JP2905278B2 - フェノール樹脂複合体の製造方法 - Google Patents

フェノール樹脂複合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,高強度フェノール樹脂複合体の製造方法に
関するものである。
(従来の技術) 従来,繊維強化熱硬化性樹脂複合体は,ハンドレイア
ップ法によって,強化繊維に樹脂を含浸させて樹脂含浸
マット調製し,高温及び高圧下で熱硬化性樹脂を硬化さ
せ,繊維強化複合体を製造していた。
しかし,この方法では非生産的であるので,より簡単
な製造方法の開発が望まれ,より簡単な製造方法の例と
して,特開昭61−211343号公報に開示されている方法が
ある。この方法は,強化繊維,結合剤,固体熱硬化性樹
脂,その潜在硬化剤及び水性分散剤からなる水性スラリ
ーを調製し,ポリマー凝集剤を加え水性スラリー中の固
定分を不安定化し凝集させ,水と分離して乾燥した後,
熱プレスにより成形する方法である。
しかし,この方法では,熱硬化性樹脂を硬化させるた
めの潜在硬化剤を均一に分散させることが難しく,十分
な強度の複合体が得られないという欠点を有している。
(発明が解決しようとする課題) そこで,本発明の課題は,高強度のフェノール樹脂複
合体をより簡単な方法で得ることができる製造方法を提
供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは,上記課題を解決すべく鋭意研究した結
果,水性スラリー中に分散させる樹脂として自己硬化性
フェノール樹脂を用いると,上記課題を達成することが
できるという知見を得,本発明の到達した。
すなわち,本発明は,強化用繊維,結合剤,及び自己
硬化性フェノール樹脂微粒子を含有する水性スラリー
に,水中で前記結合剤中のポリマーの電荷と反対の電荷
を示すポリマーを含有する凝集剤を添加して,スラリー
中の固形分を不安定化させて凝集させ,生成した凝集体
を水と分離して乾燥させた後,成形することを特徴とす
るフェノール樹脂複合体の製造方法を要旨とするもので
ある。
以下,本発明のフェノール樹脂複合体の製造方法につ
いて詳しく説明する。
本発明においては,まず水性スラリーを調製する。す
なわち,水性媒体中に強化用繊維,結合剤および自己硬
化性フェノール樹脂を水に分散させる。強化用繊維は直
接あるいは水性分散系として加える。結合剤はポリマー
が水に分散しているラッテクスでこれを加える。自己硬
化性フェノール樹脂は粉末としてまたは水性分散系とし
て加える。この際,さらに,後述するような添加剤を直
接あるいは水性分散系として加え分散させてもよい。
次いで,得られた水性スラリーに凝集剤を加える。凝
集剤は,水中で結合剤中のポリマーの電荷と反対の電荷
を示すポリマーを含有しており,凝集剤を添加して分散
系を不安定化させて固形分を凝集させ,生成した凝集体
を水と分離して回収し乾燥する。乾燥の際には,自己硬
化性フェノール樹脂の熱成形が可能であり,完全には硬
化しないような条件下で,乾燥させるのが好ましい。凝
集体の乾燥は,高温乾燥器内,真空室においてまたはこ
れらの組合せにおいて行なうことができる。次いで,乾
燥した凝集体を成形して,フェノール樹脂を硬化させて
複合体を得る。
本発明において強化用繊維としては,ガラス繊維,炭
素繊維,金属繊維,金属被覆ガラスまたは炭素繊維など
の無機繊維,あるいは有機繊維などを用いることができ
る。有機繊維としては,例えば芳香族ポリアミド,セル
ロースまたはポリオレフィンから製造した繊維などが挙
げられる。特に,前記強化用繊維の中でガラス繊維又は
炭素繊維を用いるのが好ましい。また,前記繊維の一種
以上を組み合わせて用いてもよい。強化用繊維の平均長
さは0.1〜24mmのものを使用するのが好ましく,平均長
さが0.1より短い場合は,十分な強度の複合体が得られ
にくくなり,また平均長さが24mmを超える場合は,水性
スラリーにうまく分散しなくなる傾向がある。また,繊
維のアスペクト比(長さ対直径の比)を40以上にするの
が好ましい。アスペクト比が40未満の場合は,十分な強
度が得られ難く,したがって,繊維長を3〜16mm,繊維
の直径を13〜25μmにするのが好ましい。強化用繊維の
水性スラリーへの添加量は複合体の10〜90重量%となる
ように配合するのが好ましい。強化用繊維が複合体の10
重量%未満では十分な強度の複合体が得ら難く,90重量
%を超える場合は樹脂成分が少なくなり,樹脂との密着
性が悪くなる傾向がある。
結合剤は,合成あるいは天然のポリマーが水に分散し
たラテックスであり,結合剤の例としてはカルボキシル
化したスチレン・ブタジェンコポリマーラテックス及び
乳化重合によって製造されるアクリル系ポリマーラテッ
クスなどが挙げられる。そして,結合剤中のポリマーは
水性スラリー中ではイオン的に荷電しており,陰イオン
化または陽イオン化しており(ポリマー粒子表面がイオ
ン化している),水性スラリー中の固形分が安定に分散
するのを助ける。また,一方,結合剤中のポリマーは,
水性スラリー中の固形分を凝集体として回収するときに
は固形成分を結合または接着させて回収を容易にする。
したがって,結合剤中のポリマーは,室温以下の温度
(約40℃以下)においてはフィルム形成性ポリマーであ
ることが好ましい。結合剤としては前記ラテックスの他
に次に述べるような合成ポリマーのラテックスを用いる
ことができる。合成ポリマーとしては,エチレン系不飽
和基を有するモノマーのホモポリマーまたはコポリマー
あるいはこれらのポリマー誘導体が挙げられ,例えば,
スチレン,ブタジェン,イソプレンなどの不飽和モノマ
ーのホモポリマーまたはコポリマーあるいはこれらのポ
リマー誘導体がある。
結合剤の水性スラリーへの添加量は,結合剤中のポリ
マー成分が複合体中の0.1〜10重量%となるように添加
するのが好ましい。結合剤中のポリマー成分が0.1重量
%未満では,複合体の強度が十分得られ難く,10重量%
を超える場合は,凝集剤の使用量が多くなってしまう。
本発明で用いる自己硬化性フェノール樹脂としては,
いかなる自己硬化性フェノール樹脂でもよいが,ノボラ
ック樹脂をベースとした変性フェノール樹脂が好ましく
用いられる。具体的にはノボラック樹脂とアルデヒド類
とをエマルジョン安定剤及び塩基性触媒の存在下に水性
媒体中で反応させることにより得られる自己硬化性フェ
ノール樹脂が好ましい。
自己硬化せいフェノール樹脂の水性スラリーへの添加
量は,複合体の10〜90重量%となるように添加するのが
好ましい。この範囲外では十分な強度の複合体が得られ
難くなる。
凝集剤は,水中で前記結合剤中のポリマーの電荷と反
対の電荷を示すポリマーを含有する水性分散系であり,
凝集剤は凝集剤中のポリマーが複合体の0.3〜3重量%
となるように水性スラリーに添加するのが好ましい。複
合体に対して0.3重量%未満の場合は固形分が凝集し難
く,3重量%を超えるとスラリーの粘度が大きくなってし
まい凝集し難くなる。凝集剤の例としては,陽イオン系
の結合剤に対しては,部分的に加水分解したポリアクリ
ルアミド水性分散系が好ましく,陰イオン系の結合剤に
対しては,変性陽イオンポリアクリルアミドやジアリル
ジエチルアンモニウム・クロリド水性分散系などが好ま
しい。
水性スラリーにはこの他に,CaCO3,MgO,Mg(OH)2,CaS
iO3(けい灰石)マイカ及びこれらの混合物,さらに顔
料,染料,紫外線安定剤,酸化防止剤,発泡剤,消泡
剤,殺菌剤,電磁波吸収剤などを添加することもでき
る。
また,水性スラリーに増粘性を加えて任意に高粘性化
して,固形分の分散安定化を助成してもよい。水性スラ
リーに加えることのできる増粘剤としては,例えばメチ
ルセルロース,カルボキシメチルセルロース,ポリアク
リルアミド,ゴムラテックス又は粘土が挙げられる。
次に,本発明のフェノール樹脂複合体の製造方法の好
ましい態様について説明する。
強化用繊維,結合剤,自己硬化性フェノール樹脂微粒
子を水性媒体中で撹拌し,きれいに分散しているのを確
認した後に凝集剤を加え水性スラリー中の固形分を不安
定化させて凝集させ,生成した凝集体を水と分離し,凝
集体シートマシンによりシートにし,乾燥した後,自己
硬化性フェノール樹脂が完全に熱硬化する温度で圧縮成
形して複合体を得る。
成形温度は100〜300℃,好ましくは150〜200℃とす
る。成形圧力は20〜1000kg/cm2,好ましくは50kg/cm2
300kg/cm2とする。プレス時間は5〜40分,好ましくは1
0〜20分とする。成形温度が100℃未満の場合は,自己硬
化性フェノール樹脂微粒子が完全に熱硬化し難く,300℃
を超える場合は経済的でない。プレス圧が20kg/cm2より
小さい場合十分な強度の複合体が得られ難く,1000kg/cm
2を超える場合は経済的でない。プレス時間が5分未満
の場合は自己硬化性フェノール樹脂微粒子を完全に熱硬
化させることが難しく,40分を超える場合は経済的でな
い。
(実施例) 次に本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 平均長さ6mmのチョップドガラス(UPDE−1/4−ZA508
ユニチカユーエムグラス製)4g,ラテックス結合剤(DS
−205大日本インキ化学工業製)0.3g,自己硬化性フェノ
ール樹脂微粒子(UNIVEKS−Ntypeユニチカ製)4gを水10
l中に分散させて水性スラリーを調製した。他方,凝集
剤としてポリマー(UF−330ユニチカ製)0.1gを水30gに
溶解したものを調製し,これを水性スラリーに加え固形
分を凝集させ,生成した凝集体と水を分離し,凝集体を
角型シ−トマシン(熊谷理機工業製)を用いてシートに
した。このシートを乾燥した後,170℃,プレス圧50kg/c
m2で15分間プレスを行いフェノール樹脂複合体を得た。
得られた複合体の特性値を表1に示す。
実施例2 強化用繊維として平均長さ12mmのチョップドガラス
(UPDE−1/2−ZA508)を用いた以外は,実施例1と同様
に処理して複合体を得た。得られた複合体の特性値を表
1に示す。
実施例3 強化用繊維として,平均長さ6mmの炭素繊維(HTA−C6
−PL東邦レーヨン製)4gを用いた以外は実施例1と同様
に処理して複合体を得た。得られた複合体の特性値を表
1に示す。
比較例1 自己硬化製フェノール樹脂微粒子の代わりに,エポキ
シ樹脂(エピコート−1001油化シェルエポキシ製)を粉
砕したものを用い,硬化剤として2−メチルイミダゾー
ル0.2gを加えた以外は実施例1と同様に処理して複合体
を得た。得られた複合体の特性値を表に示す。
(発明の効果) 本発明によれば,簡単な方法でフェノール樹脂複合体
を製造することができる。また,水性スラリーに分散さ
せる樹脂成分として自己硬化性フェノール樹脂を用いる
ので(硬化剤を必要としないので硬化剤の分散性の影響
はなく),自己硬化性フェノール樹脂は均一に硬化し,
得られる複合体は優れた曲げ強度,曲げ弾性率を有する
ものとなる。したがって本発明において得られる複合体
は各種構造材料として有用に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山形 阿都佐 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ 株式会社中央研究所内 (72)発明者 越後 良彰 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ 株式会社中央研究所内 審査官 井出 隆一 (56)参考文献 特開 平2−92952(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 5/04 B29C 70/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強化用繊維,結合剤,及び自己硬化性フェ
    ノール樹脂微粒子を含有する水性スラリーに,水中で前
    記結合剤中のポリマーの電荷と反対の電荷を示すポリマ
    ーを含有する凝集剤を添加して,スラリー中の固形分を
    不安定化させて凝集させ,生成した凝集体を水と分離し
    て乾燥させた後,成形することを特徴とするフェノール
    樹脂複合体の製造方法。
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