JP2907784B2 - 2サイクルメカニカル過給エンジン - Google Patents

2サイクルメカニカル過給エンジン

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JP2907784B2
JP2907784B2 JP8320539A JP32053996A JP2907784B2 JP 2907784 B2 JP2907784 B2 JP 2907784B2 JP 8320539 A JP8320539 A JP 8320539A JP 32053996 A JP32053996 A JP 32053996A JP 2907784 B2 JP2907784 B2 JP 2907784B2
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chamber
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    • Y02T10/30Use of alternative fuels, e.g. biofuels

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  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は2サイクルメカニ
カル過給エンジン、特に潤滑系統と燃料系統とを別にし
た2サイクルメカニカル過給エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の2サイクルエンジン、たとえば2
サイクルガソリンエンジンはコンロッドとクランク機構
とが収納された空間をガソリンで溶かされた潤滑油がミ
スト状態で含まれた混合気が通過してシリンダに送り込
まれる構成になっているため、潤滑油を各々の可動部に
軽便に供給できる利点を持つ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】その反面、潤滑油がガ
ソリンとともに燃焼されるため不経済でかつ排気ガスが
汚れ、また未燃焼の潤滑油が排出されて環境を汚染する
恐れがあった。一方、プロパンや天然ガスを燃料とする
2サイクルガスエンジンが考えられている。この場合は
潤滑油に対する溶媒ではないため、燃料ガス中に潤滑油
をミスト状態にして混入する手段が必要となるが、その
ための機構が複雑でエンジンを大型化しパワーウエイト
レシオが低下する要因となる。この場合も潤滑油が燃焼
することは同じであり、同様の不都合がある。
【0004】また、過給機によりエンジンに供給される
空気の圧力を高めて高出力化することが行われている
が、従来ではピストンの往復運動を一度回転運動に変換
してこの回転運動で空気の圧縮を行っているためにエン
ジンの回転が低速域ではいわゆるターボ機能が働かない
不都合がある。このため、エンジンの回転が低速域でも
高速域でもエンジンの回転に同期した過給を行うことが
要望されていた。
【0005】さらに、従来の2サイクルガソリンエンジ
ンでは掃気と同じサイクルでシリンダに混合ガスが供給
される際に生ガスが掃気に混ざって排出される率が高
く、燃費の悪化とともに環境に対して負荷を与える結果
となっている。
【0006】そこで、この発明は、エンジンの回転が低
速域でも高速域でもエンジンの回転に同期した適正な過
給を行うことができるとともに、環境に負荷を与えない
方法で潤滑が可能になり、燃料としてガソリンやアルコ
ールあるいは燃料ガスさらには軽油を用いたディーゼル
エンジンも実現可能な構成を有する2サイクルメカニカ
ル過給エンジンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の2サイクルメ
カニカル過給エンジンは、第1のピストンと、前記第1
のピストンと同軸上で一体構造を有しそれより大きい直
径を持った第2のピストンと、前記第1、第2のピスト
ンに対応する内径の第1、第2のシリンダボアが同軸上
に形成されたシリンダと、前記第1のシリンダボアの開
口端を塞いで前記第1のピストンとの間に燃焼室を形成
する第1のシリンダヘッドと、前記第2のシリンダボア
の開口端を塞いで前記第2のピストンとの間に過給室を
形成する第2のシリンダヘッドと、前記過給室と燃焼室
との間を連通する過給気通路と、前記第1のピストンが
その上死点から下死点に至る所定位置で前記過給室から
の混合気を前記過給気通路から燃焼室に取り入れるとと
もに燃焼室内の掃気を行う排気バルブを含む手段と、前
記第1、第2のピストンの間にピストン軸に直交する方
向に設けられた一対のフォロワガイドと、この一対のフ
ォロワガイドの間に挿入された第1のローラと、前記シ
リンダに形成された切り欠き部を介してシリンダ内に挿
入された一方の端に第1のローラを回転自在に支持する
揺動レバーと、この揺動レバーの他端に回転自在に支持
された第2のローラと、前記揺動レバーの中間に結合さ
れたクランク機構と、前記第1、第2のピストン、揺動
レバーおよびクランク機構を含む可動部に強制的に潤滑
油を循環させる機構とを具備することを特徴とする。
【0008】上記の構成により、エンジンの回転が低速
域でも高速域でもエンジンの回転に同期した過給を行う
ことができるとともに、環境に負荷を与えない方法で潤
滑が可能になり、さらに燃料としてガソリンやアルコー
ル以外にプロパンや天然ガスなどの燃料ガスを用いるこ
とができる構成を有する2サイクルメカニカル過給エン
ジンを提供することができる。
【0009】さらに、この発明の2サイクルメカニカル
過給エンジンは、第1のピストンと、前記第1のピスト
ンと同軸上で一体構造を有しそれより大きい直径を持っ
た第2のピストンと、前記第1、第2のピストンに対応
する内径の第1、第2のシリンダボアが同軸上に形成さ
れたシリンダと、前記第1のシリンダボアの開口端を塞
いで前記第1のピストンとの間に燃焼室を形成する第1
のシリンダヘッドと、前記第2のシリンダボアの開口端
を塞いで前記第2のピストンとの間に過給室を形成する
第2のシリンダヘッドと、前記過給室と燃焼室との間を
連通する過給気通路と、前記第1のピストンがその上死
点から下死点に至る所定位置で前記過給室からの過給気
を前記過給気通路から燃焼室に取り入れるとともに燃焼
室内の掃気を行う排気バルブを含む手段と、前記第1の
ピストンの上死点近傍で前記燃焼室内に燃料噴射を行う
手段と、前記第1、第2のピストンの間にピストン軸に
直交する方向に設けられた一対のフォロワガイドと、こ
の一対のフォロワガイドの間に挿入された第1のローラ
と、前記シリダに形成された切り欠き部を介してシリン
ダ内に挿入された一方の端に第1のローラを回転自在に
支持する揺動レバーと、この揺動レバーの他端に回転自
在に支持された第2のローラと、前記揺動レバーの中間
に結合されたクランク機構と、前記第1、第2のピスト
ン、揺動レバーおよびクランク機構を含む可動部に強制
的に潤滑油を循環させる機構とを具備することを特徴と
する。
【0010】上記の構成により、エンジンの回転が低速
域でも高速域でもエンジンの回転に同期した過給を行う
ことができるとともに、環境に負荷を与えない方法で潤
滑が可能になり、燃料としてガソリンや燃料ガス以外に
軽油を用いてディーゼルエンジンも実現可能な構成を有
する2サイクルメカニカル過給エンジンを提供すること
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の第1の実施の形
態について図面を参照して説明する。図1はこの発明の
一実施例に係る2サイクルガソリンエンジンの正面から
みた全体構成を示す断面図であり、図2はこの実施例の
側面から見た断面図である。この実施例は図2に示すよ
うに2本のシリンダ11、12が水平でかつ互いに平行
に併置されている。
【0012】一方のシリンダ11の一方の端の外側には
図1に示すように複数の放熱フィン13が形成され、そ
の開口端は第1のシリンダヘッド14で閉じられ、燃焼
室15が形成される。このシリンダ11の一方の端のシ
リンダボア内部には燃焼ピストン16が挿入され、この
燃焼ピストン16の燃焼室15に近い側の外周には複数
の圧力リングおよびオイルリングを含むピストンリング
17が取り付けられ、シリンダ11の内部に設けられた
後述する燃焼ライナーの内壁と燃焼ピストン16の外周
との間の気密性が保たれるようになっている。
【0013】第1のシリンダヘッド14には掃気口18
が形成され、この掃気口18は掃気バルブ19で開閉さ
れるようになっている。掃気バルブ19はロッド20の
先端に取り付けられ、このロッド20はバルブ駆動機構
21により所定のタイミングで駆動されて掃気ベルブ1
9を開閉するようになっている。
【0014】バルブ駆動機構21は図示しないギヤ機構
を介してプーリ22に結合され、このプーリ22はベル
ト23を介して後述するクランクシャフト24により駆
動されるプーリ25と結合されている。したがって、掃
気バルブ19はクランクシャフト24の回転に同期して
所定のタイミングで開閉される。
【0015】第1のシリンダヘッド14には掃気バルブ
19とともに更に点火プラグ26が取り付けられ、所定
のタイミングで燃焼室15内に吸入され圧縮された混合
気に点火される。
【0016】シリンダ11の中央から反対側には掃気ピ
ストン31が燃焼ピストン16と一体でかつ同軸上に形
成されている。この掃気ピストン31は燃焼ピストン1
6より大きい直径を有する。たとえば燃焼ピストン16
は30mm、掃気ピストン31は35mmの直径に設定
されている。したがって、シリンダ11の中央から燃焼
ピストン16の側のシリンダボアの内径は、燃焼ライナ
ーの内径が30mmになるように設定され、反対側の掃
気ピストン31の側のシリンダボアは内径がピストンリ
ングの分を加えて35mm強に設定されている。
【0017】掃気ピストン31の側のシリンダ11のシ
リンダボア端部開口部は第2のシリンダヘッド32で塞
がれ、その外側には混合気通路33が形成されたインテ
ークマニホールド34が結合されている。この混合気通
路33は図示しないがキャブレータに接続され、ガソリ
ンと空気との混合気が導入されてくる。
【0018】前記2個のピストン16、31の中間の結
合部には矩形状の切り欠き部40が形成され、この切り
欠き部40のシリンダ11の軸に直交する面には一対の
フォロアガイド41、42が固定され、このフォロアガ
イド41、42の間にはこのフォロアガイド41、42
相互間の間隔寸法より若干小さい直径を有するローラ4
3が挿入される。
【0019】このローラ43は中間で前記クランクシャ
フト24に結合された揺動レバー44の一端に回転自在
に軸着される。この揺動レバー44の一端は前記シリン
ダ11の下方に形成された切り欠き部45を介してピス
トン16、31の中間に形成された切り欠き部40に挿
入されている。このフォロアガイド41、42とローラ
43とは揺動レバー44をてことする揺動力点のレギュ
レータとして機能する。
【0020】揺動レバー44の他端には下部ローラ46
が回転自在に軸着され、この下部ローラ46は一対のレ
ギュレータガイド47、48の間で自由に回転できるよ
うに保持される。これらのレギュレータガイド47、4
8は前記シリンダ11の下方に一体に形成されたシリン
ダブロック49の内側壁に取り付けられる。シリンダブ
ロック49の下方の空間はオイルパン50により閉じら
れている。これらのレギュレータガイド47、48と下
部ローラ46とは揺動レバー44をてことする揺動支点
のレギュレータとして機能する。
【0021】揺動レバー44の中間には円形のクランク
ピン受け穴52が形成され、このクランクピン受け穴5
2にはクランクシャフト24上に偏心して形成されたク
ランクピン53が回転自在に挿入されている。
【0022】図3は上で説明したピストン16、31を
取り出して示す側面図であり、全体として同一の部材で
形成され、夫々の内部には軽量化、熱容量の軽減のため
空間部16A,31Aが設けられている。
【0023】燃焼ピストン16とシリンダ11との間に
は燃焼ライナー55が介挿される。この燃焼ライナー5
5は図4に示したように両端が開放された円筒体であ
り、その中間には4個の気体導入孔56a〜56dが形
成されている。これらの気体導入孔56a〜56dは、
図5に示したように、内部の仮想旋回円57の接線方向
に空気または混合気を導入するためにその側面に図示の
ように所定の角度が形成されている。
【0024】これらの気体導入孔56a〜56dは、図
1に示したように燃焼ピストン16がその上死点から下
死点に向かって移動する途中の所定の位置で燃焼ピスト
ン16の外側面による閉鎖から開放されて燃焼室15に
向かって口を開き、掃気ピストン31により圧縮された
混合気が燃焼室15内に旋回しながら送り込まれる。
【0025】気体導入孔56a〜56dはシリンダ11
の外側に形成された送気通路58を介して掃気室59と
連通されている。図1に示したシリンダ11に対して、
図2に示すように他のシリンダ12が同一水平面上に平
行に設けられる。このシリンダ12はシリンダ11と同
じシリンダブロック49内に形成されるもので、その内
部には図1に示したと同様の構成の燃焼ピストンと掃気
ピストンとが挿入され、その中間の切り欠き部には1対
のフォロワガイドとローラでなる力点レギュレータが挿
入される。この力点レギュレータには揺動レバー62が
結合され、その下端には揺動支点レギュレータの一部を
なす下部ローラ61が回転自在に軸着される。
【0026】図2において、シリンダブロック49の下
端に設けられたオイルパン50内に溜まった潤滑油65
はその下面から取り出されてパイプ66を介してオイル
ポンプ67によりシリンダブロック49に沿って圧送さ
れる。
【0027】オイルポンプ67はプーリ68、ベルト6
9を介してクランクシャフト24に結合され、クランク
シャフト24から動力を受けて潤滑油65をエンジン全
体に循環させる。オイルポンプ67により圧送された潤
滑油はパイプ70を通ってローラ46、クランクシャフ
ト24の軸受け71などに供給されるとともに、シリン
ダブロック49の最上部に設けられた潤滑孔72に送ら
れ、ここからシリンダ11、12内部のローラ43、フ
ォロワガイド41、42あるいは燃焼ピストン16、掃
気ピストン31に対する潤滑および冷却が行われる。
【0028】次に、図6、図7を参照して図1に示した
インテークマニホールド34の内部構造およびここで用
いられている逆止弁、即ち吸気弁について説明する。図
6は図1のシリンダヘッドプレート32、インテークマ
ニホールド34の部分を上面から見た図で、ここではシ
リンダヘッドプレート32とインテークマニホールド3
4とは一体となって形成された状態で示されている。
【0029】図6のインテークマニホールドブロック3
4の中には、図示しないキャブレータへ連結された混合
ガスの受入れ流路81と、この受入れ流路81に連続し
たY字型の分岐路82、83と、この分岐路82、83
の夫々の出口側に夫々形成されたシリンダボア部11
A、12Aとが形成されている。これらのシリンダボア
部11A、12Aは図2のシリンダ11、12に接続さ
れるものである。
【0030】受入れ流路81とY字型の分岐路82、8
3との分岐部には、受入れ流路81の流心に向かって突
出して形成された分流部材86が設けられ、これにより
受入れ流路81に流入された混合ガスはスムーズに分流
されて分岐路82、83に流入される。
【0031】分岐路82、83の分岐点からシリンダボ
ア部11A,、12Aに至る流路の途中には、この流路
を斜めに横切る方向に2個の弁座87、88が形成さ
れ、この弁座87、88に形成された図示しない吸気口
を開閉するための逆止弁89、90がねじ91、92に
より弁座87、88上に固定される。
【0032】更に、弁座87、88上には、逆止弁8
9、90の開口度を制限するためのリミッタ93、94
が取り付けられている。逆止弁89は図7のような構成
を有する。他の逆止弁90も同様の構成であり、ここで
は逆止弁89で代表して説明する。
【0033】逆止弁89は舌辺状の弁本体89Cと、こ
の弁本体89Cの支持端に弁本体89Cと同一平面上で
一体に形成された弾性アーム89A,89Bとを有し、
この弾性アーム89A,89Bの取付け端がねじ91に
より弁座87上に固定される。
【0034】つぎに図1ないし図7に示した実施例の動
作を説明する。まず図2に示したクランクシャフト24
に結合された図示しない始動モータが駆動される。この
結果、図示しないキャブレータを介してガソリンと空気
の混合気が図6の受入れ流路81に流入される。このと
きシリンダ11側の掃気ピストン31がその上死点に向
かって上昇してくると、掃気室59内の圧力が高まりシ
リンダボア部11Aに連通した分岐路82側の逆止弁8
9が閉められる。
【0035】これにより、この掃気室59内の混合気が
通路58を通って燃焼ライナー55に送られ、その開口
56a〜56dから燃焼室15内に旋回しながら送り込
まれる。このとき排気弁19が開いており、燃焼室15
内にある排気はこの旋回しながら送り込まれた混合気に
押し出される形で排出される。排気がほぼ終わったタイ
ミングで排気弁19が閉じられ、いっぽう燃焼ピストン
16はさらに上昇を続け、導入された混合気は圧縮され
る。
【0036】このときもう一方のシリンダ12では反対
に掃気ピストンがその下死点に向かって下降するので、
シリンダボア部12Aに連通した分岐路83側の逆止弁
90が開かれる。この結果、混合気がシリンダ12側の
掃気室内に吸い込まれる。
【0037】シリンダ11内では燃焼ピストン16の上
死点近くで圧縮された混合気が点火プラグ26により点
火されると、この圧縮された混合気が燃焼し、燃焼ピス
トン16が下降し、掃気ピストン31がその上死点に向
かって上昇する。このときは他のシリンダ12側の燃焼
室では掃気とともに混合気が導入され、圧縮が行われ、
点火工程に続く。
【0038】このようにして2サイクルガソリンエンジ
ンが始動され、クランクシャフト24が連続して一方向
に回転される。このようにして2サイクルガソリンエン
ジンの2個のシリンダ11、12内の燃焼ピストンおよ
び掃気ピストンが揺動レバー44、62、クランクシャ
フト24を介して駆動されると、シリンダボア11A,
12A内が交互に負圧になり、弁座87、88に形成さ
れた吸気孔を閉塞している吸気弁89、90が交互に開
閉される。
【0039】例えば図7の吸気弁89の弁本体89Cに
はシリンダボア11Aに向けた混合気の流れが生じる。
この弁本体89Cと弾性アーム89A,89Bとは互い
に同じ弾性材料で形成されているので、ほぼ同じ弾性を
有する1対の弾性アーム89A,89Bにより弁本体8
9Cは弾性的に保持されており、弁座87に形成された
吸気孔に対してほぼ平行な状態を維持したまま一体とな
って上昇し、吸気孔が急激に開放される。
【0040】ここで、弁本体89Cの前方には弁ストッ
パ93が設けられており、弁本体89Cはこの弁ストッ
パ93に当たって停止される。このときの弁本体89C
の移動距離はたとえば2mmであり、弁が開いた状態で
の弾性アーム89A,89Bと弁座87との角度は3度
程度と極めて小さい。
【0041】排気工程では、シリンダボア11A内の圧
力が高くなるので、吸気弁89の弁本体89Cは全体が
弾性アーム89A,89Bにより弾性的に保持されて平
行移動して弁座87に向け下降し、吸気孔と弁本体89
Cとの隙間は場所によらず一定で均一であるから、吸気
開口全体をほぼ同時に速やかに閉鎖することができ、掃
気は前記の掃気ルートを通って行われる。
【0042】このようにして弁座87、88に形成され
た吸気孔を閉塞している吸気弁89、90の開閉時の移
動距離が一定で極めて短く、このためシリンダ11、1
2における混合ガス、排気ガスの吸入、排出が高速かつ
極めてスムーズに実現される。
【0043】次に図8ないし図10を参照して図1に示
したインテークマニホールド34の更に他の例の内部構
造およびここで用いられている吸気弁およびストッパに
ついて説明する。
【0044】図8のインテークマニホールドブロック3
4の中には図6と同様に、図示しないキャブレータへ連
結された混合ガスの受入れ流路81と、この受入れ流路
81に連続したY字型の分岐路82、83と、この分岐
路82、83の夫々の出口側に夫々形成されたシリンダ
ボア部11A、12Aとが形成されている。
【0045】受入れ流路81とY字型の分岐路82、8
3との分岐部には、受入れ流路81の流心に向かって突
出して形成された分流部材86が設けられ、これにより
受入れ流路81に流入された混合ガスはスムーズに分流
されて分岐路82、83に流入される。
【0046】分岐路82、83の分岐点からシリンダボ
ア部11A,、12Aに至る流路の途中には、この流路
を斜めに横切る方向に2個の弁座87、88が形成さ
れ、この弁座87、88に形成された図示しない吸気口
を開閉するための逆止弁89、90および逆止弁89、
90の開口度を制限するためのリミッタ93、94がね
じ91、92により弁座87、88上に固定される。こ
こで、2個の弁座87、88の形成位置が図6の場合よ
りシリンダボア部11A、12Aに近いこと、およびそ
の分岐路82、83に対する角度が図6の場合より約9
0度だけ時計方向に進んだ位置となっている。この角度
の違いにより、シリンダボア部11A、12Aの圧力変
化をより早く受け止めて逆止弁89、90が動作するこ
とになる。
【0047】逆止弁89は図9のような構成を有する。
他の逆止弁90も同様の構成であり、ここでは逆止弁8
9で代表して示してある。この逆止弁89は基本的に図
7に示したものと同じ構成を有する。ただし、分岐路8
2、83に対する弁座87、88の角度が図6の場合よ
り小さいため逆止弁89、90によって開閉すべき開口
が図9に破線で示したようにより大きい楕円となり、そ
の分だけ弁開放時の混合気の流量が増加する。
【0048】弁ストッパ93は図10に示すように弁本
体89Cのためのストッパ部93Cと、弾性アーム89
A,89Bのためのストッパ部93A,93Bとが一体
で形成された構成を有する。図6の実施例の場合は弁本
体のみに対するストッパ93、94を用いているが、図
10に示すごとく弾性アーム89A,89Bのためのス
トッパ部93A,93Bも用いることにより、逆止弁8
9、90の高速動作、長寿命化に寄与する。
【0049】以上の説明はこの発明を2サイクルガソリ
ンエンジンに適用した場合であるが、同様にして燃料と
してアルコールを用いてキャブレータで混合気を生成す
ることで2サイクルアルコールエンジンに適用できる。
【0050】また燃料としてプロパンガスや天然ガスな
どを用いることもできる。燃料としてプロパンガスや天
然ガスなどを用いる場合は、液化されているこれらのガ
スを図1に示すようにまずベーパライザ101で気化せ
しめ、これをガスミキサー102に送ってここで空気と
混ぜて混合気を生成する。このようにしてできた混合気
は前記ガソリン、アルコールの場合と同様にインテーク
マニホールド34に供給する。
【0051】さらに、この発明によれば2サイクルディ
ーゼルエンジンを実現することができる。この場合に
は、図1のインテークマニホールド34からは混合気の
代わりに空気を取り入れ、掃気ピストン31により予め
圧力を高めた空気を燃焼室15に送り、点火プラグの位
置に設けられた図示しないインジェクションノズルから
軽油を噴射し、高圧、高温の空気で点火する。この場合
も掃気の動作は同様に行われる。
【0052】ここでたとえば燃焼ピストンの直径を30
mm,掃気ピストンの直径を35mmとすると、燃焼室
の体積に対してわずか半径で2.5mm増加させるだけ
で掃気室内の体積を約36%も増加せしめることができ
る。この結果、掃気効率は1.2となり、実効率でも
1.0を越すために完全な給気が実施される。さらに掃
気ピストンと燃焼ピストンの直径比を大きくしてたとえ
ば2倍の過給を行えば理論的には出力を2倍にできる。
【0053】また、潤滑油を混合せずオイルパンに蓄積
し、ポンプで強制的に循環させることにより、従来と異
なり潤滑油を燃焼させなくてすむので、排気ガスがクリ
ーンになり、4サイクル機関と同等の排気ガス規制をク
リアできた。特に従来潤滑油に対して溶媒とはならない
ために困難であったプロパンガスなどを燃料とする2サ
イクルガスエンジンが容易に実現できるようになった。
【0054】さらに、燃焼室の反対側に掃気圧縮室を設
けたので、圧縮時に給気が行われ、燃焼、爆発時に掃気
が実施される。このため、従来の回転系を介して行うサ
ーボと異なり、タイムラグが全くなく、高速回転、低速
回転のいずれでもつねに適量の過給が実施でき、完全同
期過給効果が実現できる。
【0055】この際、燃焼ピストンの直径と掃気ピスト
ンの直径とを任意に選択できるので、過給効率の任意設
計が可能である。特に、空気流入量をピストンの直径で
設定できる一方、燃料の流量は制御が可能であるため、
空気と燃料との混合比を任意に最適に設定できることに
なる。
【0056】さらに、図1、図2の実施例では2シリン
ダで互いに180度の位相で爆発が行われるように構成
したので、2次以降の振動成分がキャンセルされるが、
さらに90度の位相差を持つ4シリンダにすれば偶数次
の振動成分もキャンセルできるようになり、完全無振動
化の2サイクルエンジンが実現できる。
【0057】また、この発明では掃気バルブを燃焼室に
設けたので、掃気のタイミングを任意に設定でき、いわ
ゆる生ガスの吹き抜けも防止できるようになり、環境に
与える負荷を軽減でき、かつ最適な燃焼効率を得られる
ようになった。
【0058】なお、図1、図2の実施例では掃気部、排
気部をそれぞれ2シリンダの一方、他方にまとめて配置
したので掃気部、排気部の構成をまとめられる利点があ
るが、それぞれを互いに反対方向に配置することも勿論
できる。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
エンジンの回転が低速域でも高速域でもエンジンの回転
に同期した過給を行うことができるとともに、環境に負
荷を与えない方法で潤滑が可能になるとともに、燃料と
してガソリンやアルコールあるいは燃料ガス以外に軽油
を用いてディーゼルエンジンも実現可能な構成を有する
2サイクルメカニカル過給エンジンを提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の正面図。
【図2】図1に示した実施例の側面図。
【図3】図1に示した実施例のピストン部分の側面図。
【図4】図1に示した燃焼ライナー部分の側面図。
【図5】図4に示した燃焼ライナー部分の5−5線にお
ける断面図。
【図6】図1に示した実施例のインテークマニホールド
部分の上面図。
【図7】図6に示した逆止弁部分の平面図。
【図8】図1に示した実施例のインテークマニホールド
部分の他の例の上面図。
【図9】図8に示した逆止弁部分の平面図。
【図10】図8に示した逆止弁のストッパ部分の平面
図。
【符号の説明】
11、12…シリンダ 15…燃焼室 16…燃焼ピストン 19…掃気バルブ 24…クランクシャフト 26…点火プラグ 31…掃気ピストン 34…インテークマニホールド 41、42、47、48…フォロワガイド 43、46…ローラ 44…揺動レバー 49…シリンダブロック 50…オイルパン 53…クランクピン 55…燃焼ライナー 59…掃気室 67…オイルポンプ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のピストンと、 前記第1のピストンと同軸上で一体構造を有しそれより
    大きい直径を持った第2のピストンと、 前記第1、第2のピストンに対応する内径の第1、第2
    のシリンダボアが同軸上に形成されたシリンダと、 前記第1のシリンダボアの開口端を塞いで前記第1のピ
    ストンとの間に燃焼室を形成する第1のシリンダヘッド
    と、 前記第2のシリンダボアの開口端を塞いで前記第2のピ
    ストンとの間に過給室を形成する第2のシリンダヘッド
    と、 前記過給室と燃焼室との間を連通する過給気通路と、 前記第1のピストンがその上死点から下死点に至る所定
    位置で前記過給室からの混合気を前記過給気通路から燃
    焼室に取り入れるとともに燃焼室内の掃気を行う排気バ
    ルブを含む手段と、 前記第1、第2のピストンの間にピストン軸に直交する
    方向に設けられた一対のフォロワガイドと、 この一対のフォロワガイドの間に挿入された第1のロー
    ラと、 前記シリンダに形成された切り欠き部を介してシリンダ
    内に挿入された一方の端に第1のローラを回転自在に支
    持する揺動レバーと、 この揺動レバーの他端に回転自在に支持された第2のロ
    ーラと、 前記揺動レバーの中間に結合されたクランク機構と、 前記第1、第2のピストン、揺動レバーおよびクランク
    機構を含む可動部に強制的に潤滑油を循環させる機構
    と、 を具備することを特徴とする2サイクルメカニカル過給
    エンジン。
  2. 【請求項2】 前記混合気はガソリンまたはアルコール
    と空気とよりなることを特徴とする請求項1に記載の2
    サイクルメカニカル過給エンジン。
  3. 【請求項3】 前記混合気は燃料ガスと空気とよりなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の2サイクルメカニカ
    ル過給エンジン。
  4. 【請求項4】 第1のピストンと、 前記第1のピストンと同軸上で一体構造を有しそれより
    大きい直径を持った第2のピストンと、 前記第1、第2のピストンに対応する内径の第1、第2
    のシリンダボアが同軸上に形成されたシリンダと、 前記第1のシリンダボアの開口端を塞いで前記第1のピ
    ストンとの間に燃焼室を形成する第1のシリンダヘッド
    と、 前記第2のシリンダボアの開口端を塞いで前記第2のピ
    ストンとの間に過給室を形成する第2のシリンダヘッド
    と、 前記過給室と燃焼室との間を連通する過給気通路と、 前記第1のピストンがその上死点から下死点に至る所定
    位置で前記過給室からの過給気を前記過給気通路から燃
    焼室に取り入れるとともに燃焼室内の掃気を行う排気バ
    ルブを含む手段と、 前記第1のピストンの上死点近傍で前記燃焼室内に燃料
    噴射を行う手段と、 前記第1、第2のピストンの間にピストン軸に直交する
    方向に設けられた一対のフォロワガイドと、 この一対のフォロワガイドの間に挿入された第1のロー
    ラと、 前記シリダに形成された切り欠き部を介してシリンダ内
    に挿入された一方の端に第1のローラを回転自在に支持
    する揺動レバーと、 この揺動レバーの他端に回転自在に支持された第2のロ
    ーラと、 前記揺動レバーの中間に結合されたクランク機構と、 前記第1、第2のピストン、揺動レバーおよびクランク
    機構を含む可動部に強制的に潤滑油を循環させる機構
    と、 を具備することを特徴とする2サイクルメカニカル過給
    エンジン。
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