JP2864145B2 - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

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JP2864145B2
JP2864145B2 JP2097204A JP9720490A JP2864145B2 JP 2864145 B2 JP2864145 B2 JP 2864145B2 JP 2097204 A JP2097204 A JP 2097204A JP 9720490 A JP9720490 A JP 9720490A JP 2864145 B2 JP2864145 B2 JP 2864145B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、舵取機構中に配した油圧アクチュエータの
発生力にて操舵補助を行う油圧式の動力舵取装置に関す
る。
〔従来の技術〕
動力舵取装置は、停止時及び低速走行時において舵取
りのための舵輪操作に要する力を軽減し、また長時間の
運転に伴う疲労感の緩和を図り得るものとして、近年、
大型車両のみならず普通乗用車等の小型車両にも装備さ
れるようになっている。この動力舵取装置としては油圧
式のものが一般的であり、これは、エンジンにて駆動さ
れて動作油圧を発生する油圧ポンプと、舵取機構中に配
され、前記油圧ポンプから送給される圧油により動作し
て操舵補助力を発生する油圧アクチュエータとの間に、
前記圧油の給排を舵輪操作に応じて制御する油圧制御弁
を備えた構成となっている。該油圧制御弁としては、舵
輪に連なる舵輪軸の中途に装着されて、舵輪に加えられ
る操舵トルクに応じてその弁体とケーシングとの間に相
対角変位を生じ、両者間に形成された絞り面積を変化す
る構成とした回転式の油圧制御弁が多く用いられてい
る。
さて自動車の舵取りは、転舵輪に加わる路面反力に抗
して行われるものであり、路面反力が大きい停止時又は
低速走行時には、舵取りのための舵輪操作に多大の力を
必要とする一方、路面反力が小さい高速走行時には、小
さい力にて舵輪操作を行い得ることから、動力舵取装置
においては、車速の遅速に応じて大小となる操舵補助力
の発生が要求される。また、舵取り操作時における操作
感覚の面から、動力舵取装置においては、操舵トルクの
変化に対して比例的な変化態様を示す操舵補助力の発生
が要求される。前者の要求、即ち車速の遅速に応じて大
小となる操舵補助力の発生要求に応え得るものとして、
例えば特開昭52−112922号公報に開示されている如く、
油圧制御弁を経て油圧アクチュエータへ送給される圧油
量を車速の検出結果に基づいて変更するドゥルーピング
を実施し、停止時及び低速時には多くの圧油の送給によ
り大きい操舵補助力を得る一方、高速時には少ない圧油
の送給により小さい操舵補助力を得るようにした動力舵
取装置がある。また、特公昭52−4807号公報に代表され
るように、前記油圧制御弁の絞り形状を工夫して、操舵
トルクが小さい範囲にて絞り面積の変化が小さく、操舵
トルクが所定値を超えると共に絞り面積が急変するよう
になし、小なる操舵トルク範囲での操舵補助力の比例的
な漸増域、及び大なる操舵トルク範囲での操舵補助力の
比例的な急増域、並びに、操舵トルクの0点近傍の一定
域を得て、第6図に示す如く2個所の折れ部を有する操
舵補助力の増加特性、所謂2段折れ特性を有するように
なした動力舵取装置が従来から数多く提案されている。
この構成によれば、高速走行時に舵輪に加えられる程度
の操舵トルクに対してわずかな操舵補助力が得られるの
みであり、舵輪に適度の剛性が付与されて直進安定性が
増す一方、停止時又は低速走行時には、急増域への遷移
点程度の操舵トルクを加えることにより大きい操舵補助
力が保証され、舵輪操作に要する力が大幅に低減される
こととなり、更に中程度の速度での走行の際には、漸増
域における比例的な増大態様により良好な操舵感覚が得
られ、前述した2つの要求への対応が可能となる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが前者の動力舵取装置、即ち油圧アクチュエー
タへの送給油量のドゥルーピングを実施する動力舵取装
置においては、車速の検出のためには既設の車速センサ
を利用し得るが、この検出結果に基づいて油量調節用の
弁を開閉操作するための電気的な制御回路を必要とし、
外部ノイズの影響による該制御回路又は車速センサの誤
動作、又は該制御回路又は車速センサの故障等により、
走行中に油量調節が不可能となり、操舵感覚の急変に伴
う事故を招来する虞があった。
また後者の動力舵取装置、即ち前記2段折れ特性を実
現してなる動力舵取装置においては、中程度の速度での
走行時に主として利用される漸増域における傾きの設定
が難しく、低速側での舵輪操作力の軽減を重視してこの
傾きを大き目に設定した場合、高速側での直進安定性が
損なわれ、逆に高速側での安定性を重視して前記傾きを
小さ目に設定した場合、低速側での十分な操舵補助力の
発生が期待できないという難点があった。この難点は、
漸増域において更に1段の折れ部を有するような特性の
実現により解消し得るが、このような特性を前記油圧制
御弁の絞り形状の変更により実現することは実質上不可
能であり、低速側及び高速側での若干の不都合を無視し
て前記漸増域での傾きを設定しているのが実状である。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、車
速の遅速に応じて大小となる操舵補助力の発生を、車速
の検出及び電気的な制御回路を要することなく可能と
し、該制御回路及び車速センサの誤動作及び故障に伴う
動作不良の発生を解消し得る動力舵取装置を提供し、更
に、前記2段折れ特性を実現可能な油圧制御弁との併用
により、操舵補助力の漸増部の中途に更に1個所の折れ
部を得ることができ、高速側での安定性と低速側での十
分な操舵補助力の発生とを共に実現し得る動力舵取装置
を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る動力舵取装置は、操舵補助力を発生する
油圧アクチュエータと、これの動作油圧を発生する油圧
ポンプとの間に、舵輪に加わる操舵トルクに応じてその
絞り面積を変えて、前記油圧アクチュエータへの送給油
圧を、前記操舵トルクが小さい範囲での漸増域と、大き
い範囲での急増域とを経て変化させる油圧制御弁を備え
た動力舵取装置において、前記油圧制御弁と前記油圧ポ
ンプとの間を、該油圧ポンプの吸込側に連通するバイパ
ス油路と、該バイパス油路の中途に配してあり、前記油
圧制御弁の上流側油圧が前記漸増域に含まれる所定の範
囲内にある間に、該油圧の増大に応じて前記バイパス油
路の通油量を減じる動作をなし、前記漸増域での変化率
を増大させる流量調節弁とを具備することを特徴とし、
更に加えて、前記油圧制御弁は、前記操舵トルクが大な
る範囲にて大きく、小なる範囲にて小さい2種以上の異
なる絞り面積の変化率を有していることを特徴とする。
〔作用〕
本発明においては、舵輪操作に伴う油圧制御弁の動作
に応じて該油圧制御弁の上流側の油圧が増大することに
着目し、動作油圧を発生する油圧ポンプからの吐出油の
一部を常時吸込側にバイパスするバイパス油路を設け、
このバイパス油路に備えた流量調節弁の動作により、該
バイパス油路の通油量を前記上流側油圧の増大に応じて
減少させて、油圧制御弁を介して油圧アクチュエータへ
送給される圧油量を増加せしめ、前記ドゥルーピングを
実施した場合と同様に、停止時又は低速走行時において
舵輪操作がなされた場合には多くの作動油の送給により
大きい操舵補助力を得る一方、高速走行時において舵輪
操作がなされた場合には少ない作動油の送給により小さ
い操舵補助力を得て、車速の遅速に応じて大小となる操
舵補助力の発生を可能とする。このとき油圧制御弁の動
作による送給油圧の漸増域の範囲内で流量調節弁が動作
するようになすことにより、漸増域の中途に折れ部を有
し、送給油圧の変化率が増す特性が得られる。更に、こ
れに加えて前述の2段折れ特性を実現し得る油圧制御弁
を用い、この油圧制御弁による漸増域の範囲内で流量調
節弁が動作するようになすことにより、前記漸増域の中
途に更に1段の折れ部を有する特性が得られ、高速側で
の安定性と低速側での十分な操舵補助力の発生とを同時
的に実現する。
〔実施例〕
以下本発明をその実施例を示す図面に基づいて詳述す
る。第1図は本発明に係る動力舵取装置の全体構成を示
す模式図である。
図中1は、その上端に舵輪(ステアリングホイール)
2を同軸的に固着してなる舵輪軸(ステアリングコラ
ム)であり、該舵輪軸1の下端に固設されたピニオン3
は、車体の左右方向に延設されたラック軸に噛合させて
ある。而して、舵輪2が回動操作された場合、舵輪軸1
がその軸心回りに回転し、この回転がピニオン3と噛合
するラック軸4の軸長方向の摺動に変換され、該ラック
軸4の左右両端に連結された図示しない転舵輪が方向転
換せしめられて、前記舵輪2の操作方向及び操作量に対
応する舵取りがなされる。
本発明に係る動力舵取装置(以下本発明装置という)
は、操舵補助力を発生する油圧シリンダ5、該油圧シリ
ンダ5への送給油圧を発生する油圧ポンプ6、及び該油
圧ポンプ6から油圧シリンダ5への圧油の給排を舵輪2
の操作に応じて制御する油圧制御弁7を備えてなる。
油圧シリンダ5は、前記ラック軸4を囲繞する筒型の
ハウジングの内部を適長に亘って液密に封止して形成さ
れたシリンダ室50に、前記ラック軸4の中途に同軸的に
固設されたピストン板51を摺動自在に内挿し、該ピスト
ン板51の両側に油室を形成してなる。これによりピスト
ン板51両側の油室への導入油の圧力差に応じた油圧力が
ラック軸4の軸長方向に加えられ、該ラック軸4の摺動
及びこの摺動により生じる舵取り動作が補助される。ま
た油圧制御弁7は、前記舵輪軸1の中途に構成され、舵
輪2の回動操作に伴って舵輪軸1に加わる操舵トルクに
応じてその絞り開度が変化する2組の絞り部70,71を備
えてある。この油圧制御弁7は、前記油圧ポンプ6及び
作動油の貯油タンクTと前記油圧シリンダ5との間に図
示の如く介装されており、油圧シリンダ5の一方の油室
は、絞り部70を介して油圧ポンプ6の吐出側に、また絞
り部71を介して貯油タンクTに夫々連通せしめられ、他
方の油室は、絞り部71を介して油圧ポンプ6の吐出側
に、また絞り部70を介して貯油タンクTに夫々連通せし
められている。前記絞り部70,71は、舵輪軸1に加わる
操舵トルクにより夫々が異なる向きの開度変化を生じ、
例えば、一方の絞り部70の絞り開度が増すとき他方の絞
り部71の開度が減じるようになしてある。そして、絞り
部70の開度が増したとき、油圧ポンプ6が吐出する圧油
の大部分は、前記絞り部70を経て油圧シリンダ5の一方
の油室に導入され、油圧シリンダ5は図の右方向への油
圧力を発生する。この動作により他方の油室内の作動油
は押し出され、油圧制御弁7に還流して、同じく前記絞
り部70を経て貯油タンクTに還流する。逆に絞り部71の
開度が増したときには、油圧シリンダ5は図の左方向へ
の油圧力を発生する。このような油圧制御弁7の給排動
作により、油圧ポンプ6から油圧シリンダ5の両油室へ
の作動油の送給は、舵輪2へ加えられる操舵トルクの方
向に応じて行われ、これに伴って油圧シリンダ5が発生
する油圧力により、前記操舵トルクの方向への操舵補助
力が得られる。なおこのとき、油圧ポンプ6から吐出さ
れる圧油の一部は、開度を減じた側の絞り部71又は70を
経て、油圧シリンダ5からの還流油と共に貯油タンクT
に還流するから、油圧制御弁7による前述の給排動作が
なされたとき、該油圧制御弁7の上流側の油圧、即ち油
圧ポンプ6から油圧制御弁7への導油路60内の油圧は、
舵輪2の操作方向の如何に拘わらず、舵輪2に加えられ
る操舵トルクの増大に伴なって増大する。
本発明装置においては、前記導油路60を油圧ポンプ6
の吸込側、即ち前記貯油タンクTに連通するバイパス油
路61が形成してあり、該バイパス油路61の中途に、前記
油圧制御弁7の上流側、即ち導油路60内の油圧に感応し
て動作する流量調節弁8が配してある。
第2図及び第3図は、流量調節弁8の動作説明のため
の模式的断面図である。これらの図に示す如く、流量調
節弁8は、有底円筒形をなすハウジング80と、該ハウジ
ング80に軸長方向への摺動自在に内嵌されたスプール81
とを備えてなる。ハウジング80の開口端は、ねじ蓋82の
ねじ込みにより閉塞してあり、該ねじ蓋82とスプール81
との間には、これらを相互に離反する向きに付勢する押
しばね83が介装してある。而してスプール81は、通常時
は第2図に示す如く、押しばね83の付勢力によりハウジ
ング80の底面に押し付けられた状態にあるが、前記付勢
力に抗する力の作用により押しばね83の縮短を伴いつ
つ、第3図に示す如くねじ蓋82の端部に突き当たるまで
摺動し得る。スプール81の外周面には、軸長方向略中央
とハウジング80の底面側端部とに、夫々の全周に亘る環
状溝81a,81bが形成してあり、これらは連通孔81cにより
相互に連通されている。またハウジング80は、これの周
壁を内外に貫通する態様にて形成された導油ポート80a
及び排出ポート80bを有しており、導油ポート80aはバイ
パス油路61の前記導油路60側に、排出ポート80bは同じ
く貯油ポンプT側に夫々接続されている。導油ポート80
a及び排出ポート80bはいずれも、スプール81の中央部外
周に形成された前記環状溝81aと整合する位置にてハウ
ジング80の内側に開口させてある。従って前記導油路60
内の油圧は、バイパス油路61及び導油ポート80aを経て
ハウジング80内に導入され、更に環状溝81a及び連通孔8
1cを経て環状溝81b内に導入されて、スプール81の端面
全体に作用し、該スプール81を押しばね83の付勢力に抗
する向きに押圧する。即ちスプール81は、前記導油路60
内の油圧による該スプール81への押圧力が押しばね83の
初期の付勢力を上回ると共に摺動を開始し、以後は前記
油圧の増大に比例して摺動する。
一方、第2図及び第3図に示す如く、ハウジング80内
への導油ポート80aの開口端は、スプール81の摺動位置
の如何に拘わらず開口状態が保たれるのに対し、排出ポ
ート80bの開口端はスプール81の摺動に応じて閉塞さ
れ、該スプール81が第3図に示す摺動位置に至ったと
き、略完全に閉塞されるようになっている。従ってバイ
パス油路61を経て貯油タンクTにバイパスされる油量
(バイパス油量)Q2は、スプール81の摺動により排出ポ
ート80bが閉塞されるに従って比例的に減じられ、導油
路60及び油圧制御弁7を経て油圧シリンダ5へ供給され
る油量(メイン油量)Q1は逆に、スプール81の摺動量の
増大に伴って比例的に増大する。
而して流量調節弁8は、導油路60内の油圧、即ち油圧
制御弁7の上流側の油圧が所定の範囲内にある間におい
て、具体的には、前記油圧による押圧に伴いスプール81
が摺動を開始してからねじ蓋82の端面に突き当たるまで
の間において、導油路60内の油圧の増大に応じてバイパ
ス油量Q2を減じ、メイン油量Q1を増大せしめる動作をな
す。第4図は、導油路60内の油圧(回路圧)Pに対する
メイン油量Q1及びバイパス油量Q2の変化状態を示すグラ
フである。図中に破線にて示すバイパス油量Q2は、回路
圧Pが所定の圧力P1、即ちスプール81が摺動を開始する
圧力に達するまでは一定に保たれ、以後は回路圧Pの増
大に伴って比例的に減少し、前記P1よりも大きい所定の
圧力P2、即ちスプール81がねじ蓋82の端面に突き当たる
まで摺動したときの圧力に達すると共に略0となる。こ
れにより図中に実線にて示すメイン油量Q1は、回路圧P
がP1に達するまでは小量に維持され、P1〜P2間において
は回路圧Pの増大に伴って比較例に増大して、P2を超え
た後は油圧ポンプ6の吐出油の全量が油圧制御弁7に送
給される。
油圧制御弁7の上流側の圧力、即ち回路圧Pは、該油
圧制御弁7による前述の給排動作により、舵輪2の操作
方向の如何に拘わらず、舵輪2に加えられる操舵トルク
の増大に伴って増大する。従って前述した流量調節弁8
の動作により、メイン油量Q1、即ち油圧制御弁7を介し
て油圧シリンダ5に送給される油量は、舵輪2に加えら
れる操舵トルクが小さいときには小量に維持され、その
後油圧ポンプ6の吐出量全量に至るまで、操舵トルクの
増大に伴って増大する。従って、舵輪2に大きい操舵ト
ルクが加えられることのない高速走行時においては、油
圧制御弁7を経て送給される油量が少ないことから、油
圧シリンダ5が発生する油圧力、即ち操舵補助力が小さ
く保たれ、停止時又は低走行時においては、舵輪2にや
や大きい操舵トルクを加えると共に、油圧シリンダ5は
多くの作動油の送給により大きい操舵補助力を発生する
ようになる。即ち本発明装置においては、車速の遅速に
応じて高低となる操舵補助力の発生が、車速センサ及び
これの検出結果に基づいて動作する制御回路等の電気的
な処理手段を要することなく可能であり、高速走行時に
おける直進安定性と、停止時又は低速走行時における舵
輪2の操作力の低減とが実現される。
また、前記油圧制御弁7として、第6図に示す如き2
段折れ特性を実現し得るものを用いた場合、次のような
効果が得られる。この2段折れ特性は、油圧制御弁7の
2組の絞り部70,71の面積が、舵輪2へ加えられる操舵
トルクに対し、該操舵トルクが小さい範囲において小さ
く、大きい範囲において大きい2種の異なる変化率にて
変化するようになすことにより実現される。このような
絞り面積の変化態様を示す絞り部70,71を有する油圧制
御弁7は、例えば、前記特公昭52−4807号、並びに、本
願出願人による特開昭57−197810号及び特開昭59−1185
77号等、従来から数多くの開示がなされており、これら
のいずれを用いてもよい。
本発明者は、2段折れ特性を有する油圧制御弁7を用
い、該油圧制御弁7を経て油圧シリンダ5へ送給される
油量、即ち前記メイン油量Q1を種々に変更して、夫々に
おける特性を調べた結果、第5図に示す如き結果を得
た。なお、この際用いた油圧制御弁7は、本発明者等に
より実願昭63−106281において提案されたものである。
本図の横軸は舵輪2に加えられる操舵トルク、縦軸は油
圧制御弁7の上流側の油圧、即ち前記回路圧Pであり、
この回路圧Pと油圧シリンダ5が発生する操舵補助力と
の間には1対1の対応関係が成り立つことは前述した如
くである。図示の如く回路圧Pは、メイン油量Q1の如何
に拘わらず、操舵トルクの増大に対し第6図中に示す一
定域,漸増域及び急増域を有して増大するが、メイン油
量Q1の影響は漸増域の傾きに現われ、この傾きはメイン
油量Q1の増加に伴って増大する。そして、これらの漸増
域内において適宜の操舵トルク下での回路圧Pを調べた
場合、該回路圧Pがメイン油量Q1の増大に対し略比例的
な増大を示すことが明らかとなった。従って、例えば操
舵トルクが30kgf・cm以下の範囲においてメイン油量Q1
を2/minに保ち、操舵トルクが50kgf・cmに達するま
での間の範囲においてメイン油量Q1を5/minとなるま
で比例的に増大させることができれば、第5図中に太線
にて示す如く、前記一定域と急増域との間に、操舵トル
クの変化に対する回路圧Pの変化率、即ち操舵補助力の
変化率が異なる2つの漸増域を有する特性が得られる。
このようなメイン油量Q1の遷移は、前述した流量調節弁
8の動作により行わせることが可能である。即ち、油圧
ポンプ6からの吐出油量を5/minに、スプール81の摺
動開始前のバイパス油量Q2を2/minに夫々設定するこ
とにより、操舵トルクが小さい範囲でのメイン油量Q1
2/minに保つことができ、更にスプール81が摺動を開
始する際の回路圧P1を、第5図中のQ1=2/minなる特
性曲線上において30kgf・cmなる操舵トルクに対応する
回路圧Pに設定し、またスプール81がねじ蓋82に突き当
たる際の回路圧P2を、Q1=5/minなる特性曲線上にお
いて50kgf・cmなる操舵トルクに対応する回路圧Pに設
定することにより、前述の如きメイン油量Q1の遷移が実
現される。スプール81の摺動開始圧力及び摺動終了圧力
は、該スプール81の受圧面積及び該スプール81を付勢す
る押しばね83のばね定数の選定により自在に設定可能で
あることは言うまでもない。即ち、バイパス油路61及び
これの中途の流量調節弁8を備えると共に、2段折れ特
性が得られる油圧制御弁7を用いることにより、中程度
の速度での走行時に主として使用される漸増域の中途
に、更に1段の折れ部を有するような操舵補助力の変化
特性が得られ、高速側での直進安定性と向上と、低速側
での十分な操舵補助力の発生とが共に実現される。
なお本実施例においては、ラック・ピニオン式の舵取
機構を備えた車両への適用例について説明したが、本発
明装置の適用範囲はこれに限るものではない。
〔効果〕
以上詳述した如く本発明装置においては、油圧ポンプ
と油圧アクチュエータとの間を、該油圧ポンプの吸込側
にバイパスするバイパス油路を設けると共に、該バイパ
ス油路の中途に油圧制御弁の上流側油圧に感応する流量
調節弁を設け、前記油圧が、油圧制御弁の動作による送
給油圧の漸増域に含まれる所定範囲内にある間に該油圧
の増大に応じてバイパス油路の通油量を減じる構成とし
てあるから、前記漸増域の中途に折れ部が生じ、送給油
圧、即ち操舵補助力の変化率が増す特性が得られ、停止
時又は低速走行時には油圧アクチュエータへの多くの作
動油の送給により大きい操舵補助力が得られ、高速走行
時には逆に少ない作動油の送給により操舵補助力を小さ
く保つことができ、車速の遅速に応じて大小となる操舵
補助力の発生を、電気的な手段を用いることなく実現で
き、更に前記油圧制御弁として2段折れ特性を実現し得
るものを用いることにより、前記特性中の漸増域の中途
に更に1段の折れ部を有する操舵補助力の変化特性が得
られ、中速度範囲内の低速側における十分な操舵補助力
の発生と、同じく高速側における直進安定性とを共に実
現できる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の全体構成を示す模式図、第2図及
び第3図は流量調節弁の動作説明のための模式的断面
図、第4図は流量調節弁の動作によって生じるメイン流
量及びバイパス流量の変化状態を示すグラフ、第5図は
本発明の第2発明により得られる操舵補助力の変化特性
の説明図、第6図は2段折れ特性の説明図である。 2……舵輪、5……油圧シリンダ、6……油圧ポンプ、
7……油圧制御弁、8……流量調節弁、60……導油路、
61……バイパス油路、T……貯油タンク

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】操舵補助力を発生する油圧アクチュエータ
    と、これの動作油圧を発生する油圧ポンプとの間に、舵
    輪に加わる操舵トルクに応じてその絞り面積を変えて、
    前記油圧アクチュエータへの送給油圧を、前記操舵トル
    クが小さい範囲での漸増域と、大きい範囲での急増域と
    を経て変化させる油圧制御弁を備えた動力舵取装置にお
    いて、 前記油圧制御弁と前記油圧ポンプとの間を、該油圧ポン
    プの吸込側に連通するバイパス油路と、 該バイパス油路の中途に配してあり、前記油圧制御弁の
    上流側油圧が前記漸増域に含まれる所定の範囲内にある
    間に、該油圧の増大に応じて前記バイパス油路の通油量
    を減じる動作をなし、前記漸増域での変化率を増大させ
    る流量調節弁と を具備することを特徴とする動力舵取装置。
  2. 【請求項2】前記油圧制御弁は、前記操舵トルクが大な
    る範囲にて大きく、小なる範囲にて小さい2種以上の異
    なる絞り面積の変化率を有している請求項1記載の動力
    舵取装置。
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