JP2853384B2 - 下水汚泥スラグを利用した透水性舗装板の製造方法 - Google Patents

下水汚泥スラグを利用した透水性舗装板の製造方法

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JP2853384B2
JP2853384B2 JP19445091A JP19445091A JP2853384B2 JP 2853384 B2 JP2853384 B2 JP 2853384B2 JP 19445091 A JP19445091 A JP 19445091A JP 19445091 A JP19445091 A JP 19445091A JP 2853384 B2 JP2853384 B2 JP 2853384B2
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哲始 沼田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下水汚泥を焼却する際
に発生する下水汚泥スラグを利用した透水性舗装板に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】下水汚泥の有効利用方法は種々報告され
ているが、安全性などの観点から多くは焼結処理されて
いる。その結、果焼却炉からは大量の焼却灰が排出さ
れ、現在その処理が問題になっている。焼却灰は、埋立
処理することもできるが、その場合、焼却灰中には多量
の重金属が含まれているため環境汚染が懸念される。そ
こで焼却灰は、レンガや陶管の原料に少量を混入したり
して処理されている。
【0003】一方、焼却灰のスラグ化は重金属を封止す
るため、無公害化に有効な技術である。風砕スラグ化す
る技術は例えば特開平3−12348号公報に開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】焼却灰をレンガや陶管
の原料に用いる方法は少量では処理しきれず、一方大部
分の原料を代替したのでは重金属の溶出による環境汚染
が問題になる。一方、スラグ化品は環境汚染の心配がな
いため、埋立処理できるが有効利用して付加価値を高め
る技術の開発が望まれている。しかしながら、従来開発
された利用技術は、いずれも意匠性に乏しくて汚泥の暗
いイメージを払拭しうるものではなかった。さらに、焼
却灰を溶融して風砕スラグ化する方法も球形粒子が得ら
れるほか、糸を引いてウール状になることもあり、品
質、形状が不安定であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく鋭意検討の結果、下水汚泥の焼却灰は品
質のバラツキが大きく、ウール状品の発生する場合はカ
ルシウム/ケイ素の比(c/s比)がCaO/SiO2換算の
重量比で1.0未満になっているときであること、またこ
の比が2.0を越えると溶融トラブルが起こっていること
を見出した。そして、さらにc/s比を1.0〜2.0の範囲に
調節して得られた風砕スラグ粒子は、球状で硬度がある
ばかりでなく、セメントとの接着性も良好になることを
見出し、このスラグを着色するとともにセメントを配合
することにより美麗な外観を有し、透水性のあるカラー
舗装板を完成するに至り、これに基づいて本発明を完成
することができた。
【0006】すなわち、本発明は下水汚泥の焼却灰に石
灰、ケイ砂、レンガ又はLDスラグを加えて、カルシウム
/ケイ素の比をCaO/SiO2換算の重量比で1.0〜2.0
とし、この焼却灰の溶融物を風砕し、得られた風砕スラ
グにセメント及び水を加えて混練し、成形することを特
徴とする透水性舗装板の製造方法に関するものである。
【0007】焼却灰の組成は、処理される下水の性状等
に応じて変化するが、その種類を問わない。無機系汚泥
の灰分組成の変化を測定した結果を表1に、そして有機
汚泥の灰分組成の変化を測定した結果を表2にそれぞれ
示す。
【0008】
【表1】
【0009】
【表2】
【0010】焼却灰のc/s比の測定方法としては、FX
を用いた。
【0011】c/s比を測定した結果、この比が1.0未満の
ときはカルシウム分として石灰、又はLDスラグを加え、
一方この比が4.0を越えているときはシリカ分としてケ
イ砂、高炉スラグ、レンガくずを加えて、c/s比を1.0〜
4.0、好ましくは2.0〜3.0の範囲に調整するのである。
この調整は、焼却灰の溶融前に行なってもよく、溶融後
に行なってもよい。
【0012】溶融物を風砕スラグにする方法は、例えば
高炉スラグを風砕スラグにする方法に準拠して行なえば
よく、また特開平3−12348号公報に開示されている方
法などを利用することもできる。風砕スラグの粒径は、
平均粒径で1 〜3mm程度が適当である。
【0013】上記の風砕スラグ粒子を染料又は顔料で着
色してカラースラグとする。着色方法としては染、顔料
とともに、SiO2反応基を有するポリビニルアルコール
誘導体を被覆する方法が好ましい。SiO2反応基を有す
るポリビニルアルコール誘導体は、下記の式〔I〕で表
される構造単位よりなるものである。
【0014】
【化1】
【0015】(式中、X、X1、X2は炭素原子数10以下
のアルキル基、水素原子、カリウム原子、ナトリウム原
子、アンモニウム基を示し、l、m、nは全重合度(l
+m+n)に対しlは45.0〜99.8%、mは0〜35.0%、
nは0.2〜20%である。)
【0016】重合度(l+m+n)は300〜10,000であ
る。アルキル基の好ましい炭素原子数は1〜8である。
ポリビニルアルコール誘導体の添加量はスラグに対し0.
05〜10重量%が好ましい。
【0017】染、顔料には有機あるいは無機系の顔料、
染料いずれも使用できるが、無機顔料が好ましく、さら
に耐候、耐酸、耐アルカリ性であることが好ましい。添
加量はスラグに対し、一般に0.3〜20重量%程度が適当
である。この量は、顔料セメントの種類及びセメントの
量、希望色価によりこの範囲外になることもある。
【0018】カラースラグは、スラグ粉に染料又は顔料
と上記のポリビニルアルコール誘導体のアルカリ水溶液
を加えて混合することにより形成させることができる。
この混合により、極めて短時間に該誘導体のSiO2反応
基はスラグ粒子表面のSiO2基と化学反応し、不可逆的
に結合する。染、顔料はポリビニルアルコール誘導体と
同時に加えてもよく、予めスラグ粉に添加混合しておい
てもよい。上記のポリビニルアルコール誘導体のアルカ
リ水溶液には、これと相溶性を有するエチレン系共重合
体エマルジョン又は合成ゴムラテックスを加えことがで
きる。特に、効果の大きいのはメタアクリル酸メチルエ
ステルとアクリル酸ブチルエステル共重合エマルジョン
で、共重合体中にCOOH、OSO3H、SO3H又はこ
れらのNa、K、アンモニウム塩を含み、分子量が100,0
00 〜1,500,000程度のものである。エマルジョンの粒子
径は0.15±0.02μ程度で、pH8.0±0.5、濃度40〜50重量
%のものが適当である。添加量は固形重量として、ポリ
ビニルアルコール誘導体1重量部に対し5〜100重量部
であり、好ましくは30〜80重量部である。又、高級脂肪
酸アルカリ塩を添加することができる。この高級脂肪酸
アルカリ塩は、炭素原子数10以上の飽和又は不飽和脂肪
酸であり、ステアリン酸、オレイン酸を始めトール油脂
肪酸、ロジン酸等をいずれも使用できる。添加量は上記
SiO2反応性官能基含有ポリビニルアルコール誘導体に
対し0.1〜50固形重量%、好ましくは0.2〜30固形重量%
である。カラースラグの製法の詳細は、特開昭63−2331
03号公報に記載されている方法に準拠して行えばよい。
【0019】風砕スラグは、上記の方法によるカラース
ラグ化を行なわず、混練物に着色材を直接投入して着色
することも可能である。
【0020】本発明の透水性カラー舗装板は公知の方法
に従って作成すればよく、例えば型枠に流し込めばよ
い。
【0021】この舗装板は、透水性を確保するために気
孔率を20〜30容積%になるようにすることが好ましい。
【0022】
【作用】下水汚泥スラグは、もともと強度が弱く摩耗し
やすい。これを風砕スラグとすることにより、強度及び
硬度は改善されたが、この風砕スラグは高炉風砕スラグ
と異なり、球状品に加えてウール状品とかおたまじゃく
し状品が発生し、品質形状が安定しなかった。本発明に
おいては、下水汚泥スラグ原料である焼却灰のc/s比に
着目し、これを1.0〜2.0の範囲に調整することによって
融点及び粘度を適正範囲に保って球状粒子を安定して得
ている。汚泥スラグの融点温度は、c/s=1のときが最
も低く、1100〜1200℃である。c/s=0.5では1150〜1250
℃、c/s=2.0では1150〜1250、c/s=3.0では1300以上と
なる。c/s比と球形化率(実線)及び融点(点線)の関
係を図1に示す。
【0023】透水性の確保には、粒子間の空隙を確保す
る必要がある。本発明においては粒状の風砕スラグを用
いるとともに、エポキシ樹脂量を調整して空隙を確保し
ている。
【0024】
【実施例】
(1) 風砕スラグの調製 下記の組成の無機系汚泥焼却灰を用いた。
【0025】
【表3】
【0026】この焼却灰をアーク炉で1400℃にて溶解
し、風速150m/sで風砕処理した。得られた粒は粒径0.5
〜3mm、比重2.9である。
【0027】 (2) ポリビニルアルコール誘導体アルカリ水溶液の調製 SiO2反応基含有 ポリビニルアルコール誘導体 2.5重量部 苛性ソーダ 0.07重量部 水を加えて 100重量部
【0028】但し、SiO2反応基含有ポリビニルアルコ
ール誘導体は、前記式〔I〕中のX、X1、X2はNa、
重合度2000、うちlが1700、mが220、nが80のものを
使用した。
【0029】上記処方の混合液を80℃、20〜30RPMで1.5
〜2時間攪拌処理し、透明な粘稠液を得た。 上記処理液 200重量部 40%メタクリル酸メチル− アクリル酸ブチル共重合エマルジョン 450重量部 5%トール油ケン化液 300重量部 5%パラフィンエマルジョン 50重量部 1000重量部
【0030】上記混合液を35RPMで攪拌し、pH8.2、粘度
(25℃)50c.p.以下のエマルジョンをポリビニルアルコ
ール誘導体アルカリ水溶液として得た。
【0031】(3) カラースラグの調製 スラグ 1250g 赤色顔料 42g 本発明シリカ反応剤水溶液 20g 水 50g
【0032】上記混合物を3分間攪拌し、自然乾燥して
水分10重量%、比重2.9のカラー水砕スラグを得た。
【0033】(4) 舗装板の作成 上記のカラー水砕スラグにエポキシ樹脂(花王、カオー
マット)を表4の割合で添加し、モルタルミキサーで混
練して混練物を得た。
【0034】
【表4】
【0035】各混練物を道路路盤上にしきつめ、ローラ
ー転圧する。その後、約24時間ビニールシートをかぶせ
養生すると、カラー舗装板がえられる。
【0036】
【発明の効果】本発明の舗装板は美麗であって強度も大
きく、透水性も高い。又、重金属の溶出による環境汚染
の問題もない。その結果、下水汚泥焼却炉から大量に排
出され、処理に考慮している焼却灰を有効利用すること
ができる。c/s比の調整に用いる石灰、ケイ砂は安価で
あり、レンガ、LDスラグは産業廃棄物を利用できる利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】下水汚泥スラグのc/s比と球状化率及び融点の
関係を示すグラフである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E01C 5/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下水汚泥の焼却灰に石灰、ケイ砂、レン
    ガ又はLDスラグを加えて、カルシウム/ケイ素の比をC
    aO/SiO2換算の重量比で1.0〜4.0とし、この焼却灰
    の溶融物を風砕し、得られた風砕スラグにエポキシ樹脂
    を加えて混練、成形することを特徴とする透水性舗装板
    の製造方法
JP19445091A 1991-08-02 1991-08-02 下水汚泥スラグを利用した透水性舗装板の製造方法 Expired - Lifetime JP2853384B2 (ja)

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