JP2877810B2 - 給排紙装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、プリンタ、複写機などの出力機器において
用紙を供給するとともに排出する給排紙装置に係り、特
に腰の強い厚紙の供給、排出に好適な給排紙装置に関す
る。 〔従来の技術〕 一般に、自動給排紙装置を搭載したプリンタや給紙カ
セットを装着した複写機などにおいては、自動給排紙装
置の給紙トレイや給紙カセット内に重積収納されている
用紙を１枚ずつ繰り出す給紙ローラと、この給紙ローラ
により繰り出された用紙をガイドローラとともに挟持し
て印字部に供給する搬送ローラと、印字済みの用紙を排
紙トレイ内に導入する搬送ローラとを備えた給排紙装置
が設けられている。 このような給排紙装置においては、従来、給紙ローラ
と搬送ローラのいずれか一方を選択的に駆動するか、あ
るいは搬送ローラによる用紙搬送速度を給紙ローラによ
る用紙搬送速度以上となるようにして給紙ローラおよび
搬送ローラを同期的に駆動していた。また、従来、給紙
ローラと排紙ローラとは独立して駆動可能となってい
た。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、前述したように給紙ローラと搬送ロー
ラとを選択的に駆動するのでは、葉書のように厚く腰の
強い用紙が反っている場合に用紙の先端を搬送ローラお
よびガイドローラ間に導入できず紙詰りするそれがある
し、また、搬送ローラによる用紙搬送速度を給紙ローラ
による用紙搬送速度以上とした場合には、給紙ローラに
より用紙が斜めに供給されると印字部にそのままの状態
で到達してしまい、印字が斜めに行なわれてしまうとい
う問題点があった。 一方、前述したように給紙ローラと排紙ローラとが独
立して駆動可能になっていると、排紙ローラの駆動中に
給紙ローラが駆動してしまい、余分の用紙が印字部に搬
送されてしまうおそれがあった。 本発明は、前述した従来のものにおける問題点を解決
し、反っている用紙でも確実に搬送ローラおよびガイド
ローラ間に導入することができ、しかも給紙ローラによ
り用紙が斜めに供給されても搬送ローラおよびガイドロ
ーラ間に挟持される際には用紙の姿勢が正規の向きに矯
正されるようにするとともに、余分の用紙の印字部への
導入を確実に防止することができる給排紙装置を提供す
ることを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 前述した問題点を解決するため本発明は、給紙トレイ
内の用紙を繰り出す給紙ローラと、給紙ローラにより繰
り出された用紙をガイドローラとともに挟持して印字部
に供給する搬送ローラと、印字済みの用紙を排紙トレイ
内に導入する排紙ローラとを有する給排紙装置におい
て、前記給紙ローラと排紙ローラとを駆動する第１のモ
ータであって、その回転方向を選択することにより前記
給紙ローラと前記排紙ローラのいずれか一方のローラの
みにその回転を選択的に伝達する第１のモータと、前記
搬送ローラを駆動する第２のモータと、前記搬送ローラ
を駆動する第２のモータと、前記排紙ローラと間隔を有
して対向し用紙を前記排紙トレイに導くためのガイド板
とを備え、前記給紙ローラおよび搬送ローラを同期的に
回転駆動するとともに、給紙ローラによる用紙搬送速度
を搬送ローラによる用紙搬送速度より速くし、前記搬送
ローラとガイドローラの間から用紙の後端が外れたら、
前記第２のモータの回転を停止するとともに、前記第１
のモータを逆方向に回転させて印字済みの用紙を前記排
紙トレイ内に導入するように構成したことを特徴として
いる。 〔作 用〕 前述した構成の本発明によれば、搬送ローラが給紙ロ
ーラと同期的に駆動されるので、反っており先端が搬送
ローラまたはガイドローラに当接している用紙は搬送ロ
ーラおよびガイドローラの回転により搬送ローラおよび
ガイドローラ間に導入される。また、給紙ローラにより
用紙が斜めに供給されても用紙の先端が搬送ローラおよ
びガイドローラ間に到達した際に給紙ローラおよび搬送
ローラの搬送速度差により正規の向きに矯正される。ま
た、給紙ローラと排紙ローラとのいずれか一方のローラ
のみが選択的に回転されるので、排紙ローラにより印字
部から用紙を排出中に給紙ローラが駆動されることがな
く、したがって、余分の用紙の印字部への導入を未然に
防止することができる。 〔実施例〕 以下、本発明を図面に示す実施例により説明する。 第２図は出力機器の一例としてのプリンタ１に自動給
排紙装置２を搭載した状態を示すものであり、前記プリ
ンタ１はプラテン３を備えており、このプラテン３の長
手方向に沿ってキャリッジ４が移動可能に配設されてい
る。このキャリッジ４には前記プラテン３に対向する印
字ヘッド５が搭載されており、キャリッジ４を傾動させ
て印字ヘッド５をプラテン３に圧接するようにしてこの
プラテン３および印字ヘッド５間の印字部６に位置する
用紙Ｓに印字を行なうようになっている。前記プリンタ
１には、第１図に示すように、前記印字部６へ用紙Ｓを
供給するための大径でゴム製の搬送ローラ７が前記プラ
テン３の背部に配設されており、この搬送ローラ７は、
プリンタ本体８内に配設されており、第２のモータを構
成する図示しないモータにより回転駆動されるようにな
っている。また、前記搬送ローラ７には、２個のガイド
ローラ9,9が当接しており、これらの搬送ローラ７およ
び各ガイドローラ９間に用紙Ｓを挟持して搬送するよう
になっている。さらに、これらの搬送ローラ７およびガ
イドローラ９間に用紙Ｓを導入するためのガイド板10が
ガイドローラ９の端部に傾斜状に突設されている。さら
にまた、前記印字部６において印字ヘッド５により印字
された用紙Ｓは、この印字部６の直上に導出されるよう
になっている。 前記プリンタ１のプリンタ本体８上に着脱可能に搭載
される自動給排紙装置２の給排紙装置本体11には傾斜板
部12が形成されており、この傾斜板部12の上端部には、
水平方向に延在する支軸13が配設されている。この支軸
13には、傾斜板部12上に載置される給紙トレイ14が回動
自在に枢着されている。 前記給排紙装置本体11には、給紙トレイ14の下端部と
間隔を隔てて給紙ローラ15が回転自在に支持されてお
り、この給紙ローラ15は、自動給排紙装置２をプリンタ
１に搭載した状態において前記プリンタ本体８のガイド
板10の延長線がほぼ接線をなす位置に配設されている。
この給紙ローラ15は反時計方向に回転して給紙トレイ14
内の用紙Ｓをプリンタ１の搬送ローラ７およびガイドロ
ーラ９間に供給するようになっている。一方、前記傾斜
板部12および給紙トレイ14間には、給紙トレイ14に第１
図において反時計方向への回動習性を与えるコイルばね
16が介装されており、このコイルばね16により給紙トレ
イ14の下端部は給紙ローラ15に圧接し得るようになって
いる。また、前記給紙トレイ14の近傍の給排紙装置本体
11上には、給紙トレイ14内に収納されている用紙Ｓの端
面を支持する基台17が立設されており、この基台17に
は、前記給紙トレイ14とほぼ直交する方向の支持面18が
形成されている。 前記給紙ローラ15の隣接位置の給排紙装置本体11に
は、印字済の用紙Ｓを収納する排紙トレイ19が形成され
ている。この排紙トレイ19は、傾斜状の背板20と同じく
傾斜状の底板21とにより断面ほぼＬ字状に形成されてお
り、この排紙トレイ19内に用紙Ｓを導入するための排紙
ローラ22が排紙トレイ19の斜け下方の給排紙装置本体11
に回転自在に支持されている。この排紙ローラ22は、プ
リンタ１の印字部６の上方に突出した印字済の用紙Ｓを
反時計方向に回転して排紙トレイ19内に導入するように
なっており、この外周面23は摩擦力を得るため凹凸状に
形成されている。さらに、この排紙ローラ22の外周位置
には、用紙Ｓを排紙トレイ19内に導くための円弧状のガ
イド板24が排紙ローラ22と間隔を有して対向するように
配設されている。なお、排紙トレイ19の上端部には、ス
トッパの役割を果すスタッカ25が取付けられている。そ
して、前記給紙ローラ15および排紙ローラ22は、自動給
排紙装置２に設けられており、第１のモータを構成する
ステッピンクモータ（図示せず）により選択的に回転駆
動されるようになっている。また、前記給紙ローラ15に
よる用紙Ｓの搬送速度（周速）は、前記搬送ローラ７に
よる用紙Ｓの搬送速度（周速）より速くされている。 なお、前記給排紙装置本体11の下端には左右に間隔を
隔てて１対のアーム26,26が傾斜状に垂設され、各アー
ム26の先端はフォークエンド27とされており、このフォ
ークエンド27がプリンタ本体８の支持軸28に嵌合して自
動給排紙装置２がプリンタ１に搭載されることとなる。 つぎに、前述した実施例の作用について説明する。 第２図に示すようにプリンタ１に自動給排紙装置２を
搭載して印字を行なうには、まず自動給排紙装置２の給
紙トレイ14に所定のサイズの複数枚の用紙Ｓを重積す
る。そして、プリンタ１の印字ボタン（図示せず）を押
すと、自動給排紙装置２の図示しないステッピングモー
タの駆動により給紙ローラ15が第１図において反時計方
向に回転されるとともに、プリンタ本体８内の図示しな
いモータの駆動により搬送ローラ７が給紙ローラ15より
遅い搬送速度で第１図において反時計方向に回転され
る。そして、給紙ローラ15の回転駆動によりコイルばね
16の作用により給紙ローラ15に圧接している用紙Ｓが給
紙トレイ14から送出され、プリンタ１のガイド板10に沿
ってプリンタ本体８内に導入されて搬送ローラ７および
ガイドローラ９間に供給される。このとき用紙Ｓが反っ
ていてその先端が搬送ローラ７およびガイドローラ９間
に導入されず搬送ローラ７またはガイドローラ９の周面
に当接したとしても搬送ローラ７およびガイドローラ９
の回転により搬送ローラ７およびガイドローラ９間に導
入されることになる。また、給紙ローラ15により用紙Ｓ
が斜めに供給されても、給紙ローラ15による用紙Ｓの搬
送速度が搬送ローラ７による用紙Ｓの搬送速度より速い
ので、用紙Ｓの先端が搬送ローラ７およびガイドローラ
９間に到達した時に用紙Ｓが後ろから押されるようにし
て正規の向きに矯正される。 その後搬送ローラにより用紙Ｓの所定位置が印字部６
に対向するまで用紙Ｓを搬送する。そして、用紙Ｓが所
定位置において停止したらキャリッジ４が走行して印字
ヘッド５により用紙Ｓ上にシリアル印字を行なう。そし
て、再度搬送ローラ７が回転駆動されて用紙Ｓを１行分
紙送りしたらこの紙送りの間に元の位置に復帰していた
キャリッジ４が再度走行して印字ヘッド５により用紙Ｓ
上に再度シリアル印字を行なう。このようにして印字ヘ
ッド５による印字と搬送ローラ７による用紙Ｓの搬送を
交互に行なっていくうちに用紙Ｓの先端は次第にプリン
タ１の印字部６上に突出して自動給排紙装置２のガイド
板24に沿って排紙トレイ19の方に搬送される。そして、
印字が終了して用紙Ｓの後端が搬送ローラ７およびガイ
ドローラ９間から外れたら、搬送ローラ７を駆動するモ
ータが停止されるとともに、自動給排紙装置２のステッ
ピングモータ（図示せず）が逆方向に回転し、排紙ロー
ラ22が第１図において反時計方向に回転され、印字済の
用紙Ｓを排紙トレイ19内に導入する。 このように本実施例によれば、搬送ローラ７による用
紙Ｓの搬送速度より給紙ローラ15による用紙Ｓの搬送速
度を速くしてこれらの搬送ローラ７および給紙ローラ15
を同期的に回転駆動するので、反っている用紙Ｓでも確
実に搬送ローラ７およびガイドローラ９間に導入できる
し、また、斜めに供給された用紙Ｓを正規の向きに矯正
することができる。さらに、ステッピングモータ26が独
立しているのでその制御を簡単に行なうことができる
し、給紙ローラ15、排紙ローラ22はいずれか一方が選択
的に回転されるので、余分な用紙Ｓがプリンタ本体８内
に導入されるおそれがある。 なお、本発明は、前述した実施例に限定されるもので
はなく、必要に応じて種々の変更が可能である。 〔発明の効果〕 以上説明したように本発明によれば、反っている用紙
でも確実に搬送ローラおよびガイドローラ間に導入する
ことができ、しかも給紙ローラにより用紙が斜めに供給
されても搬送ローラおよびガイドローラ間に挟持される
際には用紙の姿勢を正規の向きに矯正することができる
し、余分な用紙が印字部に導入されるおそれもないし、
また、同一のモータの回転方向の選択により給紙ローラ
と排紙ローラのどちらを駆動するかの選択ができるし、
給紙ローラおよび排紙ローラの駆動モータと搬送ローラ
の駆動モータとが別個であるから制御を簡単に行なうこ
とができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明に係る給排紙装置の実施例を示す縦断面
側面図、第２図は第１図の概略斜視図である。 １……プリンタ、２……自動給排紙装置、３……プラテ
ン、４……キャリッジ、５……印字ヘッド、７……搬送
ローラ、８……プリンタ本体、11……給排紙装置本体、
14……給紙トレイ、15……給紙ローラ、16……コイルば
ね、19……排紙トレイ、22……排紙ローラ。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．給紙トレイ内の用紙を繰り出す給紙ローラと、給紙
   ローラにより繰り出された用紙をガイドローラとともに
   挟持して印字部に供給する搬送ローラと、印字済みの用
   紙を排紙トレイ内に導入する排紙ローラとを有する給排
   紙装置において、前記給紙ローラと排紙ローラとを駆動
   する第１のモータであって、その回転方向を選択するこ
   とにより前記給紙ローラと前記排紙ローラのいずれか一
   方のローラのみにその回転を選択的に伝達する第１のモ
   ータと、前記搬送ローラを駆動する第２のモータと、前
   記排紙ローラの間隔を有して対向し用紙を前記排紙トレ
   イに導くためのガイド板とを備え、前記給紙ローラおよ
   び搬送ローラを同期的に回転駆動するとともに、給紙ロ
   ーラによる用紙搬送速度を搬送ローラによる用紙搬送速
   度より速くし、前記搬送ローラとガイドローラの間から
   用紙の後端が外れたら、前記第２のモータの回転を停止
   するとともに、前記第１のモータを逆方向に回転させて
   印字済みの用紙を前記排紙トレイ内に導入するように構
   成したことを特徴とする給排紙装置。