JP2855614B2 - 超電導回路の形成方法 - Google Patents

超電導回路の形成方法

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JP2855614B2 JP63071487A JP7148788A JP2855614B2 JP 2855614 B2 JP2855614 B2 JP 2855614B2 JP 63071487 A JP63071487 A JP 63071487A JP 7148788 A JP7148788 A JP 7148788A JP 2855614 B2 JP2855614 B2 JP 2855614B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、超電導回路を形成する方法に関するもの
であり、特に超電導セラミックスの成形体に超電導回路
を形成する方法に関するものである。
[従来の技術および発明が解決しようとする課題] 超電導セラミックスは、たとえば、原料としての酸化
物粉末を混合し、ブロック状、シート状等の所定の形状
に圧縮成形し焼結する工程により作製されている。しか
し、このような圧縮成形を利用する方法で微細な超電導
回路を形成することは従来困難であった。
超電導回路を形成する従来の方法としては、基板上を
マスキングし、所定の部分にのみ超電導の薄膜を形成し
て回路にする方法や、あるいは基板上に形成された超電
導薄膜にイオンをスパッタし、薄膜を部分的に削りとっ
て回路を形成する方法などが知られている。
しかしながら、これらの従来の方法では、微細な加工
が困難で、加工精度が悪く、工程が複雑であるという欠
点を有していた。
この発明の目的は、簡易な工程で、精度の良い微細加
工が可能な超電導回路の形成方法を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段および作用] この発明の超電導回路の形成方法は、以下の工程を備
えている。
まず加熱処理により、使用温度で超電導性を示さない
非超電導相から、使用温度で超電導性を示す超電導相に
変化するセラミックス成形体が作製される。そしてセラ
ミックス成形体にレーザ光を照射することにより、セラ
ミックス成形体の一部を加熱処理し、超電導相に変化さ
せて、超電導相と非超電導相とからなる超電導回路がセ
ラミックス成形体に形成される。このセラミックス成形
体は、原料を成形し、少なくとも予備焼結して得られた
セラミックス板である。
超電導セラミックスの製造過程において、加熱処理に
より超電導性を発揮するようになったり、あるいは加熱
処理により超電導性を示す臨界温度が高くなったりする
という現象が経験より知られており、この発明はこのよ
うな現象を利用するものである。
すなわち、加熱処理により非超電導相から超電導相に
変化するセラミックス成形体に、レーザ光を照射する
と、レーザ光照射部分のみが加熱されて超電導相とな
り、その他の部分は非超電導相のままとなる。したがっ
て、超電導相を形成したい部分にのみ、レーザ光を照射
し走査することによって、レーザ光の径に相当する微細
な加工を行なうことができ、超電導回路を形成すること
ができる。
またセラミックス成形体は、原料を成形し、少なくと
も予備焼結して得られたセラミックス板である。すなわ
ち、この発明に従えば、基板そのものを超電導組成のセ
ラミックスで調製し、その基板の表面に超電導回路を形
成するものである。この方法によれば、超電導セラミッ
クス原料を成形し、少なくとも予備焼結して得られたセ
ラミックスからなる基板の表面を、レーザ光により局部
加熱し、基板上に超電導セラミックス配線を形成する。
この方法によれば、超電導セラミックス原料を成形
し、少なくとも予備焼結して得られたセラミックスから
なる基板の表面を、レーザ光により局部加熱するので、
加熱溶融効率が良く、局部加熱された基板の表層部に均
質で高い臨界温度を有する超電導セラミックス配線を形
成することができる。
また、レーザ光により局部加熱するので、微細な配線
を施すことができるとともに、形成された超電導セラミ
ックス配線は、基板と一体化している。
より均質で、低融点の複合酸化物などのセラミックス
板を得るためには、原料を混合した後、成形、予備焼結
および予備焼結したものの粉砕の一連の工程を少なくと
も1回行なうことによりセラミックス粉を得、このセラ
ミックス粉を成形し、少なくとも予備焼結してセラミッ
クス板とすることが好ましい。
また、上記予備焼結工程は、種々の雰囲気下で行なっ
てもよいが、原料が分解したり還元されたりするのを防
止し、均質な複合酸化物を得るためには、酸素存在下、
たとえば、酸素分圧150〜760mmHgの酸素含有雰囲気下で
行なうことが好ましい。加熱温度および加熱時間などの
予備焼結条件は使用する原料などに応じて適宜選択され
る。
超電導セラミックス原料として高い融点を有するもの
を使用しても、上記一連の工程を少なくとも1回行なう
ことにより、固相状態での固相反応で低融点の複合酸化
物を得ることができる。すなわち、超電導セラミックス
の原料は、一般に、高い融点を有するので高温でしかも
長時間焼結しなければならない。また、上記条件で焼結
したとしても、セラミックスの表層部と内部とが均質で
あるという保証はない。しかしながら、上記一連の工程
を少なくとも1回行なうことにより、内部まで均質なセ
ラミックスを得ることができる。たとえば、原料とし
て、Y2O3、BaCO3およびCuOを用い、Y0.3BaCu0.7O3から
なる組成のセラミックスを製造する場合、上記原料は12
00〜2700℃の高融点材料であり、溶融しにくく高温で長
時間焼結させる必要がある。また、使用される各原料の
融点範囲が大きく異なるので、焼結条件を高融点原料に
適合した条件に設定する必要があるだけでなく、上記の
条件で焼結したとしても、組成の均一なセラミックスを
得ることは困難である。しかしながら、上記一連の工程
を経ることにより、上記予備焼結工程における固相反応
により、低融点の複合酸化物を生成させることができ
る。すなわち、原料を混合した後、圧縮成形、予備焼結
および粉砕工程を経ることにより、所望の複合酸化物を
得ることができ、このようにして得られた複合酸化物
は、融点900〜1400℃となり、上記原料に比べて、溶融
温度が狭く低融点を示す。したがって、上記一連の工程
を経ることにより、その後の成形、焼結を容易に行なえ
るだけでなく、均質なセラミックス粉を得ることができ
る。
なお、上記一連の工程は、使用される原料および所望
の複合酸化物などに応じて少なくとも1回行なえばよ
い。また、所望の複合酸化物が生成しているか否かは、
X線回折などの分析手段により確認することができるの
で、使用する原料および焼結条件などに応じて上記分析
手段にて所定の複合酸化物が生成しているか否かを確認
することにより、上記一連の工程の繰返し回数を設定す
ることができる。また、上記粉砕は、ボールミルなどを
用いて行なうことができる。
上記ようにして得られたセラミックス粉は均質で低融
点の複合酸化物で構成されるので、上記セラミックス粉
を形成することが容易であるとともに、低温条件下で焼
結することができる。
次いで、上記原料や上記一連の工程により得られたセ
ラミックス粉を成形し、少なくとも予備焼結することに
より、セラミックスからなる基板を得る。なお、一体化
した基板を得るため、少なくとも上記予備焼結すればよ
いが、さらに基板の一体性を高めるため、本焼結しても
よい。また、レーザ光の照射により高い臨界温度を有す
る超電導セラミックス配線による超電導回路が形成され
るので、上記のようにして得られた基板の臨界温度は低
くてもよい。また、上記セラミックス粉を用いて得られ
る基板は、セラミックス粉が均質な複合酸化物からなる
ため、超電導特性を有し、高い臨界温度を有している。
なお、上記一連の工程の繰返し回数を調整することによ
り、基板の臨界温度を制御することができる。また、上
記成形加工において、ブロック状、シート状など適宜の
形状に成形することができ、予備焼結および本焼結条件
は、原料や上記セラミックス粉の融点および所望する基
板の特性に応じて適宜選択される。
上記基板となるセラミックス板の表面に超電導相を形
成するためには、酸素存在下でセラミックス板の表面を
レーザ光により局部加熱することが好ましい。より具体
的には、第1図に示すように、レーザ光を筒体2を通じ
るとともに、該筒体2の内部に保持されたレンズ3によ
り、上記レーザ光をフォーカス状態に集光して基板1の
表面に照射しながら加熱融解し、照射箇所を移動させ、
基板よりも高い超電導臨界温度を有する所定の配線を形
成する。その際、酸素を基板1の表面に供給するため、
酸素ガスまたは酸素分圧の高い混合ガスを上記筒体2に
供給し、筒体2の先端部から基板1の表面に吹き付け
る。なお、上記レーザ光による加熱溶融は、種々の雰囲
気下で行ってもよいが、上記セラミックスを構成する酸
化物などが還元されたり分解されたりするのを防止し、
基板の表面に高い臨界温度を示す超電導回路を形成する
ため、酸素存在下で行なえばよく、特に、酸素ガスある
いは酸素分圧の大きな混合ガス、たとえば酸素分圧150
〜760mmHgの混合ガスを基板の表面の加熱溶融部に吹き
付けるなどの方法により、酸素を基板表面に供給しつつ
レーザ光を照射するのが好ましい。上記のような操作に
より、レーザ光による加熱溶融部で基板部1bよりも高い
臨界温度を有する超電導セラミックスが生成する。した
がって第2図および第3図に示すように、基板部1bと、
この基板部1bよりも高い臨界温度を有する超電導セラミ
ックス配線部1aとからなる超電導回路が形成される。ま
た、第4図に示すように、上記のような基板1の配線部
1aにSQUID(superconducting quantum interference di
vices)やGaAsHEMT(high electron mobility transist
or)などの低温動作デバイス4を搭載することにより、
上記超電導セラミックス配線部1aを通じて各種素子とし
て機能させることができる。このように、この発明に従
えば、セラミックス成形体として、原料を成形し少なく
とも予備焼結して得られたセラミックス板を用い、これ
を基板としてこの基板表面上にレーザ光を照射して超電
導回路を形成することができる。このため、超電導回路
と一体化した基板を得ることができ、基板と超電導回路
とを個別に作製せずともよくなるので、製造工程を簡略
化することができる。
セラミックス成形体の原料としては、超電導物質を構
成し得る元素を含有するものであればいずれも使用でき
るが、周期律表I a族元素、II a族元素およびIII a族元
素より選択された少なくとも1種の元素、周期律表I b
族、II b族元素およびIII b族元素から選ばれた少なと
も1種の元素、ならびに、酸素、フッ素、イオウ、炭素
および窒素から選ばれた少なくとも1種の元素を構成元
素とするものが好ましい。
周期律表I a族元素としては、H,Li,Na,K,Rb,Cs,Frが
挙げられる。また、II a族元素としては、Be,Mg,Ca,Sr,
Ba,Raが挙げられる。さらに、III a族元素としては、S
c,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,A
c,Th,Pa,U,Np,Pu,Am,Cm,Bk,Cf,Es,Fm,Md,No,Lrを挙げる
ことができる。
また、周期律表I b族元素としては、Cu,Ag,Auが挙げ
られる。II b族元素としては、Zn,Cd,Hgが挙げられる。
III b族元素としては、B,Al,Ga,In,Tlが挙げられる。
上記元素のうち、周期律表I b族元素から選ばれた少
なくとも1種の元素と、II a族元素から選ばれた少なく
とも1種の元素と、III a族元素から選ばれた少なくと
も1種の元素と、酸素を構成元素とするものが好まし
い。
なお、周期律表I b族元素においては、Cu,Ag、特にCu
が好ましく、II a族元素においては、Sr、Ba、Caが好ま
しく、III a族元素においては、Sc、Y、Laが好まし
い。
また、上記の元素を含有する原料は、たとえば粉体の
状態で1種または2種以上用いられる。粉体としては、
上記構成元素を含む酸化物、炭酸化物、フッ化物、硫化
物、炭化物および窒化物などの化合物が用いられる。上
記化合物のうち、酸素含有の酸化物または炭酸化物、特
に酸化物が好ましい。また、上記原料は、高い臨界温度
を示す超電導セラミックスとするためには、少なくとも
酸化銅CuOを含むものが好ましい。
また、下記の一般式(1)で表わされる組成を有する
セラミックスが比較的高い臨界温度を示すため好まし
い。
AaBbCc (1) (式中、Aは、周期律表I a族元素、II a族元素およびI
II a族元素から選択された少なくとも1種以上の元素、
Bは周期律表I b族元素、II b族元素およびIII b族元素
から選ばれた少なくとも1種の元素、Cは酸素、フッ
素、窒素、炭素およびイオウから選ばれた少なくとも1
種の元素を示す。) 特に、イットリウム、バリウムおよび銅を含む酸化物
がより高い臨界温度を示すことが知られている。
この発明で用いるレーザとしては、加熱処理の効率を
高めるため、高出力のレーザを用いるのが好ましい。た
とえば、ルビーレーザ、ガラスレーザ、波長1.06μmの
YAGレーザ等の固体レーザ、He−Neレーザ、Kr+レーザ、
Ar+レーザ、エキシマレーザ、波長10.6μmのCO2レーザ
等の気体レーザ、半導体レーザなどが例示される。特に
これらのうち、CO2レーザおよびYAGレーザが好ましい。
これらのレーザ光は、加熱効率を高めるため、レンズで
集光してセラミックス成形体の上に照射するのが好まし
い。また、照射操作は、レーザ光が集束した状態でセラ
ミックス成形体の表面に照射しつつ、照射箇所を移動さ
せるのが好ましいが、所望する超電導回路の配線の幅等
に応じて、デフォーカス状態で基板表面に所定の大きさ
のスポットを形成して、局部加熱してもよい。
また、セラミックス成形体は基板上に膜として形成さ
れる。このような膜は、構成元素そのものや構成元素の
酸化物、塩等を、酸素を導入しながら加熱して気化させ
たり、あるいはスパッタリングさせたりすることにより
基板上に形成される。
このようにスパッタリング法等で基板上に形成された
膜は、そのままでは超電導性を示さなかったり、あるい
は使用温度より低い温度でしか超電導性を示さず、加熱
処理することによって初めて使用温度での超電導性を示
す場合がある。この発明で膜として用いるセラミックス
成形体は、このような加熱処理を施す前の膜である。こ
のような膜に、レーザ光を照射して加熱処理を施して、
照射部分のみを超電導相として超電導回路を形成する。
[発明の効果] この発明の方法によれば、レーザ光を照射するという
簡易な工程で、超電導回路を、従来よりも精度良く、微
細に加工することができる。
また、レーザ光のエネルギを変えることにより、超電
導相の深さを調整することが可能になる。この発明の方
法は、エレクトロニクス分野や、電力応用分野等の種々
の分野において使用されるスイッチング素子、記憶素
子、磁束センサ、増幅素子、薄型モータ等を製造する上
で有用である。
また、この発明に従えば、超電導回路が形成されるセ
ラミックス成形体は、原料を成形し、少なくとも予備焼
結して得られたセラミックス板であり、基板である。こ
のため、この基板の表面に超電導回路を形成するため、
基板と一体化した超電導回路を形成することができ、基
板と超電導回路とを個別に作製する必要がないため、よ
り製造工程を簡略化することができる。
[実施例] まず、セラミックス成形体として、原料を生成し、少
なくとも予備焼結して得られたセラミックス板を用いる
実施態様について説明する。
実施例1 セラミックス成形体の原料として、Y2O3粉末、BaCO3
粉末およびCuO粉末を所定量秤量して混合した。次い
で、上記混合粉末を常温、大気雰囲気中、100気圧の条
件でシート状に圧縮成形し、酸素ガスと窒素ガスとの混
合ガス雰囲気(酸素ガス分圧20mmHg)中で、940℃で24
時間予備焼結した。得られた予備焼結セラミックス体を
ボールミルで粉砕した。なお、上記一連の工程は、X線
回折により複合酸化物であるY0.3BaCu0.7O3が確認され
るまで繰返した。
上記のようにして得られた複合酸化物であるセラミッ
クス粉をシート状に圧縮成形し、大気中800℃で2時間
焼結することにより、基板を作製するとともに、該基板
表面に酸素ガスを吹き込みながら、出力1〜10WのCO2
ーザを、レンズを用いて0.1mm程度に集光し、基板表面
を局部的に加熱溶融しつつ、局部加熱部を移動させて所
定の配線を形成した。最後に熱処理炉中の酸素雰囲気
下、700℃5時間の熱処理を行なった。
電気抵抗に基づき臨界温度を測定したところ、第5図
に示すように、レーザ光により加熱溶融した配線部で
は、80K以下の温度で超電導状態を示し、基板部は30K以
下の温度で超電導状態を示し、基板を30〜80Kの温度範
囲で冷却することにより、基板部が相対的に非超電導
相、超電導回路の配線部が超電導相となることが判明し
た。
次に、セラミックス形成体が、基板上に形成された膜
である実施態様について説明する。
実施例2 基板面として15×15mmの大きさのチタン酸ストロンチ
ウム(100)面を持ち、YBa1.8Cu2.7Oxの組成の膜を0.5
μmの厚みで、マグネトロン高周波スパッタ法により形
成した。雰囲気ガスは、アルゴン酸素混合ガス(酸素10
%)とし、圧力1×10-2torr、基板温度600℃とした。
このようにして形成された膜は、そのままの状態では超
電導性を示さないものであった。
この膜の上に、第6図に示すようにしてレーザ光を照
射した。第6図において、11は基板、12は膜、13はレー
ザ光、14はセレン化亜鉛(ZnSe)レンズ、15はレーザ光
照射部分(ハッチングで図示)を示している。なお、第
6図において膜12は、実際の寸法よりも厚くして示され
ている。レーザ光としては、CO2レーザ(波長10.6μ
m)を用い、そのパワーを20W/cm2とし、走査速度を0.0
1mm/秒として照射した。レーザ光の径は、セレン化亜鉛
レンズ14により、スポット径1mmとなるよう調整した。
レーザ光照射部分15の近傍に白金−白金・ロジウム熱
電対を置き、レーザ光照射部分15の温度を測定したとこ
ろ、880〜940℃であった。
以上のようにしてレーザ光を走査して、膜12に、第7
図に示すようなレーザ光照射部分15を形成した。第8図
に示すように、レーザ光照射部分15に、銅線を配線し
て、温度−抵抗特性を測定した。測定装置の限界であ
る、10-7Ωを示す温度、いわゆる臨界温度は78Kであっ
た。
これに対し、第9図で示すように、4端子のうちの1
つの端子をレーザ光の非照射部分に配線した場合には、
液体ヘリウム温度(4K)でも超電導性を示さなかった。
以上のことから、レーザ光照射部分15のみが超電導性
を示す超電導相となっていることが確認された。第6図
〜第9図において、同一符号は同一部分を示している。
なお、この実施例では、レーザ光を酸素雰囲気中で照
射している。酸素雰囲気は、容器中に酸素を適量存在さ
せる方法で実現させてもよいし、あるいはレーザ光照射
部分に酸素を吹き付ける方法で実現させてもよい。この
発明では、必ずしも酸素雰囲気下でレーザ光を照射させ
る必要はないが、酸素雰囲気下でレーザ光を照射させる
ことにより膜の組成中に酸素が取り込まれ、超電導特性
を高めることができる場合がある。
なお、同一条件で作製したレーザ光照射前の膜を基板
とともに、酸素通気中、900℃で2時間加熱処理したと
ころ、電気抵抗がほぼ零となる、いわゆる臨界温度は84
Kであった。
実施例3 第10図に示すように、実施例2と同様にして基板21上
に膜22を形成し、この膜22に、レーザ光を照射してレー
ザ光照射部分25を形成した。レーザ光照射部分25の幅の
広い部分25aは、スポット径を1mmとし、走査速度を1mm/
秒としてレーザ光を走査させて形成した。また、幅の狭
い接合部分25bは、レーザ光のスポット径を10μmと
し、走査速度を10mm/秒として形成した。さらに最後
に、炉中の酸素雰囲気下で、800℃2時間の熱処理を行
なった。
接合部分25bの両側の幅の広いレーザ光照射部分25aに
それぞれ銅線を配線し、77Kで電流−電圧特性を測定し
た。その結果を第11図に示す。第11図から明らかなよう
に、レーザ光照射部分25の接合部分25bが、ブリッジ型
のジョセフソン接合として機能することが確認された。
実施例4 この実施例では、III a族元素としてランタンを採用
し、II a族元素としてストロンチウムを採用し、さらに
I b族元素として銅を採用した場合の例について述べ
る。セラミックス基板32を真空チャンバ内に設置し、こ
の基板32を数100〜1000℃程度に加熱し、次いで、ラン
タン、ストロンチウム、銅の入ったるつぼをそれぞれ数
100〜2000℃に加熱した。こうして、それぞれの元素の
蒸気圧が或る程度得られた後、基板32近傍に設けられた
ノズル35より酸素を導入し、最後にそれぞれの元素の蒸
発源の上部に設けられたシャッタを開けることにより、
基板32表面に蒸着を行なった。
上記基板には、Al2O3やBN等のセラミックス板を使用
することができる。
この後、上記のように形成した薄膜31に、空気中、あ
るいは酸素を吹き付けながら、第12図に示すようにし
て、ビーム径を絞り込んだレーザビーム33を照射した。
これにより、薄膜31のレーザビーム33照射部分が約1000
℃に加熱され、その部分が焼結して超電導を示す結晶構
造を持った超電導相34が現われた。
したがって、上記レーザビーム33を走査させることに
より、走査部分に超電導相を形成することができた。
なお、第12図中の符号35は、酸素吹き付け用ノズルを
示している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の方法におけるレーザ光による加熱
処理の工程の一例を示す概略図である。第2図は、この
発明の第1の実施例で超電導回路が形成されたセラミッ
クス成形体を示す概略断面図である。第3図は、この発
明の第2の実施例で超電導回路が形成されたセラミック
ス成形体を示す概略平面図である。第4図は、この発明
の第3の実施例で超電導回路が形成されたセラミックス
成形体を用いた素子の一例を示す概略断面図である。第
5図は、この発明の第4の実施例(実施例1)の結果を
示す図である。第6図は、この発明の第5の実施例(実
施例2)におけるレーザ光の走査の途中の状態を示す斜
視図である。第7図は、この発明の第5の実施例(実施
例2)におけるレーザ光照射後の状態を示す斜視図であ
る。第8図は、レーザ光照射部分の温度−抵抗特性を測
定する状態を示す斜視図である。第9図は、4端子のう
ちの1端子をレーザ光非照射部分に接続した場合の温度
−抵抗特性を測定する状態を示す斜視図である。第10図
は、この発明の第6の実施例(実施例3)を説明するた
めの斜視図である。第11図は、この発明の第6の実施例
(実施例3)で得られたブリッジ型ジョセフソン接合の
電流−電圧特性を示す図である。第12図は、この発明の
第7の実施例(実施例4)を示す斜視図である。 図において、1は基板、1aは超電導回路の配線部、1bは
基板部、11,21は基板、12,22は膜、13はレーザ光、14は
セレン化亜鉛レンズ、15,25はレーザ光照射部分、25aは
レーザ光照射部分の幅の広い部分、25bはレーザ光照射
部分の接合部分、31は薄膜、32は基板、33はレーザビー
ム、34は超電導相、35は酸素吹き付け用ノズルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 謙一 大阪府大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 宮崎 健史 大阪府大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 塩谷 準 大阪府大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 山口 洋一 大阪府大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 溝口 晃 大阪府大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−224117(JP,A) 特開 昭63−265475(JP,A) 特開 昭63−273371(JP,A) 特開 昭63−310182(JP,A) 特開 昭63−276812(JP,A) 特開 昭63−207007(JP,A) 特開 昭63−224270(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 39/00 H01L 39/02 - 39/04 H01L 39/22 - 39/24 H01B 12/00 - 12/16 H01B 13/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱処理により、使用温度で超電導性を示
    さない非超電導相から、使用温度で超電導性を示す超電
    導相に変化するセラミックス成形体を作製する工程と、 前記セラミックス成形体にレーザ光を照射することによ
    り、前記セラミックス成形体の一部を前記加熱処理し、
    前記超電導相に変化させて、前記超電導相と前記非超電
    導相とからなる超電導回路を前記セラミックス成形体に
    形成する工程とを備え、 前記セラミックス成形体は、原料を成形し、少なくとも
    予備焼結して得られたセラミックス板であることを特徴
    とする、超電導回路の形成方法。
  2. 【請求項2】前記セラミックス板は、原料を混合した後
    に、成形、予備焼結および予備焼結したものの粉砕の一
    連の工程を少なくとも1回行なうことにより、セラミッ
    クス粉を得、該セラミックス粉を成形し、少なくとも予
    備焼結したものである、請求項1記載の超電導回路の形
    成方法。
  3. 【請求項3】前記レーザ光の照射による加熱処理を、酸
    素存在下にて行なうことを特徴とする、請求項1記載の
    超電導回路の形成方法。
  4. 【請求項4】前記セラミックス成形体の表面に酸素を供
    給しながら、前記レーザ光の照射による加熱処理を行な
    う、請求項3記載の超電導回路の形成方法。
  5. 【請求項5】前記レーザ光は、CO2レーザまたはYAGレー
    ザである、請求項1記載の超電導回路の形成方法。
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