JP2897285B2 - 熱可塑性樹脂フィルム積層物 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルム積層物

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JP2897285B2
JP2897285B2 JP1273373A JP27337389A JP2897285B2 JP 2897285 B2 JP2897285 B2 JP 2897285B2 JP 1273373 A JP1273373 A JP 1273373A JP 27337389 A JP27337389 A JP 27337389A JP 2897285 B2 JP2897285 B2 JP 2897285B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は接着性の改良された熱可塑性樹脂フィルム積
層物に関し、殊に親水性ポリマー、疎水性ポリマー、無
機物質等のすべてに対して優れた接着性を示すと共に、
制電性も良好な熱可塑性樹脂フィルム積層物に関するも
のである。
[従来の技術] 周知の様に熱可塑性樹脂フィルム、例えばポリエステ
ル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート、
ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリエーテルエステル等よりなる
フィルム、特にポリエステルフィルム、とりわけポリエ
チレンテレフタレートフィルムは、機械的強度、耐熱
性、耐薬品性、透明性、寸法安定性等に優れ、磁気テー
プ用ベースフィルム、絶縁テープ、写真用フィルム、ト
レーシングフィルム、食品包装用フィルムなど広範囲に
亘って使用されている。しかしながらこれらの熱可塑性
樹脂フィルムは、通常、親水性ポリマーや無機物との接
着性が低い。その為これらのフィルムに、磁性体、感光
剤、マット剤等を積層する場合には、フィルム表面にコ
ロナ放電処理を施し、更にアンカーコート層を設けて接
着性を高めるといった様な処理が必要となる。また食品
の包装に用いる場合は、印刷層やヒートシート層との接
着性が弱いため全体のヒートシール強度も低くなる。
ところで熱可塑性樹脂フィルム表面の接着性を改良す
る方法としては、コロナ放電処理法が最も汎用されてお
り、この他、紫外線照射処理法、プラズマ放電処理法、
火炎処理法、窒素雰囲気下のコロナ放電処理法などの物
理的処理方法や、アルカリ処理法、プライマー処理法な
どの化学的処理方法、更には上記の方法を適宜組合せた
処理方法が知られている。しかしながら現在のところ、
親水性ポリマーおよび疎水性ポリマー並びに無機物のす
べてに対して優れた接着性を示す様な熱可塑性樹脂フィ
ルム、とりわけポリエステルフィルムは知られていな
い。また上記各種処理のうち、プライマー処理を行なっ
たときはフィルムの滑り性が低下し、巻取り性等の作業
性が悪くなるという問題がった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は前述の様な従来技術の問題点に鑑みてなされ
たものであって、その目的は親水性ポリマーおよび疎水
性ポリマー、無機物のすべてに対して優れた接着性を発
揮し得ると共に、制電性も良好な熱可塑性樹脂フィルム
積層物を提供しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る熱可塑性樹脂フィルム積層物の構成は、
未延伸もしくは一軸延伸した熱可塑性樹脂フィルムの少
なくとも片面に、3級アミノ基および/または4級アン
モニウム基を有するポリアミドを主成分とする組成物を
塗工し、更に延伸したものであるところに要旨を有する
ものである。
[作用] 本発明は上述の如く構成されるが、要するに、未延伸
もしくは一軸延伸した熱可塑性樹脂フィルムの少なくと
も片面に、3級アミノ基および/または4級アンモニウ
ム基を有するポリアミドを主成分とする組成物を塗工
し、更に延伸することにより、親水性ポリマー、疎水性
ポリマー、無機物等との接着性が著しく改善され、且つ
フィルムの易滑性にも優れることを見出し、本発明を完
成した。
本発明に係る3級アミノ基を有するポリアミドは、例
えば下記一般式(I)〜(V)で示される単量体を重合
原料とすることによって得られる。
[上記一般式(I)〜(V)において、R1,R2,R3は炭素
原子数1〜15個のアルキレン基、R4,R5は炭素原子数1
〜10個の炭化水素残基、A,Bは−NH2、−COOH、−COOR9
(R9は炭素原子数1〜10の炭化水素残量を示す)を示
し、AとBは同一あるいは相違していてもよい、また
R6、R7は炭素原子数1〜10個の炭化水素残基を示し、R6
とR7は共同して脂肪族環や異節環を形成してもよい。ま
たR8は炭素原子数1〜3個の低級アルキル基あるいは (R6、R7は前述の基)、Yはγ−アミノプロピル基を示
す] 上記一般式(I)で示される具体的な単量体として
は、例えばN,N′−ビス(アミノメチル)ピペラジン、
N,N′−ビス(β−アミノエチル)ピペラジン、N,N′−
ビス(β−アミノエチル)ピペラジン、N,N′−ビス
(β−アミノエチル)メチルピペラジン、N−(アミノ
メチル)−N′−(β−アミノエチル)ピペラジン、N,
N′−ビス(γ−アミノプロピル)ピペラジン等のジア
ミン類、N,N′−ビス−(カルボキシメチル)ピペラジ
ン、N,N′−ビス(カルボキシメチル)メチルピペラジ
ン、N,N′−ビス(カルボキシメチル)−2,6−ジメチル
ピペラジン、N,N′−ビス(β−カルボキシメチル)ピ
ペラジン、N,N′−ビス(γ−カルボキシプロピル)ピ
ペラジン、N,N′−(β−カルボキシエチル)−N′−
(カルボキシメチル)ピペラジン等のジカルボン酸類或
はこれらの低級アルキルエステル、酸ハロゲン化物およ
びN−(アミノメチル)−N′−(カルボキシメチル)
ピペラジン、N−(アミノメチル)−N′−(β−カル
ボキシメチル)ピペラジン、N−(β−アミノエチル)
−N′−(β−カルボキシエチル)ピペラジン、N−
(アミノメチル)−N′−(カルボキシメチル)−2−
メチルピペラジンなどのω−アミノ酸等が挙げられる。
上記一般式(II)で示される具体的な単量体として
は、例えばN−(β−アミノエチル)ピペラジン、N−
(γ−アミノプロピル)ピペラジン、N−(ω−アミノ
ヘキシル)ピペラジン、N−(δ−アミノシクロヘキシ
ル)ピペラジン、N−(β−アミノエチル)−3−メチ
ルピペラジン、N−(β−アミノエチル)−2,5−ジメ
チルピペラジン、N−(β−アミノプロピル)−3−メ
チルピペラジン、N−(γ−アミノプロピル)−2,5−
ジメチルピペラジンなどのジアミン類、N−カルボキシ
メチルピペラジン、N−(β−カルボキシエチル)ピペ
ラジン、N−(γ−カルボキシプロピル)ピペラジン、
N−(ω−カルボキシヘキシル)ピペラジン、N−(δ
−カルボキシヘキシル)ピペラジン、N−(β−カルボ
キシエチル)−3−メチルピペラジン、N−(β−カル
ボキシエチル)−2,5−ジメチルピペラジン等のω−ア
ミノ酸或はこれらの低級アルキルエステル類等が挙げら
れる。
上記一般式(III)で示される具体的な単量体として
は、例えばN,N−ジ(β−アミノエチル)エチルアミ
ン、N,N−ジ(γ−アミノプロピル)メチルアミン、N,N
−ジ(β−アミノエチル)メチルアミン、N,N′−ジ
(γ−アミノプロピル)エチルアミン、N,N−ジ(γ−
アミノプロピル)イソプロピルアミン、N,N−ジ(γ−
アミノプロピル)シクロヘキシルアミン、N,N−ジ(δ
−アミノ−n−ブチル)フエニルアミン、N−メチル−
N−(β−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン等
のジアミン類、N,N−ジ(カルボキシメチル)メチルア
ミン、N,N−ジ(β−カルボキシエチル)メチルアミ
ン、N,N−ジ(β−カルボキシエチル)メチルアミン、
N,N−ジ(β−カルボキシエチル)イソプロピルアミ
ン、N−カルボキシメチル−N−(β−カルボキシエチ
ル)メチルアミン等のジカルボン酸類或はこれらの低級
アルキルエチテルや酸ハロゲン化物、およびN−(アミ
ノメチル)−N(カルボキシメチル)メチルアミン、N
−(β−アミノエチル)−N−(β−カルボキシエチ
ル)メチルアミン、N−(アミノメチル)−N−(β−
カルボキシエチル)イソプロピルアミン、N−(γ−ア
ミノプロピル)−N−(γ−カルボキシプロピル)イソ
プロピルアミン、N−(γ−アミノプロピル)−N−
(β−カルボキシエチル)メチルアミン等のω−アミン
酸類等が挙げられる。
上記一般式(IV)で示される具体的な単量体として
は、例えばN,N′−ジメチル−N,N′−ジ−(γ−アミノ
プロピル)エチレンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′
−ジ−(γ−アミノプロピル)テトラメチレンジアミ
ン、N,N′−ジイソブチル−N,N′−ジ−(γ−アミノプ
ロピル)ヘキサメチレンジアミン、N,N′−ジシクロヘ
キシル−N,N′−ジ−(γ−アミノプロピル)ヘキサメ
チレンジアミン、N,N′−ジ−(γ−アミノプロピル)
−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等のジア
ミン類、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ(カルボキシメチ
ル)エチレンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−
(γ−カルボキシエチル)エチレンジアミン、N,N′−
ジメチル−N,N′−ジ−(γ−カルボキシプロピル)ヘ
キサメチレンジアミン等のジカルボン酸類等、或はこれ
らの低級アルキルエステル、酸ハロゲン化物、およびN,
N′−ジメチル−N−(アミノメチル)−N′−(カル
ボキシメチル)−エチレンジアミン、N,N′−ジメチル
−N−(β−アミノエチル)−N′−(β−カルボキシ
エチル)エチレンジアミン、N,N′−ジメチル−N−
(アミノメチル)−N′−(カルボキシエチル)ヘキサ
メチレンアミン等のω−アミノ酸が挙げられる。
上記一般式(V)で示される具体的な単量体として
は、例えば6−メチル−6−(N,N−ジメチルアミノメ
チル)−4,8−ジオキサウンデカンジアミン、6−メチ
ル−6−(N,N−ジエチルアミノメチル)−4,8−ジオキ
サウンデカンジアミン、6−エチル−6−(N,N−ジメ
チルアミノメチル)−4,8−ジオキサウンデカンジアミ
ン、6,6−ビス(N,N−ジメチルアミノメチル)−4,8−
ジオキサウンデカンジアミン等のジアミン類挙げられ
る。
これら塩基性窒素を有する単量体を単独若しくは2種
以上用いて縮重合を行ないポリアミドを形成する。即
ち、上記単量体がω−アミノ酸あるいはそのアルキルエ
ステル類などのように単独重合によってポリアミドを形
成し得る単量体は単独で用いることができる。
一方、上記単量体がジカルボン酸またはそのアルキル
エステル類、酸ハロゲン化物等であればジアミンと、ま
た上記単量体がジアミンであればジカルボン酸またはそ
の誘導体と縮重合させることによってポリアミドを形成
する。
更に本発明に用いるポリアミドの重合原料としては、
前記一般式(I)〜(V)で示される単量体の他に、通
常のポリアミドの重合に用いられる脂肪族および/また
は芳香族のジカルボン酸、ジアミン、ω−アミノ酸、ラ
クタムなどを併用してもよい。
併用可能なジカルボン酸としては、例えばコハク酸、
アジピン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、
デカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族および/または
芳香族のジカルボン酸或はこれらの低級アルキルエステ
ル、酸ハロゲン化物等がある。ジアミンとしては例えば
テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オク
タメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチ
レンジアミン等の直鎖飽和脂肪族ジアミン、メタキシリ
レンジアミン、パラキシリレンジアミン等の芳香族ジア
ミン、シクロヘキサンビスメチルアミンなどの脂環族ジ
アミン等がある。ω−アミノ酸としては、例えばアミノ
カプロン酸、アミノヘプタン酸、アミノカプリル酸、ア
ミノカプリン酸、アミノラウリル酸等がある。ラクタム
としては、例えばε−カプロラクタム、α−メチル−ε
−カプロラクタム、ε−メチル−ε−カプロラクタム、
シクロヘプタノンイソオキシム、シクロオクタノンイソ
オキシム等を用いることができる。
これらの単量体を用いるポリアミドの重合は従来公知
のポリアミドの製造方法に従って行なうことができる。
塩基性窒素を含有する単量体成分は全ポリアミド構成成
分の10〜100モル%であり、特に20〜50モル%であるこ
とが好ましい。
尚本発明で用いるポリアミドとしては、塩基性窒素を
4級化してアンモニウム塩化した窒素を含有するもので
あってもよく、これを3級アミノ基を有するポリアミド
と共にまたはその代わりに用いることができる。
4級化アンモニウム基を有するポリアミドを得る為の
方法としては、例えば適当な溶媒中で塩基性窒素原子
を有するポリアミドと4級化剤を溶解混合して反応させ
る方法、適当な温度で両者を溶融混合して反応させる
方法、或は4級化剤の気相中に塩基性窒素原子を有す
るポリアミドを加えて反応させる方法等がある。また塩
基性窒素原子を有するポリアミドと4級化剤を光重合可
能な不飽和結合を有する単量体、光増感剤および熱重合
防止剤などと同時に混合して反応させてもよい。
上記4級化剤としては、プロトン酸、金属塩、アルキ
ルハロゲン化合物など公知のものが使用できる。プロト
ン酸としては、塩酸、硫酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、
クロル酢酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、アク
リル酸などの有機酸がある。特にアクリル酸、マレイン
酸、桂皮酸などの重合性不飽和結合を分子内に有する4
級化剤は光重合して架橋剤として作用し、充分な不溶化
効果を発揮する。4級化剤の添加量はポリアミド中に存
在する塩基性窒素の量、水に対する溶解性等を考慮して
適宜選択される。
ポリアミド重合体は、例えば溶剤に溶解して熱可塑性
樹脂フィルムに塗工される。この際用いる溶剤として
は、例えば水、メタノール、エタノール、四塩化炭素、
トルエン、キシレン等が用いられるがこれらに限定され
ない。また塗工性向上或は塗工後の乾燥を向上させる目
的で他の溶剤、例えば弗素系やシリコン系の化合物等を
含有させることも推奨される。
上記組成物が積層される熱可塑性樹脂フィルム(ベー
スフィルム)としては、ポリエステルフィルム、ポリア
ミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリフェニ
レンサルファイドフィルム、ポリエーテルイミドフイル
ム、ポリエーテルスルホンフィルム、セルロース系フィ
ルム、PVA系フィルム、アクリル系フィルム、塩化ビニ
ル系ファルム等が挙げられ、フィルム積層物の用途およ
び要求特性に応じてその都度最適のものが選択使用され
るが、最も一般的なのはポリエステルフィルム、ポリア
ミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、セルロース
系フィルム等である。
上記ベースフィルムは、その素材である熱可塑性樹脂
を通常、溶融・押出により、あるいは該樹脂を溶剤に溶
解させてキャスティングすることによって得られる。こ
のような未延伸フィルムは必要に応じて一軸延伸した後
に、その表面に上記組成物が後述の方法により付与(塗
工)されるが、本発明では、ベースフィルム組成物との
密着性や易潤性付与、および得られたフィルム耐久性な
どの点を考慮し、未延伸もしくは一軸延伸したベースフ
ィルムに組成物を塗工し、これを更に延伸する方法を採
用した。即ち二軸延伸したベースフィルムはフィルム巾
が広く、かつこのベースフィルム上に組成物を薄く塗工
するためには、フィルムの走行速度を上げる必要がある
ため、均一に塗工するのがやや難しくなる。
塗工液は上記ベースフィルム表面に、通常、0.003〜5
g/m2、好ましくは0.01〜3g/m2の割合で塗工される。塗
工量が0.003g/m2未満であると、樹脂との接着性に劣
り、5g/m2を超えると、得られたフィルムの滑り性およ
び耐ブロッキング性に劣る。
尚ポリアミド系組成物をベースフィルムに形成する方
法としては、上記塗工液を調製してこれをベースフィル
ムに塗工する方法が採用できる。
また上記組成物を塗工等の方法により積層する前に、
もしくは積層後に、ベースフィルム表面に、空気もしく
は窒素雰囲気下にてコロナ放電処理または紫外線照射処
理,プラズマ処理,電子線処理を行なうことも有効であ
る。これらの処理を施すことにより、ベースフィルムと
樹脂組成物層との密着性および得られたフィルムと他の
樹脂との接着性を更に向上させることができる。
本発明の熱可塑性樹脂積層フィルムは、熱可塑性樹脂
フィルムに3級アミノ基または/および4級アンモニウ
ム基を含有するポリアミド樹脂を含有する組成物を積層
して構成されるため、親水性ポリマー、疎水性ポリマ
ー、および無機物のいずれとも良好な接着性を示し、か
つ制電性が極めて良好である。そのため、この熱可塑制
樹脂積層フィルムは、オーディオ、ビデオ、コンピュー
タ等の磁気テープ用途、マイクロフィルム、磁気カー
ド、リーダーテープ、フロッピーディスクの記録媒体用
途や食品、薬品、肥料、蒸着包装、梱包剤などの包装用
途、更には製版、トレーシング、メンブレンスイッチ、
スタンピング、粘着テープ、ラベル、ネーマー、OHPシ
ート、ラミネートカード、銘板、ミラー、印刷感材、プ
リンターリボン、ソーラーコントロール、貼込みベー
ス、遮光フィルム、印画紙、PPCフィルム、白板、ステ
ッカー等の一般工業用途に、更には農業ハウス等の農業
用途や金銀糸などの装飾用途などに好適に用いられる。
上記の様な用途に様いる場合、必要によっては積層す
る組成物中に着色剤、制電防止剤、架橋剤、耐ブロッキ
ング剤、無機または有機粒子等の滑剤、導電剤、その他
の重合体、紫外線吸収剤、劣化防止剤、その他の添加剤
を、本発明の効果が損われない程度で添加することもで
きる。尚添加剤としては、水溶性、有機溶剤可溶性また
は油溶性の染料や顔料、および不溶性の染料や顔料が含
まれる。
架橋剤としては、アルコキシ基、イソシアナート基、
エポキシ基、アジニル基(メタ)アクリロイル基、アル
コキシアルキル基等の如く、活性水素と反応し得る官能
基を2個以上含有する化合物が含まれる。
耐ブロッキング剤としては、高級脂肪酸およびその
塩、エステル、アミド、アミン、鉱油、シリコーン、弗
素化合物などが含まれる。
無機または有機粒子等の滑剤としては、シリカ系、炭
酸カルシウム系、カオリン系、硫酸バリウム系、チタン
系、タルク系、ベンゾグアナミン系、ポリオレフィン
系、メラミン系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミ
ド系、ポリエステル系、ポリカーボネート系などが含ま
れ、これらは表面処理がなされていてもよい。尚粒径は
用途に応じて任意に選定すればよい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、サリチル
酸エステル系、トリアゾール系などが含まれる。
劣化防止剤としては、フェノール系、エポキシ系、含
硫黄系、含燐系、含窒素系、および含金属系、共役二重
結合含有系等の様々の化合物が含まれる。
上記以外の添加剤としては防曇剤、難燃剤などが含ま
れる。
本発明に係るフィルム積層物は、前述の如く3級アミ
ノ基および/または4級アンモニウム基を有するポリア
ミドを主成分とする組成物をベースフィルムに積層する
ことによって親水性ポリマー、疎水性ポリマーおよび無
機物のいずれに対しても優れた接着性を示すものとな
り、その特徴を生かして様々の分野で幅広く活用するこ
とができる。
[実施例] 次に実施例によって本発明を具体的に説明する。尚実
施例中単に「部」とあるのは重量部を示す。
実施例1 N,N′−ビス(γ−アミノプロピル)ピペラジンアジ
ペート40部と、ε−カプロラクタム60部より得られる重
合体を、10重量%になる様にメタノールに溶解し塗工液
とした。
ポリエチレンテレフタレートを280〜300℃で溶融押出
しした後、15℃の冷却ロールで冷却して厚さ1000μmの
未延伸フィルムを得、この未延伸フィルムを周速の異な
る85℃の一対のロール間を通して縦方向に3.3倍延伸し
た。このフィルム表面に上記塗工液をエアナイフ方式で
塗工し、70℃の熱風で乾燥し、樹脂組成物層を形成し
た。このフィルムをテンターで、98℃にて横方向に3.3
倍延伸しさらに200〜210℃で熱固定し、厚さ100μm
(樹脂組成物層0.15μm)の二軸延伸コーティングポリ
エステルフィルムを得た。
ポリビニルアルコールの10%水溶液、およびポリ塩化
ビニルの10%DMF溶液を調製し、各溶液を赤色染料で着
色し、前記した熱可塑性樹脂積層フィルム2枚の樹脂組
成物層側に、いずれも塗工層2g/m2となるように、別々
に印刷した。
得られた印刷層にカッターナイフで1mm間隔に基盤目
状に切り込みを入れ、100個の桝目を形成した。この熱
可塑性樹脂積層フィルムの各印刷面に、セロハンテープ
(Lパック、ニチバン社製)を均一に貼着した後、この
テープを剥離角が180度になるように速やかに引き剥が
し、桝目の残存個数を数えて接着性を評価した。このと
き、タケダ理研社製固有抵抗測定器で、印加電圧500V、
室温20℃、湿度65%の条件でフィルム表面の電気抵抗を
測定し、制電性を評価した。
実施例2 塗工液組成を、6−メチル−6(N,N′−ジエチルア
ミノメチル)−4,8−ジオキサウンデカンジアミンとア
ジピン酸より得られるポリアミド樹脂に変えた以外は、
実施例1と同様にしてコーティングポリエステルフィル
ムを得た。得られたポリエステルフィルムについて実施
例1と同様に接着性および制電性を評価した。
比較例1 未コーティングポリエステルフィルムをそのまま用
い、このフィルムの接着性および制電性を実施例1と同
様にして評価した。
比較例2 塗工液組成を、N−メトキシメチル化ポリヘキサメチ
レンアジパミド(メトキシ基、6.5重量%)に変えた以
外は、実施例1と同様にしてコーティングポリエステル
を得た。得られたポリエステルフィルムについて実施例
1と同様にして接着性および制電性を評価した。
比較例3 ポリエチレンテレフタレートを280〜300℃で溶融押出
しした後、15℃の冷却ロールで冷却して厚さ1000μmの
未延伸フィルムを得、この未延伸フィルムを周速の異な
る85℃の一対のロール間を通して縦方向に3.3倍延伸し
た。このフィルムをテンターで、98℃にて横方向に3.3
倍延伸しさらに200〜210℃で熱固定し、厚さ100μmの
二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
このフィルム表面に実施例1に示した塗工液をエアナ
イフ方式で塗工し、70℃の熱風で乾燥し、樹脂組成物層
を形成した(樹脂組成物層0.50μm)。得られたポリエ
ステルフィルムの接着性および制電性を実施例1と同様
にして評価した。
これらの結果は、第1表に一括して示すが、実施例1,
2のものは比較例1〜3に比べて接着性および制電性が
優れていることがよくわかる。
実施例3 ポリメタキシリレンアジパミドを3重量%含有するポ
リε−カプロラクタムを260℃で溶融押出し、20℃の冷
却ロールで冷却して厚さ250μmの未延伸フィルムを得
た。この未延伸フィルムを周速の異なる60℃の一対のロ
ール間を通し縦方向に3.3倍延伸した。
このフィルム表面に実施例1で示した塗工液をエアナ
イフ方式で塗工し、50℃で乾燥し樹脂組成物層を形成し
た後テンターで120℃に横方向に3.3倍延伸し、さらに21
0℃で熱固定し厚さ25μm(樹脂組成物層0.10μm)の
二軸延伸コーティングポリアミドフィルムを得た。
上記フィルムの制電性は1.0×1010(Ω・cm)で、ニ
トロセルロースバインダー主体の印刷インキとの接着は
クロスカット法において残存桝目数は100であった。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、親水性ポリマ
ー、疎水性ポリマー、金属および無機物のすべてに対し
て優れた接着性を有し、且つ制電性にも優れたフィルム
積層物を提供し得ることになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−78239(JP,A) 特開 昭57−126817(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 7/04 B29C 55/00 - 55/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未延伸もしくは一軸延伸した熱可塑性樹脂
    フィルムの少なくとも片面に、3級アミノ基および/ま
    たは4級アンモニウム基を有するポリアミドを主成分と
    する組成物を塗工し、更に延伸したものであることを特
    徴とする熱可塑性樹脂フィルム積層体。
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