JP2908301B2 - ポップアップ式の積層腰折拭取紙の包装構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はティッシュペーパ
ー、ペーパータオル等のポップアップ式の積層腰折拭取
紙の包装構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】ティッシュペーパーの如きポップアップ
式の積層腰折拭取紙は各上位腰折拭取紙の下部折片と各
下位腰折拭取紙の上部折片とを相の手に組んで積層し、
これを紙製ボックスに収容して、該紙製ボックスに設け
た取出窓から連続取り出しできるようにしており、通称
ポップアップ式ティッシュボックス或いはポケットティ
ッシュとして販売されている。

【０００３】又上記ティッシュボックスの詰め替え用と
して上記積層腰折拭取紙をボックスに収容せずに合成樹
脂フィルムで被包したものが販売され、省資源、コスト
削減が図られている。

【０００４】即ち上記詰め替え用積層腰折拭取紙は、空
になった上記ティッシュボックスの紙製ボックスの一側
面を開放してそこから該紙製ボックス内に収容して使用
したり、又は市販の化粧ボックス内に収容して使用する
ことにより上記紙製ボックスを不要とし、省資源やコス
ト削減に資するものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】然しながらこれらの積
層腰折拭取紙は低密度で嵩高であるため、物流面におけ
る運送や保管、家庭内における収納スペースを要し運賃
コストの割高を招いている。

【０００６】そこで発明者らはこの問題を解決すべく、
商品の品質保持手段として一般に用いられている真空包
装手段に着目し、これを上記積層腰折拭取紙の体積を縮
小させる方法として使用することを着想したが、試行の
結果、これをそのまま積層腰折拭取紙の体積を縮小する
手段として用いると、拭取紙のへたりやしわの生成を招
き商品価値を低下させる問題を派生した。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明はこの問題点を解
決し上記真空包装手段をポップアップ式の積層腰折拭取
紙の体積を縮小する手段として適正に活用し得るように
した包装構造であり、積層腰折拭取紙の上面と下面に平
厚紙から成る保形板を重ね、両保形板の縁部を積層腰折
拭取紙の縦横の縁部より張り出させて真空包装を適用す
ることにより、該張出部を持った両保形板の外形によっ
て積層腰折拭取紙の縦横の外形を適切に保持しつつ、保
形板の圧縮により高さのみを均一に縮小することを可能
とし、これにより真空包装による前記へたりやしわの生
成等による積層腰折拭取紙の商品価値の低下を招く問題
を適切に解決しつつ、真空包装による体積縮小目的が適
正に達成できるようにした。

【０００８】上記保形板は積層腰折拭取紙のへたりやし
わの生成を有効に防止しつつ積層腰折拭取紙の高さを１
／２から１／３程度まで圧縮できることに加え、真空包
装により湿気や雑菌等の浸入が防止でき、拭取紙を長期
間衛生的に保つことができる。

【０００９】又上記保形板に腰折拭取紙取出窓を設け、
これを積層腰折拭取紙の上面又は上面と下面に重ねて合
成樹脂フィルムにて真空包装した。該取出窓付きの保形
板は包装時においては拭取紙のへたりやしわの生成を抑
止し、適切な真空包装を可能ならしめる効果を奏じなが
ら、詰め替え時には化粧ボックス内にそのまま収容する
ことにより、拭取紙を化粧ボックスの取出窓から適切に
取り出させる手段として機能させることができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下本発明の具体的実施例を図面
に基いて説明する。

【００１１】第１実施例（図１、図２、図３、図６乃至
図９参照）市販に供されているティッシュボックス用の
積層腰折拭取紙１は寸法縦２００ｍｍ、横２２５ｍｍの
拭取紙１ａを図２に示す如く腰折りし、相の手に組んで
積層し上位より連続摘出が行えるようにしたものであ
り、通常拭取紙を３枚重ねにし、これを一組として腰折
し、１５０組み程度積層されており常態において約１１
０ｍｍの高さを有する。

【００１２】図１に示すように該積層腰折拭取紙１の上
面及び下面の夫々に該積層腰折紙１の縦横寸法より大き
な縦横寸法を有する保形板２を重ね合わせる。該保形板
２は真空包装時に変形を生じない程度の剛性を有する平
厚紙を用いる。好ましくは厚さ０．４ｍｍで縦横寸法が
積層腰折拭取紙より図１Ｂ、図６中寸法ｓだけ大きい平
厚紙を用いる。即ち、該保形板２の縁部を上記積層腰折
拭取紙１の縦横の縁部より若干、例えは１ｍｍ程度張り
出し、張出部２ａを形成する。

【００１３】更に積層腰折紙１の上面に重ねた保形板２
には拭取紙取り出し用の取出窓５を予め形成しておく。

【００１４】上記積層腰折拭取紙１と両保形板２との重
ね合わせ体全体を図１Ａ、Ｂに示すように合成樹脂フィ
ルム３で被包する。該合成樹脂フィルム３はポリエステ
ルフィルム、ナイロン、ポリエチレンフィルム、ポリプ
ロピレンフィルム等、各種合成樹脂フィルムの使用が可
能であるが、適切な真空包装を得るために気密性に富む
フィルムと防湿性に富むフィルムとをラミネートした積
層ラミネートフィルムを用いることが望ましい。

【００１５】又外部から透視可能なフィルムであること
が望ましい。適例として防湿コート（Ｋコート）したナ
イロンフィルム２５μにポリエチレン１５μ、リニヤポ
リエチレン４０μを積層した積層フィルムを用い、２６
０ｍｍ×３５０ｍｍの大きさの該フィルムを二枚重ね、
三辺を封止（ヒートシール等）して袋状にし、残りの一
辺に抜気後封止する真空封止口４を形成し、これを積層
腰折拭取紙の挿入口とする。又チューブの一端を封止し
た合成樹脂製の袋を適用し、他端開口部を積層腰折拭取
紙の挿入口並びに真空封止口４とする。

【００１６】図１に示すようにこの袋状の合成樹脂フィ
ルム３の中に上記積層腰折拭取紙１と両保形板２の重ね
合わせ体を収容し、自動真空包装機を用いて図３に示す
ように抜気して真空封止口４においてヒートシールし真
空包装する。

【００１７】上記真空包装は積層腰折拭取紙１の高さが
約６０〜３０ｍｍ、即ち真空包装前の高さの約１／２〜
１／３程度に圧縮されるまで行う。圧縮の下限をこれ以
下とすると復元が急激に減殺し、不適切である。

【００１８】上記真空包装により、積層腰折拭取紙１の
縦横の外形は上記張出部２ａを有する保形板２の外形に
より保持されつつ、保形板２の圧縮により積層腰折拭取
紙１にへたりやしわを生じることなく均一且つ健全な状
態で高さを縮小し包装されることが認められた。

【００１９】上記保形板２の縦横寸法を図１Ｂ、図６に
示す如く積層腰折拭取紙１の縦横寸法より若干大きく設
定することにより積層腰折拭取紙１のへたり等は更に有
効に抑止される。即ち上記積層腰折拭取紙１の縦横の端
縁は上記両保形板２の張出部２ａの内域に保持されてへ
たり等が防止され、積層腰折拭取紙１の高さだけを均一
に縮小し得る。

【００２０】この真空包装を開放したところ高さが漸次
回復し、約１００ｍｍ程度にまで回復することが認めら
れた。積層腰折拭取紙１は元来圧縮状態で紙製ボックス
に収容されているため、この程度の目減りは何等支障が
ない。

【００２１】図７に示す如く空になったティッシュボッ
クスの紙製ボックス６の一側面を開放し、該ボックス６
内に上記包装を解いた積層腰折拭取紙１を両保形板２を
重ねた状態で収容する。

【００２２】このとき上記両保形板２かその剛性により
積層束のばらけや捩れを抑止するので収容が適切に行
え、収容後は上面の保形板２の取出窓５の存在によりこ
れを取り除くことなく使用に供しつつ、上記紙製ボック
ス６の取出窓を通じての詰め替えた積層腰折拭取紙１の
取り出しを適切に実行できる。又図８に示す如く市販の
化粧ボックス７内へ収容する際も同様に積層束のばらけ
や捩れを抑止して適切に収容できる。

【００２３】以上は本発明の包装構造を家庭用ティッシ
ュボックス用の拭取紙に用いた例を示すが、この包装構
造はキッチンペーパーやペーパータオル等、ボックスに
収容して取出窓から連続摘出が行えるようにした各種拭
取紙の包装に適用することができる。

【００２４】又一例として図９に示す如く上記上面の保
形板２の表面に両面接着テープ８を貼り付けておき、図
８Ｂに示す如く上記保形板２を該両面接着テープ８を以
ってボックス６，７の天板又は蓋体の内表面に接着す
る。

【００２５】積層腰折拭取紙１は使用により漸次嵩が低
くなっていくが、上記上面の保形板２をボックス６，７
の内表面に接着させておくことにより、積層腰折拭取紙
１の積層高さが低くなった場合にも、該保形板２の遊び
による不具合を生じさせずに適切に拭取紙の取り出しを
行うことができる。

【００２６】第２実施例（図４乃至図９参照）上記図に
示すように、第１実施例における上面の保形板２の拭取
紙取出窓５を被うように上記上面の保形板２の裏面に合
成樹脂フィルム５ａを貼付し、該フィルム５ａに切れ目
５ｂを設けて開放し、該切れ目５ｂから積層腰折拭取紙
１を取り出す構成とする。

【００２７】上記積層腰折拭取紙１と両保形板２の重ね
合わせ体を図４に示すように三辺をヒートシールした袋
状の合成樹脂フィルム３で被包し、真空封止口４から抜
気してヒートシールし図５に示すように真空包装する。

【００２８】積層腰折拭取紙１の縦横の外形は上記保形
板２の外形により保持されつつ、保形板２の圧縮により
腰折拭取紙１にへたりやしわを生じることなくその高さ
を均一且つ健全な状態で縮小しながら包装され、包装を
開放するこにより高さを漸次回復することができる。

【００２９】図４Ｂ、図５Ｂ、図６に示すように上記両
保形板２に積層腰折拭取紙１の縦横の端縁から寸法ｓだ
け張り出した張出部２ａを設けることにより、上記積層
腰折拭取紙１の端縁は上記張出部２ａ内域に保持され、
へたり等の防止が確実となる。

【００３０】又第１実施例と同様に、該積層腰折拭取紙
１を図７に示す如く紙製ボックス６や、図８に示す如く
市販の化粧ボックス７に収容する。このとき上記両保形
板２はその剛性により積層束のばらけや捩れを抑止する
ので同ボックス６，７内への収容が適切に行える。

【００３１】上記上面の保形板２は取出窓５を設けてい
るので、収容後は拭取紙の取出しを適正に行う手段とし
て利用でき、殊に市販の化粧ボックス７へそのまま収容
した際に有用である。即ちフィルム５ｂが切れ目内に拭
取紙を仮保持し、拭取紙のずり落ちを防止する機能を有
するので、該積層腰折拭取紙１を両保形板２を重ねた状
態で上記化粧ボックス７内に収容するのみで適切な拭取
紙の取り出しに供することができる。

【００３２】又適例として図９に示す如く上記上面の保
形板２の表面に両面接着テープ８を貼り付けておき、図
８Ｂに示す如く上記保形板２を該両面接着テープ８を以
ってボックス６，７の天板内表面又は蓋体内表面に接着
する。

【００３３】積層腰折拭取紙１は使用により漸次嵩が低
くなっていくが、上記保形板２をボックス６，７内に接
着させておくことにより、該保形板２の遊びによる不具
合を生じさせずに、積層腰折拭取紙１の高さに関係なく
上記フィルム５ｂが確実に拭取紙を仮保持してずり落ち
を防止し、適切な取り出しを行うことができる。

【００３４】この包装構造は第１実施例と同様にキッチ
ンペーパーやペーパータオル等の各種拭取紙の包装に適
用できる。

【００３５】

【発明の効果】本発明によれば、積層腰折拭取紙に保形
板を重ねて真空包装を適用することにより、両保形板の
張出部の外形によって積層腰折拭取紙の縦横の外形を適
正に保持しつつ、保形板の圧縮により高さのみを均一に
縮小することを可能とし、これにより真空包装による前
記へたりやしわの生成等を招く問題を適切に解決しつ
つ、真空包装による体積縮小目的が適正に達成できる。

【００３６】又剛性を有する上記両保形板で積層腰折拭
取紙のばらけを抑止しながら前記ボックス内への詰め替
えを適切に実行できる。

【００３７】又上記上面の保形板に拭取紙取出窓を形成
しておくことにより、上記保形機能を適正に奏じなが
ら、これをそのまま積層腰折拭取紙と一緒にボックス内
へ収容して、該収容をも適正に行なわせつつ、ボックス
の取出口を通じての適切なる連続摘出に供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】Ａは本発明の一例を示す積層腰折拭取紙の真空
包装前の斜視図であり、Ｂは同断面図である。

【図２】上記積層腰折拭取紙の積層構造を示す断面図で
ある。

【図３】Ａは上記積層腰折拭取紙の真空包装後の状態を
示す斜視図であり、Ｂは同断面図である。

【図４】Ａは本発明の他例を示す積層腰折拭取紙の真空
包装前の斜視図であり、Ｂは同断面図である。

【図５】Ａは上記積層腰折拭取紙の真空包装後の状態を
示す斜視図であり、Ｂは同断面図である。

【図６】上記積層腰折拭取紙に重ねる保形板の平面図で
ある。

【図７】Ａは上記積層腰折拭取紙を紙製ボックス内へ収
容する直前の状態を示す斜視図であり、Ｂは上記積層腰
折拭取紙を上記紙製ボックス内へ収容した状態を示す断
面図である。

【図８】Ａは上記積層腰折拭取紙を化粧ボックス内へ収
容する直前の状態を示す斜視図であり、Ｂは上記積層腰
折拭取紙を化粧ボックスに収容した状態を示す断面図で
ある。

【図９】上記保形板に両面接着テープを貼付した例を示
す平面図である。

【符号の説明】

１ 積層腰折拭取紙 １ａ 拭取紙 ２ 保形板 ２ａ 張出部 ３ 合成樹脂フィルム ４ 真空封止口 ５ 拭取紙取り出し用の取出窓 ６ 紙製ボックス ７ 化粧ボックス ８ 両面接着テープ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】各上位腰折拭取紙の下部接片と各下位腰折
   拭取紙の上部折片とを相の手に組み積層して積層腰折拭
   取紙を形成し、各腰折拭取紙を連続的に取り出すように
   使用されるポップアップ式の積層腰折拭取紙の包装構造
   において、上記積層腰折拭取紙の上面と下面の夫々に平
   厚紙から成る保形板を重ね、該保形板の縁部を上記積層
   腰折拭取紙の縦横の縁部より張り出させ、更に該積層腰
   折拭取紙の上面に重ねた保形板に拭取紙取り出し用の取
   出窓を設け、上記積層腰折拭取紙及び両保形板全体を合
   成樹脂フィルムで真空包装し、上記張出部を持つ両保形
   板の外形により積層腰折拭取紙の縦横の外形を保持しつ
   つ上記保形板による加圧により積層腰折拭取紙の高さを
   圧縮したことを特徴とするポップアップ式の積層腰折拭
   取紙の包装構造。