偏心ピン53、ドライブブッシュ54、ボス23
等からなる旋回駆動機構によって旋回スクロール2が駆
動され、旋回スクロール2は自転阻止機構3によって自
転を阻止されながら公転旋回半径を半径とする円軌道上
を公転旋回運動する。すると、ガスが吸入管82を経て低
圧側45内に入り、図示しない系路を経て密閉空間24内に
吸入される。そして、旋回スクロール2の公転旋回運動
により密閉空間24の容積が減少するのに伴って圧縮され
ながら中央部に至り、吐出ポート13より高圧室42を経て
高圧側44に入り、ここから吐出管83及びこの中に内蔵さ
れた逆止弁84を押し開いて外部に吐出される。この際、
高圧室42及び中間圧力室40内のガス圧力によって固定ス
クロール1は旋回スクロール2に向かって押しつけら
れ、密閉空間24内からガスが漏洩するのを抑制する。密
閉空間24内に液体が吸入されたときは、固定スクロール
1が支持バネ32の弾発力に抗して浮上してその液体を逃
がすことによりスクロール型圧縮機構Cの破損を阻止す
る。
【0008】密閉ハウジング8内底部の油溜り81に貯溜
された潤滑油は回転シヤフト5の下端から遠心力を利用
して吸い上げられ、回転シヤフト5に穿設された給油孔
52を通って偏心ピン53、上部軸受71、自転阻止機構3、
旋回軸受73等の摺動部を潤滑した後、パイプ61を経て油
溜り81に戻り、ここに貯溜される。なお、図において、
34は電動モータMのロータMaに固着されたバランスウェ
イト、85は吐出ガスの温度を検知するための温度セン
サ、86はこれを覆うカバー、87は電動モータMに給電す
るためのガラス封じ端子である。
【0009】図3に示すように、固定スクロール1はそ
のラップ12がうず巻状をなしているので、その端板1
1の外径を小さくするため、端板11の中心Oがうず巻
状ラップ12の基円Xの中心Rから隔離した位置に位置
せしめられている。しかし、中間圧室40及び高圧室4
2は端板11の中心Oと同芯に形成されているため、図
4に示すように、中間圧室40及び高圧室42内に導入
されたガスの圧力に基づいて固定スクロール1を旋回ス
クロール2に向かって押圧する背圧荷重の中心(以下、
背圧中心Pという)は端板11の中心Oと一致する。一
方、密閉空間24内のガス圧力に基づいて固定スクロー
ル1を上方に押推する筒内圧荷重の中心(以下、筒内圧
中心Qという)は固定スクロール1のうず巻状ラップ1
2のうず巻の基円Xの中心(以下、基円中心Rという)
をその中心として公転旋回半径を半径とする円Y上を移
動する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のスクロール
型圧縮機においては、背圧中心Pと筒内圧中心Qとの間
の距離が大きく、従って固定スクロール1を下方に押圧
する背圧荷重及び固定スクロールを上方に押圧する筒内
圧荷重に基づく転倒モーメントが大きくなって固定スク
ロール1が傾き、密閉空間24の密封状態が不良となる危
険性があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために発明されたものであって、その要旨とすると
ころは、それぞれ端板の内面にうず巻状ラップを立設し
てなる固定スクロールと旋回スクロールとを相互に噛み
合わせ、上記固定スクロールを浮上自在に支持するとと
もに、この端板の外面にガス圧力を作用させることによ
り押付け力を発生させて上記旋回スクロールに押し付け
るスクロール型流体機械において、押付け力中心と筒内
圧荷重中心とを一致又は近接させるように選択された付
加荷重を上記ガス圧力と同方向に上記固定スクロールに
負荷したことを特徴とするスクロール型流体機械にあ
る。
【0012】
【作用】本発明においては、付加荷重をガス圧力と同方
向に固定スクロールに負荷することによって押付け力中
心が筒内圧荷重中心に一致又は近接するので、固定スク
ロールに作用する転倒モーメントが低減する。
【0013】
【実施例】図1には本発明の1実施例が示され、(A)
図はスクロール型流体機械の部分的縦断面図、(B)図
は(A)図におけるB部の部分的拡大断面図である。デ
ィスチャージカバー31の下面にガイド91が設けら
れ、このガイド91内に移動可能に遊嵌された捧部材9
2の背後にスプリング93が配設されている。しかし
て、スプリング93の弾発力によって棒部材92は固定
スクロール1の端板11に当接してこれをガス圧力と同
方向に押圧するようになっている。棒部材92を介して
端板11に負荷される付加荷重の大きさ及び入力位置
は、この付加荷重と中間圧力室40及び高圧室42内の
ガス圧力とを加えた押付け力中心が筒内圧荷重の中心と
一致又は近接するように選択される。この結果、固定ス
クロール1を旋回スクロール2に向かって押付ける押付
け力の中心が筒内圧荷重中心に一致又は近接するので、
固定スクロール1に作用する転倒モーメントが低減す
る。なお、付加荷重の負荷方法及び負荷点数等は図1に
示すものに限定されることはなく、任意に選ぶことがで
きる。
【0014】
【発明の効果】本発明においては、押付け力中心と筒内
圧荷重中心とを一致又は近接させるように選択された付
加荷重をガス圧力と同方向に固定スクロールに負荷する
ことによって固定スクロールに作用する転倒モーメント
を低減することができるので、固定スクロールの傾転を
抑制して密閉空間の密封性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の1実施例を示し、(A) はスクロ
ール型流体機械の部分的縦断面図、(B) は(A) のB矢部
の部分的拡大断面図である。
【図2】従来のスクロール型流体機械の縦断面図であ
る。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】各種荷重中心の相対位置を示す図である。
【符号の説明】
1 固定スクロール 11 端板 12 ラップ 2 旋回スクロール 21 端板 22 ラップ 91 ガイド 92 棒部材 93 スプリング

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ端板の内面にうず巻状ラップを
    立設してなる固定スクロールと旋回スクロールとを相互
    噛み合わせ、上記固定スクロールを浮上自在に支持す
    るとともに、この端板の外面にガス圧力を作用させるこ
    とにより押付け力を発生させて上記旋回スクロールに押
    し付けるスクロール型流体機械において、押付け力中心
    と筒内圧荷重中心とを一致又は近接させるように選択さ
    れた付加荷重を上記ガス圧力と同方向に上記固定スクロ
    ールに負荷したことを特徴とするスクロール型流体機
    械。
JP16230591A 1991-06-07 1991-06-07 スクロール型流体機械 Expired - Lifetime JP2923088B2 (ja)

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