JP2867244B2 - 木目模様樹脂の押し出し成形法及び柾目模様樹脂被覆鋼管 - Google Patents

木目模様樹脂の押し出し成形法及び柾目模様樹脂被覆鋼管

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JP2867244B2 JP8281052A JP28105296A JP2867244B2 JP 2867244 B2 JP2867244 B2 JP 2867244B2 JP 8281052 A JP8281052 A JP 8281052A JP 28105296 A JP28105296 A JP 28105296A JP 2867244 B2 JP2867244 B2 JP 2867244B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主に樹脂被覆鋼
管の被覆樹脂、あるいは鋼管と一体に成形される平板部
分の表面、又は押し出し成形される合成樹脂板の表面等
々に、特には柾目の木目模様樹脂を安定状態に被覆形成
する押し出し成形法と、前記の押し出し成形法によって
製造された柾目模様樹脂被覆鋼管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、比較的厚肉の板材等を押し出し成
形する方法において、軟化溶融流動性が悪いポリ塩化ビ
ニル等の熱可塑性合成樹脂に、分散性の悪い着色ペレッ
トを混合して押し出し成形することにより、分散不良の
色むら現象を起こさせ、この色むらを木目模様とする成
形法が一般的に行われている。しかし、ポリ塩化ビニル
樹脂は、耐侯性、接着性に優れているものの、廃棄処分
の際に焼却すると、黒煙を発し、有害な塩素ガスを発生
して公害問題が起こる。
【0003】そこで公害問題を回避するため、ポリ塩化
ビニル樹脂に代わってABS樹脂、或いはAAS樹脂等
の採用が容易に考えられる。しかし、この種の樹脂は溶
融時の流動性が良いので、特に樹脂被覆鋼管のように被
覆樹脂を1mm以下の薄肉層状に被覆する際には、着色ペ
レットの分散、混合に拍車をかける結果となり、結局は
全体の色調を変えてしまうだけで、希望する木目模様を
形成できないという問題がある。つまり、単純に廃棄処
理、焼却処分が容易、安全な熱可塑性合成樹脂を使用
し、分散性の悪い着色ペレットを混合して押し出し成形
しても、押し出し成形機により薄肉層状に押し出される
際に着色ペレットが混練されてしまうから、木目模様の
成形は困難である。
【0004】次に、本出願人による先の特願平7−27
7669号(平成7年10月25日出願)に係る発明
は、樹脂被覆鋼管の被覆樹脂に木目模様を形成する押し
出し成形法と木目模様樹脂被覆鋼管を提供する。同発明
によれば、廃棄処分、焼却処分が容易で公害問題の無い
ABS樹脂,AAS樹脂等の流動性が良好な合成樹脂を
使用して、木目模様の形成を可能にする。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】上記特願平7−27
7669号に係る先願発明は、樹脂被覆鋼管の被覆樹脂
に木目模様を形成する押し出し成形法と木目模様樹脂被
覆鋼管を提供するが、この場合、木目模様は、管軸方向
にほぼ平行な筋状の色模様が分散不良の色むらとして形
成される。
【0006】しかしながら、先願発明の場合は、加熱筒
シリンダの先端のクロスダイスから押し出された軟化溶
融樹脂が、同ダイスを貫通して進む薄肉鋼管の外周面を
薄く層状に被覆する構成、方法であるため、クロスダイ
スから押し出された溶融樹脂は、図11に誇張して表現
したように樹脂の押し出し点Aを起点として薄肉鋼管1
0の円周を二分する二つの流れB1 、B2 に分岐して進
み、前記押し出し点Aとは約180°反対の部位Pで再
び合流し、この合流点Pに前記二つの溶融樹脂の流れB
1 、B2 の合流跡であるウエルドラインRを軸線方向に
発生する。このウエルドラインRを表面から見ると、明
確な筋状に視認され、反対側(A側)の木目模様との差
異が目立つことになる。
【0007】その上、前記木目模様の成形は、多色の着
色ペレットが混入された合成樹脂を、加熱筒シリンダで
軟化溶融しスクリューを回転しながら押し出すため、ク
ロスダイス内での着色ペレットは断続的な筋状の螺旋を
描き、鋼管10の外周面を軸線と直角方向に覆うことに
なる。その結果、溶融樹脂の二つの流れB1 、B2 は、
加熱筒側の押し出し点Aの近傍では螺旋状の所謂色むら
が押し広げられて幅広に形成される。これに対して、1
80°反対側の合流点Pでは鋼管の外周を両側から巻き
込む形の二つの樹脂の流れB1 、B2 に従い筋状の着色
ペレットは鋼管の軸線方向に変化して幅狭に形成され、
要するに鋼管の表裏の木目模様は異なって現れ安定しな
い。無論、柾目の木目模様、あるいは要求される通りの
木目模様を正確、確実に安定して成形することは望み得
ないことである。
【0008】従って、本発明の目的は、上記先願発明の
技術的思想に立脚し、これを改良して鋼管の被覆樹脂、
或いは押し出し成形される平板部材等の表面に木目模様
を形成することを可能ならしめること、特には鋼管の円
周方向又は平板部材の幅方向に均等な所謂柾目の木目模
様、あるいは要求される通りの木目模様を正確、確実に
安定して形成することが可能な木目模様樹脂の押し出し
成形法、及び柾目模様樹脂被覆鋼管を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段として、請求項1の発明に係る木目模様樹脂の
押し出し成形法は、木粉を混合した、軟化溶融流動性が
良好な熱可塑性合成樹脂に、該樹脂よりも軟化溶融温度
が高い黒、茶、赤その他多色の着色耐熱グレードペレッ
トを混入し、押し出し成形機の加熱筒における中央部付
近から前方部分の加熱温度を165℃〜180℃の範囲
に設定すること、ダイスの溶融樹脂流路に、軟化溶融樹
脂の流れを分配する複数の仕切りを設けて、樹脂の流れ
に同数のウエルドラインを発生させつつ押し出し成形す
ること、をそれぞれ特徴とする。
【0010】前記請求項1に記載した仕切りは、溶融樹
脂流路を等分する配置又は非等分の配置で複数設けて成
形することを特徴とする。前記請求項1又は2に記載し
た仕切りは、ダイス又は口金のいずれか一方、又は双方
に設けて成形することを特徴とする。次に、請求項4記
載の発明に係る柾目模様樹脂被覆鋼管は、木粉を混合し
た、軟化溶融流動性が良好な熱可塑性合成樹脂に、該樹
脂よりも軟化溶融温度が高い黒、茶、赤その他多色の着
色耐熱グレードペレットが混入し、押し出し成形機の加
熱筒における中央部付近から前方部分の加熱温度を16
5℃〜180℃の範囲に設定して薄肉鋼管の外周を被覆
するように押し出し成形されており、且つ溶融樹脂流路
に軟化溶融樹脂の流れを薄肉鋼管の円周を等分して分配
する配置で複数の仕切りを設け、分配された樹脂の流れ
に同数のウエルドラインを軸方向に発生させ、見た目に
柾目と感得される木目模様が形成されていることを特徴
とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、上記特願平7−277
669号に係る発明の技術的思想と全く同様に、廃材の
焼却処分の際に黒煙や有害ガスを発生する問題がなく、
木粉を混合比率20%〜40%混合し、加熱したときの
軟化溶融流動性が良好な熱可塑性合成樹脂、具体的には
ABS樹脂、AAS樹脂等を使用し、前記樹脂よりも軟
化溶融温度が20℃前後高い多色の着色耐熱グレードペ
レットを混入し、押し出し成形機の加熱筒における中央
部付近から前方部分の加熱温度を165℃〜180℃の
範囲に設定して押し出し成形する方法として実施され
る。
【0012】従って本発明も、基本的に図1に例示した
クロスダイス形式の押し出し成形機を使用して実施され
る。図1の押し出し成形機の主要部の構造概要を説明す
ると、加熱筒シリンダCの中にスクリューSが一定方向
への回転動作が自在に挿入されている。加熱筒シリンダ
Cの先端部にヘッドHが設けられ、このヘッドHにクロ
スダイスDが前記加熱筒シリンダCと直角な向きに取り
付けられている。このクロスダイスDを、前記加熱筒シ
リンダCと直角な方向に薄肉鋼管10が貫通し、軟化溶
融樹脂の押し出しと同調して矢印K方向へ前進する構成
とされている。スクリューSの回転動作によって加熱筒
シリンダCから押し出された軟化溶融樹脂は、クロスダ
イスDを介して薄肉鋼管10の外周面に均一な薄肉層状
に被覆される。
【0013】もっとも、柾目の木目模様を形成する手段
としては、前記クロスダイスD又は口金9のいずれか一
方又は双方に、図3又は図8に示したように、溶融樹脂
流路に軟化溶融樹脂の流れを分配する複数の仕切り4
を、木目模様のデザイン設計に従って等分の配置又は非
等分の配置に設けて成形する。その成形結果の一態様と
して、請求項4に記載した柾目模様の樹脂被覆鋼管(図
5を参照)或いは図9の木目模様平板部材を得ることが
出来る。
【0014】本発明の成形法によると、木粉を混合した
軟化溶融流動性が良好な合成樹脂は、押し出し成形機の
加熱筒における基部(図1の左方部分)から中央部付近
まで(区分C1 〜C2 )の加熱温度を140℃〜160
℃程度に低く設定しているので、軟化、溶融をはじめる
ものの、軟化温度乃至軟化溶融温度が20℃程度高い多
色の耐熱グレードペレットが前記の加熱温度で軟化、溶
融することはない。その後、樹脂原料は加熱筒の中央部
付近から高温域(区分C3 〜C4 )へと進み、更に軟化
溶融が進んで流動性を増すが、一方、多色の耐熱グレー
ドペレットは徐々に軟化、溶融をはじめ糸状に引き伸ば
される。そして、ヘッドH、クロスダイスDを経て鋼管
10の外周面に被覆される過程で軟化溶融樹脂は更に圧
縮され、各着色ペレットは筋状の木目模様(色模様)を
形成する。
【0015】図1の加熱筒シリンダCを軸線方向に区分
した4箇所C1 〜C4 の設定温度、及びクロスダイスD
を薄肉鋼管10の貫通方向に区分した2箇所D1 ,D2
の設定温度が、木目模様の形成に重大な影響を及ぼすも
のとして調節される。押し出し成形機の各部位別の温度
条件と、着色ペレットの変化を以下に概説する。 (加熱筒C) 部位 C1 ; 温度145℃; ペレットの変化なし C2 ; 温度160℃; ペレットの変化なし C3 ; 温度165℃; ペレットが少し伸びる C4 ; 温度175℃; ペレットは15〜30mmに伸びる (ヘッドH) 温度200℃; ペレットはやや細く連続した伸び (ダイスD) D1 ; 温度200℃; ペレットは細い糸状に連続した伸び D2 ; 温度210℃; ペレットは筋状に連続した伸び 要するに、加熱筒の中央部付近から前方部分(区分C3
〜C4 )の温度が165℃〜175℃の範囲になると、
良好な木目模様が形成される。
【0016】木粉を混合された合成樹脂原料は加熱筒の
1 〜C4 の各部位において軟化溶融されると、木粉独
特の木の色と言える薄茶色の生地色となる。黒、茶、赤
その他の着色耐熱グレードペレットは、主原料のABS
樹脂に対して、軟化溶融温度を20℃前後高く設定され
ているから、加熱筒の低温域C1 〜C2 区分では未だ軟
化溶融されず、ペレットの原形状態を保つ。
【0017】加熱筒の中央部付近から前方部分(区分C
3 〜C4 )の高温域へ進むに従い、着色耐熱グレードペ
レットは徐々に軟化溶融をはじめ、既に軟化溶融が進ん
で流動状態の樹脂の流れに従い糸状に引き伸ばされる。
一例として、加熱筒シリンダの中で軟化溶融され成形に
適するように流動性を増した樹脂層の厚さは区分C1
12mm、C2 で6mm、C3 及びC4 では3mmと順次圧縮
され薄く引き延ばされる。
【0018】着色ペレットも軟化溶融の度合いを増し、
ヘッドHの細く絞られた湯道12を通過する際に更に引
き伸ばされ、細く長い糸状に断続した伸び状態となる。
更にクロスダイスDに進むと、その第1の区分D1 にお
いて既に薄肉鋼管10の外周面に被覆されるが、このと
きの軟化溶融樹脂の層厚は2mmに圧縮されて着色ペレッ
トはやや広がり、くっきりとした糸状を呈する。つづい
て、第2の区分D2 に至ると、軟化溶融樹脂層厚は1mm
に絞られるから、着色ペレットはさらに広がって筋状に
断続した模様となり、その色模様は見た目に木目模様と
なって感得される。
【0019】なお、加熱筒の高温域であるべき中央部付
近から前方部分(区分C3 〜C4 )の温度が低すぎる
(例えば150℃〜160℃ぐらい)と、着色ペレット
はこれらの部位をペレットの原形状態(粒状)のまま通
過してクロスダイスへ送られてしまう。このような場合
に、ヘッドH、クロスダイスDの部位で急激に温度上昇
させても、着色ペレットは軟化溶融が遅れてそのまま押
し出され、粒状の色むら、節状の斑点模様だけとなって
しまう。逆に、加熱筒の中央部付近から前方部分(区分
3 〜C4 )の温度が高すぎる(例えば190℃以上)
ときは、加熱筒内で着色ペレットが軟化溶融が進み流動
性を生じて、混練、分散されてしまい、全体の色調(地
色)が黒く変化するのみであって、木目模様が形成され
ない。
【0020】
【実施例】次に、図2〜図5に示した、言うなれば請求
項4記載の発明に係る柾目模様樹脂被覆鋼管を押し出し
成形する実施例について説明する。請求項1に記載した
発明の特徴の第1点として、木粉を混合した、流動性が
良好な熱可塑性の合成樹脂に、前記合成樹脂よりも溶融
温度を20℃程度高く設定した黒、茶、赤その他多色の
着色耐熱グレードペレットを混入させ、図1に示したよ
うな押し出し成形機の加熱筒Cにおける中央部付近から
前方部分C3 〜C4の加熱温度を165℃〜180℃の
範囲で軟化溶融させることは、既に図1に基いて概説し
たとおりである。
【0021】因に、熱可塑性合成樹脂の配合例を具体的
に示すと、以下の通りである。 (その1) 木粉を40%混合したABS樹脂を 74重量%、 黒色ABS耐熱グレードペレットを 10重量%、 茶色ABS耐熱グレードペレットを 10重量%、 赤色ABS耐熱グレードペレットを 6重量%、 これらの配合原料は混合を行い、ホッパー13を通じて
押し出し成形機へ供給し、薄肉鋼管の予め接着剤が塗布
された外周面へ被覆し接着を行う。
【0022】 (その2) 木粉を40%混合したABS樹脂を 71.5重量%、 ベージュ色ABS耐熱グレードペレットを 20重量%、 オレンジ色ABS耐熱グレードペレットを 8.5重量%、 この被覆樹脂は薄茶色の生地とし乳白色の木目模様を形
成する。
【0023】 (その3) 木粉を40%混合したAAS樹脂を 74重量%、 黒色AAS耐熱グレードペレットを 10重量%、 茶色AAS耐熱グレードペレットを 10重量%、 赤色AAS耐熱グレードペレットを 6重量%、 請求項1に記載した発明の特徴の第2点は、図1に記載
したような押し出し成形機に適用されるクロスダイスの
軟化溶融樹脂流路に、流動性樹脂の流れを分配する複数
の仕切りを設け、樹脂の流れに同数のウエルドラインを
発生させつつ押し出し成形することである。
【0024】図2は、本発明の押し出し成形法を実施す
るため改良したクロスダイス11を示している。このク
ロスダイス11は、図1に示したような押し出し成形機
に適用されるもので、加熱筒からヘッドHに続く湯道2
は薄肉鋼管10の外周に到達した部位で同鋼管の外周を
円周方向に巡る二つの流路3a、3bに分岐され、さら
に四つに分岐される。その先は図3に展開図を示したよ
うに薄肉鋼管10の円周を16等分する配置とした複数
の仕切り4…を設けて樹脂の流れを16に分配した流路
B…に構成されている。従って、各流路Bを経て薄肉鋼
管10の外周面を被覆する樹脂は、図4に誇張した概念
図を示したように薄肉鋼管10の円周を16等分したウ
エルドラインRと、その近傍に着色ペレットの断続した
筋を軸線方向に平行に形成する。こうして製造された樹
脂被覆鋼管の外観は、図5に例示したように、円周方向
に等間隔で軸線方向に平行なウエルドラインR…が恰も
柾目の木目模様を感得させるのである。
【0025】上記クロスダイス11の仕切り4は、木目
模様のデザイン設計に従い、溶融樹脂流路を等分する配
置又は非等分の配置で複数設けて実施される。非等分の
配置としたときは、間隔が不揃いな柾目状の木目模様と
なる。前記の仕切り4はまた、前記クロスダイス11の
溶融樹脂通路又は口金5のいずれか一方、又は双方に設
けて成形することができる。これも木目模様の設計如何
による。
【0026】(第2の実施例)図10A,Bは、図2と
同様に、薄肉鋼管10の外周に合成樹脂を被覆するクロ
スダイス11の口金9に、溶融樹脂の流れを分配する複
数の仕切り4…を、円周を等分した配置に設けた実施例
を示している。この構造の口金9によって(単独で
も)、上述したように鋼管10の軸線方向に平行なウエ
ルドラインRを、前記仕切り4と同様な配置で同数だけ
形成でき、成形した樹脂被覆鋼管の外観に柾目の木目模
様を感得させることができる。勿論、上述した第1実施
例のクロスダイスの仕切りと併用することにより、一層
確実、正確に安定状態に成形することが可能となる。
【0027】(第3の実施例)次に、図6〜図9は図9
に示したように押し出し成形された被覆樹脂と合一に接
線方向の平板部分6が一体成形された鋼管部材の前記平
板部分6の上面に、軸線方向に平行な柾目の木目模様層
7を押し出し成形するために改良されたクロスダイス1
5を示している。
【0028】このクロスダイス15の場合は、成形機の
加熱筒Cに続く湯道2が成形対象の平板部分6の近傍で
同平板部分6の幅寸よりも少し大きい位に拡幅され、そ
の最大幅部位の樹脂流路に横一線の並びで、樹脂の流れ
を分配する複数の仕切り4…が所定の間隔で設けられて
いる。前記仕切り4を設けた部位から先は、再び平板部
分の木目模様層7の被覆幅に一致するように幅寸が緩や
かに縮小される(図7、図8)と共に同流路2′の深さ
も最終的には木目模様樹脂の被覆層厚さと等しくなる程
度に絞られている(図6参照)。
【0029】また、このクロスダイス15は、薄肉鋼管
10の外周面に合成樹脂を被覆するのと同時に前記平板
部分6を一体に押し出し成形するための口金8も鋼管の
進行方向Kに前後する配置で合一に設けられている。従
って、成形機で押し出された軟化溶融樹脂は、クロスダ
イス15の仕切り4で区分された流路を通過した後若干
圧縮されつつ再び合流して平板部分6の上面に被覆され
るから、図8に誇張した概念図を示したように、木目模
様被覆樹脂7の全幅を等分した配置のウエルドラインR
と共に着色ペレットの筋が軸線方向に平行に形成され
る。こうして製造された平板部分6の木目模様層7の外
観は、図9に例示したように、幅方向に等間隔で軸線方
向に平行なウエルドラインR…が恰も柾目の木目模様を
感得させるのである。
【0030】本実施例の場合にも、上記クロスダイス1
5の仕切り4は、木目模様のデザイン設計に従い、樹脂
流路を等分する配置又は非等分の配置で複数設けて実施
される。非等分の配置としたときは、間隔が不揃いな柾
目状の木目模様となる。 上記第2の実施例を展開する
と、押し出し成形された平面状又は曲面状の板状部材に
も全く同様な技術として、木目模様、特には柾目模様の
樹脂被覆を行えることを理解されるであろう。
【0031】本発明はまた、必要に応じて大小様々な大
きさの鋼管について実施することができる。
【0032】
【本発明が奏する効果】本発明によれば、樹脂被覆鋼管
の被覆樹脂の材質を、焼却処分しても黒煙、有害ガスな
どの点で公害の問題が発生しないものとすることができ
ると共に、その被覆樹脂に良好な木目模様を押し出し成
形法によって安定に能率良く形成することができ、樹脂
被覆鋼管の意匠的価値及び経済価値を高めることができ
る。そして、このような木目模様樹脂被覆鋼管を使用場
所、用途に応じて使用することによって構築物の意匠的
美観の向上に寄与できるのである。
【0033】更に本発明は、押し出し成形された平板部
材等の表面に木目模様を成形することを可能ならしめる
こと、あるいは鋼管の円周方向又は平板部材の幅方向に
均等な所謂柾目の木目模様、あるいは要求される通りの
木目模様を正確、確実に安定して成形することが可能
で、これらの意匠的価値及び経済価値を一層高め、木目
模様樹脂被覆鋼管等の使用場所、用途に応じ構築物の意
匠的美観の向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形法に使用される押し出し成形機の
主要部の断面図である。
【図2】本発明の第1実施例に使用するクロスダイスの
断面図である。
【図3】図2の3−3線に沿って切断し上記クロスダイ
スの溶融樹脂流路と仕切りの配置を示した展開図であ
る。
【図4】鋼管被覆樹脂の流れとウエルドラインの配置を
示した概念図である。
【図5】成形された柾目模様樹脂被覆鋼管の斜視図であ
る。
【図6】本発明の第2実施例に使用するクロスダイスの
断面図である。
【図7】図6の7−7線に沿って切断し上記クロスダイ
スの溶融樹脂流路と仕切りの配置を示した断面図であ
る。
【図8】図7の溶融樹脂流路と仕切りの配置を拡大して
示した断面図である。
【図9】平板部分に柾目模様の樹脂被覆を成形された鋼
管の斜視図である。
【図10】A、Bは第2実施例を示したもので、AはB
の10´−10´線に沿って切断した口金の断面図、B
はAの10−10線に沿って切断した口金部分の断面図
である。
【図11】従来の被覆樹脂の流れとウエルドラインの形
成を示した概念図である。
【符号の説明】 C 加熱筒 C3 〜C4 加熱筒の中央部付近から前方部分 4 仕切り 2、2′ 溶融樹脂流路 9 口金 10 薄肉鋼管 R ウエルドライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−50270(JP,A) 特開 昭57−135168(JP,A) 特開 平6−279065(JP,A) 特開 昭53−1262(JP,A) 特開 昭54−155259(JP,A) 特開 平7−277669(JP,A) 実開 昭56−120217(JP,U) 実開 昭57−157612(JP,U) 特許2757155(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 47/00 - 47/96 B32B 1/08 B32B 15/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木目模様樹脂を押し出し成形する方法で
    あって、木粉を混合した、軟化溶融流動性が良好な熱可
    塑性合成樹脂に、該樹脂よりも軟化溶融温度が高い黒、
    茶、赤その他多色の着色耐熱グレードペレットを混入
    し、押し出し成形機の加熱筒における中央部付近から前
    方部分の加熱温度を165℃〜180℃の範囲に設定す
    ること、 ダイスの溶融樹脂流路に、軟化溶融樹脂の流れを分配す
    る複数の仕切りを設け、樹脂の流れに同数のウエルドラ
    インを発生させつつ押し出し成形すること、をそれぞれ
    特徴とする、木目模様樹脂の押し出し成形法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した仕切りは、溶融樹脂
    流路を等分する配置又は非等分の配置で複数設けて成形
    することを特徴とする、木目模様樹脂の押し出し成形
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載した仕切りは、ダ
    イス又は口金のいずれか一方、又は双方に設けて成形す
    ることを特徴とする、木目模様樹脂の押し出し成形法。
  4. 【請求項4】 樹脂被覆鋼管の被覆樹脂は、木粉を混合
    した、軟化溶融流動性が良好な熱可塑性合成樹脂に、該
    樹脂よりも軟化溶融温度が高い黒、茶、赤その他多色の
    着色耐熱グレードペレットを混入し、押し出し成形機の
    加熱筒における中央部付近から前方部分の加熱温度を1
    65℃〜180℃の範囲に設定して薄肉鋼管の外周を被
    覆するように押し出し成形されており、且つ溶融樹脂流
    路に軟化溶融樹脂の流れを薄肉鋼管の円周を等分して分
    配する配置で複数の仕切りを設け、分配された樹脂の流
    れに同数のウエルドラインを軸線方向に発生させて柾目
    の木目模様が形成されていることを特徴とする、柾目模
    様樹脂被覆鋼管。
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