JP2876690B2 - 電磁波遮蔽用樹脂組成物 - Google Patents

電磁波遮蔽用樹脂組成物

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JP2876690B2 JP2062131A JP6213190A JP2876690B2 JP 2876690 B2 JP2876690 B2 JP 2876690B2 JP 2062131 A JP2062131 A JP 2062131A JP 6213190 A JP6213190 A JP 6213190A JP 2876690 B2 JP2876690 B2 JP 2876690B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐衝撃性、成形加工性、耐薬品性、塗装
性、成形品の表面外観、耐熱性に優れた電磁波遮蔽用樹
脂組成物、ならびに耐衝撃性、成形加工性、耐熱性かつ
難燃性に優れた難燃性電磁波遮蔽用樹脂組成物に関す
る。
[従来の技術] 近年、電子機器、OA事務機器、家電機器などのハウジ
ング分野では製品の合成樹脂化が進行している。しかし
ながら、合成樹脂は電子機器などから放出される電磁波
を透過するために、ノイズの発生、素子などの誤動作な
ど電磁波障害が発生してくる。
この電磁波障害を防止する方法として、材料である樹
脂中に導電性繊維などを配合することにより、導電性を
備えた樹脂組成物を形成し、この導電性樹脂組成物でハ
ウジングを作ることが知られている。
[本発明が解決しようとする課題] これらの導電性樹脂組成物の用途は、大型成形品ある
いは複雑な形状の成形品などの成形材料として用いられ
ることが多く、そのためには優れた成形加工性、耐衝撃
性、耐薬品性、塗装性、成形品の表面外観、耐熱性を有
することが必要である。
そこで、耐衝撃性の優れた電磁波遮蔽用樹脂組成物を
得るために、ゴム強化熱可塑性樹脂に導電性充填剤など
を配合した樹脂組成物が知られている。しかし、導電性
充填剤が金属の粉体あるいは繊維であることから、成形
加工性、耐衝撃性に満足するものが得られない。
本発明は、ゴム強化樹脂と導電性充填剤からなる組成
物において、成形加工性および耐衝撃性が低下するとい
う欠点を改良し、成形加工性と耐衝撃性の物性バランス
に優れ、かつ耐薬品性、塗装性、成形品の表面外観、耐
熱性の優れた電磁波遮蔽用樹脂組成物ならびに、さらに
難燃性を有する難燃性電磁波遮蔽用樹脂組成物を目的と
する。
[課題を解決するための手段] すなわち本発明は、 (1)下記の(A)/(B)/(C)/(D)=10〜98
/0〜70/1〜80/1〜70重量%からなる熱可塑性樹脂(I)
100重量部に対し、導電性充填剤(II)1〜20重量部を
含有することを特徴とする電磁波遮蔽用樹脂組成物。
(A)ゴム状重合体(a)5〜70重量部の存在下、芳
香族ビニル化合物/その他の単量体=10〜100/0〜90重
量%からなる単量体化合物(b)30〜95重量部(a+b
=100重量部)を重合して得られるゴム強化樹脂。
(B)芳香族ビニル化合物/その他の単量体=10〜10
0/0〜90重量%を重合して得られる重合体。
(C)ポリカーボネート (D)熱可塑性ポリエステル (2)請求項(1)記載の(I)/請求項(1)記載の
(II)/難燃剤/アンチモン化合物=100/1〜20/1〜20/
1〜10重量部を含有することを特徴とする難燃性電磁波
遮蔽用樹脂組成物。
(3)下記の(A)/(B)/(C)/(D)=10〜98
/0〜70/1〜80/1〜70重量%からなり、かつ(A)および
/または(B)中のハロゲン化スチレン含有量が5〜50
重量%である熱可塑性樹脂(III)100重量部に対し、導
電性充填剤(II)1〜20重量部、難燃剤0〜20重量部お
よびアンチモン化合物0〜10重量部を含有することを特
徴とする難燃性電磁波遮蔽用樹脂組成物。
(A)ゴム状重合体(a)5〜70重量部の存在下、ハロ
ゲン化スチレンおよび/またはハロゲン化スチレン以外
の芳香族ビニル化合物/その他の単量体=10〜100/0〜9
0重量%からなる単量体化合物(b)30〜95重量部(a
+b=100重量部)を重合して得られるゴム強化樹脂。
(B)ハロゲン化スチレンおよび/またはハロゲン化ス
チレン以外の芳香族ビニル化合物/その他の単量体=10
〜100/0〜90重量%を重合して得られる重合体。
(C)ポリカーボネート (D)熱可塑性ポリエステル を提供するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
(1)請求項(1)、(2)、(3)の(A)成分のゴ
ム強化樹脂 請求項(1)、(2)の(A)成分のゴム強化樹脂
は、ゴム状重合体(a)5〜70重量部の存在下に、芳香
族ビニル化合物/その他の単量体=10〜100/0〜90重量
%からなる単量体化合物(b)30〜95重量部(a+b=
100重量部)を含有して得られる。
請求項(3)の(A)成分のゴム強化樹脂は、ゴム状
重合体(a)5〜70重量部の存在下に、ハロゲン化スチ
レンおよび/またはハロゲン化スチレン以外の芳香族ビ
ニル化合物/その他の単量体=10〜100/0〜90重量%か
らなる単量体化合物(b)30〜95重量部(a+b=100
重量部)を重合して得られる。なお、上記ハロゲン化ス
チレンの使用量は、(A)成分および/または後述の
(B)成分中のハロゲン化スチレン含有量が5〜50重量
%になるように選ぶ。
上記のゴム状重合体(a)としては、例えばポリブタ
ジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム、アクリロ
ニトリル−ブタジエン系ゴムなどのジエンゴム系、該ジ
エン系ゴムの水素添加物、EPM、EPDM、エチレン−ブテ
ン系共重合体などのオレフィン系ゴム、アクリル系ゴ
ム、芳香族ビニル(好ましくはスチレン)−共役ジエン
(好ましくはブタジエン)ブロック共重合体(好ましい
共役ジエン含有量は50〜90重量%)、該ブロック共重合
体の水素添加物などが挙げられる。
上記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、メチルスチレン、p−メチルスチレンな
どの非ハロゲン化スチレン、モノクロルスチレン、ジク
ロルスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレ
ン、フルオロスチレンなどのハロゲン化スチレンが挙げ
られる。
請求項(1)、(2)、(3)の芳香族ビニル化合物
として、好ましくはスチレン、α−メチルスチレンであ
る。
請求項(3)のハロゲン化スチレンとしては、好まし
くはブロモスチレン、ジブロモスチレンである。
上記のその他の単量体としては、例えばメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、プロピレンアクリレー
ト、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシ
ルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ド
デシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、フェ
ニルアクリレート、ベンジルアクリレートなどのアクリ
ル酸アルキルエステル;メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、プロピレンメタクリレート、ブチルメ
タクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタク
リレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ド
デシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、
フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなど
のメタクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、
メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、無水
マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの
不飽和酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽
和酸、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチル
マレイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド、
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ドなどのα−またはβ−不飽和ジカルボン酸のイミド化
合物などが挙げられ、これらは(難燃)電磁波遮蔽用樹
脂組成物の品質改良を目的に、支障のない範囲で1種ま
たは2種以上で使用される。
上記の単量体化合物(b)の芳香族ビニル化合物(請
求項(3)では、ハロゲン化スチレンおよび/またはハ
ロゲン化スチレン以外の芳香族ビニル化合物)/その他
の単量体の組成割合は、10〜100/0〜90重量%、好まし
くは40〜100/0〜60重量%である。芳香族ビニル化合物
が10重量%未満であると、成形加工性が劣り好ましくな
い。
好ましい単量体化合物(b)を以下に列挙する。
なお、請求項(3)の「ハロゲン化スチレンおよび/
またはハロゲン化スチレン以外の芳香族ビニル化合物」
の表現を、以下単に「(H−ST)芳香族ビニル化合物」
と表現する。
請求項(1)、(2)の好ましい単量体化合物(b) 芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物=40〜
95/5〜60重量% 芳香族ビニル化合物/(メタ)アクリル酸アルキル
エステル/シアン化ビニル化合物=10〜90/10〜90/0〜6
0重量% 請求項(3)の好ましい単量体化合物(b) (H−ST)芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化
合物=40〜95/5〜60重量% (H−ST)芳香族ビニル化合物/(メタ)アクリル
酸アルキルエステル/シアン化ビニル=10〜90/10〜90/
0〜60重量% 請求項(3)でハロゲン化スチレンを用いることで、
難燃性を付与することができる。
請求項(1)、(2)、(3)の(A)成分のゴム強
化樹脂は、ゴム状重合体(a)5〜70重量部、好ましく
は10〜70重量部の存在下に単量体化合物(b)30〜95重
量部、好ましくは30〜90重量部を重合して得られる。
(a)が5重量部未満であると十分な耐衝撃性が得られ
ず、一方70重量部を超えると成形加工性が劣り好ましく
ない。
(A)成分の(a)のグラフト率は、好ましくは5〜
150重量%、さらに好ましくは10〜120重量%であり、こ
の範囲において、耐衝撃性、成形品の表面外観、耐薬品
性の一段と優れたものが得られる。
(A)成分の製造方法としては、乳化重合法、サスペ
ンション重合法、溶液重合法、バルク重合法、およびこ
れらの重合法を組み合わせた重合法が挙げられる。
(2)請求項(1)、(2)、(3)の(B)成分の重
合体の説明 請求項(1)、(2)の(B)成分は、芳香族ビニル
化合物/その他の単量体=10〜100/0〜90重量%、好ま
しくは40〜100/0〜60重量%からなる重合体である。
請求項(3)の(B)成分は、(H−ST)芳香族ビニ
ル化合物/その他の単量体=10〜100/0〜90重量%、好
ましくは40〜100/0〜60重量%である。
上記の芳香族ビニル化合物ならびに(H−ST)芳香族
ビニル化合物が10重量%未満であると、成形加工性に劣
る。
請求項(3)の(H−ST)芳香族ビニル化合物で使用
されるハロゲン化スチレンの使用量は、(A)成分およ
び/または(B)成分中のハロゲン含有量が5〜50重量
%になるように選ぶ。
上記の芳香族ビニル化合物、ハロゲン化スチレンおよ
びその他の単量体は、前記の単量体化合物(b)で示し
たものと同じである。芳香族ビニル化合物としては好ま
しくはスチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチ
レンとしては好ましくはブロモスチレン、特に好ましく
はジブロモスチレン、その他の単量体としてはアクリロ
ニトリル、メタクリル酸メチルなどが挙げられる。
請求項(1)、(2)の(B)成分の好ましい単量体
成分 芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物=40〜
95/5〜60重量% 芳香族ビニル化合物/(メタ)アクリル酸アルキル
エステル/シアン化ビニル化合物=10〜90/10〜90/0〜6
0重量% 請求項(3)の(B)成分の好ましい単量体成分 (H−ST)芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化
合物=40〜95/5〜60重量% (H−ST)芳香族ビニル化合物/(メタ)アクリル
酸アルキルエステル/シアン化ビニル=10〜90/10〜90/
0〜60重量% (B)成分で用いる単量体は、(A)成分の単量体化
合物(b)と同じ種類の単量体を用いると、一段と優れ
た本発明の目的とするものが得られる。
(3)請求項(1)、(2)、(3)の(C)成分のポ
リカーボネートの説明 (C)成分のポリカーボネートとしては、芳香族ポリ
カーボネート、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族−芳香
族ポリカーボネートなどを挙げることができる。一般に
は、2,2−ビス(4−オキシフェニル)アルカン系、ビ
ス(4−オキシフェニル)エーテル系、ビス(4−オキ
シフェニル)スルホンスルフィドまたはスルホキサイド
系などのビスフェノール類からなる重合体もしくは共重
合体であり、目的に応じてハロゲンで置換されたビスフ
ェノール類を用いた重合体である。ポリカーボネートの
種類、製造法などについは、日刊工業新聞社発行(昭和
44年9月30日発行)の“ポリカーボネート樹脂”に詳し
く記載されている。
(4)請求項(1)、(2)、(3)の(D)成分の熱
可塑性ポリエステルの説明 熱可塑性ポリエステルとしては、例えばポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプ
ロピレンテレフタレート、ポリペンタメチレンテレフタ
レート、ポリヘキサメチレンテレフタレートなどが挙げ
られ、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、さらに好ましくはポリブチレン
テレフタレートである。
(5)請求項(1)、(2)、(3)の導電性充填剤
(II)の説明 導電性充填剤としては、繊維状、フレーク状、粉末状
などが挙げられるが、繊維状が好ましい。
繊維状のものとしては、ステンレス繊維、アルミニウ
ム繊維、銅繊維、普通鋼繊維、黄銅繊維、金属塗布グラ
スファイバーまたはカーボンファイバー、ニッケル繊
維、ケイ素繊維、すず青銅繊維、フェルニコ繊維、バー
マロイ繊維、炭素繊維などがあり、これらの繊維状の中
でステンレス繊維が好ましい。
フレーク状とものとしては、アルミフレークがある。
粉末状のものとしては、アルミニウム(合金)粉末、
導電性カーボンブラック、ニッケル粉末、スズ粉末、亜
鉛粉末、グラファイト、銅粉末、フェライト粉末が挙げ
られる。
上記の繊維、フレーク状、粉末状の導電性充填剤は、
各種シランカップリング剤、各種重合体などで表面処
理、表面被覆、繊維にあっては収束したものであっても
よい。
(6)請求項(2)、(3)の難燃剤の説明 難燃剤としては、一般ゴム、樹脂などのポリマーに使
用される難燃剤を使用することができる。
難燃剤としては、ハロゲン含有化合物、リン含有化合
物、窒素含有化合物、ケイ素含有化合物などが挙げられ
る。これらの難燃剤について、例えば以下に列挙する。
テトラブロモビスフェノールAあるいはテトラブロモ
ビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテ
ル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジ
ブロモプロビルエーテル)などのテトラブロモビスフェ
ノールA誘導体、ヘキサブロモジフェニルエーテル、オ
クタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニル
エーテル、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ヘキ
サブロモシクロドデカンなどが使用できる。
さらに、例えばモノブロモフェノール、トリブロモフ
ェノール、ペンタブロモフェノール、トリブロモクレゾ
ール、ジブロモプロビルフェノール、テトラブロモビス
フェノールS、塩化シアヌルなどを重合により、あるい
はこれらと上記ハロゲン化合物の群から選ばれた1種以
上のハロゲン化合物との共重合により得られたオリゴマ
ー型ハロゲン化合物が使用できる。
また、テトラブロモビスフェノールAのポリカーボネ
ートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAとビス
フェノールAとのポリカーボネートオリゴマー、テトラ
ブロモビスフェノールSのポリカーボネートオリゴマ
ー、テトラブロモビスフェノールSとビスフェノールS
とのポリカーボネートオリゴマーがある。
〔式中、nは平均重合度で1〜100であり、Xは独立
に水素、塩素または臭素を示し、i、j、kおよびlは
それぞれ1〜4の整数であり、RおよびR′はそれぞれ
独立に水素、メチル基、エポキシプロビル基、フエニル
基または (ただし、mは0、1、2または3を示す)である。〕 のハロゲン化エポキシオリゴマーなどが使用できる。
難燃助剤としては、酸化鉄、ほう砂、メタホウ酸バリ
ウム、酸化ジルコニウムなどを1種または2種以上用い
ることができる。
(7)請求項(2)、(3)のアンチモン化合物の説明 アンチモン化合物としては、例えば三酸化アンチモ
ン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン
酸ナトリウム、リン酸アンチモンなどが挙げられ、好ま
しくは三酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウムであ
る。
次に、請求項(1)、(2)、(3)の(難燃性)電
磁波遮蔽用樹脂組成物について説明する。
(1)請求項(1)の電磁波遮蔽用樹脂組成物 請求項(1)の電磁波遮蔽用樹脂組成物は、前記の
(A)/(B)/(C)/(D)=10〜98/0〜70/1〜80
/1〜70重量%、好ましくは20〜80/0〜50/2〜50/2〜60重
量%、さらに好ましくは25〜75/1〜45/3〜30/5〜50重量
%からなる熱可塑性樹脂(I)100重量部に対し、前記
の導電性充填剤1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部
含有する組成物である。
(A)成分が10重量%未満であると十分な耐衝撃性、
成形加工性が得られず、一方、99重量%を超えると
(C)成分が範囲未満となり、下記の理由により好まし
くない。
(B)成分が70重量%を超えると、耐衝撃性、耐熱性
が低下する。
(C)成分は、導電性充填剤による耐衝撃性、成形加
工性の低下を押え、その結果、耐衝撃性と成形加工性の
物性バランスを向上させるという、従来の知見から余く
予想のできない効果を付与するものであり、1重量%未
満であると耐衝撃性、成形加工性の物性バランスが低下
し、さらに耐熱性も低下する。一方、90重量%を超える
と耐薬品性、成形加工性が劣る。
(D)成分は、成形加工性、耐薬品性、塗装性、成形
品の表面外観を向上させる効果を有するものであり、そ
の使用量が1重量%未満であると成形加工性、耐薬品
性、塗装性、成形品の表面外観の改良が十分でなく、一
方、80重量%を超えると耐熱性が劣り好ましくない。
導電性充填剤の使用量が1重量部未満であると十分な
電磁波遮蔽性が得られず、一方、20重量部を超えると耐
衝撃性、成形加工性が劣る。
(2)請求項(2)の難燃性電磁波遮蔽用樹脂組成物 請求項(2)の難燃性電磁波遮蔽用樹脂組成物は、前
記の(A)/(B)/(C)/(D)=10〜98/0〜70/1
〜80/1〜70重量%、好ましくは20〜80/0〜50/2〜50/2〜
60重量%、さらに好ましくは25〜75/1〜45/3〜30/5〜50
重量%からなる熱可塑性樹脂(I)100重量部に対し、
前記の導電性充填剤1〜20重量部、好ましくは1〜10重
量部、前記の難燃剤1〜20重量部、好ましくは1〜15重
量部、前記のアンチモン化合物1〜10重量部、好ましく
は1〜8重量部を含有してなる組成物である。
上記の(A)、(B)、(C)、(D)および導電性
充填剤の各成分の数値限定理由は、前記の請求項(1)
のそれと同じである。
難燃剤が1重量部未満であると十分な難燃性が得られ
ず、一方、20重量部を超えると成形加工性、耐衝撃性が
低下するので好ましくない。
アンチモン化合物が1重量部未満であると十分な難燃
性が得られず、一方、10重量部を超えると耐衝撃性、成
形加工性が低下する。
(3)請求項(3)の難燃性電磁波遮蔽用樹脂組成物 請求項(3)の難燃性電磁波遮蔽用樹脂組成物は、前
記の(A)/(B)/(C)/(D)=10〜98/0〜70/1
〜80/1〜70重量%、好ましくは20〜80/0〜50/2〜50/2〜
60重量%、さらに好ましくは25〜75/1〜45/3〜30/5〜50
重量%からなり、かつ(A)および/または(C)成分
中のハロゲン化スチレンの含有量が5〜50重量%、好ま
しくは5〜40重量%である熱可塑性樹脂100重量部に対
し、導電性充填剤1〜20重量部、好ましくは1〜10重量
部、前記の難燃剤0〜20重量部、好ましくは0〜15重量
部、さらに好ましくは1〜15重量部、アンチモン化合物
0〜10重量部、好ましくは0〜8重量部、さらに好まし
くは1〜8重量部である。
上記の(A)、(B)、(C)、(D)導電性充填剤
の各成分の数値限定理由は、前記の請求項(1)のそれ
と同じある。
(A)および/または(B)中のハロゲン化スチレン
の含有量が5重量%未満であると十分な難燃性が得られ
ず、一方、50重量%を超えると成形加工性、耐衝撃性が
劣る。
上記の難燃剤、アンチモン化合物の上限の数値限定理
由は、前記の請求項(2)のそれと同じである。
本発明の請求項(1)、(2)、(3)の(難燃性)
電磁波遮蔽用樹脂組成物中のゴム状重合体(a)の含有
量は、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは5〜
30重量%である。
本発明の電磁波遮蔽用樹脂組成物ならびに難燃性電磁
波遮蔽用樹脂組成物の製造方法に関しては、特に制限は
なく、通常の公知の方法を採用することができる。例え
ば、該組成物の全成分を混合機で混合し、それを成形材
料として供する方法、あるいは導電性充填剤成分以外の
成分を予め混合した混合物、あるいは該混合物のペレッ
ト化物に導電性充填剤を添加したものを成形材料として
供する方法がある。
また、目的に応じて顔料、染料、熱安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、帯電防止
剤および難燃剤などを添加することができる。
[実施例] 本発明をさらに具体的に説明するために、以下実施例
および比較例を挙げて説明する。なお、最終的に得られ
た樹脂組成物は射出成形法によって成形した後、次の試
験法により諸物性を測定した。
耐衝撃性の評価として、1/2″アイゾット衝撃強さをA
STM D−256に従って測定した。
成形加工性の評価として、メルトフローレートをJIS
K−7210に従って評価した。
電磁波遮蔽性評価として、体積抵抗率をデジタルマル
チメーターTR6824((株)アドバンテスト社製)を用い
て測定した。
成形品の表面外観の評価は、試験片の表面を目視によ
り評価した。
◎:光沢が均一で、かつ表面が平滑である。
○:光沢があり、やや平滑である。
×:光沢ムラがあり、平滑にかける。
難燃性の評価は、UL−94(テストビース厚1/16″)に
従って測定した。
耐薬品性は下記の方法で評価した。
ASTM1号ダンベルを、歪み0.5%となるように曲げ、治
具に固定し、イソプロピルアルコール(薬品A)または
ブレーキ液(DOT3、薬品B)を塗布し、室温化で24時間
放置し、クラックの発生状況を目視評価した(耐薬品性
に優れているものは塗装性に優れる)。
◎:クラック発生せず ○:ミクロクラック少数発生 ×:ミクロクラック多数発生 表−1で用いられる各配合成分の説明 A成分 A−1:ポリブタジエン20%、スチレン60%、アクリロニ
トリル20%からなるゴム強化樹脂。グラフト率45%。
A−2:ポリブタジエン60%、スチレン30%、アクリロニ
トクル10%からなるゴム強化樹脂。グラフト率35%。
A−3:ポリブタジエン20%、ジブロモスチレン20%、ス
チレン40%、アクリロニトリル20%からなるゴム強化樹
脂。グラフト率40%。
B成分 B−1:スチレン70%、アクリロニトリル30%からなる共
重合体。
B−2:スチレン5%、α−メチルスチレン70%、アクリ
ロニトリル25%からなる共重合体。
B−3:スチレン50%、ジブロモスチレン30%、アクリロ
ニトリル20%からなる共重合体。
C成分 C−1:ポリカーボネート (タフロンA2200、出光石油化学(株)製) D成分 D−1:ポリブチレンテレフタレート D−2:ポリエチレンテレフタレート 導電性充填剤 E−1:ステンレス繊維 (ベキシールド、ベカルト社製) E−2:ステンレス繊維 (ナスロン、日本精線(株)製) 難燃剤 F−1:ブロム化エポキシオリゴマー (EC−20、大日本インキ(株)製) F−2:デカブロモジフェンルエーテル F−3:テトラブロモビスフェノールAオリゴマー 実施例1〜9、比較例1〜4 表−1の導電性充填剤以外の成分を予めヘンシェルミ
キサーで混合し、240℃の温度条件の押出機でペレット
を作製した。次いで、該ペレットと導電性充填剤を混合
し、この混合物を用いて射出成形機で各種の試験片を成
形した。
実施例1〜9は、本発明の範囲(難燃性)の電磁波遮
蔽用組成物であり、本発明の目的とする効果が得られ
る。
比較例1は、C成分が本発明の範囲未満であり、成形
加工性、耐衝撃性の物性バランスが劣る。
比較例2は、D成分が本発明の範囲未満の例であり、
成形加工性、耐薬品性、成形品の表面外観性が劣る。
比較例3は、導電性充填剤が本発明の範囲未満の例で
あり、電磁波遮蔽性に劣る。
比較例4は、導電性充填剤が本発明の範囲を超えた例
であり、成形加工性、耐衝撃性、成形品の外観性が劣
る。
比較例5は、難燃剤が本発明の範囲を超えた例であ
り、成形加工性、耐衝撃性に劣る。
[発明の効果] 従来、耐衝撃性、成形加工性の優れたゴム強化樹脂に
導電性充填剤を添加すると、耐衝撃性、成形加工性が大
幅に低下し、耐衝撃性、成形加工性の優れた電磁波遮蔽
用樹脂組成物が得られなかったが、本発明はゴム強化樹
脂に導電性充填剤を添加し、さらにポリカーボネートお
よび熱可塑性ポリエステルを添加することで、耐衝撃性
の低下する欠点を改善し、耐衝撃性、成形加工性の物性
バランスに優れ、かつ耐薬品性、塗装性、成形品の外観
性、耐熱性の優れた電磁波遮蔽用樹脂組成物ならびに、
さらに優れた難燃性を有する難燃性電磁波遮蔽用樹脂組
成物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08K 13/02 3:08 5:04 3:22) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 51/04 C08L 25/00 - 25/18 C08L 69/00 C08L 67/02 C08K 3/00 C08K 5/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(A)/(B)/(C)/(D)=
    10〜98/0〜70/1〜80/1〜70重量%からなる熱可塑性樹脂
    (I)100重量部に対し、導電性充填剤(II)1〜20重
    量部を含有することを特徴とする電磁波遮蔽用樹脂組成
    物。 (A)ゴム状重合体(a)5〜70重量部の存在下、芳香
    族ビニル化合物/その他の単量体=10〜100/0〜90重量
    %からなる単量体化合物(b)30〜95重量部(a+b=
    100重量部)を重合して得られるゴム強化樹脂。 (B)芳香族ビニル化合物/その他の単量体=10〜100/
    0〜90重量%を重合して得られる重合体。 (C)ポリカーボネート (D)熱可塑性ポリエステル
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の(I)/請求項(1)
    記載の(II)/難燃剤/アンチモン化合物=100/1〜20/
    1〜20/1〜10重量部を含有することを特徴とする難燃性
    電磁波遮蔽用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】下記の(A)/(B)/(C)/(D)=
    10〜98/0〜70/1〜80/1〜70重量%からなり、かつ(A)
    および/または(B)中のハロゲン化スチレン含有量が
    5〜50重量%である熱可塑性樹脂(III)100重量部に対
    し、導電性充填剤(II)1〜20重量部、難燃剤0〜20重
    量部およびアンチモン化合物0〜10重量部を含有するこ
    とを特徴とする難燃性電磁波遮蔽用樹脂組成物。 (A)ゴム状重合体(a)5〜70重量部の存在下、ハロ
    ゲン化スチレンおよび/またはハロゲン化スチレン以外
    の芳香族ビニル化合物/その他の単量体=10〜100/0〜9
    0重量%からなる単量体化合物(b)30〜95重量部(a
    +b=100重量部)を重合して得られるゴム強化樹脂。 (B)ハロゲン化スチレンおよび/またはハロゲン化ス
    チレン以外の芳香族ビニル化合物/その他の単量体=10
    〜100/0〜90重量%を重合して得られる重合体。 (C)ポリカーボネート (D)熱可塑性ポリエステル
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