JP2886763B2 - パイ食品 - Google Patents

パイ食品

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JP2886763B2 JP5195227A JP19522793A JP2886763B2 JP 2886763 B2 JP2886763 B2 JP 2886763B2 JP 5195227 A JP5195227 A JP 5195227A JP 19522793 A JP19522793 A JP 19522793A JP 2886763 B2 JP2886763 B2 JP 2886763B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のパイ生地に具材
を包み込んでなるパイ食品に関するものであり、更に詳
しくは、薄い生地をバターなどの油脂を介して積層させ
たパイ生地に、具材を包み込んだことを特徴とする保存
性を有するパイ食品に係るものであり、長期間冷凍保存
した後においても、具材の水分がパイ生地に移行するこ
となく、オーブンで焼成することにより、従来製品では
得ることが困難であったパイ特有のパリッパリッとした
良好な食感を確実に得ることが可能な高レベルの品質を
維持した新しいタイプのパイ食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、パイ生地のタイプとし
て、折り込み生地(折りパイ生地)と練り込み生地(練
りパイ生地)が知られている。このうち、前者は、圧延
した生地に油脂を塗布するなどした後、折り畳んで多層
状の生地層を形成し、これを適宜の形に切断して得られ
るパイ生地であり、また、後者は、生地原料の中にバタ
ーを切り込んで混ぜ合わせたものを圧延し、これを折り
畳んだ後、適宜の形に切断して得られるパイ生地であ
り、パイ食品の生地を作る場合においても、これらのパ
イ生地のいずれかが、その目的に応じて適宜使い分けら
れている。
【0003】ところで、従来、これらの折りパイ生地や
練りパイ生地を用いた冷凍パイが市販されているが、こ
れを食に供する状態にするには、一般に、冷凍パイに電
子レンジなどによる高周波加熱を施すと、生地から油脂
がしみ出し、また水分がパイ皮を湿らせてパイらしいサ
クサクさがなくなるため、ガスや電気を熱源として外部
から加熱するオーブンが使用されており、また、パイの
フィリング材も水分の比較的少ないものに限られてい
る。このため、一般家庭において、あるいは、喫茶店や
外食レストランなどにおいて、冷凍パイについては電子
レンジを使用することができず、迅速な調理、あるいは
顧客の注文に応じるクイックサービスには適さないと云
う問題点があり、また、焼成後すぐに食に供するような
シチューやクリーム煮のような高水分のフィリングを用
いることは技術的に難しく、いわゆる料理パイのような
高水分含有食品を具材としたパイ食品のメニューを揃え
ることは困難であった。
【0004】一方、近年、外部から加熱するオーブンや
高周波加熱オーブンで加熱することが可能な耐熱性の紙
板性容器などが開発され、冷凍ベーカリー製品や各種調
理冷凍食品に広く利用され、また、一部において冷凍パ
イにおいても利用され始めているが、この容器に冷凍食
品を入れて高周波加熱する場合、容器の底に近い部分や
側面に水分が溜まりやすい傾向があるので、例えば、こ
の容器に折りパイ生地を敷いて製造した冷凍パイ食品
は、高周波加熱により解凍する際に、パイ皮は、より湿
りやすく、また、生地からの油脂のしみ出しも防止でき
ず、良好な食感の状態で食に供することはきわめて困難
なものであった。
【0005】このように、従来より、オーブンなどで焼
成するだけで食に供することが可能な即席パイ製品は一
般的に知られているものであるが、前記のように、パイ
のフィリング材も水分の比較的少ないものに限られてお
り、しかも、従来製品の場合、パイ生地の保存性の問題
から、具材を包含させることは難しく、そのほとんどが
包装体内にパイ生地のみを収納したタイプのものであっ
た。従って、当該パイ生地を家庭などにおいて、あるい
は喫茶店やレストランなどにおいて調理するに当たって
は、予めフィリングを準備するという手間が必要となる
など即席パイ製品としては問題点の多いものであった。
【0006】このような状況の中で、かかる問題点を解
決するものとして、これまでに種々の改善が試みられて
おり、その代表的なものとしては、例えば、ドウフアツ
トとレヤーリングフアツトの合計に対するドウフアツト
の割合が2/3以上であるパイ生地を調製し、これを耐
熱性を有する紙板性容器の内側に敷き、フィリング材を
加えた後焼成及び冷凍することを特徴とするパイの製造
法(特公平3−65936号公報)、などが提案されて
いる。
【0007】当該製造法は、高い水分のフィリング材を
用いてもパイらしい良好な食感を有することが可能な製
品を製造する方法に係るものであって、本発明と同様の
課題を解決しようとする発明であるものの、あくまで前
記練りパイ生地と折りパイ生地を組合せ、折りパイ生地
の割合を低下させたパイ生地を使用した点に特徴を有す
るものであること、耐熱性を有する紙板性容器を使用す
ること、フィリング材を加えた後焼成すること、などの
点で、本発明のものと具体的な技術内容が全く異なるも
のである。
【0008】一方、流通時における品質の劣化が少なく
長期間の保存性を有すると共に、喫食的時には手間をか
けずに高品質のパイを得ることができ、また、手作りの
楽しさを得ることができる即席手作りパイを提供するも
のとして、例えば、2枚以上のパイ生地を収納した包装
体と調理したフィリングを収納した包装体を、それぞれ
一緒に包装体中に収納してなる即席手作りパイ(特開平
3−254629号公報)、などが提案されている。
【0009】当該即席手作りパイに係る発明は、パイ生
地とフィリングを別々に収納することにより、それぞれ
に適した処理が可能となり、パイ生地とフィリングの保
存性を向上させることができ、また、調理に際しては、
パイ生地でフィリングを挟んで焼成するだけで、簡単に
パイを得ることができるという知見、更に、パイ生地を
2枚以上収納することにより、フィリングの上部を覆う
パイ生地に切れ込みなどの装飾を施して、手作りの楽し
さを得ることができるという知見、に基づいて完成され
たものであり、パイ生地とフィリングを別々に収納する
点に特徴を有するものであり、かつ当該公報には、当該
パイ生地は、折りパイの製法により製造されるものであ
ることが具体的に記載されている。
【0010】一方、薄い生地シートに溶かしバターを塗
り、当該生シートに具材を包み込んだパイ料理、あるい
は、生地原料にバターを練り込んで作った生地シートに
具材を包み込んだパイ料理は、手作りの通常のパイ料理
として周知のものである。しかしながら、このような通
常のパイ生地(折りパイ生地、あるいは練りパイ生地)
で具材を包み込んだパイ食品の場合、保存中に具材の水
分がパイ生地に移行し、オーブン、あるいは電子レンジ
で焼成してもパイ特有のパリッパリッとした食感が得ら
れないという問題点があり、また、かかる問題点を解決
し得る有効な方法はこれまで開発されておらず、当業界
においてその解決が強く要請されている状況にあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このような状況を踏ま
え、本発明者らは、従来のパイ製品にみられる前記問題
点を根本的に解消し、具材を包み込んだパイ食品の場合
において、その保存中に具材の水分がパイ生地に移行す
ることなく、オーブンで焼成した際に、パイ特有のパリ
ッパリッとした食感を確実に得ることが可能な高レベル
の品質を維持した全く新しいパイ食品を開発することを
目標として鋭意研究を積み重ねた結果、薄い生地をバタ
ーを介して積層させたパイ生地を使用することにより所
期の目的を達成し得ることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0012】すなわち、本発明は、通常のパイ生地(折
りパイ生地、練りパイ生地)で作った具材を包み込んだ
パイ食品の場合にみられる前記のような従前の各種問題
点を根本的に解決した全く新しいタイプのパイ食品を提
供することを目的とするものである。
【0013】また、本発明は、長期間冷凍保存した後に
おいても、オーブンで焼成することにより、パイ特有の
パリッパリッとした食感を得ることが可能な高レベルの
品質を維持した新しいタイプの具材を包含したパイ食品
を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る本発明は、次の(1)〜(3)の技術的手段からなる
ものである。 (1)表面に油脂を塗布した厚さ0.1〜0.2mmの
パイ生地を2〜10枚積層したパイ生地に、具材を包み
込んでなることを特徴とするパイ食品。
【0015】(2)パイ生地全体の厚さが0.5〜2m
mである前記(1)記載のパイ食品。
【0016】(3)油脂が、溶融バター、マーガリンな
どの油脂であり、具材が、若鶏クリーム煮、海老チリソ
ースなどの高水分含有食品を含む食品である前記(1)
記載のパイ食品。
【0017】次に、本発明について、更に詳細に説明す
る。本発明のパイ食品は、表面に油脂を塗布した厚さ
0.1〜0.2mmのパイ生地を2〜10枚積層したパ
イ生地を使用し、当該パイ生地に具材を包み込んでなる
ものである。
【0018】当該パイ生地の原料としては、小麦粉(薄
力粉、中力粉、強力粉)に、水、油脂、食塩等の調味
料、乳化剤などを加えたものが好適なものとしてあげら
れるが、パイ生地の原料は、特に限定されるものではな
く、適宜のものが使用可能である。
【0019】当該パイ生地は、生地1枚の厚さが0.1
〜0.2mmに形成した生地を2〜10枚積層して形成
したものであり、生地1枚の厚さが、これよりも薄い場
合には破れ易いこと、また、これよりも厚い場合には食
感が固くなることから好ましくない。これらを2〜10
枚積層してなるパイ生地全体の厚さは、0.5〜2mm
が好適なものとしてあげられる。このように、0.1〜
0.2mmと云うきわめて薄い状態に形成した生地を、
更に油脂を介して積層することが重要であり、かかるパ
イ生地を使用してはじめて所期の目的を達成することが
可能となる。
【0020】次に、必要により、パイ生地の保存性を考
慮してアルコールを含有させると共に、その水分活性を
調整することが適宜可能である。アルコール含量として
は1〜4重量%が好適なものとして例示でき、また、水
分活性は0.95以下であることが望ましい。この場
合、パイ生地のアルコール含量が少なすぎると、保存性
が低くなり、反対にその量が多すぎると、アルコール臭
が強くなりすぎて風味的に好ましくない。また、パイ生
地の水分活性が0.95以上になると、パイ生地の十分
な保存性を保持することが困難になってくる。
【0021】前記のように、生地1枚の厚さを0.1〜
0.2mmに形成した生地の表面には、油脂を適宜の手
段で塗布して油脂の皮膜を形成する。この場合、塗布す
る油脂としては、溶融バター、マーガリン、ショートニ
ング、ラードなどが好適なものとしてあげられるが、特
にこれらに限定されるものではなく、これらと同効の油
脂であればその種類を問わず使用することが可能であ
る。また、生地の製造手段、油脂の塗布手段なども、特
に限定されるものではなく、通常の方法により厚さ0.
1〜0.2mmに圧延した生地に、通常の方法により油
脂を塗布し、次いで積層し、成形する方法が適宜採用さ
れる。
【0022】このようにして製造したパイ生地に、具材
を包み込むが、その方法についも、特に限定されるもの
ではなく、適宜の方法が使用される。この場合、具材と
しては、クリーム煮、海老チリソース、ミートソース、
リンゴのシロップ煮、パンプキンクリーム、カスタード
クリーム、アーモンドクリームなどが好適なものとして
あげられるが、これらに限定されるものではなく、適宜
のものを使用することが可能である。このような具材
を、通常の方法により適宜包み込むことにより、本発明
のパイ食品が得られる。なお、必要により、当該具材の
保存性を考慮して、水分活性、pH、アルコール含量な
どを調整したり、あるいは当該具材を必要により加圧加
熱殺菌、湯殺菌などの方法により適宜殺菌処理を施すこ
とも適宜可能である。この場合、前記水分活性としては
0.95以下、pHとしては5以下、アルコール含量と
しては2重量%以上であることが好ましい。
【0023】次に、本発明のパイ食品の製造法について
説明する。まず、小麦粉100重量部に対して水25〜
60重量部、好ましくは30〜50重量部を添加、混合
して生地を得る。水の量が少なすぎると、生地が硬くな
ってパイ生地に延ばし難くなる。反対に、水の量が多く
なりすぎると、粘着性が増大し、作業性の点で好ましく
ないばかりでなく、水分活性が高くなり、保存性という
点でも好ましくない。
【0024】小麦粉と水とを混合するに当たり、油脂、
糖類、食塩、アルコール、卵、クエン酸Na、乳酸Na
等の調味料などを添加混合してもよい。油脂は主にパイ
生地の延びに影響を与え、糖類は主に味、焼き色、パイ
生地の水分活性に影響を与え、食塩は風味に、そして、
アルコールは主にパイ生地の保存性に有効である。
【0025】油脂としては、バター、マーガリン、ショ
ートニングなどが例示でき、その添加量としては、小麦
粉に対し20重量%以下が好ましい。糖類としては、グ
ルコース、フラクトース、マルトース、マルチトール、
ソルビトール、水飴、異性化液糖などがあり、これらの
1種又は2種以上を使用ればよい。その使用量として
は、小麦粉に対し30重量%以下、好ましくは1〜10
重量%を例示することができる。食塩の使用量として
は、小麦粉に対し4重量%以下、好ましくは0.5〜
2.5重量%程度でよい。アルコールとしては、エチル
アルコール、ラム酒、ブランデー、リキュールなどがあ
り、その添加量としては、パイ生地に対し1〜4重量%
が好ましい。その他、パイ生地の水分活性を低下させる
物質、例えば、乳酸ナトリウム、グリセリン、塩化カリ
ウム、グリシンなどを適宜当添加混合してもよい。
【0026】前記原料を混合して得た生地を、必要によ
り、0〜15℃の雰囲気下で48時間以下、好ましくは
0.5〜2時間程度ねかせることも適宜採用される。こ
れによって、生地が冷えて適度に硬くなって粘着性が下
がり、作業性が向上する。
【0027】次に、前記生地を圧延処理もしくは展延処
理する。圧延生地の厚みは0.1〜0.2mmが好まし
い。圧延生地の厚みが0.1mm未満の場合及び0.2
mmを超える場合は、前記したとおり、好ましくない。
【0028】次いで、このように圧延した生地を更に積
層する工程を数回繰り返し、生地層を形成する。なお、
圧延生地を積層する際に、当該圧延生地に前記油脂を塗
布する処理を施して、生地層の間に油脂層を形成するこ
とが重要である。そして、前記生地層の数は最終的には
2〜10枚程度が好ましい。この場合、層の数が少なす
ぎると、パイらしい食感を得ることが困難になリ、ま
た、層の数が多くなりすぎた場合も、層が緻密になりす
ぎてパイらしい食感を得ることができなくなってくる。
【0029】前記のように積層して層を形成した生地
は、適宜の形状に切断してパイ生地を得る。このように
して得られたパイ生地は、冷凍又はチルドで保存するの
に適しており、かかる状態では3ヶ月以上保存すること
が期待できる。この場合、保存方法としては、冷凍の場
合は、−40℃で急速冷凍し、包装した後、冷凍保存
(−18℃)すること、また、チルドの場合は、AW、
水分量を調整し、冷蔵保存することが好適なものとして
例示される。
【0030】このようにして製造され、保存される本発
明のパイ食品は、前記冷凍保存後のパイ食品を解凍せず
に、そのまま、例えば、200℃程度のオーブンに入
れ、10〜15分間焼成することにより、ただちに高レ
ベルの品質を維持した形で食に供することが可能なパイ
食品が得られる。
【0031】
【実施例】以下に、本発明を実施例及び比較例に基づい
て具体的に説明する。 実施例 強力粉75重量部、薄力粉25重量部、食塩0.5重量
部、水52重量部を混練し、厚さ1〜2mmまで圧延し
た後、30分間ねかし、これを引き延ばして厚さ0.1
〜0.2mmとし、約180mm×120mmの大きさ
のシートに成型した。次に、このシート(100重量
部)を風乾した後、シート表面に溶融したバター30重
量部を塗布し、これを4枚重ね、シートの角を切り落と
して十字形に成型し、その中心部に若鶏のクリーム煮2
1重量部をのせ、これを包み込むように生地を折りたた
むことにより、具材を包み込んだパイ食品を得た。
【0032】比較例1 強力粉75重量部、薄力粉25重量部、食塩0.5重量
部、水52重量部を混練した後、バター100重量部を
折込み、3つ折りを4回くりかえし、圧延し厚さ1mm
程度の折りパイ生地を得た。これを実施例と同様の十字
形に成型し、その中心部に若鶏のクリーム煮21重量部
をのせ、これを包み込むように生地を折りたたむことに
より、具材を包み込んだパイ食品を得た。
【0033】比較例2 強力粉50重量部、薄力粉50重量部、食塩0.5重量
部、水53重量部、バター70重量部を混練し、3つ折
りを3回くりかえし、圧延し厚さ1mm程度の折りパイ
生地を得た。これを実施例と同様の十字形に成型し、そ
の中心部に若鶏のクリーム煮21重量部をのせ、これを
包み込むように生地を折りたたむことにより、具材を包
み込んだパイ食品を得た。
【0034】官能評価 実施例、比較例1〜2により得られたパイ食品を−40
℃で60分間冷却した後、包装し、冷凍庫(−18℃)
で2ヶ月間保存した。保存後のパイ食品を解凍せずに2
00℃のオーブンに入れ、12分間焼成して得られたパ
イ料理の食感について、20人のパネルによる5点評価
法、すなわち5点満点(5…大変良い、4…良い、3…
普通、2…悪い、1…とても悪い)により、常法に従っ
て官能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1の結果から明らかなように、本発明の
パイ食品は、長期冷凍保存した後も、オーブンで焼成す
ることにより、パイ特有のパリッパリッとした食感が良
好に維持されていることが確認された。これに対して、
比較例1〜2として示した従来製品(折りパイ生地を使
用した製品)は、パリッとした食感が弱いか、あるいは
全くないものであり、かつ全体がウェットなものであ
り、パイ特有の食感はほとんど感じられないものであっ
た。これとは別に、練りパイ生地を使用した製品につい
ても、同様に官能評価により比較したところ、同様の結
果が得られた。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明によると、
薄い生地をバターを介して積層させたパイ生地を使用す
ることにより、流通時において、高水分含有食品を具材
として使用した場合においても、具材の水分がパイ生地
へ移行することがなく、その結果、具材の水分減少を防
止することができると共に、比較的長期間の保存に耐え
る製品を得ることがことができる。また、パイ生地と具
材のそれぞれの品質の経時的な劣化を防止することがで
き、焼成後の焼き色、風味、食感においては、手作りの
楽しさを得ることができると共に、具材を準備するなど
の手間を掛けることなく、オーブンなどで焼成するだけ
で容易に具材を包含した高レベルの品質のパイ食品を作
ることができる。このような効果は、従来の折りパイ生
地、練りパイ生地を使用した製品の場合には得られない
ものであり、官能評価により、本発明のパイ食品に特有
の効果であることが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A21D 2/00 - 17/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に油脂を塗布した厚さ0.1〜0.
    2mmのパイ生地を2〜10枚積層したパイ生地に、具
    材を包み込んでなることを特徴とするパイ食品。
  2. 【請求項2】 パイ生地全体の厚さが0.5〜2mmで
    ある請求項1記載のパイ食品。
  3. 【請求項3】 油脂が、溶融バター、マーガリンなどの
    油脂であり、具材が、若鶏クリーム煮、海老チリソース
    などの高水分含有食品を含む食品である請求項1記載の
    パイ食品。
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