JP2910376B2 - 車両の旋回制御装置 - Google Patents

車両の旋回制御装置

Info

Publication number
JP2910376B2
JP2910376B2 JP2604392A JP2604392A JP2910376B2 JP 2910376 B2 JP2910376 B2 JP 2910376B2 JP 2604392 A JP2604392 A JP 2604392A JP 2604392 A JP2604392 A JP 2604392A JP 2910376 B2 JP2910376 B2 JP 2910376B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
rear wheel
value
turning
switched
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2604392A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0550830A (ja
Inventor
康裕 堤
清貴 伊勢
雅明 駒沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2604392A priority Critical patent/JP2910376B2/ja
Publication of JPH0550830A publication Critical patent/JPH0550830A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2910376B2 publication Critical patent/JP2910376B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は後輪転舵装置を備え、操
舵角に関する信号とヨーレートに関する信号とに基づい
て後輪の転舵角を調整することによって車両の旋回姿勢
を制御する装置に関する。特にこの発明は、横風やわだ
ち等の影響によって、車両に運転者の意思によらない旋
回外力(車両を垂直軸まわりに旋回させようとする外
力)が作用したときの旋回制御特性が改善された装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開昭57−44568号公報に、操舵
角に関する信号とヨーレートに関する信号に基づいて後
輪の転舵角を制御し、車両の垂直軸回りの旋回を制御す
る技術が示されている。また特開平2−38184号公
報に車速と操舵角が所定範囲を越えたときに懸架装置の
変位に対する抵抗力を増大させて車両のロールを抑制す
る技術が知られている。この公報には、後輪転舵装置が
中立位置でロックされて後輪転舵装置が機能していない
場合と、後輪転舵装置が機能している場合とで、懸架特
性を変更する際の車速・操舵角領域を切換える技術が開
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭57−44
568号公報に記載の技術は後輪転舵角を最適に制御す
るものであり、車両旋回姿勢を制御するための優れた技
術である。ところが車両に横風が作用したり、あるいは
車両がわだちを走行する場合のように、車両を旋回させ
ようとする外力が突発的に作用すると、後輪の転舵角を
制御しても懸架装置が大きく変位し、車体がロールし、
後輪の接地力が低下してしまうために設計通りの旋回制
御特性が得られない。ここで特開平2−38184号公
報の技術を前記特開昭57−44568号公報の技術に
流用すると、大きく転舵された場合には懸架装置がいわ
ゆるハードな状態に切換えられ(すなわち変位に対する
抵抗力が増大された状態に切換えられ)、後輪の接地力
が確保されるため、後輪転舵機構の長所を充分に享受す
ることができる。
【0004】しかしながらこのように両技術を組合わせ
てみても、操舵角が所定値を越えない間は懸架装置がハ
ードに切換えられない。このためこの間は後輪接地力が
充分に得られず、後輪転舵の利点が充分には得られな
い。このため車両に横風が作用して旋回するような場
合、運転者が横風の影響を補償するためのステアリング
操作を始めるまでは後輪接地力が不充分な状態でしか後
輪転舵装置による旋回制御がなされない。そこで本発明
では、車両に車両を旋回させようとする外力が作用した
場合には、その極めて初期の段階で、すなわち外力によ
る旋回を運転者が操舵することによって補償するよりも
早い段階で、後輪の接地力を高め、後輪転舵装置による
車両姿勢の安定化効果を最大限に享受できる装置を開発
するのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では図
1にその概念が模式的に示される車両の旋回制御装置、
すなわち操舵角信号とヨーレート信号とで決定される転
舵角に後輪を転舵させる後輪転舵装置Aと、車体と車輪
間に設けられ変位に対する抵抗力が可変な懸架装置Dと
を備えた車両において、該ヨーレート信号の微分値を所
定値と比較する装置Bと、該比較装置で該ヨーレート信
号の微分値が該所定値以上と判別されたときに、該懸架
装置の変位に対する抵抗力を増大させる装置Cとが付加
されたことを特徴とする車両の旋回制御装置を創作し
た。この発明ではさらに、車速が速いときほど前記所定
値を小さな値に設定する装置を備える。
【0006】
【作用】さて本発明の車両の旋回制御装置によると、車
両に車両を旋回させる外力が作用して車両が旋回し始め
ると、それに応じて後輪転舵装置が後輪を転舵させる一
方、懸架装置の変位に対する抵抗力が増大される。すな
わち懸架装置がいわゆるハードな状態に切換えられた状
態で後輪転舵装置が後輪を転舵させる。懸架装置がハー
ドな状態にあると後輪の接地力が高められており、後輪
転舵装置による後輪転舵による効果が強く得られ、後輪
転舵による車両の旋回制御効果が強く得られる。
【0007】しかもこの発明では、ヨーレート自体では
なくヨーレートの微分値によって懸架特性を切換えるた
め、外力が作用し始めた極めて初期の段階で懸架特性が
ハードに切換えられる。このためヨーレートが一定の値
に達し、後輪転舵装置が後輪を転舵し始めるときにはす
でに懸架特性がハードに切換えられており、後輪転舵装
置による車両の旋回制御効果が初期段階から充分に得ら
れることになる。さらにこのヨーレートの微分値と比較
される所定値は車速が速いときほど小さく設定されるこ
とから、車速が速いほど旋回の初期段階でハードに切換
えられることになり、高速時の走行安定性と低速時の良
好な乗心地がともに確保される。
【0008】
【実施例】次に本発明を具現化した車両例について説明
する。図2に示す車両は本発明を具現化した一実施例に
係わるものであり、左右前輪FW1,FW2を操舵する
前輪操舵機能Eを有している。また後輪転舵機構A1及
び電気制御回路Fからなって、左右後輪RW1,RW2
を左右前輪FW1,FW2の操舵に連動して転舵する後
輪転舵装置を備えている。さらにこの車両は左右後輪R
W1,RW2と車体間の距離を可変に連携するとともに
変位に対する抵抗力が可変な懸架装置AS1,AS2
と、抵抗力(減衰力及びまたはばね定数)を変えるため
のアクチュエータ100とそれを制御する電気制御回路
Fからなる抵抗力増減装置を備えている。
【0009】前輪操舵機構Eは操舵ハンドル11を有し
ており、この操舵ハンドル11は操舵軸12を介してピ
ニオンギヤ13に接続されている。このピニオンギヤ1
3はラックバー14と噛合し、操舵ハンドル11の回転
運動をラックバー14の往復運動に変換して伝達するも
のである。ラックバー14の両端には左右タイロッド1
5a,15b及び左右ナックルアーム16a,16bを
介して左右前輪FW1,FW2が操舵可能に連結されて
おり、同ラックバー14は操舵ハンドル11の回動に応
じて軸方向に変位して左右前輪FW1,FW2を操舵す
る。操舵軸12の中間には四方弁からなる制御バルブ1
7が組付けられており、同バルブ17は操舵軸12に作
用する操舵トルクに応じて、エンジン18により駆動さ
れる油圧ポンプ21からの作動油をパワーシリンダ22
の一方の油室へ供給するとともに、同シリンダ22の他
方の油室内の作動油をリザーバ23へ排出するように機
能する。パワーシリンダ22は、前記作動油の給排に応
じてラックバー14を軸方向に駆動することにより、前
記左右前輪FW1,FW2の操舵を助勢する。
【0010】後輪転舵機構A1は上記ラックバー14と
同様に軸方向に変位して左右後輪RW1,RW2を転舵
するリレーロッド31を有する。リレーロッド31の両
端には、前記前輪操舵機構Eの場合と同様に、左右タイ
ロッド32a,32b及び左右ナックルアーム33a,
33bを介して左右後輪RW1,RW2が転舵可能に連
結されている。このリレーロッド31は車体に支持され
たハウジング34に対して軸方向に変位可能に支持さ
れ、同ハウジング34内にはパワーシリンダ35が形成
されている。パワーシリンダ35は作動油の給排に応じ
てリレーロッド31を軸方向へ駆動するもので、同シリ
ンダ35はリレーロッド31に固定されたピストン35
aにより左右油室35b,35cに区画されている。こ
れらの左右油室35b,35c内にはスプリング36
a,36bがプレロードを付与された状態でリレーロッ
ド31のまわりに組み込まれており、同スプリング36
a,36bはそれらの弾発力によりリレーロッド31を
中立位置に付勢している。
【0011】また、ハウジング34内には、パワーシリ
ンダ35とともに油圧倣い機構を構成するスプールバル
ブ37が組み込まれている。このスプールバルブ37は
ハウジング34内に軸方向に液密的かつ摺動可能に収容
されたバルブスリーブ37aと、ハウジング34に固定
されたバルブスプール37bとからなり、バルブスリー
ブ37aの図示左方向への変位に応じて、エンジン18
により駆動される油圧ポンプ38からの作動油をパワー
シリンダ35の左油室35bへ供給するとともに、同シ
リンダ35の右油室35c内の作動油をリザーバ23へ
排出する。また、バルブスリーブ37aが図示右方向へ
変位すると、スプールバルブ37は油圧ポンプ38から
の作動油をパワーシリンダ35の右油室35cへ供給す
るとともに、同シリンダ35の左油室35b内の作動油
をリザーバ23へ排出する。
【0012】バルブスリーブ37aの右端部には貫通孔
37a1が設けられており、同貫通孔37a1にはレバ
ー41が貫通されている。レバー41の中間部分には球
型の節状***部41aが設けられ、同レバー41は節状
***部41aの外周面にて貫通孔37a1の内周面に傾
動かつ摺動可能に係合している。また、レバー41の下
端部はピストン35aの外周上に設けた環状溝35a1
内に回動可能かつ上下方向に摺動可能に嵌合され、同レ
バー41の上端部はピン42に回動可能に接続されてい
る。
【0013】ピン42の両端部は、ハウジング34に設
けた支持孔34a,34b内に進退可能かつ回転不能に
侵入している。また、ピン42の外周上にはラック歯4
2aが形成され、同ラック歯42aにはステップモータ
43の回転軸に固定されたウオーム44が噛合してい
る。かかる場合、ステップモータ43が正(又は負)の
方向に回転するとピン42は右方向(又は左方向)に変
位するようになっている。
【0014】車高とばね定数と減衰力を調整可能な状態
で後輪RW1,RW2を車体に懸架する懸架装置AS
1,AS2は、いずれも図3にその詳細が示される構造
を有している。図示112はメインエアチャンバであ
り、ここに電気制御式バルブ101を介して高圧空気が
送り込まれると車高を上げ、バルブ101を介して高圧
空気が抜かれると車高を下げる。
【0015】図示102はサブエアチャンバであり、サ
ブエアチャンバ102とメインエアチャンバ112はエ
アバルブ104を介して連通状態と非連通状態に切換え
られる。エアバルブ104はシリンダ106とその内側
で回動する筒状作動子108とを主体として構成され、
筒状作動子108が図4左下の角度に回転されるとシリ
ンダ106側方の開孔106aを介してメインエアチャ
ンバ112とサブエアチャンバ102が連通しばね定数
が低く設定される。筒状作動子108が図4右下の角度
に回転されるとシリンダ106側方の開孔106aが塞
がれ、メインエアチャンバ112とサブエアチャンバ1
02とが非連通状態となってばね定数が高い状態に切換
えられる。
【0016】図示132はショックアブソーバであり、
シリンダ130中をピストン124が摺動する際の抵抗
によって車体と車輪間の振動を減衰させる。ピストン1
24にはピストン上室118とピストン下室128を連
通させる通路126が設けられ、通路126とピストン
上室118間に2つのオリフィス120,122が形成
されている。オリフィス120,122の内側には筒状
の作動子134が収容されており、作動子134の角度
によって図4に示されるように、オリフィス120と1
22の両方がオープンされるソフトな状態、オリフィス
120のみオープンされるミディアムな状態、オリフィ
ス120と122の両方がクローズされるハードな状態
の間で切換えられる。
【0017】オリフィス120と122がともにオープ
ンであるとピストン124はシリンダ130内を軽抵抗
状態でスライドでき、オリフィス120と122がとも
にクローズされるとピストン124をシリンダ130内
でスライドさせる際の抵抗が大きくなる。すなわち作動
子134によって、ショックアブソーバ132は変位に
対する抵抗力が弱い状態と中間の状態と強い状態の3段
階の間で切換えられ、これにより減衰力も3段階に調整
される。
【0018】図2に示されているように、電気制御回路
Fは、前輪操舵角センサ51、車速センサ52、ヨーレ
ートセンサ53及び後輪転舵角センサ54を備えてい
る。前輪操舵角センサ51は操舵軸12の回転角を検出
して、該検出回転角を表す検出信号を出力する。車速セ
ンサ52は変速機(図示しない)の出力軸の回転数を検
出して、該検出回転数を表す検出信号を出力する。ヨー
レートセンサ53は車体の垂直軸回りの回転角速度を検
出して、該検出回転角速度を表す検出信号を出力する。
後輪転舵角センサ54はステップモータ43の回転軸の
回転角を検出して、該検出回転角を表す検出信号を出力
する。
【0019】これらの各センサ51〜54はマイクロコ
ンピュータ55に接続されており、同コンピュータ55
はバス55aにそれぞれ接続されたROM55b、CP
U55c、RAM55d及びI/O55e(入出力イン
ターフェース)からなる。ROM55bは図5のフロー
チャートに対応したプログラムを記憶するとともに、後
述する係数K1,K2,K3,Cw (V),T(V)を
テーブルの形で記憶している。
【0020】係数K1は前輪操舵角θfに乗ぜられて車
両の低速旋回時に左右後輪RW1,RW2を左右前輪F
W1,FW2に対して逆相に転舵制御するための車速V
に応じて変化する制御係数であり、図6(A)に示すよ
うに、車速Vの小さな領域で負であるとともに、車速V
の大きな領域で零となる。係数K2はヨーレートWyに
乗ぜられて車両の高速旋回時などに左右後輪RW1,R
W2を左右前輪FW1,FW2に対して同相すなわちヨ
ーレートを抑制する方向に転舵制御するための車速Vに
応じて変化する制御変数であり、図6(B)に示すよう
に、車速Vの小さな領域で零であるとともに、車速Vの
増加に従って徐々に正の大きな値になる。係数K3もヨ
ーレートWyに乗ぜられるものであるが、これは当該車
両の定常円旋回時に前記同相操舵量(ヨーレート抑制操
舵量)を小さく制御するもので、図6(C)に示すよう
に、前輪操舵速度dθf/dtの小さな領域(定常円旋
回時に対応)で小さな正の値であるとともに、前輪操舵
速度dθf/dtの上昇に従って徐々に正の大きな値に
なる。
【0021】所定値Cw (V)はヨーレートの微分値
(ヨー加速度)がこれ以上の値になると懸架特性をハー
ドとし、後輪接地力を高めた状態で後輪転舵装置を働か
せる値であり、図6(D)に示すように、車速(V)が
大きいときほど小さな値に設定されている。ただし車速
がごく低速のときには最大値Cw1とされ、高速では最低
値Cw2に設定されている。所定時間T(V)はこの時間
以上継続してヨー加速度がCw (V)以下のときには懸
架特性をソフトにしてよい時間値を示しており、図6
(E)の関係に従って設定されている。
【0022】CPU55cはイグニッションスイッチ
(図示しない)の閉成から開成まで、図5のプログラム
を繰返し実行するもので、RAM55dは前記プログラ
ムの実行に必要な変数データを一時的に記憶するもので
ある。I/O55eは外部回路との信号の授受を行なう
もので、同I/O55eには前記各センサ51〜54が
接続されるとともに、駆動回路56が接続されている。
駆動回路56はマイクロコンピュータ55からの回転制
御信号に応じたステップ数だけステップモータ43を回
転させるとともに、その後、同モータ43を前記回転後
の位置に維持するように制御するものである。
【0023】またI/O55eにはメインエアチャンバ
112への空気の出入りを制御するバルブ101と、メ
インエアチャンバ112とサブエアチャンバ102の連
通ならびにショックアブソーバ132の減衰力を増減す
るアクチュエータ100が接続されており、同バルブ1
01とアクチュエータ100がマイクロコンピュータ5
5で制御可能となっている。
【0024】次に、以上のように構成した実施例の動作
を説明する。イグニッションスイッチが閉成されると、
CPU55cが図5のステップS200にてプログラム
の実行を開始する。このプログラムの実行開始後、ステ
ップS202にて各センサ51〜54から各検出信号が
それぞれ読み込まれるとともに、各検出信号により前輪
操舵角θf、車速V、ヨーレートWy及び後輪転舵角θ
rがそれぞれ算出されて、RAM55d内に記憶され
る。かかる場合、車速V、及び後輪転舵角θrは現在値
のみ記憶されるが、前輪操舵角θfとヨーレートWyは
以降の処理のために過去1回分のものが確保される。な
お、前記前輪操舵角θf及び後輪転舵角θrにおいて
は、左右前輪FW1,FW2及び左右後輪RW1,RW
2がそれぞれ右方向に操舵されたときに正の値となり、
左方向に操舵されたときに負の値となる。また、前記ヨ
ーレートWyにおいては、左右前輪FW1,FW2の右
方向の操舵などにより当該車両が右方向へ旋回するとき
に正の値となり、左方向へ旋回するときに負の値とな
る。
【0025】次に、ステップS204にて、前記記憶し
た過去1回分の前輪操舵角と現在の前輪操舵角θfから
時間微分値(前輪操舵速度)dθf/dtが算出され
て、RAM55dに記憶される。同様にヨーレートの時
間微分値(ヨー加速度)dWy/dtが算出されてRA
M55dに記憶される。このようにして算出されたヨー
加速度はステップS206で所定値Cw (V)と比較さ
れる。ここで所定値Cw (V)は車速Vに対して図6
(D)の関係で予め設定されている値であり、これ以上
のヨー加速度が作用すると後輪接地力を確保した状態で
後輪転舵させることが好ましい値に設定されている。
【0026】ステップS206でヨー加速度が所定値C
w (V)以上であると、ステップS208の処理が実行
され、そうでないときはステップS208の処理がスキ
ップされる。ステップS208はアクチュエータ100
を作動させて懸架装置ASのメインエアチャンバ112
とサブエアチャンバ102間を非連通状態にさせるとと
もに、ショックアブソーバ132の両オリフィス12
0,122を閉じさせる処理を実行する。これによりエ
アばねのバネ定数は大きくなり、またショックアブソー
バ132は変位に対する抵抗力が大きな状態、すなわち
ハードな状態に切換えられる。このため後輪接地力が充
分に確保された状態に切換えられる。
【0027】ステップS206でヨー加速度が所定値C
w (V)以下であると判定されたときには、ステップS
210でヨー加速度が継続して所定値Cw (V)以下で
ある時間が計時される。ここで継続して所定値Cw
(V)以下である時間が所定時間T(V)以上になると
ステップS212でイエスとなり、ステップS214で
懸架装置のハード状態が解消される。この処理が実行さ
れると、図示しないサスペンション切換えプログラムに
従って、エアばねのばね定数とショックアブソーバの減
衰力特性が切換えられる。すなわちステップS208に
よってばね定数や減衰力特性が強制的にハードにされて
いたことが解消される。
【0028】さてこのようにしてヨー加速度に応じてば
ね定数や減衰力特性が強制的にハードに切替えられた
後、ステップS216以後のいわゆる4WS制御が実行
される。すなわちステップS216でステップS202
とS204でRAM55dに記憶した車速V及び前輪操
舵速度dθf/dtに基づいてROM55b内のテーブ
ルが参照されて、前記車速V及び前輪操舵速度dθf/
dtに対応した各係数K1,K2,K3が導出され、ス
テップS218にて下記式1の演算の実行により目標後
輪転舵角θr*が算出される。 θr*=K1・θf+K2・K3・Wy 式1
【0029】かかる目標後輪転舵角θr*の算出後、ス
テップS220にて同目標後輪転舵角θr*から現在の
左右後輪RW1,RW2の転舵角を表す後輪転舵角θr
を減算することにより、同後輪RW1,RW2の転舵さ
れるべき転舵量θr*−θrが算出され、この転舵量θ
r*−θrに対応したステップモータ43に対する回転
制御信号がI/O55eを介して駆動回路56へ出力さ
れる。
【0030】駆動回路56は前記回転制御信号に応じた
駆動パルスをステップモータ43に供給し、同モータ4
3は同駆動パルスに対応した量だけウオーム44を回転
させる。かかる場合、後輪転舵量θr*−θrに対応し
た前記回転制御信号が正であれば、ステップモータ43
は正回転し、ピン42は右方向に変位して、レバー41
の上端部をその下端部を支点として右方向に変位させ
る。これにより、バルブスーブ37aは右方向に変位し
て、油圧ポンプ38からの作動油はパワーシリンダ35
の右油室35cに供給されるとともに、同シリンダ35
の左油室35b内の作動油はリザーバ23に排出される
ようになるので、リレーロッド31が左方向へ変位して
左右後輪RW1,RW2は右方向へ転舵される。一方、
前記リレーロッド31の左方向への変位により、レバー
41の下端部がその上端部を支点として左方向へ変位
し、バルブスリーブ37aは左方向へ変位するようにな
る。そして、バルブスリーブ37aが基準位置に復帰す
ると、前記作動油の給排が停止し、リレーロッド31の
前記左方向への変位も停止するので、左右後輪RW1,
RW2は過去の状態から前記後輪操舵量θr*−θrに
対応した量だけ右方向へ転舵されることになる。
【0031】また、後輪操舵量θr*−θrに対応した
前記回転制御信号が負であれば、ステップモータ43は
負回転し、ピン42は左方向に変位するので、前記場合
とは逆に、左右後輪RW1,RW2は過去の状態から前
記後輪操舵量θr*−θrに対応した量だけ左方向へ転
舵される。前記ステップS220の処理後、プログラム
はメインプログラムに戻され、以降、所定時間毎にステ
ップS202〜220の処理が繰返し実行されて、エア
ばねのばね定数やショックアブソーバの減衰力特性が切
換えられ、さらに左右後輪RW1,RW2が目標後輪転
舵角θr*に転舵制御される。
【0032】このようにヨー加速度が所定値Cw (V)
を越えると懸架装置がハードに切換えられて後輪接地力
が確保されると、後輪転舵による車両姿勢の制御が後輪
接地力の高い状態で実施されることになる。このため車
両に旋回外力が作用して車両が旋回を開始し始めた初期
段階から後輪転舵による制御効果が良好に得られる状態
で後輪転舵されることになり、旋回外力に対する車両姿
勢の制御効果が充分に確保されることになる。
【0033】なお本実施例では、エアバルブ104でエ
アばねのばね定数が切換えられるとともに、作動子13
4でショックアブソーバの減衰力が切換えられる例を示
したが、いずれか一方の要素で車体と車輪間の変位に対
する抵抗力がハードに切換えられるものであってもよ
い。また本実施例では、エアバルブ104とアクチュエ
ータ100、さらに作動子134とオリフィス120,
122等によって抵抗力増減装置が構成されているが、
これは一実施例にすぎず、ピエゾ素子や電気粘性流体等
によって変位に対する抵抗力が増減されるものであって
もよい。
【0034】次に、本発明を具現化した第2の実施例に
ついて説明する。図3に示したエアサスペンション装置
を有する車両において、ばね定数や減衰力特性を車両の
走行状態にあわせて自動的に切換えられるようにすると
ともに、その切換の態様を運転者の好みないしは意思に
よって切換えられるようにしたものがある。その一つの
例がトヨタ自動車発行の1991年5月のソアラ新型車
解説書に紹介されている。この技術では図10に示され
るように運転者が自分の好みないし意思によってノーマ
ルオートモードとスポーツオートモードが選択可能とな
っている。ノーマルオートモードが選択されていると、
通常走行時はばね定数も減衰力もソフトな状態に切換え
られる。すなわちアクチュエータ100によってエアバ
ルブ104がオープンされ、オリフィス120と122
の両者が開かれた状態とされる。高速走行に移るとばね
定数はハードに、減衰力特性はミディアムに切換えられ
る。すなわちアクチュエータ100によってエアバルブ
104がクローズされ、オリフィス120はオープンさ
れ、オリフィス122がクローズされた状態とされる。
急発進時、高速ブレーキング時、スラローム走行時はば
ね定数も減衰力もハードな状態に切換えられる。すなわ
ちアクチュエータ100によってエアバルブ104とオ
リフィス120と122の全部が閉じた状態とされる。
【0035】これに対し運転者がスポーツオートモード
を選択している間は、通常走行中からばね定数がハード
で減衰力がミディアムな状態に切換えられている。この
場合乗心地よりも走行安定性を重視した態様で減衰力等
が切換えられる。
【0036】さて第2の実施例はノーマルとスポーツの
モードの切換えが可能でしかも後輪操舵装置を備えた車
両のためのものであり、図5の処理の204と206の
間に図7に示す処理300〜304ないし300〜30
8の処理が付加されたものである。
【0037】さてこの実施例では処理300でノーマル
オートモードが選択されているかスポーツオートモード
が選択されているかを判別する。ここでノーマルオート
モードならば比較のための所定値Cw (V)にノーマル
オート用の値を入力し(処理302)、一方スポーツオ
ートモードならば所定値Cw (V)にスポーツオート用
の値を入力する(処理306)。ここでノーマルオート
用の値Cw (V)Normalは図8(a) に例示される
ように、スポーツオート用の値Cw (V)Sportよ
りも大きな値が設定されている。すなわちスポーツオー
トモードが選択されていれば処理206によって、比較
的ヨー加速度が小さなうちに強制的にハードに切換えて
しまう反面、ノーマルオートモードが選択されていると
比較的大きなヨー加速度となるまでは強制的にハードに
切換えてしまわないようになっている。
【0038】また処理300でノーマルオートモードが
選択されていることが判別されると処理304で比較の
ための所定時間T(V)にノーマルオート用の値を入力
し、一方スポーツオートモードならば所定時間T(V)
にスポーツオート用の値を入力する(処理308)。こ
こでノーマルオート用の値T(V)Normalは図8
(b) に例示されるようにスポーツオート用の値T(V)
Sportよりも短い時間が設定されている。すなわち
スポーツオートモードが選択されていると、処理212
によって、比較的長い時間継続して処理206がノーと
ならないかぎりハード状態を解消しないのに対し、ノー
マルオートモードが選択されていると比較的短い時間継
続して処理206がノーとなると、強制的にハードとし
ている状態を解消し、図10に示すパターンに従ってば
ね定数や減衰力が切換えられるようにする。
【0039】すなわちこの実施例によると、ヨーレート
微分値(ヨー加速度)に基づいてサスペンションのソフ
ト・ハードを切換える際にも、ノーマルオートモードと
スポーツオートモードの選択状態が反映され、スポーツ
オートモードで走行している間はハード保持傾向の強い
態様に切換えられることになる。なおこの実施例では、
強制的にハードに切換える条件と、強制的にハードにし
ている状態を解消する条件の双方にノーマルオートモー
ドとスポーツオートモードの選択状態が反映されるよう
にしているが、これは一方の条件にのみ反映させてもよ
い。
【0040】次に図9を参照して第3の実施例を紹介す
る。この実施例は、後輪転舵装置とスポーツ・ノーマル
のモード切換装置と4輪駆動装置とアンチロックブレー
キ装置(ABS)とを装備した車両に用いられるもので
あり、この実施例では図5の処理の204〜206が図
9の処理204〜410のように変形されている。
【0041】この処理手順ではステップ400でまずノ
ーマルオートモードかスポーツオートモードが選択され
ているかを判別する。ノーマルが選択されている場合に
はステップ402で、各種比較用所定値、すなわちヨー
加速度所定値Cw (V)、前後輪速度差所定値D、前後
加速度所定値Gならびに所定時間Tにそれぞれノーマル
用の値をセットする。一方スポーツモードが選択されて
いればステップ404でそれぞれの比較用所定値にスポ
ーツ用の値をセットする。ここでノーマル用ヨー加速度
所定値は図8(a) のようにスポーツ用のそれよりも大き
い。また同様にノーマル用前後輪速度差所定値とノーマ
ル用前後加速度所定値はそれぞれのスポーツ用のものよ
りも大きい。一方所定時間はノーマル用のものの方がス
ポーツ用のものよりも短い。
【0042】このようにしてスポーツモードとノーマル
モードで異なる値がセットされた後、一連の比較が行な
われる。ステップ406ではヨー加速度が比較される。
ステップ408では前後輪速度差が比較される。ステッ
プ410では前後加速度が比較される。そのうちの少な
くとも一つで実際の値が所定値よりも大きいと、ステッ
プ208でサスペンション装置がハードに切換えられ
る。
【0043】すなわちヨー加速度が大きければハードな
状態で後輪転舵機構が用いられ、前後輪速度差が大きけ
ればハードな状態で4輪駆動装置が用いられ、前後加速
度が大きいとハードな状態でABS装置が用いられる。
しかもここで比較に用いられる所定値がノーマルモード
で大きくスポーツモードで小さいために、スポーツモー
ドの場合にはハード保持傾向が強く与えられ、後輪転舵
装置や4輪駆動装置やABS装置とサスペンション装置
とのマッチングがノーマルモードとスポーツモードのそ
れぞれの感覚に適応したものにされる。
【0044】なおこの実施例でも第2実施例と同様、強
制的にハードにしておく状態を解除する条件がノーマル
とスポーツとで異なるようにされている。またこの実施
例では、ノーマルモードとスポーツモードによって、後
輪転舵システム、4輪駆動システム、ABSの全部とサ
スペンション装置のマッチングが切換えられるようにし
ているが、後輪操舵システムと4輪駆動システムとAB
Sの一種または2種の組合せとサスペンション装置のマ
ッチングがモードによって切換えられるものであっても
よい。
【0045】
【発明の効果】本発明によると、車両に車両を旋回させ
ようとする外力が作用して車両が運転者の操作と無関係
に旋回しようとすることが、ヨーレートの微分値の増大
から極めて初期の段階で検出され、これによって懸架特
性がハードとされる。このため後輪操舵装置による後輪
の転舵が後輪接地力の高い状態で実施される。このため
に後輪を転舵させて車両の旋回を制御しようとする効果
が最大限に得られ、車両姿勢のみだれがその初期段階で
迅速に修正される。しかも高速時ほど旋回の初期段階で
ハードとされるために、高速時の走行安定性と低速時の
良好な乗心地がともに確保される。このようにして本発
明によるといわゆる4WSシステムによる車両姿勢の安
定化効果が良好な状態で発揮されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念を模式的に示す図。
【図2】一実施例のハード構成図。
【図3】懸架装置の断面を示す図。
【図4】懸架装置の懸架特性が切換えられた状態を示す
図。
【図5】制御フロー図。
【図6】マップ化されて記憶されている各定数の特性を
示す図。
【図7】第2実施例の処理手順図。
【図8】比較用所定値を示す図。
【図9】第3実施例の処理手順図。
【図10】ノーマルとスポーツモードにおけるばね定数
と減衰力を示す図。
【符号の説明】
A 後輪転舵装置 B 微分値比較装置 CPU55c,ステップS
206 C 抵抗力増大装置 アクチュエータ100,バ
ルブ104,作動子134,CPU55c,ステップS
208 D 抵抗力可変式懸架装置 AS エアチャンバ102,112 ショックアブソーバ132
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B62D 113:00 117:00 131:00 137:00 (56)参考文献 特開 昭63−149211(JP,A) 特開 昭63−68413(JP,A) 特開 平3−70619(JP,A) 特開 平2−303911(JP,A) 特開 昭57−44568(JP,A) 特開 平2−38184(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60G 17/00 - 23/00 B62D 6/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵角信号とヨーレート信号とで決定さ
    れる転舵角に後輪を転舵させる後輪転舵装置と、車体と
    車輪間に設けられ変位に対する抵抗力が可変な懸架装置
    とを備えた車両において、 該ヨーレート信号の微分値を所定値と比較する装置と、該所定値を車速が速いときほど小さな値に設定する装置
    と、 該比較装置で該ヨーレート信号の微分値が該所定値以上
    と判別されたときに、該懸架装置の変位に対する抵抗力
    を増大させる装置とが付加されたことを特徴とする車両
    の旋回制御装置。
JP2604392A 1991-05-27 1992-01-16 車両の旋回制御装置 Expired - Lifetime JP2910376B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2604392A JP2910376B2 (ja) 1991-05-27 1992-01-16 車両の旋回制御装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-152575 1991-05-27
JP15257591 1991-05-27
JP2604392A JP2910376B2 (ja) 1991-05-27 1992-01-16 車両の旋回制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0550830A JPH0550830A (ja) 1993-03-02
JP2910376B2 true JP2910376B2 (ja) 1999-06-23

Family

ID=26363777

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2604392A Expired - Lifetime JP2910376B2 (ja) 1991-05-27 1992-01-16 車両の旋回制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2910376B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5162491B2 (ja) * 2009-02-10 2013-03-13 本田技研工業株式会社 車両の後部座席制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0550830A (ja) 1993-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR970000621B1 (ko) 차량용 서스펜션 장치의 얼라인먼트 제어장치 및 제어방법
JP4231910B2 (ja) 車線維持装置
US4566718A (en) Suspension and steering control of motor vehicles
JPS5914367B2 (ja) 車輌の懸架装置
JP2001130427A (ja) 車両の操舵装置
JP2890994B2 (ja) ファジィ制御式電子制御パワーステアリング装置
JP2760184B2 (ja) 車両のキャンバ角制御装置
JP2910376B2 (ja) 車両の旋回制御装置
JP4449672B2 (ja) 車両の制御装置
JPH0479868B2 (ja)
JP3157343B2 (ja) 自動車の4リンク式リヤサスペンション装置
JPH0468187B2 (ja)
JP2629383B2 (ja) 操舵力制御装置
JP3006213B2 (ja) 四輪操舵車の後輪操舵制御装置
JPH04135974A (ja) 車両の操舵装置
JP2844965B2 (ja) 車両の後輪操舵装置
JPH0392478A (ja) 後輪操舵装置
JPH02144207A (ja) 後輪操舵車両の後輪懸架装置
JPH04230472A (ja) 電子制御パワーステアリング装置
JPH0761363A (ja) 後輪方向制御装置及び車両
JPH09193827A (ja) ステアリング装置
JP2943450B2 (ja) 後輪操舵装置のための電気制御装置
JP2803488B2 (ja) ファジィ制御式電子制御パワーステアリング装置
JP2506702B2 (ja) 車両の4輪操舵装置
JPH0679901B2 (ja) 車両の4輪操舵装置