JP2910905B2 - 比率差動継電器および変流器の誤接続検出装置 - Google Patents

比率差動継電器および変流器の誤接続検出装置

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JP2910905B2
JP2910905B2 JP6201138A JP20113894A JP2910905B2 JP 2910905 B2 JP2910905 B2 JP 2910905B2 JP 6201138 A JP6201138 A JP 6201138A JP 20113894 A JP20113894 A JP 20113894A JP 2910905 B2 JP2910905 B2 JP 2910905B2
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  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は変流器の接続の正誤を
チェックする変流器の誤接続検出装置と、この誤接続検
出装置を内蔵した比率差動継電器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディジタル形保護継電器としては、電気
協同研究第41巻、第4号「ディジタルリレー」昭和6
1年1月、社会法人電気協同研究会発行がある。その基
本構成を図18に示す。図において、11は変流器(以
後CTという)、12はCT11の出力に含まれる高調
波成分を除去して電力系統の基本周波数(50Hzまた
は60Hz)を抽出するフィルタ回路、13はサンプリ
ング時刻におけるフィルタ回路12の出力の値を保持す
るサンプルホールド回路、14はサンプルホールド回路
13からの出力を多重化するマルチプレクサ回路、15
はマルチプレクサ回路14の出力を量子化してディジタ
ル量による時刻データに変換するアナログ・ディジタル
変換器である。
【0003】16はマイクロプロセッサ、ランダムアク
セスメモリ、リードオンメモリ等で形成され、A/D変
換器15からの時刻データを演算処理して制御信号を生
成する演算処理部、17は演算処理部16の出力である
論理レベルの制御信号を、リレーを駆動可能なレベルの
制御信号に変換する出力インタフェース回路、18は出
力インタフェース回路17からの制御信号によって駆動
される励磁コイル、19は励磁コイル18によって開閉
される接点である。
【0004】また、差動電流値と抑制電流値との比較判
定で出力を出す比率差動継電器としては、「保護継電技
術」著者小林進、電気書院昭和47年10月15日第1
版第1刷発行、9 変圧器の保護、9−1 電力変圧器
の保護、がある。その基本構成を図19に示す。
【0005】図において、40は比率差動継電器、41
は変圧器等の保護対象、42は保護対象41を挟んで一
次側の電流(I1)と二次側の電流(I2)の大きさを等
しくなるように調整する入力変換器、43はI1−I2
差動電流を発生させる手段、44はI1+I2の抑制電流
を発生させる手段、45は差動電流と抑制電流の比較に
より保護対象41の異常を判定する判定手段、49は異
常判定時異常信号を出力する出力手段である。46、4
7、48はA相、B相、C相それぞれにおいて動作判定
を行い異常を検出するA相、B相、C相動作判定手段で
ある。
【0006】上記従来の技術で挙げた図18ディジタル
形保護継電器と図19比率差動継電器を合わせたもの
が、図20に示すディジタル型比率差動継電器20であ
る。ここでは動作の説明のため、図18のフィルタ1
2、サンプルホールド回路13、マルチプレクサ回路1
4、アナログ・ディジタル変換器15、励磁コイル1
8、接点19はディジタル形比率差動継電器20内に含
まれるが省略する。
【0007】図20において、20はディジタル形比率
差動継電器、16は演算処理部で、ディジタルで動作判
定を行うA相動作判定手段24、B相動作判定手段2
5、C相動作判定手段26を含んでおり、これらを纏め
て演算処理している。これは図19のアナログで動作判
定を行うA相動作判定手段46、B相動作判定手段4
7、C相動作判定手段48に対応するものである。
【0008】21はI1−I2の差動電流値を計算する手
段、22はI1+I2の抑制電流値を計算する手段、23
は差動電流と抑制電流の比較により保護対象41の異常
を判定する判定手段で、21,22,23はそれぞれマ
イクロプロセッサで演算することによって各手段を実行
しており、従来の図19の比率差動継電器の43,4
4,45に対応している。
【0009】動作原理の説明として、単相の場合につい
て説明する。図21は定常時の比率差動継電器の動作を
表すもので、入力変換器42は、定常時、保護対象41
によってI1とI2の大きさが変わっている場合、A相動
作判定手段24に取り込む電流値を等しい大きさに揃え
るための変換器であり、図21〜図23では、すでに調
整済みであるとする。
【0010】この比率差動継電器は、一次側のCT11
と二次側のCT11の間を保護するもので、この保護区
間を比率差動継電器の保護区間51とする。比率差動継
電器は保護区間51で地絡・短絡等の故障が起こった場
合のみ動作出力を送出し、保護区間51以外では動作し
ない。
【0011】図21では、I1≒I2より、I1−I2の差
動電流値を計算する手段21の差動電流値はI1−I2
0である。ここで図22のように比率差動継電器の保護
区間51の区間外で事故が起こっても、一次側CT11
と二次側CT11に流れるI1とI2の比が定常時と変わ
らないため、差動電流値はI1−I2≒0となり作動しな
い。図23のように比率差動継電器の保護区間51の区
間内で事故が起こると、I1とI2の大きさに変化が起こ
りI1−I2≠0となる。これにより比率差動継電器は、
保護区間51の区間でのみ事故が起こると動作する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の比率差動継電器
は以上のように構成されているので、図21の入力変換
器42にて、I1とI2の大きさを揃えるために調整しな
ければならず、調整をしてもI1とI2の大きさには差が
出てくる。よって図20のI1−I2の差動電流値を計算
する手段21の差動電流値は定常時でもI1−I2≠0で
なく、I1−I2=I3という値が出てくる。
【0013】ここで、図21において、一次側もしくは
二次側のCT11の極性(相接続)を間違えると、例え
ばI2が−I2となり、I1−(−I2)=Kという電流値
が出てくる。ここで、CTの極性(相接続)間違いによ
る差動電流値Kと、調整誤差の差動電流値I3、どちら
もある程度大きさを持つため、CT極性(相接続)を間
違えていても、定常時にCT極性(相接続)間違いを発
見できないという問題点があった。
【0014】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、CTの極性および相接続間
違いを発見できる変流器の誤接続検出装置、及び、この
誤接続検出装置を備えた比率差動継電器を得ることを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の変流器の誤接
続検出装置は、電力系統の交流回線に接続された保護対
象変圧器、この保護対象変圧器の1次側および2次側に
それぞれ接続された2台の変流器、この変流器の出力端
子に接続された比率作動継電器とを備えた電力システム
の前記変流器の誤接続検出装置であって、前記2台の変
流器からの電気量を入力とし、この両電気量間の位相を
変化する位相変化手段、この位相の変化に対応した前記
両電気量の差の電気量を演算する演算手段、上記変化し
た位相角の値とこの位相角に対応する上記差の電気量の
演算結果とを表示する表示手段を備えたものである。
【0016】また、電力系統の交流回線に接続された保
護対象変圧器、この保護対象変圧器の1次側および2次
側にそれぞれ接続された2台の変流器、この変流器の出
力端子に接続された比率作動継電器とを備えた電力シス
テムの前記変流器の誤接続検出装置であって、前記2台
の変流器からの電気量を入力とし、この両電気量間の位
相を変化する位相変化手段、この位相の変化に対応した
前記両電気量の差の電気量を演算する演算手段、上記差
の電気量が最小および最大となる位相の内、少なくとも
一方の位相を検出する位相検出手段を備えたものであ
る。
【0017】また、位相検出手段の検出結果に応じて前
変流器の接続が正常か否かを判定する位相判定手段を
備えたものである。
【0018】また、位相判定手段は、差の電気量が最大
となる位相が0゜、または、最小となる位相が180゜
であれば、何れか一方の変流器の極性が逆接続と判定す
る手段としたものである。
【0019】また、電気回線が3相交流回線の場合、位
相判定手段は、差の電気量が最大となる位相が+60゜
若しくくは−60゜、または、最小となる位相が+12
0゜若しくは−120゜であれば、異なる相の変流器ど
うしの誤接続と判定する手段としたものである。
【0020】また、電気回線が3相交流回線の場合、位
相判定手段は、差の電気量が最大となる位相が+120
゜若しくは−120゜、または、最小となる位相が+6
0゜若しくは−60゜であれば、異なる相の変流器どう
しの誤接続で、且つ、何れか一方の変流器の極性が誤接
続と判定する手段としたものである。
【0021】また、位相変化手段は、位相の変化を所定
の位相角のステップで0゜〜360゜変化するようにし
た手段としたものである。
【0022】この発明の比率差動継電器は変流器の誤接
続検出装置を内蔵したものである。
【0023】
【作用】この発明の変流器の誤接続検出装置は、交流回
線に設けられた変流器の内、誤接続検出対象の2台の変
流器からの電気量を入力とし、この両電気量間の位相を
位相変化手段で変化し、この位相の変化に対応した両電
気量の差の電気量を演算手段で演算し、上記変化した位
相角の値とこの位相角に対応する上記差の電気量の演算
結果とを表示手段で表示する。
【0024】また、交流回線に設けられた変流器の内、
誤接続検出対象の2台の変流器からの電気量を入力と
し、この両電気量間の位相を位相変化手段で変化し、こ
の位相の変化に対応した両電気量の差の電気量を演算手
段で演算し、差の電気量が最小および最大となる位相の
内、少なくとも一方の位相を位相検出手段で検出する。
【0025】また、交流回線に設けられた変流器の内、
誤接続検出対象の2台の変流器からの電気量を入力と
し、この両電気量間の位相を位相変化手段で変化し、こ
の位相の変化に対応した両電気量の差の電気量を演算手
段で演算し、差の電気量が最小および最大となる位相の
内、少なくとも一方の位相を位相検出手段で検出し、こ
の検出結果に応じて変流器の接続が正常か否かを位相判
定手段で判定する。
【0026】また、位相判定手段は、差の電気量が最大
となる位相が0゜、または、最小となる位相が180゜
であれば、何れか一方の変流器の極性が逆接続と判定す
る。
【0027】また、電気回線が3相交流回線の場合、位
相判定手段は、差の電気量が最大となる位相が+60゜
若しくくは−60゜、または、最小となる位相が+12
0゜若しくは−120゜であれば、異なる相の変流器ど
うしの誤接続と判定する。
【0028】また、電気回線が3相交流回線の場合、位
相判定手段は、差の電気量が最大となる位相が+120
゜若しくは−120゜、または、最小となる位相が+6
0゜若しくは−60゜であれば、異なる相の変流器どう
しの誤接続で、且つ、何れか一方の変流器の極性が誤接
続と判定する。
【0029】また、位相変化手段は、位相の変化を所定
の位相角のステップで0゜〜360゜変化する。
【0030】この発明の比率差動継電器は変流器の誤接
続検出装置を内蔵する。
【0031】
【実施例】
実施例1.まずCTの誤接続による極性および相接続の
検出の動作原理について説明する。図1はこの発明の実
施例を示す構成図であり、図2から図9は原理を説明す
るためのベクトル図である。
【0032】図1において、30〜35が変流器の誤接
続を検出する誤接続検出装置を構成するものである。3
0は位相変化用テストスイッチで、このテストスイッチ
を押すごとにI1とI2との位相を0゜〜360゜の間所
定の角度ずつ変化させる信号を送出する。31は位相変
化手段で、位相変化用テストスイッチ30の信号により
1とI2との位相を所定の角度ずつ変化させる。32は
演算手段で、I1−I2の差動電流値を計算する。33は
位相検出手段で、I1−I2の差動電流値が最大または最
小となる位相を検出する。
【0033】入力変換器42からの電流I1、I2を位相
変化用テストスイッチ30の指令により位相変化手段3
1はI1とI2間の位相を所定の間隔で変化させる。この
位相の変化をするには、I1とI2のアナログ波形をサン
プリングしてディジタル化し、このディジタル化したI
1とI2の波形から所望の位相を得るよう、その位相に相
当する時間差をつけて2つの波形値を抽出することによ
って位相変化をすることができる。
【0034】この抽出したI1とI2との差を演算手段3
2で演算し、I1−I2の差動電流値を得る。位相検出手
段33では、I1−I2の差動電流値が最大になる位相
(角度)を検出する。位相判定手段34はこの検出され
た差動電流値が最大になる位相が、誤接続を生じる位相
であると、誤接続と判定する。この判定に応じて出力手
段35は外部へ誤接続の信号を送出する。以上のように
して変流器の誤接続を検出することができる。
【0035】以上説明した動作をベクトルを用いて説明
する。図2は図1においてCT11の極性が正しく接続
されている場合で、I1−I2(=I3)という差動電流
が出ていることを表している。ここで、図3のように、
図1の位相変化用テストスイッチ30を押すことによっ
て位相を0゜から360゜まで順次変化させる。この図
ではI2を固定してI1を変化させ点線で示すベクトルI
1−I2(=I3)の差動電流値が得られる。
【0036】このI1−I2(=I3)の差動電流値の軌
跡を表すと図4のようになる。即ち、位相0゜でI3
最小、位相180゜でI3は最大になる。もし、極性が
間違っていれば、I1もしくはI2の位相が180゜変化
しているので、図4の180゜のようにI3は最大
る。この状態でI1の位相を180゜変化させると、図
の0゜の位置でのベクトル値となり、I1−I2(=
3)の差動電流値は最小になり極性が間違っているこ
とが分かる。従って、位相を0゜または360゜変化さ
せた時、I1−I2(=I3)の差動電流値が最大になれ
ば極性が間違っていることが判る。
【0037】次に3相の場合について説明する。図5に
おいて、A相、B相、C相が相互に120゜の位相のず
れを持つ三相交流を継電器が取り入れている場合、CT
の極性は合っていて、I1とI2がA相どうし(B相どう
し、C相どうし、いずれでもよいが)であるとすると、
図2〜図4の関係を保つ。
【0038】しかし、I1とI2とで取り入れる相を間違
えた場合、図6のようにI1とI2とは120゜位相が違
ってきて、I1−I2の値は大きくなる。ここで、図1の
位相変化用テストスイッチ30を押してI1の位相を0
゜(図6のI1−I2が120゜の状態)から360゜ま
で位相を進める方向に変化させていくと、図7のような
1−I2のベクトル軌跡となる。即ち、60゜で最大と
なり、240゜で最小となる。括弧内の(300゜)、
(120゜)は位相を遅れる方向に変化させた場合の角
度である。
【0039】このようにCTの極性は合っているが継電
器へ取り入れる相をI1とI2で間違えた場合、I1とI2
の間に120゜の位相差が出てくる。この状態から位相
を±60゜(進みおよび遅れで60゜)変化させた時、
進み・遅れのいずれか一方で、I1−I2(=I3)の差
動電流値が最大となれば、相の接続のみが間違っている
と判定できる。また、位相を±120゜(進みもしくは
遅れで120゜)変化させた時、進み・遅れのいずれか
一方で、I1−I2(=I3)の差動電流値が最小となれ
、相の接続のみが間違っていること判定できる。ま
た、位相を進めて60゜で最大となり、240゜で最小
となった場合、または、位相を遅らせて120゜で最
小、300゜で最大となった場合は、同じく、相の接続
のみが間違っていること判定できる。
【0040】次に、継電器へ取り入れる相がI1とI2
で間違っていて、その間違って取り入れた相の極性まで
間違えた場合を考える。I1とI2の入力の位相の関係
は、極性間違いで180゜、相入力間違いで120゜、
よって300゜つまり、I1とI2の位相差は図8のよう
に60゜となる。この状態で位相を0゜〜360゜変化
させていくと、図9のようなI1−I2のベクトル軌跡と
なる。
【0041】位相を±120゜(進みおよび遅れで12
0゜)変化させた時、進み・遅れのいずれか一方で、I
1−I2(=I3)の差動電流値が最大となれば、相の接
続およびその極性も間違っていると判定できる。また、
位相を±60゜(進みおよび遅れで60゜)変化させた
時、進み・遅れのいずれか一方で、I1−I2(=I3
の差動電流値が最小となれば、同じく、相の接続および
その極性も間違っていると判定できる。また、位相を進
めて60゜で最小となり、240゜で最大となった場
合、または、位相を遅らせて120゜で最大、300゜
で最小となった場合は、同じく、相の接続およびその極
性も間違っていると判定できる。
【0042】図10は位相を変化したときの差動電流値
の最大・最小の関係、および判定結果を表した図であ
る。
【0043】以上が、この発明のCTの誤接続を検出す
る動作原理である。次に、具体的実施例について説明す
る。図11は比率差動継電器内のCTの誤接続検出装置
の要部を示した図であり、図1の比率差動継電器の演算
処理部16、変圧器等の保護対象41、CT11、入力
変換装置42等を省いており、入力変換器42からのI
1とI2とを導入する部分から示している。
【0044】図において、30、31、32、35は図
1と同様であるので説明を省略する。61は演算手段3
2で計算されたI1−I2の差動電流値の中で差動電流値
が最大となる時の位相を検出する手段、62は61で検
出した位相が0゜か判定する手段である。
【0045】動作としては、位相変化用テストスイッチ
30を押すごとに、位相変化手段31で位相を変化さ
せ、変化した位相に対応するI1−I2の値を演算手段3
2で演算し、I1−I2の差動電流値が最大となる位相を
検出する手段61でその最大値での位相を検出し、位相
が0゜か判定する手段62で、その検出した位相が0゜
であれば、出力手段35から外部へ信号を送出する。こ
の信号は「変流器の極性誤接続」とういような表示装置
で表示するようにしてもよく。警報音や「変流器の極性
が間違っています。」と言うような音声出力としてもよ
い。
【0046】この誤接続の検出動作を図12のフローチ
ャートに示す。電流I1とI2を読み込み(S1)、I1
とI2間の位相を順次0゜〜360゜変化させる(S
2)。I1とI2との差動電流値を演算し(S3)、位相
が360゜になるまで繰り返す(S4)。360゜にな
れば、差動電流値が最大値となる位相を検出し(S
5)、検出した位相は0゜か否か判定する(S6)。判
定結果がYESであれば極性誤接続の信号を出力し(S
7)、NOであれば極性正常接続の信号を送出する(S
8)。なお、極性が正常であれば信号を送出しなくても
よいが、正常信号を送出した方がチェックする人の判断
を助けることになる。
【0047】このように従来の比率差動継電器では検出
できなかったCTの極性間違いを、簡単にチェックする
ことができ、CTの接続間違いによる継電器の誤動作を
防ぐことができる。また、この場合はCTの間違った接
続の内容が「CTの極性のみの間違い」と判定できるの
で、CTの継ぎ換え時、工事内容が非常に明確で作業効
率が良くなるというメリットがある。
【0048】実施例2.この実施例は、実施例1と同じ
く、CTの極性間違いを検出するもので、この要部の構
成を図13に示す。図13に示すように、I1−I2の差
動電流値が最小となる位相を検出する手段71、およ
び、位相が180゜か判定する手段72を設け、更にI
1−I2の差動電流値の最小値を記憶する手段73を設け
る。
【0049】動作としては、差動電流値が最小値となる
位相を求め、その位相が180゜であれば、CTの極性
間違いと判定する。ここで、I1−I2の差動電流値が最
小と判定された値を記憶する手段73を設けたのは、I
1−I2の差動電流値の最小値を記憶ているため、I1
2の調整の限界(誤差)で正常時検出されるI1−I2
差動電流値も記憶でき、正常時のI1−I2差動電流値を
知ることができるメリットがあるためである。
【0050】実施例3. 3相交流において、異なる相のCTどうしの誤接続を検
出する場合について説明する。図14は誤接続検出装置
の要部の構成を示す図で、位相が±60゜か判定する手
段74の他は実施例1の図11と同様である。I1−I2
(=I3)の差動電流値が最大となる位相を検出し、そ
の位相が±60(+60゜または−60゜)であれ
ば、異なる相のCTどうしの誤接続と判定する。
【0051】実施例4. この実施例は実施例3と同様に、異なる相のCTどうし
の誤接続を検出する場合であり、その要部の構成を図1
5に示す。図15は、位相が±120゜か判定する手段
75を設けたもので、その他は実施例2の図13と同様
の構成である。I1−I2(=I3)の差動電流値が最小
となる位相を検出し、その位相が±120(+120
゜または−120゜)であれば、異なる相のCTどうし
の誤接続と判定する。
【0052】実施例5. この実施例は3相交流において、異なる相のCTどうし
の誤接続で、且つ、何れか一方のCTの極性が間違って
いる場合にその誤接続を検出するもので、図16にその
要部の構成を示す。図16は位相が±120゜か判定す
る手段75を設けたもので、その他は実施例3の図14
と同様である。I1−I2(=I3)の差動電流値が最大
となる位相を検出し、その位相が±120(+120
゜または−120゜)であれば、異なる相のCTどうし
の誤接続で、且つ、何れか一方のCTの極性が間違って
いると判定する。
【0053】実施例6. この実施例も実施例5と同様に、異なる相のCTどうし
の誤接続で、且つ、何れか一方のCTの極性が間違って
いる場合にその誤接続を検出するもので、図17にその
要部の構成を示す。図17は位相が±60゜か判定する
手段74を設けたもので、その他は実施例4の図15と
同様である。I1−I2(=I3)の差動電流値が最小と
なる位相を検出し、その位相が±60(+60゜また
は−60゜)であれば、異なる相のCTどうしの誤接続
で、且つ、何れか一方のCTの極性が間違っていると判
定する。
【0054】実施例7.上記実施例では誤接続の種々の
ケースについて、誤接続検出装置の構成を説明したが、
図1の位相検出手段33はI1−I2(=I3)の差動電
流値が最小となる位相と最大となる位相の両者または一
方を検出する手段とし、位相判定手段は図10に示すよ
うに位相を変化したときの差動電流値の最大・最小の関
係、および判定結果を表したものをテーブルとしてメモ
リに格納しておき、位相検出手段33で検出された位相
とこのテーブルとを比較し、この比較に応じて判定する
位相判定手段とする。そして表示手段を設けて、その判
定結果の内容を表示し、また、音声で出力するようにし
てもよい。このようにすると誤接続の原因が種々あって
も、CTの接続チェックが一度にできるので、全てのチ
ェックを短時間で容易にするとこができる。
【0055】実施例8.この実施例は図1で位相変化用
テストスイッチ30を押すごとに位相を変化させるので
はなく、位相変化用テストスイッチ30は誤接続検出開
始のスタート信号の発信のみとし、このスタート信号に
より位相変化手段31は位相を所定の間隔(例えば10
゜毎)で自動的に0゜〜360゜変化させていくように
してもよい。
【0056】実施例9.また、位相検出手段33でI1
−I2の差動電流値が最小または最大となる位相を検出
すると、その位相を表示手段であるディスプレイやプリ
ンターを用いて、表示したり、プリントアウトしたりし
て、チェックする人が図10の図表を用いて接続状態を
判断するようにしてもよい。また、演算手段32で位相
を0゜〜360゜変化させた場合のI1−I2(=I3
の差動電流値の演算結果を、表示手段であるディスプレ
イやプリンターを用いて図4・図7・図9のようにI1
−I2の差動電流値の軌跡を描かせて、チェックする人
が判断するようにしてもよい。
【0057】実施例10.以上の実施例では、比率差動
継電器にCTの誤接続検出装置を組み込んだ例を挙げた
が、比率差動継電器に組み込まずに、誤接続検出装置を
単独の装置として構成してもよい。
【0058】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、接続
状態をチェックするための二つの電気量の間の位相を変
化させ、その両電気量の差の大きさと位相との関係から
誤接続か否かを判定するようにしたので、容易に誤接続
が検出できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1による比率差動継電器の
構成図である。
【図2】 CTの接続が正しい時発生するI1−I2の差
動電流のベクトル図である。
【図3】 図2でI1とI2の位相を変化させた時のベク
トル図である。
【図4】 図3の差動電流のベクトル軌跡を示す図であ
る。
【図5】 三相交流の位相の関係を示す図である。
【図6】 I1とI2の相が間違った場合の位相関係を示
すベクトル図である。
【図7】 図6の差動電流のベクトル軌跡を示す図であ
る。
【図8】 I1とI2の相と、一方の極性と共に間違った
場合の位相関係を示すベクトル図である。
【図9】 図8の差動電流のベクトル軌跡を示す図であ
る。
【図10】 位相角による差動電流とCTの接続との関
係を示す図である。
【図11】 この発明の実施例1による比較差動継電器
の要部の構成図である。
【図12】 この発明の実施例1による変流器の接続チ
ェックのフローチャートである。
【図13】 この発明の実施例2を示す比較差動継電器
の要部の構成図である。
【図14】 この発明の実施例3を示す比較差動継電器
の要部の構成図である。
【図15】 この発明の実施例4を示す比較差動継電器
の要部の構成図である。
【図16】 この発明の実施例5を示す比較差動継電器
の要部の構成図である。
【図17】 この発明の実施例6を示す比較差動継電器
の要部の構成図である。
【図18】 従来のディジタルリレーの構成図である。
【図19】 従来のアナログ形比率差動継電器の構成図
である。
【図20】 従来のディジタル形比率差動継電器の構成
図である。
【図21】 保護区間が正常時の比率差動継電器の動作
を説明する図である。
【図22】 保護区間外の事故時の比率差動継電器の動
作を説明する図である。
【図23】 保護区間内の事故時の比率差動継電器の動
作を説明する図である。
【符号の説明】
11 変流器(CT)、12 フィルタ回路、13 サ
ンプルホールド回路、14 マルチプレクサ回路、15
アナログ・ディジタル変換器、16 演算処理部、1
7 出力インタフェース回路、18 励磁コイル、19
接点、20 ディジタル形比率差動継電器、21 I
1−I2の差動電流を計算する手段、22 I1+I2の抑
制電流値を計算する手段、23 判定手段、24 A相
動作判定手段、25 B相動作判定手段、26 C相動
作判定手段、30 位相変化用テストスイッチ、31
位相変化手段、32 演算手段、33 位相検出手段、
34 位相判定手段、35 出力手段、40 比率差動
継電器、41 保護対象、42 入力変換器、43 I
1−I2の差動電流を発生させる手段、44 I1+I2
抑制電流を発生させる手段、45 判定手段、46 A
相動作判定手段、47 B相動作判定手段、48 C相
動作判定手段、49 出力手段、51 保護区間、61
1−I2の差動電流値が最大となる位相を検出する手
段、62 位相が0゜か判定する手段、71 I1−I2
の差動電流値が最小となる位相を検出する手段、72
位相が180゜か判定する手段、73 I1−I2の差動
電流の最小値を記憶する手段、74 位相が±60゜か
判定する手段、75 位相が±120゜か判定する手
段。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の多相交流回線に接続された保
    護対象変圧器、この保護対象変圧器の1次側および2次
    側にそれぞれ接続された2台の変流器、この変流器の出
    力端子が接続された比率作動継電器とを備えた電力シス
    テムの前記変流器の誤接続検出装置であって、 前記2 台の変流器からの電気量を入力とし、この両電気
    量間の位相を変化する位相変化手段、この位相の変化に
    対応した前記両電気量の差の電気量を演算する演算手
    段、上記変化した位相角の値とこの位相角に対応する上
    記差の電気量の演算結果とを表示する表示手段を備えた
    ことを特徴とする変流器の誤接続検出装置。
  2. 【請求項2】 電力系統の交流回線に接続された保護対
    象変圧器、この保護対象変圧器の1次側および2次側に
    それぞれ接続された2台の変流器、この変流器の出力端
    子に接続された比率作動継電器とを備えた電力システム
    の前記変流器の誤接続検出装置であって、 前記 2台の変流器からの電気量を入力とし、この両電気
    量間の位相を変化する位相変化手段、この位相の変化に
    対応した前記両電気量の差の電気量を演算する演算手
    段、上記差の電気量が最小および最大となる位相の内、
    少なくとも一方の位相を検出する位相検出手段を備えた
    ことを特徴とする変流器の誤接続検出装置。
  3. 【請求項3】 位相検出手段の検出結果に応じて前記変
    流器の接続が正常か否かを判定する位相判定手段を備え
    たことを特徴とする請求項2記載の変流器の誤接続検出
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、位相判定手段は、差
    の電気量が最大となる位相が0゜、または、最小となる
    位相が180゜であれば、何れか一方の変流器の極性が
    逆接続と判定する手段としたことを特徴とする変流器の
    誤接続検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、電気回線が3相交流
    回線の場合、位相判定手段は、差の電気量が最大となる
    位相が+60゜若しくは−60゜、または、最小となる
    位相が+120゜若しくは−120゜であれば、異なる
    相の変流器どうしの誤接続と判定する手段としたことを
    特徴とする変流器の誤接続検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項3において、電気回線が3相交流
    回線の場合、位相判定手段は、差の電気量が最大となる
    位相が+120゜若しくは−120゜、または、最小と
    なる位相が+60゜若しくは−60゜であれば、異なる
    相の変流器どうしの誤接続で、且つ、何れか一方の変流
    器の極性が誤接続と判定する手段としたことを特徴とす
    る変流器の誤接続検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1または2において、位相変化手
    段は、位相の変化を所定の位相角のステップで0゜〜3
    60゜変化するようにしたことを特徴とする変流器の接
    続検査装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7項のいずれか1項の変流器
    の誤接続検出装置を内蔵したことを特徴とする比率差動
    継電器。
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