JP2860517B2 - 熱応動開閉器及びその製造方法 - Google Patents

熱応動開閉器及びその製造方法

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JP2860517B2 JP10747793A JP10747793A JP2860517B2 JP 2860517 B2 JP2860517 B2 JP 2860517B2 JP 10747793 A JP10747793 A JP 10747793A JP 10747793 A JP10747793 A JP 10747793A JP 2860517 B2 JP2860517 B2 JP 2860517B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バイメタルなど温度変
化に応動して変形する熱応動板を利用しその運動を接点
の開閉に利用した熱応動開閉器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の熱応動開閉器としては例えば特開
平5−36335に示されたようなものがある。この熱
応動開閉器について図11(A)及び(B)を参照して
説明すると、この熱応動開閉器101は、例えば密閉形
電動圧縮機などに使われる周知の電動機の保護用に使わ
れるものであり、鉄などの導電性の金属板2に穿たれた
孔に導電端子ピン3をガラスの様な電気絶縁性の充填材
4によって気密に貫通固定した蓋板5と金属製のハウジ
ング6の開口部とをリングプロジェクション溶接などに
より気密に固着することによって耐圧力性を有する気密
容器が構成されている。導電端子ピン3の容器内部側端
部には鉄の様に強度を有する金属製の固定接点支持体7
の一端が固着されており、その固定接点支持体7の他端
には銀や銀合金の固定接点8が固着されている。
【0003】ハウジング6の内面には皿状に絞り加工さ
れたバイメタルの様な熱応動板9の一端が熱応動板支持
体10を介して導電的に固着されている。熱応動板9の
他端には固定接点と同様の可動接点11を固着し、この
可動接点11は前記固定接点8と接触・開離可能に配置
されている。
【0004】この熱応動開閉器101の動作について説
明すると、所定の第1の温度に達するまでは熱応動板9
は図11(A)に実線で示すように可動接点11と固定
接点8を接触させる方向に湾曲しており、この時導電端
子ピン3−固定接点支持体7−固定接点8−可動接点1
1−熱応動板9−熱応動板支持体10−ハウジング6の
経路で電路が構成されている。熱応動開閉器101の周
囲の雰囲気温度が上昇したり内部に流れる電流値が上昇
することにより熱応動板の温度が前記第1の温度に達す
ると、熱応動板9は急激にその湾曲方向を図11(A)
に点線で示すように反転することにより可動接点11と
固定接点8を開離し、電路を確実に遮断する。
【0005】また反転した熱応動板9は所定の第2の温
度にまでその温度が下がると急跳復帰してその湾曲方向
を初期の方向に戻し可動接点11と固定接点8を接触さ
せることにより電路を復帰させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この様な熱応動開閉器
においては、動作温度の較正をハウジング6の較正部6
Aを変形させて熱応動板支持体10の根元を変位させる
ことにより、挺子の原理により可動接点11と固定接点
8との接点圧を較正することにより行っている。
【0007】そのため接点の溶接において図12(A)
の如き理想的な溶接状態における接点高さh0に対し
て、その溶接状態により図12(B)及び(C)の如く
溶接部分の潰れ量にばらつきや接点の傾きがでると、接
点の高さhが基準値h0に対してh1またはh2で示す如
く変わってしまうため、製品毎に組付後の接点間の初期
の接触圧にばらつきが生ずる。そのため温度較正時のハ
ウジング6の較正部6Aの変形量が揃わず較正作業が難
しくなるという問題があった。また特に本実施例の様に
密閉容器を構成した後に容器の一部を変形して動作温度
の構成を行なうものにおいては、接点高さの異常を見逃
すと動作温度構成前の接点間の接触圧が高すぎたり低す
ぎたりする事により、密閉容器構成後に温度較正不可能
になることがあった。さらに接点の高さの違いにより、
開放時の接点間距離にばらつきが生じ接点間の耐電圧値
が揃わないという問題があった。
【0008】また従来は固定接点、可動接点共に接触面
が比較的曲率の大きな球面形の接点を使用している為
に、組付時の誤差により温度較正前における両接点の位
置関係が前後左右に僅かにずれても接点間の初期の接触
圧や、開放後の接点間距離に可成り影響が大きいばらつ
きが生ずる。
【0009】また例えば固定接点に平面型の接点を使用
した場合には可動接点と固定接点との部品としての共通
性がなくなるうえ、溶接時の条件の違いや接点の傾きに
より溶接後の接点高さを揃える事はできなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の熱応動開閉器の
製造方法は、導電性の金属板に穿たれた孔に導電端子を
電気絶縁性の充填材により気密に貫通固定した蓋板と、
金属製のハウジングを有し、該ハウジングの開口端面を
前記蓋板に固着する事により気密容器を構成し、該気密
容器内部には所定の第1の温度で湾曲方向を急跳反転し
第2の温度で急跳復帰するよう予め設定された導電性の
熱応動板を有し、該熱応動板の一端は前記ハウジング又
は導電端子の一方に電気的に接続されるとともに、熱応
動板の他端には可動接点が固着され、該可動接点が前記
導電端子又はハウジングに電気的に接続された固定接点
と接離可能にされ導電端子とハウジングとの間の電路を
開閉可能にされた熱応動開閉器において、固定接点を固
定接点支持体に溶着した後に固定接点の少なくとも可動
接点と接触する部分を塑性変形加工により固定接点支持
体の所定部分からの固定接点の高さを所定の値とすると
ともに、その接触面を所定の形状にする事を特徴とす
る。
【0011】また本発明の熱応動開閉器は導電性の金属
板に穿たれた1個または複数の孔のそれぞれに導電端子
を電気絶縁性の充填材により気密に貫通固定した蓋板
と、金属製のハウジングを有し、該ハウジングの開口端
面を前記蓋板に固着する事により気密容器を構成し、導
電端子の容器内部側には前記金属板とほぼ平行に配設さ
れた固定接点支持体の一端が導電的に接続固定されると
ともに固定接点支持体の他端には固定接点が固着され、
該固定接点支持体と金属板との間にはセラミックの如き
電気絶縁性のスペーサーが配設されるとともに固定接点
支持体の固定接点固着側の背面が当接するようにされ、
前記ハウジングの内面には所定の第1の温度で湾曲方向
を急跳反転し第2の温度で急跳復帰するよう予め設定さ
れた導電性の熱応動板の一端が電気的に接続されるとと
もに、該熱応動板の他端には前記固定接点と対応し接離
可能にされた可動接点が固着され、導電端子とハウジン
グとの間の電路を開閉可能にされた熱応動開閉器におい
て、固定接点支持体の背面が常にスペーサーとの当接部
を押さえつけるように偏倚力を与えるように構成され固
定接点の位置を常に一定に保つようにされた事を特徴と
する。
【0012】また本発明の他の熱応動開閉器は固定接点
支持体とスペーサーとが固定接点支持体の先端部近傍で
のみ当接し、それ以外の部分には熱的絶縁の為の間隙を
設けた事を特徴とする。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を参照しな
がら説明する。図1の熱応動開閉器1は本発明の熱応動
開閉器であり、前述の従来例と同じ部品には同じ記号を
付しその説明を省略する。この熱応動開閉器1において
は固定接点12は銀や銀合金などの展延性のよい材料で
作られた球面形の接点を、固定接点支持体7とプロジェ
クション溶接等の方法で溶着した後にプレスなどによっ
て塑性変形され図2の如く、その高さHを調整すると同
時に可動接点11との接触面12Aを所定の形状、本実
施例では平面状にされている。この熱応動開閉器1の動
作については従来例のものと同様なので説明は省略す
る。
【0014】この実施例によれば固定接点12を固定接
点支持体7に固定した後に接点の高さを調整しているの
で、その高さHを高い寸法精度で揃えることが可能にな
り、製品毎のばらつきが少なくなるため温度調節作業が
行ないやすくなる。実験によると従来の様に固定接点を
溶接したままの状態では、固定接点支持体の背面から接
点の接触面までの基準高さ1.4mmに対して±0.2mm
以上の誤差がでたが、本実施例においては1.15mm+
0mm乃至−0.05mmの範囲でその高さを揃える事がで
きた。また固定接点12の接触面12Aが平面状とされ
ているため、固定接点12と可動接点11の位置関係が
前後左右に前記平面内でずれたとしても接点の接触圧の
変化をなくすことができる。そのため密閉容器構成後に
接点圧力の不良により温度較正不可能になることはな
い。また固定接点12をプロジェクション溶接などで固
定接点支持体7に固着したものなどにおいては、プレス
時に溶接部附近が潰れる事により固定接点12と固定接
点支持体7との接触面積が広くなるため、接点開放時に
発生するアークなどにより加熱される固定接点12の熱
が固定接点支持体7側に逃げやすくなり、また接点開放
時の瞬間的な大電流による溶接部での発熱が抑えられ接
点の寿命を長くする事ができる。
【0015】本実施例では固定接点12の高さHを固定
接点支持体7の背面7Aから規定しているが、もちろん
表面7Bから規定してもよい。また可動接点と固定接点
との位置関係にずれが生じないかそのずれによる影響が
少ない場合には固定接点の接触面の形状を球面状などの
所定の形状としてもよい。
【0016】次に他の実施例について説明する。図3の
熱応動開閉器21は蓋板22とハウジング23により密
閉容器が構成されている。蓋板22は鉄の如き金属板2
4に穿たれた孔に導電端子ピン25を電気絶縁性の充填
材26により気密に貫通固定されている。導電端子ピン
25の密閉容器内部側の端部には熱応動板支持体27の
一端27Aが導電的に固着されており、他端27Bには
セラミックなど電気絶縁材料製の較正片28がハウジン
グ23の内面と当接するように固定されている。また熱
応動板支持体27には溶接用の当て板29を介してバイ
メタルの如き熱応動板30の一端が電気的に接続固定さ
れている。熱応動板30は皿状に絞り加工され所定の第
1の温度で急跳反転し第2の温度で急跳復帰するように
設定されている。熱応動板30の他端には可動接点31
が固着されている。またこの可動接点31と接触・開離
可能に固定接点32が固定接点支持体たる金属板24に
固着されている。この固定接点32は金属板24に溶接
などにより固着された後に、前述の如き方法などにより
高さを調整されると共に可動接点32の接触面32Aを
平面状にされている。
【0017】この熱応動開閉器21の動作について説明
すると、所定の第1の温度に達するまでは熱応動板30
は図3に示すように可動接点31と固定接点32を接触
させる方向に湾曲しており、このとき導電端子ピン25
−熱応動板支持体27−熱応動板30−可動接点31−
固定接点32−金属板24の経路で電路が構成されてい
る。熱応動開閉器21の周囲の雰囲気温度が上昇したり
内部に流れる電流値が上昇することにより熱応動板の温
度が前記第1の温度に達すると、熱応動板30は急激に
その湾曲方向を反転することにより可動接点31と固定
接点32を開離し、電路を確実に遮断する。また反転し
た熱応動板30は所定の第2の温度にまでその温度が下
がると急跳復帰してその湾曲方向を初期の方向に戻し可
動接点31と固定接点32を接触させることにより電路
を復帰させる。
【0018】またその動作温度較正はハウジング23の
較正部分23A付近を変形させることにより行なう。こ
のとき較正片28を介して熱応動板支持体の端部27B
が変位されるが、熱応動板の固着部よりも導電端子ピン
寄りの部分27Cを他の部分よりも巾を狭くする等して
おくことによりこの部分27Cを中心に熱応動板支持体
27は回動され可動接点を固定接点側に押し付けて接点
圧力を較正する。
【0019】この熱応動開閉器21においてもまた固定
接点32を溶接などにより固定接点支持体たる金属板3
0に溶着してから、金属板の所定面からの固定接点の高
さを調整しているために製品毎の接点高さ及び接点圧の
ばらつきが少なく、組付後の温度較正作業が容易にな
る。
【0020】つぎに図4を参照してさらに他の実施例に
ついて説明する。この熱応動開閉器41は例えば密閉形
電動圧縮機などの周知の電動機の保護用に使われるもの
であり、金属製の有底円筒形のハウジング42と蓋板4
3により密閉容器を構成している。この蓋板43は金属
板44に穿たれた2個の孔の各々に導電端子ピン45A
及び45Bを電気絶縁性の充填材46により気密に貫通
固定されて構成されている。一方の導電端子ピン45A
の容器内部側の端部には熱応動板支持体47の一端が固
着されており、この熱応動板支持体47の他端には溶接
と後述する動作温度較正作業の為のラグプレート48を
介して熱応動板49の一端が電気的に接続され固定され
ている。熱応動板49の自由端には可動接点50が固着
されており、後述の固定接点と接触・開離可能に配置さ
れている。他方の導電端子ピン45Bの容器内部側の端
部には鉄の如き強度を有した金属製の固定端子支持体5
1が固着され、この固定接点支持体51には固定接点5
2が固着されている。なお記号53は接点開放時のアー
クから充填材46を保護する碍子であり、記号54は金
属板44と熱応動板支持体47の間に接続されたヒータ
である。また記号55は後述する温度較正に使用するネ
ジである。
【0021】次にこの熱応動開閉器41が密閉形電動圧
縮機などの電動機に使用されたときの動作について説明
する。熱応動開閉器41の導電端子ピン45Aは図示し
ない電動機の主巻線に、ハウジング42または金属板4
4が電動機の起動用の補助巻線に、導電端子ピン45B
が図示しない電源に接続される。また主巻線と補助巻線
の他端は共通にされて電源に接続されている。通常の使
用においては熱応動板49は図4に示す如く図示上方に
凸となっており可動接点50と固定接点52とは接触し
ている。このとき導電端子ピン45B−固定接点支持体
51−固定接点52−可動接点50−熱応動板49−ラ
グプレート48−熱応動板支持体47−導電端子ピン4
5A(または熱応動板支持体47−ヒータ54−金属板
44−ハウジング42)の順で電路が構成される。主巻
線側の異常電流により熱応動板49の発熱や、補助巻線
側の異常電流によるヒータ54の発熱や、熱応動開閉器
の取付位置やその周囲の温度上昇により熱応動板49の
温度が第1の設定温度に達すると熱応動板49は急跳反
転し可動接点50と固定接点52を開離し電路を遮断す
る。また反転した熱応動板49の温度が第2の設定温度
にまで下がると熱応動板は図示の位置に急跳復帰し電路
を閉成する。なおヒータ54は必ずしも必要ではなく、
主巻線・補助巻線ともに導電端子ピン45Aに接続する
事により省略する場合もある。
【0022】この熱応動開閉器41の動作温度の較正に
ついて説明すると、ハウジング42と蓋板43により密
閉容器を構成する前に行ない、較正部材たるネジ55に
よりラグプレート48を変位させることにより熱応動板
49をラグプレート48と熱応動板支持体47との固着
点の近傍を中心に回動させる。そのため可動接点50と
固定接点52との間の接触圧が調整され、所定の動作温
度で熱応動板49が反転するように較正される。
【0023】このとき固定接点52が固定接点支持体5
1と溶接などにより溶着された後で高さを調整されると
共にその接触面を平面状にされている事により、従来の
ものより温度較正前の接点間の接触圧を揃えやすくなり
温度較正作業が容易になる。
【0024】さらに他の実施例について図5乃至図7を
参照して説明する。図5の熱応動開閉器61は例えば三
相誘導電動機に使用されるものであり、特願平3−18
5684号に示されたものである。この三相用熱応動開
閉器61は蓋板62とハウジング63から密閉容器を構
成している。蓋板62は金属板64に穿たれた2個の孔
の各々に導電端子ピン65A,65Bが挿通され、電気
絶縁性の充填材66により気密に固定されている。導電
端子ピン65A,65Bの容器内部側の先端には各々固
定接点支持体67A,67Bの一端が前記金属板64と
ほぼ平行になるように固着され、この固定接点支持体の
他端には夫々固定接点68A,68Bが固着されてい
る。また固定接点支持体67A,67Bと金属板64の
間には、セラミックなどの電気絶縁材料製のスペーサー
69が配置されており、固定接点支持体を支えると共に
固定接点支持体と金属板との電気的絶縁を保っている。
【0025】ハウジング63の内面には温度較正板70
の後述する曲げ部70Aに近い側の端部が固着されこの
固着部近傍に充分な弾性を有した熱応動板支持体71の
一端が固着されている。熱応動板支持体71の他端には
概ね円形で皿状に絞り加工された熱応動板73が剛性の
高い金属製のラグプレート72を介して電気的に接続さ
れるように固着されている。ラグプレート72はスペー
サー69の突起状の支承部69Aと当接している。熱応
動板73は例えば図8に示すような平面形状をしてお
り、ラグプレート72を介して支承部69Aと当接する
点73Aを通る中心線73Bに対称となるように可動接
点74A,74Bが固着されている。熱応動板73の常
温時に凸となる面の中心線73B上にはセラミックなど
の電気絶縁性の較正片75が当接するように配置されて
おり、この較正片75は熱応動板支持体71に穿たれた
孔を貫通して他方を温度較正板70と当接されている。
【0026】この熱応動開閉器の動作について説明する
と、例えば密閉形電動圧縮機などに用いられる所謂星形
結線の三相誘導電動機などに用いられ、導電端子ピン6
5A,65B及びハウジング63の各々を三相誘導電動
機の3個の巻線に接続しその中点を同時に開閉するよう
にして使用される。その電路についての詳しい説明は省
略するが、各々の導電端子ピンとハウジング間、及び両
導電端子間の3つの経路が構成され、どの電路もほぼ均
等な抵抗値となるように設計されている。そのため巻線
の異常等を原因とする過電流による発熱や、周囲の温度
上昇などにより熱応動板73が所定の第1の動作温度に
達すると急跳動作によりその湾曲方向を反転し、2対の
接点間を同時に開放し電路を遮断する。
【0027】この熱応動開閉器61の動作温度の較正に
ついて説明すると、温度の較正はハウジング63の較正
部63Aを変形させることにより行なう。これにより温
度較正板70の図示右端を変位させ、他の部分に比較し
て巾を狭くする等された曲げ部70Aを中心に回動させ
ると挺子の原理で較正片75を介して熱応動板73に力
が加えられ、可動接点74と固定接点68との間の接触
圧を調整することにより動作温度が較正される。
【0028】この時、本実施例の熱応動開閉器61は固
定接点及び可動接点を各々2個有しているために、この
2対の接点間の接触圧が概ね均等になるようにしない
と、一方の接点間が他方の接点間よりも早く開離してし
まう所謂片切れの状態が発生する。そのため可動接点7
4A及び74Bに対する力の印加方法が適切に設定され
ていても固定接点68A及び68Bの高さが違うと接触
圧が均等にならず片切れが発生する事になる。また密閉
容器を形成した後に温度較正を行なうために温度較正後
に片切れの発生が発見されたものを修正する事は不可能
なため、接点の高さを揃えておく事は重要になる。
【0029】そこで本実施例においては固定接点支持体
67に固定接点68を溶接などの方法で固着した後に前
述したような方法などで接点高さを調節しているため
に、固定接点68A及び68B双方の高さを揃えること
ができ、2対の接点間の接点圧を揃えやすくなり片切れ
の発生を押える事ができる。また製品毎の固定接点の高
さも安定するために、接点圧の較正つまり動作温度の較
正が容易になるとともに接点開放時の両接点間の距離を
揃えることが容易になり接点間耐圧のばらつきがなくな
る。さらに両固定接点の接触面68A1,68B1を平
面状としているため、組付時に可動接点と固定接点との
位置関係が多少ずれてもその接触位置での固定接点の高
さは変化しないためにその接触圧及び接点間耐圧には影
響がない。
【0030】またこの熱応動開閉器61においては、固
定接点支持体67A,67Bがその先端である固定接点
68A,68Bとの固着点の背面附近でスペーサーと当
接している。この働きについて図9及び図10を参照し
て説明すると、図9は固定接点支持体67の一端67D
に固定接点68を固着した様子を示すものである。固定
接点支持体67の両側面には剛性を上げるためのリブ6
7Cが設けられているが、材料の厚さが充分に有り強度
が得られる場合には特に必要とするものではない。固定
接点支持体の固定接点側端部67Dと反対側の端部近傍
の導電端子ピンとの固着部67Eは、プレスによりやや
傾斜させてある。図10にスペーサー69を除いたと仮
定した状態を示すように、この固着部67Eを導電端子
ピン65の端面に溶接等により固着する事により、固定
接点支持体67は金属板64側に傾斜するため、実際に
は固定接点支持体67と金属板64との間にスペーサー
69があるので固定接点支持体67によってスペーサー
69が金属板64に押え付けられると共に、固定端子側
の端部67Dの金属板64との距離がスペーサー69の
厚みにより規定される。
【0031】そのため、固定接点の位置精度はスペーサ
ーの厚みの精度に依存するから、通常の組み付けの精度
よりも高い精度で接点の位置を設定する事ができる。
【0032】またこの様な熱応動開閉器において、異常
電流により動作させる場合、電流による熱応動板73の
発熱だけでは発熱量が不充分な場合などには熱応動板支
持体71や固定接点支持体67の抵抗値を高めて発熱量
を上げ熱応動板を加熱する構造とした所謂傍熱形とする
事がある。このとき固定接点支持体67がスペーサー6
9と全面で密着している場合には固定接点支持体の熱が
スペーサーに奪われてしまい傍熱形として充分に作用し
ないと云う問題がある。
【0033】そこで本実施例では固定接点支持体67と
スペーサ69とは固定接点支持体の先端部68D近傍の
みで当接するようにされており、スペーサー69との間
に熱的絶縁の為の間隙76が設けられている。そのた
め、固定接点支持体67の熱はスペーサー69に一方的
に奪われる事なく熱応動板73に有効に与えられる。ま
た固定接点68との固着部近傍をスペーサー69と接し
ているために、接点開放時に発生するアークなどにより
加熱される固定接点68の熱は固定接点支持体を介して
スペーサー69側に逃がす事ができる。なお本実施例で
は2対の接点を有する三相用熱応動開閉器で説明した
が、接点が1対のものでも同様の効果がある事は云うま
でもない。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、固定接点を固定接点支
持体に溶接した後に固定接点の少なくとも可動接点と接
触する部分をプレスなどの塑性変形加工により、固定接
点支持体の所定部分からの固定接点の高さを所定の値と
すると共に、その接触面を平面状や球面状の所定形状と
する事により、従来の様に固定接点の溶接条件の強弱や
接点の傾きなどによる製品毎の実質的な接点高さのばら
つきを排除する事ができ温度較正作業が容易になる。そ
のため特に密閉容器構成後に容器の一部を変形させて動
作温度較正作業を行なうものでは温度較正前の接点間圧
力を所定の範囲に揃える事ができるので密閉容器構成後
の接点間圧力の不良と動作温度較正不可能な製品の発生
を防ぐ事ができる。また2対以上の接点を有するものに
おいては各接点間の接触圧を揃える事により所謂片切れ
を防止する事ができる。
【0035】また可動接点と固定接点を同一のものを使
用し必要な接点だけを変形させる事により、部品の共通
性を保つ事ができる。
【0036】また加圧により固定接点と固定接点支持体
との固着面積を広げる事により固着部での発熱を避け、
固定接点の熱を固定接点支持体にすみやかに逃がす事が
できる。
【0037】また固定接点支持体をその先端部に向かっ
て蓋板方向にやや変位するように導電端子ピンに溶接す
るなど、固定接点支持体の背面が常にスペーサーとの当
接部を押さえつけるように偏倚力を与えるように構成す
ることにより、固定接点の位置の製品毎のばらつきを押
え高い組付け精度を得る事ができる。
【0038】また固定接点支持体とスペーサーとが固定
接点支持体の先端部近傍でのみ当接し、それ以外の部分
には熱的絶縁の為の間隙を設けた事により、固定接点支
持体の熱はスペーサーに一方的に奪われる事なく熱応動
板に与えられるため、傍熱形の熱応動開閉器においても
確実な動作を得る事ができる。また固定接点との固着部
近傍をスペーサーと接しているために、接点開放時に発
生するアークなどにより加熱される固定接点の熱を固定
接点支持体を介してスペーサー側に逃がす事ができるの
で接点の寿命を延ばす事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法による熱応動開閉器の一実施
例。
【図2】本発明による接点の製造方法を示す図。
【図3】本発明の製造方法による熱応動開閉器の他の実
施例。
【図4】本発明の製造方法による熱応動開閉器の他の実
施例。
【図5】本発明の三相用熱応動開閉器の一実施例。
【図6】本発明の三相用熱応動開閉器の一実施例。
【図7】本発明の三相用熱応動開閉器の一実施例。
【図8】三相用熱応動開閉器に使用されるバイメタルを
示す図。
【図9】本発明の熱応動開閉器の固定接点支持体の一実
施例。
【図10】本発明の固定接点支持体の溶接状態を示すた
めの説明図。
【図11】従来の製造方法による熱応動開閉器の一実施
例。
【図12】従来の製造方法による熱応動開閉器の接点部
分を示す図。
【符号の説明】
1,21,41,61:熱応動開閉器 2,44,64:金属板 3,25,45A,45B,65A,65B:導電端子
ピン 4,26,46,66:電気絶縁性充填材 5,22,43,62:蓋板 6,23,42,63:ハウジング 7,51,67A,67B:固定接点支持体 12,32,52,68A,68B:固定接点 9,30,49,73:熱応動板 11,31,50,74A,74B:可動接点 24:金属板(固定接点支持体) 27,47,71:熱応動板支持体 28,75:較正片 69:スペーサー 69A:支承部 70:温度較正板
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−26763(JP,A) 特開 平5−47428(JP,A) 特開 平5−36335(JP,A) 実開 昭56−78148(JP,U) 実開 昭57−138226(JP,U) 実開 昭59−53717(JP,U) 特公 昭45−40818(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01H 1/06 - 1/10 H01H 11/00 - 11/06 H01H 37/00 - 37/56 H01H 37/64 - 37/70

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性の金属板に穿たれた孔に導電端子
    を電気絶縁性の充填材により気密に貫通固定した蓋板
    と、金属製のハウジングを有し、該ハウジングの開口端
    面を前記蓋板に固着する事により気密容器を構成し、該
    気密容器内部には所定の第1の温度で湾曲方向を急跳反
    転し第2の温度で急跳復帰するよう予め設定された導電
    性の熱応動板を有し、該熱応動板の一端は前記ハウジン
    グ又は導電端子の一方に電気的に接続されるとともに、
    熱応動板の他端には可動接点が固着され、該可動接点が
    前記導電端子又はハウジングに電気的に接続された固定
    接点と接離可能にされ導電端子とハウジングとの間の電
    路を開閉可能にされた熱応動開閉器において、固定接点
    を固定接点支持体に溶着した後に固定接点の少なくとも
    可動接点と接触する部分を塑性変形加工により固定接点
    支持体の所定部分からの固定接点の高さを所定の値とす
    るとともに、その接触面を所定の形状にする事を特徴と
    する熱応動開閉器の製造方法。
  2. 【請求項2】 導電性の金属板に穿たれた複数の孔のそ
    れぞれに導電端子を電気絶縁性の充填材により気密に貫
    通固定した蓋板と、金属製のハウジングを有し、該ハウ
    ジングの開口端面を前記蓋板に固着する事により気密容
    器を構成し、該気密容器内部には所定の第1の温度で湾
    曲方向を急跳反転し第2の温度で急跳復帰するよう予め
    設定された導電性の熱応動板を有し、該熱応動板の一端
    は前記ハウジング又は導電端子の内の一個所に電気的に
    接続されるとともに、熱応動板の他端には可動接点が固
    着され、該可動接点が熱応動板が接続されたのとは別の
    導電端子又はハウジングに電気的に接続された固定接点
    と接離可能にされ導電端子とハウジングとの間の電路を
    開閉可能にされた熱応動開閉器において、固定接点を固
    定接点支持体に溶着した後に固定接点の少なくとも可動
    接点と接触する部分を塑性変形加工により固定接点支持
    体の所定部分からの固定接点の高さを所定の値とすると
    ともに、その接触面を所定の形状にする事を特徴とする
    熱応動開閉器の製造方法。
  3. 【請求項3】 導電性の金属板に穿たれた1個または複
    数の孔のそれぞれに導電端子を電気絶縁性の充填材によ
    り気密に貫通固定した蓋板と、 金属製のハウジングを有し、 該ハウジングの開口端面を前記蓋板に固着する事により
    気密容器を構成し、 導電端子の容器内部側には前記金属板とほぼ平行に配設
    された固定接点支持体の一端が導電的に接続固定される
    とともに固定接点支持体の他端には固定接点が固着さ
    れ、該固定接点支持体と金属板との間には電気絶縁性のスペ
    ーサーが 配設されるとともに固定接点支持体の固定接点
    固着側の背面が当接するようにされ、 前記ハウジングの内面には所定の第1の温度で湾曲方向
    を急跳反転し第2の温度で急跳復帰するよう予め設定さ
    れた導電性の熱応動板の一端が電気的に接続されるとと
    もに、 該熱応動板の他端には前記固定接点と対応し接離可能に
    された可動接点が固着され、 導電端子とハウジングとの間の電路を開閉可能にされた
    熱応動開閉器において、固定接点支持体の背面が常にス
    ペーサーとの当接部を押さえつけるように偏倚力を与え
    るように構成され固定接点の位置を常に一定に保つよう
    にされた事を特徴とする熱応動開閉器。
  4. 【請求項4】 固定接点支持体がスペーサーに押し付け
    られるように固定接点支持体の先端部に向かって蓋板方
    向にやや変位するように固定された事を特徴とする請求
    項3の熱応動開閉器。
  5. 【請求項5】 固定接点支持体とスペーサーとが固定接
    点支持体の先端部近傍でのみ当接し、それ以外の部分に
    は熱的絶縁の為の間隙を設けた事を特徴とする請求項3
    または請求項4の熱応動開閉器。
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