JP2906301B2 - カメラのあおり撮影装置 - Google Patents

カメラのあおり撮影装置

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JP2906301B2
JP2906301B2 JP23914291A JP23914291A JP2906301B2 JP 2906301 B2 JP2906301 B2 JP 2906301B2 JP 23914291 A JP23914291 A JP 23914291A JP 23914291 A JP23914291 A JP 23914291A JP 2906301 B2 JP2906301 B2 JP 2906301B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラのあおり撮影装
置に関するものであり、詳しくは、カメラの撮影レンズ
の光軸と直交する上下方向に沿って、前記撮影レンズを
又はフィルム面等の感光材料面を自動的に移動制御する
ための、あおり撮影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地上に於いて、カメラに内装されている
感光材料面と高層ビルなどの建物の壁面とを平行に保っ
て、前記建物を撮影するとき、カメラの撮影レンズの光
軸が前記建物の下方に位置すると、前記建物の上部が、
カメラのファインダー視野枠からはみ出してしまう。
【0003】ズームレンズ又は2焦点レンズ(広角・望
遠切換式)などを撮影レンズとするカメラを用いて、公
知のズームボタンまたは広角・望遠切換用ボタンの押圧
操作などにより、カメラ内部の駆動部が撮影レンズを光
軸方向に移動させて、同レンズの撮影角度を調整し、こ
の調整により高層建物の全景がカメラのファインダー視
野枠に写されるようにすれば良いが、前記レンズの光軸
が高層建物の下部に位置するために、撮影レンズの撮影
角度を最大限に調整しても、前記建物の全景がファイン
ダー視野枠に収まることができないというのがしばしば
あった。
【0004】これを解決するには、カメラの感光材料面
と高層建物の壁面とを平行に保って、前記カメラを仰向
けに傾け、この傾けにより前記建物の全景がファインダ
ー視野枠の内部に収まったら、そのときに、カメラの持
ち構えを保って、レリーズボタンの押圧操作などによ
り、高層建物の全景を撮影すればよいが、このときの前
記建物の全景は、上窄まりの歪んだ形になって写されて
しまう。
【0005】この歪んだ形を修正するには、「あおり撮
影」の一つが知られており、その一つは、カメラ内部の
感光材料面(フィルム面等)と高層建物の壁面とを平行
に保った状態において、撮影レンズの光軸と直交する上
下方向に沿って、撮影レンズを上方に移動(ライズ)さ
せたり、下方に移動(フォール)させたりして、この移
動により前記建物の全景がファインダー視野枠の内部に
収まったときに、前記建物の全景を撮影するという方法
であり、この方法により、建物の像の歪みを修正するこ
とができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、撮影レ
ンズの移動は、手動操作によって行われているために、
熟練者でなければ難しく、初心者にとっては、あおりの
撮影が困難であった。そこで、本発明は前述の問題点に
鑑み、熟練者だけでなく初心者にも、あおりの撮影がで
きるようにした、カメラのあおり撮影装置を得ることを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、本発明は第1の構成として、撮影レンズの焦点距
離を検出する焦点距離検出手段と、前記撮影レンズの光
軸の傾斜角度を検知する傾斜角度検知手段と、該検知手
段による前記検知の傾斜角度を表示する傾斜角度表示手
段と、前記検知の傾斜角度に応じた正接関数の値を検出
する正接関数検出手段と、該検出手段による前記正接関
数の値と、前記焦点距離検出手段による前記検出の焦点
距離とを乗算する乗算手段と、前記撮影レンズを、その
光軸と直交する上下方向に沿って、前記乗算手段の算出
値に応じて、自動的に移動制御する移動制御手段と、を
備えた。
【0008】さらに、前記問題点の解決のために、本発
明は第2の構成として、撮影レンズの焦点距離を検出す
る焦点距離検出手段と、前記撮影レンズの光軸の傾斜角
度を検知する傾斜角度検知手段と、該検知手段による前
記検知の傾斜角度を表示する傾斜角度表示手段と、前記
検知の傾斜角度に応じた正接関数の値を検出する正接関
数検出手段と、該検出手段による前記正接関数の値と、
前記焦点距離検出手段による前記検出の焦点距離とを乗
算する乗算手段と、前記カメラの内部の感光材料面を、
前記光軸と直交する上下方向に沿って、前記乗算の算出
値に応じて自動的に移動制御する移動制御手段と、該移
動制御手段により、前記移動量に応じた前記感光材料面
の移動が終了したら、移動終了を示す符号を、またはレ
リーズ可若しくはそれを示す符号を表示する表示手段と
を、備えた。
【0009】
【作用】以上の構成によれば、前記夫々の手段を備えた
ために、次の通りにあおり撮影を行うことができる。ま
ず、前記カメラを高層建物に対向させて、ファインダー
視野枠の観察により、カメラの前記感光材料面と高層建
物の壁面とを平行に位置させるようにする。上述の感光
材料面と高層建物の壁面とが平行に位置したら、次に、
カメラ本体をティルトし、このティルトにより、前記カ
メラの撮影レンズの光軸が傾けられて、前記傾斜角度検
知手段が、前記撮影レンズの光軸の傾斜角度を検知す
る。この検知に応じて、前記傾斜角度表示手段が、上記
検知の傾斜角度を表示し、例えば、前記カメラのファイ
ンダー視野枠の周辺部から接眼部に向けて表示するよう
にしても良い。
【0010】上述のティルトにより、前記建物の全景が
カメラのファインダー視野枠の内部に写ったら、そのと
きに前記傾斜角度検知手段が検知した傾斜角度に応じ
て、前記正接関数検出手段が正接関数の値を検出する。
前記乗算手段が、上記検出の正接関数の値を、前記焦点
距離検出手段の検出の前記焦点距離に乗算し、前記第1
の構成では、前記移動制御手段が、前記撮影レンズをそ
の光軸と直交する上下方向に沿って、前記乗算手段の算
出値に応じて、自動的に移動制御し、前記第2の構成で
は、前記移動制御手段が、前記カメラの内部の感光材料
面を、前記撮影レンズの光軸と直交する上下方向に沿っ
て、前記乗算の算出値に応じて自動的に移動制御する。
【0011】上述の如く高層建物の全景がカメラのファ
インダー視野枠の内部に写ったときのカメラを、上述の
ティルトの方向と反対方向にティルトし、これにより前
記撮影レンズの光軸の傾斜角度が小さくなって、この傾
斜角度を前記傾斜角度表示手段が表示する。この表示
は、前述と同様に、カメラのファインダー視野枠の周辺
部から接眼部に向けて表示するようにしても良い。
【0012】上記傾斜角度の減少に伴って、その傾斜角
度が「零(0度)」になったら、前記カメラの前記感光
材料面が高層建物の壁面と平行に位置し、前記傾斜角度
検知手段による角度「零(0度)」の検知に応じて、前
記傾斜角度表示手段が、角度「零(0)」を、例えばフ
ァインダー視野枠の周辺部から接眼部に向けて表示す
る。
【0013】この表示により、前記カメラのティルトを
停止して、そのカメラの持ち構えを保ち、この状態に於
いて、前記移動制御手段により、前記撮影レンズが前記
乗算の算出値に応じた移動先のところに位置したら、フ
ァインダー視野枠の内部に、高層建物の全景が歪み無し
で写され、これにより高層建物の全像がカメラ内の感光
材料面に収まったことを確認して、レリーズボタンの押
圧操作などにより前記建物の全像を撮影する。
【0014】また、前述の角度「零(0度)」の表示検
知により前記カメラの持ち構えを保った状態に於いて、
前記移動制御手段により、前記カメラ内の感光材料面が
前記乗算の算出値に応じた移動先のところに位置した
ら、前記高層建物の全像が、前記感光材料面に収まり、
前記移動制御手段により前記算出値に応じた前記感光材
料面の移動が終了したら、前記表示手段が、移動終了を
示す符号を、またはレリーズ可若しくはそれを示す符号
を表示する。この表示は前述と同様に、カメラ内のファ
インダー周辺部から接眼部の方に向けても良い。この表
示により、高層建物の全像がカメラ内の感光材料面に収
まったことを確認し、レリーズボタンの押圧操作などに
より前記建物の像を撮影する。
【0015】従って、撮影の熟練者だけでなく初心者
も、カメラをティルトしたり、そのカメラを持ち構えた
りするだけで、前記角度検出手段と、焦点距離検出手段
と、前記正接関数検出手段および前記乗算手段とを介し
て、前記移動制御手段により前記撮影レンズまたは感光
材料面が自動的に移動され、そのために、従来のように
撮影レンズを移動させるための手動操作をすることはな
い。前記撮影レンズの移動により、ファインダー視野枠
の内部に前記建物の全景が歪み無しで写ったことを確認
し、また、前記感光材料面の移動に応じて前記表示手段
により移動終了を示す符号の表示を、またはレリーズ可
若しくはそれを示す符号の表示を確認し、その後は同カ
メラの持ち構えを保って、前記カメラのレリーズボタン
等を押すだけで、熟練者にも初心者にも、あおりの撮影
ができる。
【0016】
【実施例】図1は本発明の実施例に係る、あおり撮影装
置の概略構成図で、その撮影装置は不図示のカメラに内
蔵されている。同図に於いて、1aは角度検知センサー
で、1bは方向判別部であり、角度検知センサー1a
は、カメラの持ち構えの調整により同カメラの撮影レン
ズの光軸が水平に位置したら、角度「零」を検知し、ま
たカメラ本体のティルトにより、そのカメラの撮影レン
ズの光軸が傾けられたら、前記検知センサー1 aが、前
記水平の光軸に対して傾けられた前記光軸の傾斜角度θ
を検知する。方向判別部1bは、カメラの動きの方向を
判別するためのものであり、前記光軸の水平位置に続い
て、カメラをティルトアップすると、方向判別部1bが
ティルトアップを検知し、また前記光軸の水平位置に続
いて、カメラをティルトダウンすると、方向判別部1b
がティルトダウンを検知する。
【0017】傾斜角度検知センサー1aおよび方向判別
部1bは、中央処理装置(CPU)2と接続されてお
り、この中央処理装置(CPU)2は、図示の如く角度
検知部2a、表示制御部2b、正接関数検出部2c、乗
算手段2d、移動制御部2eおよび移動量比較部2fか
らなっている。カメラの持ち構えの調整により、前記撮
影レンズの光軸が水平に位置すると、前記検知センサー
1aの角度「零」の検知により、中央処理装置2の角度
検知部2aが角度「零」を検知する。この検知に続い
て、前記カメラをティルトアップすると、撮影レンズの
光軸が前記水平の光軸に対して傾斜されて、前記検知セ
ンサー1aの傾斜角度θの検知と、前記方向判別部1b
のティルトアップの検知とにより、中央処理装置2の角
度検知部2aが角度「プラスθ」を検知する。また、前
記光軸が水平に位置しているときに、前記カメラをティ
ルトダウンすると、前記検知センサー1aの傾斜角度θ
の検知と、前記方向判別部1bのティルトダウンの検知
とにより、前記角度検知部2aが角度「マイナスθ」を
検知する。尚、傾斜角度検知センサー1a、方向判別部
1bおよび角度検知部2aは、前述の傾斜角度検知手段
を構成する。
【0018】前記角度検知部2aによる角度の検知に応
じて、中央処理装置2の表示制御部2bが図中の発光ダ
イオード群3の一つのダイオードを点灯表示する。この
発光ダイオード群3は、図2に示すように、ファインダ
ー視野枠21の周辺右側に並設された多数の発光ダイオ
ード3a〜3gからなっており、丸型の表示面を有する
発光ダイオード3aは、前記カメラの傾斜角度が「ゼ
ロ」であることを示し、カメラの持ち構えの調整により
前記レンズの光軸が水平に位置したときに、前述の傾斜
角度検知センサー1aに応じて前記角度検知部2aの前
記角度「零」の検知により、表示制御部2bが、発光ダ
イオード3aを点灯表示する。角度「零」に応じた発光
ダイオード3aの上に位置し、かつ矩形型の表示面を有
する発光ダイオード3b〜3dは、前記撮影レンズの光
軸の水平位置に続いて、カメラをティルトアップしたと
きの傾斜角度を表示するためのものであり、前記傾斜角
度検知センサー1aの検知角度θと、前記方向判別部1
bのティルトアップの検知とにより、前述の角度検知部
2aが角度「プラスθ」を検出したら、表示制御部が、
発光ダイオード3b〜3dの一つを表示する。これらの
うち、発光ダイオード3bは、前記カメラをティルトア
ップしたときの前記光軸の傾斜角度が1度から10度ま
での間であることを示し、また別の発光ダイオード3c
は、11度から20度までの間であることを、さらに最
上部の発光ダイオード3dは、21度から30度までの
間であることを示す。例えば、前記光軸の水平位置に続
いて、「15度」の傾斜角度に応じてカメラをティルト
アップしたら、傾斜角度検知センサー1aの検知角度
「15度」と、方向判別部1bのティルトアップの検知
とにより、前記角度検知部2aが傾斜角度「プラス15
度」を検知し、この検知により表示制御部3aが図2中
の発光ダイオード3cを点灯表示する。また、図2中
の、矩形型の表示面を有する発光ダイオード3e〜3g
は、前記撮影レンズの光軸の水平位置に続いて、カメラ
をティルトダウンしたときの傾斜角度を表示するための
ものであり、発光ダイオード3eは前記カメラをティル
トダウンしたときの前記光軸の傾斜角度が1度から10
度までの間であることを示し、また別の発光ダイオード
3fは、11度から20度までの間であることを、さら
に最下部の発光ダイオード3gは、21度から30度ま
での間であることを示す。例えば、前記光軸の水平位置
に続いて、「10度」の傾斜角度に応じてカメラをティ
ルトダウンしたら、傾斜角度検知センサー1aの検知角
度「10度」と、方向判別部1bのティルトダウンの検
知とにより、前記角度検出部2aが傾斜角度「マイナス
10度」を検知し、この検知により表示制御部2bが図
2中の発光ダイオード3eを点灯表示する。
【0019】前記表示制御部2bおよび発光ダイオード
群3(3a〜3g)は、前述の傾斜角度を表示するため
の傾斜角度表示手段を構成する。図2のファインダー視
野枠21の周辺下部には、「レリーズ可」の文字を表示
するための表示部4が設けられており、中央処理装置2
の表示制御部2aが、表示部4に「レリーズ可」の文字
を表示制御する。この表示部4と前記表示制御部2aと
は、撮影レンズまたは感光材料面の移動が終了したら、
「レリーズ可」を表示するための表示手段を構成する。
尚、この表示手段は、「レリーズ可」の文字に限らず、
「レリーズ可」を示す記号を表示し、または撮影レンズ
もしくは感光材料面の移動の終了を示す符号を表示して
も良く、ここでは「レリーズ可」の文字を表示する一例
を述べることにする。
【0020】中央処理装置2と接続される図1中の焦点
距離検出手段5は、撮影レンズの焦点距離を検出するた
めのものであり、カメラのズームボタンまたは広角・望
遠切換用ボタンや、焦点検出部などにより焦点距離検出
手段5が構成される。図1のスイッチSW1は、カメラ
の上面部に設けられた不図示のレバーに従動されてお
り、このレバーをオン位置に移動操作すると、スイッチ
SW1が閉鎖されてオンになり、同スイッチのオンのと
きの前記角度検知部2aの検知角度に応じて、中央処理
装置2の正接関数検出部2cが正接関数の値を検出す
る。上述のレバーと、正接関数検出部2cとは、前述の
正接関数検出手段を構成する。
【0021】正接関数検出部2cが上記正接関数の値を
検出したら、乗算手段2dが上記検出の正接関数の値
と、焦点距離検出手段5の検知による焦点距離とを乗算
して算出する。中央処理装置2の移動制御部2eは、移
動伝達系6を介して、撮影レンズまたは感光材料面を、
前記撮影レンズの光軸と直交する方向に沿って移動制御
し、前記装置2の移動量比較部2fは、前記移動制御部
2eによる撮影レンズまたは感光材料面の移動量と、前
記乗算手段2dの算出値とを比較し、夫々が一致した
ら、移動制御部2eが移動伝達系6を介して、撮影レン
ズまたは感光材料面の移動を停止する。
【0022】移動制御部2e、移動量比較部2fおよび
移動伝達系6は、撮影レンズまたは感光材料面を、前記
撮影レンズの光軸と直交する上下方向に沿って、前記乗
算の算出値に応じて移動制御するための移動制御手段を
構成する。図3は、図1の中央処理装置2が作動すると
きのフロチャートであり、次に、あおり撮影をするとき
の本装置の動作を説明する。
【0023】まず、高層建物に向けてカメラの持ち構え
を調整して、カメラのファインダーを観察しつつ同カメ
ラの内部のフィルム面と高層建物の壁面とを平行に位置
せしめ、次にズームボタンまたは望遠・広角切換用ボタ
ンへの押圧操作により撮影レンズを光軸方向に移動させ
て、同撮影レンズの撮影角度を調整する。前述の撮影レ
ンズまたは感光材料面(フィルム面)の移動により高層
建物の全像が感光材料面に収まるようにするには、前も
ってカメラの持ち構えの調整によりフィルム面と高層建
物の壁面とを平行に位置せしめ、さらに上述の撮影角度
の調整により、図4(a)に示すファインダー視野枠2
1の内部に、少なくとも高層建物22の下方部分が写さ
れ、かつ前記視野枠21の内部に写される前記建物22
の地点22aや高さ方向の中心22bの位置を次の通り
に設定する。
【0024】ファインダー視野枠21の内部の中心21
aより上方に高層建物22の高さ方向の中心22bが写
され、またファインダー視野枠21の中心21aからそ
の枠内に写される前記建物22の中心22bまでの距離
χ1 が、前記視野枠21の下辺からその枠内に写される
高層建物22の地点22aまでの最短距離χ2 よりも小
さくなるように設定する。
【0025】前記カメラの持ち構えの調整によりフィル
ム面と高層建物22の壁面とを平行に保ったときの、高
層建物との間の光路図を図5に示し、この図中の2つの
点線によって交わされた一点Aが、不図示の撮影レンズ
の中心である。この図中の右方には、高層建物22の壁
面が地面に対して垂直になっており、前記撮影レンズの
光軸10 が水平に位置している。
【0026】この光軸10 の水平位置により、図1中の
傾斜角度検知センサー1aに応じて、中央処理装置2の
角度検知部2aが角度「零」を検知し、表示制御部2b
が図2中の発光ダイオード3aを表示する。この表示に
より、撮影の初心者や熟練者が撮影レンズの光軸10
水平位置を検知することができる。前記角度検知部2a
の角度「零」の検知を、図3中のステップ101に示
し、表示制御部2bによる発光ダイオード3aの表示を
ステップ102に示す。
【0027】前記光軸10 の水平位置の検知により前記
カメラの持ち構えを保って、前述のズームボタンまたは
広角・望遠切換用ボタンの押圧により、撮影レンズの撮
影角度を調整し、このときは、前述したように、図4
(a)中のファインダー視野枠21の内部に、高層建物
22の地点22aおよび前記中心22bの位置を設定
し、前述の位置通りに写ったら、撮影レンズの撮影角度
の調整を停止する。
【0028】図5中の左方には、縦方向の幅Zを有する
フィルムXが位置されており、水平方向の光軸10 が、
同図の如くフィルムXの一点Bに交わっている。この一
点Bが前記フィルムXの1コマ内の中心であり、またフ
ィルムXには、撮影レンズによって得られた高層建物2
2の全像Yが位置されているが、撮影レンズの光軸1 0
が高層建物22の下部に位置しているために、前記建物
22の全像Yの一部がフィルムXより下方に、はみ出し
ている。高層建物22の一点Cは、図4(a)のファイ
ンダー視野枠21に写された高層建物22の中心22b
と同一であり、図5の如く高層建物22の中心Cによっ
て反射された光線11 が、撮影レンズの中心Aを通って
フィルムYの一点Dに交わっている。この一点Dは前記
レンズの中心Aを介して高層建物22の中心Cに対称し
ているために、前記建物22の全像Yの中心がフィルム
Xの一点Dに位置している。
【0029】フィルムXと撮影レンズの中心Aとの間に
は、不図示のハーフミラーが配置されており、このミラ
ーを介して図4(a)のファインダー視野枠21に高層
建物22の下部が写される。図5中の高層建物22の全
像YをフィルムXに収めるためには、フィルムXの中心
Bと全像Xの中心Dとの距離に等しい移動量Δtに応じ
て、撮影レンズを光軸10 より上方に移動(ライズ)さ
せるようにする。この移動により全像Yも上方に従動さ
れて、上述の移動量Δtに達したら、図6に示す如く、
全像Yの中心DがフィルムXの中心Bに一致し、そのた
めに、高層建物22の全像YがフィルムXに収まること
ができる。これにより不図示の反射ミラーを介して、図
4(c)に示すファインダー視野枠21に、高層建物2
2の全景が歪み無しで写される。尚、図6中の一点A
は、前記移動量Δtに応じて移動されたときの撮影レン
ズの中心を示す。
【0030】このように撮影レンズを移動させるには、
先ず、撮影レンズの移動量Δtに等しい、図5中の直線
BDの長さを求めなければならないが、その長さは以下
の通りに求めることができる。図5の如く、高層建物2
2の中心Cと撮影レンズの中心Aとを結ぶ直線CAと、
前記レンズの中心Aと光軸10 上の前記建物22の一点
Eとを結ぶ直線AEとの間の角(∠CAE)の大きさを
θ1 とし、またフィルムXの中心Bと撮影レンズの中心
Aとを結ぶ直線BAと、前記レンズの中心Aとフィルム
Yの前記一点Dとを結ぶ直線ADとの間の角(∠BA
D)の大きさをθ2 としたとき、夫々の角(∠CAE、
∠BAD)は対称角であるために、夫々の大きさθ1
θ2 が等しくなっている。またフィルムXの中心Bと撮
影レンズの中心Aとの距離は、前述のズームボタンなど
の押圧操作により調整されて、図示の焦点距離fになっ
ており、前述の直線BDの長さをΔtとしたとき、その
長さΔtおよび前述の角度θ 1 と焦点距離fとにより、
「Δt=f×(tanθ1)」の関係式が成り立つ。
【0031】この関係式により移動量Δtが得られる
が、そのためには、前もって焦点距離fや前述の角度θ
1(=θ2)を求めなければならず、焦点距離fは図1中の
焦点距離検出手段5によって求められるが、角度θ1(=
θ2)は、前述のカメラをティルトアップしなければ、前
述の角度検知部2aにより求めることができないので、
その求めについて以下述べる。
【0032】前述の如く、カメラの持ち構えの調整と共
に、撮影レンズの撮影角度の調整により、図4(a)の
ファインダー視野枠21に、高層建物22の地点22a
および前記中心22bが前述の位置通りに写ったら、次
にカメラをティルトアップする。このときは、図5中の
中心Aを通り且つこの紙面と直交する一線を回転軸とし
て、その周りに前記カメラをティルトすれば良いが、そ
のためには経験が必要であり、撮影レンズの中心Aとフ
ィムルXとの間に位置する一点を回転中心としてその周
りに前記カメラをティルトするのが普通である。
【0033】カメラをティルトアップしたときの光路図
を図7に示し、この図中の一点Fが、上記カメラをティ
ルトアップしたときの回転中心である。その中心Fを通
り且つこの紙面と直交する一線を回転軸として、その周
りにカメラをティルトすると、同カメラの内部に位置す
るフィルムXや撮影レンズ(不図示)も、中心Fの周り
に円周方向に沿って移動される。
【0034】図7中の一点Gは、カメラを中心Fの周り
にティルトアップしたときの撮影レンズの中心であり、
撮影レンズの中心Gを通って水平線上に位置する前記建
物22の一点をHとしたとき、撮影レンズの光軸10
傾斜角度は、直線CGおよびGHの間の角(∠CGH)
の大きさθ3 になり、また図中の一点Aに位置する角
(∠CAE)の大きさθ1 は、図5に示す光線11 の傾
斜角度θ1 と等しく、この傾斜角度θ1 は図7に示す光
軸10 の傾斜角度θ3 と近似しているために、前述の傾
斜角度θ1 が前記光軸10 の傾斜角度θ3 にほぼ等しい
と考えてよいとする。
【0035】従って、カメラのティルトアップにより、
そのカメラと共に撮影レンズの光軸が傾けられて、図1
中の傾斜角度検知センサー1aと方向判別部1bとによ
り中央処理装置2の角度検知部2aが角度「プラスθ」
(図7中の∠CGH)を検知する。この状態を図3のス
テップ103に示し、次のステップ104に進んで、前
記角度検知部2aの検知角度「プラスθ」に応じて、前
記装置2の表示制御部2bが、図2中の発光ダイオード
3b〜3dの一つを点灯表示する。前記カメラのティル
トの最中に、撮影レンズの光軸10 が高層建物Xの高さ
方向の中心Cに位置したら、図7の如く高層建物22の
全像YがフィルムXに収まり、ファインダー視野枠にも
図4(b)の如く高層建物Xの全景が上窄まりの形で写
される。
【0036】このときにカメラの持ち構えを保って、外
部例えば前述のレバーをオン位置に移動操作し、これに
より図1のスイッチSW1がオン状態に移行されて、中
央処理装置2の正接関数検出部2cが前記角度検知部2
aの検知角度「プラスθ3 」を検出する。この状態を図
3のステップ105および106に示す。そして、前記
レバーの移動操作の後に、カメラを下方にティルトダウ
ンして図5に示すように光軸10 を水平に位置させ、こ
のティルトダウンの進行中には、光軸10 の傾斜角度θ
が減少されて、前記検知センサー1aにより中央処理装
置2の角度検知部2aが上記減少の傾斜角度θを検知す
る。この状態を図3のステップ107に示し、上述の検
知された傾斜角度に応じて、前記装置2の表示制御部2
bが図2中の一つの発光ダイオードを点灯表示する。こ
の状態をステップ108に示す。
【0037】前述の検出角度「プラスθ3 」をクリアし
て、別の角度θの検出をやり直すには、前述のレバーを
オフ位置に移動操作せしめ、この操作により図1のスイ
ッチSW1がオフ状態に移行されて、前記装置2の正接
関数検出部2cが上述の検出角度「プラスθ3 」をクリ
アする。この状態をステップ109および110に示
し、撮影者が前記カメラをティルトして、それと並行に
本装置がステップ103に戻り、前述と同様に、撮影者
自身の操作により本装置がステップ103以降の動作を
繰り返す。
【0038】前述の検出角度「プラスθ3 」を支持しつ
つ、カメラをティルトダウンして撮影レンズの光軸10
が水平に位置したら、前記検知センサー1aに応じて中
央処理装置2の角度検知部2aが角度「零」を検知し、
この検知により、前記装置2の表示制御部2bが図2の
発光ダイオード3aを点灯表示する。この状態をステッ
プ111および112に示す。
【0039】その点灯表示により、撮影者が撮影レンズ
の光軸の水平位置を検知することができ、この検知によ
りカメラのティルトを停止して同カメラの持ち構えを保
持する。その保持の最中に、前記角度検知部2aの前記
角度「零」の検知により、前記装置2の正接関数検出部
2cが、前述の検出角度「プラスθ3」に応じた正接関
数の値「tan(+θ3)」を検出する。この状態をステップ
113に示し、次のステップ114に進んで、前記装置
2の乗算手段2dが、前記焦点距離検出手段5より焦点
距離fを検出して、その焦点距離fと前記正接関数の値
「tan(+θ3)」とを乗算し、その値「f×tan(+θ3)」
を算出する。この算出と同時に、前記装置2の移動制御
部2eが移動伝達系6を介して撮影レンズをその光軸と
直交する上下方向に沿って移動せしめ、この状態を図3
のステップ115に示す。
【0040】前記レバーを操作したときの前記角度検知
部2aの検知角度は「プラスθ3 」であるために、前記
正接関数の値「tan(+θ3)」が正数となり、前記乗算の
値「f×tan(+θ3)」も正数になるから、移動制御部2
eが上述の正数に応じて、撮影レンズを光軸10 より上
方に移動(ライズ)せしめ、これにより前記建物22の
全像Yも光軸10 より上方に従動される。
【0041】撮影レンズの移動により、前記装置2の移
動量比較部2fが、撮影レンズの移動量と、前記乗算手
段2dの算出値「f×tan(+θ3)」とを比較する。夫々
が一致したら、移動制御部2eが移動伝達系6を介して
撮影レンズの移動を停止する。このとき、図6に示す如
く高層建物22の全像Yの中心DがフィルムXの中心B
に位置し、そのために前記建物22の全像Yがフィルム
Xに収まることができる。図1の移動制御部2eが移動
伝達系6を介して撮影レンズの移動を停止せしめると、
図3のステップ116より次のステップ117に進ん
で、前記装置2の表示制御部2bが前述の表示部4に
「レリーズ可」の文字を表示する。この表示の後に、前
記装置2が動作を終了する。
【0042】前記建物22の全像Yは撮影レンズの上方
移動によって従動されるために、フィルムXに全像Yが
収まると同時に、図4(c)に示すファインダー視野枠
21にも前記建物22の全景が歪み無しで写される。そ
のために撮影者がカメラの接眼部を介してファインダー
視野枠に前記建物の全景が写ったことを検知することが
できる。従って、前記「レリーズ可」の表示部4を設け
ることなく、前述の移動制御部2eが移動伝達系6を介
して撮影レンズの移動を停止せしめると同時に、前記装
置2がステップ116より「END」のステップの方に
飛ばして作動を終了するようにしても良い。前記「レリ
ーズ可」の表示がなくても、上述のようにファインダー
視野枠に前記建物の全景が写ったことを検知することが
でき、それに続いてシャッターレリーズボタンの押圧操
作により、図4(c)に示す高層建物の全景をフィルム
Xに撮ることができる。
【0043】また、図3のステップ114において、図
1の乗算手段2dが前記正接関数の値「tan(+θ3)」と
前記検出の焦点距離fとを乗算して算出すると同時に、
ステップ115に進んで、前記装置2の移動制御部2e
が移動伝達系6を介して、図5中のフィルムXを、光軸
0 と直交する上下方向に沿って移動せしめ、このとき
の撮影レンズは固定されたままであるとする。
【0044】前記乗算の算出値「f×tan(+θ3)」が正
数であるために、移動制御部2eが移動伝達系6を介し
て前記フィルムXを光軸10 より下方に移動(フォー
ル)せしめ、このフィルムXの移動中に、前記装置2の
移動量比較部2fがフィルムXの移動量と前記算出値
「f×tan(+θ3)」とを比較する。夫々が一致したら、
移動制御部2eが移動伝達系6を介してフィルムXの移
動を停止する。それによって移動停止されたフィルムX
には、図8に示す如く、高層建物22の全像Yが収ま
り、移動制御部2eの前記移動の停止と同時に、前記装
置2の表示制御部2bが、図2の表示部4に「レリーズ
可」の文字を表示する。前述の撮影レンズは固定されて
いるために、フィルムXの移動によっても、不図示の反
射ミラーを介してファインダー視野枠には、図4(a)
の如く高層建物22の下方部分しか写されず、前記視野
枠21の内部に前記建物22の全景が写ったかを検知す
ることができないが、前記装置2の表示制御部2bが、
図2の表示部4に「レリーズ可」の文字を表示すると、
その表示によりフィルムXに前記建物22の全像Yが収
まったことを検知することができる。そのあとに、シャ
ッターレリーズボタンを押すと、前記建物22の全景を
歪みなしで撮ることができる。
【0045】以上の実施例によれば、前記レバーのオン
位置への移動操作の後、カメラを、ティルトダウンして
撮影レンズの光軸が水平に位置したときに、前記正接関
数検出部2cが正接関数の値を検出して、前記乗算手段
2dが算出すると述べたが、別の実施例としては、次の
通りに実施しても良い。前記レバーをオン位置に移動操
作して図1中のスイッチSW1がオンになると同時に、
前記装置2の正接関数検出部2cが、角度検知部2aの
検知角度「プラスθ3 」に対応して、正接関数の値「ta
n(+θ3)」を検出し、乗算手段2dが焦点距離検出手段
5より焦点距離fを検出して、その焦点距離fと前記正
接関数の値「tan(+θ3)」とを乗算する。前記レバーの
移動操作の後、カメラをティルトダウンして撮影レンズ
の光軸が水平に位置したら、前記検知センサー1aに応
じて、角度検知部2aの角度「零」の検知により前記表
示制御部2bが図2の発光ダイオード3aを点灯表示せ
しめ、それと同時に前記移動制御部2eが移動伝達系6
を介して、撮影レンズを上方に移動(ライズ)させ、ま
たはフィルムを下方に移動(フォール)させ、前記装置
2の移動量比較部2fが撮影レンズまたはフィルムの移
動量と前記乗算の算出値「f×tan(+θ3)」とを比較す
る。それ以後は前述と同様に、本装置が作動する。
【0046】また、前記実施例では、高層ビルの地点を
含む地面に撮影者がいるときのあおり撮影を述べたが、
高層ビルの最上階より、そのビルの高さとほぼ同じ別の
高層ビルに対して、あおり撮影により、前記別の高層ビ
ルの全景を歪み無しで撮影することもできる。そのため
には、まず、カメラの持ち構えの調整により、前述と同
様にカメラ内のフィルム面と前記別の高層ビルの壁面と
を平行に位置させ、前記光軸の水平位置により、前記検
知センサー1aおよび角度検知部2aに応じて前記表示
制御部2bが図2中の発光ダイオード3aを表示する。
この表示により前記光軸の水平位置を検知して、カメラ
の持ち構えを保ち、次いで前記ボタンの押圧操作による
撮影レンズの撮影角度の調整により、ファインダー視野
枠に、少なくとも高層ビルの上部が写されて、ファイン
ダー視野枠の内部の、高層建物の屋上および高さ方向の
中心の位置を次の通りに設定する。
【0047】ファインダー視野枠の中心より下方に前記
建物の中心が写されて、前記ファインダー視野枠の中心
からその視野枠の内部に写される前記建物の中心までの
距離が、前記視野枠の上辺からその視野枠の内部に写さ
れる前記建物の屋上までの距離よりも小さくなるように
設定する。このように設定したら、次にカメラをティル
トダウンし、このティルトダウンにより前記カメラの撮
影レンズの光軸が傾けられて、前記検知センサー1aの
検知角度θと、前記方向判別部のティルトダウンの検知
とにより、前記角度検知部2aが角度「マイナスθ」を
検知する。
【0048】上述のティルトダウンに並行して、前記撮
影レンズの光軸が前記建物の中心に位置し且つ前記ファ
インダー視野枠に前記建物の全景が下窄まりの形に写っ
たら、ティルトを停止してそのカメラの持ち構えを保
ち、前記レバーをオン位置に操作する。その後に、前記
カメラをティルトアップして、前記撮影レンズの光軸が
水平に位置したら、前記検知センサー1aおよび角度検
知部2aに応じて前記表示制御部2bが図2中の発光ダ
イオード3aを表示し、この表示により前記光軸の水平
位置を検知して、カメラの持ち構えを保つようにする。
【0049】一方、上述のレバーを操作したときの前記
角度検知部2aの検知角度「マイナスθ」に応じて、前
記正接関数検出部2cが正接関数の値「tan(−θ) 」を
検出し、前記乗算手段2dが、前記焦点距離検出手段5
の検知による焦点距離fと、上記正接関数の値「tan(−
θ) 」とを乗算して、その値「f×tan(−θ) 」を算出
する。
【0050】前記レバーの操作の後に、前記カメラのテ
ィルトアップにより、前記カメラの撮影レンズの光軸が
水平に位置し、上述の水平表示により、同カメラを保っ
ているときに、前記移動制御部2eが移動伝達系6を介
して撮影レンズまたはフィルム面を、前記光軸と直交す
る上下方向に沿って移動制御する。このときは、前記レ
バーを操作したときの前記検知角度は「マイナスθ」で
あるために、前記正接関数の値「tan(−θ) 」および前
記算出の値「f×tan(−θ) 」が負数となり、その負数
に応じて前記移動制御部2eが、移動伝達系6を介して
撮影レンズを光軸より下方に、またはフィルムを上方に
移動せしめ、その移動中に、移動量比較部2fが、撮影
レンズまたはフィルムの移動量と前記算出の値とを比較
する。夫々が一致したら、前記移動制御部2eが移動伝
達系6を介して撮影レンズまたはフィルムの移動を停止
せしめ、撮影レンズが移動停止されたときは、カメラの
ファインダー視野枠に、前記別の高層ビルの全景が歪み
無しで写され、または前記フィルムが移動停止されたと
きは、前記表示制御部2bが図2のファインダー視野枠
の表示部4に「レリーズ可」を表示せしめ、これによ
り、高層ビルの全像がフィルムに収まったことを検知し
て、シャッターレリーズボタンの押圧操作により、前記
別の高層ビルの全景を撮影することができる。
【0051】さらに、高層建物の壁面が地面に対して垂
直でなく傾けられているときは、前記カメラの持ち構え
の調整により、前記フィルム面と高層建物の壁面とを平
行に位置させても、撮影レンズの光軸が地面に対して傾
けられるが、本装置としては次の通りに構成して、あお
り撮影をすることもできる。前述のレバーと異なる別の
操作部材と、その操作部材への操作によりカメラの撮影
レンズの光軸の位置を基準として設定する基準設定部と
を、前記傾斜角度検知手段の一部に備え、前記別の操作
部材の操作により、前記基準設定部の設定に応答して、
図2中の傾斜角度検知センサー1aが角度「零」をセッ
トする如く構成する。
【0052】あおり撮影は、まず前記カメラの持ち構え
の調整により、そのカメラのファインダー視野枠を観察
しつつ前記フィルムと、高層建物の壁面とを平行に位置
させ、このときに撮影レンズの光軸が傾けられても、前
記別の操作部材を操作することにより、前記基準設定部
が前記撮影レンズの光軸の位置を基準に設定する。この
設定により、前記傾斜角度検知センサー1aが角度
「零」をセットし、それに応じて角度検知部2aの角度
「零」の検知により、表示制御部2bが図2中の発光ダ
イオード3aを表示する。
【0053】次に前記ズームボタンなどの押圧操作によ
り撮影レンズの撮影角度を調整して、前述と同様にファ
インダー視野枠の内部に、高層建物の地点または最上部
や高さ方向の中心の位置を設定する。その通りに設定し
たら、次いでカメラをティルトアップまたはティルトダ
ウンし、このティルトにより傾けられた撮影レンズの光
軸と上述の設定された基準の光軸との間の傾斜角度を、
図1中の傾斜角度検知センサー1aが検知する。また前
記設定の基準の光軸に対して前記カメラをティルトアッ
プすると、前記方向判別部1bがティルトアップを検知
し、前記カメラをティルトダウンすると、前記方向判別
部1bがティルトダウンを検知する。
【0054】上述のティルトアップまたはティルトダウ
ンの最中に、前記傾斜角度検知センサー1aおよび方向
判別部1bの検知に応じて、角度検知部2aが、前述と
同様に「プラスθ」または「マイナスθ」を検知し、そ
の検知角度に応じて表示制御部2bが図2中の一つの発
光ダイオードを点灯表示する。前記カメラのティルトア
ップまたはティルトダウンにより、前記カメラの全景が
ファインダー視野枠に写ったら、そのカメラの持ち構え
を保って、前記レバーなどの操作部材をオン位置に操作
させ、その後は、前記レバーを操作する前のティルトの
方向と反対方向に、前記カメラをティルトする。
【0055】このティルトによって、前記カメラの撮影
レンズの光軸が前述の設定された基準の光軸に位置した
ら、前記傾斜角度検知センサー1aが角度「零」を検知
する。前述と同様に角度検知部2aの角度「零」の検知
に応じて前記表示制御部2bが、図2中の発光ダイオー
ド3aを表示し、この表示により前記光軸の水平位置を
検知して、カメラの持ち構えを保つようにする。
【0056】一方、前記レバーを操作したときの前記角
度検知部2aの検知角度に応じて、前記正接関数検出部
2cが正接関数の値を検出し、前記乗算手段2dが、前
記焦点距離検出手段5の検知による焦点距離fと、上記
正接関数の値とを乗算して、その値を算出する。前記レ
バーの操作の後に、前記カメラのティルトにより、前記
カメラの撮影レンズの光軸が水平に位置し、前述の水平
表示により、そのカメラを保っているときに、前記移動
制御部2eが移動伝達系6を介して撮影レンズまたはフ
ィルム面を、前記光軸と直交する上下方向に沿って移動
制御する。
【0057】前記レバーを操作したときの前記検知角度
が正数であるときは、前記乗算手段2dの算出値も正数
になるために、前記移動制御部2eが撮影レンズを光軸
より上方に、またはフィルムを前記光軸より下方に移動
せしめ、前記レバーを操作したときの前記検知角度が負
数であるときは、前記乗算の算出値も負数となるため
に、前記移動制御部2eが撮影レンズを光軸より下方
に、またはフィルムを前記光軸より上方に移動制御す
る。
【0058】その移動中に、移動量比較部2fが、撮影
レンズまたはフィルムの移動量と前記算出の値とを比較
し、夫々が一致したら、前記移動制御部2eが移動伝達
系6を介して撮影レンズまたはフィルムの移動を停止す
る。撮影レンズが移動停止されたときは、カメラのファ
インダー視野枠に、前記別の高層ビルの全景が歪み無し
で写され、または前記フィルムが移動停止されたとき
は、前記表示制御部2bが図2のファインダー視野枠の
表示部4に「レリーズ可」を表示せしめ、これにより、
高層ビルの全像がフィルムに収まったことを検知して、
シャッターレリーズボタンの押圧操作により、前記別の
高層ビルの全景を撮影することができる。また、前記検
知の角度や、「レリーズ可」の文字などを表示する表示
手段について、前述の実施例では、図2に示すファイン
ダー視野枠21の下部の表示部4より、接眼部の方に表
示させると述べたが、その他に、例えばカメラの背後面
の表示部にまたはカメラの上面のデジタル表示部など
に、前記検知の角度や、「レリーズ可」の文字などを表
示するようにしても良い。撮影者が予め表示部の位置を
つかんで、前記カメラの持ち構えの調整による前記光軸
の水平位置や、感光材料面の移動終了により、上述の表
示部を観察することができる。
【0059】前述の正接関数検出手段については、前記
レバーの代わりに、例えば音声識別センサーを正接関数
検出手段の一部に備え、この構成により次の通りにあお
り撮影をすることもできる。前記カメラのティルトアッ
プまたはティルトダウンの最中に、前記カメラのファイ
ンダー視野枠に高層建物の全景が上窄まり又は下窄まり
の形で写されたら、そのときに、撮影者が「ゴー(G
O)!」と断言すると共に、前記音声識別センサーが上
述の断言を検知し、その検知に同期する前記角度検知部
2aの検知角度に応じて、前記正接関数検出部2cが正
接関数の値を検出し、前記乗算手段が前記検出の焦点距
離fと正接関数の値とを乗算して算出する。その後は前
述と同様である。
【0060】
【発明の効果】以上の本発明によれば、撮影の熟練者や
初心者が、カメラの持ち構えの調整や、前述のズームボ
タンなどの操作による前記レンズの撮影角度の調整や、
カメラ自体をティルトするだけで、前記角度検知手段お
よび焦点距離検出手段と前記正接関数検出手段と乗算手
段を介して、前記移動制御手段が撮影レンズまたはフィ
ルムを自動的に移動せしめ、そのために、従来のように
レンズを移動させるための手動操作をすることはない。
前記レンズの移動によりファインダー視野枠に高層建物
の全景が写ったことを、または前記フィルムの移動終了
に応じて前記表示手段により表示された「レリーズ可」
の文字を、撮影の熟練者や初心者が検知することがで
き、それ以降は、カメラのレリーズボタンを押すだけ
で、あおりの撮影をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るあおり撮影装置の概略構
成図である。
【図2】カメラのファインダー視野枠およびその周辺を
示す概略図で、周辺には多数の発光ダイート3a〜3g
および「レリーズ可」の表示部4が設けられている。
【図3】図1の中央処理装置2のフローチャートであ
る。
【図4】カメラのファインダー視野枠に写された高層建
物の景色を示す図で、図4(a)は、カメラの撮影レン
ズの光軸が高層建物の下部に位置しているとき、カメラ
の下部だけが写された状態を示している。図4(b)
は、カメラを仰向けにティルトして、ファインダー視野
枠に高層建物の全景が上窄まりの形で写されたときの状
態を示し、図4(c)は、カメラ内の撮影レンズをその
光軸と直交する上下方向にライズさせて、高層建物の全
景が歪み無しで写されたときの状態を示す。
【図5】撮影レンズの中心Aを通る光軸が水平に位置し
たときの光路図を示す。
【図6】撮影レンズを光軸10 より上方に移動させて、
高層建物22の全像YがフィルムXに収まったときの光
路図を示す。
【図7】カメラを仰向けにティルトして、撮影レンズの
光軸10 が高層建物22の高さ方向の中心cに合ったと
きの光路図を示す。
【図8】フィルムXを光軸10 より下方に移動させて、
高層建物22の全像YがフィルムXに収まったときの光
路図を示す。
【符号の説明】
1a 傾斜角度検知センサー、 1b 方向判別部 2 中央処理装置、 3 発光ダイオード群、 4 表
示部 5 焦点距離検出手段、 6 移動伝達系 2a 角度検知部、 2b 表示制御部、 2c 正接
関数検出部 2d 乗算手段、 2e 移動制御部、 2f 移動量
比較部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03B 5/00 - 5/08 H04N 5/222 - 5/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影レンズの焦点距離を検出する焦点距
    離検出手段と、 前記撮影レンズの光軸の傾斜角度を検知する傾斜角度検
    知手段と、 該検知手段による前記検知の傾斜角度を表示する傾斜角
    度表示手段と、 前記検知の傾斜角度に応じた正接関数の値を検出する正
    接関数検出手段と、 該検出手段による前記正接関数の値と、前記焦点距離検
    出手段による前記検出の焦点距離とを乗算する乗算手段
    と、 前記撮影レンズを、その光軸と直交する上下方向に沿っ
    て、前記乗算手段の算出値に応じて、自動的に移動制御
    する移動制御手段と、 を備えたことを特徴とするカメラのあおり撮影装置。
  2. 【請求項2】 撮影レンズの焦点距離を検出する焦点距
    離検出手段と、 前記撮影レンズの光軸の傾斜角度を検知する傾斜角度検
    知手段と、 該検知手段による前記検知の傾斜角度を表示する傾斜角
    度表示手段と、 前記検知の傾斜角度に応じた正接関数の値を検出する正
    接関数検出手段と、 該検出手段による前記正接関数の値と、前記焦点距離検
    出手段による前記検出の焦点距離とを乗算する乗算手段
    と、 前記カメラの内部の感光材料面を、前記光軸と直交する
    上下方向に沿って、前記乗算手段の算出値に応じて自動
    的に移動制御する移動制御手段と、 該移動制御手段により、前記算出値に応じた前記感光材
    料面の移動が終了したら、移動終了を示す符号を、また
    はレリーズ可若しくはそれを示す符号を表示する表示手
    段と、 を備えたことを特徴とするカメラのあおり撮影装置。
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