JP2916232B2 - 抗ピル性ポリエステル複合繊維 - Google Patents

抗ピル性ポリエステル複合繊維

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、優れた抗ピル性を有し、かつ良好な耐摩耗
性を有するポリエステル複合繊維に関するものである。
<従来の技術> ポリエステル繊維、特にポリエチレンテレフタレート
を主体とするポリエステル繊維は、衣料用、産業資材
用、インテリア用等に広く用いられている。しかし、衣
料用途に用いる場合には、その強度が高いためにピリン
グやスナツギングが発生しやすく、衣料とした時その外
観を著しくそこなうという欠点を有していた。
そのため、現在では特開昭50−135331号公報、特開昭
61−47818号公報に開示されている如く、リン酸エステ
ル結合を共重合したポリエステルを繊維とした後、熱水
処理することによつてリン酸エステル結合を加水分解し
て繊維の強度を下げ抗ピル性能を付与したり、特公昭58
−18447号公報に開示されている様に、リン化合物を添
加あるいは共重合したポリエステル繊維を熱処理して繊
維強度を下げ抗ピル性の改良をはかる等の工夫がなされ
ている。
しかしながら、一方では衣料等の実用に適する抗ピル
性と耐摩耗性のバランスをはかるのが困難であり、抗ピ
ル性、スナツギング性を改良するあまり適正な耐摩耗性
を有する衣料等を得るのが困難となつており改良が望ま
れている。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は、優れた抗ピル性を有し、かつ良好なる耐摩
耗性を有するポリエステル複合繊維を提供することを技
術的課題とするものである。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討した結
果、芯鞘型の複合繊維の鞘成分にリン変性ポリエステル
を配し、かつ芯成分に繊維強力の良好なるポリエステル
を配することにより、この目的が達成されることを見い
出し本発明に到達した。
即ち、本発明は、極限粘度が0.36以下であり、リン原
子を全酸成分に対し0.5〜1.5モル%含むエチレンテレフ
タレート単位主体のポリエステルを鞘成分とし、実質的
にエチレンテレフタレート単位からなるポリエステルを
芯成分としたポリエステル複合繊維である。
本発明の複合繊維において鞘成分を構成するポリエス
テルは全酸成分に対し0.5〜1.5モル%のリン原子を含有
していなければならず、また、該ポリエステルの極限粘
度は0.36以下でなければならない。リン含有量が0.5モ
ル%未満であると後述する本発明の複合繊維の製造方法
において、熱水処理による加水分解が十分に起こらず極
限粘度を低下させることが困難であり抗ピル性が不良と
なる。また、1.5モル%を越えても抗ピル性が頭打ちと
なるばかりか、他の繊維品質を損う場合がある。また、
極限粘度は0.36を越えると抗ピル性が十分に達成されな
い。
リン原子をポリエステル分子内に導入する方法として
は、例えば、下記(1)式にて示されるリン化合物をポ
リエステルの重合段階で添加することで達成できる。
特に、このリン化合物は純度96%以上、好ましくは98
%以上の高純度のものを使用すれば、ポリエステル繊維
の一般的な品質を損うことなく、工程通過性良く抗ピル
性の改良を充分になし得るものである。
更に詳しくは、上記の如き、純度96%以上のリン化合
物、例えば、ジブチルホスフエートやジオクチルホスフ
エート等のリン酸のジアルキルエステルをポリエチレン
テレフタレートの重縮合反応の工程の段階で反応系へ添
加して、分子鎖にリン原子換算で0.5〜1.5モル%となる
ようなリン酸エステル結合を有するポリエステルを製造
する。このポリエステルを鞘成分とし、一方、実質的に
エチレンテレフタレート単位からなるポリエステルを芯
成分となるよう使用して従来公知の方法に従つて複合紡
糸を行い、紡糸後の鞘成分のポリエステルの極限粘度が
好ましくは0.38〜0.45、酸性末端基濃度が好ましくは80
μeq/g以上の複合繊維を得る。次いで該繊維を水の存在
下で110℃以上の温度で熱処理し、極限粘度を0.36以下
に低下させることによつて本発明の複合繊維を得ること
ができる。
熱処理前の複合繊維の鞘成分の極限粘度については、
低すぎると断糸が発生しやすく、また高すぎると、最終
的に極限粘度を0.36以下にコントロールするための熱処
理において高温及び長時間の処理を要するのであまり好
ましくない。
また、酸性末端基濃度が80μeq/g未満であると、水の
存在下110℃以上の温度で熱処理を行なつた際に極限粘
度の低下が不充分となつて抗ピル性改良効果が不充分と
なるので好ましくない。また、この酸性末端基はカルボ
キシル基、酸性の水酸基等酸性のものであれば何でもよ
い。
酸性末端基濃度を80μeq/g以上含有させる方法として
は、ポリエステル重縮合完了後、溶融紡糸するまでの段
階で水を添加したり、チツプ乾燥条件の調整によりチツ
プ水分率を通常より多くして再溶融する等のポリエステ
ル加水分解による方法、もしくはポリエステル重合段階
におけるエステル化を低目に抑制してポリエステル中に
残存するカルボキシル基を増加させる方法等がある。
また、熱処理温度は、好ましくは110℃以上、特に、1
20℃以上180℃以下が望ましい。110℃未満では極限粘度
の低下に非常な長時間を要したり、あるいは極限粘度が
0.36以下にならなかつたりするために好ましくない。こ
の熱処理は溶融紡糸直後から織物、編物、縫製品等の最
終製品に至るまでのどの加工段階で行なつてもよいが、
特に染色工程で受ける高温熱水処理を利用するのが便利
である。
本発明においては、(1)式で示されるリン化合物が
抗ピル性改良効果を示す理由は明らかではないが、
(1)式で示されるリン化合物をポリエステル中に添加
すると、ポリエステルと反応し、リン原子はリン酸エス
テル結合を介してポリエステル主鎖中に取り入れられ
る。そして大部分のリン原子ははリン酸エステル結合を
3個持つことによつて3官能分岐剤として働き、ポリエ
ステルを分岐させるが、一部分は未反応のままアルコキ
シ基、リン酸性水酸基を持つた状態で主鎖中に取り入れ
られる。そして、分岐ポリマーであること、ポリエステ
ル中に加水分解され易いリン酸エステル結合があり、水
の存在下で熱処理することによつてリン酸エステル結合
が容易に加水分解されてポリエステルの重合度が下るこ
と、又ポリエステル中にあるリン酸性水酸基、カルボキ
シル基等の酸性末端基がリン酸エステル結合の加水分解
を促進することの3つが相乗的に働いて抗ピル性改良効
果を示すものと考えられる。
次に、本発明の複合繊維の芯成分を構成するポリエス
テルは、実質的にエチレンテレフタレート単位からなる
ポリエステルであつて、ポリエチレンテレフタレートが
好ましく使用される。しかしながら、本発明の目的を損
わない範囲で少量の共重合成分を含んでいることは何ら
差支えのないことである。
この芯成分と前記鞘成分との複合比率は鞘/芯=30〜
70/70〜30であることが好ましい。
また、本発明の複合繊維の芯部及び鞘部の少なくとも
一方に、艶消剤、難燃剤、消臭・抗菌剤、芳香剤、遠赤
外線放射性物質等を適宜用途に応じて付与してもよい。
尚、本発明で言う極限粘度とはフエノールとテトラク
ロロエタンの等重量混合溶媒を用い、30℃で測定した値
(単位はdl/g)を言う。酸性末端基濃度とは、ポリエス
テルをベンジルアルコールに溶解し、クロロホルムで希
釈した後フエノールレツトを指示薬として、水酸化ナト
リウムで中和測定して求めた値(単位はμ当量/g・ポリ
エステル;本明細書中にはμeq/gで表示)である。
<実施例> 以下、実施例により具体的に本発明を説明する。なお
実施例中「部」とあるのは重量部を意味する。
実施例1 ジメチルテレフタレート990部、エチレングリコール7
90部及び酢酸亜鉛0.2部を精留塔付の反応槽に仕込み、
撹拌しながら3.5時間加熱した。その間に生成するメタ
ノールは精留塔を通じて留去させながら160〜230℃まで
昇温しエステル交換反応を終了せしめた。次いで、この
反応生成物を重合反応槽に移送し、純度97%のジ−n−
ブチルホスフエート10.7部(部留り100%の場合生成ポ
リエステル中のリン原子含有量1.0モル%に相当する
量)及び三酸化アンチモン0.4部を添加した後、昇温、
減圧し最終的には温度280℃、圧力0.5mmHgで2.5時間重
縮合反応させて、極限粘度0.52、リン原子含有量1.0モ
ル%、ジエチレングリコール(以下DEGと略称する)含
有量3.0モル%のポリエステルを得て、これを重合反応
槽から押出してポリエステルチツプとした。
ここで得られたチツプと、極限粘度0.62のポリエチレ
ンテレフタレート(PET)チツプとを別々に溶融し、PET
が芯に位置するように、複合比率50/50(鞘/芯)で通
常の複合紡糸装置を用いて紡糸、延伸し、捲縮を施して
複合繊維を製造した(鞘成分の極限粘度0.42、酸性末端
基濃度100μeq/g、リン含有率1.0%、単繊維繊度2デニ
ール、繊維長51mm、捲縮数12ケ/インチ、捲縮率10%、
繊維強力6.0g)。
この得られた複合繊維を用いて30番手の紡績糸を製造
し、この紡績糸を用いて筒編地とした后、130℃で60分
間熱水処理した。
熱水処理后の該繊維の強力は4.0gであり、また、鞘成
分の極限粘度は0.34であつた。
次に、JISL−1076−1978のA法により熱水処理した筒
編地のピリングテストを行なつた結果、熱水処理前の筒
編地のピリング性は1級、熱水処理后の筒編地のピリン
グ性は4級であつた。JIS L1079D法(アクセレローター
法)による耐摩耗性においても、熱水処理前は摩耗強さ
が4%以下であり、熱水処理後では7%であつた。
実施例2〜5、比較例1〜4 実施例1と同様にして第1表に示すような各種の複合
繊維を得、これらの繊維からなる紡績糸を用いて筒編地
を作成し、130℃で60分間熱処理した。そして実施例1
と同様にしてピリングの評価を行つた。その結果を第1
表に示した。
比較例として鞘成分の極限粘度が0.36未満のもの(比
較例1)は紡糸工程での糸切を生じ紡糸不能であつた。
また、鞘成分の極限粘度が0.45を越えるもの(比較例
2)は製造工程では問題ないが熱水処理後のピリング性
において抗ピル性改良効果が認められなかつた。次に、
鞘成分のリン原子含有率が0.5モル%未満であると熱水
処理後の極限粘度が充分に低下せず、抗ピル性改良効果
がほとんど見られなかつた。また、鞘成分の酸性末端基
濃度においても80μeq/g未満であると、熱水処理後の抗
ピル性において充分な改良効果が見られなかつた。
尚、従来公知のリン原子含有ポリエステル単独からな
る繊維についても抗ピル性及び強力を測定してみた結
果、ピリング性は5級であり良好ではあつたが、繊維強
力が熱水処理後2.4gと低いため実用面で問題のあるもの
であつた。
<発明の効果> 本発明の複合繊維は、芯成分に強力の高いポリエステ
ルを配し、鞘成分に極限粘度の低いリン原子含有ポリエ
ステルを配することにより、従来の抗ピル性繊維では両
立できなかつた優れた抗ピル性と耐摩耗性とを達成する
ことが可能となつた。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 8/14 D01F 6/62 D01F 6/84 - 6/86 D01F 6/92 D06M 11/01 - 11/05

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極限粘度が0.36以下であり、リン原子を全
    酸成分に対し0.5〜1.5モル%含むエチレンテレフタレー
    ト単位主体のポリエステルを鞘成分とし、実質的にエチ
    レンテレフタレート単位からなるポリエステルを芯成分
    としたポリエステル複合繊維。
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