JP2882731B2 - のこ刃 - Google Patents

のこ刃

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JP2882731B2 JP18804793A JP18804793A JP2882731B2 JP 2882731 B2 JP2882731 B2 JP 2882731B2 JP 18804793 A JP18804793 A JP 18804793A JP 18804793 A JP18804793 A JP 18804793A JP 2882731 B2 JP2882731 B2 JP 2882731B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はのこ刃、特に金属物をの
こ切り引きするのこ刃に関する。
【０００２】
【従来の技術】金属用のこ刃は炭化タングステンや高速
度鋼等の硬質、耐摩耗性材料の歯を具備して製作され
る。しかし、硬度は通常脆性を伴うものであり、金属の
こ刃は、従来ののこ刃形状において高度の応力をうける
歯の角部で破損、即ち欠け落ちが 生じることにより駄目
になることが多い。例えば、金属用丸のこ、帯鋸（バン
ドのこ）、弓のこ（ｈａｃｋ）等ののこ切り機械ののこ
刃は最良の摩耗抵抗を得るために炭化物の歯を具備する
ように、いづれも製作され、この歯は例えばＵＳＰ４，
７８４，０３３に見られるように半田付けされる。炭化
物の歯はのこの鋼鉄部分より幾分幅広であり、完全に研
磨された切刃を有している。この方法は優れた耐久性の
あるのこを製造するが、数多くの製造工程と大きな（肉
厚の）炭化物個片群を必要とするので幾分コスト高にな
る。
【０００３】これまで、金属用のこ刃（ブレード）とし
て、その歯が刃の残分と同じ肉厚を有するものが提案さ
れている。それによれば、少くとも幾本かの歯が右或い
は左に配置されて、刃の肉厚より幅広の引き目で以って
のこ切り、従って摩擦を最少に抑え、且つ切粉（チッ
プ）と冷却媒体が通れるようにしてある。このような刃
はばね鋼の広幅ストリップから作り、その縁に高速度鋼
の狭幅ストリップを溶接する。次に研磨、フライス或い
は打抜きの加工により、狭幅ストリップの縁に歯を形成
し、歯の少くとも先端（チップ）が高速度鋼を含むよう
にする。歯は各々の内側縁部になるべき個所を叩く機械
的ハンマーやプランジャの作動により右と左に傾くよう
に設定する。
【０００４】のこ刃厚に等しい肉厚の耐摩耗性歯を提供
する別の方法では、ＵＳＰ３，１０４，５６２に記述の
ように歯に炭化物の小球を溶接し、その後に歯の隣接す
るスチール部分と同一平面上の歯の頂端、側縁及び面を
研磨し、次いで上述のように歯を左、右に設定する。炭
化物並びにスチールに適した研磨パラメータの選択が難
しいために、縁部と角部の強度は、刃体よりも幅広に溶
接した或いはろう付けした歯のような場合の研磨が炭化
物のみに関与している状態の縁部に較べて小さい。コー
ナは前述のように左右に設定することにより、特に炭化
物チップ（ｔｉｐ）が刃体より幅広に作られていると
き、更に弱められる。
【０００５】のこ切り操作中に生じる歯の角部の応力
は、縁部がのこ切られる工作物にその角部の１側におい
てのみ接触するならば、或いはその角部の角度が鈍角で
あるならば、適度のものである。縁部が工作物に、角部
の両側において接触するならば、切粉の交差流が角部に
大きく変動する応力を発生させる。特に角度が鋭角の場
合に、顕著である。最悪のケースは、工作物に角部がそ
の１側において常時接触し、他側においては断続的に接
触する場合に生じる。
【０００６】例えば、図３に断面が示されている１つの
型の従来のこ刃においては、左右に傾斜加工する前の歯
の高さは等しい。この傾斜設定加工で歯が傾くので、歯
の全ての角部は工作物を切削出来るように露出される。
図において、設定済みの歯１１，１２の内側角部１７
は、傾斜歯設定工具の衝撃によって既に弱められている
が、これらの弱化角部は縁部が工作物にこの角部の両側
において接触するので、高度の応力を受け、従って設定
済みの傾斜歯は使用時に容易に損傷を受ける。外側角部
１８は使用時に受ける応力が相対的に小さく、しかも設
定加工によっては弱められない。左右いづれにも傾いて
いない真直歯１４の角部１６に隣接した縁の垂直部或い
は側部は工作物に断続的に接触し、大きな応力と損傷の
危険の発生原因となる。
【０００７】ＵＳＰ１０５，２６１に開示されているよ
うな、従来例のもう１つ別ののこ刃は、図４にその断面
が示されているが、これは左右に設定済みの歯１１１，
１１２より高い真直歯１１５を有している。こののこ刃
にあっては、設定済みの傾斜歯の内側角部が切削のため
に露出されず、損傷の危険はないが、真直歯の角部１１
９は特に切削に際し高度の応力を受ける。真直歯の僅か
な損傷であっても、それがのこ刃が本来有している直線
度が非常に高く且つ円滑に切削する優れた切削能力を害
する。このような刃の設計が溶接歯式の刃に適用された
ときには、ブレードフラット（ｂｌａｄｅ ｆｌａｔ）
の両側を研磨して溶接過剰材料を除去する加工を行う
と、チップ（先端）が刃（ブレード）の残部より僅かに
狭くなったやゝ先細りのテーパ刃を生み出すという事態
が一般的に発生する。このテーパ状態は真直歯に極端な
応力を発生させ、大きな切削力と送り力を要求すること
になる。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】従来採用されている歯
を左右に傾斜設定することにより、縁部に脆性材料を採
用することにより、或いは縁部の材料を固定する方法に
依存して、歯の角部の強度自体が低下していても、真直
な引き目になるようにのこ切ることが出来る耐久性の向
上したのこ刃（ソーブレード）を実現することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】切り出し部（ｇｕｌｌｅ
ｔｓ）によって分離された複数の切削歯を担持した刃本
体を含んでいるのこ刃において、歯の少くとも先端を本
体より硬質の材料で形成し、この先端を本体に溶接す
る。これらの歯の内、あるものは右に傾くように設定
し、あるものは左に傾くように設定し、そして残余のも
のは左右いづれにも傾かせずに真直に維持させる。先端
の肉厚は本体よりも薄くし、真直歯は傾斜歯より高く延
在させ、各真直歯の側縁部分をかど取りする。各傾斜歯
が有する頂端横断縁部の外側角部がその内側角部よりも
切り出し部の高さに近付いているようにこの横断縁部を
外方へ傾斜させる。また、真直歯の各かど取り部分（チ
アンファ部分）は隣接する切り出し部から離れた位置に
一端を有し、他端をこの切り出し部の近くに有してい
る。この他端は、歯を切削方向に平行な方向に見たとき
に左傾斜歯と右傾斜歯の一方の歯の境界内（輪郭内）に
位置している。
【００１０】
【作用】真直歯の頂端横断縁部がその両端でかど取りさ
れ、そして左右の傾斜歯より上方に突出しているので、
真直な引き目を保証する。更に真直歯のかど取り部が傾
斜歯によって部分的に切削力から遮蔽され、且つ傾斜歯
の頂端横断縁部が真直歯によって部分的に切削力から遮
蔽されるので、各種の歯の摩耗が低減する。
【００１１】
【実施例】図１と図２に示す本発明ののこ刃（ブレー
ド）は、真直歯２１３と傾斜歯（設定歯）２１１，２１
２の組合せに特徴がある。各傾斜歯２１１，２１２は、
頂端横断縁部の外側角部２１８或いは２１６がその内側
角部２１７よりも切り出し部２２５の高さＬに近くなる
ように外方へ傾斜した、頂端横断縁部（歯の頂点におけ
るのこ刃の肉厚方向、即ち刃を横断する方向の端縁）を
有している。真直歯２１３は大きなかど取り部（チアン
ファ）２２１を有し、傾斜歯２１１，２１２はかど取り
なしに横向きに傾斜した縁部（図２）或いは非常に小さ
いかど取り部２２３を有している。
【００１２】上記の切刃（切削エッジ）を含む歯の少く
とも先端部は、のこ本体１０より硬質の材料で形成さ
れ、本体に溶接されているストリップ（例えばステンレ
ススチールのストリップ）に接合させたものとすること
ができ、また本体に溶接された硬質の耐摩耗性材料（例
えば炭化タングステン）の個片群を含むものとして構成
することができる。切削歯２１１，２１２，２１３は本
体の肉厚Ｔより小さな肉厚を有している。図２の実施例
では、各切削歯の肉厚は本体の肉厚と同じである。望む
ならば、真直歯２１３の側面を本体１０より薄い肉厚に
なるように研磨する。
【００１３】真直歯２１３は傾斜歯２１１，２１２より
高く（共通の切り出し部水準Ｌからの高さ）なってお
り、従って傾斜歯の内側角部２１７を切削力から解放す
る。各かど取り部は切り出し部２２５の方へ延長して傾
斜歯の頂端横断縁部を越えて延びている。例えば、図２
に示す真直歯２１３の左側かど取り部は傾斜歯２１１の
頂端横断縁部を越えてその下まで達している。従って、
切り出し部２２５の近傍に位置する各かど取り部の一端
（即ち、鈍角角部２２０を構成しているところの切り出
し部から相対的に遠方に位置する縁部に対立する他方の
縁部）は角部２２２を構成し、歯を切削方向に平行な方
向に見たとき、傾斜歯の境界内、即ち輪郭範囲内に位置
している（図２参照）。この構成のために、角部２２２
は切削作業中に傾斜歯によって遮蔽されて、如何る切削
力からも解放され、真直歯がＵＳＰ４，７８４，０３３
に開示のような公知の「トリプルチップ（ｔｒｉｐｌｅ
ｃｈｉｐ）」の歯構成体において生じるような、「と
い」形断面を有するチップを切り出すことが出来る。か
ど取り部が横断縁部に接合する頂端角部２２０が鈍角を
なし、真直歯の両側に完全に研磨された縁部を有し、そ
れによりこの角部における摩耗と損傷が最少限に抑制さ
れる。各かど取り部に後続する面部は歯の後方へやゝ傾
斜して、ゼロ度より大なる逃げ角を構成するのが好まし
い。
【００１４】真直歯の側面２２７が工作物に接触しない
ので、小さなテーパ状にするのであれば切削を阻害せ
ず、即ちくさび作用を生み出さない。一般に必要ではな
いが、傾斜歯の外側角部２１８の摩耗抵抗は、本発明の
別の実施例を示す図５に明示するように、この角部に小
さなかど取り部２２３を研磨により形成することにより
向上する。これは一層なめらかで良好なのこ切り面を生
み出す。
【００１５】のこ刃の歯形縁部に沿った歯群の構成は、
複数の繰返されるグループを含み、各グループが少くと
も１つの真直歯、少くとも１つの右傾斜歯及び少くとも
１つの左傾斜歯を含み、各グループにおける歯の順番と
歯間隔は後続のグループにおいて同様に繰返される、即
ち同じである。
【００１６】
【発明の効果】真直で切削面がなめらかな引き目で以っ
て金属工作物をのこ切ることが出来る耐久性のあるのこ
刃が得られた。真直歯のかど取り部分の切出し部に近い
方に位置する端部が、切削刃の切削方向に平行に見て傾
斜歯の歯の輪郭の範囲内にあるため、真直歯の非常にも
ろい先端が傾斜歯により保護され、かけ落ちるようなこ
とがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係わるのこ刃の部分側面図である。
【図２】図１の線２−２における切断面図である。
【図３】従来ののこ刃の図２に類似な切断面図である。
【図４】従来の別ののこ刃の図２に類似な切断面図であ
る。
【図５】本発明の別の例を示すのこ刃の図２に類似な切
断面図である。
【符号の説明】
１０…のこ刃本体 １１，２１１…左傾斜歯 １２，２１２…右傾斜歯 １１５，２１３…真直歯 ２２０…真直歯の頂端横断縁部の両角部 ２１６，２１８…左、右の傾斜歯の頂端横断縁部の外側
角部 ２１７…左、右の傾斜歯の頂端横断縁部の内側角部 ２２５…切り出し部 Ｌ…切り出し部の高さ ２２１，２２３…かど取り部（チアンファ） Ｔ…のこ刃本体の肉厚
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B23D 61/00,61/02,61/12 B27B 33/02 - 33/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ３つの型の複数の組の切削刃を担持する
    本体を具備し、前記切削刃が切り出し部により分離さ
    れ、前記切削刃の少なくとも先端が前記本体よりも硬い
    炭化物材料で形成されかつ前記本体に溶接され、前記歯
    が右傾斜歯と左傾斜歯と真直歯とからなり、各炭化物の
    先端の厚さが前記本体の厚さより大きくなく、前記真直
    歯が同一の形状と同一の高さであり前記傾斜歯より高く
    延出し、各真直歯がかど取りされた側縁部分を含み、前
    記傾斜歯の各々が頂端横断縁部を有し、該横断縁部の外
    側角部が前記切り出し部の高さに対し該頂端横断縁の内
    側角部よりも近くに位置するように該横断縁部が外側に
    傾斜し、前記各真直歯のかど取りされた部分が隣接する
    切り出し部から遠くに位置する一端と該切り出し部の近
    くに位置する他端とを含み、該他端が前記切削刃を切削
    方向に平行な方向に見たとき右傾斜歯と左傾斜歯のうち
    の一方の歯の輪郭の範囲内に位置し、各真直歯が傾斜歯
    によって次の真直歯から離間されている、ことを特徴と
    する金属を切断するためののこ刃。
  2. 【請求項２】 各傾斜歯が前記真直歯の前記かど取り部
    よりも小さいかど取り部を有する外側縁部分を含んでい
    る請求項１に記載ののこ刃。
  3. 【請求項３】 前記真直歯が前記本体より厚さが小さく
    なるよう研磨されている請求項１に記載ののこ刃。
  4. 【請求項４】 前記のこ刃が帯鋸として用いられるよう
    狭い帯の形状となっている請求項１に記載ののこ刃。
JP18804793A 1992-07-30 1993-07-29 のこ刃 Expired - Lifetime JP2882731B2 (ja)

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US921947 1992-07-30
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JPH06155158A JPH06155158A (ja) 1994-06-03
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