JP2863229B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、酸素センサを用いて空燃比を検出し、こ
の検出結果に基づいてフィードバック制御を行わせる内
燃機関の空燃比制御装置に関するものである。
〔従来の技術〕
自動車に搭載される内燃機関においては、排気管に触
媒を設けて排出ガスの浄化を図ることが行われており、
また、このとき、浄化効率を確保するために酸素センサ
を用いて排出ガス成分を検出し、この検出結果に基づい
て空燃比が理論空燃比となるようにフィードバック制御
することが広く実用化されている。
第３図はこのような空燃比制御を適用してなる燃料噴
射装置を示すもので、図において、１は４気筒の内燃機
関、２は内燃機関１に吸気を供給する吸気管、3a,3b,3
c,3dはそれぞれ内燃機関１の各気筒に対応して吸気管２
に設けられ、内燃機関１の各気筒へ燃料を供給するイン
ジェクタ、４は吸気管２に設けられ、吸気量を調整する
絞り弁、５は絞り弁４の上流に設けられ、内燃機関１に
吸入される吸入空気量を検出するエアフローセンサ、６
は内燃機関１の排気ガスを排出する排気管、７は排気管
６に取付けられ、排気ガス中の酸素を検出する酸素セン
サ、８は排気管６内に配置され、排出ガスと反応して排
気ガスを浄化する触媒装置、９は内燃機関１の回転に応
じてパルス信号を発生する回転センサ、10はコントロー
ルユニットで、エアフローセンサ５、酸素センサ７、回
転センサ９などの機関運転状態を表す入力情報に基づい
て燃料供給量を算出し、この信号によりインジェクタ3a
〜3dを駆動するものである。
このような構成のもとで、エアフローセンサ５によっ
て検出された吸入空気量信号と回転センサ９によって得
られたパルス信号とを主要情報としてコントロールユニ
ット10は基本燃料噴射量を演算し、この演算結果に基づ
いてインジェクタ3a〜3dの駆動パルス幅を決定する。さ
らに、所定の回転信号に基づいてインジェクタ3a〜3dが
順次パルス駆動され、パルス幅に対応した燃料が吸気管
２内に噴射されることになる。
ところで、このような演算により燃料量を設定するも
のにおいては、実際の空燃比が目標となる理論空燃比に
一致している訳ではなく、インジェクタ3a〜3dの誤差や
エアフローセンサ５の計測誤差によって通常４〜５％程
度変動している。このため、従来装置においては、排気
ガス中の酸素を検出する酸素センサ７を設け、この出力
信号に基づいて空燃比が理論空燃比になるようにフィー
ドバック制御させている。なお、酸素センサ７は、第４
図に示すように理論空燃比を境に出力電圧が反転するも
のであり、この出力電圧が反転するように燃料量を増減
することによって第５図に示すように理論空燃比を目標
としてフィードバック制御されることになる。したがっ
て、触媒装置８における排気ガスの浄化効率を最大に確
保することができ、この結果、環境への影響を軽減させ
ることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような従来の空燃比制御装置においては、酸素セ
ンサ７の出力信号が複数気筒の平均値的な値を示すこと
になり、このため気筒毎の実際の空燃比は、第６図に示
すように理論空燃比に対してばらつきを有したものとな
る。このことは、触媒装置８における浄化効率を理想値
に維持できないことを意味しており、結果として内燃機
関１の排出ガスが環境に対して悪影響を与えるものとな
っていた。
また、何らかの故障により何れかの気筒が失火すると
未燃焼ガスが排気管に排出されることになり環境汚染を
招くという恐れがあった。
〔課題を解決するための手段〕 この発明における内燃機関の空燃比制御装置は、複数
気筒を有する内燃機関の各気筒に対応してそれぞれの排
気通路に設けられ、それぞれ対応する気筒の排気行程ま
たはこの排気気筒よりも若干遅れた期間に当該気筒の排
気ガスの成分を検出する複数の酸素センサと、複数の酸
素センサと対をなして設けられ、それぞれ対応する気筒
に燃料を供給する複数のインジェクタと、酸素センサの
各々の検出出力に基づき各酸素センサに対応するインジ
ェクタをそれぞれ駆動して当該気筒の空燃比をそれぞれ
独立に制御すると共に、酸素センサの検出出力が入力さ
れこの検出出力が所定時間以上リッチ状態を継続したと
き当該気筒に対応するインジェクタの動作を禁止し当該
気筒への燃料供給を停止するコントロールユニットとを
備えたものである。
〔作用〕
このような構成の空燃比制御装置においては、各気筒
に対応した酸素センサの出力に基づいて該当する気筒の
空燃比をフィードバック制御することができ、各気筒の
排出ガスを理論空燃比に維持する。
また酸素センサが所定時間以上リッチ状態を継続した
とき、その酸素センサに対応するインジェクタの動作を
禁止し、当該酸素センサに対応する気筒への燃料供給を
停止する。
〔実施例〕
第１図は、この発明の一実施例である空燃比制御装置
を示す構成図で、図中、第３図と同一符号を付したもの
は同一部分を示しており、その説明を省略する。
図において、11a,11b,11c,11dは、内燃機関１の各気
筒毎に独立して設けられた排気管部6a,6b,6c,6dに取り
付けられた酸素センサで、これらの酸素センサ11a〜11d
の出力信号はコントロールユニット10に供給される。コ
ントロールユニット10では、酸素センサ11a〜11dの出力
電圧を対応する気筒の排気行程において読み取り、この
出力電圧が反転する方向に燃料量を増減制御するように
動作することになる。ここで、酸素センサ11a〜11dの出
力電圧の読み取りタイミングは、対応する気筒の排気弁
の開弁期間あるいは第２図に示すように排気弁の開弁時
期よりも若干遅れた期間に設定され、他の気筒からの排
気ガスを検出しないように構成されている。
このため、酸素センサ11a〜11dは、それぞれ対応する
気筒の排気ガス成分を正確に検出するものとなり、コン
トロールユニット10は、この出力に基づいて空燃比が理
論空燃比となるようにインジェクタ3a〜3dをそれぞれ制
御することになる。
このように酸素センサ11a〜11dを各気筒に対応して設
けることにより、各気筒毎の真の空燃比を検出させるこ
とができ、この出力に基づいて各気筒をそれぞれ理論空
燃比となるように制御するため、触媒装置８において排
気ガスの浄化効率を最大限に維持させることができる。
さらに、何らかの故障により何れかの気筒が失火する
と、未燃焼ガスが排気管６に排出されることになり、環
境汚染を招くことになるが、この発明によれば、失火気
筒に対応する酸素センサ11a〜11dがリッチ状態の出力を
継続して発生するため、この信号に基づいて所定時間以
上リッチ状態が継続した場合、当該気筒に対応したイン
ジェクタ3a〜3dの動作を阻止して燃料供給を停止させる
ことができ、これによって未燃焼ガスの排出を防止させ
ることができる。
なお、コントロールユニット10は、周知のようにアナ
ログ式の電子回路又はマイクロコンピュータによって構
成されている。また、上述の実施例においては、４気筒
の内燃機関について説明したが、複数気筒のものであれ
ば同様に適用することができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明は、各気筒の排気管に
それぞれ酸素センサを設け、これらの酸素センサの出力
信号の読み取りを対応する気筒の排気行程または若干遅
れた期間に設定するように構成したため、各気筒におけ
る排出ガスの状態を正確に検出することができ、これに
よって当該気筒の空燃比を所望の空燃比に制御すること
が可能となり、触媒装置における浄化効率を最大に維持
させることができる。また、各酸素センサの出力に基づ
いて各気筒の失火状態を検出させることができ、これに
基づいて失火気筒への燃料供給を停止させることにより
未燃焼ガスが排出される欠点をも解消させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第１図は、この発明の一実施例である空燃比制御装置を
示す構成図、第２図は、第１図における動作タイミング
を示す特性図、第３図は、従来の空燃比制御装置を示す
構成図、第４図、第５図、第６図は、従来装置における
動作を説明するための特性図である。 図中、１は内燃機関、２は吸気管、3a〜3dはインジェク
タ、６は排気管、８は触媒装置、10はコントロールユニ
ット、11a〜11dは酸素センサである。 なお、図中、同一符号は同一あるいは相当部分を示すも
のとする。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】複数気筒を有する内燃機関の各気筒に対応
    してそれぞれの排気通路に設けられ、それぞれ対応する
    気筒の排気行程またはこの排気行程よりも若干遅れた期
    間に当該気筒の排気ガスの成分を検出する複数の酸素セ
    ンサと、上記複数の酸素センサと対をなして設けられ、
    それぞれ対応する気筒に燃料を供給する複数のインジェ
    クタと、上記酸素センサの各々の検出出力に基づき上記
    各酸素センサに対応する上記インジェクタをそれぞれ駆
    動して当該気筒の空燃比をそれぞれ独立に制御すると共
    に、上記酸素センサの検出出力が入力されこの検出出力
    が所定時間以上リッチ状態を継続したとき当該気筒に対
    応する上記インジェクタの動作を禁止し当該気筒への燃
    料供給を停止するコントロールユニットとを備えたこと
    を特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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