JP2851981B2 - 積層型誘電体フィルター - Google Patents

積層型誘電体フィルター

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JP2851981B2
JP2851981B2 JP35891892A JP35891892A JP2851981B2 JP 2851981 B2 JP2851981 B2 JP 2851981B2 JP 35891892 A JP35891892 A JP 35891892A JP 35891892 A JP35891892 A JP 35891892A JP 2851981 B2 JP2851981 B2 JP 2851981B2
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dielectric
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隆己 平井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、携帯電話機等に代表される高周
波無線機器に用いられる高周波フィルターやデュプレク
サーとして有用な、積層型誘電体フィルターに関する。
【0002】
【背景技術】近年、各種の高周波無線機器においては、
損失を小さくするために、各種の誘電体セラミックスを
使った誘電体フィルターが使用されている。そして、そ
のような誘電体フィルターとしては、例えば、図9に示
される如き同軸型共振器を用いたフィルターや、図10
に示される如きトリプレート型共振器を用いたフィルタ
ーがよく知られている。
【0003】その中で、図9の同軸型共振器を用いた誘
電体フィルターでは、直方体形状の誘電体ブロック8に
内部導体4と外部導体6を設けてなる構造の複数の共振
器2を(ここでは3つ用いている)、互いに容量結合に
て結合させることにより、所望の周波数特性が得られて
いる。具体的には、共振器2とは別体の誘電体基板10
が設けられ、該誘電体基板10上に各共振器2に対応す
る複数の結合用電極12が配置されていることによっ
て、それら結合用電極12間の静電容量にて、共振器間
の結合容量が形成されているのである。なお、同図にお
いて、5は半田、7は入出力用端子である。
【0004】これに対して、図10のトリプレート型共
振器を用いた誘電体フィルターでは、複数の共振器(共
振用電極16)を互いに誘導結合にて結合させることに
より、所望の周波数特性が得られている。具体的には、
矩形板状の誘電体基板14中に互いに平行に配された複
数の1/4波長の共振用電極16が(ここでは3つ形成
されている)、その開放端(アース電極18に接続しな
い側の端部)と短絡端(アース電極18に接続する側の
端部)が互い違いになるように配置されていることによ
って、その配置に基づく電磁気的な現象で結合されてい
るのである。なお、同図において、17は入出力用電極
である。
【0005】なお、かかるトリプレート型共振器を用い
た誘電体フィルターにおいては、全ての共振用電極16
をその開放端と短絡端が同じ向きになるように配置し、
且つ、開放端間に容量を付加することによって、複数の
共振器を容量結合にて結合することも可能である。一
方、同軸型共振器を用いた誘電体フィルターにおいて
も、例えば、一つの誘電体ブロック8に対して複数の内
部導体4を設けるようにして、隣接する内部導体4,4
の間隔を近づけたり、内部導体4,4間に結合用の貫通
孔を形成したりする方法や、或いは開放端と短絡端が互
い違いになるように内部導体4を並べる方法等を採用す
ることによって、誘導結合を実現することが考えられる
が、実際には、誘電体ブロック8のプレス加工上の問題
や、導体の印刷工程が煩雑となる問題、フィルターの小
型化が妨げられる問題等があって、あまり採用されてい
ない。
【0006】更にまた、特開平3−72706号公報に
おいては、誘電体基板中に誘電体を介して形成される容
量とそれに直列に接続するコイルパターンとを内装する
ことで共振器を形成する一方、かくして形成された複数
の共振器を、コイルパターン間の相互インダクタンスで
結合せしめ、所望の周波数特性を得るようにした誘電体
フィルターが明らかにされている。
【0007】ところで、誘電体フィルターの周波数特性
の善し悪しは、主に、通過帯域における挿入損失と、通
過帯域外の特定周波数における減衰量とから判断され
る。そして、通常、減衰量は、通過帯域から所定周波数
離れた点での最低保証減衰量として設定されており、例
えば、中心周波数(f0 )±32.5MHzにおいて、4
0dB以上といった具合に決定されている。
【0008】しかしながら、図9や図10に示す如き従
来の誘電体フィルターでは、周波数特性が図11若しく
は図12のように現れ、通過帯域(中心周波数:f0
の高周波数側若しくは低周波数側の一方においては必要
減衰量が得られても、その反対側においては必要減衰量
が得られないという問題を抱えていた。つまり、一般的
に知られているように、結合回路の特性として、容量結
合では、通過帯域の低周波数側での減衰は良いが、高周
波数側では悪く、誘導結合ではその逆となるため、かか
る結合回路の特性がフィルターの周波数特性に悪影響を
及ぼしてしまうのである。それ故に、共振器間の結合手
段として容量結合のみを採用する図9の誘電体フィルタ
ーでは、図11のように通過帯域の高周波数側で減衰特
性が悪くなり、反対に、共振器間の結合手段として誘導
結合のみを採用する図10の誘電体フィルターでは、図
12のように通過帯域の低周波数側で減衰特性が悪くな
り、有効な減衰特性が得られないのである。
【0009】そのため、従来では、誘電体フィルターを
作製する際に、ある共振器の段数で、通過帯域の高周波
数側若しくは低周波数側の中の減衰特性の良い方で十分
な減衰量が得られていても、更に共振器の段数を増やす
ことによって、全体の減衰量を大きくして、通過帯域の
高周波数側若しくは低周波数側の中の悪い方の減衰量を
必要減衰量に到達させるようにしていた。しかしなが
ら、その場合には、同時に、通過帯域での挿入損失が増
加してしまうといった不具合が生じると共に、フィルタ
ーが大型化する問題がある。そして、共振器の段数を保
ったままで、挿入損失を減少させるには、使用する共振
器のQを大きくする必要があるが、一般に共振器のQを
増大させるには、共振器の形状を大きくする必要があ
り、これは即フィルターの大型化に繋がるために、近年
の厳しい部品の小型化要求に逆行してしまうこととな
る。
【0010】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景として為されたものであり、その解決課題とするとこ
ろは、共振器の段数を不必要に増やすことなく、誘電体
フィルターの減衰特性を向上させることにあり、それに
よって、誘電体フィルターの小型化や、通過帯域におけ
る挿入損失の特性向上を有利に図ることにある。
【0011】
【解決手段】そして、上記の課題を解決するために、本
発明にあっては、誘電体基板中に配された共振用電極と
該誘電体基板の両主面に設けたアース電極とからなるト
リプレート型線路において、かかる共振用電極の一端を
開放にし、他端を該アース電極に短絡して構成された1
/4波長トリプレート型共振器を、3段以上設けてなる
誘電体フィルターにして、前記共振器間の結合を、少な
くとも一つの容量結合と少なくとも一つの誘導結合とに
よって構成したことを特徴とする積層型誘電体フィルタ
ーを、その要旨とするものである。
【0012】また、そのような積層型誘電体フィルター
において、有利には、容量結合は、少なくとも一組の隣
合う共振器を、その開放端と短絡端が同じ向きとなるよ
うに互いに平行に配置して、それらの開放端間に容量を
付加することにより形成され、一方、誘導結合は、少な
くとも一組の別の隣合う共振器を、その開放端と短絡端
が同じ向きとなるように互いに平行に配置し、且つその
中の少なくとも一方の共振器の開放端とアース電極の間
に容量を付加して、該共振器の結合電気長が所定の値に
なるようにコントロールすることにより形成されること
となる。或いはまた、誘導結合は、少なくとも一組の隣
合う共振器を、その開放端と短絡端が互い違いになるよ
うに互いに平行に配置することによっても、有利に形成
され得る。
【0013】
【作用・効果】要するに、このような誘電体フィルター
にあっては、共振器間の結合に容量結合と誘導結合の両
方を含むことから、両方の結合回路の特性が加わって、
通過帯域の両側における減衰が共に効率的にコントロー
ルされ得るのである。従って、不必要に共振器の段数を
増やすことなく、必要最小限の段数の共振器を用いて誘
電体フィルターを構成することが可能となり、誘電体フ
ィルターの小型化を有利に図ることができる。また、共
振器の段数の節約により、通過帯域における挿入損失を
効果的に減少させることができる。
【0014】さらに、かかる誘電体フィルターは、トリ
プレート型の共振器を使って構成されることから、印刷
工程によって、共振器間の間隔が狭いコムライン構造
(複数の共振器を、その開放端と短絡端が同じ向きとな
るように互いに平行に配置した構造)も、インターディ
ジタル構造(複数の共振器を、その開放端と短絡端が互
い違いになるように互いに平行に配置した構造)も容易
に作成することができ、容量結合並びに誘導結合の形成
が極めて容易である。
【0015】
【実施例】以下に、本発明を更に具体的に明らかにする
ために、本発明に係る積層型誘電体フィルターの代表的
な実施例について、図面に基づいて詳細に説明すること
とする。
【0016】先ず、図1乃至図3には、本発明に係る積
層型誘電体フィルターの一例が示されている。そこにお
いて、20は、各種誘電体セラミックスから構成される
略矩形板状を呈する誘電体基板であって、その略全面に
アース電極22が形成されていると共に、長手方向に対
向する一対の側面には、該アース電極22と電気的に非
接続な状態で、一対の入出力端子24,24が形成され
ている。一方、該誘電体基板20の内部には、図2に示
すパターンで、4つの1/4波長の共振用電極26が互
いに平行に配置され、形成されている。また、それら共
振用電極26を間に挟む位置に、一対の入出力用電極2
8,28が形成されており、該入出力用電極28,28
は、前記入出力端子24,24に接続されている。かく
して、ここでは、各共振用電極26に対応して、1/4
波長トリプレート型共振器が4段設けられているのであ
る。
【0017】ところで、前記4つの共振用電極26は、
図2より明らかなように、片側の2つが、開放端と短絡
端が同じ向きとなるように互いに平行に配置され、反対
側の2つが、それとは逆向きで開放端と短絡端が同じ向
きとなるように互いに平行に配置されている。換言すれ
ば、それら共振用電極26は、両脇の組ではコムライン
構造、中央の組ではインターディジタル構造となるよう
にして、配置されているのである。
【0018】そして、コムライン構造の組では、各共振
用電極26の開放端において、対向する共振用電極26
に向かって延び出された結合用電極30が一体に設けら
れている。それにより、それら結合用電極30,30間
の静電容量にて該開放端間に容量が付加されて、共振用
電極26,26が容量結合にて結合されているのであ
る。一方、インターディジタル構造の組では、2つの共
振用電極26,26が、その配置に基づく電磁気的な現
象によって、誘導結合にて結合されているのである。即
ち、この誘電体フィルターでは、4つの共振用電極26
の間において、片側から順に、容量結合、誘導結合、容
量結合が実現されており、その等価回路は、図4のよう
になる。なお、両端に位置する共振用電極26には、更
に、前記入出力用電極28との間に容量を付加するため
の結合用電極32が、それぞれ設けられている。
【0019】従って、このような誘電体フィルターにあ
っては、共振器(共振用電極26)間の結合に容量結合
と誘導結合の両方を含むことから、両方の結合回路の特
性が加わり、通過帯域(中心周波数:f0 )の両側にお
ける減衰が共に効率的にコントロールされ得、図5に示
す如き優れた周波数特性が得られる。そして、通過帯域
から所定周波数離れた点(例えばf0 ±35MHz)で設
定された最低保証減衰量が、必要最小限の段数で達成さ
れることとなり、それによって、フィルターの小型化が
有利に実現されるのである。また、共振器(共振用電極
26)の段数が節約されることによって、通過帯域にお
ける挿入損失を効果的に減少させることができる。
【0020】さらに、かかる誘電体フィルターでは、ト
リプレート型共振器を使用していることから、印刷工程
によって、共振用電極26の前記コムライン構造及び前
記インターディジタル構造を何れも極めて容易に作成す
ることができ、容量結合並びに誘導結合を何れも極めて
容易に形成することができるのである。
【0021】また、図6及び図7には、本発明に係る積
層型誘電体フィルターの別の実施例が示されている。こ
の誘電体フィルターは、図7に示されている如き、それ
ぞれに所定の電極パターンが形成された、計7枚の誘電
体基板40が積層されて、構成されている。具体的に
は、上から1枚目の誘電体基板40の上面と7枚目の誘
電体基板40の下面には、それぞれアース電極42が設
けられる。また、上から2枚目、3枚目、6枚目、7枚
目の各誘電体基板40の上面には、基板の長手方向に延
びる1/4波長の共振用電極46が一つずつ設けられ、
且つその短絡端に、アース電極42に接続するための接
続用電極54が一体に設けられる。かくして、ここで
は、各共振用電極46に対応して、1/4波長トリプレ
ート型共振器が4段設けられているのである。
【0022】さらに、上から2枚目及び7枚目の各誘電
体基板40には、共振用電極46の開放端側に位置する
ように、入出力用電極48が設けられる。また、上から
4枚目及び5枚目の各誘電体基板の上面には、それぞれ
3枚目、6枚目の誘電体基板40上の共振用電極46の
開放端に接続されるべき、結合用電極50が設けられ
る。なお、それら結合用電極50と共振用電極46との
接続は、上から3枚目、5枚目の誘電体基板40に形成
される、スルーホール52内の導体によって実現される
こととなる。
【0023】そして、それらの誘電体基板40が積層さ
れ、一体化されることによって、図6に示されている如
き、一体的な誘電体フィルターが形成されるのであり、
該誘電体フィルターの側面には、上下のアース電極4
2,42を短絡するための電極56が焼き付けられ、ま
た、それらアース電極42及び電極56と電気的に非接
続な状態で、且つ前記入出力用電極48,48に接続す
るようにして、所定の位置に一対の入出力端子44,4
4が設けられる。
【0024】而して、かかる誘電体フィルターにおいて
は、図7より明らかなように、上から1段目と2段目の
共振用電極46,46と、3段目と4段目の共振用電極
46,46は、開放端と短絡端の向きが逆になるように
配置されていることによって、互いに誘導結合にて結合
されている。一方、上から2段目と3段目の共振用電極
46,46は、開放端と短絡端の向きが同じになるよう
に配置され、且つそれらの開放端間に、前記結合用電極
50にて所定の容量が付加されていることによって、互
いに容量結合にて結合されているのである。
【0025】従って、このような誘電体フィルターで
も、共振器(共振用電極46)間の結合に容量結合と誘
導結合の両方が含まれることから、通過帯域の両側にお
ける減衰が共に効率的にコントロールされ得、共振器の
段数を必要最小限とすることができ、それによって、フ
ィルターの小型化や、通過帯域における挿入損失の向上
が有利に達成され得る。更に、トリプレート型共振器を
使用していることから、印刷工程で、共振用電極46を
容易に種々の態様に配置することができ、容量結合並び
に誘導結合を何れも極めて容易に形成することができる
のである。
【0026】さらに、図8には、本発明に係る積層型誘
電体フィルターのまた別の実施例が示されている。この
誘電体フィルターは、前述の図1乃至図3に示す誘電体
フィルターと略同じ構造を有するものであり、図8は図
2に対応するものである。
【0027】すなわち、そこにおいて、60は、略矩形
板状を呈する誘電体基板であって、その略全面にアース
電極62が形成されていると共に、長手方向に対向する
一対の側面には、該アース電極62と電気的に非接続な
状態で、一対の入出力端子64,64が形成されてい
る。そして、該誘電体基板60の内部には、5つの1/
4波長の共振用電極66が互いに平行に、且つ全てがコ
ムライン構造(開放端と短絡端が同じ向きとなる構造)
となるように配置されて、形成されている。また、それ
ら共振用電極66を間に挟む位置に、一対の入出力用電
極68,68が形成されており、該入出力用電極68,
68は、前記入出力端子64,64に接続されている。
かくして、ここでは、各共振用電極66に対応して、1
/4波長トリプレート型共振器が5段設けられているの
である。
【0028】そして、左から1段目と2段目の共振用電
極66,66の組では、各々の開放端において、対向す
る共振用電極66に向かって延び出された結合用電極7
0が一体に設けられている。それにより、該開放端間に
所定の容量が付加されており、以て該一組の共振用電極
66,66が容量結合にて結合されている。
【0029】一方、左から3段目と4段目の各共振用電
極66では、その開放端に対向する位置にアース電極6
2に接続する電極74がそれぞれ設けられていることに
よって、該共振用電極66の開放端とアース電極62の
間に所定の容量が付加されている。そして、それによ
り、該共振用電極66は、実際には1/4波長以下に形
成されて、その結合電気長が調整されており、以て該共
振用電極66において所定の誘導成分が生ぜしめられる
ようになっているのである。従って、左から2段目と3
段目、3段目と4段目、4段目と5段目の各共振用電極
66,66の組では、共振器間の結合が何れも誘導結合
によって実現されている。なお、両端に位置する各共振
用電極66には、その開放端に、前記入出力用電極68
との間に容量を付加するための結合用電極72が、それ
ぞれ設けられている。
【0030】従って、このような構造によっても、共振
器(共振用電極66)間の結合に容量結合と誘導結合の
両方が含まれることから、前述の実施例の誘電体フィル
ターと同様の効果が悉く得られるのである。
【0031】また、図13及び図14には、本発明に係
る積層型誘電体フィルターの更に別の実施例が示されて
いる。この例示の誘電体フィルターは、図13から明ら
かな如く、それぞれに所定の電極パターンが形成され
た、計4枚の誘電体基板76が一体的に積層されて、構
成されている。具体的には、上から1枚目の誘電体基板
76の上面と4枚目の誘電体基板76の下面には、それ
ぞれ、アース電極78が設けられ、また上から3枚目の
誘電体基板76の上面には、4つの1/4波長の共振用
電極80が互いに平行に設けられ、更に上から2枚目の
誘電体基板76には、両端の共振用電極80,80の開
放端側に位置するように、入出力用電極84,84が設
けられており、そして対応する共振用電極80と入出力
用電極84とが、それらの間に位置する誘電体基板76
を介して容量結合にて結合されている。それによって、
それら各共振用電極80に対応して、1/4波長トリプ
レート型共振器が4段構成されるようになっているので
ある。
【0032】ところで、かかる例示の誘電体フィルター
において、それら4段の共振器(共振用電極80)は、
前述した図1乃至図3に示されるフィルターと同様に、
両脇の組ではコムライン構造、中央の組ではインターデ
ィジタル構造となるように配置されている。そして、イ
ンターディジタル構造の組では、2つの共振用電極8
0,80が、その配置に基づく電磁気的な現象によっ
て、誘導結合にて結合されている。一方、コムライン構
造の組では、各組の共振用電極80,80の開放端を繋
ぐ位置において、上から4枚目の誘電体基板76の上面
に結合用電極82が設けられており、該結合用電極82
が誘電体層(基板76)を介して各共振用電極80,8
0に結合されることによって、2つの共振用電極80,
80が容量結合にて結合されるようになっているのであ
る。
【0033】そして、それら4枚の誘電体基板76が積
層されて、一体化せしめられることによって、一体的な
誘電体フィルターが形成されるのであり、また該誘電体
フィルターの側面には、上下のアース電極78,78を
短絡するための電極が焼き付けられると共に、その電極
と電気的に非接続な状態で、且つ前記入出力用電極8
4,84に接続するようにして、所定の位置に一対の入
出力端子が設けられるのである(図1参照)。
【0034】従って、このような積層型誘電体フィルタ
ーの等価回路は、図14に示される如くなり、この構造
によっても、共振器(共振用電極80)間の結合に容量
結合と誘導結合の両方が含まれることから、前述の実施
例の誘電体フィルターと同様の効果が悉く得られるので
ある。また、この積層型誘電体フィルターでは、容量を
形成する結合用電極82が共振用電極80と別層に形成
されることから、より大きな容量が必要な場合や、更に
複雑な等価回路を形成する場合に、図1〜3に示される
誘電体フィルターよりも有利となる利点がある。
【0035】なお、上述の如き本発明に係る積層型誘電
体フィルターの優れた特徴は、以下の試験例においても
明らかに認められるところである。
【0036】試験例 1 酸化バリウム−酸化チタン−酸化ネオジム系化合物に若
干のガラス成分やガラス粉末を添加した材料で作ったグ
リーンシートに、図2の電極パターンを銀ペーストで印
刷した。そして、このグリーンシートを、それぞれ片面
にアース電極が印刷された1組のグリーンシートの間に
挟み、更にそれらの間に所定の厚みとなるようにグリー
ンシートを積層し、積層したサンプルを約900℃で焼
成した。しかる後、サンプルの側面に、図1の如くに、
表裏のアース電極を短絡するように銀電極を焼き付け、
また、入出力端子を設けて、本発明に従う構造を有する
誘電体フィルターを完成した。
【0037】また、比較のために、同じグリーンシート
を使い、共振器の段数も等しくする一方、共振器間の結
合を誘導結合のみで構成した誘電体フィルター(比較例
1)と共振器間の結合を容量結合のみで構成した誘電体
フィルター(比較例2)を作製した。
【0038】かくして得られた誘電体フィルターの周波
数特性を調べたところ、中心周波数は838MHz、通過
帯域は32MHzであり、通過帯域外における減衰量は、
803MHzでは、比較例1の誘電体フィルターよりも7
dB優れており、873MHzでは、比較例2の誘電体フ
ィルターよりも3dB優れていた。
【0039】試験例 2 酸化バリウム−酸化チタン−酸化ネオジム系化合物に若
干のガラス成分やガラス粉末を添加した材料で作ったグ
リーンシートを複数枚用意し、その各々に、図7に示さ
れている一連の電極パターンを銀ペーストで印刷した。
そして、各グリーンシートを図7の順序で積層し、積層
したサンプルを約900℃で焼成した。しかる後、サン
プルの側面に、図6の如くに、表裏のアース電極を短絡
するように銀電極を焼き付け、また、入出力端子を設け
て、本発明に従う構造を有する誘電体フィルターを完成
した。
【0040】また、比較のために、同じグリーンシート
を使い、共振器の段数も等しくする一方、共振器間の結
合を誘導結合のみで構成した誘電体フィルター(比較例
1)と共振器間の結合を容量結合のみで構成した誘電体
フィルター(比較例2)を作製した。
【0041】かくして得られた誘電体フィルターの周波
数特性を調べたところ、中心周波数は840MHz、通過
帯域は35MHzであり、通過帯域外における減衰量は、
805MHzでは、比較例1の誘電体フィルターよりも4
dB優れており、873MHzでは、比較例2の誘電体フ
ィルターよりも6dB優れていた。
【0042】以上、本発明の幾つかの実施例について詳
細に説明したが、本発明が、そのような実施例の記載に
よって、何等の制約をも受けるものでないことは、言う
までもないところである。また、本発明には、上記の実
施例の他にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおい
て、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良
等を加え得るものであることが、理解されるべきであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う積層型誘電体フィルターの一例を
概略的に示す説明図である。
【図2】図1の誘電体フィルターに内装される電極の配
置形態を示す説明図である。
【図3】図2におけるIII −III 線断面を示す断面図で
ある。
【図4】図1の誘電体フィルターの等価回路である。
【図5】図1の誘電体フィルターの周波数特性を示すグ
ラフである。
【図6】本発明に従う積層型誘電体フィルターの別の例
を示す斜視図である。
【図7】図6の誘電体フィルターに内装される電極の配
置形態を示す説明図である。
【図8】本発明に従う更に別の積層型誘電体フィルター
において、その内部に内装される電極の配置形態を示す
説明図である。
【図9】従来の同軸型誘電体フィルターの一例を示す斜
視図である。
【図10】従来のトリプレート型誘電体フィルターに内
装される電極の配置形態の一例を示す説明図である。
【図11】複数の共振器を容量結合のみにて結合させた
誘電体フィルターにおいて現れる周波数特性を示すグラ
フである。
【図12】複数の共振器を誘導結合のみにて結合させた
誘電体フィルターにおいて現れる周波数特性を示すグラ
フである。
【図13】本発明に従う更にまた別の積層型誘電体フィ
ルターにおいて、その内部に内装される電極の配置形態
を示す説明図である。
【図14】図13の誘電体フィルターの等価回路であ
る。
【符号の説明】
20,40,60 誘電体基板 22,42,62 アース電極 24,44,64 入出力端子 26,46,66 共振用電極 28,48,68 入出力用電極 30,50,70 結合用電極 32 結合用電極 52 スルーホール 54 接続用電極 72 結合用電極 74 電極 76 誘電体基板 78 アース電極 80 共振用電極 82 結合用電極 84 入出力用電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−305702(JP,A) 特開 平3−145803(JP,A) 特開 平5−199013(JP,A) 実開 昭62−68308(JP,U) 実開 平2−106701(JP,U) ソ連国特許発明1334223(SU,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01P 1/203 H01P 1/205

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板中に配された共振用電極と該
    誘電体基板の両主面に設けたアース電極とからなるトリ
    プレート型線路において、かかる共振用電極の一端を開
    放にし、他端を該アース電極に短絡して構成された1/
    4波長トリプレート型共振器を、3段以上設けてなる誘
    電体フィルターにして、 少なくとも一組の隣合う共振器を、その開放端と短絡端
    が同じ向きとなるように互いに平行に配置して、それら
    の開放端間に容量を付加することにより、容量結合にて
    結合する一方、 少なくとも一組の別の隣合う共振器を、その開放端と短
    絡端が同じ向きとなるように互いに平行に配置し、且つ
    その中の少なくとも一方の共振器の開放端とアース電極
    の間に容量を付加して、該共振器の結合電気長が所定の
    値になるようにコントロールすることにより、誘導結合
    にて結合したことを特徴とする積層型誘電体フィルタ
    ー。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも一組の隣合う共振器の開
    放端間における容量の付加が、それら共振器の開放端側
    部位に対して誘電体層を介して位置し且つそれら共振器
    の開放端を繋ぐように位置する結合用電極を設けること
    によって、実現されている請求項1記載の積層型誘電体
    フィルター。
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