JP2894487B2 - 電動走行車用制御装置および電動走行車 - Google Patents

電動走行車用制御装置および電動走行車

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JP2894487B2
JP2894487B2 JP8296974A JP29697496A JP2894487B2 JP 2894487 B2 JP2894487 B2 JP 2894487B2 JP 8296974 A JP8296974 A JP 8296974A JP 29697496 A JP29697496 A JP 29697496A JP 2894487 B2 JP2894487 B2 JP 2894487B2
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movement
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茂樹 齋藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】今後の高齢化社会に向けて、高齢特有の
歩行能力の衰えを補うための移動手段として、これから
ますます電動車いすへのニーズが高まってくることが予
想されいろいろな製品が発売されつつある。身障者用と
しては、ジョイスティックで速度制御する電動4輪車い
す、高齢者用としては、速度制御レバーを指先で動かす
ものなどが代表例として挙げることができる。ジョイス
ティックで速度制御する電動4輪車いすの公知例として
は特開昭57−17650号公報が知られている。 し
かし、大抵ジョイスティックのニュートラル位置で電磁
ブレーキが作動するようになっているが、最近は、ジョ
イスティックの倒し角度をスピード設定にして、降坂で
設定車速以上のスピードになったら制動モードに自動的
に切り替えて、車速を一定にする例が増えており、その
ため電動4輪車いすの2モータ制御の場合にはそれぞれ
に回転センサーが設けられるためコストアップと、故障
の要因となっている。
【0002】
【発明が解決しようする課題】上記従来の技術によれ
ば、簡単なものでは、ジョイスティックのニュートラル
位置でのみ電磁ブレーキが作動するもの、速度レバーに
よって速度設定して、回転センサーを用いて一定速度に
車速をコントロールするものが出ている。
【0003】しかし前者の場合には、降坂での走行に不
安があるし、後者の場合には回転センサーが必要にな
り、全体のコストアップにつながり、故障の要因にもな
っている。また、最近のマイコンの普及に伴い価格的に
も、制御の方法についても扱いやすくなってきたことに
鑑み、本発明は、回転センサーを用いないで、特に降坂
での走行に不安がない制御を行うことのできる電動走行
車用制御装置およびそれを使用した電動走行車を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記発明が解決しようと
するための手段は、速度制御レバーをスピードの出る方
に動かしたときには、走行モードにし、速度制御レバー
をスピードの出ない方に動かしたときには、制動モード
に切り替わることで、回転センサーをなくし、より運転
者の感覚に合うようにしたもので、マイコン制御を行う
ことが最も望ましい。
【0005】このとき、配慮しなければならない点とし
ては、手の震えのある人が操作をした場合、速度制御レ
バーを持つ手が震えの為走行モードと制動モードが頻繁
に切替わることが心配される。この場合には、手の震え
で動作しないように不感帯の調整または手の震えの周期
では動作しないようなフィルターの周波数を調整するこ
とで対応する。
【0006】具体的には本発明は、速度制御レバーがニ
ュートラルの状態にあっては電磁ブレーキもしくは同等
の機能をもつものによるブレーキなどの機械的ブレーキ
がかかっており、ニュートラルの状態から動かされると
機械的ブレーキが開放され、該レバーの傾きもしくは移
動量相当量に応じて車速が設定される電動走行車用制御
装置において、該レバーの傾きもしくは移動方向を検知
する移動方向検知手段が、該レバーの傾きもしくは移動
が増加する方向を示すときには走行モードになり、かつ
該レバーの傾きもしくは移動が減少する方向を示すとき
には制動モードに切替え制御を行うことを特徴とする電
動走行車用制御装置を提供する。
【0007】本発明は、速度制御レバーがニュートラル
の状態にあっては電磁ブレーキもしくは同等の機能をも
つものによるブレーキなどの機械的ブレーキがかかって
おり、ニュートラルの状態から動かされると機械的ブレ
ーキが開放され、該レバーの傾きもしくは移動量相当量
に応じて車速が設定される電動走行車用制御装置におい
て、該レバー傾きもしくは移動方向を検知する移動方向
手段が、該レバーの傾きもしくは移動が減少する方向を
示すときには制動制御を行うことを特徴とする電動走行
車用制御装置を提供する。
【0008】好ましくは、制動力は、ニュートラルの位
置が最大で、レバー最大傾斜もしくは最大移動量の位置
で最小となり、この間は連続的または断続的に設定され
る。
【0009】好ましくは、モード切替えに当っては、前
記レバーの動きに反応しない不感帯が設けられている。
【0010】本発明は、速度制御レバーの傾きもしくは
移動量に応じて車速がオープンループで設定される電動
走行車において、該レバーの傾きもしくは移動方向を検
知する移動方向検知手段および該センサーからの信号を
受けて制動制御を行う制御装置とを特徴とする電動走行
車を提供する。
【0011】好ましくは、前記制御装置は、前記レバー
の傾きもしくは移動が増加する方向を示すときには走行
モードになり、かつ前記レバーの傾きもしくは移動が減
少する方向を示すときには制動モードになる制御を行
う。
【0012】好ましくは、フォワード(前進)およびリ
バース(後進)の双方において制動制御が行われる。
【0013】好ましくは、モード切替えに当っては、前
記レバーの動きに反応しない不感帯が設けられている。
【0014】好ましくは、前記制御装置は、速度制御レ
バーの代りに使用されるジョイスティックで速度制御さ
れる電動車いすに車載される。
【0015】好ましくは、前記制御装置は、前記速度レ
バーで速度制御される電動3輪車いすもしくは電動4輪
車いすに車載される。
【0016】好ましくは、モータに全電圧VFを印加し
たときの回転数特性曲線NFとモータ制限回転速度NL
モータ制限回転速度NLとの交点における電流値をIM1
とし、モータ電流制限値をIMLとしたときに、モータ
電流値IMがIML≧IM≧IM1のときは全電圧VFを印
加し、IM1>IMのときは全電圧VFよりも小さな電圧
HIを印加する。
【0017】好ましくは、走行モードにあるときに、所
定のモータ電流よりも小さな電流値になったことを検出
して制動モードに切り替える。
【0018】好ましくは、前記設定値は、平坦路走行時
のモータ電流値よりも小さな値である。
【0019】好ましくは、前記制動モードにあるとき
に、レバーの傾きもしくは移動量を増やす方向への動作
で走行モードに切り替わる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる一実施例を
図面に基づいて説明する。
【0021】図1および図2は本発明が適用される例を
示す図であり、図1は4輪式の電動車いすの例、図2は
3輪式の電動車いすの例を示す。本発明は、このような
電動車いすに限らずに、車速制御レバーがニュートラル
の状態にあっては電磁ブレーキもしくは同等の機能をも
つものによるブレーキなどの機械的ブレーキがかかって
おり、ニュートラルの状態から動かされると機械的ブレ
ーキが開放され、レバーの傾きもしくは移動量に応じて
車速が設定される電動走行車に適用可能であり、レバー
でなくても車速制御機能を有し、かつその制御方向を検
知するに便利な装置によっても代替できるが、レバーが
最も安価・確実に検知できる。
【0022】図1および図2において、電動車いす1に
は速度制御レバーが取り付けられており、図1は4輪3
を有する例、図2は3輪3を有する例を示すが、これら
の構成については前述した公知例をはじめ、よく知られ
ているところであるので、ここでは詳述しない。図3に
示すようにレバー2はニュートラル(中立)位置からフ
ォワード(前倒し)あるいはリバース(後倒し)に傾け
られる。これは、これらの方向に移動されたり、自転車
のギヤチェンジのように切り替えられてもよい。 図4
は電動走行車制御装置10の機能ブロック図である。
【0023】図4において、CPU11は、ジョイステ
ィック12からの指令値によりモータドライブ回路13
に前/後進(正/逆転)の信号とスピードコントロール
信号を出力する。
【0024】また、電流センサーIS42で検出される
モータ電流値に応じて加速性をよくするモータ駆動制御
や降坂時や平坦路走行時に上限速度を越えないようにす
る制御も行う。
【0025】更には、降坂時の制動などの制動モードに
関する制御をダイナミックブレーキ用メイン回路切断リ
レーRY2 44,能動スイッチ素子すなわちトランジ
スタTrEmBk27,能動スイッチ素子TrDBk2
9などの能動スイッチ素子のON−OFF制動、ダイナ
ミックブレーキ用抵抗DBkR30や停止保持用電磁ブ
レーキEmBk33の制御によって行う。
【0026】モータドライブ回路13は、JKフリップ
フロップなどの典形的な順序回路と、三角波発生回路、
および比較演算回路により構成される。
【0027】モータドライブ回路13は、CPU11か
らの前/後進およびスピードコントロール信号を受けD
Cモータ20に流れる電流の極性を切り換えることで正
/逆転(前/後進)の切換えを行い、正/逆転時にデュ
ーティ比を上下させることでモータの出力トルクや回転
数の制御を行う。
【0028】図4,5において、a…TrF1,Tr
2、b…TrR1,TrR2、c…TrR3,TrR4
d…TrF3,TrF4としたときに、前進時は、a,
d出力HI(b,c出力Low)で能動スイッチ素子T
rF1〜TrF414,16,24,26はONの状態で
あり(能動スイッチ素子TrR1〜TrR415,17,
23,25はOFF状態)、スピードのコントロール
(回転数の制御)は、これらトランジスタもしくは能動
スイッチ素子において、デューティ比を変化させること
でモータ印加電圧を制御することにより行う。
【0029】中立(停止)時は、a,b,c,dとも
に出力Lowで、TrF1〜TrF4,TrR1〜TrR4
は全てOFF状態になっている。
【0030】後進時は、b,c出力HI(a,b出力
Low)で、TrR1〜TrR4はON状態であり(Tr
1〜TrF4はOFF状態)、スピードコントロールは
と同様にこれらの素子のデューティ比を変化させるこ
とにより制御する。
【0031】また、Dダイオード18,19,21,2
2,31,34はモータのコイルまたはリレーのコイル
に電流が流れる瞬間に発生する逆起電力で、能動スイッ
チ素子を破壊しないようにするために一般的に使われて
いるフライホイールダイオードである。32はRY2の
コイルである。35はDC/DCコンバータである。C
36は平滑用コンデンサである。37はメインスイッ
チ、38はRY1のコイルである。39は電源パイロッ
トランプである。
【0032】モータドライブ回路13は、CPU11か
らの前/後進信号とスピードコントロール信号を受けて
モータ電流値に応じたデューティ比を変化させることに
よるモータ印加電圧の制御や正逆転(前/後進)の切替
えなどを制御する。
【0033】典型的なジョイスティックは、レバーのつ
け根に可変抵抗器を取り付けていて、レバーの傾きで抵
抗値が変化するようになっている。一般的には、この抵
抗値の変化を電圧の変化として検出している。これによ
って、移動方向検知手段が構成される。この実施例には
限定されないことは勿論である。
【0034】このとき、レバーを最大前傾,後傾または
中立時それぞれに対応した電圧値が一義的に決まる。
【0035】レバーの傾き、移動の検出の方法はあらか
じめ上の電圧値などをCPUに記憶していて、検出した
電圧値そのものと電圧値の増減の方向をCPUで記憶し
ている電圧値と参照して、いま現在レバーはどの傾きで
走行モードなのか、制動モードなのかを判断して走行モ
ードであれば、モータドライブ回路に、制動モードであ
れば制動回路部のそれぞれの能動スイッチ素子に制御信
号を出力する。中立位置であれば停止する。
【0036】制動回路部は、停止または停止状態保持の
ための電磁ブレーキEmBk33,そのON−OFFを
CPU11でコントロールするための能動スイッチ素子
TrEmBk27,抵抗負荷によるモータの発電制動
(ダイナミックブレーキ)に切り換えて、バッテリーを
回路から切断するリレーRY2 44,そのON−OF
FをCPUでコントロールするための能動スイッチ素子
TrRY2 28,モータの発電制動(ダイナミックブ
レーキ)時にモータの負荷になる抵抗DBkR30,こ
の抵抗に消費させる電力を変化させることで制動力を制
御するために、発電制動用抵抗DBkR30を負荷とし
て制動回路のON−OFFをCPU11でコントロール
するための能動スイッチ素子TrDBk29以上から構
成される。
【0037】CPU11からの制動指令を受けて、DC
モータ20を発電機、抵抗DBkR30を負荷とし、能
動スイッチ素子TrDBk29を速度によって変化する
モータからの発電された電流の大きさを電流センサIs
42で検知しながら、そのON−OFFデューティ比を
適切な量に制御することによって速度制御レバー2の位
置に対応した制動力を発生させる。
【0038】図5は、図4の構成において速度制御レバ
ーの操作位置と各リレーおよび各能動スイッチ素子のO
N−OFFの状態との関係を示す。前進の場合は、能動
スイッチ素子TrF114,TrF216および能動スイ
ッチ素子TrF324,TrF426がON状態にあり、
前進走行モードとなる。
【0039】後進の場合は、能動スイッチ素子TrR1
23,TrR225および能動スイッチ素子 TrR3
5,TrR417がONの状態にあり、後進走行モード
になる。 ニュートラルすなわち中立(停止)の状態に
あるときは、RY1の接点であるメイン回路用リレーR
Y1 43がONの状態にあって、電磁ブレーキは能動
スイッチ素子TrEmBk27がOFFの状態にあって
停止が保持される。
【0040】ダイナミックブレーキ(制動)の状態にあ
るときは、RY2の接点であって、ダイナミックブレー
キ動作のためにバッテリーBAT41をメイン回路から
切断するためのダイナミックブレーキ動作用メイン回路
切断リレーRY2 44および能動スイッチ素子TrR
Y2 28,能動スイッチ素子TrDBk29がONの
状態にあって制動作用をなす。
【0041】図6にレバーの方向と車速,制動力および
電磁ブレーキとの関係を示す。速度制御レバー2がニュ
ートラルの位置にあるときは車速0で電磁ブレーキは停
止,保持状態にあり、制動力は“大”の状態にある。レ
バーがフォワードの方向に傾けられると電磁ブレーキは
開放され、車速は増大していく。すなわち電動車いすは
走行モードにある。レバーがフォワードの位置からニュ
ートラル方向に傾けられると、制動力が働く制動モード
にされる。制動力はニュートラル方向に向って大きくな
っていく。レバーがニュートラル位置からリバースの方
向に傾けられるとやはり電磁ブレーキは開放され、車速
は増大していく。すなわち電動車いすは走行モードにあ
る。リバースの位置での車速はフォワードの位置での車
速に比べて小さい。レバーがリバースの位置からニュー
トラル方向に傾けられると制動力はそれに伴って大きく
なっていく。
【0042】図7に制御フローチャート図を示す。アク
セルレバーは停止位置にあり(51)、アクセルレバーを
起動側へ倒すと(52)、電磁ブレーキが開放される。
(53)。この状態でアクセルレバーを低速側から高速側
へ動かすと(54)、制御装置は走行モードになる(5
5)。この状態では、車いすはアクセルレバーの位置に
応じた通流率で走行する(56)。これをフロー上繰り
返す。アクセルレバーを低速側へ動かすと(5)、制御
装置は制動モードになる(58)。そして、アクセルレ
バーの位置に応じた制動力がかかる(59)。フロー上
これを繰り返す。アクセルレバーを停止位置に戻すと
(60)、最大制動力を△t時間加えた後に電磁ブレー
キを動作させる(61)。車いすは停止する(62)。
【0043】図8にレバーの位置と制動力指令値(R
p)および速度指令値(Vs)との関係を示す。レバー
の戻し量が小さい場合制動モードになる。これはモータ
を発電機とし抵抗を負荷とする発電ブレーキ(ダイナミ
ックブレーキ)状態となっている。
【0044】レバーを戻した場合、制動力指令値(Rp)
は小さく、レバーの戻し量が最高速度の位置より中程度
の場合の制動力指令値(Rp)はさらに大きくなり、レ
バーが中立の付近になると発電ブレーキは頭打ちになる
が、電磁ブレーキが作動することで最大になる。
【0045】ダイナミックブレーキ状態では、速度に対
応するモータ発電の電流値をみながら、図4の能動スイ
ッチ素子TrDBk29によるON−OFFのデューテ
ィ比を適切に制御することで、抵抗DBkR30で消費
される電力を変化させる。
【0046】つまり、制動力を大きくしたい場合は、デ
ューティ比を大きくして抵抗による消費電力を大きく
し、一方、制動力を中程度にするときはデューティ比を
上の半分、小さくしたい場合はデューティ比を小さくし
て、消費電力を小さくする。
【0047】ここで、一般的なDCモータの発電制動で
は、制動力は発電する電流値の大きさにほぼ比例してい
る。
【0048】また、制動時の電流値の大きさは、デュー
ティ比が同じでも速度によって変わってくる。
【0049】すなわち、制動力を上のようにレバーの位
置に対応させて制御するためには、モータの発電する電
流値をレバーが指示する制動力を発生するのに必要な大
きさになるようデューティ比をコントロールするのであ
る。
【0050】この方式だと、停止に近い低速域では、制
動力をコントロールできにくくなるが、その領域では、
電磁ブレーキを動作させたほうが適切であるので、図8
のように制動力と速度の関係を定めている。
【0051】レバーが中立に戻ると同時に電磁ブレーキ
が動作してロックすることで完全に停止する。
【0052】そして中立状態では、そのまま停止の状態
を保持することになる。
【0053】停止からレバーを走行方向へ動かしたとき
には、電磁ブレーキを開放する前に速度指令値が出て、
電磁ブレーキを開放する時点でモータ電流は、平坦路を
低速で定速走行するときに近いモータ電流値に立ち上が
っているようにすることで、登り坂の途中から発進する
ときの後戻りを防止することができる。
【0054】図9にモータの回転数、トルク−電流特性
曲線と電流値ごとにモータ印加電圧を切り替えるモード
について示す。
【0055】この図で(ア)(イ)(ウ)領域における
モータ電圧は次のように切り替えられる。
【0056】(ア):最大加速走行時、モータ電圧はVF
→VHI→VMID→VLOW に切り替えられる。
【0057】(イ):定速走行時、モータ電圧はVHI
下が印加される。
【0058】(ウ):降坂時、もしくは平坦路で上限速
度を越えるとき、自動的に制動される。
【0059】この図で、各略語は次に示す意味を有す
る。
【0060】NL:車速制限時のモータ制限回転速度 TF:NL時のモータ電流−トルク特性曲線 IM:モータ電流 VF:モータの端子間にバッテリーの全電圧をかけたと
きの電圧 NF:モータにVFを印加したときのモータ電流−回転数
特性曲線 IM1:NF上でNLとなる点Cの電流値 IML:モータ電流制限値 TO:TF上でNLで走行するときのトルク値 平坦路を上限速度で走行するときのトルク値でもある。
【0061】IMO:TOのときのモータ電流値 ND:IMOのモータ電流でトルクTOのときのモータ回
転速度がNLになる点Bを通るモータ電流−回転数特性
曲線 VMID:最高速度の1/2程度で走行するときの印加電
圧 VLOW:低速走行で走行するときの印加電圧。
【0062】次にレバー動作に伴う制動作用について説
明する。
【0063】走行モード時 前述したようにレバーの位置をニュートラルからフォワ
ードあるいはリバースの方向に傾けたときに走行モード
になる。その途中から速度最大方向へ傾けたときも走行
モードである。オープンループのため、レバーの位置に
より走行抵抗とモータトルクのマッチングした速度で走
行することになり、その関係式は次のように示される。
(空気抵抗は小さいので略してある。) R=W(μl cosθ±sinθ)・・・(1) T=RD/2εηG ・・・(2) ここで、マイナスは降坂、プラスは登坂時であることを
示す。
【0064】R:走行抵抗(Kgf) μl:ころがり抵抗係数 θ:勾配(度) D:タイヤ直径(m) ε:ギア比 ηG:ギア効率 T:モータトルク(Kgfm) 制動モード時 前述したようにレバーの位置をフォワード,リバースの
速度最大からニュートラルの方向に戻したときに制動モ
ードになる。この状態では、RY2 44を断にしてバ
ッテリーBAT41をメイン回路から切り離し、抵抗D
BkR30を負荷、モータを発電機とした発電制動(ダ
イナミックブレーキ)を行う。
【0065】制動力を可変する方法は、トランジスタも
しくは能動スイッチ素子TrDBk29をその時点での
速度に対応するモータが発電する電流値をみながらON
−OFFのデューティ比を適切にコントロールするので
抵抗による発電電力の消費量を調節しながら、制動力を
レバー位置に対応させるダイナミックブレーキ方式とす
る。
【0066】レバーには、制御装置に対して、手を離す
と速度が零で電磁ブレーキが動作する方向に自動的に戻
るように常に力を作用せしめておく。
【0067】降坂時もしくは平坦路で上限速度を越える
ときの制動作用について説明する。
【0068】図9において、モータ電流検出値がIMO
以下になるときは、降坂時もしくは平坦路走行時で上限
速度に達しているか、越えているかのいずれかであると
判断して自動的に制動モードに切り替え、ダイナミック
ブレーキによる適切な量の制動をかける。
【0069】回転センサーレスで最高車速制限のある条
件下で加速性をよくする方法について説明する。
【0070】前述したように図9に直流永久磁石電動機
の特性が示されている。
【0071】車速制限時のモータ制限回転速度をNL
するトルク特性曲線TFをモータの印加電圧に関係なく
電流値IMに対し一義的に決定する。
【0072】今、モータに全電圧VFを印加したときの
回転数特性曲線をNFとし、モータ制限回転速度NLとな
る点Cのときの電流値をIM1とする。
【0073】次にモータ制限回転速度NLで平坦路走行
するときのモータトルクDの値をTとし、そのときの
モータ電流値をIMとする。
【0074】IMOの電流でトルクTOのときのモータ回
転速度がNLになる点、Bを通る回転速度特性曲線ND
なるようなモータ印加電圧をVHIとする。
【0075】モータ電流制限値IMLとすると、IML
IM≧IM1の場合はバッテリー全電圧VFを印加しIM
1>IMの場合はモータ印加電圧をVHIに下げるように
する。
【0076】必要に応じて速度を中から低速にするとき
は、それぞれに対応して印加電圧をそれぞれVMID,V
LOWに下げるようにする。それによって、図10に示す
ように最高速度がVS LIMITとされている。
【0077】電動走行車の加速特性曲線において、の
ようにVS LIMITになる加速時間t2がのようにt1
S LIMITに達し、車速制限値VS LIMITを越えないよう
にしながら、加速時間を大幅に短縮することで、加速性
を大きく改善できる。
【0078】
【発明の効果】本発明による車速制御レバーの操作感覚
は、速度設定レバー(アクセル)と制動力を設定するレ
バー(ブレーキ)の2つの操作を一つのレバーで行うこ
とにより、一般的に自動車の運転中減速時に行う動作、
アクセルを戻してブレーキを踏むという2つの別々の機
能を1つのレバーで行えるという点で操作が簡単になり
心理的な負担もかなり軽減されることになる。
【0079】特に高齢者が運転するときのことを考えて
みると、同時にたくさんのことが不得手になりがちな高
齢者にとって安全に操作ができるという大きな効果があ
る。
【0080】制動力を操作者の意志でコントロールでき
るようにしたことで、速度が出すぎた場合に従来ならア
クセルを戻すだけで走行抵抗による自然減速に頼るか、
または、回転センサーを設けてレバーの位置を検出して
減速するしかなく、回転センサーレスでは適切な制動を
行うことができなかったのを、本発明では回転センサー
を設けなくても、回転センサー付と同等の制動を回転セ
ンサーレスで得ることができる大きな効果がある。また
操作感覚としては、自動車のアクセルを戻すとエンジン
ブレーキがかかるといったような感覚で操作できるた
め、今後自動車の運転経験のある高齢者の数が増えてく
ると予想されるので、非常に重要なポイントである。
【0081】本発明により、回転センサーを必要とせず
モータ電流センサーのみのモータ制御になり、可動部分
が少なくなり部品点数も減少することでコストの低減と
信頼性の向上が図れるようになる。
【0082】本発明によれば、回転センサー付でないと
得られなかった加速性の向上と登坂走行速度をあげるこ
とが回転センサーレスで出来る効果がある。
【0083】本発明によれば、登坂路での途中発進にお
いても、自動車のオートマチックトランスミッションと
同じ感覚で後戻りを防ぐことができ、初心者でも安心し
て操縦ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用される対象の一つを示す図。
【図2】本発明の適用される対象の他の例を示す図。
【図3】本発明に使用される速度制御レバーの操作を示
す図。
【図4】本発明の機能ブロック図。
【図5】速度制御レバーの操作状態と各スイッチ素子の
動作状態を示す図。
【図6】速度制御レバーの方向と制動力との関係を示す
図。
【図7】本発明の制御フローチャート図。
【図8】速度制御レバーの位置と減速力、速度との関係
を示す図。
【図9】モータ回転数,トルク−電流特性曲線と電流値
ごとのモータ印加電圧を切り替えるモード図。
【図10】電動走行車モータの加速特性曲線を示す図。
【符号の説明】
1…電動車いす,2…速度制御レバー,3…車輪,10…
電動走行車制御装置,11…CPU,12…ジョイスティッ
ク,13…モータドライブ回路,14…能動スイッチ素子,
15…能動スイッチ素子,16…能動スイッチ素子,17…能
動スイッチ素子,18…フライホイールダイオード,19…
フライホイールダイオード,20…DCモータ,21…フラ
イホイールダイオード,22…フライホイールダイオー
ド,23…能動スイッチ素子,24…能動スイッチ素子,25
…能動スイッチ素子,26…能動スイッチ素子,27…能動
スイッチ素子,28…能動スイッチ素子,29…能動スイッ
チ素子、30…ダイナミックブレーキ用抵抗器,31…フラ
イホイールダイオード,32…ダイナミックブレーキ動作
用メイン回路切断リレーコイル,33…停止保持用電磁ブ
レーキ,34…フライホイールダイオード,35…デジタル
回路+5V電源用DC/DCコンバータ,36…電源平滑
用コンデンサ,37…メインスイッチ,38…メイン回路用
リレーコイル,39…電源用パイロットランプ,40…フラ
イホイールダイオード,41…バッテリー,42…モータ電
流値センサ,43…メイン回路用リレー,44…ダイナミッ
クブレーキ動作用メイン回路切断リレー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 聡 茨城県東茨城郡茨城町長岡3781番地1号 茨城県工業技術センター内 (56)参考文献 実開 昭53−101197(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60L 15/00 - 15/28 A61G 1/00 - 5/04

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】速度制御レバーがニュートラルの状態にあ
    っては電磁ブレーキもしくは同等の機能をもつものによ
    るブレーキなどの機械的ブレーキがかかっており、ニュ
    ートラルの状態から動かされると機械的ブレーキが開放
    され、該レバーの傾きもしくは移動量相当量に応じて車
    速が設定される電動走行車用制御装置において、 該レバーの傾きもしくは移動方向を検知する移動方向検
    知手段が、該レバーの傾きもしくは移動が増加する方向
    を示すときには走行モードになり、かつ該レバーの傾き
    もしくは移動が減少する方向を示すときには制動モード
    に切替え制御を行うことを特徴とする電動走行車用制御
    装置。
  2. 【請求項2】速度制御レバーがニュートラルの状態にあ
    っては電磁ブレーキもしくは同等の機能をもつものによ
    るブレーキなどの機械的ブレーキがかかっており、ニュ
    ートラルの状態から動かされると機械的ブレーキが開放
    され、該レバーの傾きもしくは移動量相当量に応じて車
    速が設定される電動走行車用制御装置において、 該レバー傾きもしくは移動方向を検知する移動方向手段
    が、該レバーの傾きもしくは移動が減少する方向を示す
    ときには制動制御を行うことを特徴とする電動走行車用
    制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、 制動力は、ニュートラルの位置が最大で、レバー最大傾
    斜もしくは最大移動量の位置で最小となり、この間は連
    続的または断続的に設定されることを特徴とする電動走
    行車用制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、 モード切替えに当っては、前記レバーの動きに反応しな
    い不感帯が設けられていることを特徴とする電動走行車
    用制御装置。
  5. 【請求項5】速度制御レバーの傾きもしくは移動量に応
    じて車速がオープンループで設定される電動走行車にお
    いて、 該レバーの傾きもしくは移動方向を検知する移動方向手
    段および該手段からの信号を受けて制動制御を行う制御
    装置とを備え 前記制御装置は、前記レバーの傾きもしくは移動が増加
    する方向を示すときには走行モードになり、かつ前記レ
    バーの傾きもしくは移動が減少する方向を示すときには
    制動モードになる制御を行うこと を特徴とする電動走行
    車。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 フォワード(前進)およびリバース(後進)の双方にお
    いて制動制御が行われることを特徴とする電動走行車。
  7. 【請求項7】 請求項5において、 前記レバーには前記制御装置に電磁ブレーキが動作する
    方向もしくは速度指令値が小さくなる方向に力を作用せ
    しめておくことを特徴とする電動走行車。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 電磁ブレーキを開放する前に速度指令が出て、電磁ブレ
    ーキを開放するときに、モータ電流を平坦路を定低速で
    走行するときに近いモータ電流値に立ち上げておくこと
    を特徴とする電動走行車。
  9. 【請求項9】 請求項5から8のいずれかにおいて、 前記制御装置は、ジョイスティックで速度制御される電
    動車いすに車載されることを特徴とする電動走行車。
  10. 【請求項10】 請求項5から8のいずれかにおいて、 前記制御装置は、前記速度レバーで速度制御される電動
    3輪車いすまたは電動4輪車いすに車載されることを特
    徴とする電動走行車。
  11. 【請求項11】 請求項5から8のいずれかにおいて、 モータに全電圧VFを印加したときの回転数特性曲線NF
    とモータ制限回転速度NLとの交点における電流値をI
    1とし、モータ電流制限値をIMLとしたときに、モー
    タ電流値IMが IML≧IM≧IM1 のときは全電圧VFを印加し、 IM1>IM のときは全電圧VFよりも小さな電圧VH1を印加するこ
    とを特徴とする電動走行車。
  12. 【請求項12】 請求項5において、 走行モードにあるときに、所定のモータ電流よりも小さ
    な電流値になったことを検出して制動モードに切り替え
    ることを特徴とする電動走行車。
  13. 【請求項13】 請求項11において、 前記設定値は、平坦路走行時のモータ電流値よりも小さ
    な値であることを特徴とする電動走行車。
  14. 【請求項14】 請求項11において、 前記制動モードにあるときに、レバーの傾きもしくは移
    動量を増やす方向への動作で走行モードに切り替わるこ
    とを特徴とする電動走行車。
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