JP2891857B2 - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数種類のプログラム
により生成された印刷命令、または複数のユーザにより
生成された印刷命令を受信して印刷を行なう印刷装置お
よび印刷方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】装置内に各種フォント有する印刷装置が
広く用いられている。このような印刷装置において、フ
ォント用メモリに格納されていないキャラクタを印刷す
る場合は、予めホストコンピュータから該キャラクタの
構成についてのビットマップ情報またはアウトライン情
報等を受信している。このような、ホストコンピュータ
から予め受信するキャラクタを外字と呼ぶ。外字は通
常、プリンタの電源投入時、ホストコンピュータの電源
投入時、またはこれらの電源投入後の初めての印刷開始
時にホストコンピュータから受信すれば、その後繰り返
して受信する必要はない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の印
刷装置では、使用する外字の種類または定義が変更され
た可能性がある場合に、誤った外字の印刷を避けるため
に全ての外字を受信し直す必要があった。例えば、異な
るホストコンピュータにより印刷が行なわれる場合、同
種類のホストコンピュータであっても異なるプリンタド
ライバ（プリンタドライバとは、印刷装置に対する印刷
制御命令の発行を制御する、ホストコンピュータ上の印
刷制御プログラムをいう。）により印刷が行なわれる場
合、印刷装置に内蔵するエミュレションプログラム（エ
ミュレションプログラムとは、プリンタドライバから発
行された命令を受信して、実際に印刷装置の印刷制御を
行なう、印刷装置上の印刷制御プログラムをいう。以下
このプログラムをエミュレータと呼ぶ。）を切り替える
場合、または異なるユーザにより登録された外字を印刷
する場合は、印刷に先だって外字を受信し直す必要があ
った。このような外字の受信には多くの時間を必要とす
るため、ホストコンピュータやプリンタドライバ等を変
更すると、その後の印刷の開始が遅延するという問題が
あった。また、ユーザが変更されたにもかかわらず、ユ
ーザにより登録された外字を変更せずに印刷を行なった
場合に、外字が誤って印刷されるという問題があった。

【０００４】そこで本発明は、このような問題を解決す
ることのできる印刷装置および印刷方法を提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、外字情報を受信して印刷装置内の
外字記憶用メモリに格納する機能を有する印刷装置にお
いて、前記外字情報を送信したホストコンピュータ、プ
リントドライバ、ユーザ、または前記外字情報を受信し
たエミュレータのいずれか、または複数を識別する第１
の識別情報を、前記外字情報に対応付けて格納する格納
手段と、外字の印刷命令を受信する手段と、外字の印刷
命令を送信したホストコンピュータ、プリントドライ
バ、ユーザ、または外字の印刷命令を受信したエミュレ
ータのいずれか、または複数を識別する第２の識別情報
の各々が前記第１の識別情報に一致する外字情報を、前
記格納手段に格納した外字情報から選択する手段と、選
択した外字を印刷する手段とを備えたことを特徴とす
る。

【０００６】ここで「外字情報」には、以下で説明する
フォント識別番号、文字コード、および外字データが対
応する。

【０００７】

【作用】本発明によれば、印刷装置内で、印刷命令を行
なったホストコンピュータ、プリントドライバ、エミュ
レータおよびユーザをの全部または一部を認識し、外字
を印刷装置内に登録する際に、これらの認識したデータ
を各外字に対応付けてメモリに格納し、外字を印刷する
際に、これらの認識したデータが一致する外字を選択す
るので、複数種類のホストコンピュータ、複数種類のプ
リンタドライバ、または複数のユーザにより印刷が行な
われる場合でも、ホストコンピュータ等の種類が切り替
わる毎に全ての外字を新たにホストコンピュータから受
信する必要がない。したがって、ホストコンピュータ等
が切り替えられた場合でも、その後の印刷の開始の遅延
を避けることができる。また、ユーザが変更された場合
でも、外字を誤って印刷することを避けることができ
る。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。

【０００９】図１は本実施例の印刷装置およびホストコ
ンピュータのハードウェアの基本構成を示すブロック図
である。図１において、１０１はホストコンピュータで
あり、印字データおよび登録データを印刷装置２００に
出力する。印刷装置２００は、プリンタ制御ユニット２
０１およびプリンタエンジン１０７を有する。本実施例
では印刷装置２００としてレーザビームプリンタ（以下
ＬＢＰと呼ぶ）を用いている。プリンタ制御ユニット２
０１の構成を以下に述べる。プリンタ制御ユニット２０
１において、入力インタフェース部１０３はインタフェ
ースケーブルを介して転送されてきたデータを受信す
る。１０４は受信バッファであり、インタフェース部１
０３にて受信されたデータを一時的に蓄積する。ＲＯＭ
１０８にはＣＰＵ１０５が実行する複数の制御プログラ
ムとフォントデータが格納されている。各印刷制御プロ
グラムには予め固有野番号（ＩＤ）が格納されている。
ＲＡＭ１０９は制御プログラムが使用する作業領域と登
録データを格納する登録領域として使用される。１０６
は出力制御部であり、ＲＡＭ１０９に格納された出力イ
メージをビデオ信号に変換してプリンタエンジン１０７
へ転送する。プリンタエンジン１０７は受け取ったビデ
オ信号から画像を形成し記録紙に記録する。

【００１０】図２は本実施例のレーザビームプリンタ
（以下ＬＢＰと略す）２００の機械構造を示す断面図で
ある。ＬＢＰ２００は、外部に接続されているホストコ
ンピュータから供給される印刷情報等を入力して記憶す
るとともに、それらの情報に従って対応する図形を作成
し、記録媒体である記録紙上に像を形成する。２１２は
操作のためのスイッチおよびＬＥＤ表示器等の配置され
ているパネル操作部である。２０１はＬＢＰ２００全体
の制御およびホストコンピュータから供給される文字情
報などを解析するプリンタ制御ユニットである。プリン
タ制御ユニット２０１は主に文字図形情報であるビット
マップメモリのデータをビデオ信号に変換してレーザド
ライバ２０２に出力する。レーザドライバ２０２は半導
体レーザ２０３を駆動するための回路であり、入力され
たビデオ信号に応じて半導体レーザ２０３から発射され
るレーザ光２０４をオン・オフ切替えする。このレーザ
光２０４は回転多面鏡２０５で左右方向に振らされて静
電ドラム２０６上を走査露光する。これにより、静電ド
ラム２０６上には出力図形の静電潜像が形成される。こ
の潜像は静電ドラム２０６周囲に配設された現像ユニッ
ト２０７により現像された後、記録紙に転写される。こ
の記録紙にはカットシートが用いられる。カットシート
はＬＢＰ２００に装着した用紙カセット２０８に収納さ
れ、給紙ロータ２０９および搬送ローラ２１０と２１１
とにより、装置内に取り込まれて、静電ドラム２０６に
供給される。

【００１１】次に、このように構成された印刷装置にお
けるプリンタ制御ユニット２０１が行う印刷制御処理手
順を図３のフローチャートを参照して説明する。

【００１２】まず、ホストコンピュータ１０１より印刷
データを受信し、受信したデータを逐次受信バッファ１
０４に格納する（Ｓ３０１）。次に、受信バッファのデ
ータを読み出し（Ｓ３０２）、データが排紙命令かをチ
ェックし（Ｓ３０３）、排紙命令でなければステップＳ
３０４においてデータがエミュレータ切替え命令かチェ
ックする。データがエミュレータ切替え命令でない場合
はステップＳ３０５においてデータが外字登録命令かを
チェックする。データが外字登録命令であれば外字登録
処理を行う（Ｓ３１１）。この外字登録処理については
後述する。ステップＳ３０４においてデータが外字登録
命令でなければ、データを解析し、該解析結果に従って
中間コードを作成し（Ｓ３０６）、さらにこの中間コー
ドからページメモリへ展開処理を行う（Ｓ３０７）。ス
テップＳ３０４においてデータがエミュレータ切替えコ
マンドであった場合はステップＳ３１２において印刷す
べきデータがあるかチェックし、印刷するデータがあれ
ばページメモリの内容をビデオ信号の変換し（Ｓ３１
３）、印刷を行い（Ｓ３１４）、排紙して（Ｓ３１
５）、切替え処理を行う（Ｓ３１６）。ステップＳ３１
２において印刷するデータがなければ、ステップＳ３１
６へ進む。ステップＳ３０３においてデータが排紙命令
であった場合、ページメモリの内容をビデオ信号に変換
し（Ｓ３０８）、印刷を行い（Ｓ３０９）、排紙する
（Ｓ３１０）。

【００１３】図４は外字登録の格納形式を示すデータ構
造図である。外字管理テーブルには１データにつきフォ
ントの種類を示すフォント識別番号、文字コード、該当
するデータの登録を行ったエミュレータを示すエミュレ
ータ番号、登録コマンドのパラメータとして入力される
ホスト番号、ユーザ番号、登録データの格納領域の先頭
アドレスが格納される。外字データは外字登録領域に格
納される。

【００１４】図５は外字登録コマンドの構成の例であ
る。外字登録コマンドのパラメータは、登録ビットマッ
プデータのドット高と、バイト単位の幅と、ホスト番号
と、ユーザ番号と、登録ビットマップデータとで構成さ
れる。ホスト番号、およびユーザ番号は０以外の整数で
表され、指定を省略することも可能である。省略された
場合は、内部的には０の値がセットされる。なお、ホス
ト番号、およびユーザ番号はユーザが予めそのホストお
よびユーザに固有の値を決めておく。

【００１５】図６は外字の登録処理を示すフローチャー
トである。ステップＳ６０１では現在動作中のエミュレ
ータのエミュレータ番号を取得する。ステップＳ６０２
からステップＳ６０５は外字管理テーブルの検索処理を
示す。ステップＳ６０２ではフォントの種類と文字コー
ドが一致するフォントがＲＡＭ１０９に登録されている
か否かチェックする。フォントの種類と文字コードが一
致するフォントが登録されていなければステップＳ６０
７に進む。ステップＳ６０２においてフォントの種類と
文字コードが一致するフォントが登録されていれば、ス
テップＳ６０３においてそれらのフォントの中でエミュ
レータ番号が一致するフォントがＲＡＭ１０９に登録さ
れているか否かチェックする。エミュレータ番号が一致
するフォントが登録されていなければステップＳ６０７
へ進む。ステップＳ６０３においてエミュレータ番号が
一致するフォントが登録されていれば、ステップＳ６０
４においてそれらのフォントの中でホスト番号が一致す
るフォントが登録されているかチェックする。ホスト番
号が一致するフォントが登録されていればステップＳ６
０７へ進む。ステップＳ６０４においてホスト番号が一
致するフォントが登録されていれば、ステップＳ６０５
に進みそれらのフォントの中でユーザ番号が一致するフ
ォントが登録されているかチェックする。ユーザ番号が
一致するフォントが登録されていなければステップＳ６
０７へ進む。ステップＳ６０５においてユーザ番号が一
致するフォントが登録されていれば、現在あるデータを
削除して登録を行う。ステップＳ６０７では新規に登録
を行う。

【００１６】図７は印刷の際の外字の検索を示すフロー
チャートである。ステップＳ７０１では現在動作中のエ
ミュレータのエミュレータ番号を取得する。印刷の際の
ホスト番号とユーザ番号は印刷ジョブ開始命令等のコマ
ンドによって与えられる。ステップＳ７０２からステッ
プＳ７０５は外字管理テーブルの検索処理を示す。ステ
ップＳ７０２ではフォントの種類と文字コードとが一致
するフォントがＲＡＭ１０９に登録されているか否かを
チェックする。フォントの種類と文字コードが一致する
フォントが登録されていなければステップＳ７０７へ進
む。ステップＳ７０２においてフォントの種類と文字コ
ードとが一致するフォントが登録されていれば、ステッ
プＳ７０３においてそれらのフォントの中でエミュレー
タ番号が一致するフォントがＲＡＭ１０９に登録されて
いるか否かをチェックする。エミュレータ番号が一致す
るフォントが登録されていなければステップＳ７０７に
進む。エミュレータ番号が一致するフォントが登録され
ていれば、ステップＳ７０４においてそれらのフォント
の中でホスト番号が一致するフォントがＲＡＭ１０９に
登録されているか否かをチェックする。ホスト番号が一
致するフォントが登録されていなけばステップＳ７０７
へ進む。ステップＳ７０４においてホスト番号が一致す
るフォントが登録されていれば、ステップＳ７０５にお
いてユーザ番号が一致するフォントがＲＡＭ１０９に登
録されているか否かをチェックする。ユーザ番号が一致
するフォントが登録されていなければステップＳ７０７
へ進む。ステップＳ７０５においてユーザ番号が一致す
るフォントが登録されていれば該当する外字を印刷す
る。ステップＳ７０７では外字は印刷せず、該当するフ
ォントＲＯＭの文字を印刷する。

【００１７】（他の実施例）本実施例では、個々の、エ
ミュレータ、ホストコンピュータ、およびユーザを識別
して、これらの識別データが一致するフォントを選択し
て印刷を行なったが、同じ種類のエミュレータ、および
同じ種類のホストコンピュータに同一の識別番号を割り
付け、これらの種類のみを識別してもよい。また、複数
のユーザが同一の外字を使用する場合は、これらのユー
ザにグループ番号を割り付け、この外字に当該グループ
番号を割り付けてもよい。また、全てのユーザに対して
有効なグループ番号（例えばグループ番号００）を用意
し、全てのユーザに対して有効なフォントに割り付ける
ようにしてもよい。

【００１８】本実施例では、エミュレータ、ホストコン
ピュータ、およびユーザを識別したが、これらの他にホ
ストコンピュータ上のプリントドライバも識別してもよ
い。さらに、これらの一部、例えばホストコンピュータ
のみ、またはユーザのみを識別してもよい。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数種類のホストコンピュータ、複数種類のプリンタド
ライバ、複数種類のエミュレータ、または複数のユーザ
により連続して印刷が行なわれる場合でも、ホストコン
ピュータ等が切り替えられる毎に全ての外字を新たにホ
ストコンピュータから受信する必要がない。したがっ
て、ホストコンピュータ等が切り替えられた場合でも、
その後の印刷の開始の遅延を避けることができる。ま
た、ユーザが変更された場合でも、外字を誤って印刷す
ることを避けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の印刷装置のハードウエア基本構成を
示すブロック図である。

【図２】ＬＢＰの機械構成を示す説明図である。

【図３】印刷処理を示すフローチャートである。

【図４】外字の記憶方法を示す説明図である。

【図５】外字登録コマンドの例を示す説明図である。

【図６】外字登録処理のフローチャートである。

【図７】外字検索処理のフローチャートである。

【符号の説明】

１０１ ホストコンピュータ １０３ 入力インタフェース １０４ 受信バッファ １０５ ＣＰＵ １０６ 出力制御部 １０７ プリンタエンジン １０８ ＲＯＭ １０９ ＲＡＭ ２００ ＬＢＰ本体 ２０１ プリンタ制御ユニット

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−106674（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−158798（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−250692（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−173263（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−16450（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−108284（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−221072（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−121321（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−338283（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−232086（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B41J 5/44 B41J 5/30 G06F 3/12

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外字情報を受信して印刷装置内の外字記
   憶用メモリに格納する機能を有する印刷装置において、 前記外字情報を送信したホストコンピュータ、プリント
   ドライバ、ユーザ、または前記外字情報を受信したエミ
   ュレータのいずれか、または複数を識別する第１の識別
   情報を、前記外字情報に対応付けて格納する格納手段
   と、 外字の印刷命令を受信する手段と、 外字の印刷命令を送信したホストコンピュータ、プリン
   トドライバ、ユーザ、または外字の印刷命令を受信した
   エミュレータのいずれか、または複数を識別する第２の
   識別情報の各々が前記第１の識別情報に一致する外字情
   報を、前記格納手段に格納した外字情報から選択する手
   段と、 選択した外字を印刷する手段とを備えたことを特徴とす
   る印刷装置。
2. 【請求項２】 外字情報を受信して印刷装置内の外字記
   憶用メモリに格納する機能を有する印刷装置における外
   字印刷方法において、 前記外字情報を送信したホストコンピュータ、プリント
   ドライバ、ユーザ、または前記外字情報を受信したエミ
   ュレータのいずれか、または複数を識別する第１の識別
   情報を、前記外字情報に対応付けて格納するステップ
   と、 外字の印刷命令を受信するステップと、 外字の印刷命令を送信したホストコンピュータ、プリン
   トドライバ、ユーザ、または外字の印刷命令を受信した
   エミュレータのいずれか、または複数を識別する第２の
   識別情報の各々が前記第１の識別情報に一致する外字情
   報を、前記格納手段に格納した外字情報から選択するス
   テップと、 選択した外字を印刷するステップとを備えたことを特徴
   とする印刷方法。