JP2893532B2 - 自動変速機のクラツチ装置 - Google Patents

自動変速機のクラツチ装置

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JP2893532B2 JP1095306A JP9530689A JP2893532B2 JP 2893532 B2 JP2893532 B2 JP 2893532B2 JP 1095306 A JP1095306 A JP 1095306A JP 9530689 A JP9530689 A JP 9530689A JP 2893532 B2 JP2893532 B2 JP 2893532B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は発進装置と遊星歯車装置を備えた自動変速機
のクラツチ装置に関する。
〔従来の技術〕 自動変速機は、発進装置と複数列の遊星歯車装置を備
え、発進装置からの入力を遊星歯車列を構成する要素に
伝達する経路と、遊星歯車列の要素を固定して反力を受
ける経路と、遊星歯車列の要素から出力を取出す経路と
を摩擦係合要素によつて選択的に切換えることで異なる
変速比をもつ変速段を構成するとともに、変速段の切換
えを達成する。
多段の変速段をもつ自動変速機にあつて、変速段の構
成と切換えを円滑に達成するためには多くの摩擦係合要
素を装備することが望ましい。摩擦係合要素のうち、特
にクラツチは、一般に回転自在なドラム内にクラツチ板
とサーボ装置である油圧ピストンを収容した構造を有す
る。そこで、特開昭64−79451号に開示のように、二つ
のクラツチドラムを軸方向にならべて配置するものがあ
る。これは。入力軸からの回転を一方のクラツチドラム
17に入力すると同時に他方のクラツチC1のハブ10aに入
力されるようになっており、一方のクラツチドラム17a
と他方のクラツチドラム10bとはクラツチC1を介して連
結されるように構成されている。従って、必然的にそれ
ぞれのクラツチドラムのインナシリンダは別々に構成さ
れる必要がある。この構成では、夫々のインナシリンダ
自体はさほど軸方向寸法を櫃翁としないため、インナシ
リンダの回転による偏心(かたぎ)はそれほど問題とは
ならない。したがって、インナシリンダとケース間に配
置されたシール部材の耐久性の低下を防止することがで
きる反面、それぞれのインナシリンダが別体で構成され
ているため、インナシリンダ間には所定のクリアランス
を必要としてその分だけ軸方向寸法が増大する。そこ
で、一方のクラツチドラム17aに入力される回転を従来
技術のようにハブ10aに入力するのではなく、他方のク
ラツチドラム10bに連結するようにすれば、一方のクラ
ツチドラム17aのインナシリンダと他方のクラツチドラ
ム10bのインナシリンダとを軸方向一体に構成すること
ができるため、上記所定のクリアランスを必要とせずそ
の分軸方向寸法の短縮を図ることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし上記構成では、二つのクラツチドラムのインナ
シリンダを一体に構成するためインナシリンダの軸方向
寸法が長くなり、夫々のクラツチドラムの回転による偏
心(かたぎ)が発生する。その結果、インナシリンダと
ケース間に配置されたシール部材の耐久性の低下が発生
するという問題点が生ずる。
従って本発明は、クラツチを設けたクラツチドラムを
変速機の入力軸に沿って2個直列に同心的に整列せし
め、かつ1個のシリンダ部材に夫々固着せしめた2個の
クラツチドラムを、変速機のケースに回転自在とする為
に該ケースに挾持固定するオイルポンプカバーに回転自
在に支持せしめて配置することで、軸方向の寸法の短縮
を図ることができるとともに、クラツチドラムの偏心に
よるシール部材としての油路部材の耐久性の低下を防止
することができる、自動変速機を提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
以上の課題を解決するために本発明は、発進装置
(2)を収容するハウジング(200)と遊星歯車装置を
収容するケース(300)とで挟持固定するオイルポンプ
カバー(250)と、該オイルポンプカバー(250)の前記
ケース(300)側の中心部に形成する円筒状の支持部(2
52)と、該支持部(252)の外周部に圧入されたほぼ円
筒形の油路部材(254)と、前記油路部材(254)の外周
部により前後端をベアリング(255a),(255b)を介し
て回転自在に支承するとともに該支持部(252)と同心
的に形成したシリンダ部材(460)と、該シリンダ部材
(460)と同心的にかつ該シリンダ部材(460)の軸線方
向に沿って該シリンダ部材(460)に直列に固着した2
個のクラツチドラム(470)、(440)と、これら2個の
夫々のクラツチドラム(470)、(440)内に配設するク
ラツチ(14)、(12)および該クラツチ(14)、(12)
を操作するピストン(480)、(450)と、夫々クラツチ
ドラム(470)、(440)内の前記クラツチ(14)、(1
2)を操作すべくピストン室を油圧源と連通する前記支
持部(252)、油路部材(254)およびシリンダ部材(46
0)に穿設した油路とから成ることを特徴とするもので
ある。
また本発明は、前記の自動変速機のクラツチ装置にお
いて、前記シリンダ部材(460)に対し同心的な2個の
クラツチドラム(470)、(440)を前記シリンダ部材
(460)の軸線方向に沿つて配設するとともに、前記一
方のクラツチドラム(470)に収容するクラツチ(14)
を前記他方のクラツチドラム(440)に収容するクラツ
チ(12)に対して半径方向外側に配設して成ることを特
徴とするものである。
〔作用〕
以上の手段を有することにより、固定部材であるオイ
ルポンプカバー(250)により2個のクラツチドラム(4
40,470)は堅実に支持され、さらに、一方のクラツチド
ラム(470)に収容するクラツチ(14)を他方のクラツ
チドラム(440)に収容するクラツチ(12)に対して半
径方向に重ねて配設することができるから、スペースは
有効に利用される。
なお、上述の( )の符号は図面と対照するものであ
るが、何ら構成を限定するものではない。
[実施例] 以下、図面に基いて本発明の実施例を説明する。
第1図は、本発明を実施する自動変速機の断面図、第
2図はスケルトを示すもので、まず、第2図を参照して
全体の概要を説明する。
自動変速機1は、発進装置2と遊星歯車装置を有する
変速機3を備えるが、発進装置2としては本実施例に示
すトルクコンバータの他にも、流体継手、電磁クラツ
チ、多板式クラツチ、遠心クラツチ等の適宜の手段を選
択することができる。
発進装置2は、エンジンの駆動を受けて回転するフロ
ントカバー202の後部に連結されるリヤカバー204,リヤ
カバー204の内周壁面に形成されたポンプインペラ206を
有し、ポンプインペラ206に対向して配設されたタービ
ンランナ208はタービンシエル210に保持され、タービン
シエル210はその内周部で発進装置2の出力部材である
とともに変速機3の入力部材でる入力軸240に連結され
る。ポンプインペラ206とタービンランナ208との間には
ステータ214が配設され、ステータ214の内周部は一方向
クラツチ216のアウタレースに連結されるとともに、一
方向クラツチ216のインナレースは固定部材である支持
筒230の外周部にとりつけられる。フロントカバー202と
タービンシエル210との間にはフロントカバー202とター
ビンシエル210とを直結するロツクアツプクラツチ220を
配設する。
変速機3の遊星歯車列は、基本遊星歯車列4aと補助遊
星歯車列4bとを備える。基本遊星歯車列4aは、第1及び
第2のシンプルプラネタリギヤセツト110,120を備え、
第1のシンプルプラネタリギヤセツト110のキヤリヤ113
と第2のシンプルプラネタリギヤセツト120のリングギ
ヤ125を連結するシンプソン形の遊星歯車列である。補
助遊星歯車列4bは、1列のシンプルプラネタリギヤセツ
ト130を備え、サンギヤ131を固定してリングギヤ135の
入力をキヤリヤ133に出力する減速装置とサンギヤとリ
ングギヤに入力を与え、キヤリヤに出力するいわゆるス
プリツトタイプの減速装置の機能を有する。
本自動変速機は、摩擦係合要素として5個のクラツ
チ,3個のブレーキ,3個の一方向クラツチを装備するが、
摩擦係合要素と遊星歯車列の各要素との結合関係は次の
とおりである。
変速機3の入力軸240は、第1のクラツチ11のドラム
に接続し、第1のクラツチ11のハブは第1の中間軸610
を介して第1のシンプルプラネタリギヤセツト110のリ
ングギヤ115に連結する。第1のクラツチ11のドラムは
第2のクラツチ12のハブを兼ね、第2のクラツチ12のド
ラムは第2の中間軸620を介して愛1のシンプルプラネ
タリギヤセツト110のサンギヤ111に連結する。第2のク
ラツチ12のドラムは第4のクラツチ14のドラムとも連結
し、第4のクラツチ14のハブは第3の中間軸630を介し
て第2のシンプルプラネタリギヤセツト120のキヤリヤ1
23に連結する。第4のクラツチ14のドラムは第3のクラ
ツチ13とともに第1の一方向クラツチ31のアウタレース
に連結する。第3のクラツチ13のドラムと第1の一方向
クラツチ31のインナレースは第4の中間軸640を介して
第2のシンプルプラネタリギヤセツト120のサンギヤ121
に連結する。第3のクラツチ13のドラム外周部には第2
のブレーキ22を配設する。
第1のシンプルプラネタリギヤセツト110のキヤリヤ1
13は第2のシンプルプラネタリギヤセツト120のリング
ギヤ125に連結するとともに、第1の連結部材150を介し
て補助遊星歯車列4bを構成する第3のシンプルプラネタ
リギヤセツト130のリングギヤ135と一体となる。第2の
シンプルプラネタリギヤセツト120のキヤリヤ123は第2
の連結部材160を介して第2の一方向クラツチ32と第5
のクラツチ15のハブに連結する。第2の一方向クラツチ
32のアウタレースは、その外周に配設する第3の一方向
クラツチ33のインナレースを兼ね、このレースは第5の
クラツチ15のドラムと一体となつて第3のシンプルプラ
ネタリギヤセツト130のサンギヤ131に連結する。第5の
クラツチ15の外周部に第1のブレーキ21を配設し、第3
の一方向クラツチ33のアウタレースを変速機のケースの
内壁に固着する。
第3のシンプルプラネタリギヤセツト130のキヤリヤ1
33は出力軸800に接続する。
第1図は第2図で説明したスケルトンをもつ自動変速
機の具体的な構造を示す断面図である。
自動変速機1を構成する発進装置2は流体伝動装置で
あつて、エンジン側(以下、エンジン側を「前側」とす
る)に開口するハウジング200の内部に収容される。エ
ンジンの駆動を受けて回転するフロントカバー202の後
部にはリヤカバー204が一体にとりつけられる。リヤカ
バー204の内周壁面にはポンプインペラ206が形成され、
ポンプインペラ206に対向して配設されたタービンラン
ナ208はタービンシエル210に保持される。タービンシエ
ル210はその内周部で連結部材211を介して発進装置2の
出力部材であるとともに変速機3の入力部材である入力
軸240に連結される。ポンプインペラ206とタービンラン
ナ208との間にはステータ214が配設され、ステータ214
の内周部は一方向クラツチ216のアウタレース215に連結
されるとともに、一方向クラツチ216のインナレース217
は支持筒230の前端外周部にとりつけられる。フロント
カバー202とタービンシエル210との間にはロツクアウプ
ピストン222をもつロツクアツプクラツチ220を配設す
る。
ハウジング200の後部には変速機3の構成要素を収容
する円筒状のケース300が連結されるが、ハウジング200
と変速機のケース300の接合部にはオイルポンプカバー2
50と仕切板270を介してオイルポンプハウジング260をと
りつける。オイルポンプハウジング260内には外歯歯車2
62と内歯歯車264から成る内接歯車ポンプが収容され、
外歯歯車262の内周部はリヤカバー240と一体の軸266に
連結される。オイルポンプカバー250の中心部は、後方
へ向けて突出する円筒状の支持部252を形成し、この支
持部252の内周部に支持筒230の後部外周部を圧入固定す
る。
支持筒230はその内周部の2つの支点で入力軸を支持
し、入力軸の後端部は径方向に拡がるフランジ部を形成
する。フランジ部の外周部は第1のクラツチドラム410
に連結される。第1のクラツチドラム410の内部には第
1のクラツチ11が収容され、第1のクラツチ11を操作す
るピストン420を配設する。
第1のクラツチドラム410の後側は後向きに開口する
が、ドラム410の前側にはクラツチハブ430を固着し、対
向して配設する第2のクラツチドラム440との間に第2
のクラツチ12とピストン450を収容する。第2のクラツ
チドラム440の内周側はシリンダ部材460と一体であり、
このシリンダ部材460はオイルポンプカバー250の支持部
252により回転自在に支持される。シリンダ部材460の前
端部には第4のクラツチ14とピストン480を収容する第
4のクラツチドラム470を連結する。
第4のクラツチドラム470は、連結部材490を介して第
1の一方向クラツチ31のアウタレース540に連結する。
第4のクラツチ14のハブ500は第3の中間軸630に連結す
る。アウタレース540とその外周側に配設する第3のク
ラツチドラム520との間に第3のクラツチ13を設け、ク
ラツチドラム520内にピストン530を収容する。第3のク
ラツチドラム520の外周部にはバンド式の第2のブレー
キ22を設け、クラツチドラム520のインナシリンダ側は
第1の一方向クラツチ31のインナレース510と一体とな
る。
入力軸240の後端内周部は、ベアリングを介して第1
の中間軸610の先端外周部を支持する。第1の中間軸610
の後端外周部は、ベアリングを介して出力軸800の先端
内周部により支持される。入力軸240及び出力軸800は変
速機のケース300に堅実に支持されるので、これらの軸
により支持する第1の中間軸610の支持剛性も高くな
る。
第1の中間軸610の外周部は円筒状の第2の中間軸620
を2点支持し、第2の中間軸620の外周部は円筒状の第
3の中間軸630を2点支持する。第3の中間軸630の外周
側に同心的に配設する第4の中央軸640は、変速機のケ
ース300の内部の中央部にとりつける中央支持部材310の
内周部により支持する。この中央支持部材310の中心部
は、ケースの前方及び後方へ突出する円筒部に形成さ
れ、前方へ突出する円筒部の外周部にリング部材320を
圧入し、リング部材320の外周部で第3のクラツチドラ
ム520のインナシリンダの内周部を回転自在に支持す
る。
第1の中間軸610の前端部は第1のクラツチ11のハブ4
05に連結し、第2の中間軸620の前端部は第2のクラツ
チ12のクラツチドラム440に連結する。第3の中間軸630
の前端部は第4のクラツチ14のハブ500に連結し、第4
の中間軸の前端部は第3のクラツチ13のドラム520と一
体の第1の一方向クラツチ31のインナレース510に連結
する。4重構造をもつ中間軸は中央支持部材310を貫通
して後側に延び、第1の中間軸610の後端外周部は出力
軸800の先端内周部で支持される。変速機のケース300の
後部には、後部壁330を形成し、この後部壁330の内周部
に後部支持部材350を挿入して固着する。この後部支持
部材350は、変速機のケース300の内部前方へ向けて突出
する円筒部を備え、円筒部の外径は前方へ向けて順次外
径が細くなる複数の段付部に形成される。支持部材350
の円筒部の前端内周部は出力軸800の前部外周部を支持
する。
変速機のケース300の後端部にインロウ係合部360を介
して同心的に嵌合する後部ケース370の後端の内周部
は、ベアリングを介して出力軸800の後部外周部を支持
する。したがつて、出力軸800は2つの支点で確実に支
持され、第1の中間軸610は、前述したように、その前
後端部を入力軸240と出力軸800で確実に支持される。
第2図のスケルトンでも説明したが、4重構造をもつ
中間軸610,620,630,640と出力軸800との連結部の外周部
には3列のシンプルプラネタリギヤセツトが,第2,第1,
第3の順序で配設される。
第1の中間軸610の後端部には連結部材615を介して第
1のシンプルプラネタリギヤセツト110のリングギヤ115
がとりつけられる。第2の中間軸620の後端部には第1
のシンプルプラネタリギヤセツト110のサンギヤ111がと
りつけられ、ピニオンのキヤリヤ軸113は第2のシンプ
ルプラネタリギヤセツト120のリングギヤ125と連結す
る。第2のシンプルプラネタリギヤセツト120のキヤリ
ヤ軸123の一端部は第3の中間軸630に連結し、他端部は
第2の連結部材160を介して第2の一方向クラツチ32の
インナレース700に連結する。
第4の中間軸640の後端部には第2のシンプルプラネ
タリギヤセツト120のサンギヤ121を形成する。第2のシ
ンプルプラネタリギヤセツトのリングギヤ125は、第1
の連結部材150を介して第3のシンプルプラネタリギヤ
セツト130のリングギヤ135と一体となる。
第1の連結部材150の外側に配設する第2の連結部材1
60の外周部には、多板式の第3のブレーキ23を配設し、
ピストン550を中央支持部材310の後側の壁面内に収容す
る。
第2の連結部材160に係合するインナレース700の外周
側にスプラグとアウタレース710を配設して第2の一方
向クラツチ32を構成する。このアウタレース710の外周
側にはさらに他のスプラグとアウタレース720を配設し
て第3の一方向クラツチ33を構成する。すなわちレース
710はアウタレースとインナレースを兼用する部材であ
つて、2個の一方向クラツチ32と33の中間に介在するの
で、本明細書中ではミドルレース710と称する。インナ
レース700はクラツチハブ730と一体となり、ミドルレー
ス710は第5のクラツチドラム740に連結する。第5のク
ラツチドラム740内に第5のクラツチ15とピストン750を
収容する。
第3の一方向クラツチ33のアウタレース720の外周部
はケース300の内周面にスプライン係合し、第5のクラ
ツチドラム740の外周部にはバンド式の第1のブレーキ2
1を配設する。第5のクラツチドラム740に一体のインナ
シリンダと一体の軸部材760は、その内周部を後部支持
部材350の外周部で支持するとともに、その先端部に第
3のシンプルプラネタリギヤセツト130のサンギヤヤ131
をとりつける。
第3のシンプルプラネタリギヤセツト130のピニオン
を支持するキヤリヤの軸133は、出力軸800の前端部に形
成した連結部に支持される。この出力軸800の後部ケー
ス370内の外周部には、パーキング用のギヤ810とスピー
ドメータ用ドライブギヤ830がとりつけられ、パーキン
グ用のギヤ810の外側にはギヤ810に結合する爪820を配
設する。出力軸の後端部には連結部材850をナツト855で
固着する。
変速機のケース300と後部ケース370の内部の要部には
回転部材の回転数を検出する回転センサ305,306を配設
して摩擦係合要素を制御するための情報を得る。
変速機のケース300の底部には図示しない油圧制御装
置をとりつけ、オイルパンを兼ねるカバー309で覆う。
本発明の自動変速機は以上のように、摩擦係合要素と
して5個のクラツチと、3個のブレーキと、3個の一方
向クラツチを備えて前進5速後進1速を達成するが、第
1表は各変速段における各摩擦係合要素の係合状態を示
す。
第1表中で○印は摩擦係合要素が係合することを示
し、(○)印はエンジンブレーキ時に係合することを示
す。なお、4A速段は4速と同じ変速比をもち、5速へ変
速される直前に出現する変速段である。
本発明は以上のような構成を有する自動変速機のクラ
ツチ装置に関するもであつて、以下、その具体的な構造
を第3図に基いて説明する。
発進装置のハウジング20と変速機のケース300との間
にはオイルポンプカバー250の中心部は、後方へ向けて
突出する円筒状の支持部252を形成する。支持部252の内
周部には支持筒230の後端外周部を圧入固定する。
入力軸240の後部外周部は支持部252との間に配設する
ラジアルベアリング241により支持され、入力軸の後端
部は径方向に拡がるフランジ部242を形成する。フラン
ジ部242の外周部は第1のクラツチ11を収容する第1の
クラツチドラム410に連結され、第1のクラツチ11を操
作するピストン420を配設する。
第1のクラツチドラム410の後側は後向きに開口する
が、クラツチドラム410の前側の壁411の前面にクラツチ
ハブ430を固着する。クラツチハブ430の外周側には第2
のクラツチ12を収容する第2のクラツチドラム440を配
設し、第2のクラツチ12を操作するピストン450を挿入
する。クラツチドラム440の前側の壁441の内周部はシリ
ンダ部材460の中央部に固着される。シリンダ部材460
は、段付の円筒状のもので、オイルポンプカバー250の
支持部252とほぼ同じ長さ寸法をもつ。
オイルポンプカバー250の支持部材252の外周部に円筒
状の油路部材254を圧入固定する。オイルポンプカバー2
50は一般にはアルミ合金等の材料で作製するが、この油
路部材は例えば鉄材で作成する。そして、切削加工する
ことで精度を向上することができる。油路部材254は、
外周部の前後端に配設するラジアルベアリング255a,255
bによりシリンダ部材460の内周部の前後端を回転自在に
支持する。即ちシリンダ部材460は、固定部材である油
路部材254によつて確実に2点支持される。このシリン
ダ部材460も切削部品とすることで、高精度を確保す
る。シリンダ部材460の外周側の後半部分に形成する小
径部462は、第2のクラツチ12を操作するピストン450の
インナシリンダとなる。シリンダ部材460の外周側の前
半部分には、全体を符号470で示す第4のクラツチ14を
収容するクラツチドラムをとりつける。クラツチドラム
470は内側に配設するドラム472と外側に配設するドラム
474の2つのドラムを一体に重合した構造を有し、内側
のドラム472の内側部をシリンダ部材460の外周部で支持
し、スプライン463で両者を係合する。
内側のドラム472にはピストン480を挿入し、外側のド
ラム474の内周側に第4のクラツチ14を配設する。ピス
トン480の外周部には押出部材482の内周部を固着し、押
出部材482の外周部で第4のクラツチ14を押出操作す
る。
以上の構成により、第2のクラツチ12を収容するクラ
ツチドラム440と第4のクラツチ14を収容するクラツチ
ドラム470は、共通のシリンダ部材460にとりつけられ
て、一体に回転する。
第1図及び第2図でも説明しように、本発明の自動変
速機においては、第2のクラツチ12のクラツチドラム44
0と第4のクラツチ14のクラツチドラム470とは連結して
動力の伝達経路を形成するので、上述の構成を採用する
ことができる。
第4のクラツチ14は前進の1速から2速のときに係合
して反力を受け、3速以上の高速段で動力を伝達するも
ので、トルク容量は比較的小さくて済む。そこで、この
特性を利用して第4のクラツチ14を第2のクラツチ12の
外径方向に階段状に重ねて配設する。またトルク容量の
小なるクラツチ14を作動するピストン480は、有効面積
も比較的小さくて済むので小径のピストンとし、2重構
造のクラツチドラムのうちの内側に配設するクラツチド
ラム472内に挿入する。クラツチドラム470は3速以上の
高速度段で回転するので、遠心力によって生ずる遠心油
圧の影響を受けやすいが、ピストン480を小径に形成す
ることにより、遠心油圧の影響を可及的に排除すること
ができる。
第2のクラツチ12を操作するピストン450へは、油路
部材254に形成する第1の油路256とシリンダ部材460に
形成する油路465を介して油圧を供給し、第4のクラツ
チ14を操作するピストン480へは油路部材254に形成する
第2の油路257と、この油路に連通するシリンダ部材460
に形成する油路466を介してサーボ油圧を供給する。
油路部材254の外周部に配設位置も近く、同一平面内
で隣接することと、シリンダ部材460との間で摺動する
ので、サーボ油圧のリークを確実にシールする必要があ
る。このために、各油路256,257の両側にシールリング
を嵌装するが、回転摺動部に振れが生ずるとシールリン
グが急速に劣化し、サーボ油圧のリークに起因するクラ
ツチの作動不良、引摺り等の不具合の原因となる。
本発明では、変速機ケースに堅固に固定されるオイル
ポンプカバー250に圧入する鉄製の油路部材254上シリン
ダ部材460を2点で確実に支持するので、回転振れも確
実に防止され、シールリングの耐久性を向上することが
できる。
〔発明の効果〕
本発明は以上のように、自動変速機に装備するクラツ
チ装置にあつて、2個のクラツチドラムを共通する1個
のシリンダ部材にとりつけて、シリンダ部材の内周側の
前後端をベアリングで2点支持するので、確実な支持を
達成することができる。クラツチドラム内にはシリンダ
部材を介してサーボ油圧を供給するが、支持剛性が高い
ので、振動部分での振れも少く、シール部に嵌装するシ
ールリングの劣化も防止できる。従つて、サーボ油圧の
リークに起因する不具合を回避することができる。
二つのクラツチドラムを軸方向にならべて配置し、か
つ夫々のクラツチドラムには一個のシリンダ部材(イン
ナシリンダ)を軸方向一体に構成して共通のシリンダ部
材とすることで、夫々のシリンダ部材(インナシリン
ダ)を別々に構成することによる前記シリンダ部材(イ
ンナシリンダ)間のクリアランス分の軸方向寸法の短縮
を図ることが出来る。
また、シリンダ部材を、支持部の外周部に圧入された
油路部材の外周部により、前後端をベアリングを介して
回転自在に支承したから、シリンダ部材の回転による偏
心を確実に防止することができる。従って、前記共通の
シリンダ部材と支持部間に配置された油路部材のシール
効果の耐久性の低下を防止することが出きるため、夫々
のクラツチへの油圧漏れ等を確実に防止することができ
る。
また、2個のクラツチドラム内に配設するクラツチを
半径方向に重合するようにしたので、自動変速機のケー
スの内部スペースを有効に利用してコンパクトな自動変
速機を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施する自動変速機の断面図、 第2図は本発明を実施する自動変速機の概要を示す説明
図、 第3図は要部の部分断面図である。 1…自動変速機、2…発進装置、12…第2のクラツチ、
14…第4のクラツチ、250…オイルポンプカバー、252…
支持部、254…油路部材、300…ケース、440,470…クラ
ツチドラム、460…シリンダ部材。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−246543(JP,A) 特開 昭64−79451(JP,A) 実開 昭62−200031(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16D 25/10 F16H 3/44 - 3/78

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発進装置を収容するハウジングと遊星歯車
    装置を収容するケースとで挟持固定するオイルポンプカ
    バーと、 該オイルポンプカバーの前記ケース側の中心部に形成す
    る円筒状の支持部と、 該支持部外周部に圧入されたほぼ円筒形の油路部材と、 前記油路部材の外周部により前後端をベアリングを介し
    て回転自在に支承するとともに該支持部と同心的に形成
    したシリンダ部材と、 該シリンダ部材と同心的にかつ該シリンダ部材の軸線方
    向前部および後部に沿つて直列に固着した2個のクラツ
    チドラムと、 これら2個の夫々のクラツチドラム内に配設するクラツ
    チおよび該クラツチを操作するピストンと、 夫々クラツチドラム内の前記クラツチを操作すべくピス
    トン室を油圧源と連通する前記支持部、油路部材および
    シリンダ部材に穿設した油路とから成ることを特徴とす
    る自動変速機のクラツチ装置。
  2. 【請求項2】前記シリンダ部材に対し同心的な前記2個
    のクラツチドラムを前記シリンダ部材の軸線方向に沿つ
    て配設するとともに、前記一方のクラツチドラムに収容
    するクラツチを前記他方のクラツチドラムに収容するク
    ラツチに対して半径方向外側に配設して成ることを特徴
    とする請求項1に記載の自動変速機のクラツチ装置。
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