JP2892562B2 - 円形加速器とその運転方法 - Google Patents

円形加速器とその運転方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は荷電粒子ビ−ムを周回さ
せる円形加速器に係り、特に、出射ビームで高精度の実
験等を行うのに好適な円形加速器とその運転方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の円形加速器では、電子やイオンの
荷電粒子ビ−ムを周回させながら加速し、その周回軌道
から荷電粒子を出射し、この荷電粒子を輸送系で輸送
し、物理実験等に使用している。荷電粒子ビ−ムを周回
軌道から出射させる方法として、ビ−ムの横方向の振動
であるベ−タトロン振動の共鳴を用いた共鳴出射法が用
いられている。
【0003】ベ−タトロン振動の共鳴とは次のような現
象である。荷電粒子は水平あるいは垂直方向にベ−タト
ロン振動しながら周回する。一周あたりのベ−タトロン
振動数をチュ−ンという。チュ−ンは周回軌道上に設置
した四極磁石の励磁量を調整することで制御可能であ
る。また、周回軌道上に六極以上の多重極磁石を設置す
ると、チュ−ンはベ−タトロン振幅(ベ−タトロン振動
の振幅)によっても変わる。ここで混乱を避けるため、
ベ−タトロン振幅が零近傍の粒子のチュ−ンのことを基
本チュ−ンと呼ぶことにする。以下、単にチュ−ンとい
うときは、ある有限のベ−タトロン振幅をもつ粒子のチ
ュ−ンを意味することにする。
【0004】ここで、基本チュ−ンを整数+p/q
(p、q:既約整数)の共鳴点に近付けると同時に、前
述の多重極磁石を励磁すると、周回している多数の荷電
粒子のうち、ある一定以上のベ−タトロン振幅を持つ荷
電粒子のチュ−ンが共鳴点に一致し、ベ−タトロン振幅
が急激に大きくなる。この現象をベ−タトロン振動の共
鳴という。チュ−ンが共鳴点に一致するときのベ−タト
ロン振幅をベ−タトロン振動の安定限界と呼ぶ。この安
定限界におけるベ−タトロン振幅は、基本チュ−ンが共
鳴点に近いほど小さくなる。
【0005】そこで、従来は、基本チュ−ンを徐々に共
鳴点に近付けながら、安定限界の大きさを徐々に小さく
していき、ベ−タトロン振幅が大きな粒子から徐々に出
射させていた。これが、通常、一般的に使われている共
鳴出射法である。この共鳴出射法では、安定限界の変化
とともにビ−ムの出射角が変動してしまうので、これを
補正するために、補助用の偏向磁石を用いてビ−ム軌道
を補正制御する必要がある。
【0006】そこで、ビ−ムの出射角を時間的に一定に
するために、最近、次のような有力な方法が提案されて
いる。この方法では、ベ−タトロン振動の安定限界を一
定にして、横方向にキックするある周波数幅をもつ電磁
ノイズを印加する等の手段によりベ−タトロン振幅を徐
々に増大させていく。こうすると、安定限界を越えた粒
子は、出射角が時間的に一定のまま出射される。この従
来方法では、ビ−ム軌道を補正制御する必要がなく、簡
便な装置で実現できるという大きなメリットがある。こ
の方法については、日本物理学会第47回年会講演予稿
集(1992年3月)のp62に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】出射角を時間的に一定
にできる上記の従来技術では、加速器に蓄積された荷電
粒子ビ−ムをそのまま出射しているため、ビ−ムがもつ
エネルギ幅はそのまま出射ビ−ムにおいても保存され
る。このため、出射ビ−ムのもつエネルギの広がりによ
り、用途によっては実験精度や加工精度等が低下する場
合があり、高精度が要求されるような用途には、このま
までは用いることができない。
【0008】本発明の目的は、高精度が要求されるよう
な用途に好適な円形加速器とその運転方法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、周回する荷
電粒子ビ−ムを形成する粒子群のうち出射直前の粒子の
ベ−タトロン振動を共鳴状態にして出射する円形加速器
において、所要のエネルギ帯の粒子を周回方向に対し横
方向にキックする狭帯域電磁ノイズと、該粒子を周回方
向にキックする狭帯域電磁ノイズとを与え、該エネルギ
帯の粒子のベ−タトロン振動のみを選択的に成長させて
出射させることで、達成される上記目的は、更に、横
方向にキックする狭帯域電磁ノイズによってベ−タトロ
ン振動を選択的に励振された粒子群が出射されるまでに
周回方向にキックする狭帯域電磁ノイズによってその粒
子群のエネルギ幅が有意に増大しないように周回方向に
キックする狭帯域電磁ノイズの強度を周波数帯全体に渡
って或いは部分的に小さくすることで、達成される。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【作用】本発明の円形加速器から出射される荷電粒子
は、そのエネルギ幅が狭く出射角一定のため、この荷電
粒子ビームで行う実験精度は高精度になり、また加工に
この荷電粒子ビームを用いることで、高精度の加工が可
能となる
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。本実施例に係る円形加速器は、次の各手段のい
ずれかを備える。 (1)あるエネルギ帯に粒子を供給し、そのエネルギ帯
の粒子のベ−タトロン振動のみを選択的に成長させて出
射する。 (2)ビ−ムのベ−タトロン振動を成長させながら、エ
ネルギ幅を狭くする。 (3)ビ−ムのベ−タトロン振動を成長させながら、あ
るエネルギ帯に存在する粒子のみを選択的に出射する。 (4)ビ−ムのベ−タトロン振動数を共鳴点に徐々に近
付けながら、共鳴点近傍のあるベ−タトロン振動数に到
達した粒子のベ−タトロン振動を選択的に成長させて出
射する。 先ず、上記手段(1)を例にとって説明する。図1は、
加速したビ−ムを出射する本発明の第1実施例に係る円
形加速器の概略平面図であり、荷電粒子ビ−ムを出射す
る円形加速器の機器配置を示す。円形加速器には、前段
加速器16から出射されたビ−ム17をビ−ム輸送系1
8を介して入射器15から入射する。円形加速器は、ビ
−ム軌道を曲げる偏向磁石3、ビ−ム軌道を収束させチ
ュ−ンを制御するための四極磁石5,7、さらに、ビ−
ム出射時の共鳴を励起するための六極磁石9、クロマテ
ィシティを調整するための六極磁石10、周回方向にビ
−ムをキックする電磁ノイズAを印加する高周波印加装
置24、横方向にビ−ムをキックする電磁ノイズBを印
加する高周波印加装置25、ベ−タトロン振幅が増加し
た粒子を出射するための出射用デフレクタ−13等から
構成されている。
【0016】入射器15から入射されたビ−ムは、周回
する過程で偏向磁石3で軌道が曲げられる。四極磁石で
は、設計軌道1からのずれに比例した力で軌道勾配が変
えられる。四極磁石5は、水平方向にビ−ムを収束する
方向に軌道勾配を変え、四極磁石7は、水平方向にビ−
ムを発散する方向に軌道勾配を変える働きをする。垂直
方向には、各々の四極磁石は水平方向とは反対の収束・
発散機能をもつ。これらの四極磁石の働きにより、ビ-
ムは設計軌道1のまわりをベ−タトロン振動しながら周
回する。ビ−ムを安定に周回させるために、チュ−ン
(加速器一周あたりのベ−タトロン振動数)は共鳴点か
らずらしておく。特に、3次以下の低次の共鳴点からず
らしておく。
【0017】座標系は、図1に示すように、ビ−ム周回
方向をs、水平方向をx、垂直方向をyとする。ビ−ム
は、周回軌道である設計軌道1の周囲を振動しながら周
回している。ベ−タトロン振幅は、ビ−ムを構成する粒
子ごとに異なり、振幅の大きな粒子から小さな粒子まで
混在している。
【0018】四極電磁石5及び四極電磁石7を調整し、
水平方向チュ−ンνxあるいは垂直方向チュ−ンνyを整
数+p/q(p,q:既約整数)に近付け、共鳴励起用
磁石9を励磁すると、安定限界より大きなベ−タトロン
振幅をもつ粒子は共鳴により増加する。このときの共鳴
をq次の共鳴とよぶが、以下では3次の共鳴を例にと
り、ビ−ムを水平方向から取り出す場合について説明す
る。
【0019】四極電磁石5及び四極電磁石7を調整し、
水平方向チュ−ンνxあるいは垂直方向チュ−ンνyを整
数±1/3に近付け、共鳴励起用磁石9を励磁すると、
ベ−タトロン振幅が大きな粒子に3次共鳴が励起され
る。図1の出射用デフレクタ13設置箇所における各周
回ごとの(x,dx/ds)の様子を図2に示す。
【0020】図2に示す破線は、(x,dx/ds)の
位相空間における安定限界を示す。安定限界を越えた粒
子は、共鳴により、一周ごとにベ−タトロン振幅が急激
に増加する。図2の安定限界を越えた粒子に付記した数
字1〜10は周回数を示している。安定限界は、基本チ
ュ−ンの共鳴点からの偏差が小さいほど、また共鳴発生
用の多重極磁場の強度が大きいほど小さくなる。図2の
符号20は図1の出射用デフレクタ13の電極を示して
おり、電極20ではさまれた領域に入った粒子が円形加
速器の外に出射される。
【0021】図3は、本実施例における原理説明図であ
る。図3は、横軸にエネルギの歪みを、縦軸にベ−タト
ロン振幅を示す。図示した十数本の曲線は、水平方向チ
ュ−ンが一定の等高線を表している。このうち破線はベ
−タトロン振動の安定限界を表しており、この破線上で
水平方向チュ−ンは共鳴点にある。3次共鳴の場合、こ
の破線上では水平方向チュ−ンの端数は1/3あるいは2/3
である。
【0022】中心エネルギE0は、ある周回周波数でリ
ングを周回しており、その周回周波数の整数倍の周波数
f0を含んだある周波数幅をもつ狭帯域ノイズAを印加
する。この狭帯域ノイズAは荷電粒子ビームを周回方向
にキックする電磁ノイズであり、エネルギEのE0から
のずれΔEと狭帯域ノイズAの一成分の周波数fのf0
からのずれΔfとの関係は、モ−メンタムコンパクショ
ンファクタαを用い、 Δf/f0=−(α−γ~2)ΔE/E0 の関係にある。ここに、γはビームエネルギの相対論的
因子出ある。粒子ビ−ムは、この狭帯域ノイズの周波数
領域に応じたエネルギ領域内で拡散し、このエネルギ領
域内でほぼ平坦な分布になる。チュ−ンのエネルギによ
る変化率をクロマティシティというが、このクロマティ
シティを図1に示したクロマティシティ調整用六極磁石
10の励磁量を調整して零でないある有限の値にし、エ
ネルギが異なればチュ−ンが異なるようにしておく。こ
のとき、上記したエネルギ幅をもつビ−ムは、チュ−ン
の幅を持つことになる。
【0023】ここで、さらにビ−ムを横方向にキックす
る狭帯域ノイズBをビ−ムに印加する。この狭帯域ノイ
ズBの周波数帯域は、図3に示すように、ベ−タトロン
振動の安定限界を形成する共鳴周波数(破線部)を含
み、粒子群が存在するベ−タトロン周波数帯の一部と重
ねる。この電磁ノイズBは、 (チュ−ンの端数+整数n)×周回周波数 の周波数成分をもてば、整数nが異なっても同等の効果
をもつ。狭帯域ノイズBに対して実質的に影響を受ける
のは、粒子群のうちエネルギ幅の狭い一部のみであり、
この部分が選択的に横方向に拡散を受けてベ−タトロン
振動が励起され、ベ−タトロン振幅が成長し安定限界を
越えて出射される。これにより、エネルギ幅の狭い出射
ビ−ムを得ることができる。従って、このビームを用い
ることで、高精度なビーム利用が可能となる。
【0024】出射する過程での運転方法の一例を、図4
を用いて説明する。まず、図4のステップ1で、高周波
加速空胴8からのビ−ムへのエネルギ付与を停止する。
これにより、ビ−ムはバンチ形成しなくなり連続状のビ
−ムになる。
【0025】つぎにステップ2で、図1の円形加速器に
設けた電磁ノイズ印加装置24により、ビ−ムを周回方
向にキックする狭帯域電磁ノイズAを印加する。この場
合、前述のごとく狭帯域電磁ノイズAは周回周波数の整
数倍の周波数を含む。この電磁ノイズAによって形成さ
れるエネルギ幅に基づいて基本チュ−ンはある幅をもつ
が、それが3次の共鳴点を含まない程度に電磁ノイズの
周波数帯を狭くしておく必要がある。狭帯域電磁ノイズ
Aを印加することによりビームはエネルギ空間で拡散
し、電磁ノイズAの周波数幅に対応するエネルギ幅で一
様な分布になる。この電磁ノイズAはビ−ム出射が完了
するまで印加しつづける。
【0026】つぎに、ステップ3で、四極磁石5,7の
励磁量を調整し、水平方向の基本チュ−ンを3次の共鳴
点近傍に設定する。そして、ステップ4で、共鳴励起の
ために六極磁石9及びクロマティシティ調整用の六極磁
石10を励磁する。六極磁石9の励磁量はベ−タトロン
振幅が大きい粒子を含めたほぼ全ての粒子が安定限界内
に収まる程度にしておく。このとき、出射用デフレクタ
13の位置での位相空間上でのビ−ムの軌跡は、図2に
示すように、三角形状になる。
【0027】つぎのステップ5では、図1の円形加速器
に設けた高周波印加装置25により、ビ−ムを横方向に
キックする狭帯域電磁ノイズBを印加する。この場合、
狭帯域電磁ノイズBは (整数+チュ−ンFの端数)×周回周波数 の周波数から (整数+共鳴チュ−ンの端数)×周回周波数 の周波数に及ぶ周波数帯をもつ。ここにチュ−ンFと
は、幅をもつ基本チュ−ンのうち共鳴点に近い部分のチ
ュ−ンをさす。ビームに狭帯域電磁ノイズBを印加する
ことにより、ビ−ムの一部のエネルギ幅の狭い部分が横
方向に拡散して、ベ−タトロン振幅が成長していき、ベ
−タトロン振動の安定限界を越えて、出射用デフレクタ
13から出射される。この様子は図3に示したとおりで
ある。この過程において、ベ−タトロン振動の安定限界
は時間的に一定に保持されるので、出射ビ−ムの出射角
は常に一定に保たれる。なお、横方向にキックする狭帯
域電磁ノイズBによってベ−タトロン振動を選択的に励
振された粒子群が出射されるまでに、周回方向にキック
する狭帯域電磁ノイズAによってその粒子群のエネルギ
幅が有意に増大しないように、周回方向にキックする狭
帯域電磁ノイズAの強度を周波数帯全体にわたって、あ
るいは部分的に調整する必要がある。
【0028】以上の操作により、出射角が時間的に一定
で、かつエネルギ幅の狭い出射ビ−ムを得ることができ
る。これにより、ビームを用いた実験や加工等の高精度
の制御が可能となる。なお、以上の操作において図4の
ステップ2,3,4の順番は必ずしもこのとおりである
必要はなく、互いに順番を入れかえても良いし、並行し
て実施しても良い。
【0029】出射する過程での運転方法の別実施例を図
5を用いて説明する。図5のステップ1〜ステップ4
は、図4のステップ1〜ステップ4と同じである。本実
施例のステップ5では、電磁ノイズAによるエネルギ分
布の平坦化が完了した後、電磁ノイズAの印加を停止す
る。そして、次のステップ6で、ビ−ムを横方向にキッ
クする狭帯域電磁ノイズBを印加する。この場合、狭帯
域電磁ノイズBの周波数帯は (チュ−ンの端数+整数)×周回周波数 を含まないようにしておき、ビ−ムに実効的に影響を及
ぼさないようにしておく。そして、このとき、図4の実
施例では基本チュ−ンは時間的に一定のまま保持される
が、この実施例では、四極磁石5,7の励磁量を制御す
ることにより、水平方向の基本チュ−ンを徐々に3次の
共鳴点に近付けていく。狭帯域電磁ノイズBの周波数帯
は3次の共鳴点をまたいでこの共鳴点近傍に存在するの
で、ビ−ムは徐々に狭帯域電磁ノイズBの周波数帯に近
づく。狭帯域電磁ノイズBの周波数帯に進入したビ−ム
の一部は狭帯域電磁ノイズBから実効的な影響を受け始
め、横方向にすばやく拡散されて出射される。この様子
は図3に示してあるとおりである。このようにして、粒
子は次から次に狭帯域電磁ノイズBの周波数帯に進入
し、あたかもビ−ムが少しずつ切り出されながら出射さ
れることになる。出射されるビ−ムにとってはベ−タト
ロン振動の安定限界は時間的にほぼ一定に保持されるの
で、この実施例においても出射ビ−ムの出射角は常に一
定に保たれる。なお、横方向にキックする狭帯域電磁ノ
イズBによってベ−タトロン振動は選択的に励振された
粒子群が出射されるまでに、ビ−ムのベ−タトロン振動
数を共鳴点に近付ける操作により、その粒子群のエネル
ギ幅が有意に増大しないようにビ−ムのベ−タトロン振
動数を共鳴点に近付ける速度を調整する必要がある。
【0030】この実施例では、出射角が時間的に一定で
エネルギ幅の狭いという特性に加えて、出射電流が時間
的に一定な出射ビ−ムを得ることができる。これによ
り、ビームを用いた実験や加工等で高精度な制御が可能
となる。なお、以上の操作において図5のステップ2,
3,4,5の順番は必ずしもこのとおりである必要はな
く、互いに順番を入れかえても良いし、並行して実施で
きるものは並行して実施しても良い。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、エネルギ幅の狭いビ−
ムを出射角一定で出射させることが可能となり、高精度
のビーム加工,実験などが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るビ−ム出射装置を備
える円形加速器の概略平面図である。
【図2】本発明実施例の原理説明図である。
【図3】本発明実施例の原理説明図である。
【図4】第1実施例のビ−ム出射時の運転手順に係るフ
ローチャートである。
【図5】第2実施例のビ−ム出射時の運転手順に係るフ
ローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 政嗣 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社 日立製作所 エネルギー研究 所内 (56)参考文献 特開 平5−198397(JP,A) 特開 平5−258900(JP,A) 特開 平5−62799(JP,A) 特開 平6−36894(JP,A) 特開 平7−14699(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05H 7/00 - 15/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子ビ−ムを周回させる磁石と、周
    回する荷電粒子ビ−ムを形成する粒子群のうち出射直前
    の粒子のベ−タトロン振動を共鳴状態にして出射する出
    射用デフレクタとを備える円形加速器において、所要の
    エネルギ帯に粒子を供給し該エネルギ帯の粒子のベ−タ
    トロン振動のみを選択的に成長させて出射させる手段と
    して、粒子を周回方向に対して横方向にキックする狭帯
    域電磁ノイズの第1印加手段と、粒子を周回方向にキッ
    クする狭帯域電磁ノイズの第2印加手段とを備えること
    を特徴とする円形加速器
  2. 【請求項2】 請求項1において、粒子を横方向にキッ
    クする狭帯域電磁ノイズの周波数帯がベ−タトロン振動
    の共振周波数+整数n×周回周波数(n=0、±1、±
    2、 ・・・・・ )のいずれかの周波数成分を含み、粒子を周
    回方向にキックする狭帯域電磁ノイズの周波数帯が整数
    m×周回周波数(m=1、2、 ・・・・・ )のいずれかの周
    波数成分を含むことを特徴とする円形加速器
  3. 【請求項3】 請求項1において、横方向にキックする
    狭帯域電磁ノイズによってベ−タトロン振動を選択的に
    励振された粒子群が出射されるまでに周回方向にキック
    する狭帯域電磁ノイズによってその粒子群のエネルギ幅
    が有意に増大しないように周回方向にキックする狭帯域
    電磁ノイズの強度を周波数帯全体に渡って或いは部分的
    に小さくする手段を備えることを特徴とする円形加速
  4. 【請求項4】 周回する荷電粒子ビ−ムを形成する粒子
    群のうち出射直前の粒子のベ−タトロン振動を共鳴状態
    にして出射する円形加速器において、所要のエネルギ帯
    の粒子を周回方向に対し横方向にキックする狭帯域電磁
    ノイズと、該粒子を周回方向にキックする狭帯域電磁ノ
    イズとを与え、該エネルギ帯の粒子のベ−タトロン振動
    のみを選択的に成長させて出射させることを特徴とする
    円形加速器の運転方法
  5. 【請求項5】 請求項4において、横方向にキックする
    狭帯域電磁ノイズによってベ−タトロン振動を選択的に
    励振された粒子群が出射されるまでに周回方向にキック
    する狭帯域電磁ノイズによってその粒子群のエネルギ幅
    が有意に増大しないように周回方向にキックする狭帯域
    電磁ノイズの強度を周波数帯全体に渡って或いは部分的
    に小さくすることを特徴とする円形加速器の運転方法
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