JP2857870B2 - 繊維含有率調整三次元織物、並びに該織物を用いた金属接合用耐熱繊維強化複合材料及びその接合方法 - Google Patents

繊維含有率調整三次元織物、並びに該織物を用いた金属接合用耐熱繊維強化複合材料及びその接合方法

Info

Publication number
JP2857870B2
JP2857870B2 JP9029510A JP2951097A JP2857870B2 JP 2857870 B2 JP2857870 B2 JP 2857870B2 JP 9029510 A JP9029510 A JP 9029510A JP 2951097 A JP2951097 A JP 2951097A JP 2857870 B2 JP2857870 B2 JP 2857870B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
metal
composite material
heat
dimensional
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP9029510A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10212638A (ja
Inventor
毅 末光
正樹 上門
章三 岡崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP9029510A priority Critical patent/JP2857870B2/ja
Publication of JPH10212638A publication Critical patent/JPH10212638A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2857870B2 publication Critical patent/JP2857870B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三次元織物による
繊維強化を施した耐熱複合材料と金属との接合に関し、
詳しくは、金属との接合性が良好な三次元繊維強化耐熱
複合材料に用いられる三次元織物及び該織物の構造を有
する耐熱複合材料、並びに該複合材料と金属との接合方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】耐熱複合材料とは、炭素繊維強化複合材
料(以下、適宜「C/C材」と略す)やセラミックス系
複合材料(以下、適宜「FRC」と略す)のことであ
り、C/C材やFRCは、高温での強度や耐熱性の面で
非常に優れた材料であり、航空宇宙分野及び原子炉分野
等における高温部材に適用され始めており、適用分野の
拡大が期待されている。前記耐熱複合材料の繊維強化方
法としては、不織布、一方向強化、二次元織物積層及び
三次元織物等による方法が知られている。この場合、用
途により強化方法が選定されるが、三次元織物による強
化方法が、より等方的になることから、高性能部材への
適用が期待されている。
【0003】上記のC/C材やFRCのような耐熱複合
材料を金属と接合させる場合、一方向強化C/C材につ
いては、繊維強化方向に垂直な面では熱膨張率が10×
10-6/K程度であり、接合する金属の熱膨張率(例え
ば、Ni基超耐熱合金:約14×10-6/K、銅合金:約
15×10-6/K)と比較して熱膨張差が小さいので、良
好な接合を行うことができる。なお、一方向強化C/C
材については、原子力関係で良い接合性が報告されてい
る。また、図3に示すように、三次元織物による繊維強
化を施したC/C材10をロウ材12を用いて金属14
と接合させる場合、三次元織物強化C/C材では、繊維
強化により熱膨張率が1×10-6/K程度であり、接合す
る金属の熱膨張率(図3の場合は、ハステロイ(Has
telloy)X:16.6×10-6/K(1250
K)、13.9×10-6/K(370K))と比較すると、
10倍以上の熱膨張差がある。
【0004】従来から、特開平3−182337号公報
に示されるように、炭素繊維強化セラミックスと金属基
材との間に数層の中間層を設け、金属基材から炭素繊維
強化セラミックスにかけて傾斜組成を有するようにし
て、熱膨張係数の差に起因する応力を緩和するととも
に、反応抑制による応力緩和構造の熱的安定性を確保す
ることが知られている。また、特公平6−31165号
公報に示されるように、金属とセラミックスとの接合部
に一方向繊維強化軟質金属を繊維配向方向が接合面に対
して直角となるように配置して、金属とセラミックスと
の熱膨張係数の差異による熱応力を緩和することが知ら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、三次元
織物等の構造を有する耐熱複合材料は、熱膨張率が金属
に比べて非常に低いため、金属とロウ付け接合した場合
に、熱膨張差により接合面(界面)での剥離等が生じる
ことになり接合性が悪かった。また、図3に示すよう
に、三次元織物強化C/C材の熱膨張率と、接合する金
属(ハステロイX)の熱膨張率とを比較すると、三次元
織物強化C/C材の熱膨張率の方が10倍以上も小さい
ので、熱膨張差に起因する接合面での亀裂や剥離が発生
したりすることになる。また、C/C材の空隙率が少な
いことに起因してロウ材の浸透性が悪くなり、良好な接
合性が得られないという問題もある。
【0006】特開平3−182337号公報に記載され
たような複合材料接合体は、製造の際にイオンプレーテ
ィング装置等を用いたり、傾斜組成を有するように中間
層を配置する等のことから、製造や操作等が極めて煩雑
であり、より簡便な方法が望まれる。特公平6−311
65号公報に記載されたような接合体は、軟質金属を母
材とした一方向繊維強化金属からなる熱膨張率の応力緩
和層を設けるものであるが、接合方法が極めて煩雑であ
る。
【0007】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、三次元繊維強化耐熱複合材料にお
いて金属接合面近傍の面方向の熱膨張率や空隙率を調整
することにより、金属との接合性が良好な三次元繊維強
化耐熱複合材料に用いられる三次元織物及び該織物の構
造を有する耐熱複合材料、並びに該複合材料と金属との
接合方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の繊維含有率調整三次元織物は、三次元繊
維強化耐熱複合材料として金属と接合させる面及びその
近傍における接合面方向の繊維含有率が下げられ、三次
元繊維強化耐熱複合材料の接合面方向における熱膨張率
が増加・調整されるように構成されている。上記の本発
明の三次元織物において、接合面方向の繊維の接合面に
対する厚さ方向における間隔を拡大させること、及び接
合面方向の繊維における繊維束あたりの繊維本数を減少
させること、の少なくともいずれかを行うことにより、
接合面方向の繊維含有率を下げることができる。また、
上記の本発明の三次元織物において、接合面に対する厚
さ方向の繊維における繊維束あたりの繊維本数を増加さ
せること、及び繊維束数を増加させること、の少なくと
もいずれかを行うことにより、接合面方向の繊維含有率
を下げることもできる。そして、上記のように構成され
た繊維含有率調整三次元織物を用いて、金属との接合性
の良好な金属接合用耐熱繊維強化複合材料を製造するこ
とができる。
【0009】また、本発明の金属接合用耐熱繊維強化複
合材料は、三次元繊維強化耐熱複合材料として金属と接
合させる面に、接合面と垂直な方向にスリットが設けら
れ、接合面方向の繊維が切断されて、三次元繊維強化耐
熱複合材料の接合面方向における熱膨張率が増加・調整
されるとともに、接合面及びその近傍における空隙が増
加するように構成されている。また、上記の繊維含有率
調整三次元織物の構造を有する耐熱複合材料の金属と接
合させる面に、接合面と垂直な方向にスリットを設け
て、接合面方向の繊維を切断し、金属接合用耐熱繊維強
化複合材料の接合面方向における熱膨張率を増加・調整
するとともに、接合面及びその近傍における空隙が増加
するように構成することもできる。
【0010】また、本発明の金属接合用耐熱繊維強化複
合材料の接合方法は、三次元繊維強化耐熱複合材料とし
て金属と接合させる面及びその近傍における接合面方向
の繊維含有率を下げて、三次元繊維強化耐熱複合材料の
接合面方向における熱膨張率を増加させ、接合する金属
の熱膨張率に合うように調整した繊維含有率調整三次元
織物を製作し、該織物を用いて製造した金属接合用耐熱
繊維強化複合材料を金属とロウ付けすることを特徴とし
ている。また、本発明の金属接合用耐熱繊維強化複合材
料の接合方法は、三次元繊維強化耐熱複合材料として金
属と接合させる面に、接合面と垂直な方向にスリットを
設けて、接合面方向の繊維を切断することにより、三次
元繊維強化耐熱複合材料の接合面方向における熱膨張率
を増加させ、接合する金属の熱膨張率に合うように調整
するとともに接合面及びその近傍における空隙を増加さ
せた繊維含有率調整三次元織物を製作し、該織物を用い
て製造した金属接合用耐熱繊維強化複合材料を金属とロ
ウ付けすることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に示すような直交三方
向強化三次元織物の構造を有する耐熱複合材料を用い
て、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は直交三
方向強化三次元織物の場合に限定されるものではなく、
他の三方向強化三次元織物や四方向強化三次元織物等の
あらゆる三次元織物の場合に適用できるものである。例
えば、本発明の三次元織物の構造は円筒座標系の場合で
も適用可能である。図1は本発明の実施の第1形態によ
る金属接合用耐熱繊維強化複合材料の接合方法を実施し
た場合を示している。本実施の形態は、三次元繊維強化
耐熱複合材料として金属と接合させる面及びその近傍に
おける接合面方向の繊維含有率を下げて、三次元繊維強
化耐熱複合材料の接合面方向における熱膨張率を増加さ
せる場合である。図1において、16は炭素繊維強化複
合材料(C/C材)であり、金属接合面方向に縦方向
(X方向)及び横方向(Y方向)の強化繊維が直交して
設けられ、このX,Y方向糸18が接合面に対する厚さ
方向(Z方向)の強化繊維(Z方向糸20)と直交する
ように構成された直交三方向強化三次元織物の構造を有
している。22はC/C材と接合される金属であり、2
4は接合に用いられるロウ材である。
【0012】図1に示すように、三次元繊維強化耐熱複
合材料において、C/C材16が金属22と接合する面
及びその近傍における面方向(X方向又はY方向)の
X,Y方向糸18を何層分か除去等することにより強化
繊維の厚さ方向の面間隔を拡大させたり、X,Y方向糸
18の繊維束の繊維数を減少させたりして、あるいは、
厚さ方向のZ方向糸20の繊維束の繊維数を増加等させ
たり、繊維束数を増加させることにより、接合面方向の
繊維含有率を下げて、接合面方向の熱膨張率を増加さ
せ、接合する金属22の熱膨張率(例えば、Ni基超耐
熱合金:約14×10-6/K、銅合金:約15×10-6/
K)に合うように調整した炭素繊維の三次元織物を製作
し、これを用いてC/C材16を製造する。なお、強化
繊維としてセラミックス繊維を用いて三次元織物を製作
し、この三次元織物からセラミックス系複合材料(FR
C)を製造する場合も上記と同様である。また、強化繊
維として炭素繊維、セラミックス繊維以外の他の繊維を
用いることも勿論可能である。
【0013】炭素繊維を用いる場合は、ピッチ系、ポリ
アクリロニトリル系又はレーヨン系のいずれも使用でき
るが、ピッチ系炭素繊維が好ましい。ここでいうピッチ
系炭素繊維とは、炭素質ピッチを溶融紡糸し、これを不
融化、炭化及び必要に応じて黒鉛化することにより得ら
れる繊維である。また、セラミックス繊維とは、Si
C、TiCなどの炭化物セラミックス、Al23などの
酸化物セラミックス、Si34などの窒化物セラミック
スあるいはこれらの混合物からなる繊維である。さら
に、炭素繊維の表面に前記セラミックスを被覆したもの
も含む。これらの炭素繊維及びセラミックス繊維は、通
常直径5〜数十μm であり、この繊維を500〜10
0,000本の束にして、織物を製織する。
【0014】上記のようにして製造されたC/C材16
は三次元繊維強化耐熱複合材料であり、金属22と接合
しない一面は比較的等方性の性質を示し熱膨張率は低い
(約1×10-6/K)が、他方の片面は面方向の熱膨張率
は高く(約10×10-6/K)、熱膨張率が同程度である
金属22とロウ材24を用いて接合することができる。
また、両面に金属を接合したい場合は、上述のような手
段で両接合面及びその近傍の繊維含有率を下げることに
より、両面側が一方向強化材に近い特性(熱膨張率が高
い)を有し、かつ、中央部が三次元繊維強化耐熱複合材
料の特性(高強度で熱膨張率が低い)を有する材料とす
ることもできる。なお、接合に用いるロウ材24として
は、主成分が銀、白金、銅、ニッケル、パラジウム等か
らなり、添加元素として錫、チタン、インジウム、ガリ
ウム、ゲルマニウム等を加えたものが挙げられる。ロウ
材の形態は粉末、箔、線状のものがあり、真空雰囲気
(好ましくは、10-5Torr程度)、不活性雰囲気(窒
素、ヘリウム、アルゴンガス雰囲気)又は大気中で、ロ
ウ材の融点以上の温度(例えば、700〜1100℃)
に加熱されて接合される。金属の酸化等を防止するため
には、真空雰囲気でロウ付けを行うことが好ましい。
【0015】図2は本発明の実施の第2形態による金属
接合用耐熱繊維強化複合材料の接合方法を実施した場合
を示している。本実施の形態は、三次元繊維強化耐熱複
合材料として金属と接合させる面に、接合面と垂直な方
向にスリットを設けて、接合面方向の繊維を切断するこ
とにより、三次元繊維強化耐熱複合材料の接合面方向に
おける熱膨張率及び空隙率を増加させる場合である。な
お、通常の三次元繊維強化耐熱複合材料にスリットを設
ける場合だけでなく、前記の金属接合面及びその近傍に
おける接合面方向の繊維含有率を下げた三次元繊維強化
耐熱複合材料にスリットを設ける場合もある。図2にお
いて、16は炭素繊維強化複合材料(C/C材)であ
り、金属接合面方向に縦方向(X方向)及び横方向(Y
方向)の強化繊維が直交して設けられ、このX,Y方向
糸18が接合面に対する厚さ方向(Z方向)の強化繊維
(Z方向糸20)と直交するように構成された直交三方
向強化三次元織物の構造を有している。22はC/C材
と接合される金属であり、24は接合に用いられるロウ
材、26は金属接合面に垂直に設けられたスリットであ
る。
【0016】図2に示すように、前記の繊維含有率を調
整した三次元繊維強化耐熱複合材料あるいは通常の三次
元繊維強化耐熱複合材料において、C/C材16が金属
22と接合する面に、接合面と垂直なスリット26を設
け、面方向の繊維(X,Y方向糸18)を厚さ方向に何
層か切断することにより、接合面方向の熱膨張率を増加
させ、接合する金属22の熱膨張率に合うように調整す
るとともに、接合面及びその近傍の空隙の増加を図り、
このC/C材16をロウ材24を用いて金属22と接合
する。なお、スリットの幅は織物構造により異なるが、
1μm〜5mmであり、好ましくは10μm〜2mmである。
また、スリットの深さは、接合面方向の熱膨張率を増加
させる観点から、面方向の繊維を一層以上切断するよう
にする。スリットは、一例として、一方向又は碁盤状
(格子状)に入れるが、スリットを入れる場合は、接合
面方向の熱膨張率を増加させる観点から、面方向繊維を
なるべく細かく切断することが好ましい。なお、1束か
ら10束おきの切断でも十分効果がある。また、スリッ
トを設けることにより、前記の熱膨張率の調整だけでな
く、接合面近傍における空隙が増加することになり、ロ
ウ材が耐熱複合材料の接合面によく浸透し、アンカー効
果により金属との接合性が向上する。上記のようにして
製造されたC/C材16は三次元繊維強化耐熱複合材料
であり、金属22と接合しない一面は比較的等方性の性
質を示し熱膨張率は低く(約1×10-6/K)空隙率も小
さい(好ましくは、10%以下)が、他方の片面は面方
向の熱膨張率が高く(約10×10-6/K)空隙率も大き
い(好ましくは、15%以上)ので、熱膨張率が同程度
である金属22とロウ材24を用いて接合することがで
きる。
【0017】
【実施例】つぎに、本発明の実施例及び比較例について
説明する。 実施例1 厚さ方向(Z方向)にX,Y方向糸の繊維束が6層ある
厚さ5mmの直交三方向強化三次元織物の金属との接合面
側の面方向糸(X,Y方向糸)を接合面側から3層分除
去して炭素繊維の厚さ方向の面間隔を拡大し、この後、
ピッチ含浸・1000℃、100MPa 加圧炭化及び17
00℃焼成の緻密化処理を6回繰り返して、高密度炭素
繊維強化耐熱複合材料を製作し、Ni基超耐熱合金(N
i 47.3wt%、Cr 22.0wt%、Co 1.5wt
%、Mo 9.0wt%、W 0.6wt%、Fe 18.5w
t%、Mn 0.5wt%、Si 0.5wt%、C 0.1wt
%)とのロウ付けによる接合試験を行った。ロウ材とし
ては、銀系(Ag 63wt%、Cu 35wt%、Ti 2w
t%)の厚さ100μmの箔状のものを用い、10-5Torr
の高真空下で5分間、850℃まで加熱し、C/C材と
金属との接合を行った。この断面状況を調べた結果、界
面(接合面)での剥離等もなく、良好な接合であること
が確認された。
【0018】実施例2 厚さ方向(Z方向)にX,Y方向糸の繊維束が4層ある
厚さ3mmの直交三方向強化三次元織物を用い、ピッチ含
浸・1000℃、100MPa 加圧炭化及び1700℃焼
成の緻密化処理を6回繰り返して、高密度C/C材を製
作した。この後、C/C材の金属接合面に、2mm間隔で
深さ1.5mm、幅0.3mmのスリットを格子状に入れ
た。スリットを入れることにより、接合面近傍の空隙率
は約6%から30%程度に増加した。そして、このC/
C材とNi基超耐熱合金(Ni 47.3wt%、Cr 2
2.0wt%、Co 1.5wt%、Mo 9.0wt%、W
0.6wt%、Fe 18.5wt%、Mn 0.5wt%、S
i 0.5wt%、C 0.1wt%)との接合試験を行っ
た。接合方法は、ロウ材として、銀系(Ag 63wt
%、Cu 35wt%、Ti 2wt%)の厚さ100μmの
箔状のものを用い、10-5Torrの高真空下で5分間、8
50℃まで加熱し、C/C材と金属との接合を行うもの
であった。この断面状況を調べた結果、界面(接合面)
での剥離等もなく、良好な接合であることが確認され
た。
【0019】比較例1 厚さ方向(Z方向)にX,Y方向糸の繊維束が4層ある
厚さ3mmの直交三方向強化三次元織物を用い、ピッチ含
浸・1000℃、100MPa 加圧炭化及び1700℃焼
成の緻密化処理を6回繰り返して、高密度C/C材を製
作した。そして、このC/C材とNi基超耐熱合金(N
i 47.3wt%、Cr 22.0wt%、Co 1.5wt
%、Mo 9.0wt%、W 0.6wt%、Fe 18.5w
t%、Mn0.5wt%、Si 0.5wt%、C 0.1wt
%)との接合試験を行った。接合方法は、ロウ材とし
て、銀系(Ag 63wt%、Cu 35wt%、Ti 2wt
%)の厚さ100μmの箔状のものを用い、10-5Torr
の高真空下で5分間、850℃まで加熱し、C/C材と
金属との接合を行うものであった。この断面状況を調べ
た結果、C/C材と金属との界面(接合面)での剥離が
見られた。
【0020】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 三次元繊維強化耐熱複合材料として金属と接合
させる面及びその近傍における接合面方向の繊維含有率
を下げて、三次元繊維強化耐熱複合材料の接合面方向に
おける熱膨張率を増加させ、接合する金属の熱膨張率に
合うように調整することにより、三次元繊維強化耐熱複
合材料と接合する金属との熱膨張差が小さくなるので、
界面(接合面)での剥離や亀裂等が生じることなく、三
次元繊維強化耐熱複合材料を金属とをロウ付け接合する
ことができる。また、熱応力の緩和による接合強度の向
上も期待できる。 (2) 三次元繊維強化耐熱複合材料として金属と接合
させる面に、接合面と垂直な方向にスリットを設けて、
接合面方向の繊維を切断し、三次元繊維強化耐熱複合材
料の接合面方向における熱膨張率を増加させ、接合する
金属の熱膨張率に合うように調整するとともに、接合面
及びその近傍における空隙を増加させることにより、三
次元繊維強化耐熱複合材料と接合する金属との熱膨張差
が小さくなるだけでなく、空隙にロウ材がよく浸透する
ので、界面(接合面)での剥離や亀裂等が生じることな
く、三次元繊維強化耐熱複合材料を金属とをロウ付け接
合することができる。また、熱応力の緩和による接合強
度の向上も期待できる。 (3) 三次元繊維強化耐熱複合材料として、金属と接
合しない一面は比較的等方性の性質を示し高強度で熱膨
張率が低いが、金属と接合する面は面方向の熱膨張率が
高く、熱膨張率が同程度である金属とロウ材を用いて接
合することができる。 (4) 簡便な方法で三次元繊維強化耐熱複合材料と金
属とをロウ付け接合することができ、航空宇宙用エンジ
ンや汎用ガスタービン等への適用の拡大が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による金属接合用耐熱
繊維強化複合材料の接合方法を実施した場合を示す概略
断面構成図である。
【図2】本発明の実施の第2形態による金属接合用耐熱
繊維強化複合材料の接合方法を実施した場合を示す概略
断面構成図である。
【図3】従来の金属接合用耐熱繊維強化複合材料の接合
方法を実施した場合を示す概略断面構成図である。
【符号の説明】
10、16 炭素繊維強化複合材料(C/C材) 12、24 ロウ材 14、22 金属 18 X,Y方向糸 20 Z方向糸 26 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特許2699443(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D03D 13/00 C04B 35/83,37/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三次元繊維強化耐熱複合材料として金属
    と接合させる面及びその近傍における接合面方向の繊維
    含有率が下げられ、三次元繊維強化耐熱複合材料の接合
    面方向における熱膨張率が増加・調整されていることを
    特徴とする繊維含有率調整三次元織物。
  2. 【請求項2】 接合面方向の繊維の接合面に対する厚さ
    方向における間隔を拡大させること、及び接合面方向の
    繊維における繊維束あたりの繊維本数を減少させるこ
    と、の少なくともいずれかを行うことにより、接合面方
    向の繊維含有率を下げるようにした請求項1記載の繊維
    含有率調整三次元織物。
  3. 【請求項3】 接合面に対する厚さ方向の繊維における
    繊維束あたりの繊維本数を増加させること、及び繊維束
    数を増加させること、の少なくともいずれかを行うこと
    により、接合面方向の繊維含有率を下げるようにした請
    求項2記載の繊維含有率調整三次元織物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の繊維含
    有率調整三次元織物の構造を有する金属接合用耐熱繊維
    強化複合材料。
  5. 【請求項5】 三次元繊維強化耐熱複合材料として金属
    と接合させる面に、接合面と垂直な方向にスリットが設
    けられ、接合面方向の繊維が切断されて、三次元繊維強
    化耐熱複合材料の接合面方向における熱膨張率が増加・
    調整されるとともに、接合面及びその近傍における空隙
    が増加していることを特徴とする金属接合用耐熱繊維強
    化複合材料。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の金属接合用耐熱繊維強化
    複合材料の金属と接合させる面に、接合面と垂直な方向
    にスリットが設けられ、接合面方向の繊維が切断され
    て、金属接合用耐熱繊維強化複合材料の接合面方向にお
    ける熱膨張率が増加・調整されるとともに、接合面及び
    その近傍における空隙が増加している金属接合用耐熱繊
    維強化複合材料。
  7. 【請求項7】 三次元繊維強化耐熱複合材料として金属
    と接合させる面及びその近傍における接合面方向の繊維
    含有率を下げて、三次元繊維強化耐熱複合材料の接合面
    方向における熱膨張率を増加させ、接合する金属の熱膨
    張率に合うように調整した繊維含有率調整三次元織物を
    製作し、該織物を用いて製造した金属接合用耐熱繊維強
    化複合材料を金属とロウ付けすることを特徴とする金属
    接合用耐熱繊維強化複合材料の接合方法。
  8. 【請求項8】 三次元繊維強化耐熱複合材料として金属
    と接合させる面に、接合面と垂直な方向にスリットを設
    けて、接合面方向の繊維を切断することにより、三次元
    繊維強化耐熱複合材料の接合面方向における熱膨張率を
    増加させ、接合する金属の熱膨張率に合うように調整す
    るとともに接合面及びその近傍における空隙を増加させ
    た繊維含有率調整三次元織物を製作し、該織物を用いて
    製造した金属接合用耐熱繊維強化複合材料を金属とロウ
    付けすることを特徴とする金属接合用耐熱繊維強化複合
    材料の接合方法。
JP9029510A 1997-01-28 1997-01-28 繊維含有率調整三次元織物、並びに該織物を用いた金属接合用耐熱繊維強化複合材料及びその接合方法 Expired - Fee Related JP2857870B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9029510A JP2857870B2 (ja) 1997-01-28 1997-01-28 繊維含有率調整三次元織物、並びに該織物を用いた金属接合用耐熱繊維強化複合材料及びその接合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9029510A JP2857870B2 (ja) 1997-01-28 1997-01-28 繊維含有率調整三次元織物、並びに該織物を用いた金属接合用耐熱繊維強化複合材料及びその接合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10212638A JPH10212638A (ja) 1998-08-11
JP2857870B2 true JP2857870B2 (ja) 1999-02-17

Family

ID=12278104

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9029510A Expired - Fee Related JP2857870B2 (ja) 1997-01-28 1997-01-28 繊維含有率調整三次元織物、並びに該織物を用いた金属接合用耐熱繊維強化複合材料及びその接合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2857870B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104388848B (zh) * 2014-12-14 2016-08-24 机械科学研究总院先进制造技术研究中心 一种3d打印制备长纤维增强金属基复合材料的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10212638A (ja) 1998-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1024121B1 (en) Ceramic-based composite member and its manufacturing method
US6291058B1 (en) Composite material with ceramic matrix and SiC fiber reinforcement, method for making same
RU2668431C2 (ru) Способ получения деталей из композитного материала путем пропитки композицией с низкой температурой плавления
JP2004504512A (ja) 炭素−基質複合体、およびそれに関連する組成および方法
JP6301261B2 (ja) Cmc材料部品
JP4173975B2 (ja) セラミック複合材料で形成したインナー・ライナーを備えた燃焼室及びその製造方法
CN112573937A (zh) 一种C/C-SiC-Cu复合材料及其制备方法
WO2002081405A1 (fr) Procede de production de materiau composite sic renforce de fibres sic par presse a chaud
JPH0274574A (ja) ろう接続方法
JP3167738B2 (ja) 炭素繊維強化セラミックス複合材料の製造方法
US3796587A (en) Carbon fiber reinforced nickel matrix composite having an intermediate layer of metal carbide
CN113896558A (zh) 一种高性能热疏导复合材料及其制备方法
JP2857870B2 (ja) 繊維含有率調整三次元織物、並びに該織物を用いた金属接合用耐熱繊維強化複合材料及びその接合方法
JP3058335B2 (ja) セラミック繊維製多方向性強化製品の製造方法と該方法から得られた製品
JP4450919B2 (ja) 炭素繊維複合材料
Tanaka et al. Fabrication and evaluation of 3-dimensional tyranno fiber reinforced SiC composites by repeated infiltration of polycarbosilane
US20220250992A1 (en) Porous ceramic structure for part made of cmc material and method for obtaining same
Kim et al. Nicalon-fibre-reinforced silicon-carbide composites via polymer solution infiltration and chemical vapour infiltration
CN108191460A (zh) 制备C/SiC复合材料的方法
CN116693311A (zh) 高导热基体与涂层一体化设计及耐烧蚀复合材料的制备和应用
Lewinsohn et al. Silicon Carbide Based Joining Materials for Fusion Energy and Other High‐Temperature, Structural Applications
JPH09501135A (ja) 方向性固化した共晶性強化ファイバ
JPH05186276A (ja) カーボンファイバ強化カーボン複合材を用いた受熱板材料およびその製造方法
JPH10182256A (ja) 繊維強化セラミックス基複合材およびその製造方法
JP6799451B2 (ja) SiC繊維/SiC複合材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees