JP2888933B2 - 温度感応型流体式ファン・カップリング装置 - Google Patents

温度感応型流体式ファン・カップリング装置

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    • F16D35/00Fluid clutches in which the clutching is predominantly obtained by fluid adhesion
    • F16D35/02Fluid clutches in which the clutching is predominantly obtained by fluid adhesion with rotary working chambers and rotary reservoirs, e.g. in one coupling part
    • F16D35/021Fluid clutches in which the clutching is predominantly obtained by fluid adhesion with rotary working chambers and rotary reservoirs, e.g. in one coupling part actuated by valves
    • F16D35/023Fluid clutches in which the clutching is predominantly obtained by fluid adhesion with rotary working chambers and rotary reservoirs, e.g. in one coupling part actuated by valves the valve being actuated by a bimetallic coil

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は自動車における機関冷却用のファン回転を、
絶えず走行状態に応じた外部周囲の温度変化を感知し
て、冷却送風量を自動制御せしめて機関に供給する温度
感応型流体式ファン・カップリング装置の構造の改良に
関するものである。
(従来の技術) 従来、この種のファン・カップリング装置としては例
えば第6図にその要部を示すように、油溜り室(26)か
らトルク伝達室(24)に通ずる流出調整孔(25′)を仕
切板(25)上に設け、外部温度の変化に応じて変形する
密封器匣側のカバー(23)の前面に取付けた渦巻き状の
感温体(図示せず)に連る連桿(29)に固定した弁部材
(28)の先端部附近によって前記流出調整孔(25′)を
開閉するように構成していた。
(発明が解決しようとする課題) 一般に渦巻き状からなる感温体を有する温度感応型流
体式ファン・カップリング装置にあっては、その巻回形
状により長尺材をもって感温体が形成されるものであ
り、従って該感温体の外側の巻回端部をカバー(23)に
取付けられる構造によって、感温体自体に機関或いは走
行中の振動による加振を招き、該加振が連桿(29)を介
して弁部材(28)に不安定な振動を伝達して弁部材及び
仕切板(25)間にいわゆる「フレッティング」を招き、
仕切板上での流出調整孔(25′)の位置及びその方向性
とも相俟って弁部材(28)の先端部の該流出調整孔での
シール性を不確実となし、同時に該弁部材の摺擦面に偏
摩耗を生ぜしめることとなった。
また、仕切板(25)上での流出調整孔(25′)の構造
により、連桿(29)との固定位置から流出調整孔(2
5′)までのレバー長(l′)を長寸となし得ず、同時
に弁部材(28)の先端部附近のなす仕切板(25)表面で
の過大な当接面積による摺動抵抗の増大によって、外部
温度の変化に応じた流出調整孔(25′)での微細で且つ
正確な制御機能を損い、応答性の劣化を招く傾向にあっ
た。更に前記流出調整孔(25′)が油溜り室(26)の内
周壁と前記弁部材(28)との干渉を避けるよう油溜り室
(26)の最外周側より内側に設けられるために、作動に
際して油に泡状の空気がかなり混入した状態で流出調整
孔(25′)からトルク伝達室(24)側に油が流出され、
従ってトルク伝達間隙においては油中にかなりの空気が
混入した状態でトルク伝達がなされるため伝達トルクが
不規則に変動してファン回転数を不安定とする傾向にあ
る等の問題を有することとなった。
本発明は従来技術の有する前記問題に鑑みてなされた
ものであり、加振下にあっても流出調整孔でのシール性
を良好となして外部温度の変化に応じて該流出調整孔で
の開閉機能を正確で且つ安定に作動せしめ、ファン回転
数を精度よく増減し得ると共に、微細、正確にして且つ
応答性に富んだ制御を発揮せしめ、更に作動に際して空
気の混入が殆んどない油のトルク伝達室側への流出によ
ってトルク伝達の不規則な変動を防止してより一層安定
したファン回転数を得ることのできる温度感応型流体式
ファン・カップリング装置を提供することを目的とする
ものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は上記目的を達成するため、先端部に駆動ディ
スクを固着した回転軸体上に軸受を介して支承され、且
つ外周部に冷却ファンを取付けたケースとカバーとから
なる密封器匣の内部を、仕切板によって油溜り室と前記
駆動ディスクを内装するトルク伝達室とに区劃し、回転
時の油の集溜する駆動ディスクの外周側面に対向する密
封器匣側の内周側壁面の一部にダムと該ダムに連るトル
ク伝達室側から油溜り室側に通ずる循環流通路を形成す
ると共に、油溜り室側に位置してカバー前面に取付けら
れた渦巻き状からなる感温体に連る連桿にその一端を固
定し、他端側の先端部で外部周囲の温度が設定値を越え
ると油溜り室側からトルク伝達室側へ通ずる流出調整孔
を開放し、設定値以下では閉鎖する弁部材をもって前記
感温体の温度変化に伴う巻回方向の変形に連動するよう
に内部に備え、駆動ディスクのなす前記ケース及びカバ
ーとの外方附近の対向壁面に設けたトルク伝達間隙部で
の油の有効接触面積を増減させて駆動側の回転軸体側か
ら被駆動側の密封器匣側への回転トルク伝達を制御する
ようにしてなるファン・カップリング装置において、前
記油溜り室を形成するカバー内部の周側壁面の一部に、
前記トルク伝達室側への流出調整孔を設け、且つ前記弁
部材の先端部側に設けた屈曲壁又はシール部材からなる
シール部によって流出調整孔に対し円周方向に摺動して
開閉するように構成した温度感応型流体式ファン・カッ
プリング装置を要旨とするものであり、更に前記シール
部の摺擦表面に弾性部材を有して構成したり、また弁部
材をカバー内部の直径と略等しい長さに延長し且つ前記
シール部の反対側に位置して支持壁を一体に張出してカ
バー側の内周面と緩接するよう構成したり、前記流出調
整孔の開口部附近を凹溝又はテーパ面に構成すると共
に、シール部の摺擦面をこれに対応した形状に形成した
り、更に前記流出調整孔を油溜り室の周方向もしくは軸
方向の長孔となして構成したりするものである。
(作用) 本発明はこのように構成されているため、前記カバー
側に設けた内側壁面での流出調整孔の構造と、仕切板の
表面より離れた位置での弁部材側に設けたシール部での
開閉構造とにより、シール部のなす流出調整孔での摺動
による円周方向への変位によって制御せしめることとな
り、従って前記流出調整孔の位置、その方向性及び連桿
の固定位置から流出調整孔までのレバー長を長寸となし
得た構造によって、加振下にあっても流出調整孔でのシ
ール性を良好となすと共に、弁部材・仕切板間のフレッ
ティング等による摩耗を防止し、外部温度の変化に応じ
て開閉を正確で且つ安定に作動せしめることができてフ
ァン回転数を増減せしめ、絶えず微細、正確にして且つ
応答性に富んだ制御機能を発揮せしめることができ、更
に油溜り室における最外周部に設けた前記流出調整孔に
より、該流出調整孔部分には油に加わる遠心力によって
空気の殆んど混入しない油が存在してトルク伝達室側へ
はこの状態の油の流出を行うことができ、トルク伝達間
隙において伝達トルクの不規則な変動がなく、従ってい
わゆる「ハンチング」現象を生ずることなく流量制御機
能を一層正確且つ安定せしめることができることとな
る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すれば、
第1図は本発明の温度感応型流体式ファン・カップリン
グ装置の一部切欠き縦断面図、第2図(イ)は第1図の
本発明の要部に係る流出調整孔附近での拡大による一部
の断面図、第2図(ロ)は第2図(イ)のA−A線の断
面図、第3図及び第4図(イ)乃至(ニ)はそれぞれ他
の実施例を示す第2図(イ)相当図、第5図は第1図の
本発明の要部に係る拡大断面での説明図であって、
(1)は駆動側をなす回転軸体であり、その先端部に駆
動ディスク(7)を固着し、且つ該軸体上に軸受を介し
て外周部に冷却ファン(図示せず)を取付けたケース
(2)とカバー(3)とからなる密封器匣を支承するも
のである。(5)は円盤状からなる仕切板であり、密封
器匣の内部を油溜り室(6)と前記駆動ディスク(7)
を内装するトルク伝達室(4)とに区劃してなるもので
ある。そして前記駆動ディスク(7)はトルク伝達室
(4)内部にあってその対向する壁面とにトルク伝達の
ための微少間隙を保持してなるものである。(8)は弁
部材であって、油溜り室(6)側に位置してその一端を
連桿(9)に固定し、他端の先端部側に設けたシール部
として構成した屈曲壁(8′)部により前記カバー
(3)内部の周側壁面に設けた前記トルク伝達室(4)
側への流出調整孔(14)を円周方向に摺動変位して開閉
するように構成され、そしてカバー(3)の前面に取り
付けられた渦巻き状からなる感温体(10)の中芯部附近
の端部を前記連桿(9)に固着(11)せしめ、外部周囲
の温度変化による感温体(10)の巻回方向の変形に連動
して前記開閉するものである。従って第5図に示すよう
に、連桿(9)の固定位置から最外周部に設けた流出調
整孔(14)までのレバー長(l)を長尺となすことがで
き、連桿(9)のわずかな回動によっても弁部材(8)
の先端側を大きく変位せしめて微細で且つ正確な開閉機
能を得ることとなる。(12)はダムであり、回転作動時
の遠心力による油を集溜する前記駆動ディスク(7)の
外周側壁面に対向する密封器匣の内周側壁面の一部に設
けたもので、回転方向の該ダムの手前に近傍して設けた
流入口に連ってトルク伝達室(4)側から油溜り室
(6)側への循環流通路(13)を形成してポンピング機
能となすものである。(15)はカバー(3)の外側前面
に設けた冷却ファンであり、実線による矢印は弁部材
(8)の開孔並びに閉孔時の摺動方向を示すものであ
る。
更に本発明は第3図のように弁部材(8)の前記屈曲
壁(8′)のなす摺擦表面にポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)のような弾性部材(16)を有して摺動を円滑
にすると共に、シール性を向上せしめることもできる。
また第4図(イ)に示すように弁部材(8)をカバー
(3)内部の直径と略等しい長さに延長し、且つ屈曲壁
(8′)の反対側に位置して支持壁(8″)を一体に張
出してその先端をカバー(3)側の内周面に緩接するよ
う構成すると、加振下にあってもより一層安定した状態
で摺動せしめることもできるのであり、この際必要に応
じ別途流出調整孔(14′)を1つ以上設けて前記支持壁
(8″)により開閉するよう構成すると応答性もより一
層向上する。
尚、上記実施例ではシール部を屈曲壁(8′)により
構成したものを示したが、第4図(ロ)のように弁部材
(8)の先端に固着したシール部材(8)により構成
することもでき、更に弁部材(8)の軸方向の加振に対
抗するためのカバー(3)内部の周側壁面における開口
部附近を凹溝(17)(第4図(ハ)参照)又はテーパ面
(18)(第4図(ニ)参照)にすると共に、シール部の
摺擦面をこれに対応した形状に形成することにより耐振
性をより一層向上されることもできる。
(発明の効果) 以上説明したように本発明による温度感応型流体式フ
ァン・カップリング装置は、前記カバー(3)側に設け
た内側壁面での流出調整孔(14)の構造と、仕切板
(5)の表面より離れた位置での弁部材(8)側に設け
た屈曲壁(8′)又はシール部材(8″)からなるシー
ル部の構造とにより、シール部のなす流出調整孔(14)
での円周方向への摺動変位によって制御せしめることと
なるため、流出調整孔(14)の位置、その方向性及び連
桿(9)の固定位置から流出調整孔(14)までのレバー
(l)を長寸にでき、加振下にあっても弁部材(8)・
仕切板(5)間のいわゆる「フレッティング」を防止し
てシール性を良好となすことができると共に、連桿
(9)のわずかな回動によって弁部材(8)の先端側を
大きく変位せしめることができ、外部周囲の温度変化に
応じて流出調整孔(14)での開閉を正確で且つ安定した
状態で摺動せしめ、ファン回転数を増減して絶えず微
細、正確にして且つ応答性に富んだ制御機能を発揮せし
めることができるのである。更に空気の混入が殆んどな
い油溜り室(6)の最外周部に設けた流出調整孔(14)
によって、トルク伝達室(4)側に流出する油によるト
ルク伝達間隙でのトルク伝達の不規則な変動を減少して
一層ファン回転数を安定せしめ、流量制御により正確で
且つ安定して行うことができ、また所望に応じて設けた
前記シール部のなす摺擦表面での弾性部材(16)或いは
シール部の反対側に張出した支持壁(8″)によって一
層シール性を向上すると共に、より安定した状態での摺
動が可能となり、製品としてその特性を一層効果的とな
すことができる等、極めて有用な温度感応型流動式ファ
ン・カップリング装置である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す温度感応型流体式ファ
ン・カップリング装置の一部切欠き縦断面図、第2図
(イ)は第1図の本発明の要部に係る流出調整孔附近で
の拡大による一部の断面図、第2図(ロ)は第2図
(イ)のA−A線の断面図、第3図及び第4図(イ)乃
至(ニ)はそれぞれ他の実施例を示す第2図(イ)相当
図、第5図は第1図の本発明の要部に係る拡大断面での
説明図、第6図は従来例を示す流出調整孔附近の一部の
拡大断面での説明図である。 (3)…カバー、(4)…トルク伝達室、(6)…油溜
り室、(8)…弁部材、(8′)…屈曲壁、(8″)…
支持壁、(8)…シール部材、(14)…流出調整孔、
(16)…弾性部材、(17)…凹溝、(18)…テーパ面。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端部に駆動ディスクを固着した回転軸体
    上に軸受を介して支承され、且つ外周部に冷却ファンを
    取付けたケースとカバーとからなる密封器匣の内部を、
    仕切板によって油溜り室と前記駆動ディスクを内装する
    トルク伝達室とに区劃し、回転時の油の集溜する駆動デ
    ィスクの外周側面に対向する密封器匣側の内周側壁面の
    一部にダムと、該ダムに連るトルク伝達室側から油溜り
    室側に通ずる循環流通路を形成すると共に、油溜り室側
    に位置してカバー前面に取付けられた渦巻き状からなる
    感温体に連る連桿にその一端を固定し、他端側の先端部
    で外部周囲の温度が設定値を越えると油溜り室側からト
    ルク伝達室側へ通ずる流出調整孔を開放し、設定値以下
    では閉鎖する弁部材をもって前記感温体の温度変化に伴
    う巻回方向の変形に連動するように内部に備え、駆動デ
    ィスクのなす前記ケース及びカバーとの外方附近の対向
    壁面に設けたトルク伝達間隙部での油の有効接触面積を
    増減させて駆動側の回転軸体側から被駆動側の密封器匣
    側への回転トルク伝達を制御するようにしてなるファン
    ・カップリング装置において、前記油溜り室(6)を形
    成するカバー(3)内部の周側壁面の一部に、前記トル
    ク伝達室(4)側への流出調整孔(14)を設け、且つ前
    記弁部材(8)の先端部側に設けたシール部によって流
    出調整孔(14)に対し円周方向に摺動して開閉するよう
    に構成したことを特徴とする温度感応型流体式ファン・
    カップリング装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載において、前記シール部を屈
    曲壁(8′)又はシール部材(8″)により構成したこ
    とを特徴とする温度感応型流体式ファン・カップリング
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載において、前記シール
    部の摺擦表面に弾性部材(16)を有して構成したことを
    特徴とする温度感応型流体式ファン・カップリング装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載において、前記弁部材
    (8)をカバー(3)内部の直径と略同じ長さに延長
    し、且つ前記シール部の反対側に位置して支持壁
    (8″)を一体に張出して、カバー(3)側の内周面と
    緩接するように、構成したことを特徴とする温度感応型
    流体式ファン・カップリング装置。
  5. 【請求項5】請求項1又は2において、前記流出調整孔
    (14)の開口部附近を凹溝(17)又はテーパ面(18)に
    構成すると共に、シール部の摺擦面をこれに対応した形
    状に形成したことを特徴とする温度感応型流体式ファン
    ・カップリング装置。
  6. 【請求項6】請求項1又は2記載において、前記流出調
    整孔(14)を油溜り室(6)の周方向もしくは軸方向の
    長孔となして構成したことを特徴とする温度感応型流体
    式ファン・カップリング装置。
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