JP2858703B2 - 車両の操舵装置 - Google Patents

車両の操舵装置

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JP2858703B2 JP16517990A JP16517990A JP2858703B2 JP 2858703 B2 JP2858703 B2 JP 2858703B2 JP 16517990 A JP16517990 A JP 16517990A JP 16517990 A JP16517990 A JP 16517990A JP 2858703 B2 JP2858703 B2 JP 2858703B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、前輪転舵機構にパワー機構が付設されて、
該パワー機構の一部を構成するアクチュエータの出力に
基づき、ステアリングホイールの操舵に応じて前輪を転
舵するようにされた車両の操舵装置に関する。
(従来技術およびその問題点) 近時の電子化の発展に伴い、車両の操舵装置として、
前輪転舵機構に付設されたアクチュエータの出力に基づ
いて前輪を転舵するようにしたものが開発され始めてい
る(特開昭64−1663号公報)。このような操舵装置で
は、ステアリングホイールは単に運転者が意図する走行
方向の入力手段にすぎず、前輪の転舵は専らアクチュエ
ータの出力によるものとされる。したがって、ステアリ
ングホイールが操舵されたときには、この操舵量に応じ
た前輪転舵を行うべくパワー機構が出力される。またス
テアリングホイールが操舵されないときには、前輪をそ
のままの転舵状態(中立状態を含む)に維持すべくアク
チュエータのロックがなされる。
しかしながら、このような操舵装置を搭載した車両
は、ステアリングホイールと前輪転舵機構との機械的連
結がないため、仮に上記アクチュエータに故障が生じた
ときには、運転者の意図が前輪に伝達されず、運転者の
意図とは異なる方向へ車両が走ってしまうという問題が
ある。
そこで、本発明の目的は、前輪転舵機構に付設された
アクチュエータの出力によって前輪を転舵するようにし
たものを前提として、仮にアクチュエータに故障が生じ
たとしても車両走行の安全性を確保するようにした車両
の操舵装置を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) かかる技術的課題を解決すべく、本発明にあっては、
前輪転舵機構にパワー機構が付設されて、該パワー機構
の一部を構成するアクチュエータの出力に基づき、ステ
アリングホイールの操舵に応じて前輪を転舵するように
された車両の操舵装置を前提として、 前記ステアリングホイールと前記前輪転舵機構とを機
械的に連結するステアリングシャフトが、上下に、ステ
アリングホイール側シャフトと前輪側シャフトとの2分
割構造とされて、これら両シャフト間に設けられ、ステ
アリングホイール側シャフトと前輪側シャフトとの連結
を断続するクラッチと、前記アクチュエータの故障を検
出する故障検出手段と、前記アクチュエータの故障が検
出されたときに、前記クラッチを締結させる故障制御手
段と、を備える構成としてある。
上記の構成により、前輪転舵の駆動源となるアクチュ
エータに故障が生じたときには、この故障発生と共に、
2分割構造とされたステアリングシャフトが一体化さ
れ、ステアリングホイールと前輪転舵機構とが機械的に
連結されることとなる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を添付した図面に基づいて説明
する。
第1図において、1Rは右前輪、1Lは左前輪であり、こ
れら左右の前輪1R、1Lは前輪転舵機構2によって連係さ
れている。以下に、左右の前輪1R、1Lを総称するときに
は、前輪1という。
前輪転舵機構2は、共に図示を省略した左右一対のナ
ックルアーム、タイロッドと、これら左右一対のタイロ
ッド同士を連結するリレーロッド3とから構成されてい
る。この前輪転舵機構2にはステアリング機構4が連係
されており、ステアリング機構4は、実施例ではラック
アンドピニオン式とされている。すなわち、上記リレー
ロッド3にはラック5が形成されており、このラック5
と噛み合うピニオン6がステアリングシャフト7を介し
てステアリングホイール8に連結されている。これによ
り、左右の前輪1R、1Lはステアリングホイール8と機械
的に連係され、例えばステアリングホイール8を右に操
舵したときには、リレーロッド3が第1図中左方へ変位
して上記ナックルアームが揺動し、ステアリングホイー
ル8の操作変位量に応じた分だけ前輪1が右方向に転舵
される。同様に、ステアリングホイール8が左に操舵さ
れたときには、この操舵変位量に応じた分だけ前輪1が
左方向に転舵されることになる。
上記前輪転舵機構2にはパワー機構10が付設され、ま
た上記ステアリング機構4には、そのステアリングシャ
フト7に不感帯継手11が介装されている。
上記パワー機構10は、ここでは油圧式アクチュエータ
で構成されている。すなわち、車体側に固設されたシリ
ンダ12と、該シリンダ12に嵌挿されたピストン13とを有
し、該ピストン13は前記リレーロッド3に一体的に形成
されている。上記シリンダ12は上記ピストン13によって
2つの油室12a、12bが画成され、これら2つの油室12a,
12bは、配管14あるいは15を介して、制御バルブ16に接
続され、該制御バルブ16には、ポンプ17に連なる給油管
18と、リザーバ19に連なるドレイン管20とが接続され
て、上記制御バルブ16は、3つの態様を択一的に取り得
る電磁式の切換バルブで構成されている。すなわち、第
1の態様は、一の油室12aに油圧が供給され(配管18と1
4とが接続)、他の油室12b内の油圧が排出される(配管
15と20とが接続)。これによりピストン13は第1図中左
方動し、前輪1が右方向に転舵されることになる。第2
の態様は、他の油室12bに油圧が供給され(配管18と15
とが接続)、一の油室12a内の油圧が排出される(配管1
4と20とが接続)。これによりピストン13は第1図中右
方動し、前輪1が左方向に転舵されることになる。第3
図の態様は、すべての配管14、15、18、20が接続(ニュ
ートラル態様)されて、ピストン13はロック状態とさ
れ、左右の前輪1R、1Lは、そのときの転舵状態(中立状
態を含む)に維持されることになる(第1図に図示する
状態)。
前記不感帯継手11は下記のような構成とされている。
すなわち、上記ステアリングシャフト7は、上下に、車
輪1側の第1のシャフト21と、ステアリングホイール8
側の第2のシャフト22と、の分割構造とされて、これら
第1、第2のシャフト21、22は同軸に配設されている。
第1のシャフト21は、第2図に示すように、その上端部
が拡径されて、該上端部には、端面に開口する中空部23
が形成されている。そして中空部23は段付穴とされて、
開口端側が大径部23aとされ、奥側が小径部23bとされて
いる。他方、第2のシャフト22は、その小径とされた下
端部22aが上記中空部23の小径部23bとほぼ同一径とされ
て、この下端部22aを上記第1のシャフト21の中空部23
に嵌挿することにより、第1シャフト21と第2のシャフ
ト22とが相対回転自在に取付けられている。第2図中、
符号24は、両シャフト21、22間に介装されたベアリング
である。
そして、第1のシャフト21と第2のシャフト22との間
には、クラッチ機構25が設けられている。すなわち、上
記両シャフト21、22の向かい合う端部には、その外周
に、互いに同径とされた第1の歯26と第2の歯27とが同
一のピッチで、夫々、形成され、第1のシャフト21側の
第1の歯26には、この歯26と噛み合うスリーブ28が配設
されて、スリーブ27はシャフト21、22の軸線方向に変位
可能とされている。これにより、スリーブ28が、第2図
中右方動して、第1の歯26と第2の歯27とに噛み合った
ときには、第1のシャフト21と第2のシャフト22とが一
体化され、ステアリングホイール8と前輪転舵機構2と
が機械的に連結されることになる(クラッチ機構25が締
結)。他方、スリーブ28が、第2図中左方動して、ステ
アリングホイール8側の第2の歯27との噛み合いが解除
(第2図に図示する状態)されたときには、第1のシャ
フト21と第2のシャフト22との相対回転が許容されるこ
とになり(クラッチ機構25が開放)、ステアリングホイ
ール8と前輪1とはその連結が切断された状態になる。
上記クラッチ機構25には、その作動制御機構30が付設
されている。クラッチ作動制御機構30は、軸31を中心と
して揺動するアーム32を有し、上記軸31は車輪1側のシ
ャフトである第1のシャフト21に固設されている。そし
て、アーム32には、第2のシャフト22側端部に爪部32a
が形成され、他方スリーブ28には係合部28aが形成され
て、この係合部28aと上記アーム32の爪部32aとが噛み合
った状態では、上記スリーブ28はクラッチ機構25を解放
した状態でロックされる(第2図に示す状態)。このス
リーブ28は、また、第2図に符号33で示すバネによっ
て、同図中右方向に付勢されており、上記アーム32が矢
印A方向に揺動し、アーム32(爪部32a)とスリーブ28
(係合部28a)との係合が解除されたときには、スリー
ブ28がバネ33の付勢緑によって右方動し、上記クラッチ
機構25が締結されるようになっている。このアーム32の
揺動は、第1のシャフト21側に設けられた電磁石34を励
磁することによって行われる。
上記第1のシャフト21と第2のシャフト22との相対回
転は90度の範囲で規制されるようになっている。すなわ
ち、この相対回転規制機構35は、第2図、第3図に示す
ように、第2のシャフト22の下端部22aに植設されたピ
ン36と、第1のシャフト21の中空大径部23aに形成され
たスリット37とで構成されて、このスリット37は第2の
シャフト22の軸回りに90度の長さ寸法を備えている。
尚、図中、符号38は、上記ピン37を固定するボルトであ
る。
前記第1のシャフト21と第2のシャフト22とには、上
記ポンプ17からの油圧を強制的に排出するドレインバル
ブ40が形成されている。具体的には、ドレインバルブ40
は下記の構成とされている。すなわち、第4図に示すよ
うに、第2のシャフト22の下端部22aには、その外周
に、周回りに延びる溝41が形成され、この溝41は、第2
のシャフト22の軸回りに90度の長さ寸法を備えている。
また、第1のシャフト21には、上記溝41に対応して、第
1のポートPと、この第1のポートPを挟んで2つの第
2のポートTと、が形成され、この2つの第2のポート
Tは、夫々、第1のポートPから90度の位相差が設けら
れている。そして、第1図に示すように、上記第1のポ
ートPは、分岐給油管42を介して、前記給油管18に接続
されている。他方、上記第2のポートTでは配管60を介
してカットオフバルブ43と接続され、カットオフバルブ
43は第2のドレイン管45に介装されて、この第2のドレ
イン管45は、前記分岐給油管42よりも下流側において、
前記給油管18に接続されている。
上記カットオフバルブ43は、第5図に示すように、シ
リンダ46と、シリンダ46内を圧力室46aと大気解放室46b
とに画成するピストン47と、で概略構成され、大気解放
室46bにはバネ48が配設されて、バネ48によってピスト
ン47は圧力室46a側に付勢され、ピストン47には、圧力
室46a側に突出する小径の突出部47aが設けられている。
そして、前記配管60は上記圧力室46aに接続され、この
圧力室46aには、また、前記第2のドレイン管45を構成
する下流側ドレイン管45aが接続されて、この下流側ド
レイン管45aにはオリフィス49が設けられている。他
方、第2のドレイン管45を構成する上流側ドレイン管45
bは、シリンダ46の側壁に形成されたポート50に接続さ
れ、ポート50は上記ピストン47に臨ませて開口されてい
る。これにより、第1のシャフト21と第2のシャフト22
とが90度相対回転したときには、第6図に示すように、
第1のポートPと第2のポートTとが上記溝41を介して
連通され、ドレインバルブ40は開弁状態となる。したが
って、ポンプ17から吐出された油圧は、配管42と60とを
通って、上記シリンダ46の圧力室46aに導入され、この
圧力室46aを通って、下流側ドレイン管45aへと還流され
ることになる。またシリンダ46の圧力室46aに導入され
た油圧によってピストン47が第5図中右方動し、上流側
ドレイン管45bと下流側ドレイン管45aとが連通される。
これにより、給油管18内の作動油がリザーバ19へドレイ
ンされることになり、パワー機構10はフリー状態とな
る。
第1図中、符号Uは、例えばマイクロコンピュータで
構成されたコントロールユニットで、コントロールユニ
ットUにはセンサ51乃至53からの信号が入力され、他方
コントロールユニットUから上記制御バルブ16へ切換制
御信号が出力され、また上記電磁石43へ励磁信号が出力
される。上記センサ51は、上記第2のシャフト22に配設
されて、この第2のシャフト22の回転角度、つまりステ
アリングホイール8の操舵角を検出するものである。上
記センサ52は、上記第1のシャフト21に配設されて、こ
の第1のシャフト21の回転角度、つまり前輪1の転舵角
を検出するものである。上記センサ53は、上記第1のシ
ャフト21に配設されて、第1のシャフト2と第2のシャ
フト22との異常相対回転を検出するものである。より具
体的には、センサ53は感圧ゴムスイッチで構成され、こ
の感圧ゴムスイッチ53は前記スリット37の長手方向両端
に添設されている(第3図参照)。
上記コントロールユニットUによる前輪操舵制御の概
略を説明すると、先ずステアリングホイール8が操舵さ
れると、この操舵角θH1に対応して前輪1を転舵すべく
制御バルブ16の切換態様が決定されて、シリンダ12へ油
圧の供給がなされる。そして、シリンダ12の異常等、何
らかの異常が発生し、ステアリングシャフト7の第1の
シャフト21と第2のシャフト22とが異常に相対回転(90
度の相対回転)したときには、電磁石34が励磁されてク
ラッチ機構25が締結され、上記第1のシャフト21と第2
のシャフト22との一体化によりステアリングホイール8
と前輪1とが機械的に連結される。
以上のことを前提として、前記操舵制御の一例を第7
図乃至第9図に示すフローチャートに基づいて具体的に
説明する。
第7図において、ステップS1で、ステアリングホイー
ル8の操舵角θH1(ハンドル側シャフト22の回転角度)
及び前輪1の実際の転舵角である実θH2(前輪側シャフ
ト21の回転角度)を読み込んだ後、ステップS2におい
て、前輪1の目標転舵角θの設定がなされる。この目
標転舵角θは、例えば第8図に示すように、ステップ
S3で上記操舵角θH1の変化速度(絶対値)を求め、次の
ステップS4を経た後、制動時にはステップS5に進んで、
第9図に示す関数fc1から補正量Cを求める。他方、フ
ットブレーキが踏み込まれていないときには、ステップ
S6へ進んで第9図に示す関数fc2から補正量Cを求め、
次のステップS7において、目標転舵角θが下記の式に
基づいて設定される。
θ=θH2+C ここに、上記補正量Cは、第9図から明らかなよう
に、制動時には、非制動時に比べて、大きな値が設定さ
れる。これにより、制動時には、ステアリングホイール
8の操舵速度に応じて前輪1が素早く転舵されることと
なり、不安定な状況下での車両のたて直しが可能とな
る。尚、θH2は操舵角θH1に対応して設定される前輪転
舵角であり、操舵角θH1に対してほぼ比例関係を持った
値とされる(以下、対応転舵角という)。
第7図に戻って、次のステップS8において、前輪1の
実転舵角θH2が目標転舵角θと等しいか否かの判別が
なされ、NOのときには、ステップS9ヘ進んで、制御バル
ブ16を所定の態様に切り換えることにより、パワー機構
10へ油圧が供給される。これにより前輪1は、パワー機
構10の出力に基づいて、右方向あるいは左方向へ転舵さ
れると共に前輪側シャフト21も回動変位することにな
る。その結果、前輪側シャフト21の回転角度(実転舵
角)実θH2が目標転舵角θと等しくなったときには
(ステップS10)、このステップS10からステップS11へ
進んで、制御バルブ16がニュートラル態様に切り換えら
れて、シリンダ12への油圧の供給が停止されると共にパ
ワー機構10はロック状態とされて、前輪1はその転舵状
態で維持される。
上記ステップS10の判別結果がNOであるときには、ス
テップS12へ進んで、油圧の供給から所定時間Tが経過
したか否かの判別が行われ、所定時間Tが経過するまで
は、原則的には、単にパワー機構10(シリンダ12)の作
動遅れにすぎないとして、ステップS13からステップS9
へ戻りパワー機構10に対する油圧の供給が継続される。
所定時間Tが経過するまでの間で、前輪側シャフト21の
回転角度(実転舵角)θH2と、目標転舵角θと、の差
が所定値αを越えているときには、シリンダ12等に何か
の異常状態が発生したとして、ステップS14へ移行し、
電磁石34への通電が開始される。これにより、前記クラ
ッチ機構25が締結され、ステアリングホイール8と前輪
1とは機械的に連結されることになる。また、次のステ
ップS15において、制御バルブ16はニュートラル状態と
され、次のステップS16において、ポンプ17の作動が停
止される。これにより、パワー機構10はフリー状態とさ
れて、このパワー機構10の存在によってステアリングホ
イール8と前輪1との機械的連結(マニュアル操作)に
基づく前輪1の転舵が阻害されることはない。
第9図おいて、ステップS20で、感圧ゴムスイッチ53
がオン状態となったときには、ステップS21へ進んで、
強制的な電磁石34への通電が開始され、前記クラッチ機
構25が締結され、ステアリングホイール8と前輪1とは
機械的に連結される。感圧ゴムスイッチ53がオン状態と
なることは、とりもなおさず、ステアリングホイール側
シャフト22と前輪側シャフト21とが90度相対回転した異
常状態であり、またこの状態ではドレインバルブ43が開
弁状態となって、パワー機構10はフリー状態とされてい
る。したがって、ステアリングホイール側シャフト22と
前輪側シャフト21とが90度相対回転するような異常状態
が発生したときには、直ちにステアリングホイール8と
前輪転舵機構2とが機械的に連結され、またこの両シャ
フト21、22間の相対回転に基づくドレインバルブ43の開
弁によってパワー機構10がフリー状態となるため、運転
者の操舵力に基づいて前輪1が転舵されることになる。
第11図乃至第15図は、上記目標転舵角θの設定(第
7図ステップS2)に関し、他の補正値を考慮する場合に
ついて示してある。
第11図はヨーレイトに対する補正量Dに関するもの
である。すなわち、ステアリングホイール8が操舵され
ているときにはステップS30からステップS31及びステッ
プS32へ進んでヨーレイトに対する補正量Dが設定さ
れる。ここに補正量Dは第12図に示す関数fDにより求め
られ、次のステップS33において、前記対応転舵角θH2
から補正量Dを減算することによって目標転舵角θ
設定が行われる。これにより、ヨーレイトが大きいと
きには、小さいときに比べて、その目標転舵角θが小
さい値とされ、前輪1はヨーレイトが小さくなる方向に
転舵されることになり、スピン発生が未然に防止される
こととなる。
第13図は車両に加わる横加速度(横G)に対する補正
量Aに関するものである。すなわち、ステップS40及び
ステップS41を経て、横Gに対する補正量Aが設定され
る。ここに補正量Aは第14図に示す関数fAにより求めら
れ、次のステップS42において、前記対応転舵角θH2
補正量Aを加算することによって目標転舵角θの設定
が行われる。これにより、横Gが大きいときには、小さ
いときに比べて、その目標転舵角θが大きな値とされ
て、車両の回頭性が高められることになる。
第15図は路面の滑り易さ(路面μ)に対する補正量B
に関するものがある。ここに、路面μはワイパースイッ
チによって検出するものとされ、ワイパースイッチのOF
Fあるいは間欠(INT)が選択されているときには、路面
が滑り難い状態にあると判別されて、ステップS50から
ステップS51へ進み、補正量Bが零とされる。一方、ワ
イパースイッチのL0(低速)が選択されているときに
は、比較的滑り易い路面状況にあるとして、ステップS5
0、ステップS52を経てステップS54へ進み、補正量Bと
して第11図に示す値B小が設定される。他方、ワイパー
スイッチのHi(高速)が選択されているときには、極め
て路面が滑り易い状態にあるとして、ステップS52から
ステップS53へ進み、補正量Bとして、第16図に示す値
B大が設定される。このようにして設定された補正量B
は、次のステップS55において、前記対応転舵角θH2
ら補正量Bを減算することによって目標転舵角θの設
定が行われる。これにより、路面が滑り易い状態である
ときには、滑り難い状態のときに比べて、その目標転舵
角θが小さい値とされるため、低μ路での車両走行の
安定性が確保されることになる。
第17図以降の図面は、不感帯継手11の変形例を示すも
のである。これら変形例の説明において、上記第1実施
例と同一の要素には同一の参照符号を付してその説明を
省略し、以下にこれら変形例の特徴部分についてのみ説
明する。
第17図に示す第1変形例にあっては、第1のシャフト
21と第2のシャフト22との間に第1の電磁クラッチ50が
設けられ、この第1の電磁クラッチ50がONされたとき
に、第1のシャフト21と第2のシャフト22とが一体化さ
れるようになっている。またこの変形例においては、第
2のシャフト(ステアリングホイール8側のシャフト)
と車体側部材51との間に第2の電磁クラッチ52が介装さ
れて、この第2の電磁クラッチ52の締結力を調整するこ
とによりステアリングホイール8に適度な操舵感を付与
するようになっている。
第18図乃至第20図に示す変形例にあっては、不感帯継
手11が、第20図に示すように、内外二重筒とされた内筒
60と外筒61とを有し、これら内筒60と外筒61とが相対回
転可能とされて、外筒61には、径方向に延びるピン62が
固設され、内筒60には上記ピン62を受け入れる穴60aが
形成されている。この穴60aは、第18図等に示すよう
に、第1のシャフト21側から第2のシャフト22側へ向け
て徐々に拡開する扇形状とされている。そして、内筒60
は前記第1のシャフト21と一体とされ、外筒61はスプラ
イン63を介して第2のシャフト22と結合されている。第
18図、第19図中、符号64は、ステアリングシャフトケー
ス65と第1のシャフト21との間に介装されたベアリング
であり、また符号66は、車体側部材67と第2のシャフト
22との間に介装されたベアリングである。
上記外周61にはその上端に鍔部61aが形成され、この
鍔部61aと第2のシャフト22との間には圧縮ばね68が配
設されて、外周61は第1のシャフト21側へ付勢されてい
る。第18図、第19図中、符号70は油圧シリンダで、この
油圧シリンダ70は車体側部材67に固設されて、そのピス
トンロッド70aは第2のシャフト22と並列に第1のシャ
フト21側へ向けて延び、該ピストンロッド70aの先端部
にはプレート71が固設されている。このプレート71は、
外周61の鍔部61aを挟んで前記圧縮ばね68とは反対側に
配置され、プレート71と上記鍔部61aとの間にはベアリ
ング72が介装されている。
上記油圧シリンダ70は給排ライン73からの油圧の供給
を受けて短縮し、他方油圧シリンダ70内の油圧を排出す
ることによって伸長される(圧縮ばね68の付勢力によ
る)。この油圧シリンダ70に対する油圧の給排は3ポー
ト2位置切換弁74の切換によって行われ、この切換弁74
は、電磁弁とされて、コントロールユニットからの信号
によって制御されるようになっている。
以上の構成により、油圧シリンダ70が伸長されたとき
には、第18図に示すように、ピン62が扇状穴60aの頂部
に位置されて、不感帯Lの幅、つまり第1のシャフト21
と第2のシャフト22との間で許容される相対回転量が小
さなものとされる。つまり油圧シリンダ70が最大限伸長
されたときには、第1のシャフト21と第2のシャフト22
とが直結状態となる。他方、油圧シリンダ70が短縮した
ときには、ピン62が扇状穴60aの頂部から離れ、第19図
に示すように、不感帯Lの幅が徐々に拡大され、第1の
シャフト21と第2のシャフト22との間で許容される相対
回転量が大きなものとなる。この油圧シリンダ70の伸縮
量は、第18図等に符号75で示すストロークセンサで検出
され、コントロールユニットへフィードバックされる。
以上のような構成において、この変形例にあっては、
第1実施例における基本的制御(第7図等)の他に、不
感帯Lを車両の走行状態に応じて変更するようになって
いる。
第21図は、不感帯Lの変更制御の例を示すフローチャ
ートである。この不感帯Lの変更制御においては、低車
速(30km/h以下)ではステップS61からステップS62へ進
んで不感帯LがL0とされ、このL0は最大不感帯量とされ
る。また、車速Vが30km/hから60km/hの範囲にあるとき
には、ステップS63からステップS64へ進んで不感帯Lが
L1とされ、車速が60km/hから80km/hの範囲にあるときに
は、ステップS65からステップS66へ進んで不感帯LがL2
とされ、車速が80km/hを越える高速域では不感帯LがL3
とされる。ここに、不感帯Lの幅はL0>L1>L2>L3の関
係とされ、高速になる程不感帯Lの幅が小さく設定され
て、高速走行時には敏感に反応するように設定されてい
る。かかる不感帯継手11は、扇状穴60aの側壁に感圧ゴ
ムスイッチ53が添設され、第1のシャフト21と第2のシ
ャフト22との相対回転によってピン62が感圧ゴムスイッ
チ53に圧接し、このスイッチ53がONされたときに初めて
前輪転舵の制御(第7図の制御)が開始されるようにな
っている。
上記不感帯の変更制御において、第22図に示すよう
に、急制動時には、ステップS70、S71からステップS72
へ進んで、強制的に不感帯Lを最大不感帯幅であるL0
するようにしてもよい。これよれば、車両が極めて敏感
となっている急制動時での不必要なハンドル操作に対し
て前輪転舵が感応しないことになり、急制動時の走行安
定性を確保することが可能となる。
第23図は、前述した各実施例において、その制御の変
形例を示すものである。すなわち、前記第7図の制御の
変形例として、これを説明すれば、走行途中にエンジン
が停止したときには、ステップS80からステップS81へ進
んで直ちに電磁石34(第2図参照)への通電が開始され
るようになっている。これによりクラッチ機構25(第2
図参照)が締結され、ステアリングホイール8と前輪1
とは機械的に連結されることになる。本変形例によれ
ば、エンジン停止に伴う作動油圧の低下によって前輪転
舵が誤って制御されることを防止することができる。
以上、本発明の各実施例を説明したが、目標転舵角θ
の設定に当たり、前述した種々の補正量を総合的に加
味した上で最終的な目標転舵角θを設定するものであ
ってもよい。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ア
クチュエータの故障発生と共にステアリングホイールと
前輪転舵角機構とが機械的に連結されるため、当該故障
時の走行安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例の全体系統図、 第2図はステアリングホイール側シャフトと前輪側シャ
フトとの結合部位を断面して示す部分断面図、 第3図は、第2図に示すIII−III線断面図、 第4図は、第2図に示すIV−IV線断面図、 第5図は、パワー機構に含まれる油圧回路の一部を示す
回路図、 第6図は、ステアリングホイール側シャフトと前輪側シ
ャフトとで構成されるドレインバルブの作動を示し、第
4図に対応する断面図、 第7図、第8図は、パワー機構の出力に基づく前輪転舵
の制御の一例を示すフローチャート、 第9図は、前輪転舵制御に用いられる補正量の一例を示
す図、 第10図は、ステアリングホイール側シャフトと前輪側シ
ャフトとが90度相対回転したときに制御の一例を示すフ
ローチャート、 第11図乃至第16図は目標転舵角の設定ルーチンを示すフ
ローチャート及び補正量設定の基準となる各種マップ、 第17図は不感帯継手の第1変形例を示す断面図、 第18図は不感帯継手の第2変形例を示す断面図、 第19図は第18図に示す不感帯継手の作用を示す断面図、 第20図は第19図に示すXX−XX線断面図、 第21図及び第22図は不感帯設定制御の一例を示すフロー
チャート、 第23図は前輪転舵制御の変形例を示すフローチャート。 2:前輪転舵機構 3:リレーロッド 7:ステアリングシャフト 8:ステアリングホイール 10:パワー機構 11:不感帯継手 12:パワー機構の一部を構成する油圧シリンダ(アクチ
ュエータ) 16:制御バルブ 19:リザーバ 21:前輪側シャフト(第1のシャフト) 22:ステアリングホイール側シャフト(第2のシャフ
ト) 25:クラッチ機構 34:電磁石

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前輪転舵機構にパワー機構が付設されて、
    該パワー機構の一部を構成するアクチュエータの出力に
    基づき、ステアリングホイールの操舵に応じて前輪を転
    舵するようにされた車両の操舵装置において、 前記ステアリングホイールと前記前輪転舵機構とを機械
    的に連結するステアリングシャフトが、上下に、ステア
    リングホイール側シャフトと前輪側シャフトとの2分割
    構造とされて、これら両シャフト間に設けられ、ステア
    リングホイール側シャフトと前輪側シャフトとの連結を
    断続するクラッチと、 前記アクチュエータの故障を検出する故障検出手段と、 前記アクチュエータの故障が検出されたときに、前記ク
    ラッチを締結させる故障制御手段と、を備えていること
    を特徴とする車両の操舵装置。
  2. 【請求項2】請求項(1)において、 エンジンの作動停止を検出するエンスト検出手段と、 該エンジンの作動停止が検出されたときには、前記クラ
    ッチを締結させるエンスト制御手段と、 を備えているもの。
  3. 【請求項3】請求項(1)において、 前記ステアリングホイール側シャフトと前記前輪側シャ
    フトとの間に設けられ、これら両シャフト間の相対回転
    を一定の範囲内で許容する不感帯継手と、 前記ステアリングホイール側シャフトと前記前輪側シャ
    フトとの間の相対回転が、前記不感帯継手の許容し得る
    最大範囲となったことを検出する異常相対回転検出手段
    と、 前記ステアリングホイール側シャフトと前記前輪側シャ
    フトとの間の相対回転が、前記不感帯継手の許容し得る
    最大範囲となったときに、前記クラッチを締結させる異
    常制御手段と、 を備えているもの。
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