JP2871326B2 - ビスマス層状化合物焼結体の製造方法 - Google Patents

ビスマス層状化合物焼結体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧力センサ、高周波フィ
ルタなどとして利用可能な、圧電性を有するビスマス層
状化合物焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電性を有するセラミックスとしては、
チタン酸バリウム(BaTiO3 )、チタン酸鉛(Pb
TiO3 )、チタン酸ジルコン酸鉛固溶体(PZT)、
ビスマス層状化合物(SrBi4 Ti4 15)などが知
られている。例えばPZTは特に高い感度を有するた
め、圧電アクチュエータとして利用されている。またビ
スマス層状化合物は、感度はPZTほど高くないが、強
度が大きく、キュリー温度が500〜800℃と高く広
い温度範囲で使用できるため、圧力センサとしての利用
が期待されている。
【0003】ビスマス層状化合物から圧電センサなどを
製造するには、酸化ビスマス(Bi 2 3 )、酸化チタ
ン(TiO2 )、炭酸ストロンチウム(SrCO3 )な
どの原料粉末を所定比率で混合して粉末原料を調製し、
この粉末原料から所定形状の成形体を形成した後、焼結
して製造されている。ところが酸化ビスマスは蒸気圧が
比較的低く、焼結中に成形体から揮散するため、焼結体
の組成が所望の比率とならない場合がある。このように
なると焼結体の密度が低下するとともに、圧電特性が低
下するようになる。
【0004】そこで、特開昭53−123899号公報
には、密閉された磁製管の中に成形体を保持して焼結す
る方法が開示されている。また、同公報には、成形体と
同一組成のパッド材(敷き粉)とともに焼結することも
有効である旨の記載もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載された
方法によれば、酸化ビスマスの揮散はある程度防止でき
るが、完全な密閉状態で焼結することは技術的に困難で
あり、ある程度の揮散はどうしても生じてしまう。また
成形体と同一組成のパッド材とともに焼結する方法で
は、パッド材と成形体との反応が生じ、同じパッド材を
繰り返し使用すると焼結体の組成が徐々に変化するとい
う不具合がある。これは、パッド材から酸化ビスマスが
揮散して組成が変化し、そのパッド材と成形体とが反応
するためである。
【0006】また、酸化ビスマスから形成された鞘中で
焼結することも考えられるが、この場合は焼結体に変形
が生じることが明らかとなり、このような方法は用いら
れない。本発明はこのような事情に鑑みてなされたもの
であり、焼結時における成形体からの酸化ビスマスの揮
散及び焼結体の変形を防止することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のビスマス層状化合物焼結体の製造方法は、化学構造
式が(M1-2XX Bi4+X )Ti4 15〔ここで、Mは
アルカリ土類金属、mはアルカリ金属〕となる組成比で
複数の原料を混合して粉末原料とする混合工程と、粉末
原料から成形体を形成する成形工程と、得られた成形体
を焼結する焼結工程と、からなるビスマス層状化合物焼
結体の製造方法であって、焼結工程は、Bi2 3 を5
〜50重量%含み高温で安定な粒径10μm以上のセラ
ミック材料からなるパッド材上またはパッド材中で行う
ことを特徴とする。
【0008】上記化学構造式において、Mはアルカリ土
類金属を表し、Sr,Be,Mg,Ca,Ba及びRa
から選ばれる金属とされる。少なくともSrを含んでい
ることが望ましい。またmはアルカリ金属であり、L
i,Na,K,Rb,Cs及びFrから選ばれる。上記
化学構造式に、性能を損なわない範囲でMn,Ni,C
rなどの金属を共存させることもできる。
【0009】なお、mの含有量を表すxは、0.06≦
x≦0.44の範囲とすることが望ましい。xの値をこ
の範囲とすることにより、ビスマス層状化合物焼結体を
圧電センサなどとして用いた場合に、温度に対する感度
のばらつきを小さくすることができる。本発明の最大の
特徴はパッド材の組成にある。すなわちパッド材は、高
温で安定な粒径10μm以上のセラミック材料と酸化ビ
スマス(Bi2 3 )とから構成され、酸化ビスマスが
5〜50重量%含まれている。パッド材中の酸化ビスマ
スの含有量が5重量%より少ないとパッド材を用いた効
果が得られず、50重量%を超えると焼結体に変形が生
じるようになる。この変形の原因は、焼結体の表面がパ
ッド材と反応を起こし、焼結体の内外部で収縮率が異な
るからである。
【0010】高温で安定なセラミック材料としては、安
定化ジルコニア(ZrO2 )やアルミナ(Al2 3
などが挙げられ、ビスマス層状化合物の焼結温度で反応
や揮散が生じないものを利用できる。なお、このセラミ
ック材料の粒径が10μmより小さくなると、焼結体と
パッド材が直接反応してしまい組成が所望の範囲よりず
れるので好ましくない。
【0011】焼結工程は、成形体を上記パッド材上に載
置して行ってもよいし、パッド材中に埋設して行うこと
もできる。
【0012】
【作用】本発明のビスマス層状化合物焼結体の製造方法
では、所定比率に混合された粉末原料から形成された成
形体は、酸化ビスマス(Bi2 3 )を5〜50重量%
含み高温で安定な粒径10μm以上のセラミック材料か
らなるパッド材上またはパッド材中で行われる。パッド
材には酸化ビスマスが所定範囲の量で含まれているた
め、成形体からの酸化ビスマスの揮散が防止されるとと
もに、焼結時の成形体の変形が防止されている。
【0013】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (1)混合工程 出発原料として、炭酸ストロンチウム(SrCO3 ),
炭酸ナトリウム(Na 2 CO3 ),酸化ビスマス(Bi
2 3 ),酸化チタン(TiO2 )及び酸化マンガン
(MnO)を用い、それぞれの原料粉末を、モル比が
(Sr0.8 Na0.1Bi4.1 )Ti4 15となるよう
に、かつMnOを0.1重量%含むように秤量して、エ
タノールとともにポットミル中で48時間湿式混合し
た。
【0014】混合粉末を脱エタノール乾燥し、700〜
950℃で2時間仮焼した。この仮焼粉末を再びポット
ミル中で48時間湿式混合し、脱エタノール乾燥して粉
末原料とした。 (2)成形工程 この粉末原料にポリビニルアルコール(PVA)を約3
重量%加えて造粒し、それを金型中に供給して成形圧力
1t/cm2 でプレス成形し、直径20mm、厚さ1m
mのペレット状成形体を作製した。 (3)焼結工程 ZrO2 粉末とBi2 3 粉末を用意し、Bi2 3
末の含有量を0〜60重量%の範囲で変化させ、それぞ
れボールミルで8時間混合し、700〜900℃で仮焼
して6種類のパッド材を調製した。得られた粉末中のZ
rO2 粉末の平均粒径は20μmである。
【0015】上記成形体をそれぞれのパッド材の上に置
き、それをアルミナ製るつぼ内に収納しアルミナ製の蓋
をして焼結した。焼結条件は、昇温速度200℃/時で
大気下にて加熱し、1100〜1300℃で2時間焼結
して行った。これにより、それぞれのパッド材上で焼結
され、(Sr0.8 Na0.1 Bi4.1 )Ti4 15の組成
(x=0.1)で、MnをMnOとして0.1重量%含
むビスマス層状化合物からなる複数のペレット状の焼結
体が得られた。 (4)評価 得られたそれぞれの焼結体の密度を、アルキメデス法に
より測定し、理論密度に対する比率を計算した結果を表
1に示す。
【0016】またそれぞれの焼結体の両表面に銀ペース
トを塗布し、焼き付けて銀電極を形成した。そして20
0℃に加熱されたシリコンオイル中で、6〜10kv/
mmの電圧を10分間印加して分極処理を行い、得られ
た素子についてそれぞれ圧電性の感度を測定した結果を
表1に示す。ここで圧電性の感度とは、図1に示すよう
に、試料に力Fを加えた場合に発生する電荷の量をEと
したときに、単位力当たりの電荷(E/F,単位pC/
N)をいう。
【0017】なお、Bi2 3 を60重量%含むパッド
材上で焼結された焼結体には大きな反りが生じ、特性の
評価が困難であった。
【0018】
【表1】 表1より、Bi2 3 が5〜50重量%含まれたパッド
材を用いることにより、理論密度の95%以上の密度の
焼結体となり、緻密に焼結されていることがわかる。そ
して圧電性の感度も21pC/Nと一定であり、組成の
ばらつきが生じていないことを裏付けている。
【0019】一方、Bi2 3 を含まないパッド材で焼
結された焼結体は、密度が低く、圧電性の感度も小さ
い。これは焼結中に成形体から酸化ビスマスが揮散した
ために生じたものである。また、Bi2 3 が5〜50
重量%含まれたパッド材を用いて、それぞれ10回ずつ
焼結工程を行ったが、得られた焼結体の密度及び圧電性
の感度の変化は見られず、安定した焼結体が得られた。
【0020】なお、本実施例ではアルカリ土類金属にS
rを用いたが、他のアルカリ土類金属を用いることもで
きる。またNaを他のアルカリ金属に代えても、Mnを
Ni,Crなどと比率を変えて置換しても、同様の効果
を得ることができる。
【0021】
【発明の効果】すなわち本発明のビスマス層状化合物焼
結体の製造方法によれば、変形がなく、高密度で特性に
優れた焼結体を容易に、かつ安定して製造することがで
きる。また本発明で用いるパッド材は、酸化ビスマスを
5〜50重量%含む間は何度でも繰り返し使用が可能で
あり、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】力と電荷出力の関係を示し、圧電性の感度の定
義を示す説明図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学構造式が(M1-2XX Bi4+X )T
    4 15〔ここで、Mはアルカリ土類金属、mはアルカ
    リ金属〕となる組成比で複数の原料を混合して粉末原料
    とする混合工程と、該粉末原料から成形体を形成する成
    形工程と、得られた成形体を焼結する焼結工程と、から
    なるビスマス層状化合物焼結体の製造方法であって、 前記焼結工程は、Bi2 3 を5〜50重量%含み高温
    で安定な粒径10μm以上のセラミック材料からなるパ
    ッド材上または該パッド材中で行うことを特徴とするビ
    スマス層状化合物焼結体の製造方法。
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