JP2888931B2 - 温度感応型流体式ファン・カップリング装置 - Google Patents

温度感応型流体式ファン・カップリング装置

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JP2888931B2 JP16317590A JP16317590A JP2888931B2 JP 2888931 B2 JP2888931 B2 JP 2888931B2 JP 16317590 A JP16317590 A JP 16317590A JP 16317590 A JP16317590 A JP 16317590A JP 2888931 B2 JP2888931 B2 JP 2888931B2
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    • F16D35/00Fluid clutches in which the clutching is predominantly obtained by fluid adhesion
    • F16D35/02Fluid clutches in which the clutching is predominantly obtained by fluid adhesion with rotary working chambers and rotary reservoirs, e.g. in one coupling part
    • F16D35/021Fluid clutches in which the clutching is predominantly obtained by fluid adhesion with rotary working chambers and rotary reservoirs, e.g. in one coupling part actuated by valves
    • F16D35/022Fluid clutches in which the clutching is predominantly obtained by fluid adhesion with rotary working chambers and rotary reservoirs, e.g. in one coupling part actuated by valves the valve being actuated by a bimetallic strip

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は自動車における機関冷却用のファン回転を、
絶えず走行状態に応じた外部周囲の温度変化を感知して
冷却送風量を自動制御せしめて機関に供給する温度感応
型流体式ファン・カップリング装置の構造の改良に関す
るものである。
(従来の技術) 従来、この種のファン・カップリング装置としては一
般に第8図(イ)及び(ロ)にその要部を示すように、
仕切板(25)上に設けた油溜り室(26)からトルク伝達
室(24)に流通する流出調整孔(25′)を、外部温度が
設定値を越えると密封器匣の前面に設けた感温体の温度
変化に伴う変形に連動して弁部材(28)が流出調整孔
(25′)より離れて開放し、設定値以下では流出調整孔
(25′)を接して閉鎖するように一端側を変位可能と
し、その他端側を固定して構成されていた。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の技術においては、流
出調整孔(25′)部における油の流量は、弁部材(28)
と仕切板(25)の流出調整孔(25′)との間の間隔によ
って制御されるため感温体の温度変化に弁部材が正確に
連動してもそれがそのまゝ油の流量を正確に制御するこ
とにはならなかった。即ち例えば流出調整孔(25′)の
閉鎖行程においてある一定の間隔に挾まるまでは油の自
由に流出調整孔(25′)を通過するが、その間隔になる
と油溜り室(26)側からトルク伝達室(24)側へ流出す
る遠心力により加圧された油による背圧によって、弁部
材(28)に流出調整孔(25′)部での吸付き現象を生ぜ
しめて、急激に流路が挾められ、トルク伝達室(24)側
への油の流入が急激に減少する現象が生じ、一方開放行
程では上記とは逆にある一定間隔があくと急激に流路面
積が増大してトルク伝達室(24)への油の流入が急激に
増加するものであった。
この現象はいわゆる「ハンチング」と呼ばれ、外部温
度の変化に応じてファン回転数を比例的に制御しようと
する温度感応型流体式ファン・カップリング装置の本来
の目的とは全く反するものであった。
本発明は従来技術の有する前記問題に鑑みてなされた
ものであり、前記吸付き現象を防止し、外部温度の変化
に応じて流出調整孔の開口面積を正確に制御してファン
回転数を比例的に減少し得る温度感応型流体式ファン・
カップリング装置を提供することを目的とするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明は上記目的を達成するため、先端部に駆動ディ
スクを固着した回転軸体上に軸受を介して支承され、且
つ外周部に冷却ファンを取付けたケースとカバーとから
なる密封器匣の内部を、油の流出調整孔を設けた仕切板
により油溜り室と前記駆動ディスクを内装するトルク伝
達室とに区劃し、回転時の油の集溜する駆動ディスクの
外周側壁面に対向する密封器匣側の内周側壁面の一部に
ダムと、該ダムに連ってトルク伝達室側から油溜り室側
に通ずる循環流通路を形成すると共に、油溜り室側に位
置してその一端を該油溜り室内壁に固定し、他端側で外
部周囲の温度が設定値を越えると前記仕切板の流出調整
孔を開放し、設定値以下では閉鎖する弁部材を、前記カ
バーの前面に設けた感温体の温度変化に伴う変形に連動
するように内部に備え、駆動ディスクとなす前記ケース
及びカバーとの外方附近の対向壁面に設けたトルク伝達
間隙部での油の有効接触面積を増減させて駆動側の回転
軸体側から被駆動側の密封器匣側へのトルク伝達を制御
するようにしてなるファン・カップリング装置におい
て、前記仕切板の外方附近の前面もしくは背面に帽状の
突起壁を設け、且つ該突起壁の側壁の一部に前記トルク
伝達室側への流出調整孔を有して、前記弁部材の先端に
設けたシール部により該流出調整孔部を開閉するように
構成した温度感応型流体式ファン・カップリング装置を
要旨とするものであり、更に前記突起壁を仕切板と別体
に成形して該仕切板上に固定して構成したり、また、前
記弁部材の先端部附近に重錘体を備えて構成し、前記シ
ール部を屈曲壁又は好ましくは弾性材からなるシール部
材により構成したものである。
(作用) 本発明はこのように構成されているため、前記仕切板
に設けた帽状突起壁の側壁面での流出調整孔の構造と該
流出調整孔を開閉する弁部材の先端側のシール部との構
造により、弁部材の開放及び閉鎖行程にあってシール部
の流出調整孔との相互に摺動する方向への変位によっ
て、吸付き現象を防止し且つ該流出調整孔部自体におけ
る開口面積を直接弁部材のシール部により制御すること
となり、従っていわゆる「ハンチング」現象を生ずるこ
となく流出調整孔部における流量制御機能を外部温度の
変化に応じて正確且つ高精度に発揮せしめることとなっ
て製品としての特性を一層向上する結果となる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すれば、
第1図は本発明の温度感応型流体式ファン・カップリン
グ装置の一部切欠き縦断面図、第2図は第1図の本発明
の要部に係る流出調整孔附近での拡大による一部の断面
図、第3図(イ)は第2図の上面図、第3図(ロ)は第
3図(イ)のA−A線の断面図、第4図、第5図、第6
図、第7図(イ)及び(ロ)はそれぞれ他の実施例を示
す第2図相当図であって、(1)は駆動側をなす回転軸
体であり、その先端部に駆動ディスク(7)を固着し、
且つ該軸体上に軸受を介して外周部に冷却ファン(図示
せず)を取付けたケース(2)とカバー(3)とからな
る密封器匣を支承するものである。(5)は円盤状から
なる仕切板であり、その外方附近の前面(第2図、第3
図、第4図及び第5図)もしくは背面(第6図)に帽状
の突起壁(14)を設けてなるもので、密封器匣の内部を
油溜り室(6)と前記駆動ディスク(7)を内装するト
ルク伝達室(4)とに区劃してなるものであり、突起壁
(14)の側壁面の一部には油溜り室(6)よりトルク伝
達室(4)への油の流出調整孔(5′)を有してある。
尚、突起壁(14)は仕切板(5)と一体に形成してもよ
いし、又第5図のように別体に形成し仕切板(5)に固
定することもできる。
又、突起壁(14)の側壁面に設けた流出調整孔
(5′)の形状は所望の性能特性を得るために円形、長
円形、三角形、四角形等適宜選択できるが、四角形状の
流出調整孔(第3図(ロ)参照)を設けた場合には第9
図に示すようなストロークに正確に比例した開口面積が
得られる。
そして前記駆動ディスク(7)はトルク伝達室(4)
内部にあってその対向する壁面とトルク伝達のための微
少間隙を保持してなるものである。(8)は流出調整孔
(5′)を開閉する弁部材であって、油溜り室(6)側
に位置してその一端を仕切板(5)側に鋲着、固定し、
他端の先端でシール部を構成する屈曲壁(8′)により
前記流出調整孔(5′)を開閉するように設けてある。
そして前記カバー(3)の前面に固定した支持金具(1
1)にその両端を係支した板状バイメタルからなる感温
体(10)による外部周囲の温度変化に伴う変形に連動す
るように連桿(9)を介して内部に備えてある。(12)
はダムであり、回転作動時の遠心力による油の集溜する
前記駆動ディスク(7)の外周側壁面と対向する密封器
匣の内周側壁面の一部に設けたもので、同時に回転方向
の該ダムの手前に近傍して設けた流入口に連ってトルク
伝達室(4)側から油溜り室(6)側への循環流通路
(3)を有してポンピング機能をなすものである。(1
5)は第5図及び第6図に示すように弁部材(8)の先
端部附近に備えた重錘体であり、特に高回転に伴う大き
な遠心力の作用時にあって弁部材(8)を閉鎖方向に附
勢すると共に、流出調整孔(5′)部での密合をも確実
にならしめるものである。(16)はカバー(3)の外部
に設けた冷却フィンであり、実線による矢印は弁部材
(8)の開放並びに閉鎖時の作動方向を示すものであ
る。
尚、上記実施例ではシール部を屈曲壁(8′)により
構成したものを示したが、第7図(イ)のように弁部材
(8)の先端に固着したシール部材(8″)により構成
することもでき、この際摺動をより円滑にするためシー
ル部材(8″)はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
のような弾性材からなることが好ましく、更に第7図
(ロ)のようにシール部の移動を円滑にするため突起壁
(14)の流出調整孔(5′)の開口部附近とシール部を
なす屈曲壁(8′)の摺擦面を円弧状に形成すると好ま
しい。
更に本発明は駆動ディスク(7)の外方部附近と密封
器匣の対向壁面とが互に径方向に噛合うラビリンス機構
による温度感応型流体式ファン・カップリング装置に応
用することができる。
(発明の効果) 以上説明したように本発明による温度感応型流体式フ
ァン・カップリング装置は、前記仕切板(5)に設けた
突起壁(14)の側壁面での流出調整孔(5′)の構造
と、該流出調整孔を開閉する弁部材(8)の先端の屈曲
壁(8′)の構造とにより、弁部材(8)の開放及び閉
鎖の過程にあって、感温体(10)の変形に連動する連桿
(9)の押圧力(閉鎖時)並びに弁部材(8)自体の反
発力(開放時)によって作動する弁部材(8)の屈曲壁
(8′)と流出調整孔(5′)との相互に摺動する方向
への変位によって、流出調整孔(5′)部における開口
面積を弁部材(8)の屈曲壁(8′)によって直接制御
することになり、弁部材(8)の吸付き現象を生ずるこ
とがなく、従っていわゆる「ハンチング」現象を防止
し、且つ外部温度の変化に応じて正確で高精度に流出調
整孔(5′)の開口面積が増減するため、流量制御機能
を正確且つ安定して行うことができ、製品としてその特
性を一層向上することができる極めて有用な温度感応型
流体ファン・カップリング装置である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る温度感応型流体式ファ
ン・カップリング装置の一部切欠き縦断面図、第2図は
第1図の本発明の要部に係る流出調整孔附近での拡大に
よる一部の切欠き断面図、第3図(イ)は第2図の上面
図、第3図(ロ)は第3図(イ)のA−A線の断面図、
第4図、第5図、第6図、第7図(イ)及び(ロ)はそ
れぞれ他の実施例を示す同上第2図相当図、第8図
(イ)は従来例を示す流出調整孔附近の拡大による一部
の切欠き断面図、第8図(ロ)は第8図(イ)の上面
図、第9図は本発明の一実施例に係る流出調整孔を具備
した装置の性能特性曲線を示す図である。 (4)…トルク伝達室、(5)…仕切板、(5′)…流
出調整孔、(8)…弁部材、(8′)…屈曲壁、
(8″)…シール部材、(14)…突起壁、(15)…重錘
体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16D 35/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端部に駆動ディスクを固着した回転軸体
    上に軸受を介して支承され、且つ外周部に冷却ファンを
    取付けたケースとカバーとからなる密封器匣の内部を、
    油の流出調整孔を設けた仕切板により油溜り室と前記駆
    動ディスクを内装するトルク伝達室とに区劃し、回転時
    の油の集溜する駆動ディスクの外周側壁面に対向する密
    封器匣側の内周側壁面の一部にダムと、該ダムに連って
    トルク伝達室側から油溜り室側に通ずる循環流通路を形
    成すると共に、油溜り室側に位置してその一端を該油溜
    り室内壁に固定し、他端側で外部周囲の温度が設定値を
    越えると前記仕切板の流出調整孔を開放し、設定値以下
    では閉鎖する弁部材を、前記カバーの前面に設けた感温
    体の温度変化に伴う変形に連動するように内部に備え、
    駆動ディスクとなす前記ケース及びカバーとの外方附近
    の対向壁面に設けたトルク伝達間隙部での油の有効接続
    面積を増減させて、駆動側の回転軸体側から被駆動側の
    密封器匣側へのトルク伝達を制御するようにしてなるフ
    ァン・カップリング装置において、前記仕切板(5)の
    外方附近の前面もしくは背面に帽状の突起壁(14)を設
    け、且つ該突起壁の側壁の一部に前記トルク伝達室
    (4)側への流出調整孔(5′)を有して、前記弁部材
    (8)の先端に設けたシール部により該流出調整孔部を
    開閉するように構成したことを特徴とする温度感応型流
    体式ファン・カップリング装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載において、前記突起壁(14)
    を、仕切板(5)と別体に成形して該仕切板上に固定し
    て構成したことを特徴とする温度感応型流体式ファン・
    カップリング装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載において、前記シール部の屈
    曲壁(8′)又はシール部材(8″)により構成したこ
    とを特徴とする温度感応型流体式ファン・カップリング
    装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載において、前記シール部材
    (8″)が弾性材からなることを特徴とする温度感応型
    流体式ファン・カップリング装置。
  5. 【請求項5】請求項1記載において、前記弁部材(8)
    の先端部附近に重錘体(15)を備えて構成したことを特
    徴とする温度感応型流体式ファン・カップリング装置。
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