JP2914415B2 - 真空断熱壁の製造方法 - Google Patents

真空断熱壁の製造方法

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JP2914415B2 JP4301809A JP30180992A JP2914415B2 JP 2914415 B2 JP2914415 B2 JP 2914415B2 JP 4301809 A JP4301809 A JP 4301809A JP 30180992 A JP30180992 A JP 30180992A JP 2914415 B2 JP2914415 B2 JP 2914415B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は真空断熱体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来熱処理用ベーキング炉などの高次の
断熱を行う断熱壁の構造として、内外壁よりなる断熱壁
内を密閉空間とし内部に無機質発泡粉末を高密充填しさ
らに真空化してなる断熱壁が知られている(例えば特公
昭60−8399号公報) 。この種断熱壁は内部の真空化され
た雰囲気と高密充填された無機質発泡粉末の断熱効果と
の相乗により高次の断熱効果が得られ、例えば厚さ4〜
5cm程度の厚さの壁体で常温と 300〜400 ℃の温度差の
断熱が可能とされている。
【0003】
【従来技術の問題点】しかしながら、上記断熱体は、断
熱空間への粉末の高密充填が非常に面倒で、複雑に入り
込む形状の断熱壁の場合上記困難性はさらに顕著とな
り、また高密充填が出来たとしても、真空排気の際粉末
の吸引がどうしても生じ、これを極力少なくするため複
雑なフィルターが必要となるなど種々の問題があった。
【0004】また、このような問題を解消するため、断
熱空間内に無機繊維よりなるマットを収納しその後真空
排気して密封することも提案されているが(例えば実開
昭62-54396号公報) 、この場合はマットを封入後断熱壁
を真空排気した場合、繊維マットの密度のむらあるいは
密度が小さいと繊維マットの有する圧縮変形性により断
熱壁が内外気圧差に起因して凹入変形することがある問
題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記問題点
に鑑み、高次の断熱が可能でありしかも製造が容易な断
熱体の製造方法を提供することを目的としてなされたも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、この発明の真空断
熱体の製造方法は、加熱により容易にガス化する有機バ
インダーをロックウール繊維に含浸させ、該含浸マット
状体を加圧力2kgf/cm2以上で圧縮し密度0.4〜0.7g/cm3
まで圧密プレスして板状体とし、該板状体を断熱容器の
断熱壁の断熱空間に挿入し、次いで前記断熱壁を前記有
機バインダの分解温度まで空気の存在下で加熱してガス
化し、該ガスを吸引排出後、前記断熱空間内を0.1Torr
下に真空排気することを特徴とするものである。
【0007】
【作用】この発明において対象となる断熱壁は表裏面が
メンブレンとされ、その間が断熱用密閉空間とされた構
造をなす。そして、断熱のための主構成として上記断熱
壁内にロックウールよりなる断熱材を充填すると共に内
部を真空化した構成とされるが、上記ロックウールより
なる断熱材は充填に先立ち、加熱により容易にガス化す
る有機バインダーで断熱空間に丁度収納できる厚さにま
で、加圧力2kgf/cm2 以上で圧縮し密度が0.4 〜0.7g/c
m3となるようにプレスで圧縮硬化したものが使用され
る。従って断熱空間への収納はあたかも板状体を挿入す
ることとなって挿入が非常に容易となると伴に真空排気
後の変形が小さくなる。
【0008】なお、ロックウールよりなる板状体のプレ
ス圧を2kgf/cm2 以上とするのは、後述の圧縮ロックウ
ール繊維の密度を0.4 〜0.7g/cm3とするためであって、
プレス圧が2kgf/cm2 以下であると前記密度とすること
ができない。またこのロックウール繊維の密度を 0.4〜
0.7g/cm3とするのは、本発明者らの実験の結果、最も断
熱効率に優れた範囲とするものであり、図5のグラフよ
り明らかなように0.4g/cm3 より低いとロックウール板
状体の熱伝導率が高く充分な断熱効果が得られず、また
0.7g/cm3より高くしてもやはり熱伝導率が高くなり、充
分な断熱効果が得られないからである。
【0009】そして、断熱壁内の真空化に先立って断熱
壁を加熱処理し、挿入されたロックウールを固めていた
有機バインダーを分解除去させる。この分解除去によっ
て有機バインダーはガスとなって断熱壁外部へ飛散し繊
維間の拘束を解く。しかる後に断熱壁内部を密閉し真空
化すれば、大気圧によるメンブレンの凹入変形は圧縮さ
れて挿入されたロックウール板状体により支えられる。
同時に真空引き作業も内部ロックウール板状体が殆ど固
定された状態であるので吸引排出の恐れはなく容易にか
つ短時間に排気可能となる。またこの時の真空度を0.1T
orr 以下とするのは、空気の介在による輻射伝熱を防止
するためであって、これ以上の真空度とした場合は充分
な断熱効果が得られない。
【0010】また有機バインダーは加熱分解され、カー
ボンとして残留することなく大気中に飛散されているの
でこれらによる熱伝導、真空化阻害も生じない。なお、
上記において、加熱により容易にガス化する有機バイン
ダーとしては、例えばフェノール樹脂、フラン樹脂、エ
ポキシ樹脂、あるいはウレタン樹脂などが使用される。
【0011】
【実施例】次にこの発明の実施例を説明する。図1〜図
4はこの発明の実施工程を示す斜視図及び断面図であ
る。
【0012】実施例1〜9 厚さ0.5 mmのステンレスメンブレンを内外壁1A、1B
とし、断熱空間の厚さを30mmとした断熱壁1(図2)を
有する容器を用意し、繊維径5μm 〜8μm のロックウ
ールよりなる無加圧状態で分厚い板状体2表裏面に、ロ
ックウール板状体重量 100部に対し10重量部のフェノー
ル樹脂(大日本インキ化学工業株式会社社製商品名ブラ
イオーフェン)をスプレー噴射して含浸させ、これをプ
レス機で1.0 kgf/cm2 以上の圧力でプレスし厚さ3cmと
なるまで加熱しつつ加圧し、フェノール樹脂を硬化させ
て厚さ2.7 〜2.9cm で密度 0.2〜0.81/cm3の9種の圧縮
板状体2A(図1)を成形した。なお、プレス圧と圧縮
板状体の密度との関係は表1の通りであった。
【0013】
【表1】
【0014】次にこの圧縮板状体2Aを図2に示すよう
に、上端に開口部3を設けた断熱壁1内に挿入し、内部
に密充填の状態とした後開口部3を溶接により密閉し
た。 次に、この容器を図3に示すようにベーキング炉
4へ入れ約 400℃で1.5 時間加熱しフェノール樹脂を燃
焼気化させ、このガスを断熱壁1の吸引口5に予め接続
した排気口6より排出した。次いでガスの排出が殆ど無
くなった時点で弁7を切り換え真空ポンプ8を作動し断
熱壁1内部の真空引きを0.01Torrとなるまで行い、終了
後吸引口5を密閉し図4に示す断熱壁1を有する容器を
得た。
【0015】上記実施例1〜9について、ASTMC5
18−85に準拠して熱伝導率を測定したところ図5の
結果となった。図5より明らかなように、圧力0.01Torr
の真空条件下ではロックウールの圧縮による密度 0.4〜
0.7 g/cm3 の範囲が0.0038〜0.0039 w/mk と最も良い断
熱性を示すことが判明した。
【0016】次に、上記実施例1〜9の断熱壁について
外観を観察したところ、実施例1(ロックウール板状体
の密度0.4g/cm3未満のものは大きな凹入変形が見られた
が、その他は表面の凹入変形は全く生じていなかった
か、断熱壁の厚さの10%以下に止まった。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、断熱容器の断熱壁内への断熱材の充填が非常に容易
となり、また充填される断熱材は一旦大気圧で圧縮さ
れ、かつ最も熱伝導率の低い密度となるように圧縮され
たものを使用するから、バインダが飛散しても断熱壁内
部で充分な耐圧力を発揮し、薄いメンブレンよりなる断
熱壁でも凹入変形してしまうのを防止する他、薄い断熱
壁でも充分な断熱性を発揮する効果を有する。また、
空化する前にバインダーを空気の存在下で加熱分解する
ので断熱性に悪影響を及ぼすカーボンの残留もない。そ
して内部の真空度も容易に達成でき、ロックウールの断
熱性と相俟って、断熱容器のコンパクト化にも寄与し得
るなど種々の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例のロックウール板状体の斜視
図である。
【図2】この発明の実施例の断熱壁を有する容器の断面
図である。
【図3】この発明の実施例の容器のベーキングの状態を
示す断面図である
【図4】この発明の方法で得た断熱容器の断面図であ
る。
【図5】この発明の製造方法で得た真空断熱壁のロック
ウールボードの密度と熱伝導率の関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 断熱壁 2 ロックウール板状体 2A 圧縮板状体 3 開口部 4 ベーキング炉 5 吸引口 6 排気口 7 弁 8 真空ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越智 正久 兵庫県尼崎市大浜町2丁目26番地 株式 会社クボタ武庫川製造所内 (56)参考文献 特開 昭60−14695(JP,A) 特開 昭53−2753(JP,A) 特開 平5−87292(JP,A) 特開 昭61−241595(JP,A) 特開 昭55−155996(JP,A) 特開 平4−224397(JP,A) 実開 昭60−159295(JP,U) 実開 昭62−54396(JP,U) 特公 昭60−8399(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16L 59/00 - 59/16 F27D 1/00 - 1/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱により容易にガス化する有機バイン
    ダーをロックウール繊維に含浸させ、該含浸マット状体
    を加圧力2kgf/cm2以上で圧縮し密度0.4〜0.7g/cm3まで
    圧密プレスして板状体とし、該板状体を断熱容器の断熱
    壁の断熱空間に挿入し、次いで前記断熱壁を前記有機バ
    インダの分解温度まで空気の存在下で加熱してガス化
    し、該ガスを吸引排出後、前記断熱空間内を0.1Torr以
    下に真空排気することを特徴とする真空断熱壁の製造方
    法。
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