JP2892349B1 - 手摺り取付装置 - Google Patents

手摺り取付装置

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JP2892349B1
JP2892349B1 JP17401898A JP17401898A JP2892349B1 JP 2892349 B1 JP2892349 B1 JP 2892349B1 JP 17401898 A JP17401898 A JP 17401898A JP 17401898 A JP17401898 A JP 17401898A JP 2892349 B1 JP2892349 B1 JP 2892349B1
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Abstract

【要約】 【課題】 簡単な作業で安全確実に手摺りを取り付け
る。 【解決手段】 組立足場用手摺りパイプ固定装置は、支
柱1との間で手摺り2を支持する受け具3と支柱1に嵌
められて自重で手摺り2の上部に乗る固定板4とを主要
部品として形成されている。 【効果】 手摺りが上に持ち上げられる力を受けると、
固定板が回転しようとするためこじれ作用が生じ、固定
板4の穴41の縁の外側下端と内側上端とがモーメント
による偶力を受けて支柱表面に食い込み、固定板が動か
なくなる。その結果、簡単な部品構成で簡単な取付作業
の上に安全・確実に手摺りを固定状態に保持することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支柱に手摺りを取
り付ける手摺り取付装置に関し、特に手摺りの取付装置
からの抜け出し防止技術に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば造船業や建設業において大型構造
物を組み立てる際には、膨大な量の足場を架設し、それ
に対応して手摺りを組み立てる必要がある。このため、
手摺り取付装置は、安全性の高い構造であると共に迅速
且つ効率的に組立作業を行えるものであることが要請さ
れる。
【0003】しかしながら、従来では、このような足場
組立作業を、太い針金から成る番線や帯状ワイヤー等の
材料を使用すると共に、“シノ”と通称される番線固縛
用具を使用し、足場に関する知識を備え且つ足場組立技
術を習得した専門技能者が行っていた。そのため、従来
の手摺り取付け工事においては、解体時に番線屑等の廃
材が多量に発生すること、専門技能者の確保が容易でな
いこと、組立作業に時間がかかること、経時変化によっ
て番線やワイヤーに緩みが発生しこれを締め直す手間が
かかること、等の諸問題があった。
【0004】一方、番線等を使用しない手摺り組立装置
も提案されている(実開昭58−128250号公報参
照)。この装置では、同公報に示されている如く、支柱
(2)の間隔部分で手摺パイプ(15)を金物(16)
で接続すると共に、支柱部に1本の手摺りパイプの固定
具を設けている。従って、手摺り取付において2個所に
2種類の取付具が必要になると共に、中間接続のために
余分な組立時間を必要とし、更に中間接続部でパイプが
曲がり易くなる。
【0005】又、上記の固定具では、同公報の第2図に
示す如く、ストッパ(12)とパイプ受け(6)とヒン
ジ(11)とカバー(7)とを異形に複雑に仕組んでい
ると共に、別に楔(9)を打ち込むためにカバーと楔と
を摺動係合関係にしていて、構造が複雑である。又、楔
を介してカバーで手摺りを押さえているが、第3図から
分かるように、ヒンジを中心としてカバーと一体の楔が
回転したときにその一方側の側面の先端位置のみがスト
ッパの先端内側突出部に当たって停止することにより、
手摺りの抜け出しを防止している。そのため、手摺りに
強い抜け出し力がかかると、各部の変形等によってスト
ッパ部が外れ易い。
【0006】なお、建設現場等では、中間部分にヒンジ
があって互いに直交関係になっていて支柱と手摺りとを
結合する2つのリング状部分から成る手摺り取付具が周
知のものとして多用されている。しかしながら、この取
付具でも、ボルトを締める等の作業や工具を必要とし、
又、1本の支柱に1本の手摺りを取付けられるだけであ
る。従って、例えば造船業のように手摺りの組立個所の
数が膨大である場合には、このような取付具は、それ自
体のコストが高いこと、多くの繁雑なボルト締め作業が
発生すること、従って取付及び解体の作業量が多いこ
と、等の点で満足すべき手摺り取付具にはならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に於
ける上記問題を解決し、部品数が少なく構造及び製法が
簡単でコストが安く、特殊な工具を使用しないと共に、
手摺り取付作業が容易且つ迅速で熟練を必要とせず、手
摺りを強固に保持できて十分な安全性を確保でき、更
に、解体及び再使用にも便利で、廃材がなく環境保全に
も寄与できる手摺り取付装置を提供することを課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、請求項1の発明は、支柱に手摺りを取り付
ける手摺り取付装置において、前記支柱に支持される被
支持部と前記手摺りを乗せて前記支柱との間で前記手摺
りを保持可能な載置保持部とを備えた受け部材と、前記
支柱を通過可能な穴の明けられた基部と前記手摺りが前
記受け部材に乗せられたときに少なくとも前記手摺りの
中心位置より突出した押さえ部とを備えた押さえ部材
と、を有することを特徴とする。
【0009】請求項2の発明は、上記に加えて、前記支
柱は円管状に形成されていて、前記支柱に固定される支
持部材を備え、前記被支持部は前記支柱に嵌まる円管状
部分を備えていて前記支柱の中心軸回りに回転可能なよ
うに前記支持部材に支持されていることを特徴とする。
【0010】請求項3の発明は、請求項1の発明の特徴
に加えて、前記押さえ部は前記載置保持部まで延設され
ていて前記載置保持部と嵌合可能に形成されていること
を特徴とす。
【0011】
【発明の実施の形態】図1乃至図5は本発明を適用した
手摺り取付装置としての組立足場用手摺パイプ固定装置
及びその装着状態の一例を示す。本装置は、支柱1に手
摺り2を取り付ける装置であり、支柱1に支持される被
支持部としての筒体31及び手摺り2を乗せて支柱1と
の間で手摺りを保持可能な載置保持部としての曲げ板3
2を備えた受け部材としての受け具3と、支柱1を通過
可能な穴41の明けられた基部42及び押さえ部43を
備えた押さえ部材としての固定板4とを主要部品として
構成されている。手摺り2は、図示の例では上下2本の
手摺り22、21から成り、これらの両端部分が手摺り
パイプ固定装置で取り付けられ接続されている。筒体3
1と曲げ板32とは溶接結合されている。又これらは、
リブ33とも溶接結合されて補強されている。
【0012】本例の支柱1は円管状に形成されていて、
これに固定される支持部材としてのピン5が支柱1に嵌
挿されている。そして、筒体31は支柱1に嵌まるよう
に円管状部分になっていて、支柱1の中心軸C1 回りに
回転可能なようにピン5に支持されている。符号6はピ
ン5と受け具3との間に介在して受け具3の回転動作を
円滑にするための回転受リングである。
【0013】固定板4の押さえ部43は曲げ板32まで
延設されていて、曲げ板32に形成された溝32aを介
して曲げ板32と嵌合可能に形成されている。このよう
にすれば、固定板4による手摺り22の押さえ状態を安
定して保持し、手摺りの取付状態を確実に保持すること
が可能になる。なおこの構造においては、曲げ板32に
溝を設ける代わりに、固定板4の押さえ部43を二股状
にして、曲げ板32をその溝の中に嵌合させるようにし
てもよい。
【0014】なお、この部分の嵌合は、押さえ部43が
溝32aから水平方向に抜け出さないようにするための
ものであり、それらの間にある程度隙間を設け、押さえ
部43が溝32a内に自由に出入りできるようにするこ
とが望ましい。又、固定板4が支柱1に入り易いよう
に、固定板4の穴41は支柱1よりも直径で2〜3mm
程度大きい寸法であることが望ましい。
【0015】符号11及び21a、22aはそれぞれ、
支柱1の上端及び各手摺パイプの端部に嵌着された保護
キャップである。又、本例では支柱1に小突起12が設
けられていると共に、固定板4の基部42の一部分に小
さい凹部42aが設けられていて、凹部と突起との位置
が合うと固定板4が支柱1を通過可能なようになってい
る。この構造により、固定板4を支柱1に一度嵌める
と、凹部と突起とが一致しなければ固定板が支柱から抜
けないので、固定板の抜け止めの補助的作用が生ずる。
但し後述するように、固定板が抜けることはないので、
このような構造を省略することは可能である。以上のよ
うな手摺りパイプ固定装置は、機械加工と曲げ加工と溶
接とによって容易に製造される。
【0016】なお、図1に二段に示している手摺り及び
その取付部分において、狭義には上段のものが手摺りで
下段のものは中桟と称されるが、本発明の手摺り取付装
置は当然これらの両方を対象にしている。又、手摺り2
が長尺である場合等に、必要に応じて1本の手摺りだけ
をその中央部分で支柱に取付けて固定する場合にも、本
発明を適用できることは勿論である。図4で二点鎖線で
示した固定板4の位置はこのようなときの状態を示す。
【0017】以上のような組立足場用手摺パイプ固定装
置は次のように組み立てられ使用される。足場装置とし
て支柱1が立設されると、これにピン5を嵌装する。こ
のときには、必要に応じて通常作業者が携帯している金
槌又はペンチ等を使用する。次に、回転受リング6及び
受け具3を順次支柱に挿入し、手摺り21、22の端部
を支柱1と受け具3の曲げ板32との間で形成された空
間部に落とし込み、続いて支柱1に固定板4を挿入し、
その押さえ部43を支柱22の上に乗せると共に曲げ板
32の溝32a内に嵌めることにより、1本の支柱への
手摺り取付作業が完了する。小突起12が設けられてい
る場合には、固定板の基部42の凹部42aを位置合わ
せして小突起12を通過させる。
【0018】これだけのごく簡単な作業によって1本の
支柱と2本の手摺りの固定状態を完成させることができ
る。なお、本例では受け具3が支柱1に対して回転自在
になっているので、立設された多数の支柱に順次手摺り
を取り付ける際に、一方の手摺り21の方向に曲げ板3
2の方向を容易に一致させ、手摺り21に接続される手
摺り22を同じ方向に容易に組み合わせることができ
る。又、このように2本の手摺りの端部を1本の支柱に
取り付けるようにすれば、手摺りの支柱への取り付けと
手摺り間の接続とが同時に行われるので、手摺り取付作
業を一層簡単にすることができる。
【0019】図6は、以上のような極めて簡単な装置に
よって手摺りを確実に固定できる作用を説明するための
図である。手摺りに加わる下向きの力に対しては、ピン
5や受け具3に必要な強度を具備させる通常の設計で足
りるので、ここでは手摺りを持ち上げる力Fが加わった
場合について説明する。
【0020】固定板4は、支柱1に落とし込まれた状態
では、その自重及び重心位置の関係で、図示の如く、手
摺り2の上端とP1 点で接触すると共に、穴41の直径
と支柱1の直径との隙間に基づいてP2 点の水平線から
少し傾斜して基部42の穴面の内外縁の上下端位置P2
及びP3 点で支柱1の外面と接触する。これらの接触点
間の距離は、支柱と手摺りとが同じ直径のパイプである
とすれば、ほぼパイプの半径R及び2Rである。従っ
て、固定板4に直接作用する力Fを、基部42の中心O
に作用する仮想力F´=Fと中心Oまわりのモーメント
M=2RFとに変換することができる。
【0021】ここで、F´は固定板4を上に持ち上げて
手摺り2を曲げ板32から抜け出させる力であるが、モ
ーメントMの作用によって曲げ板の抜け出しが阻止され
る。即ち、モーメントMにより、固定板4のP2 、P3
位置には、これらの間を結合した線に直角方向の偶力F
´=Fが発生し、これが支柱1の外面に作用する。この
偶力によれば、その支柱外面に平行方向の分力は相殺さ
れ、支柱外面に直角方向の分力F´1 が互いに反対方向
から支柱の外面に作用するので、固定板4のP2 、P3
位置の上下端部が支柱1の外面を締め付けて弾性変形さ
せ、これに食い込むことになる。即ち、いわゆる“こじ
れ”作用が生ずる。
【0022】その結果、支柱の円形凸状の外面には、図
6(b)のP2 部分に示すように微小歪み(凹み)が生
ずる。そしてこの微小歪み部分における支柱外面と固定
板端面との噛み合いにより、支柱と固定板間との摩擦係
数等を問題にすることなく、支柱外面から固定板4に持
ち上げ力Fに対向する力がかかり、固定板がロックされ
て手摺り2を固定し、その抜け出しが確実に阻止され
る。そしてこの場合、偶力F´−F´は持ち上げ力Fと
本例のように同じか又はFに比例するので、Fの大小に
関係なく手摺り位置を固定することができる。なお、装
置を解体するときには、P1 点に力を加えることなく、
基部42を持ってこじないように上方に引き上げること
により、固定板4を容易に抜き出すことができる。
【0023】図7は、発明者等が本例の手摺りパイプ固
定装置を用いてその安全性評価試験を行ったときの状態
を示す。(a)では、支柱11 と12 とに本例の手摺り
パイプ固定装置10で手摺り21、22を取り付け、手
摺り22の中央部に3mのロープを持つ70kgの錘Wを
固縛し、錘Wを手摺り位置から自由落下させる下向き荷
重試験を行った。この試験では、手摺りの中央部が曲が
ったが、固定装置10部分には何ら異常が発生しなかっ
た。従って、本例の装置の設計・製作的安全性が確認さ
れた。
【0024】(b)では、同様に取り付けた手摺り22
の中央位置及び固定装置10に近い位置に上向きに力F
=200kgf を加える上向き荷重試験を行った。この試
験でも、中央荷重のときに手摺りの中央部が曲がった
が、手摺り取付部分には何ら異常が発生しなかった。即
ち、固定装置10の固定板4の手摺り位置固定力が確実
に作用し、この手摺りパイプ固定装置の十分な安全性が
確認された。なお、本発明の装置のように手摺りの両端
部分で多数の手摺りを順次接続させるようにすれば、手
摺りの中央部分の曲げ剛性も従来の中央接続型のものよ
り大きくなっている。
【0025】以上のような本例の固定装置は、支柱に支
持されて手摺りを受けるだけの簡単な形状の受け具3
と、穴を持ち一方側が延長され少し曲げられただけの極
めて簡単な形状の固定板4とを主要部品として構成され
ているので、その製造が容易であると共に、手摺りを入
れて固定板を嵌め込むだけの極めて簡単な作業で手摺り
を取り付けることができる。又、この作業において何ら
特別な工具を使用する必要がない。更に、この作業には
全く技能や熟練を必要としない。従って、従来の手摺り
取付方法に較べて、装置費用を低減し取付作業の大幅な
容易化及び省力化を図ることができる。
【0026】又、手摺りや支柱が損傷したときにその取
替が簡単である。更に、手摺りの解体後にも受け具3、
固定板4等を再使用できる。従って、従来のように解体
時に廃材の発生がなく、環境保全にも寄与することがで
きる。又、上記の如く手摺りにかかる上向き外力に対し
て固定板に自動的に生ずる支柱締付力を利用するので、
その作用に経時変化がなく、締め直し等の保守が不要に
なり、この点でも省力化が図られる。
【0027】図8及び図9は組立足場用手摺パイプ固定
装置の他の例を示す。図8の例では、図1のような受け
具3のピン5による支持に代えて、受け具3の曲げ板3
2に溶接されて一体化されたリブ33を直接支柱1に溶
接して取り付けている。又、図9の例ではリブ33も省
略し、受け具3の曲げ板32の下端部を直接支柱1に溶
接取付するようにしている。これらの例では受け具3の
構成を一層簡素化することができる。そして受け具3を
このように変更しても、図1のものと同じ固定具を使用
するので、同様に簡単且つ確実に手摺りを固定すること
ができる。但しこれらの装置では、受け具3が回転しな
いので、支柱を回転させて予め手摺り方向に合わせてお
く必要がある。又、受け具3の再使用は多少難しくな
る。
【0028】図10は手すり取付装置の更に他の例を示
す。この例では、受け具3の曲げ板32を溝32aのな
い平板状にし、固定板4の押さえ部43の幅を広げてそ
の先端Lが手摺り2の中心C2 より突出し曲げ板32に
近接するような寸法にしている。このような固定板4で
あっても、これが水平方向に回転しようとすれば、その
先端Lが曲げ板32に当たって回転が阻止され、押さえ
部43を手すり2の上に確実に位置決めすることができ
る。そして、図1のものと同様の手摺り固定機能を有す
る。
【0029】なお、以上では支柱1及び手摺り2が丸パ
イプである例について説明したが、これらの何れか又は
両方が角パイプであっても、本発明の手摺り取付装置を
適用することができる。又、支柱が丸パイプであって
も、固定板4の穴41を、円形でなく多角形や楕円形等
の他の形状にすることも可能である。又、図1等では手
摺り2がほぼ水平に配置されるように説明したが、足場
装置等にある程度の上り下りの勾配があるような場合に
も、本発明の手摺り取付装置を適用可能である。更に、
本発明の装置は仮設/常設に限らず使用可能である。
【0030】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、請求項1の
発明においては、受け部材は支柱に支持される被支持部
と手摺りを乗せて支柱との間で手摺りを保持可能な載置
保持部とを備えているので、受け部材を介して支柱に手
摺りを取り付けることができる。この取付は、支柱と受
け部材の載置保持部との間に手摺りを入れるだけである
から、その作業は極めて簡単である。この場合、載置保
持部の寸法を例えば手摺り2本分にすることにより、2
本の手摺りを取り付けることができる。その結果、2本
の手摺りを支柱位置で極めて簡単な作業で強固に接続さ
せることができる。
【0031】押さえ部材は、支柱を通過可能な穴の明け
られた基部を備えているので、受け部材に手摺りを乗せ
た後に支柱を通過させて押さえ部材を支柱に嵌め込むこ
とができる。又、このとき手摺りの少なくとも中心位置
より突出した押さえ部を備えているので、押さえ部材の
自重等の作用によって押さえ部が手摺りの上に乗せられ
た状態になる。この状態は、押さえ部材の穴を支柱に通
すだけで実現されるから、その作業は極めて簡単であ
る。
【0032】そして、この状態にするだけで、手摺りは
支柱に取り付けられる。即ち、手摺りは受け部材に入れ
られて支柱と組み合わせられると共に、押さえ部材で押
さえられて、上方への抜け出しが防止される。この作用
を更に説明すれば次の通りである。
【0033】手摺りの中心は支柱の中心から支柱の外周
面よりも更に外側に離れた位置になるから、例えば手摺
りが受け部材から抜け出すように手摺りが上方に持ち上
げられたとすれば、手摺りには受け部材の乗った中心位
置に上向きの力が作用し、これが押さえ部材の押さえ部
を押し上げる。この力は、支柱の中心に沿って押さえ部
材を持ち上げようとする押し上げ力と、支柱の中心を中
心として押さえ部材を回転させようとするモーメントと
に置き換えることができる。
【0034】押さえ部材は固定されず自由な状態にある
から、仮に押し上げ力だけが作用するとすれば、その力
で上に持ち上げられ、その結果手摺りも持ち上げられて
受け部材から脱落し、手摺り取付装置としての機能を果
たさない。しかしながら、前記モーメントが作用すると
共に、押さえ部材に一定の厚みがあり、更に押さえ部材
の穴と支柱との間に少なくとも微小間隙が存在するの
で、前記モーメントにより、押さえ部材の穴の縁であっ
て支柱に近い側の上端部とその反対の下端部とが支柱の
外面に食い込む方向の偶力を発生させる。
【0035】この偶力は押さえ部材をいわゆる“こじ
た”状態にする。即ち、押さえ部材の前記上下端部と支
柱外面との接触点が微小変形し、押さえ部材が支柱表面
に微小ではあるが食い込み、押さえ部材と支柱との間の
摩擦係数や摩擦角を問題にすることなく両者間が食い付
きロックした状態になる。そして、手摺りの押し上げ力
が大きくなればこれに比例してモーメント、従って前記
偶力が大きくなるため、ロック状態がきつくなり、押さ
え部材は一層動かなくなる。その結果、手摺りの取付状
態が確実に保持される。従って、本発明の手摺り取付装
置は安全性が極めて高いものである。
【0036】本発明のこのような構成によれば、支柱に
支持されると共に手摺りを受けるだけの簡単な形状の受
け部材と、穴があり載せられた手摺りを覆うだけの一層
簡単な形状の押さえ部材とにより、手摺りを入れて押さ
え部材を嵌め込むだけの極めて簡単な操作で手摺りを取
り付けることができる。又、この場合に何ら特殊な工具
を使用する必要がない。従って、従来の装置に較べて装
置費用及び操作に要する手間を大幅に減らすことができ
る。又、手摺り取付作業に全く技能や熟練を必要としな
い。
【0037】更に、手摺りや支柱が損傷したときにその
取替が簡単である。そして更に、手摺りの解体が容易で
あると共に、解体後にも手摺り取付装置の再使用が可能
であり、従って従来のように解体時の廃材の発生がな
く、環境保全にも寄与することができる。又、上記の如
く押さえ部材の自緊力を利用するので、その作用には経
時変化がなく、振動や動揺があっても維持され、締め直
し等の保守が不要であり、この点でも省力化が図られ
る。以上のような点から、本発明の手摺り取付装置は、
膨大な量の手摺り取付個所のある造船業や建設業におい
て特に有用性の高い装置である。
【0038】請求項2の発明においては、上記に加え
て、支柱が円管状に形成されているときに、被支持部が
支柱に嵌まる円管状部分を備えていて、被支持部を備え
た受け部材は任意の角度回転可能になる。そして、支柱
に固定される支持部材を設け、これに対して被支持部材
が支柱の中心軸回りに回転可能なように支持されている
ので、支持部材は固定されていても受け部材は回転自在
になる。従って、支柱に対してその任意の角度の方向に
手摺りを取り付けることができる。その結果、手摺りの
取付作業が容易になると共に、例えば製品の外形形状に
沿った任意の方向に手摺りを設置することができ、その
配置を容易にし適用範囲を拡大することができる。
【0039】請求項3の発明においては、請求項1の発
明に加えて、押さえ部材の突出部を載置保持部まで延設
してこれと嵌合可能に形成するので、押さえ部材の手摺
り押さえ状態を安定して保持することができる。その結
果、手摺りの取付状態を一層確実にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した組立足場用手摺パイプ固定装
置及びその装着状態の一例を示す斜視図である。
【図2】上記装置の分解斜視図である。
【図3】上記装置の固定板部分の平面図である。
【図4】上記装置の手摺り支持固定状態を示す側面図で
ある。
【図5】上記装置の手摺り支持固定状態を示す背面図で
ある。
【図6】(a)は固定板にかかる力の状態を示す説明図
で、(b)は固定板の穴縁端部と手摺り表面との接触状
態を拡大して示した説明図である。
【図7】(a)及び(b)は手摺りパイプ固定装置の試
験状態を示す説明図である。
【図8】手摺り取付装置の他の例を示す斜視図である。
【図9】手摺り取付装置の更に他の例を示し、(a)は
平面図、(b)は側面図で(c)は背面図である。
【図10】手摺り取付装置の更に他の例を示し、(a)
は斜視図で(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 支柱 2、21、22 手摺り 3 受け具(受け部材) 4 固定板(押さえ部材) 5 ピン(支持部材) 31 筒体(被支持部、円管状部分) 32 曲げ板(載置保持部) 32a 溝 41 穴 42 基部 43 押さえ部 C1 支柱の中心軸 C2 手摺りの中心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 哲哉 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支柱に手摺りを取り付ける手摺り取付装
    置において、 前記支柱に支持される被支持部と前記手摺りを乗せて前
    記支柱との間で前記手摺りを保持可能な載置保持部とを
    備えた受け部材と、前記支柱を通過可能な穴の明けられ
    た基部と前記手摺りが前記受け部材に乗せられたときに
    少なくとも前記手摺りの中心位置より突出した押さえ部
    とを備えた押さえ部材と、を有することを特徴とする手
    摺り取付装置。
  2. 【請求項2】 前記支柱は円管状に形成されていて、前
    記支柱に固定される支持部材を備え、前記被支持部は前
    記支柱に嵌まる円管状部分を備えていて前記支柱の中心
    軸回りに回転可能なように前記支持部材に支持されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の手摺り取付装置。
  3. 【請求項3】 前記押さえ部は前記載置保持部まで延設
    されていて前記載置保持部と嵌合可能に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の手摺り取付装置。
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