JP2853573B2 - 撥水・防水・透湿性ヌバック調合成皮革 - Google Patents

撥水・防水・透湿性ヌバック調合成皮革

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヌバック調合成皮革に
関し、さらに詳しくは靴、バッグなどに用いられる材料
に好適な撥水性、防水性、透湿性に優れたヌバック調合
成皮革に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、アウトドア活動がレクリエーショ
ンとして重要視されてきた背景から、ファッションの傾
向においても、カジュアル感覚の天然皮革ヌバックおよ
びヌバック調素材の使用が多くなってきている。ヌバッ
ク調合成皮革は、天然皮革のヌバック仕上げ品と同様
に、表面に銀面層がないため、靴に用いた場合、透湿性
が大きくムレがなく履き心地はよいが、雨水が極めて容
易に浸透するという靴用皮革として重大な欠点がある。
ヌバック調合成皮革に防水性を付与する方法としては、
種々の方法が提案されているが、例えば裏面に防水膜を
施す方法、具体的にはウレタン樹脂被膜、ビニル系樹脂
被膜などを転写する方法などが一般的に実施されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術では、いずれも単に素材として防水性を付与した程
度のものであり、製靴仕上げした場合の防水性も充分な
ものではなかった。さらに、これらの製品は、ヌバック
の持つ特徴である透湿性を損なわないという点が全く考
慮されておらず、すなわち透湿性は殆どないものであ
り、履き心地はあまり良くないものであった。本発明
は、透湿性を損なうことなく、撥水性、防水性を付与し
たヌバック調合成皮革を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、フッ素系界面
活性剤が固着されている繊維基材の表面に、含フッ素ウ
レタン樹脂およびウレタン樹脂を主成分としてなるポリ
ウレタン多孔層が積層され、かつ該多孔層表面が研削さ
れ、さらに該繊維基材の裏面に油中水型ウレタン樹脂乳
濁液が塗布され、ウレタン樹脂系多孔層被膜が形成され
てなる撥水・防水・透湿性ヌバック調合成皮革を提供す
るものである。
【0005】本発明の合成皮革は、少なくとも3層より
なっている。すなわち、フッ素系界面活性剤が固着され
ている繊維基材の層(以下「基布層」ともいう))、表
面が研削された含フッ素ウレタン樹脂およびウレタン樹
脂を主成分としてなるポリウレタン多孔層(以下「含フ
ッ素ウレタン樹脂ヌバック層」ともいう)、および油中
水型ウレタン樹脂乳濁液が塗布され形成されたウレタン
樹脂系多孔層被膜の層(以下「油中水型ウレタン樹脂多
孔層」ともいう)の3層である。これらの3層により合
成皮革を構成することによって、撥水性、防水性、透湿
性を付与している。
【0006】本発明において、基布層の繊維基材に固着
されているフッ素系界面活性剤としては、市販のフッ素
系のどのような界面活性剤でもよく、例えばディックガ
ードF−90〔大日本インキ化学工業(株)製〕、NK
ガードFGN−90〔日華化学(株)製〕、アサヒガー
ドAG310〔明成化学(株)〕などが挙げられる。こ
のようなフッ素系界面活性剤は、繊維基材に撥水効果を
与えるものであり、靴にした場合、ミシン目などからの
水の浸透を防止することができる。このような効果を得
るために、界面活性剤の固着量は、繊維基材に対し、固
形分換算で0.1〜2.0重量%、好ましくは0.5〜
1.0重量%であり、0.1重量%未満では充分な撥水
効果が得られず、一方2.0重量%を超えると次に加工
する油中水型ウレタン樹脂乳濁液の塗布層の接着強度が
出ない。
【0007】本発明において、繊維基材としては、綿、
麻などの天然繊維;レーヨンなどの再生繊維;アセテー
トなどの半合成繊維;ポリアミド、ポリエステル、ポリ
アクリロニトリルなどの合成繊維の単独またはこれらの
混紡繊維よりなる編布、織布、不織布のいずれも用いる
ことができる。また、これらの繊維基材は、少なくとも
含フッ素ウレタン樹脂ヌバック層が積層される面が合成
皮革の基布として一般的に使用されるような起毛または
立毛加工を施されたものであることが好ましい。なお、
繊維基材の目付は、通常、100〜400g/m2 、好
ましくは200〜300g/m2 程度である。
【0008】繊維基材にフッ素系界面活性剤を固着する
方法としては、繊維基材をフッ素系界面活性剤を含有す
る水溶液に浸漬し、その後搾液し、乾燥させればよい
が、繊維基材の表面に含フッ素ウレタン樹脂ヌバック層
を形成させてから、浸漬して固着することが好ましい。
これは、含フッ素ウレタン樹脂ヌバック層と繊維基材の
接着強度を損なわない方法だからである。表面に形成さ
れたポリウレタン多孔層研削面は撥水性があるので、こ
の水溶液により濡れることは殆どなく、繊維基材のみが
濡れ、撥水効果が得られる。
【0009】水溶液中のフッ素系界面活性剤の含有量
は、固形分として0.1〜1.0重量%、好ましくは
0.2〜0.4重量%が適当である。この水溶液には、
場合によってはウレタン樹脂、アクリル樹脂などの水溶
性樹脂を一部配合してフッ素系界面活性剤の繊維基材へ
の固着助剤に使用することができる。このようにして、
繊維基材の撥水加工を充分に行うことにより、最終製品
であるヌバック調合成皮革を靴にした場合に、ミシン目
などからの水の浸透を防止することが可能となる。
【0010】次に、このような基布層の表面に積層され
ている含フッ素ウレタン樹脂ヌバック層について説明す
る。この層の主成分は、含フッ素ウレタン樹脂およびウ
レタン樹脂である。含フッ素ウレタン樹脂としては、末
端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー
と、活性水素基を有するパーフルオロアルキル基含有化
合物との付加反応生成物が挙げられる。
【0011】上記のウレタンプレポリマーは、ポリエチ
レンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリ−ε−
カプロラクトンなどのポリエステルポリオール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール
と、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
トなどのポリイソシアネートとを反応させて得られる
が、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール
などの分子量が400〜4,000のものを用いたウレ
タンプレポリマーが好ましい。
【0012】上記ウレタンプレポリマーと付加反応させ
る活性水素基を有するパーフルオロアルキル基含有化合
物としては、例えば、 〔ただし、式中、R1 はC6 〜C12のパーフルオロアル
キル基、R2 はC1 〜C3 のアルキル基を示す〕などの
一般式で表される化合物が挙げられる。上記ウレタンプ
レポリマーと、パーフルオロアルキル基含有化合物は、
両者の反応によって得られる含フッ素ウレタン樹脂中の
フッ素含有率が12〜35重量%となるように、ウレタ
ンプレポリマー、パーフルオロアルキル基含有化合物の
分子量、種類を選択して用いることが好ましい。
【0013】ウレタン樹脂としては、一般に湿式合成皮
革に使用されるウレタン樹脂を用いることができる。例
えば、以下に示すポリオールとポリイソシアネートから
得られるものが挙げられる。すなわち、ポリオールとし
ては、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンブチレン
アジペート、ポリブチレンアジペート、ポリ−ε−カプ
ロラクトンなどのポリエステルポリオール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコー
ルなどのポリエーテルポリオール、あるいはエチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オールなどの低分子量グリコールやポリカーボネートポ
リオールなどが挙げられる。
【0014】また、ポリイソシアネートとしては、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−ト
リレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジ
イソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネートなどが挙げられるが、特に、4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
【0015】また、含フッ素ウレタン樹脂の割合は、含
フッ素ウレタン樹脂とウレタン樹脂の合計量に対して
0.1〜5.0重量%が好ましく、さらに好ましくは
0.5〜2.0重量%である。含フッ素ウレタン樹脂
が、0.1重量%未満では含フッ素ウレタン樹脂ヌバッ
ク層表面の撥水性が不充分となり好ましくなく、一方
5.0重量%を超えると該ヌバック層表面の撥水・撥油
性が強すぎて、靴の材料として使用する時に、製靴上、
接着剤がつき難くなるという問題が起こりやすい。な
お、含フッ素ウレタン樹脂およびウレタン樹脂中には、
必要に応じて、成膜助剤、着色剤、充填剤、光安定剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤などの各種添加剤を
混入することができる。
【0016】本発明において、上記ポリウレタン多孔層
は、多孔層となっており、これはウレタン樹脂溶液を繊
維基材に塗布して湿式凝固することにより得られる。す
なわち、含フッ素ウレタン樹脂、ウレタン樹脂、および
必要により界面活性剤、安定剤、溶剤、着色剤などを配
合したものを溶剤に溶解したウレタン樹脂溶液(以下
「ウレタン樹脂液」ともいう)を繊維基材の表面に塗布
したのち、ポリウレタン(含フッ素ウレタン樹脂および
ウレタン樹脂)の非溶剤の凝固槽に浸漬して表面を凝固
させてから洗浄槽にて脱溶媒を完全に行い乾燥させて、
繊維基材上にポリウレタンの湿式多孔層を形成させる。
【0017】ポリウレタンの溶剤としては、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いること
ができる。ウレタン樹脂液の塗布は、ナイフコーター、
リバースロールコーターなどにより行うことができる。
ウレタン樹脂液の塗布量は、対繊維基材重量あたりウレ
タン樹脂液固形分換算で10〜200重量%、好ましく
は20〜100重量%程度である。
【0018】ポリウレタンの非溶剤としては、例えば
水、水とジメチルホルムアミドとの混合溶媒を用いるこ
とができる。かかる非溶剤による処理は、例えばウレタ
ン樹脂液を塗布した繊維基材を15〜60℃の水中に3
〜60分間浸漬することにより行うことができ、さらに
温水中で洗浄を繰り返して脱溶媒後、脱水乾燥させて繊
維基材上にポリウレタンの多孔質膜を形成させることが
できる。このようにして得られたポリウレタン多孔層の
表面は、さらに均一に研削されて天然皮革のヌバック調
となっている。
【0019】研削は、例えば#100〜#400メッシ
ュ粒度のエメリーペーパーを取りつけたバフ機で均一に
行い、天然皮革のヌバック調外観を発現させる。エメリ
ーペーパーの粒度については特に限定されるものではな
いが、一般的には#100未満では粗すぎて平滑な表面
が得られ難く、一方#400を超えると細かすぎてポリ
ウレタン多孔層の表面を研削するには表面の抵抗が大き
くなりすぎて作業が困難になり好ましくない。このよう
な研削は、繊維基材の表面にポリウレタン多孔層を形成
させたのち、直ちに行ってもよく、あるいは最終的にポ
リウレタン多孔層、基布層、油中水型ウレタン樹脂多孔
層の3層を形成させたのちに行ってもよい。
【0020】次に、このヌバック皮革の裏面、すなわち
油中水型ウレタン樹脂多孔層について説明する。基布層
の裏面には、油中水型ウレタン樹脂乳濁液が塗布され加
熱ゲル化および乾燥されて多孔層被膜が形成されてい
る。油中水型ウレタン樹脂乳濁液としては、ハイムレン
3040〔大日精化工業(株)製〕、ゾルテックスPX
−100〔大日本インキ化学工業(株)製〕などが挙げ
られる。油中水型ウレタン樹脂乳濁液の塗布方法として
は、ナイフコーター、リバースロールコーターなどが使
用できる。油中水型ウレタン樹脂乳濁液の塗布量は、対
繊維基材重量あたりウレタン樹脂液固形分換算で5〜5
0重量%、好ましくは10〜20重量%である。加熱
は、通常、熱風循環式乾燥オーブンを用いて行われる。
【0021】油中水型ウレタン樹脂多孔層は、防水・透
湿性に寄与するものであり、透湿性を損なうことなく防
水性の効果を上げなけれはならない。しかしながら、透
湿性は充分でも防水性に乏しいものもあり、場合によっ
ては油中水型ウレタン樹脂乳濁液の水と溶媒の比率を変
化させたものを重塗りするのがよい。この場合、水の比
率の大きい、すなわち多孔程度の大きいものを始めに塗
布し、次いで溶媒比率の高い、すなわち多孔程度の低い
ものを重ね塗りすることが好ましい。
【0022】本発明のヌバック調合成皮革について、個
々の層について、その形成方法を述べてきたが、製造工
程としては、次のように行うことが好ましい。まず、ウ
レタン樹脂液を繊維基材の表面に塗布したのち、ポリウ
レタンの非溶剤に浸漬して凝固させて、脱溶媒して乾燥
させポリウレタン微多孔層を形成させる。このようにし
て得られたポリウレタン微多孔層の表面をバフ機で均一
に研削して天然皮革のヌバック調外観を発現させる。
【0023】次いで、このヌバック調皮革をフッ素系界
面活性剤を含有する水溶液に浸漬し、その後搾液し、乾
燥させる。このようにして加工し表面をヌバック調とし
て得られた合成皮革の基布層の裏面に、油中水型ウレタ
ン樹脂乳濁液を塗布し、加熱ゲル化および乾燥してウレ
タン樹脂系多孔層被膜を形成させる。このような工程以
外にも、基布層両面に多孔層を形成させたのち、最終段
階で表面を研削してヌバック調の外観としてもよく、上
記の工程に限定されるものではない。
【0024】
【作用】本発明においては、繊維基材表面に湿式法で形
成させる含フッ素ウレタン樹脂ヌバック層が、フッ素を
含有させたことにより、撥水性を持っている。また、繊
維基材には、フッ素系界面活性剤が固着されており、撥
水性、防水性があり、靴の材料として使用した場合に
も、ミシン目から雨水が浸透する様なことがない。さら
に、繊維層の裏面に防水かつ透湿性の油中水型ウレタン
樹脂多孔層を形成させたため、防水性が非常によく、か
つ透湿性の優れたヌバック調合成皮革を得ることができ
る。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例中、部は重量部を表す。 実施例1 以下に示す組成のウレタン樹脂溶液を調製した。 配合処方 レザミンCU4310〔大日精化工業(株)製〕; (ウレタン樹脂固形分30%) 100部 ジメチルホルムアミド; 100部 含フッ素ウレタン樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、クリスボンアシスタ ーFX−3D、ウレタン樹脂固形分60%〕; 1部 アニオン系界面活性剤〔三洋化成工業(株)製、サンモリンOT−70〕; 4部 ノニオン系界面活性剤〔日本油脂(株)製、ノニオンOP−80R〕; 1部 シリコーン系整泡剤〔東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、SH84 00〕; 0.5部 顔料; 10部
【0026】次に、ポリエステル繊維とレーヨン繊維を
混紡して綾織りに織成した厚み0.7mmの片面起毛布
を、あらかじめ水/ジメチルホルムアミド(重量比)=
100/10の比率の水溶液に浸漬、搾液したのち、起
毛面に上記のウレタン樹脂溶液を900g/m2 塗布し
た。その後、ジメチルホルムアミド10%水溶液中に5
分間浸漬し、初期凝固し、次いで50℃の温水の洗浄層
にて搾液を数回繰り返して完全に塗布層中の脱溶媒を行
った。乾燥は100℃〜130℃の熱循環式オーブンに
て5分間行った。
【0027】次いで、このようにして得られたポリウレ
タン微多孔層の表面を#120メッシュのエメリーペー
パーで予備バフ加工したのち、#360メッシュのエメ
リーペーパーで仕上げをした。このようにして得られた
含フッ素ウレタン樹脂ヌバック層が表面に積層された繊
維基材を、以下に示す配合処方の水溶液に浸漬し、フッ
素系界面活性剤を固着させ、基布層を形成した。
【0028】 配合処方 水; 100部 フッ素系界面活性剤〔大日本インキ化学工業(株)製、ディックガードF−9 0〕; 2部 水溶性ウレタン樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、ハイドラン111〕; 10部 このときの絞り率は120%であり、乾燥は100〜1
30℃の熱風循環式オーブンにて5分間行った。
【0029】このようにして形成された基布層の裏面
に、油中水型ウレタン樹脂乳濁液を塗布し、これを乾燥
させ、油中水型ウレタン樹脂多孔層を形成させた。塗布
は2回に分けて行った。すなわち、まず下記に示す下引
配合液を300g/m2 塗布し、100℃〜130℃の
熱風循環式オーブンにて2分間乾燥した後、その上に下
記に示す上引配合液を100g/m2 塗布し、100℃
〜130℃の熱風循環式オーブンにて2分間乾燥した。
【0030】 下引用油中水型ウレタン樹脂乳濁液 ハイムレンX3040〔大日精化工業(株)製、ウレタン樹脂〕; 100部 メチルエチルケトン; 7部 キシレン; 28部 顔料; 5部 水; 40部 メチルエチルケトン; 5部 シリコーン系整泡剤〔大日精化工業(株)製、レザミンUM810〕; 2部 イソシアネート架橋剤〔日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL〕; 2部
【0031】 上引用油中水型ウレタン樹脂乳濁液 ハイムレンY229〔大日精化工業(株)製、ウレタン樹脂〕; 100部 メチルエチルケトン; 100部 顔料; 3部 水; 40部 メチルエチルケトン; 5部 シリコーン系整泡剤〔大日精化工業(株)製、レザミンUM810〕; 2部 得られた合成皮革は、耐水圧2,000mmH2 O以
上、透湿度3,300g/m2 /24時間、撥水度80
であり、優れたものであった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、ヌバック調皮革の欠点
である撥水性、防水性が改善され、しかも透湿性に優れ
たヌバック調合成皮革を得ることができ、これを用いれ
ば、雨水の浸透が無く、ムレのない履き心地の優れた靴
を製造することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素系界面活性剤が固着されている繊
    維基材の表面に、含フッ素ウレタン樹脂およびウレタン
    樹脂を主成分としてなるポリウレタン多孔層が積層さ
    れ、かつ該多孔層表面が研削され、さらに該繊維基材の
    裏面に油中水型ウレタン樹脂乳濁液が塗布され、ウレタ
    ン樹脂系多孔層被膜が形成されてなる撥水・防水・透湿
    性ヌバック調合成皮革。
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