JP2876136B2 - カチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤の製造方法 - Google Patents

カチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規にして有用なカチオン性ロジンエマル
ジョンサイズ剤の製造方法に関するものであり、変性
(メタ)アクリルアミド系ポリマー存在下に、アニオン
性ロジンエマルジョンとビニル系共重合型カチオン性ポ
リマーおよび/またはカチオン化澱粉を混合することに
より、保存安定性に優れたカチオン性ロジンエマルジョ
ンサイズ剤を提供するものである。
[従来の技術] 製紙業界では紙質の向上、抄紙系のクローズド化、お
よびパルプ原料としての炭酸カルシウムを含んで古紙や
損紙の使用等の課題を抱えており、その対策として硫酸
バン土の添加率を減らした中性領域での抄紙を行おうと
する傾向が強くなってきている。しかし、従来のロジン
系サイズ剤、特に強化ロジンのアルカリ中和物である溶
液ロジンサイズ剤を使用した場合、硫酸バン土の添加率
を減らして抄紙pHを高くすると、急激なサイズ効果の低
下を招き、特に抄紙系に炭酸カルシウムが混入するとそ
の傾向が著しくなる。その対策としてさらに多量の硫酸
バン土を添加しなくてはならず、その結果として、紙質
の低下や操業面、コスト面に問題を残していた。また、
溶液型ロジンサイズ剤よりもサイズ効果に優れ、適用pH
範囲のより広いアニオン性ロジンエマルジョンサイズ剤
(強化ロジンをアニオン性の乳化分散剤を用いて水中に
微細粒子として分散させたもの)を使用した場合でも、
溶液ロジンに比べれば硫酸バン土の添加率を減らすこと
はできるものの、中性pH領域でのサイズ効果の低下や変
動は避けらず満足いくものではなかった。このような事
情から、硫酸バン土の添加率が低く、中性に近いpH領域
でも優れたサイズ効果を発揮するロジン系のサイズ剤が
強く求められている。
この要求に応えることのできるサイズ剤としてカチオ
ン性ロジンエマルジョンサイズ剤が注目されている。カ
チオン性を有するロジンエマルジョンサイズ剤はパルプ
繊維に対する自己定着性をもち、サイズ効果発現に要求
される硫酸バン土使用量が低減可能で、中性付近のpH領
域でも優れたサイズ効果を発揮することが示されている
(TAPPI Papermakers Conference 1988 pp.181−18
8)。しかし、カチオン性ロジンエマルジョンは、従来
一般的であったアニオン性のものに比べると、工業的な
製造が難しく、また製品の静置安定性や性能的にもまだ
問題点を残しており、さらに改良が求められている。
カチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤に関する先行
技術はいくつか存在するが、それらは大きく分けて二つ
の製造方法に分類される。その一つは水に不溶のロジン
系物質をカチオン性乳化分散剤を用いてエマルジョン化
する方法であり、他の方法はアニオン性ロジンエマルジ
ョンにカチオン性物質を混合し、カチオン性エマルジョ
ンに変換する方法である。
前者については、特公昭58−34509号公報(特開昭50
−36703号公報、米国特許No.3966654)が挙げられ、こ
れには強化ロジンをポリアミノポリアミド−エピクロル
ヒドリン樹脂、アルキレンポリアミン−エピクロルヒド
リン樹脂、ポリ(ジアリルアミン)−エピクロルヒドリ
ン樹脂といった水溶性陽イオン型樹脂分散剤で分散する
方法が記載されており、この方法は、ホモジナイザー等
を用いて水に不溶な強化ロジンを直接、陽イオン型樹脂
分散剤で乳化分散させるものである。しかし、これら陽
イオン性樹脂のロジン系物質に対する乳化分散機能が十
分ではないため、特開昭53−27649号公報でも言及され
ているように、保存安定性に問題がある。さらには、エ
マルジョン中における陽イオン性樹脂の含有量も多くな
らざるを得ず、製品のコスト高や、これを使用する抄紙
系で発泡が多いと言った問題も生じている。
一方後者の先行技術としては、英国特許No.2141751A
および英国特許No.2159183Aが挙げられ、これには通常
使われているアニオン性ロジンエマルジョンと正電荷を
有する有機高分子電解質(好ましくはポリジ(低級アル
キル)ジアリル4級アンモニウムクロライド)あるいは
無機カチオン性ポリマー(好ましくはアルミニウムポリ
ヒドロキシクロライド)とをハイスピードミキサーを使
用して混合し、“One shot"サイジング組成物として使
用することが記載されている。これらの方法では、「ロ
ジンエマルジョンとカチオン性物質と混合すると、はじ
めは凝集を生じるが、さらに撹拌を行うと2,3週間は安
定なものができ、たとえ分離が生じても撹拌で再分散す
る」と記載されているように、本質的には不均一な凝集
粒子からなる極めて不安定な分散体である。
[発明が解決しようとする課題」 以上のように、従来のカチオン性ロジンエマルジョン
サイズ剤は保存安定性に問題があり、その改善が望まれ
ていた。
したがって、本発明は、保存安定性に優れ、中性付近
の抄紙pHにおいても優れたサイズ効果を発揮するととも
に、工業規模で容易に製造することができるカチオン性
ロジンエマルジョンサイズ剤の製造方法を提供するもの
である。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、カチオン性ロジンエマルジョンの製造
方法について鋭意研究した結果、従来市販されているア
ニオン性ロジンエマルジョンを(メタ)アクリルアミド
系ポリマー存在下に、ビニル系共重合型カチオン性ポリ
マーおよび/またはカチオン化澱粉で混合処理すること
により、エマルジョン粒子の凝集を全く生じることなく
アニオン性粒子をカチオン性に変換でき、保存安定性に
優れたカチオン性ロジンエマルジョンが得られることを
見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、 (a)アニオン性を有するロジンエマルジョン (b)アクリルアミド系ポリマーおよび/またはメタク
リルアミド系ポリマー (c)カチオン性モノマーを12モル%以上共重合させた
ビニル系共重合型カチオン性ポリマーおよび/またはカ
チオン化澱粉であって、カチオン化澱粉は、単独で使用
する場合、澱粉の無水グルコース1モル当りカチオン化
剤を0.25モル以上を反応させたカチオン化澱粉 を含有し、上記(b)成分の存在下に上記(a)成分を
混合分散し、ついで上記(c)成分を混合分散し、該
(a)成分のアニオン性ロジンエマルジョンを安定なカ
チオン性ロジンエマルジョンに変換するカチオン性ロジ
ンエマルジョンサイズ剤の製造方法を提供するものであ
る。
この際、上記(b)成分が (b−1)カチオン性モノマー 10モル%以下 (b−2)アニオン性モノマー 5モル%以下 (b−3)疎水性モノマー 15モル%以下 (b−4)アクリルアミドおよび/またはメタクリルア
ミド 70モル%以上 からなるモノマーを、全モノマーに対して10モル%以下
の炭素数6〜22のアルキルメルカプタン存在下、(b−
3)疎水性モノマーとアルキルメルカプタンのいずれか
または両者の合計で0.01モル%以上含有させて重合させ
たポリマーである。
次に本発明を詳細に説明する。
アニオン性を示すロジンエマルジョンにカチオン性物
質を直接混合すると、一般にはエマルジョン粒子のひど
い凝集を起こし、安全なエマルジョン(分散体)として
は存在できない。前述した“One Shot"サイジング組成
物のごとく、凝集したエマルジョン粒子を強力な撹拌に
より一時的に分散させる事は可能であるが、安定なエマ
ルジョンとは言えず、保存安定性の良いものおよび一定
したサイズ効果を得ることが困難である。
一方、アニオン性のエマルジョン、ラテックス、およ
び分散体をカチオン性に変換する方法はいくつか見出さ
れている。例えば、アニオン性ラテックスを過剰量の高
分子電解質溶液(ポリビニルベンジルトリメチルアンモ
ニウム塩)に激しい撹拌下で添加する方法(米国特許第
3205187号)、アニオン性ラテックスを両性乳化剤と混
合した後カチオン性乳化剤を添加する方法(特開昭60−
152537号公報)、およびアニオン性エマルジョンに、pH
6.5以下でカチオン性を有するアミン系安定剤およびア
ニオン性分散剤を添加した後、該エマルジョンのpHを6.
5以下に下げる方法(特開昭64−34434号公報)等が存在
する。しかし、本願のように(メタ)アクリルアミド系
ポリマーとビニル系共重合型カチオン性ポリマーおよび
/またはカチオン化澱粉との組合せによる変換方法は過
去において見出されていない。
また、ロジンエマルジョンサイズ剤に関する先行技術
の中には、上記した水溶性陽イオン型樹脂(ポリアミノ
ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂等)を分散剤とし
たカチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤に関するもの
(特開昭50−36703号公報)、変性ポリアクリルアミド
樹脂を含有したロジンエマルジョンサイズ剤に関するも
の(特開昭56−169898号公報)は存在するが、本発明の
ごとくアニオン性ロジンエマルジョンおよび(メタ)ア
クリルアミド系ポリマーと、ビニル系共重合型カチオン
性ポリマーおよび/またはカチオン化澱粉を含んでなる
安定なカチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤の製造方
法に関する記述は見出せない。
本発明における(a)アニオン性ロジンエマルジョン
サイズ剤は、アニオン性界面活性剤やアニオン性高分子
分散剤を用いてロジン系物質を乳化分散させたものであ
り、一般に市販されているものが使用可能である。この
アニオン性ロジンエマルジョンのサイズ性能、機械的安
定性などの性質や、特に粒度分布などの粒子状態は最終
製品であるカチオン性エマルジョンの性能に影響を及ぼ
すため、アニオン性エマルジョンは高分子分散剤を用い
た粒度分布の狭い、諸性能の良いものが望ましい。
本発明(b)アクリルアミド系ポリマーおよび/また
はメタクリルアミド系ポリマーは、モノマー成分として
(b−1)カチオン性モノマーを0〜10モル%好ましく
は0〜7モル%、(b−2)アニオン性モノマーを0〜
5モル%好ましくは0〜3モル%、(b−3)疎水性モ
ノマーを0〜15モル%、好ましくは0〜10モル%および
(b−4)アクリルアミドおよびメタクリルアミドのい
ずれか一方または両者の混合物を70〜100モル%、好ま
しくは80〜100モル%を含み、全モノマーに対して0〜1
0モル%好ましくは0.01〜5モル%の炭素数6〜22のア
ルキルメルカプタン存在下に、上記モノマーを重合ある
いは共重合して得られるものである。但し、(b−3)
疎水性モノマーとアルキルメルカプタンのいずれか一方
または両者の合計で0.01モル%以上は必ず含まれるもの
とする。
上記(b)のポリマーのモノマー成分組成比が上記範
囲外である場合には、得られたカチオン性ロジンエマル
ジョンの粒子の凝集あるいは増粘(クリーミング)を引
き起こす傾向にある。また、該ポリマーは弱アニオン〜
弱カチオンの範囲の電荷を有することが好ましく、上記
モノマー組成比の範囲において(b−1)カチオン性お
よび(b−2)アニオン性モノマーのいずれかあるいは
両方を組み合わせてこれを実現することができる。
(b−1)カチオン性モノマーとしては、例えば(モ
ノ−またはジ−アルキル)アミノ(ヒドロキシル)アル
キル(メタ)アクリレート、(モノ−またはジ−アルキ
ル)アミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ビニルピ
リジン、ビニルイミダゾール、ジアリルアミン等やさら
にはこれらの第4級アンモニウム塩を挙げることがで
き、これらより一種単独または二種以上を混合して用い
られる。
(b−2)アニオン性モノマーとしては、例えば(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
シトラコン酸、クロトン酸等のカルボン酸基を有するモ
ノマー、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有するモノ
マー或いはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの
リン酸エステル等のリン酸エステル基を有するモノマー
を挙げることができ、一種単独または二種以上を混合し
て用いられる。
上記(b−3)疎水性モノマーおよびアルキルメルカ
プタンは、上記(b)のポリマーに疎水性を付与するた
めのものであり、少なくともいずれか一方あるいは両者
の合計として0.01モル%以上は必要とされる成分であ
る。両者を共に含有しないかあるいは両者の合計で0.01
モル%未満しか含有しないポリマーを使用した場合には
得られたカチオン性エマルジョンの安全性が悪く、粒子
の凝集および増粘傾向が認められた。これら疎水性付与
部分が安全性へ寄与する理由については明らかではない
が、ポリマー分子中あるいは末端に適当量の疎水基が存
在することによりエマルジョン粒子への吸着性が強くな
り、粒子をより安定化するものと想像される。
上記(b−3)疎水性モノマーとしては、例えばスチ
レンあるいはその誘導体、アルキル(メタ)アクリレー
ト、酢酸ビニルまたはプロピオン酸ビニル等のビニルエ
ステル類、あるいはメチルビニルエーテル等が挙げら
れ、これらのモノマーの一種あるいは二種以上を組み合
わせて使用できる。該モノマーを全モノマーに対して15
モル%より多く用いると、得られるエマルジョンの安全
性が悪いか、あるいは安定にするために(メタ)アクリ
ルアミド系ポリマーの量が多くなり過ぎ、結果としてサ
イズ性能の低下をもたらすため好ましくない。
また、炭素数6〜22のアルキルメルカプタンとして
は、アルキル基は直鎖状または分岐状のいずれでも良
く、アルキル基の原料は天然のものあるいはエチレンや
プロピレンなどの低重合パラフィンのクラッキング等人
為的に製造されたもののいずれでも良い。例えば、ノル
マル−オクチルメルカプタン、ターシャリー−ドデシル
メルカプタン、ノルマル−ドデシルメルカプタン、ノル
マル−オクタデシルメルカプタン、あるいはノルマル−
ヘキサデシルメルカプタン等を挙げることができ、これ
らの一種または二種類以上を混合して用いられる。
これらの内、ノルマル−オクチルメルカプタン、ノル
マル−ドデシルメルカプタンが好ましい。アルキルメル
カプタンを全モノマーに対して10モル%より多く用いて
も、エマルジョンの安定性に寄与しないばかりか、重合
反応時にポリマーに導入されないアルキルメルカプタン
の量が多くなりエマルジョンの安定性やサイズ効果にも
悪影響を及ぼすことがあり、また経済的にも好ましくな
い。該アルキルメルカプタンは上記したごとくポリマー
に疎水性基を導入するためのみではなく、連鎖移動剤と
してポリマーの分子量を調節する役割を果たしているこ
とは勿論である。
前記(b)(メタ)アクリルアミド系ポリマーの合成
方法としては、従来公知の方法が適用できる。例えば炭
素数6〜22のアルキルメルカプタン存在下に前記(b−
1)〜(b−4)のモノマーをメチルアルコール、エチ
ルアルコールあるいはイソプロピルアルコール等の低級
アルコール中、あるいはこれらの低級アルコールまたは
水との混合液中においてラジカル重合触媒によって重合
させ、重合終了後低級アルコールを留去することによっ
て得られる。ラジカル重合触媒としては、例えば過硫酸
アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなど
の過硫酸塩、これら過硫酸塩と還元剤の組合せによるレ
ドックス系重合触媒、あるいは2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル等のアゾ系触媒を挙げることができる。ま
た必要に応じて公知の連鎖移動剤を適宜併用しても差し
支えない。
この様にして得られる前記(b)のポリマー溶液の粘
度は、20重量%水溶液で10〜5000センチポイズ(但し、
ブルックフィールド粘度計による毎分60回転での25℃に
おける測定値)のものが好ましく、特に上記粘度が100
〜1000センチポイズのものがより好ましい。この粘度が
上記範囲外の時にはアニオン性エマルジョンとの混合性
や、これを用いて調製したカチオン性エマルジョンサイ
ズ剤の安定性が劣る傾向にある。
前記(b)のポリマーは、前記(a)アニオン性エマ
ルジョンの固形分に対して、固形分で2重量%以上必要
であるが、得られるエマルジョンサイズ剤のサイズ性能
および経済性の面から、5〜10重量%の範囲が好まし
い。
本発明の(c)成分のビニル系共重合型カチオン性ポ
リマーは、例えば(モノまたはジアルキル)アミノ(ヒ
ドロキシル)アルキル(メタ)アクリレート、(モノま
たはジアルキル)アミノアルキル(メタ)アクリルアミ
ド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ジアリルア
ミン等あるいはこれらの第4級アンモニウム塩の一種単
独または二種以上の混合物をカチオン性モノマーとし
て、12モル%以上を含むカチオン性水溶性合成ポリマー
であり、その20重量%水溶液の粘度が、5〜2000センチ
ポイズのものが好ましい。
本発明の(c)成分のカチオン化澱粉として、例えば
馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱
粉等の生澱粉あるいは、その生澱粉を鉱酸、次亜塩素酸
ナトリウム、過酸化水素などで酸化処理した加工澱粉を
カチオン化剤によりカチオン化したものが使用できる。
カチオン化の手段としては、例えばアルカリ金属また
はアルカリ土類金属の水酸化物、あるいは水酸化四級ア
ンモニウム等のアルカリ物質存在下で、3−クロロ−2
−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、ジ
エチルアミノエチルクロライド等のカチオン化剤と澱粉
を反応させる方法が挙げられる。カチオン化の度合は、
得られるカチオン性ロジンエマルジョンの保存安定性お
よびサイズ性能の面から、澱粉の無水グルコース1モル
当りカチオン性基が、0.01モル以上さらに好ましくは0.
03モル以上であり、カチオン化澱粉を単独で使用する場
合は、カチオン性基は0.25モル以上である。また、得ら
れたカチオン性ロジンエマルジョンの安定性を増すため
に、澱粉のカチオン化反応に加え、例えばエーテル化、
エステル化反応あるいは酸存在下で熱処理することによ
り低粘度化した澱粉等も使用できる。
上記(c)成分のビニル系共重合型カチオン性ポリマ
ーおよび/またはカチオン化澱粉の使用量は、アニオン
性ロジンエマルジョンのアニオン性および(b)の(メ
タ)アクリルアミド系ポリマーのイオン性によるが、ロ
ジンエマルジョンを本質的にカチオン性に変換できる量
以上であればよいが、経済性の面からアニオン性ロジン
エマルジョンの固形分に対し固形分で5〜20重量%が好
ましい。
本発明のカチオン性ロジンエマルジョンを製造するた
めの混合方法は、(b)の(メタ)アクリルアミド系ポ
リマーに、(a)アニオン性のロジンエマルジョンを穏
やかな撹拌下で添加し、ついで(c)ビニル系共重合型
カチオン性ポリマーおよび/またはカチオン化澱粉を添
加する方法を用いる。
かくして得られた本発明のカチオン性ロジンエマルジ
ョンサイズ剤は、従来の方法に比べ製造が容易であるば
かりでなく、アニオン性ロジンエマルジョン粒子が、
(メタ)アクリルアミド系ポリマーを介在させることに
より、粒子凝集をほとんど起こさず、効率よくビニル系
共重合型カチオン性ポリマーおよび/またはカチオン化
澱粉によりカチオン化されているため、非常に保存安定
性および機械的安全性に優れている。また、酸性抄紙系
はもとより、特に中性抄紙系においても、従来のサイズ
剤にはみられなかったような卓越したサイズ効果を発揮
する上に、抄紙系の泡立ちも少ないという利点を具備し
ている。
[実施例] 次に本発明を実施例により具体的に説明する。なお、
「部」は、重量部、%は重量%を示す。
アニオン性を有するロジンエマルジョンの製造 −1 フマル酸強化ロジンの製造 約200℃で溶融状態にあるガムロジン46部にフマル酸
7部を徐々に加えていき、ほとんど全部のフマル酸が反
応し終わった後、さらにホルムアルデヒド処理(変性率
3%)トール油ロジンを47部加え、溶融撹拌して均質化
し、その後に、反応生成物を室温に冷却した。この反応
生成物(強化ロジン)はフマル酸が7%付加されたロジ
ンであった。
−2 ロジンエマルジョンの製造 以下のようにしてロジンエマルジョン(A−1)〜
(A−3)を得た。
(A−1)のエマルジョン アニオン性高分子分散剤を用いたロジンエマルジョン
の代表例として、特開昭61−108795号公報の参考例8の
スチレン−メタクリル酸系共重合体ケン化物を用い、そ
の実施例3に準じてアニオン性ロジンエマルジョン(A
−1)を得た。
すなわち、−1で得たフマル酸強化ロジン250部を
約150℃に加熱溶融し、激しく撹拌しながら上記公報の
参考例8のスチレン−メタクリル酸共重合体ケン化物13
5部と20%ポリオキシエチレン(重合度12)ドデシルフ
ェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩7部を添加
混合して油中水型のエマルジョンとした。これに熱水を
徐々に加えて転相させ水中油型のエマルジョンとし、こ
れにさらに熱水を素速く添加して安定な水中油型エマル
ジョンとした後、室温まで冷却した。転相および希釈に
用いた熱水の合計は211部であり、かくして得られたエ
マルジョン(A−1)は約45%の固形物を含み、その固
形物の約0.5%が上記アニオン性界面活性剤であり、約
7.5%がスチレン−メタクリル酸系共重合体ケン化物
で、長時間にわたって安定なものであった。
(A−2)のエマルジョン アニオン性の低分子界面活性剤を用いたアニオン性ロ
ジンエマルジョンの代表例を以下の方法で得た。
−1で得たフマル酸強化ロジン250部を約150℃に加
熱溶融し、少量の水を加えた後、約130℃に降温して、2
0%ポリオキシエチレン(重合度12)オクチルフェニル
エーテル硫酸エステルのアンモニウム塩50部を添加混合
し、油中水型エマルジョンとした。これに熱水を徐々に
加えて転相させ水中油型のエマルジョンとし、これにさ
らに熱水を素速く添加して安定な水中油型エマルジョン
とした後、室温まで冷却した。転相および希釈に用いた
熱水の合計は220部であった。
ここに得られたエマルジョン(A−2)は約50%の固
形物を含有し、長時間安定なものであった。
(A−3)のエマルジョン カゼインを分散剤として用いたアニオン性ロジンエマ
ルジョンの代表例は、特開昭63−288297号公報を参考に
して以下の方法で得た。
−1で得たフマル酸強化ロジン350部を約150℃に加
熱溶融し、少量の水を加えた後、約130℃に降温して、
カゼイン17部、苛性カリ3.5部、テトラホウ酸ナトリウ
ム4部を含む15%のカゼイン水溶液を添加し、油中水型
エマルジョンとした。これに熱水を徐々に加えて転相さ
せ水中油型のエマルジョンとし、これにさらに熱水を素
速く添加して安定な水中油型エマルジョンとした後、室
温まで冷却した。
ここに得られたエマルジョン(A−3)は約50%の固
形物を含有し、長時間安定なものであった。
(メタ)アクリルアミド系ポリマーの製造 以下のようにして(B−1)−(B−9)の(メタ)
アクリルアミド系ポリマーを製造した。
(B−1)のポリマー水溶液 撹拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を
備えた1の4つ口フラスコにジメチルアミノエチルメ
タクリレート9.4部、アクリルアミドの50%水溶液131
部、アクリル酸1.4部、イオン交換水107.6部、イソプロ
ピルアルコール134.6部、ノルマル−ドデシルメルカプ
タン0.8部を仕込み、20%硫酸水溶液にてpH4に調節し
た。この混合液を撹拌しながら窒素ガス雰囲気下で、60
℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸アンモニウム
の5%水溶液2.3部を加え78℃まで昇温し1.5時間保持し
た後、過硫酸アンモニウムの5%水溶液0.7部を追加し
た。さらに、1時間同温度に保持した後、イオン交換水
200部を加えイソプロピルアルコールの留去を行った。
留去終了後、イオン交換水を加え得られたポリマー溶
液(B−1)の固形分濃度は20.3%、25℃、毎分60回転
で測定したブルックフィールド粘度(以下粘度という)
は410センチポイズ(cps)であった。その固形分、粘度
等を表1に示す。
(B−2)〜(B−9)のポリマー水溶液 表1に示すモノマー組成にし、イソプロピルアルコー
ルと水の比を粘度調節のため適宣変更した以外は上記
(B−1)のポリマーの製造方法と同様にしてそれぞれ
(B−2)〜(B−9)のポリマー水溶液を得た。その
固形分、粘度等を表1に示す。
ビニル系共重合型カチオン性ポリマーおよびカチオ
ン化澱粉の製造例 以下のようにしてビニル系共重合型カチオン性ポリマ
ー(C−1)〜(C−3)、カチオン化澱粉(C−4,C
−5)を製造した。
(C−1)のビニル系共重合型カチオン性ポリマー 撹拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を
備えた1の4つ口フラスコに、ジメチルアミノプロピ
ルアクリルアミドのメチルクロライド4級化物41部、ア
クリルアミドの50%水溶液114部、イオン交換水150部、
イソプロピルアルコール161部、ノルマル−ドデシルメ
ルカプタン1部を仕込み、20%硫酸水溶液にて、pH4に
調節した。この混合液を撹拌しながら窒素ガス雰囲気下
で、60℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸アンモ
ニウムの5%水溶液2.3部を加え78℃まで昇温し1.5時間
保持した後、過硫酸アンモニウムの5%水溶液0.7部を
追加した。
さらに、1時間同温度に保持した後、イオン交換水20
0部を加え、イソプロピルアルコールの留去を行った。
留去終了後、イオン交換水を加え、得られたポリマー溶
液の固形分濃度は20%、粘度は235センチポイズであっ
た。
(C−2)のビニル系共重合型カチオン性ポリマー (C−1)と同じ反応器を用いジメチルアミノプロピ
ルアクリルアミドのメチルクロライド4級化物61.5部、
アクリルアミドの50%水溶液85.3部、イオン交換水208.
8部、イソプロピルアルコール195.6部、ノルマル−ドデ
シルメルカプタン1部を仕込み、20%硫酸水溶液にて、
pH4に調節した。この混合液を撹拌しながら窒素ガス雰
囲気下で60℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸ア
ンモニウムの5%水溶液2.3部を加え78℃まで昇温し1.5
時間保持した後、過硫酸アンモニウムの5%水溶液0.7
部を追加した。
さらに、1時間同温度に保持した後、イオン交換水20
0部を加えイソプロピルアルコールの留去を行った。留
去終了後、イオン交換水を加え、得られたポリマー溶液
の固形分濃度は20%、粘度は260センチポイズであっ
た。
(C−3)のビニル系共重合型カチオン性ポリマー(比
較例用) (C−1)と同じ反応器を用いジメチルアミノプロピ
ルアクリルアミドのメチルクロライド4級化物8.5部、
アクリルアミドの50%水溶液135.1部、イオン交換水10
5.8部、イソプロピルアルコール134.8部、ノルマル−ド
デシルメルカプタン1部を仕込み、20%硫酸水溶液に
て、pH4に調節した。この混合液を撹拌しながら窒素ガ
ス雰囲気下で60℃まで昇温した。重合開始剤として過硫
酸アンモニウムの5%水溶液2.3部を加え78℃まで昇温
し1.5時間保持した後、過硫酸アンモニウムの5%水溶
液0.7部を追加した。さらに、1時間同温度に保持した
後、イオン交換水200部を加えイソプロピルアルコール
の留去を行った。留去終了後、イオン交換水を加え、得
られたポリマー溶液の固形分濃度は20%、粘度は320セ
ンチポイズであった。
(C−4)のカチオン化澱粉の製造例 水285部に過酸化水素処理コーンスターチ100部を投入
し、85℃で1時間撹拌した。次に、温度を60℃以下に下
げて水酸化ナトリウム1.7部、グリシジルトリメチルア
ンモニウムクロライド40.5部を加え、4.5時間撹拌し
た。その後、温度を30℃以下にして、水181部、98%硫
酸1.8部を加えた。得られた加工澱粉溶液は、固形分濃
度20%であり、粘度は25℃で360センチポイズであっ
た。
(C−5)のカチオン化澱粉の製造例 (C−4)で得られたカチオン化澱粉溶液を、硫酸で
pH3に調節し80℃にて2時間熱処理した。得られた溶液
の固形分濃度は20%であり、粘度は25℃で26センチポイ
ズであった。
カチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤の製造 −1 実施例 実施例1〜8 表2に示すような配合比(固形分重量比)で所定の
(メタ)アクリルアミド系ポリマーと水とを撹拌機付き
のフラスコに仕込み、アニオン性ロジンエマルジョンを
撹拌下で添加し、次いでビニル系共重合型カチオン性ポ
リマーおよびカチオン化澱粉を添加し、約10分間撹拌
し、カチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤を得た。
得られたサイズ剤は表2に示したゼータ電位の値から
明らかなように全てカチオン性であり、目視による観察
および平均粒子径からもほとんど凝集がみられず、安定
なカチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤であった。
なお、ゼータ電位の測定は、サイズ剤サンプルを10-3
M 塩化カリウム溶液にて0.01%に希釈し、苛性カリでp
H7に調製後、ゼータメータ(Lazer−Zee Meter ペンケ
ム社製)により測定し、mVで表示した。
また、平均粒子径は、サイズ剤サンプルを水で0.2%
に希釈後Master Sizer(マルバーン社製)にて測定し、
その値をμmで表示した。
−2 比較例 比較例1〜8 表2に示したような配合比で実施例1〜8と同様にし
てサイズ剤を調製した。但し、比較例6〜8は(メタ)
アクリルアミド系ポリマーを使用しなかった。比較例5
以外は、凝固を起こしたか、あるいは凝固しなかったが
凝集物を多く含み、結果として平均粒子径が大きく保存
安定性が劣った。
比較例9 米国特許第3966654号明細書の例1に従い、以下のよ
うにしてエマルジョンを得た。
上記−1のフマル酸強化ロジン300部を300部のベン
ゼンに溶解し、上記米国特許明細書の参考例17で調製し
たアミノポリアミドエピクロルヒドリン樹脂溶液400部
(固形分50部)および350部の水を混合した。該混合物
を約150Kg/cm2の圧力で2回にわたって工業用ホモジナ
イザーを通し、その後減圧蒸留により全てのベンゼンを
除去した。得られたロジンエマルジョンは約35%の固形
分を有し、そのうちの約85%が強化ロジンであり、約15
%がアミノポリアミドエピクロルヒドリン樹脂であっ
た。
比較例10 (メタ)アクリルアミド系ポリマーおよびカチオン性
エピクロルヒドリン系樹脂を加えないで35%(固形分)
濃度に希釈した。
上記実施例、比較例のサイズ剤の組成と性状を表2に
示す。
以上の実施例並びに比較例で調製された各サイズ剤を
用いて、サイズ効果、静置安定性および泡立ち性の試験
を行った。試験条件は以下に示す。
サイズ効果試験 晒クラフトパルプ(針葉樹対広葉樹のパルプ比が1対
4である混合パルプ)をパルプ濃度が2.5%になる量の
硬度100ppmの希釈用水で、ヒーターを用いて350mlカナ
デアンスタンダードフリーネスまで叩解した。
次いで該パルプスラリー1.2を離解機に秤取し、対
パルプ0.5%(固形分重量比)のサイズ剤と対パルプ0.2
5%(固形分重量比)の硫酸バン土を同時に添加しNaOH
によってpHを7の値に調節し、その後30分間撹拌した。
次いでpH7の希釈水でこのパルプスラリーを濃度0.25%
まで希釈しカチオン性ポリアクリルアミドポリマーを定
着剤として対パルプ0.05%(固形分重量比)添加し、ノ
ーブルアンドウッド抄紙機で抄紙した。
ここに得られた湿紙を40%固形分になるようにプレス
し、次いでドラムドライヤーで100℃で60秒乾燥した。
かくして得られた紙片を恒温恒湿(20℃−60%相対湿
度)環境で24時間調湿して試験用紙料とした(坪量65g/
m2)。サイズ度はステキヒト法で測定した。結果を表3
に示す。
泡立ち性試験 上記抄紙試験と同じパルプスラリーを用い同様に対パ
ルプ0.5%(固形分重量比)のサイズ剤と対パルプ0.25
%(固形分重量比)の硫酸バン土とを同時に添加し、苛
性ソーダでpH7に調節した。3分間撹拌した後、pH7の希
釈用水でこのパルプスラリーを0.25%まで希釈し、定着
剤としてカチオン性アクリルアミド系ポリマーを対パル
プ0.05%(固形分重量比)添加し、1分間撹拌した後、
円筒型の容器に入れこのパルプスラリーの一部をポンプ
で循環してこれを約1mの高さから容器中に落下させ、10
分間後の液面に蓄積する泡の面積を求め液面全体に対す
る蓄積した泡面積を百分率で表した。
静置安定性試験 長さ30cm、内径2.1cmの試験管に100ccのサイズ剤サン
プルを入れ、1ヶ月静置後、底部に沈澱した沈澱物の高
さ(mm)を測定した。
なお、(C)成分としてビニル系共重合型カチオン性
ポリマーとカチオン化澱粉を併用した場合は、少なくと
も上記単独で使用した場合と同等の効果が得られる。
[発明の効果] 本発明によれば、所定のモノマー組成であって所定の
アルキルメルカプタンを使用した所定の条件下に得られ
たアクリルアミド系ポリマー及び/又はメタクリルアミ
ド系ポリマーの存在下にアニオン性を有するロジンエマ
ルジョンを混合分散し、ついでカチオン性モノマーを12
モル%以上共重合させたビニル系共重合型カチオン性ポ
リマーおよび/またはカチオン化澱粉を混合分散し、上
記のアニオン性ロジンエマルジョンを安定なカチオン性
ロジンエマルジョンに変換したので、従来のカチオン性
ロジンエマルジョンの製造方法に比べ、製造が容易であ
るばかりでなく、アニオン性ロジンエマルジョン粒子が
アクリルアミド系ポリマーおよび/またはメタアクリル
アミド系ポリマーを介在させることにより、粒子凝集を
ほとんど起こさず、ビニル系共重合型カチオン性ポリマ
ーおよび/またはカチオン化澱粉により効率よくカチオ
ン化されているため、非常に保存安定性および機械的安
定性に優れている。また、酸性抄紙系はもとより、特に
中性抄紙系においても、従来のサイズ剤にはみられなか
ったような卓越したサイズ効果を発揮する上に、抄紙系
の泡立ちも少ないという利点を具備している
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 勝則 千葉県市原市八幡海岸通17番地2 ディ ック・ハーキュレス株式会社研究所内 (72)発明者 高橋 瑞知 千葉県市原市八幡海岸通17番地2 ディ ック・ハーキュレス株式会社研究所内 (72)発明者 酒川 靖子 千葉県市原市八幡海岸通17番地2 ディ ック・ハーキュレス株式会社研究所内 (72)発明者 篠原 真理子 千葉県市原市八幡海岸通17番地2 ディ ック・ハーキュレス株式会社研究所内 (56)参考文献 特開 昭56−169898(JP,A) 特開 昭63−120198(JP,A) 特開 昭64−56135(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 3/28,3/34,3/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)アニオン性を有するロジンエマルジ
    ョン (b)アクリルアミド系ポリマー及び/又はメタクリル
    アミド系ポリマー (c)カチオン性モノマーを12モル%以上共重合させた
    ビニル系共重合型カチオン性ポリマーおよび/またはカ
    チオン化澱粉であって、カチオン化澱粉は、単独で使用
    する場合、澱粉の無水グルコース1モル当りカチオン化
    剤を0.25モル以上を反応させたカチオン化澱粉 を含有し、これらの各成分については上記(b)成分の
    存在下に上記(a)成分を混合分散し、ついで上記
    (c)成分を混合分散し、該(a)成分のアニオン性ロ
    ジンエマルジョンを安定なカチオン性ロジンエマルジョ
    ンに変換するカチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤の
    製造方法であって、上記(b)成分が (b−1)カチオン性モノマー 10モル%以下 (b−2)アニオン性モノマー 5モル%以下 (b−3)疎水性モノマー 15モル%以下 (b−4)アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド
    70モル%以上 からなるモノマーを、全モノマーに対して10モル%以下
    の炭素数6〜22のアルキルメルカプタン存在下、上記
    (b−3)疎水性モノマーと該アルキルメルカプタンの
    いずれか又は両者の合計で0.01モル%以上を含有させて
    重合させたポリマーであることを特徴とするカチオン性
    ロジンエマルジョンサイズ剤の製造方法。
  2. 【請求項2】(b−1)、(b−2)、(b−3)の各
    々又はいずれか2成分又は全成分のモノマーを0にした
    ことを特徴とする請求項1記載のカチオン性ロジンエマ
    ルジョンサイズ剤の製造方法。
  3. 【請求項3】アルキルメルカプタンが0であることを特
    徴とする請求項1又は2記載のカチオン性ロジンエマル
    ジョンサイズ剤の製造方法。
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