JP2903819B2 - 原子炉格納容器の圧力抑制設備 - Google Patents

原子炉格納容器の圧力抑制設備

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JP2903819B2 JP3340653A JP34065391A JP2903819B2 JP 2903819 B2 JP2903819 B2 JP 2903819B2 JP 3340653 A JP3340653 A JP 3340653A JP 34065391 A JP34065391 A JP 34065391A JP 2903819 B2 JP2903819 B2 JP 2903819B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉の安全設計で想
定することになっている冷却材喪失時に、原子炉から放
出される熱エネルギーを格納容器外に除去し、原子炉格
納容器内圧力の上昇を抑制するのに好適な技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】原子炉の安全設計で想定することになっ
ている冷却材喪失時に圧力抑制機能を有する原子炉格納
容器にあって、長期冷却時における崩壊熱を自然力を利
用した静的な方法で除去する方式として、特開昭63−19
1096号公報に記載の外周プール式冷却系を採用した自然
放熱型格納容器が提案されている。それは、原子炉格納
容器の外周部に冷却水プールを設け、炉心の崩壊熱で発
生した蒸気をベント管から導いて凝縮させ高温となった
圧力抑制室から、鋼製の格納容器壁を介して外周プール
に熱を伝えることで原子炉格納容器を冷却し、原子炉格
納容器の圧力上昇を抑制するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特許公報に記載の
外周プール式冷却系を採用した自然放熱型格納容器を相
対的に出力の大きい原子炉に適用する場合、冷却材喪失
時に炉心から原子炉格納容器内に放出される崩壊熱が原
子炉出力に比例して増大する結果、原子炉格納容器外へ
の放熱量も増大させる必要がある。
【0004】自然放熱型格納容器からの放熱量を増大さ
せる方法の一つとして、圧力抑制室から外周プールへの
伝熱面積を増大させる方法がある。鋼製格納容器壁を伝
熱面として用いる場合、原子炉格納容器直径を大きくす
る、またはベント管水深を深くし伝熱に有効な領域を高
さ方向に拡げることにより、伝熱面積を増大できる。し
かし原子炉格納容器直径の増大は、格納容器の耐圧能力
の低下をもたらし好ましくない。またベント管水深を深
くすると、破断部からドライウェルに流出した大量の蒸
気が、ドライウェル内の不凝縮性気体を伴ってベント管
から圧力抑制プールに急激に流入するブローダウン過程
において、圧力抑制プール水の盛り上がりが大きくなる
ため、プール水上方の空間を高くしたり、圧力抑制室内
の構造物の強度を増大する必要があり好ましくない。
【0005】本発明の目的は、冷却材喪失事故に基づく
原子炉格納容器内の圧力上昇を原子炉格納容器直径やベ
ント管水深の増大にのみ頼ることなく軽減することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1手段は、原
子炉格納容器内の圧力抑制プールから原子炉格納容器外
の外周プール内への熱伝達面を備えた原子炉格納容器に
おいて、前記原子炉格納容器外に給水源を有する前記両
プールに対する給水手段を備え、前記給水手段は、前記
給水源の水に圧力を付与する加圧手段と、前記給水源か
ら前記圧力抑制プールと前記外周プールへの送水路とを
備えていることを特徴とした原子炉格納容器の圧力抑制
設備である。
【0007】第2手段は、第1手段において、給水源は
原子炉格納容器の外側で気密に構成された補給水プール
の内に蓄積された補給水であり、加圧手段は原子炉格納
容器の外側に配備され前記補給水プールの気相空間に弁
を介して連通接続された蓄圧タンクと前記蓄圧タンク内
に蓄圧された加圧ガスであり、送水路は吸い込み口が補
給水プール内の液相領域内に配備され吐出口が圧力抑制
プールに臨ませて配備され途中に弁を備えた第1の配管
と前記補給水プールの液相領域内に吸い込み口が配備さ
れ吐出口が外周プールに臨ませてある第2の配管である
ことを特徴とした原子炉格納容器の圧力抑制設備であ
る。
【0008】第3手段は、第2手段において、補給水プ
ールは仕切りにより少なくとも蓄水領域が複数に区画さ
れ、区画された蓄水領域の少なくとも一つの領域に第1
配管の吸い込み口を他の領域の少なくとも一つに第2配
管の吸い込み口を配備してあることを特徴とした原子炉
格納容器の圧力抑制設備である。
【0009】第4手段は、第3手段において、第1の配
管の吸い込み口を配備されている補給水プールの区画に
蓄積される補給水量と第2の配管の吸い込み口が配備さ
れる補給水プールの区画に蓄積される補給水量との比は
圧力抑制プール内の通常時における冷却水量と外周プー
ル内の通常時における冷却水量との比に同等であること
を特徴とした原子炉格納容器の圧力抑制設備である。
【0010】第5手段は、第4手段において、補給水プ
ールの各区画内の水量の比は前記補給水プール内の仕切
りの位置を前記各区画の隣接方向に調整して設定されて
いることを特徴とした原子炉格納容器の圧力抑制設備で
ある。
【0011】第6手段は、原子炉格納容器内の圧力抑制
プールから原子炉格納容器外の外周プール内への熱伝達
面を備えた原子炉格納容器において、前記原子炉格納容
器外に給水源を有する前記両プールに対する給水手段を
備え、前記給水手段は、前記給水源が独立した複数の給
水源として存在し、その複数の給水源の少なくとも一つ
の給水源の水に圧力を付与する加圧手段と、前記一つの
給水源から前記圧力抑制プールへの送水路と、前記給水
源の他の少なくとも一つの給水源は外周プールよりも高
い位置に配備されて前記外周プールへの送水路を備えか
つ前記外周プールへの送水路に弁を備えていることを特
徴とした原子炉格納容器の圧力抑制設備である。
【0012】第7手段は、第6手段において、加圧手段
からの圧力が付与される給水源は気密に構成された補給
水プール内に蓄積された冷却水であり、前記加圧手段
は、原子炉圧力容器と弁を介して前記補給水プール内に
接続された配管であることを特徴とした原子炉格納容器
の圧力抑制設備である。
【0013】第8手段は、原子炉格納容器内の圧力抑制
プールから原子炉格納容器外の外周プール内への熱伝達
面を備えた原子炉格納容器において、前記原子炉格納容
器外に給水源を有する前記両プールに対する給水手段を
備え、前記給水手段は、原子炉圧力容器に弁を介して駆
動蒸気を受け入れるように接続されたタービンポンプ
と、前記タービン駆動ポンプの吸い込み側と前記給水源
との間に接続された配管と、前記タービン駆動ポンプの
吐出側から前記圧力抑制プールと前記外周プールへの配
管とを備えていることを特徴とした原子炉格納容器の圧
力抑制設備である。
【0014】第9手段は、原子炉格納容器内の圧力抑制
プールから原子炉格納容器外の外周プール内への熱伝達
面を備えた原子炉格納容器において、前記原子炉格納容
器外に給水源を有する前記両プールと原子炉格納容器の
ドライウェル内に対する給水手段を備え、前記ドライウ
ェル内への給水手段に前記ドライウェル内に配備された
スプレイノズルが接続されており、さらには前記ドライ
ウェル内への給水手段は、給水源が原子炉格納容器の外
側で気密に構成された補給水プールの内に蓄積された補
給水と、前記原子炉格納容器の外側に配備され前記補給
水プールの気相空間に弁を介して連通接続された蓄圧タ
ンクと、前記蓄圧タンク内に蓄圧された加圧ガスと、吸
い込み口が補給水プール内の液相領域内に配備され吐出
口がスプレイノズルに接続された配管と、その配管の途
中に設けた弁とを備えてなることを特徴とした原子炉格
納容器の圧力抑制設備である。
【0015】第10手段は、ドライウェル内の原子炉圧
力容器中に設置される炉心位置よりも上方の冷却水プー
ル中に装備された熱交換器と、前記熱交換器の伝熱管に
前記原子炉圧力容器からの蒸気を通す配管と、前記両方
の配管途中に設けられた弁と、前記熱交換器から前記原
子炉圧力容器内へ凝縮水を戻す配管と、前記熱交換器か
ら原子炉圧力抑制室内にガスを通す配管と、前記ドライ
ウェルと前記圧力抑制室と前記冷却水プールとを包含す
る原子炉格納容器と、前記原子炉格納容器の外側に設け
られて前記圧力抑制室内の圧力抑制プールと伝熱手段を
介在して熱的に接続して配備された外周プールと、前記
冷却水プールからの蒸気を前記原子炉格納容器の外側に
導くベント管とを備えており、前記熱交換器の伝熱管に
前記原子炉圧力容器からの蒸気を通す配管の途中に設け
られた弁と熱交換器との間の前記配管部分または前記熱
交換器内の少なくともいずれかとドライウェル内とを連
通する配管を備えていることを特徴とした原子炉格納容
器の圧力抑制設備である。第11手段は、原子炉格納容
器内の圧力抑制プールから原子炉格納容器外の外周プー
ル内への熱伝達面を備えた原子炉格納容器において、前
記原子炉格納容器外に給水源を有する前記両プールと原
子炉格納容器のドライウェル内に対する給水手段を備
え、前記原子炉格納容器は、鋼製であるとともに、その
原子炉格納容器内の圧力抑制室とドライウェルとを区画
形成するコンクリート構造物および前記コンクリート構
造物上方の運転階空間とを前記コンクリート構造物の周
囲に前記運転階空間に通じる空間を介在して覆ってお
り、この運転階に通じる空間には前記圧力抑制室内の気
相領域と液相領域とが連通口により連通されており、前
記原子炉格納容器の下部外周囲に前記原子炉格納容器の
外壁面に接して前記外周プールを備え、前記外周プール
より上方における前記原子炉格納容器の外壁面に接して
通風路を備え、前記通風路の下部に通風の入口が上部に
出口がそれぞれ設けられていることを特徴とした原子炉
格納容器の圧力抑制設備である。
【0016】第12手段は、ドライウェル内の原子炉圧
力容器中に設置される炉心位置よりも上方の冷却水プー
ル中に装備された熱交換器と、前記熱交換器の伝熱管に
前記原子炉圧力容器からの蒸気を通す配管と、前記両方
の配管途中に設けられた弁と、前記熱交換器から前記原
子炉圧力容器内へ凝縮水を戻す配管と、前記熱交換器か
ら原子炉圧力抑制室内にガスを通す配管と、前記ドライ
ウェルと前記圧力抑制室と前記冷却水プールとを包含す
る原子炉格納容器と、前記原子炉格納容器の外側に設け
られて前記圧力抑制室内の圧力抑制プールと伝熱手段を
介在して熱的に接続して配備された外周プールと、前記
冷却水プールからの蒸気を前記原子炉格納容器の外側に
導くベント管とを備え、前記原子炉格納容器は、鋼製で
あるとともに、その原子炉格納容器内の圧力抑制室とド
ライウェルとを区画形成するコンクリート構造物および
前記コンクリート構造物上方の運転階空間とを前記コン
クリート構造物の周囲に前記運転階空間に通じる空間を
介在して覆っており、この運転階に通じる空間には前記
圧力抑制室内の気相領域と液相領域とが連通口により連
通されており、前記原子炉格納容器の下部外周囲に前記
伝熱手段としての前記原子炉格納容器の外壁面に接して
前記外周プールを備え、前記外周プールより上方におけ
る前記原子炉格納容器の外壁面に接して通風路を備え、
前記通風路の下部に通風の入口が上部に出口がそれぞれ
設けられていることを特徴とした原子炉格納容器の圧力
抑制設備である。
【0017】第13手段は、ドライウェル内の原子炉圧
力容器中に設置される炉心位置よりも上方の冷却水プー
ル中に装備された熱交換器と、前記熱交換器の伝熱管に
前記原子炉圧力容器からの蒸気を通す配管と、前記両方
の配管途中に設けられた弁と、前記熱交換器から前記原
子炉圧力容器内へ凝縮水を戻す配管と、前記熱交換器か
ら原子炉圧力抑制室内にガスを通す配管と、前記ドライ
ウェルと前記圧力抑制室と前記冷却水プールとを包含す
る原子炉格納容器と、前記原子炉格納容器の外側に設け
られて前記圧力抑制室内の圧力抑制プールと伝熱手段を
介在して熱的に接続して配備された外周プールと、前記
冷却水プールからの蒸気を前記原子炉格納容器の外側に
導くベント管とを備え、前記原子炉格納容器に格納され
た前記原子炉圧力容器内に内蔵された炉心の位置および
前記原子炉格納容器内の前記圧力抑制室の位置よりも上
方の位置にして装備された重力落下水タンクを弁を介し
て前記原子炉圧力容器と連通した重力落下注水系と、冷
却水を前記炉心から前記重力落下水タンクまでの水頭差
に相当する圧力を超える高圧で封入した蓄圧注水タンク
と前記原子炉圧力容器とを弁を介して接続した蓄圧注水
系と、前記原子炉格納容器内の前記圧力抑制室内の炉心
上端より高い位置に配置された取水口と前記原子炉圧力
容器内とを弁を介して接続した冠水系との三種類の非常
用注水系を前記原子炉格納容器内に装備してあることを
特徴とした原子炉格納容器の圧力抑制設備である。
【0018】第14手段は、原子炉格納容器内の圧力抑
制プールから原子炉格納容器外の外周プール内への熱伝
達面を備えた原子炉格納容器において、前記原子炉格納
容器外に給水源を有する前記両プールと原子炉格納容器
のドライウェル内に対する給水手段を備え、前記原子炉
格納容器は、鋼製であるとともに、その原子炉格納容器
内の圧力抑制室とドライウェルとを区画形成するコンク
リート構造物および前記コンクリート構造物上方の運転
階空間とを前記コンクリート構造物の周囲に前記運転階
空間に通じる空間を介在して覆っており、この運転階に
通じる空間には前記圧力抑制室内の気相領域と液相領域
とが連通口により連通されており、前記原子炉格納容器
に格納された前記原子炉圧力容器内に内蔵された炉心の
位置および前記原子炉格納容器内の前記圧力抑制プール
の位置よりも上方の位置にして装備された重力落下水タ
ンクを弁を介して前記原子炉圧力容器と連通した重力落
下注水系と、冷却水を前記炉心から前記重力落下水タン
クまでの水頭差に相当する圧力を超える高圧で封入した
蓄圧注水タンクと前記原子炉圧力容器とを弁を介して接
続した蓄圧注水系と、前記原子炉格納容器内の圧力抑制
プール内の炉心上端より高い位置に配置された取水口と
前記原子炉圧力容器内とを弁を介して接続した冠水系と
の三種類の非常用注水系を前記原子炉格納容器内に装備
してあることを特徴とした原子炉格納容器の圧力抑制設
備である。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【作用】第1手段によれば、原子炉格納容器外から原子
炉格納容器内の圧力抑制プールと原子炉格納容器外の外
周プール内へ給水して水位を上昇させ、水冷の熱伝達面
を拡大する作用が得られ、その作用を得るに際して、給
水源の水面を加圧して給水に動圧をかけて水位を上昇さ
せるから、ポンプ等の動的機器を使用することなくその
作用を得ることができる。
【0025】第2手段によれば、第1手段による作用に
加えて、弁を開くことにより容易に補給水面に蓄圧タン
ク内の圧力を加えて圧力抑制プール内と外周プール内へ
の補給水の給水が行え、両者の水位をあげることができ
ると共に弁は圧力抑制室内の圧力により補給水が逆流す
ることを阻止して上昇した水位の確実な維持と原子炉格
納容器内の雰囲気が原子炉格納容器外に漏出することを
阻止する作用とを行う。
【0026】第3手段によれば、第2手段による作用に
加えて、第1と第2の各配管が給水する総量が蓄水領域
の区画により確定しているから圧力抑制プールと外周プ
ール内の水位の上昇量が想定した量と狂いが起きにくく
水位の上昇制御が正確に行える。
【0027】第4手段によれば、第3手段による作用に
加えて、圧力抑制プールへの補給水量と外周プール内へ
の補給水量が両プールの水位上昇量が同一になるように
補給水プール内の補給水が区画されているから、水位の
上昇制御を同一上昇量に制御でき、伝熱面に加わる両側
の水圧を同一にして伝熱面の変形を抑制できる作用が得
られる。
【0028】第5手段によれば、第4手段による作用に
加えて、補給水プールの各区画が前記補給水プール内の
仕切りの位置を前記各区画の隣接方向に調整して設定さ
れることで各区画内の水量比率が設定できる作用が得ら
れる。
【0029】第6手段によれば、原子炉格納容器外から
原子炉格納容器内の圧力抑制プールと原子炉格納容器外
の外周プール内へ給水して水位を上昇させ、水冷の熱伝
達面を拡大する作用が得られ、その水位上昇作用が、給
水源の水面を加圧することにより圧力抑制プールに補給
水を供給することにより、及び弁を開くことにより重力
によりもう一つの給水源から外周プール内へ補給水を供
給することにより、達成される。
【0030】第7手段によれば、第6手段による作用に
加えて、給水源は気密構造であるから加圧手段にガス圧
が利用できるようになって容易である上、圧力抑制プー
ルへの給水配管の途中にある弁を開閉することにより圧
力抑制プールへの給水と、原子炉格納容器内の雰囲気の
外部への漏出や給水の逆流を阻止できる作用が得られ
る。
【0031】第8手段によれば、原子炉格納容器外から
原子炉格納容器内の圧力抑制プールと原子炉格納容器外
の外周プール内へ給水して水位を上昇させ、水冷の熱伝
達面を拡大する作用が得られ、その水位上昇作用が、弁
を開くことにより、原子炉圧力容器内に発生した蒸気を
タービン駆動ポンプに供給して駆動せしめ、タービン駆
動ポンプで給水源の補給水に動圧を加え、圧力抑制プー
ルと外周プールへの補給水の給水作用が得られ、圧力抑
制プールと外周プールの水位が上昇することによって得
られる。
【0032】第9手段によれば、原子炉格納容器外から
原子炉格納容器内の圧力抑制プールと原子炉格納容器外
の外周プール内へ給水して水位を上昇させ、水冷の熱伝
達面を拡大する作用が得られ、さらには、各弁を開ける
ことにより蓄圧タンクからの圧力を受けた給水源の補給
水は配管を通ってスプレイノズル側に送られ、スプレイ
ノズルからドライウェル内への散水に供せられ、その散
水がドライウェル内への漏出蒸気を凝縮させ冷却に供す
る作用が得られ、前述の配管の途中に設けた弁を閉じて
おくことで事故により高圧になったドライウェル内の雰
囲気が給水源に漏出することを阻止する作用が得られ
る。
【0033】第10手段によれば、原子炉格納容器は圧
力抑制プールから外周プールへ熱を伝達して放熱し、さ
らに原子炉圧力容器内の蒸気を熱交換器内に受け入れて
冷却水で冷却することにより凝縮し、その凝縮水は原子
炉圧力容器内に戻し入れて炉心の冷却に供される。凝縮
作用により加熱された冷却プール水は蒸発してベント管
から原子炉格納容器外へ排出され放熱される。この様に
外部からの外周プールによる水冷と、内部からは熱交換
器による凝縮で原子炉格納容器内の熱を除去する作用が
得られ、さらには、前述の熱交換器による凝縮開始直後
等において大きな圧力や大量の蒸気が熱交換器側に入ろ
うとするとその圧力の一部は配管を通ってドライウェル
内に抜け出て原子炉圧力容器内の減圧を促進する上、原
子炉圧力容器内の圧力が減少してドライウェル圧力が相
対的に上がるとドライウェル内の蒸気がその配管を逆流
入して熱交換器に入り凝縮されるというドライウェル圧
力の圧力変化に対応して凝縮作用を長期に継続するとい
う作用が得られる。
【0034】第11手段によれば、原子炉格納容器外か
ら原子炉格納容器内の圧力抑制プールと原子炉格納容器
外の外周プール内へ給水して水位を上昇させ、水冷の熱
伝達面を拡大し、拡大した熱伝達面で、鋼製で放熱性が
よくなった原子炉格納容器下部から熱を奪って水冷冷却
し、上部は空冷にて冷却し、さらには、事故時に圧力を
圧力抑制室経由で運転階空間側に拡散させて、また圧力
抑制室内の蒸気を運転階空間に拡散させて蒸気の凝縮と
圧力の部分的な上昇とを抑制し、それらの相乗効果によ
り原子炉格納容器の耐圧能力を向上する作用が得られ
る。
【0035】第12手段によれば、原子炉格納容器は圧
力抑制プールから外周プールへ熱を伝達して放熱し、さ
らに原子炉圧力容器内の蒸気を熱交換器内に受け入れて
冷却水で冷却することにより凝縮し、その凝縮水は原子
炉圧力容器内に戻し入れて炉心の冷却に供される。凝縮
作用により加熱された冷却プール水は蒸発してベント管
から原子炉格納容器外へ排出され放熱される。さらに
は、鋼製で放熱性がよくなった原子炉格納容器下部から
外周プールへ放熱して水冷冷却し、上部は空冷にて冷却
し、さらには、事故時に圧力を圧力抑制室経由で運転階
空間側に拡散させて、また圧力抑制室内の蒸気を運転階
空間に拡散させて蒸気の凝縮と圧力の部分的な上昇とを
抑制し、この様に外部からの水冷と空冷及び内部での熱
交換器による凝縮作用および、圧力と蒸気の広範囲な拡
散作用との相乗効果により原子炉格納容器の耐圧能力を
向上する作用が得られる。
【0036】第13手段によれば、原子炉格納容器は圧
力抑制プールから外周プールへ熱を伝達して放熱し、さ
らに原子炉圧力容器内の蒸気を熱交換器内に受け入れて
冷却水で冷却することにより凝縮し、その凝縮水は原子
炉圧力容器内に戻し入れて炉心の冷却に供される。凝縮
作用により加熱された冷却プール水は蒸発してベント管
から原子炉格納容器外へ排出され放熱される。この様に
外部からの外周プールによる水冷と、内部からは熱交換
器による凝縮で原子炉格納容器内の熱を除去する作用が
得られ、さらには、蓄圧注水タンクに連なる弁を開くこ
とによりまず高圧封入された蓄圧注水タンク内の水が事
故直後のまだ比較的高圧な状態の原子炉圧力容器内に注
入される。その後に比較的低圧となった原子炉圧力容器
内に重力落下水タンク内の水が重力により注水される。
その後はさらに低圧となった原子炉圧力容器内に冠水系
を通じて圧力抑制室内の水が注入されて原子炉圧力容器
内の炉心が冷却される。この様に原子炉格納容器内で
は、熱交換器による減圧作用に加えて順次冷却系がリレ
ーされて長期の冷却を行って長期の減圧作用を継続して
行えるという作用が得られる。
【0037】第14手段によれば、原子炉格納容器外か
ら原子炉格納容器内の圧力抑制プールと原子炉格納容器
外の外周プール内へ給水して水位を上昇させ、水冷の熱
伝達面を拡大し、拡大した熱伝達面で、鋼製で放熱性が
よくなった原子炉格納容器から熱を奪い、さらには、事
故時に圧力を圧力抑制室経由で運転階空間側に拡散させ
て、また圧力抑制室内の蒸気を運転階空間に拡散させて
蒸気の凝縮と圧力の部分的な上昇とを抑制し、それらの
相乗効果により原子炉格納容器の耐圧能力を向上する作
用が得られ、さらには、蓄圧注水タンクに連なる弁を開
くことでまず高圧封入された蓄圧注水タンク内の水が事
故直後のまだ比較的高圧な状態の原子炉圧力容器内に注
入される。その後に比較的低圧となった原子炉圧力容器
内に重力落下水タンク内の水が重力により注水される。
その後はさらに低圧となった原子炉圧力容器内に冠水系
を通じて圧力抑制室内の水が注入されて原子炉圧力容器
内の炉心が冷却される。この様に原子炉格納容器の外部
からの冷却が効率よく行え、内部では、順次冷却系をリ
レーして作動させて長期の冷却を達成して長期の減圧作
用を継続して行えるという作用が得られる。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【実施例】まず、第1実施例を、図1〜図3に基づいて
説明する。
【0044】原子炉格納容器8は、一般的にコンクリー
トよりも熱伝導性の良い鋼製であってその内部は安全性
から不活性ガスが充填されている。その原子炉格納容器
8内のコンクリート構造物は、重力落下水タンク21と
ドライウェル3と図中に符号を付してはいないが圧力抑
制室4とを区画形成してある。
【0045】そのコンクリート構造物と原子炉格納容器
8との間に形成された環状の空間はコンクリート構造物
の上方にあるオペレーションフロアの空間に連通してい
る。圧力抑制室4は冷却水の入れられた圧力抑制プール
5と気相部であるウェットウェル6とからなる。その圧
力抑制プール5中にはドライウェル3がベント管7によ
り連通されている。その圧力抑制室4のコンクリート壁
11には連通口14,12,13が開けられており、連
通口13は通常時における圧力抑制プール5の水面より
も下方でできるだけプール底に近接して配置され、連通
口12は通常水面よりも上方であって事故時における増
水した圧力抑制プール5の水面よりも低い位置に配備さ
れ、連通口14はその増水した水面よりもさらに上方に
配備される。この様な連通口の配備関係であるから圧力
抑制プール5の冷却水は連通口13を通じて環状空間の
下部領域にも存在し、原子炉格納容器8内面に接触して
いる。
【0046】原子炉格納容器8は環状の空間83を介在
してコンクリト構造壁80により囲われている。その環
状空間83の下部領域は水平隔壁101よりも下部にお
いて外周プール9とされ、その中には冷却水が入れられ
ている。その冷却水の水位は圧力抑制プール5の水位と
同じにして原子炉格納容器への水圧が内側と外側とから
同一になるように水圧バランスを配慮し、水圧による格
納容器壁の変形を抑制する。そして、通常時の水位は事
故時初期に数十秒にわたりベント管7から圧力抑制プー
ル5水中に吐出される高圧蒸気や不凝縮性気体により圧
力抑制プール5水面が盛り上がって圧力抑制室4の天井
にダメージを与えないように低く設定される。これに伴
い水圧バランスから外周プール9の水位も低く設定され
る。その外周プール9の気相部領域はベント管102に
より外界に通じている。
【0047】コンクリート構造壁80は、原子炉格納容
器8を囲うように配備され、水平隔壁101よりも若干
上方において環状の空間83に通じる空気取入口81が
外界に通じて設けられている。そして、そのコンクリー
ト構造壁80の頂部には環状の空間83から外界に通じ
る空気排気口82が配備されている。
【0048】ドライウェル3内には原子炉圧力容器2が
装備されている。その原子炉圧力容器2内には冷却水が
入れられており、その冷却水中に制御棒により核反応が
制御されている炉心1が装備されている。
【0049】炉心1で加熱されて原子炉圧力容器2内の
冷却水が高温高圧蒸気とされ、その蒸気がタービン発電
機側に送られるために原子炉圧力容器2には複数の主蒸
気管10が接続される。その主蒸気管10の一部分がド
ライウェル3内を通過している。
【0050】その主蒸気管10には原子炉圧力容器2内
の圧力が過剰になると自動的に開く逃し安全弁を有した
自動減圧系26が各主蒸気管10ごとに接続されてい
る。その自動減圧系26の高圧蒸気排出管103は圧力
抑制プール5水中に開口しており、過剰な高温高圧蒸気
は圧力抑制プール水により凝縮される構成を有する。
【0051】原子炉格納容器8を包含するコンクリート
構造壁80には、外周プール9よりも上方の原子炉格納
容器8外表面を自然通風で冷却するための空気の取入口
81と排気口82を備えている。
【0052】原子炉格納容器8内には、非常用冷却系が
収納されて、非常用冷却系が原子炉格納容器8の壁を貫
通しないように、そして非常用冷却系を通じて放射能が
原子炉格納容器8からでないように配慮される。
【0053】非常用炉心冷却系として、原子炉圧力容器
2より上部に位置し逆止弁23を介して原子炉圧力容器
2と配管で連通された蓄圧注水タンク20を備えた蓄圧
注水系と、逆止弁24を介して原子炉圧力容器2と配管
で連通された重力落下水タンク21を備えた重力注水
系、ならびに圧力抑制プール5と原子炉圧力容器2を逆
止弁25を介して配管で連通する冠水系22との3系統
がある。
【0054】原子炉格納容器8の下方には補給水プール
30が設けられている。補給水プール30内の冷却水は
仕切り33により内周部31と外周部32に区画され
る。しかし、それら両区画の上方の気相空間34は両区
画で連通しあっている。この補給水プール30の底には
内周部31と外周部32とにそれぞれピット104が設
けられている。
【0055】原子炉格納容器8の下方には、さらに、不
凝縮性気体(窒素又は空気)を高圧で封入した蓄圧タン
ク35を設ける。
【0056】蓄圧タンク35内と補給水プール30の気
相空間34内とは配管36で連結され、その配管36の
途中には開閉弁37を備えている。
【0057】補給水プール30の内周部31内の冷却水
中は圧力抑制室4のウェットウェル6内と配管38で連
通可能に接続される。その配管38の途中には圧力抑制
室4側から補給水プール30側への流れを阻止する逆止
弁40が装着されて、原子炉格納容器8内から補給水プ
ール30側へ原子炉格納容器8内の雰囲気が抜け出るこ
とを阻止している。この配管38の補給水プール30側
の開口は内周部31内のピット104内に配備される。
【0058】補給水プール30の外周部32内の冷却水
中は配管39により外周プール9内の気相領域内に連通
可能に接続される。その配管39の補給水プール30側
の開口は外周部32内のピット104内に配備されてい
る。
【0059】図2および図3により、第1実施例の動作
を次に説明する。
【0060】原子炉の安全設計で想定する冷却材喪失事
故時には、炉心1で加熱された原子炉圧力容器2内の冷
却材が高温高圧の蒸気として、例えば主蒸気管10の破
断箇所からドライウェル3へ流出する。
【0061】その事故時には、炉心1に制御棒が挿入さ
れて炉心1内の核***反応が停止する方向に制御され
る。炉心1ではその制御後も長期にわたり崩壊熱が発生
する。破断箇所からの冷却材の流出により、原子炉圧力
容器2内の水位低下が原子炉圧力容器2に付随した水位
計により検知されると、その検知信号に基づいて主蒸気
管3に設けられた自動減圧系26の逃し安全弁が作動信
号を受けて開く方向に作動し原子炉圧力容器2内の蒸気
を圧力抑制プール5の水中に排気管103を通じて開放
して、原子炉圧力容器2の減圧を促進する。
【0062】原子炉圧力容器2の圧力が低下するに従
い、原子炉圧力容器2内の圧力が蓄圧注水タンク20内
に蓄えた圧力と同等になると、蓄圧注水タンク20内の
冷却水が逆止弁23を通過して原子炉圧力容器2内に注
入され始める。その注水が終了する直前から重力落下水
タンク21から重力落下水タンク21内の水頭と原子炉
圧力容器内の水頭との差により重力落下して原子炉圧力
容器2内に注入され始める。その注入が終了する直前か
ら、冠水系22を通じて水頭差により圧力抑制プール5
内の冷却水が原子炉圧力容器2に注水され始める。この
様にして各非常用炉心冷却系等がリレーして原子炉圧力
容器内に冷却水を注入して長期にわたり炉心1の冠水が
維持される。炉心1での崩壊熱はこの冷却水の蒸発によ
り除去される。蒸発蒸気は破断箇所からドライウェル3
に放出される。これにより、ドライウェル3の圧力が上
昇しベント管7内の水を押し下げ、蒸気は圧力抑制プー
ル5に流入して圧力抑制プール水中で凝縮される。この
凝縮作用により圧力抑制プール5の水量は増水するが増
水分は冠水系22による原子炉圧力容器2への注水にも
供せられる。この凝縮時にドライウェル3内にあった不
凝縮性気体は、放出された蒸気に押し出されかつ同伴さ
れて圧力抑制プールに流入し、プール中を上昇してウェ
ットウェル6に蓄積する。その上昇により圧力抑制プー
ル5水面は盛り上がるもののこの時点ではまだ通常水位
に近いから圧力抑制室4の天井にダメージを与えるに至
らない。
【0063】このブローダウン過程終了後、自動減圧系
26の逃し安全弁への作動信号を受けて開閉弁37を開
く。これは、開閉弁37を電動弁としてその電動弁駆動
制御部にその作動信号を受けさせて開弁方向に弁を駆動
することで達成できる。
【0064】開閉弁37が開くと蓄圧タンク35内に蓄
圧されていた高圧気体が、配管36を通って補給水プー
ル30の気相空間34に供給される。これにより気相空
間34の圧力が上昇し、補給水プール30の内外周部両
方の冷却水液面を押し下げるようになる。この様な状態
になると、補給水プール30の内周部31内の冷却水は
配管38を通じて圧力抑制室4内に注入され、外周部3
2内の冷却水は配管39を通じて外周プール9内に注入
されることとなる。
【0065】補給水プール30は、仕切り33により内
周部31と外周部32に区画しているが、内周部31と
外周部32の断面積比を圧力抑制プール5と外周プール
9の断面積比と等しくすることによって、注水後の圧力
抑制プール5と外周プール9の水位上昇量を等しくでき
る。このことにより、急に相対的水位差が生じて原子炉
格納容器8が変形することを抑制する。
【0066】図2は、原子炉の通常運転状態から、冷却
材喪失事故発生後で、補給水プール30の冷却水が圧力
抑制プール5及び外周プール9に注水された後の状態を
示す。この場合、配管38の挿入部の水位を測定して水
位が補給水プールの底になった時点で開閉弁37を閉じ
ることで蓄圧タンク35内の高圧ガスが圧力抑制室内に
入らないようにしている。また、配管38に設けた逆止
弁40により、ウェットウェル6内の不凝縮性気体や、
水位上昇後の圧力抑制プール5のプール水が、補給水プ
ール30内に逆流することはない。また配管38,39
の冷却水入り口は、補給水プール30の底にあるピット
104内に存在するから、補給水プール内の冷却水を極
力余すことなく注水目的方向に注水できる。また、ピッ
ト104内に冷却水が残るようであれば、その残存水に
よる水シールにより、気相空間34内の不凝縮性気体が
ウェットウェル6や外周プール9へ流入することを抑制
する。
【0067】一方、非常用冷却系の内、特に重力落下水
タンク21の冷却水の一部は原子炉圧力容器内へ注水さ
れた後に、破断箇所からオーバーフローしてドライウェ
ル3の下部空間を水没させる。したがって、原子炉圧力
容器2の上方に配置する重力落下水タンク21には炉心
1の冷却とドライウェル3の下部空間を水没させるに必
要な水量だけを確保し、圧力抑制プール5と外周プール
9の水位上昇に必要とする大量の冷却水は、原子炉格納
容器8内の下方に配置した補給水プール30に確保する
ようにした。
【0068】図3は、補給水プール30の冷却水によ
り、圧力抑制プール5と外周プール9の水位がL1 だけ
上昇した後の状態を拡大して示したものである。すなわ
ち、図3中の破線で示した通常運転時の水位から、補給
水プール30の冷却水注水で実線で示す位置まで圧力抑
制プール5及び外周プール9の水位が上昇している。
【0069】この様な状態になると、圧力抑制プール5
と外周プール9との水位の上昇により各プールの水冷領
域の伝熱面高さ及び各プールの冷却水が吸収する熱容量
の増大が達成される。
【0070】それに加えて、圧力抑制プール5を内周部
と外周部に区画するコンクリート構造壁11に設けた連
通口12,13により、以下の効果を得ることができ
る。即ち、ベント管7から流入する蒸気の凝縮潜熱によ
り高温となった圧力抑制プール5は、通常運転時の圧力
抑制プール水位より上方に設置された連通口12から、
鋼製格納容器8内壁面側へ流出し外周プール9で冷却さ
れる。その後圧力抑制プール底に近接して設けた連通口
13から、圧力抑制プール5の内周部に流入して、ベン
ト管7出口部よりも低い位置に停滞している低温水と混
合するようになり、圧力抑制プール5内の温度成層化現
象を緩和できる。この結果、外周プール9への放熱に有
効な高温領域をベント管よりも低い位置にまで拡大でき
るようになり、原子炉格納容器8からの放熱量を大幅に
増大できる。
【0071】原子炉格納容器8内の熱は蒸気の形で圧力
抑制プール5内に移行してそのプール5内の冷却水を加
熱する。加熱された冷却水は高温となり外周プール9内
の冷却水温度との間に大きな温度差を生じる。その大き
な温度差の発生領域は図3の矢印のように圧力抑制プー
ル5内の冷却水が流動することによりベント管7がプー
ル5の深い位置にまでなくともプール5内の上下方向の
ほぼ全域に拡大できる。
【0072】このために圧力抑制プール5の全域を原子
炉格納容器8内の熱を集積させる領域に利用でき、プー
ル5の蓄積熱量も拡大できるに至る。そして外周プール
9に対する大きな温度差を生じる領域が拡大した分大量
の熱を外周プール9内の冷却水へ原子炉格納容器8壁を
介して移行させることができる。外周プール9内の冷却
水は、熱を原子炉格納容器8から受けることにより、大
気圧下で100度になると蒸発してベント管102から
外界へ放出され、これに伴い熱も外界へ放出されること
となる。
【0073】ベント管7が深い位置にあってベント管7
からの吐出流体により冷却水を対流させる場合には初期
の凝縮作用時にベント管7から冷却水中に吹き出したガ
スにより生じるプール5の水面の盛り上がりが大きくな
るから、圧力抑制室の高さを高くし、結果として原子炉
格納容器8の大型化を招く。この実施例では、その大型
化を招くことなく大量の熱を効率良く外界へ放熱でき
る。
【0074】またウェットウェル6は、連通口14によ
り運転階(オペレーションフロア)の上部空間と連通し
ており、ウェットウェル6の実質的な容積が拡大し、原
子炉格納容器8内の圧力上昇を抑制する。
【0075】さらに事故後の時間経過に伴い、圧力抑制
プール5、及びウェットウェル6温度が上昇して外界の
外気との温度差が生じる。ウェットウェル6内の熱気は
圧力抑制室内の増水後は連通口14を通じて原子炉格納
容器8の内壁面沿いの環状空間に抜け出て運転階の上部
空間にまで移行して原子炉格納容器8の壁面を加熱す
る。加熱された原子炉格納容器8は、原子炉格納容器8
とコンクリート構造壁80との間の環状空間83に放熱
する。
【0076】その放熱を受けて環状空間83の雰囲気は
加熱されて上昇気流となる。その上昇気流は上昇して空
気排気口82から外界へ排気され、熱も同時に外界へ放
熱される。その排気に伴い、空気取入口81から環状空
間83内に外界の空気が自然流入して来る。環状空間8
3に流入したその空気は、原子炉格納容器8の壁からの
放熱により温度が上昇して排気口82から排気されると
いう自然通風による空冷機能が連続的に生じる。
【0077】この様に、原子炉格納容器8下部の外周プ
ール式冷却系とそれより上部の自然通風式冷却系を併用
できる。このことにより、原子炉格納容器の全周から効
率の良い放熱を促して原子炉格納容器内の圧力を抑制し
ている。
【0078】この様に、高圧気体を封入した蓄圧タンク
35を補給水プール30と接続させ、冷却材喪失事故時
に蓄圧タンク35内の気体の圧力を利用して、補給水プ
ール30の冷却水を圧力抑制プール5及び外周プール9
に注水し両プールの水位を上昇させることにより、両プ
ールの冷却水間での伝熱面積及び大量な冷却水によるプ
ールの熱容量の増大を図ることができる。このため、外
周プール式冷却系の放熱特性が向上し、より大出力のプ
ラントに適用できる。また重力落下水タンク21から圧
力抑制プール5への注水が不要となるため、重力落下水
タンク21は、炉心1の冷却とドライウェル3下部空間
の水没に必要な水量のみを保有する。したがって重力落
下水タンク21の保有水量が大幅に低減でき、原子炉格
納容器8の重心位置が下がり耐震性が向上する。
【0079】次に第2実施例を、図4に基づいて説明す
る。上記の第1実施例と異なる点は、次の通りであり、
第1実施例と共通部分は説明を省略してある。
【0080】補給水プール30の内周部31を原子炉格
納領域の中心よりに拡大して内周部31の冷却水保有水
量を増加させる。補給水プール30の内周部31から圧
力抑制プール5のドライウェル6に連通接続する配管3
8の途中から分岐させた配管41をドライウェル3の上
部領域まで延長して備える。その配管41にスプレイ用
ノズル42を備えたスプレイ設備を接続し、そのスプレ
イ設備をドライウェル3の上部領域内に設ける。
【0081】本実施例では、事故時には補給水プール3
0の内周部31の冷却水を圧力抑制プール5に注水する
ことに加えて、補給水プール30の内周部31の冷却水
の一部を配管41に通してノズル42からドライウェル
3内にスプレイすることができる。
【0082】これにより、事故時にドライウェル3内に
充満した蒸気を凝縮してドライウェル3の圧力上昇を抑
制する。スプレイされた冷却水は、ドライウェル3の下
部空間に蓄積するため、下部ドライウェルの冠水に用い
る重力落下水タンク21の保有水量をより一層低減でき
る。
【0083】その他の作用は第1実施例と同じであるか
らここではそれらの説明を省略してある。
【0084】次に第3実施例を図5に基づいて説明す
る。上記の第1実施例と異なる点は、次の通りであり、
第1実施例と共通部分は説明を省略してある。
【0085】第1実施例の高圧気体を封入した蓄圧タン
クに変えて、炉心1で発生した蒸気を圧力抑制プール5
へ開放する自動減圧系26の排気管103に、開閉弁4
4を有する配管43の一端を連通接続して設ける。配管
43の他端は補給水プール30の気相空間34に連通接
続させる。
【0086】また原子炉格納容器8とコンクリート構造
壁80の間の環状空間83内であって水平隔壁101上
部に冷却水プール45を設ける。冷却水プール45はそ
の底から開閉弁47を途中に備えた配管46で外周プー
ル9に連通可能に接続する。そして、補給水プール30
内の仕切りは排除され、内周部と外周部との区画は存在
していない。
【0087】本実施例では、自動減圧系26の逃し安全
弁の作動信号を受けて開閉弁44を開く。これにより、
事故時に排気管103を通じて排気されるべき炉心1で
発生した高圧の蒸気の一部が、自動減圧系26の排気管
103から配管43を通して補給水プール30の気相空
間34に流入する。その結果、図1に示した実施例と同
様に気相空間34の圧力が上昇し、補給水プール30の
液面を押し下げるようになる。このため、補給水プール
30の冷却水中に挿入された配管38から圧力抑制プー
ル5に冷却水が注水される。なお配管43を通して補給
水プール30に供給される蒸気は、放射能を有する1次
冷却水であるため、図1に示した実施例のように外界へ
通じる外周プール9側への注水には利用できない。この
ため、外周プール9の上方に位置する冷却水プール45
を配置して、開閉弁44の作動と同時に開閉弁47を開
き、配管46を通して冷却水が重力差によって外周プー
ル9に注水されるようにしている。開閉弁44,47の
作動のために、逃し安全弁に供給される作動信号を開閉
弁44,47にも供給して作動タイミングをそろえてい
る。その他の作用は第1実施例と同じであるからここで
はそれらの説明を省略してある。
【0088】次に第4実施例を、図6に基づいて説明す
る。上記の第1実施例と異なる点は、次の通りであり、
第1実施例と共通部分は説明を省略してある。
【0089】圧力抑制室4よりも下方にタービン駆動ポ
ンプ50を設ける。そのタービン駆動ポンプ50のター
ビン部に蒸気を供給するため、開閉弁49を途中に備え
た配管48で主蒸気管10とタービン部とを接続する。
タービン駆動ポンプ50のポンプ吸込み側と補給水プー
ル30の冷却水中とを配管51で連通接続する。タービ
ン駆動ポンプ50のポンプ吐出側と圧力抑制室4内とを
配管52で連通接続する。同じく、タービン駆動ポンプ
50のポンプ吐出側と外周プール9内とを配管53で連
通接続する。
【0090】本実施例では、自動減圧系26の逃し安全
弁への作動信号を受けて開閉弁49にも受けさせてその
開閉弁49を開く。この様にすると、事故直後のまだ高
圧な状態の炉心1で発生した蒸気の一部を、配管44を
通してタービン駆動ポンプ50のタービンに供給でき
る。これにより、蒸気タービンが回転し、タービン駆動
ポンプ50により配管51を通じて補給水プール30内
の冷却水を吸込み、ポンプ吐出側の配管52,53経由
で圧力抑制プール5及び外周プール9に冷却水が注水さ
れる。その他の作用は第1実施例と同じであるからここ
ではそれらの説明を省略してある。
【0091】次に第5実施例を説明する。
【0092】原子炉格納容器8は鋼製であってその内部
には不活性ガスが充填されている。その原子炉格納容器
8内のコンクリート構造物は、重力落下水タンク21と
冷却水プール61とドライウェル3と圧力抑制室4とを
区画形成してある。
【0093】そのコンクリート構造物と原子炉格納容器
8との間に形成された環状の空間はコンクリート構造物
の上方にあるオペレーションフロアの空間に連通してい
る。圧力抑制室4は冷却水の入れられた圧力抑制プール
5と気相部であるウェットウェル6とからなる。その圧
力抑制プール5中にはドライウェル3がベント管7によ
り連通されている。その圧力抑制室4のコンクリート壁
11には連通口14,12,13が開けられている。連
通口13は通常時における圧力抑制プール5の水面より
も下方でできるだけプール底に近接して配置され、連通
口12は通常水面よりも下方であって連通口13よりも
上方の位置に配備され、連通口14はその水面よりもさ
らに上方に配備される。この様な連通口の配備関係であ
るから圧力抑制プール5の冷却水は連通口12,13を
通じて環状空間の下部領域にも存在し、原子炉格納容器
8内面に接触している。
【0094】原子炉格納容器8は環状の空間83を介在
してコンクリト構造壁80により囲われている。その環
状空間83の下部領域は水平隔壁101よりも下部にお
いて外周プール9とされる。その外周プール9中には冷
却水が入れられている。その冷却水の水位は圧力抑制プ
ール5の水位と同じにして原子炉格納容器への水圧が内
側と外側とから同一になるように水圧バランスを配慮
し、水圧による格納容器壁の変形を抑制する。そして、
通常時の水位は事故時初期に数十秒にわたりベント管7
から圧力抑制プール5水中に吐出される高圧蒸気や不活
性ガスにより圧力抑制プール5水面が盛り上がって圧力
抑制室4の天井にダメージを与えないように低く設定さ
れる。これに伴い水圧バランスから外周プール9の水位
も低く設定される。その外周プール9の気相部領域はベ
ント管102により外界に通じている。
【0095】コンクリート構造壁80は、原子炉格納容
器8を囲うように配備され、水平隔壁101よりも若干
上方において環状の空間83に通じる空気取入口81が
外界に通じて設けられている。そして、そのコンクリー
ト構造壁80の頂部には環状の空間83から外界に通じ
る空気排気口82が配備されている。
【0096】ドライウェル3内には原子炉圧力容器2が
装備されている。その原子炉圧力容器2内には冷却水が
入れられており、その冷却水中に制御棒により核反応が
制御されている炉心1が装備されている。
【0097】炉心1で加熱されて原子炉圧力容器2内の
冷却水が高温高圧蒸気とされ、その蒸気がタービン発電
機側に送られるために原子炉圧力容器2には複数の主蒸
気管10が接続される。その主蒸気管10の一部分がド
ライウェル3内を通過している。
【0098】その主蒸気管10には原子炉圧力容器2内
の圧力が過剰になると自動的に開く逃し安全弁を有した
自動減圧系26が各主蒸気管10ごとに接続されてい
る。その自動減圧系26の高圧蒸気排出管103は圧力
抑制プール5水中に開口しており、過剰な高温高圧蒸気
は圧力抑制プール水により凝縮される構成を有する。
【0099】原子炉格納容器8内には、非常用冷却系が
収納されて、非常用冷却系が原子炉格納容器8の壁を貫
通しないように、そして非常用冷却系を通じて放射能が
原子炉格納容器8からでないように配慮される。
【0100】非常用炉心冷却系として、原子炉圧力容器
2より上部に位置し逆止弁23を介して原子炉圧力容器
2と配管で連通された蓄圧注水タンク20を備えた蓄圧
注水系と、逆止弁24を介して原子炉圧力容器2と配管
で連通された重力落下水タンク21を備えた重力注水
系、ならびに圧力抑制プール5と原子炉圧力容器2を逆
止弁25を介して配管で連通する冠水系22との3系統
がある。
【0101】冷却水プール61はコンクリート構造物に
より密閉されており、そのプール上方の気相空間が唯一
排気管70により外界に通じている。その冷却水プール
61の冷却水中には複数の蒸気凝縮式冷却系の熱交換器
60を冷却水に接して備え付けられている。蒸気凝縮式
冷却系設備の熱交換器60は、シェルアンドチューブ型
熱交換器であり、複数の伝熱管65と、伝熱管65の上
部と下部に接続されたプレナム64,66から構成され
る。上部プレナム64は、主蒸気管10へ開閉弁63を
介して配管62で接続される。下部プレナム66には、
下部プレナム66底から逆止弁68を介して原子炉圧力
容器2に配管67を接続する。下部プレナム66の中間
高さ部から圧力抑制プール5内の冷却水中に配管69に
て連通接続する。
【0102】原子炉の安全設計で想定する冷却材喪失事
故時には、炉心1で加熱された原子炉圧力容器2内の冷
却材が高温高圧の蒸気として、例えば主蒸気管10の破
断箇所からドライウェル3へ流出する。
【0103】その事故時には、炉心1に制御棒が挿入さ
れて炉心1内の核***反応が停止する方向に制御され
る。炉心1ではその制御後も長期にわたり崩壊熱が発生
する。破断箇所からの冷却材の流出により、原子炉圧力
容器2内の水位低下が原子炉圧力容器2に付随した水位
計により検知されると、その検知信号に基づいて主蒸気
管3に設けられた自動減圧系26の逃し安全弁が作動信
号を受けて開く方向に作動し原子炉圧力容器2内の蒸気
を圧力抑制プール5の水中に排気管103を通じて開放
して、原子炉圧力容器2の減圧を促進する。
【0104】原子炉圧力容器2の圧力が低下するに従
い、原子炉圧力容器2内の圧力が蓄圧注水タンク20内
に蓄えた圧力と同等になると、蓄圧注水タンク20内の
冷却水が逆止弁23を通過して原子炉圧力容器2内に注
入され始める。その注水が終了する直前から重力落下水
タンク21から重力落下水タンク21内の水頭と原子炉
圧力容器内の水頭との差により重力落下して原子炉圧力
容器2内に注入され始める。その注入が終了する直前か
ら、冠水系22を通じて水頭差により圧力抑制プール5
内の冷却水が原子炉圧力容器2に注水され始める。この
様にして各非常用冷却系等がリレーして原子炉圧力容器
内に冷却水を注入して長期にわたり炉心1の冠水が維持
される。炉心1での崩壊熱はこの冷却水の蒸発により除
去される。蒸発蒸気は破断箇所からドライウェル3に放
出される。これにより、ドライウェル3の圧力が上昇し
ベント管7内の水を押し下げ、蒸気は圧力抑制プール5
に流入して圧力抑制プール水中で凝縮される。この凝縮
作用により圧力抑制プール5の水量は増水するが増水分
は冠水系22による原子炉圧力容器2への注水にも供せ
られる。この凝縮時にドライウェル3内にあった不凝縮
性気体は、放出された蒸気に押し出されかつ同伴されて
圧力抑制プールに流入し、プール中を上昇してウェット
ウェル6に蓄積する。その上昇により圧力抑制プール5
水面は盛り上がるもののこの時点ではまだ通常水位に近
いから圧力抑制室4の天井にダメージを与えるに至らな
い。
【0105】このブローダウン過程終了後、自動減圧系
26の逃し安全弁への作動信号を受けて開閉弁63を開
く。これは、開閉弁63を電動弁としてその電動弁駆動
制御部にその作動信号を受けさせて開弁方向に弁を駆動
することで達成できる。
【0106】ブローダウン過程までは、圧力抑制プール
5により初期のドライウェル3の圧力上昇を吸収する。
その後、開閉弁63が開くと、主蒸気管10に連結され
た配管62を通して、炉心1で発生した蒸気の一部が熱
交換器60に流入することで、蒸気凝縮式冷却系が作動
する。熱交換器60に流入した蒸気は、上部プレナム6
4から伝熱管65内に分配され、プール61内の冷却水
により冷却されて凝縮する。凝縮水は、伝熱管65の内
面に沿って下部プレナム66に流下し、また一部の未凝
縮蒸気と不凝縮性気体も下部プレナム66に流入する。
下部プレナム66は、底面に配管67,中間部に配管6
8の入口部を備えており、これら配管入口部の高低差に
より、凝縮水と不凝縮性気体を分離する。凝縮水は、配
管67を通って重力により原子炉圧力容器2に戻り、一
方不凝縮性気体は、配管68から圧力抑制プール5に流
入し、ウェットウェル6に蓄積する。伝熱管65内を流
れる蒸気を凝縮するシェル側のプール61水は、凝縮潜
熱を受けて温度が上昇する。冷却水プール61は、大気
開放としており100℃で飽和温度に達し、それ以降は
該プール61水が蒸発し、排気管70から原子炉格納容
器8外に放出されることで、炉心1で発生する崩壊熱が
除去できる。
【0107】また図8に示す第6実施例のように、主蒸
気管10と熱交換器60を連結する配管62に、一端を
ドライウェル3内に開放した配管71を接続させた第5
実施例の変形例においては、事故後初期の原子炉圧力容
器2内の圧力が高い場合には、配管62から分岐した配
管71を通して炉心1で発生した蒸気の一部がドライウ
ェル3内に流出して原子炉圧力容器2の減圧が促進され
るため、蓄圧注水タンク20や重力落下水タンク21か
らの早期注水が可能となる。事故後後期、ドライウェル
3の圧力が上昇した場合には、ドライウェル3内の不凝
縮性気体を含む蒸気が配管71を通して熱交換器60に
流入するようになり、蒸気凝縮能力が向上する。さらに
開閉弁63が故障した場合においても、配管71からド
ライウェル3内の蒸気が熱交換器60に流入するため、
熱交換器60を用いた冷却系設備の信頼性が向上する。
【0108】一方、ベント管7を通してドライウェル3
内の不凝縮性気体を含む蒸気の一部が圧力抑制プール5
に流入するため、圧力抑制プール5内に移行した熱は圧
力抑制プール5内の冷却水が連通口12,13を通って
対流することにより原子炉格納容器壁面と接触して外周
プール9内の冷却水中に熱を移行させる。外周プール9
中の冷却水は熱を受けることにより蒸発してベント管1
02から放出され、これに伴って熱も外界へ放出される
こととなる。この様な外周プール式冷却系も作動する。
【0109】さらには、ウェットウェル6は、連通口1
4により運転階(オペレーションフロア)の上部空間と
連通しており、ウェットウェル6の実質的な容積が拡大
し、原子炉格納容器8内の圧力上昇を抑制する。
【0110】さらに事故後の時間経過に伴い、圧力抑制
プール5、及びウェットウェル6温度が上昇して外界の
外気との温度差が生じる。ウェットウェル6内の熱気は
圧力抑制室内の増水後は連通口14を通じて原子炉格納
容器8の内壁面沿いの環状空間に抜け出て運転階の上部
空間にまで移行して原子炉格納容器8の壁面を加熱す
る。加熱された原子炉格納容器8は、原子炉格納容器8
とコンクリート構造壁80との間の環状空間83に放熱
する。
【0111】その放熱を受けて環状空間83の雰囲気は
加熱されて上昇気流となる。その上昇気流は上昇して空
気排気口82から外界へ排気され、熱も同時に外界へ放
熱される。その排気に伴い、空気取入口81から環状空
間83内に外界の空気が自然流入してくる。環状空間8
3に流入したその空気は、原子炉格納容器8の壁からの
放熱により温度が上昇して排気口82から排気されると
いう自然通風による空冷機能が連続的に生じる。
【0112】この様に、蒸気凝縮式冷却系と原子炉格納
容器8下部の外周プール式冷却系とそれより上部の自然
通風式冷却系を併用できる。このことにより、原子炉格
納容器の全周から効率の良い放熱を促して原子炉格納容
器内の圧力を抑制している。図7に示す実施例の温度変
化を図9,図10を用いて説明する。冷却材喪失事故発
生後、炉心1で発生する崩壊熱量の変化を図9に、原子
炉格納容器8を冷却するために蒸気凝縮式冷却系,外周
プール式冷却系、及び自然通風式冷却系を併用した場合
の圧力抑制プール5温度の変化を図10で概念的に示
す。本実施例においても、破断箇所からの冷却材の流出
により原子炉圧力容器2内の水位低下が検知されると、
主蒸気管3に設けられた自動減圧系26が作動し、原子
炉圧力容器2内の蒸気を圧力抑制プール5に開放して、
原子炉圧力容器2の減圧を促進する。原子炉圧力容器2
の圧力が低下するに従い、順次蓄圧注水タンク20,重
力落下水タンク21および冠水系22から圧力差,重力
差で冷却水が原子炉圧力容器2に注水され、炉心1の冠
水が維持される。炉心1での崩壊熱はこの冷却水の蒸発
により除去され、破断箇所から蒸気がドライウェル3に
放出される。これにより、ドライウェル3の圧力が上昇
しベント管7内の水を押し下げ、蒸気は圧力抑制プール
5に流入してプール水中で凝縮するため圧力抑制プール
5水温が上昇する(図9のaの時点まで)。このブロー
ダウン過程終了後、自動減圧系26の作動信号を受けて
開閉弁63を開くことで蒸気凝縮式冷却系が作動し、ま
た圧力抑制プール5と外周プール9との温度差が生じて
いるため外周プール式冷却系も作動して、原子炉格納容
器8を冷却する。蒸気凝縮式冷却系においては、プール
61水が飽和温度に達した後プール61水が蒸発するた
め、事故後の時間経過に伴いプール61の水位が低下し
放熱量が減少する。放熱量の減少によって熱交換器60
で凝縮できなかった蒸気は、ドライウェル3内の不凝縮
性気体とともに配管69から圧力抑制プール5に流入す
る。この結果、圧力抑制プール5に流入する蒸気流量が
増加して、圧力抑制プール5水温が上昇し、外周プール
9との温度差が拡大するため、鋼製格納容器壁8を介し
て外周プール9への放熱量が増加していくことで、圧力
抑制プール5水温の上昇が抑制される。
【0113】蒸気凝縮式冷却系のプール61水が喪失
(図9のbの時点)した後は、外周プール式冷却系の放
熱量が増加により外周プール9の水温が上昇する。外周
プール9水温が、飽和温度100℃に達した後は、外周
プール水9が蒸発して水位が低下するため、外周プール
式冷却系の放熱量が減少する。外周プール9の水位低下
を抑制する手段の一例としては、数基の原子炉で共有す
る補給水源(図示せず)を建設サイト内に設けておき、
事故が発生した原子炉の外周プール9に冷却水を供給す
る方法がある。しかし、この外周プール9用の補給水源
を設けても補給水容量の限界があり、事故後の時間経過
に伴い、外周プール9の水位が低下して外周プール式冷
却系の放熱量が減少するため、圧力抑制プール5、及び
ウェットウェル6温度が上昇する。ウェットウェル6
は、原子炉格納容器8内の運転階上部空間と連通してい
るため、高温となったウェットウェル6空間から鋼製の
原子炉格納容器8の上部壁を介して、コンクリート構造
壁80との間の環状空間83に放熱する。この原子炉格
納容器8上部のウェットウェル6空間から環状空間83
への放熱によって、取入口81から流入した空気温度が
上昇して、排気口82から排気されるようになり、自然
通風冷却による放熱量が増加する。このように、事故時
の後期においては外周プール式冷却系と自然通風式冷却
系を併用して原子炉格納容器8を冷却できるため、圧力
抑制プール5水温の上昇が抑制される。
【0114】外周プール9水が喪失(図9のcの時点)
した後は、炉心1で発生する崩壊熱量はかなり小さくな
り、自然通風式冷却系単独で原子炉格納容器8を冷却で
きるようになり、それ以降は崩壊熱量の減衰にしたがっ
て、圧力抑制プール5の温度が低下していく。したがっ
て、炉心1で発生する崩壊熱量と自然通風式冷却系単独
での放熱量がバランスする時刻を想定して、外周プール
9の補給水量を定めておくことで、事故時に運転員の操
作を不要とする時間(ウォークアウェイ時間)をほぼ無
限大とすることができる。
【0115】第7実施例を図11により説明する。本実
施例は基本的に、図1に示した実施例と図7に示した実
施例を組み合わせたものである。本実施例では、事故後
に蓄圧タンク35内の高圧気体を利用して補給水プール
30の冷却水を圧力抑制プール5及び外周プール9に注
水する外周プール式冷却系と蒸気凝縮式冷却系を併設し
て、原子炉格納容器8からの放熱特性をさらに向上させ
たものである。図7の実施例と比較すると、外周プール
式冷却系の放熱能力が増加しており、同じ出力の原子炉
プラントに適用する場合には、蒸気凝縮式冷却系の熱交
換器60の基数を低減する、あるいは原子炉格納容器8
を小型化することが可能となる。また原子炉格納容器8
の形状を同一とした場合には、適用可能な原子炉プラン
トの出力を増大できる。また図5及び図6に示した実施
例と図7に示した実施例を組み合わせることも同様に可
能であり、図10の実施例と同等の作用を得ることがで
きる。
【0116】このように、大出力のプラントに適用した
場合においても、原子炉格納容器8の上方に蒸気凝縮式
冷却系と自然通風式冷却系を、下部に外周プール式冷却
系を設け、三系統の冷却系設備を併用することで、原子
炉格納容器8の形状や物量を過度に増加させることな
く、炉心1で発生する崩壊熱量の減衰に応じて効率よく
原子炉格納容器8を冷却して事故時の圧力上昇を抑制で
きる。また静的な格納容器冷却系を併用することで、プ
ラントの安全性及び信頼性が向上するほか、事故時のプ
ラントの運転員の操作不要時間を延長することができる
ため、運転員の負担が軽減される。
【0117】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、原子炉格納容
器外から圧力抑制室と外周プールとに給水することによ
り事故後の水冷伝熱面を拡大できるので、原子炉格納容
器の大型化と耐震性の悪化を極力伴うことなく、事故後
の原子炉格納容器内圧力の抑制機能の向上効果、及び加
圧手段により給水が可能であるから水源と給水先との相
対的高さを考慮することなく水源と給水先との配置関係
を自由にすることができ、このことは特に水源位置を低
めて一層の耐震性の向上に有効となる効果とを生じる。
【0118】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
による効果に加えて、補給水を給水先へガス圧で送るこ
とができるから、ポンプ等の機械的稼働部を多用しない
信頼性の良い給水作用が得られ、事故後の原子炉格納容
器内圧力の抑制機能の信頼性が向上する効果が得られ
る。
【0119】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
による効果に加えて、複数の給水先に対して水源が区画
されているから、各給水先への給水量が確定でき、各給
水先への給水量の過不足がなく、片方の給水先に過剰に
給水されたり給水量が不足したりすることが防止できる
という効果が得られる。
【0120】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
による効果に加えて、圧力抑制プールと外周プールの水
位を同一にできるから両プール間の伝熱面に両面からか
かる水圧を極力同一にして伝熱面の変形を抑制できると
いう効果が得られる。
【0121】請求項5の発明によれば、請求項4の発明
による効果に加えて、請求項6の発明の効果を達成する
水量の比率の決定構成につき具体的に提供できるという
効果がある。
【0122】請求項6の発明によれば、原子炉格納容器
外から圧力抑制室と外周プールとに給水することにより
事故後の水冷伝熱面を拡大できるので、原子炉格納容器
の大型化と耐震性の悪化を極力伴うことなく、事故後の
原子炉格納容器内圧力の抑制機能の向上効果、及び原子
炉格納容器外の外周プールへの給水は重力を利用できる
から簡単な構成の重力による落水を供給手段に採用しな
がらも外周プールへの水源は原子炉格納容器外に置いて
原子炉格納容器を一層小型にできるという効果が得られ
る。
【0123】請求項7の発明によれば、請求項6の発明
による効果に加えて、ポンプ等の動的機器を多用するこ
となく圧力抑制室内に補給水を供給してその供給の信頼
性を向上できる効果が得られる。
【0124】請求項8の発明によれば、原子炉格納容器
外から圧力抑制室と外周プールとに給水することにより
事故後の水冷伝熱面を拡大できるので、原子炉格納容器
の大型化と耐震性の悪化を極力伴うことなく、事故後の
原子炉格納容器内圧力の抑制機能の向上効果、及び原子
炉圧力容器内で発生した蒸気を利用して駆動されるポン
プにより原子炉格納容器外からの外部からの力を借りる
ことなく確実に給水源の水を組み上げて圧力抑制室内の
圧力抑制プールと外の外周プールとに給水できる効果が
得られる。
【0125】請求項9の発明によれば、原子炉格納容器
外から圧力抑制室と外周プールとに給水することにより
事故後の水冷伝熱面を拡大できるので、原子炉格納容器
の大型化と耐震性の悪化を極力伴うことなく、事故後の
原子炉格納容器内圧力の抑制機能の向上効果、及び原子
炉格納容器内のドライウェル内では、スプレイノズルか
らの散水によりドライウェル内の蒸気を凝縮してより一
層良く圧力抑制効果を発揮する、またその散水によりド
ライウェル内下部の浸水状態を早く且つその浸水状態を
得るために必要な原子炉格納容器内の水源容量を減少さ
せることができて小型で耐震性の良い原子炉格納容器の
構成に適するという効果、並びにそれらの効果を、ポン
プ等の動的機器の多用や原子炉格納容器側からの逆流を
避けながら、信頼性良く達成できるという効果が得られ
る。
【0126】請求項10の発明によれば、炉心の崩壊熱
を、原子炉格納容器外側の水冷機能が直接的には届かな
い原子炉格納容器内側では熱交換器により除去し、外側
からは水冷により除去するから、原子炉格納容器内の圧
力抑制効果が高まるという効果、及び原子炉圧力容器の
減圧を促進し非常用炉心冷却系の注水を早める効果と、
ドライウェル内へ漏出した蒸気の凝縮作用にも熱交換器
を利用できて原子炉格納容器内の圧力抑制効果が向上す
るという効果とが得られ、これらの効果の相乗効果によ
って一層原子炉格納容器内の圧力抑制効果が高まるとい
う効果が得られる。
【0127】請求項11の発明によれば、原子炉格納容
器外から圧力抑制室と外周プールとに給水することによ
り事故後の水冷伝熱面を拡大できるので、原子炉格納容
器の大型化と耐震性の悪化を極力伴うことなく、事故後
の原子炉格納容器内圧力の抑制機能の向上効果が得ら
れ、さらに、その原子炉格納容器内圧力の抑制機能を、
材質及び構造的に圧力の上昇が緩慢で放熱性の良い原子
炉格納容器とした上で、その原子炉格納容器の下部を水
冷し、上部を水圧が加わらない空冷とし、原子炉格納容
器の全体を積極的に冷却して一層増大する効果、並び
に、高所を空冷としたから、冷却水で原子炉格納容器が
潰れたり耐震性能の悪化を一層が抑制できる効果とが得
られる。
【0128】請求項12の発明によれば、炉心の崩壊熱
を、原子炉格納容器外側の水冷機能が直接的には届かな
い原子炉格納容器内側では熱交換器により除去し、外側
からは水冷により除去するから、原子炉格納容器内の圧
力抑制効果が高まる効果、及び原子炉格納容器内の構造
が区画形成に自由度の大きなコンクリート製であっても
原子炉格納容器の外郭が鋼製であるから、外側への放熱
製が良好である上、運転階をも圧力抑制室に連通させて
圧力抑制機能空間に利用するから圧力の上昇が緩慢であ
り且つ、その運転階空間から鋼製の格納容器を介して外
へ放熱させることができ、全体として放熱性が良く、圧
力抑制の効果が一層向上する効果、並びに原子炉格納容
器の放熱性がよいことを利用して、原子炉格納容器の下
部を水冷し、上部を水圧が加わらない空冷とし、原子炉
格納容器の全体を積極的に冷却することができるから圧
力抑制効果がより一層向上し、且つ高所を空冷としたか
ら、冷却水で原子炉格納容器が潰れたり耐震性能が弱く
なるということが防止でき、これらの相乗効果によって
原子炉圧力容器内の圧力抑制効果と耐振性能とが向上す
る効果が得られる。
【0129】請求項13の発明によれば、炉心の崩壊熱
を、原子炉格納容器外側の水冷機能が直接的には届かな
い原子炉格納容器内側では熱交換器により除去し、外側
からは水冷により除去する作用、及び、原子炉圧力容器
内に対しては複数の系統による非常用炉心冷却系を各系
統間で時間経過によりリレーさせて長期にわたり炉心を
冠水維持させて冷却する作用をなし、原子炉圧力容器の
内外において冷却効果を長期にわたって行きわたらせて
原子炉格納容器内の長期の圧力抑制効果を達成する効果
が得られる。
【0130】請求項14の発明によれば、原子炉格納容
器外から圧力抑制室と外周プールとに給水することによ
り事故後の水冷伝熱面を拡大できるので、原子炉格納容
器の大型化と耐震性の悪化を極力伴うことなく、事故後
の原子炉格納容器内圧力の抑制機能の向上効果が得ら
れ、さらに、その原子炉格納容器を、材質及び構造的に
圧力の上昇が緩慢で放熱性の良い構成としたのでその抑
制機能がより増進し、さらには原子炉圧力容器内に対し
ては複数の系統による非常用炉心冷却系を各系統間で時
間経過によりリレーさせて長期にわたり炉心を冠水維持
させて冷却する作用をなし、原子炉圧力容器内の冷却効
果を長期にわたって確実に行って原子炉格納容器内の長
期の圧力抑制効果を一層確実に達成する効果が得られ
る。
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による原子炉設備の縦断面
図である。
【図2】第1実施例における圧力抑制プール及び外周プ
ール注水後の状態を示す原子炉設備の縦断面図である。
【図3】第1実施例による圧力抑制室内水位上昇後の圧
力抑制プール水の対流状況を示した圧力抑制室近傍の縦
断面図である。
【図4】本発明の第2実施例による原子炉設備の縦断面
図である。
【図5】本発明の第3実施例による原子炉設備の縦断面
図である。
【図6】本発明の第4実施例による原子炉設備の縦断面
図である。
【図7】本発明の第5実施例による原子炉設備の縦断面
図である。
【図8】本発明の第6実施例による原子炉設備の冷却水
プール近傍の縦断面図である。
【図9】第5実施例における冷却材喪失事故後の崩壊熱
量の時間経過による変化を示したグラフ図である。
【図10】第5実施例における冷却材喪失事故後の圧力
抑制プール水温度の時間経過による変化を示したグラフ
図である。
【図11】本発明の第7実施例による原子炉設備の縦断
面図である。
【符号の説明】
1…炉心、2…原子炉圧力容器、3…ドライウェル、5
…圧力抑制プール、6…ウェットウェル、7…ベント
管、8…原子炉格納容器壁、9…外周プール、10…主
蒸気管、11…コンクリート構造壁、12,13,14
…連通口、20…蓄圧注水タンク、21…重力落下水タ
ンク、22…冠水系、26…自動減圧系、30…補給水
プール、34…補給水プール気相空間、35…蓄圧タン
ク、42…スプレイノズル、43…分岐配管、50…タ
ービン駆動ポンプ、60…蒸気凝縮式熱交換器、61…
冷却水プール、65…伝熱管、81…空気取入口、82
…空気排気口。
フロントページの続き (72)発明者 富永 研司 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 平4−254795(JP,A) 特開 平2−281191(JP,A) 特開 平3−246492(JP,A) 特開 昭64−16991(JP,A) 特開 昭63−173997(JP,A) 特開 昭59−107293(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 9/004 GDB G21C 13/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉格納容器内の圧力抑制プールから原
    子炉格納容器外の外周プール内への熱伝達面を備えた原
    子炉格納容器において、前記原子炉格納容器外に給水源
    を有する前記両プールに対する給水手段を備え、前記給
    水手段は、前記給水源の水に圧力を付与する加圧手段
    と、前記給水源から前記圧力抑制プールと前記外周プー
    ルへの送水路とを備えていることを特徴とした原子炉格
    納容器の圧力抑制設備。
  2. 【請求項2】請求項1において、給水源は原子炉格納容
    器の外側で気密に構成された補給水プールの内に蓄積さ
    れた補給水であり、加圧手段は原子炉格納容器の外側に
    配備され前記補給水プールの気相空間に弁を介して連通
    接続された蓄圧タンクと前記蓄圧タンク内に蓄圧された
    加圧ガスであり、送水路は吸い込み口が補給水プール内
    の液相領域内に配備され吐出口が圧力抑制プールに臨ま
    せて配備され途中に弁を備えた第1の配管と前記補給水
    プールの液相領域内に吸い込み口が配備され吐出口が外
    周プールに臨ませてある第2の配管であることを特徴と
    した原子炉格納容器の圧力抑制設備。
  3. 【請求項3】請求項2において、補給水プールは仕切り
    により少なくとも蓄水領域が複数に区画され、区画され
    た蓄水領域の少なくとも一つの領域に第1配管の吸い込
    み口を他の領域の少なくとも一つに第2配管の吸い込み
    口を配備してあることを特徴とした原子炉格納容器の圧
    力抑制設備。
  4. 【請求項4】請求項3において、第1の配管の吸い込み
    口を配備されている補給水プールの区画に蓄積される補
    給水量と第2の配管の吸い込み口が配備される補給水プ
    ールの区画に蓄積される補給水量との比は圧力抑制プー
    ル内の通常時における冷却水量と外周プール内の通常時
    における冷却水量との比に同等であることを特徴とした
    原子炉格納容器の圧力抑制設備。
  5. 【請求項5】請求項4において、補給水プールの各区画
    内の水量の比は前記補給水プール内の仕切りの位置を前
    記各区画の隣接方向に調整して設定されていることを特
    徴とした原子炉格納容器の圧力抑制設備。
  6. 【請求項6】原子炉格納容器内の圧力抑制プールから原
    子炉格納容器外の外周プール内への熱伝達面を備えた原
    子炉格納容器において、前記原子炉格納容器外に給水源
    を有する前記両プールに対する給水手段を備え、前記給
    水手段は、前記給水源が独立した複数の給水源として存
    在し、その複数の給水源の少なくとも一つの給水源の水
    に圧力を付与する加圧手段と、前記一つの給水源から前
    記圧力抑制プールへの送水路と、前記給水源の他の少な
    くとも一つの給水源は外周プールよりも高い位置に配備
    されて前記外周プールへの送水路を備えかつ前記外周プ
    ールへの送水路に弁を備えていることを特徴とした原子
    炉格納容器の圧力抑制設備。
  7. 【請求項7】請求項6において、加圧手段からの圧力が
    付与される給水源は気密に構成された補給水プール内に
    蓄積された冷却水であり、前記加圧手段は、原子炉圧力
    容器と弁を介して前記補給水プール内に接続された配管
    であることを特徴とした原子炉格納容器の圧力抑制設
    備。
  8. 【請求項8】原子炉格納容器内の圧力抑制プールから原
    子炉格納容器外の外周プール内への熱伝達面を備えた原
    子炉格納容器において、前記原子炉格納容器外に給水源
    を有する前記両プールに対する給水手段を備え、前記給
    水手段は、原子炉圧力容器に弁を介して駆動蒸気を受け
    入れるように接続されたタービンポンプと、前記タービ
    ン駆動ポンプの吸い込み側と前記給水源との間に接続さ
    れた配管と、前記タービン駆動ポンプの吐出側から前記
    圧力抑制プールと前記外周プールへの配管とを備えてい
    ることを特徴とした原子炉格納容器の圧力抑制設備。
  9. 【請求項9】原子炉格納容器内の圧力抑制プールから原
    子炉格納容器外の外周プール内への熱伝達面を備えた原
    子炉格納容器において、前記原子炉格納容器外に給水源
    を有する前記両プールと原子炉格納容器のドライウェル
    内に対する給水手段を備え、前記ドライウェル内への給
    水手段に前記ドライウェル内に配備されたスプレイノズ
    ルが接続されており、さらには前記ドライウェル内への
    給水手段は、給水源が原子炉格納容器の外側で気密に構
    成された補給水プールの内に蓄積された補給水と、前記
    原子炉格納容器の外側に配備され前記補給水プールの気
    相空間に弁を介して連通接続された蓄圧タンクと、前記
    蓄圧タンク内に蓄圧された加圧ガスと、吸い込み口が補
    給水プール内の液相領域内に配備され吐出口がスプレイ
    ノズルに接続された配管と、その配管の途中に設けた弁
    とを備えてなることを特徴とした原子炉格納容器の圧力
    抑制設備。
  10. 【請求項10】ドライウェル内の原子炉圧力容器中に設
    置される炉心位置よりも上方の冷却水プール中に装備さ
    れた熱交換器と、前記熱交換器の伝熱管に前記原子炉圧
    力容器からの蒸気を通す配管と、前記両方の配管途中に
    設けられた弁と、前記熱交換器から前記原子炉圧力容器
    内へ凝縮水を戻す配管と、前記熱交換器から原子炉圧力
    抑制室内にガスを通す配管と、前記ドライウェルと前記
    圧力抑制室と前記冷却水プールとを包含する原子炉格納
    容器と、前記原子炉格納容器の外側に設けられて前記圧
    力抑制室内の圧力抑制プールと伝熱手段を介在して熱的
    に接続して配備された外周プールと、前記冷却水プール
    からの蒸気を前記原子炉格納容器の外側に導くベント管
    とを備えており、前記熱交換器の伝熱管に前記原子炉圧
    力容器からの蒸気を通す配管の途中に設けられた弁と熱
    交換器との間の前記配管部分または前記熱交換器内の少
    なくともいずれかとドライウェル内とを連通する配管を
    備えていることを特徴とした原子炉格納容器の圧力抑制
    設備。
  11. 【請求項11】原子炉格納容器内の圧力抑制プールから
    原子炉格納容器外の外周プール内への熱伝達面を備えた
    原子炉格納容器において、前記原子炉格納容器外に給水
    源を有する前記両プールと原子炉格納容器のドライウェ
    ル内に対する給水手段を備え、前記原子炉格納容器は、
    鋼製であるとともに、その原子炉格納容器内の圧力抑制
    室とドライウェルとを区画形成するコンクリート構造物
    および前記コンクリート構造物上方の運転階空間とを前
    記コンクリート構造物の周囲に前記運転階空間に通じる
    空間を介在して覆っており、この運転階に通じる空間に
    は前記圧力抑制室内の気相領域と液相領域とが連通口に
    より連通されており、前記原子炉格納容器の下部外周囲
    に前記原子炉格納容器の外壁面に接して前記外周プール
    を備え、前記外周プールより上方における前記原子炉格
    納容器の外壁面に接して通風路を備え、前記通風路の下
    部に通風の入口が上部に出口がそれぞれ設けられている
    ことを特徴とした原子炉格納容器の圧力抑制設備。
  12. 【請求項12】ドライウェル内の原子炉圧力容器中に設
    置される炉心位置よりも上方の冷却水プール中に装備さ
    れた熱交換器と、前記熱交換器の伝熱管に前記原子炉圧
    力容器からの蒸気を通す配管と、前記両方の配管途中に
    設けられた弁と、前記熱交換器から前記原子炉圧力容器
    内へ凝縮水を戻す配管と、前記熱交換器から原子炉圧力
    抑制室内にガスを通す配管と、前記ドライウェルと前記
    圧力抑制室と前記冷却水プールとを包含する原子炉格納
    容器と、前記原子炉格納容器の外側に設けられて前記圧
    力抑制室内の圧力抑制プールと伝熱手段を介在して熱的
    に接続して配備された外周プールと、前記冷却水プール
    からの蒸気を前記原子炉格納容器の外側に導くベント管
    とを備え、 前記原子炉格納容器は、鋼製であるとともに、その原子
    炉格納容器内の圧力抑制室とドライウェルとを区画形成
    するコンクリート構造物および前記コンクリート構造物
    上方の運転階空間とを前記コンクリート構造物の周囲に
    前記運転階空間に通じる空間を介在して覆っており、こ
    の運転階に通じる空間には前記圧力抑制室内の気相領域
    と液相領域とが連通口により連通されており、 前記原子炉格納容器の下部外周囲に前記伝熱手段として
    の前記原子炉格納容器の外壁面に接して前記外周プール
    を備え、前記外周プールより上方における前記原子炉格
    納容器の外壁面に接して通風路を備え、前記通風路の下
    部に通風の入口が上部に出口がそれぞれ設けられている
    ことを特徴とした原子炉格納容器の圧力抑制設備。
  13. 【請求項13】ドライウェル内の原子炉圧力容器中に設
    置される炉心位置よりも上方の冷却水プール中に装備さ
    れた熱交換器と、前記熱交換器の伝熱管に前記原子炉圧
    力容器からの蒸気を通す配管と、前記両方の配管途中に
    設けられた弁と、前記熱交換器から前記原子炉圧力容器
    内へ凝縮水を戻す配管と、前記熱交換器から原子炉圧力
    抑制室内にガスを通す配管と、前記ドライウェルと前記
    圧力抑制室と前記冷却水プールとを包含する原子炉格納
    容器と、前記原子炉格納容器の外側に設けられて前記圧
    力抑制室内の圧力抑制プールと伝熱手段を介在して熱的
    に接続して配備された外周プールと、前記冷却水プール
    からの蒸気を前記原子炉格納容器の外側に導くベント管
    とを備え、 前記原子炉格納容器に格納された前記原子炉圧力容器内
    に内蔵された炉心の位置および前記原子炉格納容器内の
    前記圧力抑制室の位置よりも上方の位置にして装備され
    た重力落下水タンクを弁を介して前記原子炉圧力容器と
    連通した重力落下注水系と、冷却水を前記炉心から前記
    重力落下水タンクまでの水頭差に相当する圧力を超える
    高圧で封入した蓄圧注水タンクと前記原子炉圧力容器と
    を弁を介して接続した蓄圧注水系と、前記原子炉格納容
    器内の前記圧力抑制室内の炉心上端より高い位置に配置
    された取水口と前記原子炉圧力容器内とを弁を介して接
    続した冠水系との三種類の非常用注水系を前記原子炉格
    納容器内に装備してあることを特徴とした原子炉格納容
    器の圧力抑制設備。
  14. 【請求項14】原子炉格納容器内の圧力抑制プールから
    原子炉格納容器外の外周プール内への熱伝達面を備えた
    原子炉格納容器において、前記原子炉格納容器外に給水
    源を有する前記両プールと原子炉格納容器のドライウェ
    ル内に対する給水手段を備え、 前記原子炉格納容器は、鋼製であるとともに、その原子
    炉格納容器内の圧力抑制室とドライウェルとを区画形成
    するコンクリート構造物および前記コンクリート構造物
    上方の運転階空間とを前記コンクリート構造物の周囲に
    前記運転階空間に通じる空間を介在して覆っており、こ
    の運転階に通じる空間には前記圧力抑制室内の気相領域
    と液相領域とが連通口により連通されており、 前記原子炉格納容器に格納された前記原子炉圧力容器内
    に内蔵された炉心の位置および前記原子炉格納容器内の
    前記圧力抑制プールの位置よりも上方の位置にして装備
    された重力落下水タンクを弁を介して前記原子炉圧力容
    器と連通した重力落下注水系と、冷却水を前記炉心から
    前記重力落下水タンクまでの水頭差に相当する圧力を超
    える高圧で封入した蓄圧注水タンクと前記原子炉圧力容
    器とを弁を介して接続した蓄圧注水系と、前記原子炉格
    納容器内の圧力抑制プール内の炉心上端より高い位置に
    配置された取水口と前記原子炉圧力容器内とを弁を介し
    て接続した冠水系との三種類の非常用注水系を前記原子
    炉格納容器内に装備してあることを特徴とした原子炉格
    納容器の圧力抑制設備。
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