JP2869556B2 - 複合プリズム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は複合プリズムに関し，より詳細には光磁気デ
ィスク用光学ヘッド等に用いられるような１入力を３出
力に分離する複合プリズムに関する。

（従来技術） レーザー光と磁気を用いてディスクに信号を記録する
光磁気ディスクは記録密度が高く，また書換えが可能で
あることから情報記録媒体として有望視されている。

光磁気ディスクはレーザービームの照射部分の温度上
昇により該照射部分の磁化が反転することを利用したも
ので，再生には反射光の偏光面が磁化の向きに依存して
回転するカー効果を用い検出を行なっている。

又，光磁気ディスク装置は光学ヘッドを用いて微少な
情報を正確且つ高密度に記録再生するためにフォーカス
とトラッキングのサーボ信号を検出する光学系が不可欠
である。

第４図は従来用いられている光磁気ディスク用光学ヘ
ッドである。光源１からの光はコリメートレンズ２を経
て平行光束となり偏光ビームスプリッタ３を透過し次段
の対物レンズ４により集束し記録媒体５を照射する。該
記録媒体５で反射した光は再び対物レンズ４を透過し偏
光ビームスプリッタ３にて反射し次段のビームスプリッ
タ６に入射する。該ビームスプリッタ６に入射した光は
一部反射した光検出器７によりサーボ信号を得る。

一方，前記ビームスプリッタ６を透過した光は次段の
1/2波長板８に入射することにより偏波面が45°回転し
偏光ビームスプリッタ９にてＰ偏光とＳ偏光とに分離し
夫々光検出器10,11により検出された光磁気信号を得て
いる。

しかしながら，上述した如く従来の光磁気ディスク用
光学ヘッドは部品点数が多く高価なものにならざるを得
ず又，光学的調整が困難であるという欠点があった。

（発明の目的） 本発明は上述した如き従来の光磁気ディスク用光学ヘ
ッドの欠点に鑑みなされたものであって，部品点数を減
らし且つ光の利用効率の高めると共に，検出光のうち少
なくとも２つを近接且つ同一方向に出射せしめることに
より光学機器の小型化に好適な複合プリズムを提供する
ことを目的とする。

（発明の概要） この目的を達成するために本発明の複合プリズムはガ
ラス若しくは高分子樹脂から成る第１のプリズムと平行
四辺形断面或は三角形断面を有す第２のプリズム及び平
行平面板又はウェッジ板とを用い，前記第１のプリズム
と第２のプリズムとの接合面に無偏光膜を備え，前記第
２のプリズムと平行平面板又はウェッジ板との接合面に
偏光分離膜を有し，該平行平面板又はウェッジ板の出射
面にて全反射せしめることにより少なくとも２以上の出
射光が同一方向となるよう構成する。

（実施例） 以下，本発明を図面に示した実施例に基づいて詳細に
説明する。

第１図は本発明の一実施例を示す図であって，前記第
６図と同一のものには同一の記号を符しその説明を省略
する。

同図に於いて20はガラス製プリズム,21は平行四辺形
断面を有するガラス製プリズム、22は平行平面板状のガ
ラス製プリズムであって、前記プリズム20と21との接合
面には無偏光膜23を、プリズム22と21との接合面には偏
光分離膜24をそれぞれ有す。ここで無偏光膜とは偏光依
存性のない光分割膜のことである。

このように光学系を構成することにより偏光ビームス
プリッタ３で反射した光はプリズム20に入射し，該入射
光のうち一部は無偏光膜23にて反射し，サーボ信号とし
て光検出器25に検出される。

一方，前記無偏光膜23を透過した光は次段のプリズム
21を透過するが該プリズム21出射面に設けた偏光分離膜
24にてＳ偏光成分が反射し光検出器26に入射する。

又，前記偏光分離膜24を透過したＰ偏光成分はプリズ
ム22の出射面にて全反射して光検出器27に入射する。

従って，光検出器26,27にて検出された光強度により
差動検出を行ない光磁気信号を得ることができる。

このように本発明の複合プリズムは従来の光学ヘッド
に比べ部品点数が少なくすみ，又，一体型に構成できる
ため光学系の調整が容易となる。

第２図（ａ）（ｂ）は本発明の他の実施例を示す図で
あって，同図に示す如く平行平面板状のプリズム30と平
行四辺形断面を有するプリズム31ととの間に設けた偏光
分離膜32のＰ偏光反射特性を20％程度とすることにより
前記プリズム31に光を入射させ該プリズム31の出射面側
にて全反射するようにしてもよく，更に第３図に示す如
く第２プリズム33を第１プリズム34と同様に楔状にし，
該プリズム33,34との間に平行四辺形断面を有るプリズ
ム35を介在させ，前記プリズム34と35との間にRpO,Rs10
0の特性を有す偏光分離膜36を設けると共に該プリズム3
5と33との間にはRp20,Rs100の特性を有す偏光分離膜37
を設け，更に該プリズム33の出射面側に反射膜38を有す
λ/4波長板39を備えることにより更に小型化し，同様の
効果を得ることが可能な複合プリズムを構成することが
できる。

（発明の効果） 本発明は上述した如く構成し且つ機能するもので光磁
気ディスク用光学ヘッドに用いる部品点数を減少せしめ
小型化し，従って光学系の光軸調整を容易にすると共に
光の利用効率を高めるうえで著しい効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す図，第２図及び第３図
は本発明の変形実施例を示す図，第４図は従来用いられ
ている光磁気ディスク用光学ヘッドの構成を示す図であ
る。 １……光源,2……コソメートレンズ,3,9……偏光ビーム
スプリッタ,4……対物レンズ,5……記録媒体,6……ビー
ムスプリッタ,7,10,11,25,26,27……光検出器,8……1/2
波長板,20,21,31,33,34……プリズム,22.30,35……平行
平面板,23……無偏光膜,24,32,36,37……偏光分離膜,38
……反射膜,39……1/4波長板。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−165002（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−57903（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−315721（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−14146（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−183402（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−167502（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G02B 5/04 G02B 5/30

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ガラスもしくは高分子樹脂からなる第１の
   プリズムと、平行四辺形断面を有す第２のプリズムと、
   平行平面板又はウェッジ板とからなり、前記第１のプリ
   ズムと第２のプリズムとの接合面に無偏光膜を備え、且
   つ前記第２のプリズムと平行平面板又はウェッジ板との
   接合面に偏光分離膜とを備えることにより、前記平行平
   面板又はウェッジ板の出射面にて該平行平面板又はウェ
   ッジ板の内部に入射した光を全反射せしめ、少なくとも
   ２以上の出射光が同一方向となるよう構成したことを特
   徴とする複合プリズム。
2. 【請求項２】ガラスもしくは高分子樹脂からなる第１の
   プリズムと、平行四辺形断面を有す第２のプリズムと、
   平行平面板又はウェッジ板とからなり、前記第１のプリ
   ズムと第２のプリズムとの間に前記平行平面板又はウェ
   ッジ板を介在せしめ、前記第１のプリズムと前記平行平
   面板又はウェッジ板との接合面に第１の偏光分離膜を前
   記第２のプリズムと前記平行平面板又はウェッジ板との
   接合面に第２の偏光分離膜をそれぞれ備え、前記第１の
   偏光分離膜にて前記第１のプリズムに入射した光の一方
   の偏光成分をすべて反射分離し、前記第２の偏光分離膜
   にて前記平行平面板又はウェッジ板に入射した光の他方
   の偏光成分の一部を反射分離すると共に、前記第２のプ
   リズムの内部に入射した光を該第２のプリズムの出射面
   にて全反射せしめ、少なくとも２以上の出射光が同一方
   向となるよう構成したことを特徴とする複合プリズム。
3. 【請求項３】前記第２のプリズムの断面形状が三角形で
   あることを特徴とする特許請求の範囲第１項或いは第２
   項記載の複合プリズム。
4. 【請求項４】ガラスもしくは高分子樹脂からなる第１の
   プリズム及び第２のプリズムと、平行四辺形断面を有す
   第３のプリズムと、反射膜を備えた1/4波長板とからな
   り、前記第１のプリズムと第２のプリズムとの間に第３
   のプリズムを介在せしめ、前記第１のプリズムと第３の
   プリズムとの接合面ならびに前記第２のプリズムと第３
   のプリズムとの接合面に偏光分離膜を備え、且つ前記第
   ２のプリズムの出射面に、1/4波長板の反射膜が設けら
   れていない面を接合することにより該1/4波長板の内部
   に入射した光を該1/4波長板の出射面にて全反射せし
   め、少なくとも２以上の出射光が同一方向となるよう構
   成したことを特徴とする複合プリズム。