JP2869062B1 - 一方向クラッチ - Google Patents

一方向クラッチ

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JP2869062B1 JP18004398A JP18004398A JP2869062B1 JP 2869062 B1 JP2869062 B1 JP 2869062B1 JP 18004398 A JP18004398 A JP 18004398A JP 18004398 A JP18004398 A JP 18004398A JP 2869062 B1 JP2869062 B1 JP 2869062B1
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  • One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 構造が簡単でありかつ高精度が要求されない
のみならず、過大な入力トルクによる故障が少なく、ま
た故障しても部品の交換だけで済み、しかも最大伝達ト
ルクの変量が可能な低コストの一方向クラッチが得られ
るようにする。 【解決手段】 第1回転部材1外周の円環状摩擦面2
と、この第1回転部材2に相対回転可能に支持された第
2回転部材5における揺動可能な揺動部3の円弧状の摩
擦面4との間に平ベルト6を巻き掛けて初張力を付与
し、両回転部材1,5のロック方向又はフリー方向の相
対回転に伴って平ベルト6により揺動部3を揺動軸心Q
回りに揺動させ、その揺動により平ベルト6の張力を初
張力から増減させることで、両回転部材1,5の相対回
転方向に応じて両回転部材1,5間でのトルク伝動が断
接されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造が簡単でかつ
高精度を要しない低コストの一方向クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車や農業機器、OA機器
等に使用する一方向クラッチとしては、ローラ式やスプ
ラグ式のものが一般に知られている。
【0003】この従来の一方向クラッチの一例としてロ
ーラ式のものの構造について説明すると、図10に模式
的に示すように、このローラ式の一方向クラッチは、イ
ンナレースaと、このインナレースaに相対回転可能に
組み付けられたアウタレースbと、このアウタレースb
の内周に周方向に所定ピッチ間隔をおいて設けられた複
数の凹部c,c,…(同図には1つだけ示している)
と、それら各凹部c内にそれぞれ配置されたローラd,
d,…と、この各ローラdをインナレースaの外周面e
及びアウタレースbの内周面fの間に挟み込まれる方向
(図示する例では反時計回り方向)に付勢する図外のス
プリングとを備えている。
【0004】そして、例えば、インナレースaに、スプ
リングによる各ローラdの付勢方向と逆の方向(同図の
時計回り方向)のトルクが入力されたときには、各ロー
ラdは両レースa,b間に挟み込まれず、インナレース
aはアウタレースbからフリーの状態で回転する。つま
り、このときには、インナレースaのトルクはアウタレ
ースbに伝達されず、従ってアウタレースbは回転しな
い。一方、上記各ローラdの付勢方向と同じ方向(同図
の反時計回り方向)のトルクがインナレースaに入力さ
れたときには、各ローラdはインナレースa及びアウタ
レースb間に挟み込まれ、楔作用によって両者a,bを
ロックさせるので、インナレースaに入力されたトルク
はアウタレースbに伝達され、よってアウタレースbは
インナレースaと同じ方向に回転する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の一方向クラッチでは、非常に高精度の部品が必要で
あり、また構造も複雑であることから、低コストで得る
ことは困難である。
【0006】また、上記一方向クラッチに対しその最大
伝達トルクを超えるトルクが入力されると、その一方向
クラッチは破損することになる。そして、破損したとき
には、部品の交換だけでは済まず、クラッチ自体を交換
しなければならない。従って、そのような事態に対処す
るためには、別途、トルクリミッタを付設する必要があ
り、さらにコストがかさむことになる。
【0007】また、上記最大伝達トルクの変更ができな
いことから、過大なトルクが入力されたときでも、それ
が最大伝達トルク以下の場合には、その過大なトルクは
そのまま出力されることになる。よって、そのような事
態を防止する上でもトルクリミッタが必要となる。
【0008】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、2軸間におけるベルト伝動機構の
技術構成を応用することで、構造が簡単でありかつ高精
度が要求されないのみならず、過大な入力トルクによる
故障が少なく、また故障しても部品の交換だけで済み、
しかも最大伝達トルクの変量が可能な低コストの一方向
クラッチが得られるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、例えばベルト伝動機構において、入
出力軸間に巻き掛けられた伝動ベルトの張力が増大する
のに応じて両軸間での最大伝達トルクが上昇する一方、
ベルト張力が減少すると伝動ベルトと入出力軸との間に
スリップが生じることに着目し、入力トルクの回転方向
に応じてベルト等からなる摩擦部材の張力の増減を行う
ようにすることで、一方向クラッチとしての機能が果た
せるようにした。
【0010】具体的には、請求項1の発明の一方向クラ
ッチは、外周に回転軸心を中心とする円環状の摩擦面が
形成された第1回転部材と、この第1回転部材に対し上
記回転軸心回りにロック方向又はフリー方向に相対回転
可能に組み付けられ、かつ上記第1回転部材の回転軸心
と平行な揺動軸心回りに揺動可能な揺動部を有し、該揺
動部に第1回転部材の摩擦面の半径方向外方に位置する
円弧状の摩擦面が形成された第2回転部材と、上記第1
回転部材の摩擦面と揺動部の摩擦面との間に巻き掛けら
れ、揺動部の揺動に応じて張力が増減する無端の摩擦部
材とを備え、上記摩擦部材は、両回転部材の相対回転方
向に応じて上記揺動部が揺動するように初張力が付与さ
れており、上記両回転部材がロック方向に相対回転した
ときには、上記揺動部が上記摩擦部材の張力を初張力か
ら増大させる方向に回動する一方、フリー方向に相対回
転したときには、揺動部が摩擦部材の張力を初張力から
減少させる方向に回動するように構成されているものと
する。
【0011】上記の構成において、一方向クラッチにお
ける第1及び第2回転部材の一方にトルクが入力される
と、それら両回転部材はロック方向又はフリー方向のい
ずれかの方向に相対回転する。このとき、摩擦部材に初
張力が付与されているので、この摩擦部材と、第1回転
部材の摩擦面及び第2回転部材における揺動部の摩擦面
との間にはそれぞれグリップ力が確保される。従って、
上記トルクは摩擦部材を介して他方の回転部材に伝達さ
れようとし、それに応じて第2回転部材の揺動部はその
揺動軸心回りに回動する。
【0012】そして、上記両回転部材がロック方向に相
対回転したときには、上記揺動部は、摩擦部材の張力を
上記初張力から増大させる方向に回動する。これによ
り、摩擦部材には初張力を超える張力が発生するので、
摩擦部材と上記各摩擦面との間のグリップ力はそれぞれ
上昇する。よって、両回転部材間でのトルク伝達が確実
に行われるようになるとともに、その最大伝達トルクが
上昇する。つまり、一方向クラッチはロック状態とな
る。
【0013】その場合、上記入力トルクのさらなる増大
に応じて摩擦部材及び各摩擦面間でのスリップ発生率が
上昇し、上記トルクが所定値に達したときに、スリップ
率が急激に上昇して100%となる状態に移行するよう
に設定したとき、それ以降は略一定のトルクのみが両回
転部材間で伝達されるようになる。よって、このような
設定により、過度の入力トルクに対しトルクリミッタと
して機能する。
【0014】一方、上記両回転部材が、上記の場合とは
逆のフリー方向に相対回転したときには、上記揺動部は
摩擦部材の張力を初張力から減少させる方向に回動す
る。この摩擦部材の張力の減少により摩擦部材と各摩擦
面との間のグリップ力が共に低下するので、両回転部材
間でのトルク伝達は行われない。つまり、一方向クラッ
チはフリー状態となる。
【0015】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
において、揺動部の摩擦面のうち、揺動軸心に対し周方
向一端側に位置するフリー側摩擦面の長さが、周方向他
端側に位置するロック側摩擦面の長さに比べて小さく設
定されており、両回転部材がロック方向に相対回転した
ときには、上記ロック側摩擦面が摩擦部材を押圧する方
向に移動するように上記揺動部が回動して該摩擦部材の
張力を増大させる一方、両回転部材がフリー方向に相対
回転したときには、上記ロック側摩擦面が上記摩擦部材
を押圧する方向とは逆の方向に移動するように揺動部が
回動して摩擦部材の張力を減少させるように構成されて
いるものとする。
【0016】上記の構成において、両回転部材がロック
方向に相対回転したとき、揺動部は、その摩擦面におけ
るロック側摩擦面が摩擦部材を押圧する方向に移動する
ように回動し、このことで摩擦部材の張力を増大させ
る。一方、両回転部材がフリー方向に相対回転したとき
には、揺動部は、上記ロック側摩擦面が上記摩擦部材を
押圧する方向とは逆の方向、換言するとフリー側摩擦面
が摩擦部材を押圧する方向に移動するように回動する。
このとき、上記フリー側摩擦面の長さがロック側摩擦面
の長さに比べて小さいので、このフリー側摩擦面の押圧
による摩擦部材の張力の増大の程度に比べると、ロック
側摩擦面の押圧が無くなったことによる摩擦部材の張力
の減少の程度の方が大きく、従って全体として摩擦部材
の張力は減少することになる。よって、上記請求項1の
発明が適正に具体化される。
【0017】請求項3の発明では、上記請求項2の発明
において、両回転部材がロック方向に相対回転してロッ
ク側摩擦面が摩擦部材を押圧する方向に移動するように
揺動部が所定量回動したときに、該揺動部のそれ以上の
回動が規制されるように構成する。
【0018】上記の構成において、両回転部材がロック
方向に相対回転して揺動部のロック側摩擦面が摩擦部材
を押圧する方向に移動するように揺動部が回動したと
き、その回動に応じて摩擦部材の張力が増大するので、
同時に両回転部材間の最大伝達トルクは上昇する。この
とき、上記の方向への揺動部の回動が所定量に達する
と、やがて、例えば揺動部のフリー側摩擦面に対応する
部分が第1回転部材の摩擦面に係止されること等によ
り、揺動部のそれ以上の回動が規制される。これによ
り、上記最大伝達トルクの上昇に歯止めが加わることと
なり、例えば過負荷による摩擦部材の早期劣化等、上記
最大伝達トルクが上昇し続けることに起因する不具合の
発生を未然に防止できる。
【0019】請求項4の発明では、上記請求項2の発明
において、第2回転部材は入力側に設定する。そして、
この第2回転部材の回転に伴って発生する遠心力により
揺動部の少なくともロック側摩擦面が摩擦部材を押圧す
ることで、該摩擦部材に初張力が付与されるように構成
する。
【0020】上記の構成によると、一方向クラッチは、
第2回転部材を入力側としているので、両回転部材の相
対回転方向に拘らず第2回転部材は必ず回転し、その回
転に伴って発生する遠心力により揺動部の少なくともロ
ック側摩擦面に対応する部分が半径方向外方に変位す
る。例えば、揺動部の揺動軸心が半径方向に移動不能で
ある場合には、揺動部のフリー側摩擦面の長さがロック
側摩擦面に比べて小さいことから、上記揺動部はロック
側摩擦面に対応する部分が上記遠心力により半径方向外
方に変位するように回動する。一方、揺動部の揺動軸心
が第2回転部材に対し固定されていなくて半径方向に変
位可能である場合には、上記揺動部はそのロック側及び
フリー側摩擦面に対応する部分、つまり揺動部全体が上
記遠心力により半径方向外方に変位する。このような揺
動部の変位により上記摩擦部材に初張力が付与されるよ
うになり、よって上記請求項2の発明での初張力付与手
段が具体的にかつ容易に得られる。
【0021】請求項5の発明では、上記請求項2の発明
において、付勢部材により揺動部をロック側摩擦面が摩
擦部材を押圧するように回動付勢することで、摩擦部材
に初張力が付与されるように構成する。この構成による
と、揺動部は、そのロック側摩擦面が摩擦部材を押圧す
る方向に移動するように付勢部材により回動付勢されて
いるので、そのロック側摩擦面の押圧により摩擦部材に
初張力が付与される。従って、この発明によっても、上
記初張力付与手段が具体的にかつ容易に得られる。
【0022】請求項6の発明では、上記請求項5の発明
における付勢部材は、揺動部のフリー側摩擦面上の摩擦
部材に摺接しつつ該摩擦部材を介して上記フリー側摩擦
面を押圧して揺動部を回動付勢するように設けられてい
るものとする。
【0023】上記の構成によれば、揺動部のフリー側摩
擦面が付勢部材により摩擦部材を介して押圧されて揺動
部がロック側摩擦面で摩擦部材を押圧するように回動付
勢されているので、両回転部材がフリー方向に相対回転
して一方向クラッチがフリー状態になったとき、摩擦部
材の張力が低下し、その摩擦部材と第1回転部材の摩擦
面及び第2回転部材の揺動部の摩擦面との間のグリップ
力は共に低下してそれぞれスリップを発生させようとす
る。このとき、上記摩擦部材は、揺動部のロック側摩擦
面において付勢部材からの押圧力を受けているので、こ
の揺動部の摩擦面と摩擦部材との間に上記スリップは発
生せず、従って第1回転部材の摩擦面との間のみにおい
て摩擦部材のスリップが発生する。
【0024】請求項7の発明では、上記請求項6の発明
において、揺動部の摩擦面と摩擦部材との間の摩擦係数
は、第1回転部材の摩擦面と摩擦部材との間の摩擦係数
よりも小とする。
【0025】上記の構成において、両回転部材がロック
方向に相対回転して一方向クラッチがロック状態とな
り、両回転部材間で伝達されるトルクが最大伝達トルク
に達したときには、第1回転部材の摩擦面及び揺動部の
摩擦面のうちのいずれか一方と摩擦部材との間にスリッ
プが生じる。このとき、摩擦部材に対し揺動部の摩擦面
の方が第1回転部材の摩擦面よりもスリップし易いの
で、摩擦部材のスリップは揺動部(第2回転部材)の摩
擦面との間でのみ生じる。すなわち、上記摩擦部材は、
両回転部材がフリー方向に相対回転して一方向クラッチ
がフリー状態になったときには、第1回転部材の摩擦面
との間でスリップする一方、両回転部材がロック方向に
相対回転して一方向クラッチがロック状態になり、その
最大トルクの伝達時には、第2回転部材の揺動部の摩擦
面との間でスリップすることとなる。従って、入力トル
クの回転方向の切換わりに応じて摩擦部材が第1回転部
材及び第2回転部材の揺動部間を循環移動するようにな
り、その結果、摩擦部材の局部的な劣化が回避されて一
方向クラッチを長寿命化することができる。
【0026】請求項8の発明の一方向クラッチは、外周
に回転軸心を中心とする円環状の摩擦面が形成された第
1回転部材と、この第1回転部材に対し上記回転軸心回
りにロック方向又はフリー方向に相対回転可能に組み付
けられ、かつ第1回転部材の回転軸心と平行な揺動軸心
回りに揺動可能な揺動部を有する第2回転部材と、第1
回転部材の摩擦面及び揺動部の間に巻き掛けられ、かつ
上記揺動部に止着され、揺動部の揺動に応じて張力が増
減する有端の摩擦部材とを備え、上記摩擦部材は、両回
転部材の相対回転方向に応じて上記揺動部が揺動するよ
うに初張力が付与されており、上記両回転部材がロック
方向に相対回転したときには、上記揺動部が上記摩擦部
材の張力を初張力から増大させる方向に回動する一方、
フリー方向に相対回転したときには、揺動部が摩擦部材
の張力を初張力から減少させる方向に回動するように構
成されているものとする。
【0027】上記の構成によると、上記請求項1の発明
とは異なり、摩擦部材が第2回転部材の揺動部に止着さ
れているので、その摩擦部材は第2回転部材に対しスリ
ップすることなくそれと一体となって回転し、また摩擦
部材と第1回転部材の摩擦面との間のみにおいてトルク
伝達の断接が行われる。その他の点では請求項1の発明
と同様の作用効果が得られる。
【0028】請求項9の発明では、請求項8の発明にお
いて、請求項2の発明と同様に、揺動部のうち、揺動軸
心に対し周方向一端側に位置するフリー側部の長さが、
周方向他端側に位置するロック側部の長さに比べて小さ
く設定されており、両回転部材がロック方向に相対回転
したときには、上記ロック側部が摩擦部材を押圧する方
向に移動するように上記揺動部が回動して該摩擦部材の
張力を増大させる一方、両回転部材がフリー方向に相対
回転したときには、上記ロック側部が上記摩擦部材を押
圧する方向とは逆の方向に移動するように揺動部が回動
して摩擦部材の張力を減少させるように構成されている
ものとする。
【0029】この構成によると、両回転部材がロック方
向に相対回転したとき、揺動部は、その周方向他端側の
ロック側部が摩擦部材を押圧する方向に移動するように
回動して摩擦部材の張力を増大させる。一方、両回転部
材がフリー方向に相対回転したときには、上記揺動部
は、そのロック側部が上記摩擦部材を押圧する方向とは
逆の方向、換言するとフリー側部が摩擦部材を押圧する
方向に移動するように回動する。このとき、上記フリー
側部の長さがロック側部の長さに比べて小さいので、こ
のフリー側部の押圧による摩擦部材の張力の増大の程度
に比べると、ロック側部の押圧が無くなったことによる
摩擦部材の張力の減少の程度の方が大きく、従って全体
として摩擦部材の張力は減少する。よって、上記請求項
2の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0030】請求項10の発明では、請求項9の発明に
おいて、両回転部材がロック方向に相対回転してロック
側部が摩擦部材を押圧する方向に移動するように揺動部
が所定量回動したときに、該揺動部のそれ以上の回動が
規制されるように構成されているものとする。この場合
でも、上記請求項3の発明と同様に、両回転部材がロッ
ク方向に相対回転して揺動部のロック側部が摩擦部材を
押圧する方向に移動するように揺動部が回動したとき、
その揺動部の所定量以上の回動が規制されるので、最大
伝達トルクの上昇に歯止めが加わって、過負荷による摩
擦部材の早期劣化等の不具合の発生を防止できる。
【0031】請求項11の発明では、請求項9の発明に
おいて、第2回転部材は入力側に設定されており、上記
第2回転部材の回転に伴って発生する遠心力により揺動
部の少なくともロック側部が摩擦部材を押圧すること
で、該摩擦部材に初張力が付与すされように構成されて
いるものとする。この発明においても、上記請求項9の
発明での初張力付与手段が具体的にかつ容易に得られ
る。
【0032】請求項12の発明では、請求項9の発明に
おいて、付勢部材により揺動部をロック側部が摩擦部材
を押圧するように回動付勢することで、摩擦部材に初張
力が付与されるように構成する。このことで、初張力付
与手段が具体的にかつ容易に得られる。
【0033】請求項13の発明では、上記請求項1又は
8の発明において、第2回転部材は、第1回転部材の回
転軸心と平行に延びる支持壁を有するものとする。そし
て、上記揺動部は上記支持壁に揺動可能にかつ周方向に
移動不能に支持されているものとする。
【0034】上記の構成によると、揺動部は、第1回転
部材の回転軸心と平行に延びる支持壁に揺動可能にかつ
周方向に移動不能に支持されているので、この揺動部に
対し、その揺動軸心が摩擦部材の張力により傾動するよ
うなモーメントは作用しなくなり、そのモーメントに起
因する変形が回避される。この結果、変形し難い揺動部
が例えば比較的薄い金属板を用いてプレスによる曲げ加
工等により低コストで得られる。
【0035】請求項14の発明では、上記請求項1又は
8の発明において、第2回転部材は、揺動部の揺動軸心
方向の両側に対向して配置された1対の側壁を有するも
のとし、揺動部は上記両側壁間に揺動可能に支持されて
いるものとする。この構成によると、揺動部は、その揺
動軸心方向の両側において第2回転部材の1対の側壁間
に揺動可能に支持されているので、上記請求項13の発
明と同様の作用効果が得られる。
【0036】請求項15の発明では、上記請求項14の
発明において、第2回転部材の1対の側壁のうちのいず
れか一方に、プーリ、歯車、スプロケット等の伝動用ホ
ィールが脱着可能に取り付けられている構成とする。
【0037】上記の構成によると、第2回転部材の1対
の側壁のうちのいずれか一方に伝動用ホィールが脱着可
能に取り付けられているので、この伝動ホィールを、第
2回転部材に駆動連結される駆動機構の入力部又は出力
部に応じた任意の種類のものとすればよく、一方向クラ
ッチの汎用性が拡大するとともに、そのさらなる低コス
ト化が可能となる。
【0038】請求項16の発明では、上記請求項13又
は14の発明において、第2回転部材は、ベアリングを
介して第1回転部材に相対回転可能に組み付けられてい
るものとする。そして、上記ベアリングを、摩擦部材を
通る平面内に配置する。
【0039】上記の構成によると、第2回転部材を第1
回転部材にベアリングを介して相対回転可能に組み付け
るに当たり、上記ベアリングは摩擦部材を通る平面内に
あるので、摩擦部材の張力によるモーメントを受けな
い。よって、そのモーメントに対抗するために2つのベ
アリングを軸方向に並べる場合に比べ、ベアリングの数
が少なくて済み、かつモーメントによるベアリングの負
担は軽減される。
【0040】請求項17の発明では、上記請求項8の発
明において、摩擦部材は、中間部が第1回転部材の摩擦
面に巻き掛けられている一方、両端部が揺動部に止着さ
れた有端のものとする。このことで、有端の摩擦部材を
用いつつ、請求項8の発明と同様の作用効果が得られ
る。
【0041】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)図1及び図2は、本発明の実施形態1に
係る一方向クラッチを示しており、この一方向クラッチ
は、例えば動力取出装置(PTO)を備えた車両ではそ
の動力取出装置の出力端に配置されて用いられる他、農
業機械としてのコンバインでは刈取り機構部の入力端
に、また田植機では植付け機構部の入力端にそれぞれ配
置されて用いられる。
【0042】上記一方向クラッチは、回転軸心P回りに
回転可能でかつ外周に該回転軸心Pを中心とする円環状
の摩擦面2が形成された第1回転部材1と、この第1回
転部材1に対しその回転軸心Pの回りにロック方向(図
1で時計回り方向)又はフリー方向(同反時計回り方
向)に相対回転可能に組み付けられ、かつ第1回転部材
1の回転軸心Pと平行な揺動軸心Qの回りに揺動可能な
揺動部3を有していて、該揺動部3の外周に第1回転部
材1の摩擦面2の半径方向外方に位置する円弧状の摩擦
面4が形成された第2回転部材5と、上記第1回転部材
1外周の摩擦面2及び第2回転部材5における揺動部3
外周の摩擦面4の間に巻き掛けられていて、上記揺動部
3の揺動により張力が増減する有端の摩擦部材としての
ゴム製平ベルト6と、上記第1及び第2回転部材1,5
の相対回転方向に応じて揺動部3が揺動するように上記
平ベルト6に初張力を付与する初張力付与手段とを備え
ている。
【0043】具体的に説明すると、上記第1回転部材1
は、回転軸心P回りに回転する出力部材(入力部材に変
更することもできる)としてのシャフト9と、このシャ
フト9の先端(図2の右端)に回転一体に取り付けられ
た平プーリ10とを有しており、平プーリ10の外周面
に上記摩擦面2が形成されている。
【0044】一方、上記第2回転部材5は、入力部材
(出力部材に変更することもできる)としてのVプーリ
12と、このVプーリ12の一端面(図2の右端面)に
ボルト13により回転一体に取り付けられた補助部材1
4とを有しており、上記Vプーリ12は上記第1回転部
材1のシャフト9に対し、Vプーリ12のボス孔12a
とシャフト9との間に回転軸心Pの方向に並ぶように配
置した2つのボールベアリング15,15を介して相対
回転可能に組み付けられている。
【0045】上記補助部材14は、略扇形板状でその扇
形の中心部にて上記ボルト13によりVプーリ12の端
面に接合される取付部17と、この取付部17において
平プーリ10外周の摩擦面2よりも半径方向外方に位置
する外周部から該摩擦面2を覆うように回転軸心Pに沿
って平行に突出した状態で周方向に延びる円弧板状の支
持壁18とからなっている。そして、支持壁18の外周
には、その周方向の中央から一端側(図1の左端側)に
寄った位置に断面半円形状の凹溝18aが揺動軸心Qに
沿って(回転軸心Pと平行に)延びるように設けられて
いる。
【0046】上記揺動部3は、内外周が共に円弧面とさ
れた円弧板状をなしており、その内周には、上記揺動軸
心Qに相当する位置に揺動部3の幅方向に延びる軸部と
しての断面半円形状の凸条3aが設けられている。この
凸条3aは上記支持壁18の凹溝18aに揺動可能に嵌
合されており、このことで、揺動部3は支持壁18外周
面上に揺動軸心Q回りに揺動可能にかつ周方向に移動不
能に係止されている。つまり、揺動部3は支持壁18と
一体となって回転するように規制されつつ該支持壁18
から半径方向外方に変位できるようになっている。
【0047】そして、上記揺動部3内周の凸条3a(揺
動軸心Q)の位置は、揺動部3全体の周方向中央から一
端側(図1の左端側)にずれており、このことで揺動部
3外周の摩擦面4のうち、揺動軸心Qの周方向一端側
(図1の左端側)に位置するフリー側摩擦面4aの長さ
が、揺動軸心Qの周方向他端側(図1の右端側)に位置
するロック側摩擦面4bの長さに比べて小さく設定され
ている。つまり、第1及び第2回転部材1,5がロック
方向に相対回転(第2回転部材5が第1回転部材1に対
し図1で時計回り方向に相対回転)したときには、図1
に仮想線で示すように、摩擦面4におけるロック側摩擦
面4bが平ベルト6を押圧する方向に移動するように揺
動部3が揺動軸心Q回りに図1で反時計回り方向に回動
して該平ベルト6の張力を初張力から増大させる一方、
両回転部材1,5がフリー方向に相対回転(第2回転部
材5が第1回転部材1に対し図1で反時計回り方向に相
対回転)したとき、ロック側摩擦面4bが平ベルト6を
押圧する方向とは逆の方向に移動するように揺動部3が
揺動軸心Q回りに図1で時計回り方向に回動して該平ベ
ルト6の張力を初張力から減少させるようになされてい
る。
【0048】上記揺動部3の摩擦面4の揺動軸心Q方向
の両側には、該摩擦面4上の平ベルト6のベルト幅方向
の片寄りを規制する1対の規制壁3b,3bが周方向全
体に突設されている。また、摩擦面4の周方向両端部は
それ以外の中間部よりも小さい曲率の円弧状に形成され
ており、この摩擦面4の両端において平ベルト6が部分
的に屈曲するのを回避するとともに、摩擦面4に対する
平ベルト6の導入出を円滑に行わせるようにしている。
【0049】また、本実施形態では、一方向クラッチの
入力側である上記第2回転部材5における揺動部3自体
で上記初張力付与手段が構成されている。すなわち、こ
の初張力付与手段は、入力側である第2回転部材5の回
転に伴って常に発生する遠心力により揺動部3が半径方
向外方に変位して平ベルト6を押圧することで、該平ベ
ルト6に初張力を付与するようにしている。
【0050】次に、上記のように構成された一方向クラ
ッチの作動について説明する。一方向クラッチにおい
て、入力側である第2回転部材5にロック方向又はフリ
ー方向のいずれかの方向のトルクが入力されて回転する
と、該回転部材2の回転に伴って平ベルト6に初張力が
付与される。このことで、平ベルト6と、第1回転部材
1の摩擦面2及び第2回転部材5における揺動部3の摩
擦面4との間にそれぞれグリップ力が確保される。従っ
て、上記第2回転部材5の入力トルクは平ベルト6を介
して第1回転部材1に伝達されようとし、一方、第2回
転部材5の揺動部3はその揺動軸心Qの回りに回動す
る。
【0051】そして、上記第2回転部材5が第1回転部
材1に対しロック方向(図1の時計回り方向)に相対回
転したときには、揺動部3は、図1に仮想線で示すよう
に、平ベルト6の張力を上記初張力から増大させる方向
(図1の反時計回り方向)に回動する。これにより、平
ベルト6には初張力を超える張力が発生するので、平ベ
ルト6と各摩擦面2,4との間のグリップ力はそれぞれ
上昇する。よって、第1及び第2回転部材1,5間での
トルク伝達が確実に行われるとともに、その最大伝達ト
ルクが上昇する。つまり、一方向クラッチがロック状態
となる。
【0052】そして、その場合、上記入力トルクがさら
に増大し、それに応じて平ベルト6及び各摩擦面2,4
間でのスリップ発生率が上昇し、上記トルクが所定値に
達したときにスリップ率が急激に上昇して100%とな
る状態に移行するようにすると、それ以降は略一定のト
ルクのみが第1及び第2回転部材1,5間で伝達される
こととなる。このようにすれば、一方向クラッチは、過
度の入力トルクに対し一定のトルクのみを出力するトル
クリミッタとして機能できることになる。
【0053】一方、第2回転部材5が第1回転部材1に
対し、上記ロック方向とは逆のフリー方向(図1の反時
計回り方向)に相対回転したときには、揺動部3は平ベ
ルト6の張力を初張力から減少させる方向(図1の時計
回り方向)に回動する。この平ベルト6の張力の減少に
より該平ベルト6と各摩擦面2,4との間のグリップ力
が共に低下するので、このときには、第1及び第2回転
部材1,5間でのトルク伝達は行われない。つまり、一
方向クラッチはフリー状態となる。
【0054】したがって、本実施形態の一方向クラッチ
では、第1回転部材1外周の円環状摩擦面2と、第2回
転部材5における揺動部3外周の円弧状摩擦面4との間
に平ベルト6を巻き掛け、両回転部材1,5の相対回転
に伴って平ベルト6により揺動部3を揺動させ、その揺
動部3の揺動により平ベルト6の張力を初張力から増減
させるので、両回転部材1,5がロック方向に相対回転
して揺動部3が平ベルト6の張力を増大させる方向に回
動したときには、両回転部材1,5が一体的に回転する
ロック状態となってトルク伝達を行い、一方、両回転部
材1,5がフリー方向に相対回転して揺動部3が平ベル
ト6の張力を減少させる方向に回動したときには、両回
転部材1,5が相対回転可能なフリー状態となってトル
ク伝達を行わないようにすることができる。よって、従
来のローラ式やスプラグ式のものに比べて、構造が簡単
でありかつ高精度が要求されない低コストの一方向クラ
ッチを得ることができる。また、入力トルクに応じて最
大伝達トルクを上昇させることができるので、より確実
なトルク伝達を行うことができ、過大な入力トルクに対
しては一定のトルクのみを伝達するトルクリミッタの機
能を果たすことができる。さらに、過大な入力トルクに
より平ベルト6が破損した場合、そのベルト6を容易に
交換することができ、メンテナンス性にも優れる。
【0055】また、上記第2回転部材5を入力側に設定
して平ベルト6に初張力を付与するので、その初張力を
付与するための付勢部材等の特別の部品は別途不要であ
り、さらなる低コスト化を図ることができる。
【0056】また、上記第2回転部材5におけるVプー
リ12に、上記揺動部3と第1回転部材1の摩擦面2と
の間を第1回転部材1の回転軸心Pと平行に突出する円
弧状の支持壁18を有する補助部材14を取り付け、こ
の支持壁18の外周面上に揺動軸3を揺動可能にかつ周
方向に移動不能に係止支持したので、揺動部3に平ベル
ト6の張力が作用したときにも、その揺動部3の揺動軸
心Qを傾動させるモーメントは作用せず、そのモーメン
トに起因する変形が生じるのを回避できる。その結果、
例えば比較的薄い金属板を用いてプレスによる曲げ加工
等により、低コストでかつ変形し難い揺動部3を得るこ
とができる。
【0057】(実施形態2)図3及び図4は、本発明の
実施形態2に係る一方向クラッチの全体構成を示してい
る。尚、上記実施形態1と同じ部分には同じ符号を付し
ている。
【0058】本実施形態では、第1回転部材1は、外周
に円形状の摩擦面2が形成されかつ回転軸心Pの方向に
延びるボス部21aを有する平プーリ21と、この平プ
ーリ21のボス部21a上にボス部22aにて外嵌合さ
れた出力部材(入力部材に変更することもできる)とし
てのVプーリ22とを有する。上記平プーリ21のボス
部21a外周にはキー溝24が、またVプーリ22のボ
ス部22a内周には、平プーリ21のキー溝24と周方
向において合致するように位置決めされたキー溝23が
それぞれ回転軸心Pに沿って延びるように形成され、こ
れらキー溝23,24間にキー25が嵌入されており、
このことで平プーリ21とVプーリ22とが一体となっ
て回転するように連結されている。
【0059】一方、第2回転部材5は、上記第1回転部
材1における平プーリ21のボス部21a内に嵌挿され
た入力部材(出力部材に変更することもできる)として
のシャフト26と、このシャフト26の先端(図4の右
端)に回転一体に取り付けられた補助部材27と、揺動
部3とを有している。補助部材27は、図4に示すよう
に、シャフト26の先端にボス部28aにて取り付けら
れていて該ボス部28aから半径方向外方に向かって略
扇状に広がるアーム部28と、このアーム部28におい
て上記第1回転部材1の摩擦面2よりも半径方向外方に
位置する外周部に設けられた円弧状支持壁18とからな
っている。この第2回転部材5は第1回転部材1に対
し、シャフト26と第1回転部材1における平プーリ2
1のボス部21aとの間に介装したスリーブ状の軸受部
材29を介して相対回転可能に組み付けられている。ま
た、この軸受部材29及び平プーリ21のボス部21a
とアーム部28のボス部28aとの間にはワッシャ状の
摺動部材30が介装されている。
【0060】そして、本実施形態でも、上記実施形態1
と同様に、第2回転部材5が入力側に設定されており、
このことで、遠心力で移動する揺動部3によって平ベル
ト6に初張力が付与されるようになっている。尚、その
他の構成は実施形態1と同じであるので、その説明は省
略する。したがって、本実施形態によっても、上記実施
形態1と同じ作用効果を奏することができる。
【0061】(実施形態3)図5及び図6は、本発明の
実施形態3に係る一方向クラッチの全体構成を示してい
る。尚、上記実施形態1と同じ部分には同じ符号を付し
ている。
【0062】本実施形態では、第1回転部材1は、外周
に円形状の摩擦面2が形成された平プーリからなり、そ
のボス部1bは図6の左方向に向かって突出するように
延設されている。また、このボス部1bの内周には、該
ボス部1bに連結される図外のシャフトにキー結合する
ためのキー溝31が回転軸心Pに沿った方向に設けられ
ている。
【0063】一方、第2回転部材5は、上記第1回転部
材1のボス部1bにボス部32aにおいて外嵌合されか
つベアリング33を介して相対回転可能に組み付けられ
たカップ状の本体32と、この本体32にその開口を覆
うように複数本のボルト34,34,…により一体的に
取り付けられた円板状のカバー部材35とを有する。カ
バー部材35の中央には、上記図外のシャフトを挿通さ
せるための開口35aが設けられている。これら本体3
2及びカバー部材35は、本発明における1対の側壁を
構成している。
【0064】そして、上記第2回転部材5における平プ
ーリ1の摩擦面2の半径方向外方には、揺動部3をその
揺動軸心Qの回りに揺動可能に支持するための揺動軸3
6が配置されている。この揺動軸36は、揺動部3の揺
動軸心Qの位置に貫通形成した軸孔3cに挿通され、揺
動軸33の両端部はそれぞれ第2回転部材5の本体32
及びカバー部材35に支持されており、それら本体32
及びカバー部材35により揺動部3が揺動可能に支持さ
れている。また、本実施形態でも、上記実施形態1と同
様に第2回転部材5が入力側に設定されることで、平ベ
ルト6に初張力を付与するようにしている。
【0065】さらに、本実施形態では、上記第2回転部
材5が第1回転部材1に対しロック方向(図5で時計回
り方向)に回転して、揺動部3がその摩擦面4のロック
側摩擦面4b(図5の右側)で平ベルト6を押圧する方
向(図5の反時計回り方向)に所定量回動したとき、同
図に仮想線で示すように、該摩擦面4のフリー側摩擦面
4a(図5の左側)と対応する先端部3dが第1回転部
材1の摩擦面2に当接して該揺動部3のそれ以上の回動
が規制されるようになっている。
【0066】また、図6に示すように、上記第1回転部
材1と第2回転部材5との間のベアリング33は、平ベ
ルト6を通りかつ回転軸心Pと垂直な平面内に配置され
ており、このことで、該ベアリング33に平ベルト6の
張力によるモーメントが作用しないようになっている。
【0067】さらに、図7に示すように、上記第2回転
部材5の本体32(一方の側壁)には、伝動用ホィール
(入力用ホィール)としてのVプーリ37が脱着可能に
取り付けられている。すなわち、Vプーリ37は第1回
転部材1のボス部1b上にベアリング41を介して支持
され、このVプーリ37には周方向の複数箇所に回転軸
心Pと平行方向に延びるボルト挿通孔37a,37a,
…が形成されており、これらボルト挿通孔37a,37
a,…に挿通された取付ボルト38,38,…を、本体
32の周方向の複数箇所に予め設けたボルト孔32b,
32b,…に螺着することで、Vプーリ37が第2回転
部材5に回転一体に連結されている。
【0068】尚、上記ボス部1bに外嵌合されたベアリ
ング41は、Vプーリ37に加わる荷重をボス部1bに
相対回転可能に支承させるためのものである。また、第
1回転部材1のボス部1b外周には係止溝40が形成さ
れていて、この係止溝40にはCリング39が嵌着され
ており、このCリング39により上記ベアリング41を
抜き止めして係止するようにしている。
【0069】したがって、本実施形態によっても上記実
施形態1と同様の作用効果を奏することができる。ま
た、第1回転部材である平プーリ1に第2回転部材5を
相対回転可能に組み付けるためのベアリング33が平ベ
ルト6を通る平面内に配置されているので、そのベアリ
ング33に平ベルト6の張力によるモーメントが作用す
るのを回避することができる。このことによって、その
モーメントに対抗するために2つのベアリングを並設す
る場合に比べてベアリングの数が少なくて済むととも
に、モーメントによりベアリング33に加わる負担を軽
減することができる。
【0070】また、上記第2回転部材5が第1回転部材
1に対しロック方向に回転したときの揺動部3の所定量
以上の回動が、揺動部3の先端部3dと第1回転軸1外
周の摩擦面2との当接によって規制されるので、第1及
び第2回転部材1,5間での最大伝達トルクの上昇に歯
止めを加えることができる。このことによって、例えば
過負荷による平ベルト6の早期劣化等、上記最大伝達ト
ルクが上昇し続けることに起因する不具合の発生を未然
に防止することができる。
【0071】さらに、上記第2回転部材5の本体32に
Vプーリ37が脱着可能に取り付けられるので、このV
プーリ37を、第2回転部材5に駆動連結される駆動機
構(図示せず)の出力部に応じた種類のものとして取り
付ければよく、このことで一方向クラッチの汎用性を拡
大できるとともに、そのさらなる低コスト化が可能とな
る。
【0072】尚、この実施形態4において、Vプーリ3
7をそれ以外の伝動用ホィール(例えば歯車やスプロケ
ット等)に変更することもでき、第2回転部材5に駆動
連結される駆動機構の出力部に応じて適宜選択すること
ができる。
【0073】また、この実施形態4では、伝動用ホィー
ルとしてのVプーリ37を第2回転部材5の本体32に
着脱可能に取り付けているが、伝動用ホィールはカバー
部材35(他方の側壁)、又は本体32及びカバー部材
35の双方にそれぞれ着脱可能に取り付けるようにして
もよい。
【0074】(実施形態4)図8は本発明の実施形態4
に係る一方向クラッチの要部を示しており、この一方向
クラッチの全体構成は上記実施形態3と基本的に同じで
ある。
【0075】本実施形態では、図8に仮想線で示すよう
に、初張力付与手段は、揺動部3を摩擦面4のロック側
摩擦面4b(図8の右端側)が常に平ベルト6を押圧す
る方向(図8の反時計回り方向)に移動するように回動
付勢する付勢部材としての板ばね42により構成されて
いる。この板ばね42の基端部は第2回転部材5の本体
32内周面にボルト43により固定されている一方、先
端部は揺動部3の摩擦面4のフリー側摩擦面4a(図8
の左端側)をその上の平ベルト6に摺接しつつ該平ベル
ト6を介して押圧しており、この板ばね42の先端部に
よる押圧によって揺動部3を回動付勢するようにしてい
る。このことで、板ばね42により揺動部3を回動付勢
して平ベルト6に初張力を付与するので、第2回転部材
5を入力側に設定する必要のある上記実施形態1〜3と
は異なり、第2回転部材5に限らず第1回転部材1のい
ずれであっても自由に入力側に設定できるようになって
いる。
【0076】また、揺動部3の摩擦面4と平ベルト6と
の間の摩擦係数は、第1回転部材1の摩擦面2と平ベル
ト6との間の摩擦係数よりも小で、揺動部3の摩擦面4
は、平ベルト6に対し第1回転部材1の摩擦面2よりも
スリップし易く設定されている。尚、その他の構成は上
記実施形態3と同じであるので、説明は省略する。
【0077】上記のように構成された一方向クラッチに
おいて、第2回転部材5を入力側とした場合の作動につ
いて説明する。第2回転部材5が第1回転部材1に対し
フリー方向(図8で反時計回り方向)に回転して一方向
クラッチがフリー状態になったとき、平ベルト6の張力
が低下し、その第1回転部材1の摩擦面2及び第2回転
部材5の揺動部3の摩擦面4との間のグリップ力が共に
低下してそれぞれスリップが発生しようとする。このと
き、揺動部3は、その摩擦面4のフリー側摩擦面4aに
おいて平ベルト6を介して板ばね42から常に押されて
ロック側摩擦面4bが平ベルト6を押圧する方向に移動
するように回動付勢され、平ベルト6は揺動部3におけ
る摩擦面4のロック側摩擦面4bにおいて板ばね42の
押圧力を受けているので、この摩擦面4と平ベルト6と
の間で上記スリップは発生しない。従って、第1回転部
材1の摩擦面2との間のみにおいて平ベルト6のスリッ
プが発生するので、平ベルト6は第1回転部材1の摩擦
面2に対し第2回転部材5と共にフリー方向に走行移動
する。
【0078】一方、上記第2回転部材5が第1回転部材
1に対しロック方向(図8で時計回り方向)に回転して
一方向クラッチがロック状態となり、第1及び第2回転
部材1,5間で伝達されるトルクが最大伝達トルクに達
したときには、第1回転部材1の摩擦面2及び第2回転
部材5の揺動部3の摩擦面4のうちのいずれか一方と平
ベルト6との間にスリップが生じる。このとき、揺動部
3の摩擦面4の方が平ベルト6に対して第1回転部材1
の摩擦面2よりもスリップし易いので、平ベルト6のス
リップは第2回転部材5側の揺動部3の摩擦面4との間
でのみ生じる。よって、平ベルト6は第1回転部材1と
共に、第2回転部材5の摩擦面4に対し相対的にフリー
方向に走行移動する。
【0079】すなわち、上記平ベルト6は、第2回転部
材5がフリー方向に回転して一方向クラッチがフリー状
態になったときには第1回転部材1の摩擦面2との間の
みでスリップする一方、第2回転部材5がロック方向に
回転して一方向クラッチがロック状態になったときには
該第2回転部材5の揺動部3の摩擦面4との間のみでス
リップするので、入力トルクの回転方向の切換わりに応
じて平ベルト6が両回転部材1,5間を第2回転部材5
のフリー方向に循環移動することになる。その結果、平
ベルト6の局部的な劣化が回避されて、その長寿命化が
図られるようになる。
【0080】尚、第1回転部材1が入力側に設定された
場合には、該第1回転部材1の回転は第2回転部材5に
対し相対的であって、各々の回転方向が上記の場合とは
逆になるだけであるので、説明は省略する。したがっ
て、本実施形態においても、上記実施形態3と略同じ作
用効果を奏することができる。
【0081】(実施形態5)図9は、本発明の実施形態
5に係る一方向クラッチの要部を示しており、この一方
向クラッチの全体構成も上記実施形態3と基本的に同じ
である。
【0082】本実施形態では、揺動部3は、その揺動軸
心Qに対し周方向一端側(図9で左側)に位置するフリ
ー側部3eと周方向他端側(同右側)に位置するロック
側部3fとに分けられ、前者のフリー側部3eの長さが
後者のロック側部3fの長さに比べて小さく設定されて
いる。
【0083】また、摩擦部材としては有端の平ベルト6
が用いられており、この有端の平ベルト6の中間部は第
1回転部材1外周の摩擦面2に巻き掛けられている一
方、両端部6a,6bは、それぞれ上記揺動部3のフリ
ー側部3e及びロック側部3fの各外周面にビス45,
45を用いて止着されている。そして、両回転部材1,
5がロック方向(図9で第2回転部材5が時計回り方
向)に相対回転したときには、揺動部3が、そのロック
側部3fが平ベルト6を押圧する方向、詳しくは平ベル
ト6の端部6bを引いて半径方向外方に押す方向(図9
で反時計回り方向)に移動するように回動して、該平ベ
ルト6の張力を増大させる。一方、両回転部材1,5が
フリー方向(図9で第2回転部材5が反時計回り方向)
に相対回転したときには、揺動部3が、そのロック側部
3fが平ベルト6を押圧する方向とは逆の方向、詳しく
は平ベルト6の端部6bを戻して半径方向内方に引く方
向(図9で時計回り方向)に回動して、平ベルト6の張
力を減少させるようになされている。尚、その他の構成
は実施形態3と同じであるので説明は省略する。
【0084】したがって、本実施形態によれば、有端の
平ベルト6の両端部6a,6bが第2回転部材5の揺動
部3におけるフリー側部3e及びロック側部3fにそれ
ぞれ止着されているので、平ベルト6と第1回転部材1
の摩擦面2との間でのみそのグリップ力に応じたトルク
伝達の断接が行われる。よって、上記実施形態3と略同
じ作用効果を奏することができる。
【0085】尚、この実施形態5において、平ベルト6
を実施形態3と同様にエンドレスのものとし、その上で
ベルト6の一部を揺動部3の外周、例えばフリー側部3
e、ロック側部3f又は双方の各外周に止着するように
してもよい。
【0086】また、上記実施形態1(図1及び図2参
照)又は実施形態2(図3及び図4参照)において、無
端の平ベルト6に代えて有端の平ベルトを用いるととも
に、実施形態5の構成を採用するようにすることもでき
る。
【0087】さらに、上記各実施形態では、摩擦部材と
してゴム製の平ベルト6を用いているが、その材質や形
状は特に限定されるものではなく、例えば金属フープ等
を用いるようにしてもよく、摩擦部材であればよい。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明の
一方向クラッチでは、回転軸心を中心とする円環状の摩
擦面が外周に形成された第1回転部材と、この第1回転
部材に上記回転軸心回りに相対回転可能に組み付けら
れ、かつ第1回転部材の回転軸心と平行な揺動軸心回り
に揺動可能な揺動部を有していて、この揺動部に第1回
転部材の摩擦面の半径方向外方に位置する円弧状の摩擦
面が形成された第2回転部材と、第1回転部材及び揺動
部の各摩擦面間に巻き掛けられ、かつ初張力が付与され
る無端の摩擦部材とを備え、両回転部材がロック方向に
相対回転したときには、揺動部が摩擦部材の張力を初張
力から増大させる方向に回動する一方、フリー方向に相
対回転したときには、揺動部が摩擦部材の張力を初張力
から減少させる方向に回動するようにした。また、請求
項8の発明では、上記請求項1の発明における摩擦部材
を揺動部側に止着により固定するようにした。さらに、
請求項17の発明では、上記請求項8の発明における摩
擦部材を有端とし、その両端部を揺動部側に固定するよ
うにした。従って、これらの発明によると、従来よりも
構造が簡単でありかつ高精度の要求されない低コストの
一方向クラッチを得ることができる。また、入力トルク
に応じて最大伝達トルクを上昇させることができるの
で、より確実なトルク伝達を行うことができる。そし
て、必要に応じ、過大な入力トルクに対しては一定のト
ルクのみを伝達するトルクリミッタの機能を果たすこと
ができる。さらに、過大な入力トルクにより摩擦部材が
破損した場合でも容易に交換することができ、メンテナ
ンス性にも優れる。
【0089】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
における揺動部の摩擦面のうち、揺動軸心に対し周方向
一端側にあるフリー側摩擦面の長さを、周方向他端側に
あるロック側摩擦面よりも小さく設定し、両回転部材が
ロック方向に相対回転したときには、揺動部をロック側
摩擦面が摩擦部材を押圧する方向に移動するように回動
させて摩擦部材の張力を増大させる一方、両回転部材が
フリー方向に相対回転したときには、揺動部を上記ロッ
ク側摩擦面が摩擦部材を押圧する方向とは逆の方向に移
動するように回動させて摩擦部材の張力を減少させるよ
うにした。また、請求項9の発明では、請求項8の発明
における揺動部のうち、揺動軸心に対し周方向一端側に
あるフリー側部の長さを、周方向他端側のロック側部よ
りも小さく設定し、両回転部材がロック方向に相対回転
したときには、揺動部をロック側部が摩擦部材を押圧す
る方向に移動するように回動させて摩擦部材の張力を増
大させる一方、両回転部材がフリー方向に相対回転した
ときには、揺動部をロック側部が摩擦部材を押圧する方
向と逆の方向に移動するように回動させて摩擦部材の張
力を減少させるようにした。従って、これらの発明によ
ると、上記請求項1又は8の発明を具体化を図ることが
できる。
【0090】請求項3又は10の発明によると、請求項
2又は9の発明において、両回転部材がロック方向に相
対回転して揺動部のロック側摩擦面又はロック側部が摩
擦部材を押圧する方向に移動するように揺動部が所定量
回動したときに、それ以上の揺動部の回動を規制するよ
うにしたことにより、一方向クラッチにおける最大伝達
トルクの上昇に歯止めをかけることができ、例えば過負
荷による摩擦部材の早期劣化等、最大伝達トルクが上昇
し続けることに起因する不具合の発生の防止化を図るこ
とができる。
【0091】請求項4又は11の発明では、請求項2又
は9の発明において、第2回転部材を入力側に設定し、
第2回転部材の回転に伴って発生する遠心力により、揺
動部の摩擦面の少なくともロック側摩擦面又は揺動部の
ロック側部が摩擦部材を押圧して摩擦部材に初張力を付
与するようにしたことにより、付勢部材等の別部品を用
いることなく摩擦部材に初張力を付与することができ、
さらなる低コスト化を図ることができる。
【0092】請求項5又は12の発明によれば、請求項
2又は9の発明において、揺動部をそのロック側摩擦面
又はロック側部が摩擦部材を押圧する方向に回動付勢す
る付勢部材を設けたことにより、摩擦部材に初張力を付
与する初張力付与手段を具体的にかつ容易に得ることが
できる。
【0093】請求項6の発明によれば、上記請求項5の
発明における付勢部材を、揺動部のフリー側摩擦面をそ
のフリー側摩擦面上の摩擦部材に摺接しつつ該摩擦部材
を介して押圧して揺動部を回動付勢するように設けたこ
とにより、両回転部材がフリー方向に相対回転する一方
向クラッチのフリー状態で、第1回転部材の摩擦面上の
みにおいて摩擦部材をスリップさせることができる。
【0094】請求項7の発明によれば、上記請求項6の
発明における揺動部の摩擦面を、摩擦部材に対し第1回
転部材の摩擦面よりもスリップし易く設定したことによ
り、両回転部材がロック方向に相対回転する一方向クラ
ッチのロック状態のときに、揺動部の摩擦面のみにおい
て摩擦部材をスリップさせることができる。よって、入
力トルクの回転方向の切換わりに応じて摩擦部材を第1
回転部材及び揺動部の摩擦面間で循環移動させて摩擦部
材の局部的な劣化を回避でき、摩擦部材の長寿命化を図
ることができる。
【0095】請求項13の発明では、上記請求項1又は
8の発明において、第2回転部材に、第1回転部材の回
転軸心と平行に延びる円弧状の支持壁を設け、その支持
壁に揺動部を揺動可能にかつ周方向に移動不能に支持す
るようにした。また、請求項14の発明では、請求項1
又は8の発明において、第2回転部材に、揺動部の揺動
軸心方向の両側に対向して配置された1対の側壁を設
け、それら両側壁間に揺動部を揺動可能に支持するよう
にした。従って、これらの発明によると、摩擦部材の張
力による荷重に対して変形し難い揺動部を低コストで得
ることができる。
【0096】請求項15の発明によれば、上記請求項1
4の発明において、第2回転部材の1対の側壁のうちの
いずれか一方に伝動用ホィールを脱着可能に取り付けた
ことにより、一方向クラッチの汎用性の拡大及びより一
層の低コスト化を図ることができる。
【0097】請求項16の発明によれば、請求項13又
は14の発明において、第2回転部材をベアリングを介
して第1回転部材に相対回転可能に組み付け、摩擦部材
を通る平面内に上記ベアリングを配置したことにより、
摩擦部材の張力による荷重をベアリングに効率よくかつ
少ない負担で支承させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る一方向クラッチを示
す正面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】本発明の実施形態2に係る一方向クラッチを示
す図1相当図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】本発明の実施形態3に係る一方向クラッチの内
部をカバー部材を取り外して示す図1相当図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】Vプーリが取り付けられた状態を示す図6相当
図である。
【図8】本発明の実施形態4に係る一方向クラッチの内
部を示す図5相当図である。
【図9】本発明の実施形態5に係る一方向クラッチの内
部を示す図5相当図である。
【図10】従来のローラ式一方向クラッチの要部を模式
的に示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 第1回転部材 2 摩擦面 3 揺動部 3e フリー側部 3f ロック側部 4 摩擦面 4a フリー側摩擦面 4b ロック側摩擦面 5 第2回転部材 6 平ベルト(摩擦部材) 18 支持壁 32 本体(側壁) 33 ベアリング 35 カバー部材(側壁) 37 Vプーリ(伝動用ホィール) 42 板ばね(付勢部材) P 回転軸心 Q 揺動軸心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−317796(JP,A) 特開 平8−270687(JP,A) 特開 昭50−49567(JP,A) 実開 昭58−187629(JP,U) 実開 昭57−147425(JP,U) 実開 昭49−102458(JP,U) 実公 昭43−20649(JP,Y1) 実公 昭46−6419(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16D 41/02 - 41/20

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周に回転軸心を中心とする円環状の摩
    擦面が形成された第1回転部材と、 上記第1回転部材に対し上記回転軸心回りにロック方向
    又はフリー方向に相対回転可能に組み付けられ、かつ上
    記第1回転部材の回転軸心と平行な揺動軸心回りに揺動
    可能な揺動部を有し、該揺動部に第1回転部材の摩擦面
    の半径方向外方に位置する円弧状の摩擦面が形成された
    第2回転部材と、 上記第1回転部材の摩擦面と揺動部の摩擦面との間に巻
    き掛けられ、揺動部の揺動に応じて張力が増減する無端
    の摩擦部材とを備え、 上記摩擦部材は、両回転部材の相対回転方向に応じて上
    記揺動部が揺動するように初張力が付与されており、 上記両回転部材がロック方向に相対回転したときには、
    上記揺動部が上記摩擦部材の張力を初張力から増大させ
    る方向に回動する一方、フリー方向に相対回転したとき
    には、揺動部が摩擦部材の張力を初張力から減少させる
    方向に回動するように構成されていることを特徴とする
    一方向クラッチ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一方向クラッチにおい
    て、 揺動部の摩擦面のうち、揺動軸心に対し周方向一端側に
    位置するフリー側摩擦面の長さが、周方向他端側に位置
    するロック側摩擦面の長さに比べて小さく設定されてお
    り、 両回転部材がロック方向に相対回転したときには、上記
    ロック側摩擦面が摩擦部材を押圧する方向に移動するよ
    うに上記揺動部が回動して該摩擦部材の張力を増大させ
    る一方、両回転部材がフリー方向に相対回転したときに
    は、上記ロック側摩擦面が上記摩擦部材を押圧する方向
    とは逆の方向に移動するように揺動部が回動して摩擦部
    材の張力を減少させるように構成されていることを特徴
    とする一方向クラッチ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の一方向クラッチにおい
    て、 両回転部材がロック方向に相対回転してロック側摩擦面
    が摩擦部材を押圧する方向に移動するように揺動部が所
    定量回動したときに、該揺動部のそれ以上の回動が規制
    されるように構成されていることを特徴とする一方向ク
    ラッチ。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の一方向クラッチにおい
    て、 第2回転部材は入力側に設定されており、 上記第2回転部材の回転に伴って発生する遠心力により
    揺動部の少なくともロック側摩擦面が摩擦部材を押圧す
    ることで、該摩擦部材に初張力が付与されるように構成
    されていることを特徴とする一方向クラッチ。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の一方向クラッチにおい
    て、 付勢部材により揺動部をロック側摩擦面が摩擦部材を押
    圧するように回動付勢することで、摩擦部材に初張力が
    付与されるように構成されていることを特徴とする一方
    向クラッチ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の一方向クラッチにおい
    て、 付勢部材は、揺動部のフリー側摩擦面上の摩擦部材に摺
    接しつつ該摩擦部材を介して上記フリー側摩擦面を押圧
    して揺動部を回動付勢するように設けられていることを
    特徴とする一方向クラッチ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の一方向クラッチにおい
    て、 揺動部の摩擦面と摩擦部材との間の摩擦係数は、第1回
    転部材の摩擦面と摩擦部材との間の摩擦係数よりも小で
    あることを特徴とする一方向クラッチ。
  8. 【請求項8】 外周に回転軸心を中心とする円環状の摩
    擦面が形成された第1回転部材と、 上記第1回転部材に対し上記回転軸心回りにロック方向
    又はフリー方向に相対回転可能に組み付けられ、かつ第
    1回転部材の回転軸心と平行な揺動軸心回りに揺動可能
    な揺動部を有する第2回転部材と、 上記第1回転部材の摩擦面と揺動部との間に巻き掛けら
    れ、かつ上記揺動部に止着され、揺動部の揺動に応じて
    張力が増減する摩擦部材とを備え、 上記摩擦部材は、両回転部材の相対回転方向に応じて上
    記揺動部が揺動するように初張力が付与されており、 上記両回転部材がロック方向に相対回転したときには、
    上記揺動部が上記摩擦部材の張力を初張力から増大させ
    る方向に回動する一方、フリー方向に相対回転したとき
    には、揺動部が摩擦部材の張力を初張力から減少させる
    方向に回動するように構成されていることを特徴とする
    一方向クラッチ。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の一方向クラッチにおい
    て、 揺動部のうち、揺動軸心に対し周方向一端側に位置する
    フリー側部の長さが、周方向他端側に位置するロック側
    部の長さに比べて小さく設定されており、 両回転部材がロック方向に相対回転したときには、上記
    ロック側部が摩擦部材を押圧する方向に移動するように
    上記揺動部が回動して該摩擦部材の張力を増大させる一
    方、両回転部材がフリー方向に相対回転したときには、
    上記ロック側部が上記摩擦部材を押圧する方向とは逆の
    方向に移動するように揺動部が回動して摩擦部材の張力
    を減少させるように構成されていることを特徴とする一
    方向クラッチ。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の一方向クラッチにおい
    て、 両回転部材がロック方向に相対回転してロック側部が摩
    擦部材を押圧する方向に移動するように揺動部が所定量
    回動したときに、該揺動部のそれ以上の回動が規制され
    るように構成されていることを特徴とする一方向クラッ
    チ。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の一方向クラッチにおい
    て、 第2回転部材は入力側に設定されており、 上記第2回転部材の回転に伴って発生する遠心力により
    揺動部の少なくともロック側部が摩擦部材を押圧するこ
    とで、該摩擦部材に初張力が付与されるように構成され
    ていることを特徴とする一方向クラッチ。
  12. 【請求項12】 請求項9記載の一方向クラッチにおい
    て、 付勢部材により揺動部をロック側部が摩擦部材を押圧す
    るように回動付勢することで、摩擦部材に初張力が付与
    されるように構成されていることを特徴とする一方向ク
    ラッチ。
  13. 【請求項13】 請求項1又は8記載の一方向クラッチ
    において、 第2回転部材は、第1回転部材の回転軸心と平行に延び
    る支持壁を有し、 揺動部は上記支持壁に揺動可能にかつ周方向に移動不能
    に支持されていることを特徴とする一方向クラッチ。
  14. 【請求項14】 請求項1又は8記載の一方向クラッチ
    において、 第2回転部材は、揺動部の揺動軸心方向の両側に対向し
    て配置された1対の側壁を有し、 揺動部は上記両側壁間に揺動可能に支持されていること
    を特徴とする一方向クラッチ。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の一方向クラッチにお
    いて、 第2回転部材の1対の側壁のうちのいずれか一方に伝動
    用ホィールが脱着可能に取り付けられていることを特徴
    とする一方向クラッチ。
  16. 【請求項16】 請求項13又は14記載の一方向クラ
    ッチにおいて、 第2回転部材は、ベアリングを介して第1回転部材に相
    対回転可能に組み付けられており、 上記ベアリングは、摩擦部材を通る平面内に配置されて
    いることを特徴とする一方向クラッチ。
  17. 【請求項17】 請求項8の一方向クラッチにおいて、 摩擦部材は、中間部が第1回転部材の摩擦面に巻き掛け
    られている一方、両端部が揺動部に止着された有端のも
    のであることを特徴とする一方向クラッチ。
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