JP2916602B2 - フッ素含有エーテル化合物の製造方法 - Google Patents

フッ素含有エーテル化合物の製造方法

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JP2916602B2
JP2916602B2 JP2047206A JP4720690A JP2916602B2 JP 2916602 B2 JP2916602 B2 JP 2916602B2 JP 2047206 A JP2047206 A JP 2047206A JP 4720690 A JP4720690 A JP 4720690A JP 2916602 B2 JP2916602 B2 JP 2916602B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は塩素原子を含有するエーテル化合物をフッ素
ガスあるいは不活性ガスによって希釈されたフッ素ガス
を用いて直接フッ素化し、オゾン層の破壊原因である塩
素原子をフッ素原子に置換する方法に関する。
〔従来技術および発明が解決しようとする課題〕
オゾン層の破壊原因である塩素原子を含まない、フッ
素含有エーテル類は、特定フロンの第三世代無公害代替
物として期待されている。
このために、種々の塩素を含まないフッ素含有エーテ
ル類の合成法の開発が望まれているが、その1つの方法
として塩素原子を含有するエーテル化合物中の塩素原子
を有効に除去して、オゾン層を破壊しない無公害化合物
とする手段の開発が要望されている。
一方、エーテル化合物中の塩素原子をフッ素化する方
法としては、従来、塩素化された2,3−デヒドロフラン
類の種々のフッ素化方法[N.Reeves,etal.J.C.S.Chem.C
ommun.,67(1970)]として、無水フッ素化水素フッ
素化剤として用いる方法、五フッ化アンチモンをフッ
素化剤として用いる方法、フッ化カリウム/N−メチル
ピロリドンの反応系でフッ素化する方法が知られてい
る。
その他のエーテル化合物中の塩素原子をフッ素化する
方法としては、フッ素を含有するメチルエーテルを三
フッ化アンチモンをフッ素化剤として用いて合成する方
法[C.B.Miller et al.U.S.2,803,665(1957)]、フ
ッ素を含有するジエチルエーテルを三フッ化アンチモン
をフッ素化剤として用いて合成する方法[C.B.Miller e
t al.U.S.2,803,666(1957)]が知られている。
これらのフッ素化方法の内、,,およびの合
成方法は、フッ素化能力が弱く、一部の塩素が部分的に
フッ素化されるにとどまっている。また、の方法は、
塩素のフッ素化でペルフルオロ体が得られているが、約
200℃と高温での反応条件を必要とする。また、,
,およびの方法では、フッ素化に用いられている
フッ化金属は触媒としてではなく、塩素原子のフッ素化
される量と当モル以上を必要とし、従って、この反応を
行うためには、多量のフッ化金属を必要とする等の欠点
を有している。
一方、フッ素ガスを用いて塩素を含有したエーテル類
をフッ素化した報告はなく、主に塩素を含有したアルカ
ン類についての報告がいくつか知られているのみであ
る。
したがって、塩素原子を含有するエーテル化合物に関
して、フッ素ガスを用いて塩素原子を直接フッ素原子に
置換した反応は、現在までに報告されていない。
また、フッ素含有エーテル化合物として、例えば一般
式 CF3OCFgClhCFiClj ……〔II〕 〔式中、g,hは0,1または2を示し、i,jは0,1,2または3
を示す。但し、g+h=2、i+j=3であり、かつg
+i>0である。〕 で表されるフッ素含有エーテル化合物が知られている
が、このようなフッ素含有エーテル化合物は従来、下記
の如くして合成されていた。
テトラフルオロエチレン(CF2=CF2)とクロロオキ
シトリフルオロメタン(CF3OCl)との反応により、2−
クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル−トリフルオ
ロメチルエーテル(CF3OCF2CF2Cl、収率50%)得る方法
を(W.Maya et al.Tetrahedron Lett,3247(1969))。
テトラフルオロエチレン(CF2=CF2)とクロロペル
オキシトリフルオロメタン(CF3OOCl)との反応によ
り、2−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル−ト
リフルオロメチルエーテル(CF3OCF2CF2Cl、収率21%)
を得る方法(D.D.DesMarteau et al.J.Am.Chem.Soc.97
13(1975))。
クロロトリフルオロエチレン(CF2=CFCl)とクロ
ロオキシトリフルオロメタンとの反応により、1,2−ジ
クロロ−1,2,2−トリフルオロエチル−トリフルオロメ
チルエーテル(CF3OCFClCF2Cl、収率不明)を得る方法
(W.Maya.et al.Tetrahedron Lett.3247(1969))。
1,2−ジクロロフルオロエチレン(CFCl=CFCl)と
フルオロオキシトリフルオロメタン(CF3OF)との反応
により1,2−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロエチル−ト
リフルオロメチルエーテル(CF3OCFClCF2Cl、収率不
明)を得る方法(W.S.Durrel et al.J.Poly.Sci A3 406
5(1965))。
クロロフルオロエチレン(C2FkCl、但し、k+1=
4)とフルオロオキシトリフルオロメタン(CF3OF)、
あるいはクロロオキシトリフルオロメタン(CF3OCl)と
の反応による方法(収率12〜77%)(DesMarteau et a
l.J.Org.Chem.48 242(1983))。
しかし、これら〜の方法は収率,生成物選択性が
低く、あるいは高価な反応試薬を用いているなどの問題
点がある。
また、前記した如く、オゾン層破壊の原因となる塩素
原子含有エーテル化合物中の塩素原子を、フッ素ガスを
用いて直接フッ素化した例はない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、このような従来の問題を解決すべく鋭
意研究を進めた結果、塩素含有エーテル化合物に対し、
フッ素ガスを用いることで直接フッ素化して、効率良
く、フッ素含有エーテル化合物を製造することができる
ことを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
すなわち、本発明はαおよび/またはβ位に塩素原子
を有するエーテル化合物をフッ素ガスあるいは不活性ガ
スによって希釈されたフッ素ガスを用いてフッ素化する
ことを特徴とする、フッ素含有エーテル化合物の製造方
法を提供するものである。
本発明で用いる塩素原子を含有するエーテル化合物と
しては、様々なものがあるが、例えば一般式 CF3OCHaFbClcFdCleHf ……〔I〕 〔式中、a,bおよびcは、それぞれ0,1または2を示し、
d,eおよびfは、それぞれ0,1,2または3を示す。但し、
a+b+c=2、d+e+f=3であり、かつc+e>
0である。〕 で表わされる化合物が挙げられる。
このような塩素原子を含有するエーテル化合物は、例
えばトリフルオロメチルフルオライトの塩素を含むエチ
レン類への付加反応により合成することができる。
上記一般式〔I〕で表わされる化合物として具体的に
は例えば、CF3OCHClCFClH,CF3OCH2CFCl2,CF3OCHClCFC
l2,CF3OCCl2CFCl2などが挙げられる。
本発明は、上記の如きα位および/またはβ位に塩素
原子を有するエーテル化合物を、フッ素ガスあるいは不
活性ガスによって希釈されたフッ素ガスを用いてフッ素
化することにより、酸素原子のα位および/またはβ位
に結合した塩素原子、あるいは塩素原子と水素原子をフ
ッ素原子に置換し、フッ素含有エーテル化合物を製造す
るものである。
なお、このフッ素化反応の際、アルカリ金属フッ化物
を共存させることが好ましい。ここでアルカリ金属フッ
化物を用いずに反応を行なっても、フッ素含有エーテル
化合物は得られるが、特にフッ化ナトリウムやフッ化カ
リウムなどのアルカリ金属フッ化物を存在させると、フ
ッ素化生成物の収率の向上が見られる。アルカリ金属フ
ッ化物として、例えばフッ化ナトリウムはフッ化水素を
吸収することが知られており、水素原子のフッ素ガスに
よるフッ素化で生じるフッ化水素を吸収し、副反応を抑
えることができるためと思われる。
ここで、フッ素化の際、反応に用いられるフッ素ガス
は、純粋なフッ素ガスだけでなく、窒素ガス,ヘリウ
ム,アルゴン,テトラフルオロメタン,六フッ化イオウ
等の不活性ガスによって5〜95容量%に希釈されたフッ
素ガスでもよい。
この場合のフッ素ガスの使用量は、目的とするフッ素
含有エーテル化合物に応じて適宜変化させることが好ま
しい。
この点について詳しく述べると、前記一般式〔I〕で
表わされる化合物のフッ素化反応において、フッ素ガス
の使用量を変化させることによって、次に示す反応が可
能である。
a.まず、一般式〔I〕で表される化合物の有する水素原
子に対して、フッ素ガスを1.0〜1.1当量用いた場合、水
素原子と塩素原子を有するエーテル化合物において、水
素原子のみを選択的にフッ素化する反応が可能である。
b.次に、一般式〔I〕で表される化合物の有している水
素原子と塩素原子の和に対して、フッ素ガスを0.7〜1.1
当量用いた場合、酸素原子のα位とβ位に塩素原子を有
するエーテル化合物において、水素原子とα位の塩素原
子を選択的にフッ素原子に置換する反応が可能である。
c.また、一般式〔I〕で表される化合物の有している水
素原子と塩素原子の和に対して、フッ素ガスを0.7〜1.1
当量用いた場合、収率は低いが、β位の塩素原子を部分
的にフッ素原子に置換する反応が可能である。
d.さらに、一般式〔I〕で表される化合物の有している
水素原子と塩素原子の和に対して、1.5当量以上用いた
場合、一般式〔I〕で表される化合物の有している水素
原子と塩素原子をすべてフッ素原子に置換する反応が、
収率は低いが可能である(実施例5参照)。
以上の観点から、本発明ではフッ素ガスの使用量を、
前記一般式〔I〕で表わされる化合物の有している水素
原子と塩素原子の和に対して、目的化合物に合わせて変
化させることができる。
本発明においては、塩素原子を含有するエーテル化合
物に、フッ素を直接反応させるが、この場合の反応温度
は、通常、−100℃〜150℃、好ましくは−50℃〜100℃
である。また、反応圧力は特に制限はなく、常圧でも行
なうことができる。
また、本発明では前記したアルカリ金属フッ化物の他
に、フッ化第一スズ,三フッ化コバルト,三フッ化アン
チモン,二フッ化鉛などのフッ化金属類の共存下に反応
を行なうことで、塩素を含有するエーテル化合物中の塩
素原子をフッ素で効率よくフッ素化することができる。
これらのフッ化金属類の中でも、フッ化第一スズは塩素
を含有するエーテル化合物中の塩素のフッ素化に強い効
果が認められ、この塩素のフッ素化量よりも少ないフッ
化第一スズで高いフッ素化効果が認められたことから、
フッ化第一スズがこの塩素のフッ素化に触媒として働く
ことが明らかとなった(実施例10参照)。
本発明において、アルカリ金属フッ化物の添加量は、
一般式〔I〕で表わされる化合物1ミリモルに対して、
通常1〜100ミリモル、好ましくは2〜50ミリモルであ
る。ここでアルカリ金属フッ化物の添加量が少なすぎる
と、生成物の組成が変わり、副生成物が生成するため好
ましくない。一方、多すぎると反応が遅くなるため好ま
しくない。
また、フッ化金属類の添加量は、一般式〔I〕で表わ
される化合物1ミリモルに対して、通常は0.01〜10ミリ
モル、好ましくは0.05〜2ミリモルである。ここでフッ
化金属類の添加量が少なすぎると、フッ素化力が低下す
る。一方、フッ化金属類の添加量をこれ以上多くしても
生成物の組成は変わらない。
なお、これらフッ化金属類を反応系に共存させること
により、生成物の選択率が飛躍的に向上するだけでな
く、フッ素ガスの使用量が一般式〔I〕で表わされる化
合物の水素原子と塩素原子の和に対して、前記dで述べ
た1.5当量以上ではなく、0.7〜1.1当量用いた場合で
も、一般式〔I〕で表わされる化合物の水素原子と塩素
原子が全てフッ素原子に置換された化合物であるCF3COF
2CF3が生成し、フッ素化反応が促進されることが明らか
となった。
本発明では、このようにして塩素原子を含有するエー
テル化合物を、フッ素で直接フッ素化し、フッ素含有エ
ーテル化合物を得ることができる。
ここで得られるフッ素含有エーテル化合物は、原料と
して一般式〔I〕で表わされる塩素含有エーテル化合物
を用いた場合には、 一般式 CF3OCFgClhCFiClj ……〔II〕 〔式中、g,hは0,1または2を示し、i,jは0,1,2または3
を示す。但し、g+h=2、i+j=3であり、かつg
+i>0である。〕 で表わされるフッ素含有エーテル化合物が得られる。
このようなフッ素含有エーテル化合物として具体的に
は、例えば、CF3OCFClCF2Cl,CF3OCF2CFCl2,CF3OCF2CF2C
l,CF3OCF2CF3,CF3OCFClCFCl2,CF3OCCl2CF2Clなどが挙げ
られる。
このようにして合成されたフッ素含有エーテル化合物
は、フロンとして使用されているクロロフルオロカーボ
ンのフッ素原子から生じる特性をフッ素原子の導入で維
持しており、またオゾン層の破壊原因である塩素原子を
フッ素原子に置換することで塩素原子の分子中の数を減
らすことを可能にしている。従って、これらの化合物は
第三世代のフロン代替物の合成中間体として有用であ
る。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により詳しく説明する。
実施例1 フッ化ナトリウム(NaF)(10mmol)の入ったステン
レス製反応容器を、−194℃に冷却し、反応容器内に、C
F3OCHClCFClH(1mmol)と、フッ素ガス、(2.2mmol)を
加えた。次いで、反応容器を−111℃に冷却し、室温ま
で徐々に20時間かけて昇温した。次に、反応容器を100
℃で6時間加熱した後、反応容器内に残留したフッ素ガ
スを排気した。得られた反応混合物を、トラップの温度
(−60℃,−153℃,−196℃)を変化させて分離した。
この結果、−153℃の温度のトラップより、CF3OCHClC
F2Cl(収率75%)とCF3OCF2CF2Cl(収率11%)が得られ
た。
なお、収率は、用いたCF3OCHClCFClHの量を基準に
し、19F−核磁気共鳴スペクトルにより算出した。結果
を第1表に示す。得られた生成物、CF3OCFClCF2Clと、C
F3OCF2CF2Clの19F−核磁気共鳴スペクトルのケミカルシ
フトは、文献値〔W.S.Durrell et al,J.Poly Sci,A3,40
65(1965)およびW.Maya et al.,Tetrahedron Lett.,23
47(1969)]と一致した。
実施例2〜5 実施例1において、フッ素ガスの使用量を3.3mmol
(実施例2,3),4.4mmol(実施例4)および6.0mmol(実
施例5)にした他は、実施例1と同様にして反応を行な
った。なお、実施例3ではフッ化ナトリウムも用いなか
った。結果を第1表に示す。
また、実施例5で得られたCF3OCF2CF319F−核磁気
共鳴スペクトルのケミカルシフトは、文献値〔関屋 章
ら,「第14回フッ素化学討論会」講演予稿集P−12,p.2
8〜29(1989年10月、京都〕と一致した。
第1表の結果から明らかな如く、塩素のフッ素化が進
行し、例えば実施例4からはCF3OCHClCFClHがフッ素ガ
スによりフッ素化され、α−位の塩素がフッ素化された
生成物CF3OCF2CF2Cl(収率69%)を得ている。この反応
ではβ−位の塩素がフッ素化された生成物は得られてお
らず、α−位の塩素が選択的にフッ素化されている。
実施例6 フッ化ナトリウム(NaF)(10mmol)の入ったステン
レス製反応容器を、−194℃に冷却し、次いで、この反
応容器内に、CF3CHClCFClH(1mmol)と、窒素で希釈さ
れたフッ素ガス(F2/N2=3.2mmol/0.65mmol)を加え
た。
以下、実施例1と同様の操作を行なった。結果を第1
表に示す。
実施例7 実施例1において、CF3OCHClCFClHの代わりに、CF3OC
H2CFCl2を用いた他は、実施例1と同様の操作を行なっ
た。結果を第1表に示す。
なお生成物として得られたCF3OCF2CFCl219F−核磁
気共鳴スペクトルのケミカルシフトは、文献値[W.Maya
et al.,Tetrahedron Lett,,3247(1969)]と一致し
た。
実施例8 実施例7において、フッ素ガスの使用量を4.4mmolと
した他は、実施例7と同様にして反応を行なった。結果
を第1表に示す。
なお、この例で用いたCF3OCH2CFCl2のフッ素化では、
β−位にある2つの塩素の内の1つはフッ素化されやす
く、生成物CF3OCF2CF2Clが56%の収率で得られた。
実施例9 フッ化ナトリウム(NaF)(10mmol)と、フッ化第一
スズ(SnF2)(1.0mmol)の入ったステンレス製反応容
器を、−194℃に冷却し、次いで、この反応容器内に、C
F3OCHClCFClH(1mmol)と、フッ素ガス(3.3mmol)を加
えた。
以下、実施例1と同様の操作を行なったところ、生成
物として、CF3OCFClCF2Cl(収率9%)、CF3OCF2CF2Cl
(収率54%)、CF3OCF2CF3(収率9%)が得られた。結
果を第1表に示す。
実施例10〜12 実施例9において、フッ化第一スズ(SnF2)の量を0.
50mmol(実施例10),0.35mmol(実施例11),0.10mmol
(実施例12)にした他は、実施例9と同様にして反応を
行なった。結果を第1表に示す。
第1表から明らかな如く、実施例11のようにフッ化ナ
トリウムとともにフッ化第一スズを用いることにより、
生成物CF3OCF2CF2Clの収率が、例えば実施例4より向上
するとともに、β−位の塩素がフッ素化されたペルフル
オロ化合物が得られたことから、フッ化第一スズが塩素
のフッ素化反応に効果があることが判る。
実施例13〜14 実施例11において、CF3OCHClCFClHの代わりにCF3OCH2
CFCl2(実施例13)、CF3OCHClCFCl2(実施例14)を用い
た他は、実施例11と同様の操作を行なった。結果を第1
表に示す。
実施例15 実施例11において、CF3OCHClCFClHの代わりに、CF3OC
Cl2CFCl2を用い、かつ所定量のフッ素ガスを用いた他
は、実施例11と同様の操作を行なった。結果を第1表に
示す。
実施例16〜18 実施例9において、フッ化第一スズ(SnF2)の代わり
に、それぞれ三フッ化アンチモン(実施例16),三フッ
化コバルト(実施例17),二フッ化鉛(実施例18)を用
いた他は、実施例9と同様にして反応を行なった。結果
を第1表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の方法によれば、塩素含有エーテル化合物を直
接フッ素化して不活性化することにより、フッ素含有エ
ーテル化合物を収率よく製造することができ、特にフッ
化ナトリウムなどのアルキル金属フッ化物、さらにはフ
ッ化第一スズなどのフッ化金属類の存在下でフッ素化す
ることにより、収率,生成物選択率をさらに向上させる
ことができる。
本発明の方法によれば、オゾン層の破壊の原因となる
塩素原子,水素原子の含有量が少なく、また、吸収麻酔
剤、冷媒としても有用なフッ素含有エーテル化合物を、
効率的,経済的、しかも安全に製造することができる。
従って、本発明は産業上極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α位および/またはβ位に塩素原子を有す
    るエーテル化合物をフッ素ガスあるいは不活性ガスによ
    って希釈されたフッ素ガスを用いてフッ素化することを
    特徴とする、フッ素含有エーテル化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】α位および/またはβ位に塩素原子を有す
    るエーテル化合物をフッ素ガスあるいは不活性ガスによ
    って希釈されたフッ素ガスを用い、かつフッ化ナトリウ
    ムおよびフッ化カリウムよりなる群から選ばれたアルカ
    リ金属フッ化物の存在下でフッ素化することを特徴とす
    る、フッ素含有エーテル化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】α位および/またはβ位に塩素原子を有す
    るエーテル化合物をフッ素ガスあるいは不活性ガスによ
    って希釈されたフッ素ガスを用い、かつフッ化第一ス
    ズ、三フッ化コバルト、三フッ化アンチモンおよび二フ
    ッ化鉛よりなる群から選ばれた一種または二種以上のフ
    ッ化金属類の存在下でフッ素化することを特徴とする、
    フッ素含有エーテル化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式 CF3OCHaFbClcFdCleHf ……〔I〕 〔式中、a,bおよびcは、それぞれ0,1または2を示し、
    d、eおよびfは、それぞれ0,1,2または3を示す。但
    し、a+b+c=2、d+e+f=3であり、かつc+
    e>0である。〕 で表わされる化合物を、フッ素ガスあるいは不活性ガス
    によって希釈されたフッ素ガスを用いてフッ素化するこ
    とを特徴とする、 一般式 CF3OCFgClhCFiClj ……〔II〕 〔式中、g,hは0,1または2を示し、i,jは0,1,2または3
    を示す。但し、g+h=2、i+j=3であり、かつg
    +i>0である。〕 で表されるフッ素含有エーテル化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】一般式 CF3OCHaFbClcFdCleHf ……〔I〕 〔式中、a,bおよびcは、それぞれ0,1または2を示し、
    d、eおよびfは、それぞれ0,1,2または3を示す。但
    し、a+b+c=2、d+e+f=3であり、かつc+
    e>0である。〕 で表わされる化合物を、フッ素ガスあるいは不活性ガス
    によって希釈されたフッ素ガスを用い、かつフッ化ナト
    リウムおよびフッ化カリウムよりなる群から選ばれたア
    ルカリ金属フッ化物の存在下でフッ素化することを特徴
    とする、 一般式 CF3OCFgClhCFiClj ……〔II〕 〔式中、g,hは0,1または2を示し、i,jは0,1,2または3
    を示す。但し、g+h=2、i+j=3であり、かつg
    +i>0である。〕 で表されるフッ素含有エーテル化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】一般式 CF3OCHaFbClcFdCleHf ……〔I〕 〔式中、a,bおよびcは、それぞれ0,1または2を示し、
    d、eおよびfは、それぞれ0,1,2または3を示す。但
    し、a+b+c=2、d+e+f=3であり、かつc+
    e>0である。〕 で表わされる化合物を、フッ素ガスあるいは不活性ガス
    によって希釈されたフッ素ガスを用い、かつフッ化第一
    スズ、三フッ化コバルト、三フッ化アンチモンおよび二
    フッ化鉛よりなる群から選ばれた一種または二種以上の
    フッ化金属類の存在下でフッ素化することを特徴とす
    る、 一般式 CF3OCFgClhCFiClj ……〔II〕 〔式中、g,hは0,1または2を示し、i,jは0,1,2または3
    を示す。但し、g+h=2、i+j=3であり、かつg
    +i>0である。〕 で表されるフッ素含有エーテル化合物の製造方法。
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