JP2850305B2 - クレーンの自動運転装置 - Google Patents

クレーンの自動運転装置

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JP2850305B2
JP2850305B2 JP6331097A JP6331097A JP2850305B2 JP 2850305 B2 JP2850305 B2 JP 2850305B2 JP 6331097 A JP6331097 A JP 6331097A JP 6331097 A JP6331097 A JP 6331097A JP 2850305 B2 JP2850305 B2 JP 2850305B2
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保 小西
操可 近藤
正典 石井
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NISHIMATSU KENSETSU KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジブを有するクレ
ーンの自動運転装置に関し、特に、タワークレーンに好
適に用いられるクレーンの自動運転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にタワークレーンとは、クレーン旋
回部がタワー(マスト)上に乗架させられているジブク
レーンの一種であり、高層建築工事に広く用いられると
ともに、プラント建設、ダム工事、鉄塔建設、港湾荷役
などにも用いられている。その機種としては、クローラ
クレーンに取り付けられた移動式や、特定の固定基礎上
のマストにクレーン本体を取り付けた固定式などがあ
る。
【0003】従来、タワークレーンは、オペレータが操
作レバーにより操作信号を発生させ、クレーンの旋回
(左右方向へのジブの回動)、起伏(上下方向へのジブ
の回動)、巻上下(フックブロックを吊るワイヤのウィ
ンチによる上下動)を操作するようになっている。ま
た、例えば建築工事においてタワークレーンを操作する
場合には、タワークレーンにおける吊り荷の移動距離
(旋回距離、巻き上げ距離)が大きく、また、視界を遮
る障害物等があるため、オペレータがクレーンの吊り荷
の動きを全て目視で把握することが困難であり、合図者
を荷取り場及び荷降ろし場に配置し、吊り荷が荷取り場
及び荷降ろし場の近傍に位置する場合に、オペレータが
合図者の無線の合図に基づきクレーンを操作するように
なっている。
【0004】しかし、このような操作において、オペレ
ータは、建築現場において常時変化する荷取り場、荷降
ろし場の状況及び位置に対応しなければならない。ま
た、鉄骨間を通して荷を移送する等の作業もあり、オペ
レータには、精神的な緊張感や操作レバーの連続的な使
用により負担がかかるとともに、熟練した操作技術が要
求される。
【0005】また、ダム工事においてタワークレーンを
操作する場合には、建築現場でタワークレーンを使用し
た場合のような狭所での作業がなく、オペレータが精神
的な緊張感を抱くことはないが、同一の荷取り場(バン
カ線)と同一の荷降ろし場(打設ブロック)間で吊り荷
を移動する連続的且つ長時間にわたる単純な操作作業を
行う必要があり、やはりオペレータに負担がかかってい
た。一方、建築現場等において配置される合図者は、常
時上部を監視し、荷の移動に対して指示を出す必要があ
るため首や目に負担がかかっていた。そこで、タワーク
レーンを予め決められた経路で吊り荷を搬送するよう
に、自動運転可能とすることにより、オペレータや合図
者の負担を軽減することが望まれており、自動運転可能
なタワークレーンが開発されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、タワークレ
ーンを自動運転する場合には、基本的に予め、荷取り場
から荷降ろし場までの吊り荷の経路を決め、該経路に沿
って吊り荷が移動するように、上述の旋回、起伏、巻上
下を制御装置により操作させることになる。この際に
は、タワークレーンのジブの旋回装置の旋回角、ジブ起
伏用ウィンチの回転数、吊り荷巻き上げ用ウィンチの回
転数等から、吊り荷の位置や移動量を把握することがで
きるとともに、上記旋回装置の旋回角、ジブ起伏用のウ
ィンチの回転数、吊り荷巻き上げ用ウィンチの回転数を
制御することにより、予め決めれら経路に沿って吊り荷
を搬送することができる。
【0007】しかし、実際には、タワークレーンのタワ
ー、ジブ、ワイヤは、自重や吊り荷の荷重により撓みや
延び等の変位が生じており、この変位量は、吊り荷の重
さや温度等により変化するので、ジブの旋回角、ジブの
起伏角、巻き上げ用ウィンチの回転数から現在位置を求
めたり、吊り荷を移動させたりした場合には、予め決め
られた経路と実際の吊り荷の経路との間に誤差が生じる
ことになる。
【0008】また、クレーンにおいては、吊り荷をワイ
ヤで吊った状態で搬送するので、吊り荷に振れが生じる
ことになる。例えば、吊り荷をジブの旋回や起伏により
移動させた場合には、ジブの先端が移動を開始した際
に、ジブ先端部に吊り下げられた状態の吊り荷は慣性の
法則でその場に留まろうとするので、ジブの先端に遅れ
て移動を開始し、吊り荷は傾斜して吊り上げられた状態
となり、以後往復揺動するような力が吊り荷に与えられ
る。また、ジブの先端が移動を停止した際には、ジブ先
端部に吊り下げられた状態の吊り荷は慣性の法則により
そのまま移動しようとするので、ジブの先端に遅れて停
止し、吊り荷は傾斜して吊り下げられた状態となり、以
後往復揺動するような力が吊り荷に与えられる。すなわ
ち、吊り荷を加速度移動させると吊り荷が揺動すること
になる。
【0009】そして、上述のように吊り荷の経路に誤差
が生じると、吊り荷が障害物に接近したり、荷降ろし位
置がずれたりすることになるので自動運転を停止しなけ
ればならず、上述のように吊り荷が揺動した場合には、
荷降ろしに際し、揺動が止まるまで作業ができないなど
の問題がある。そこで、予め、上述のような吊り荷の位
置の誤差を見込んで、障害物から距離を大きく取って経
路を決めたり、予め、誤差を試験やその他のデータ等か
ら求めておき、誤差に基づいた経路のパターンを設定し
たりする必要があった。また、吊り荷の揺動に対して
は、予め、吊り荷の揺動を抑えるような吊り荷の移動の
速度の変化(加速・減速)パターンを決めておき、吊り
荷の制振制御を行う必要があった。
【0010】しかし、上述のような制御を行った場合に
おいても、実際に吊り荷を自動運転させた際に、吊り荷
の位置が経路からずれたり、吊り荷が揺動してしまった
りする可能性を完全になくすことができなかった。すな
わち、予め決められたパターンでクレーンが自動運転さ
れている場合に、上記パターンが最適なものとなってい
ないと、吊り荷の位置のズレや吊り荷の揺動を生じる可
能性があり、かつ、外部から風や温度変化等の変化要因
が加わった場合に対応することができなかった。従っ
て、予め、決められた経路に沿って吊り荷が移動するよ
うに制御されるとともに、吊り荷が振れないように決め
られた移動速度の変化パターンで吊り荷が移動するよう
に制御されている場合には、吊り荷の位置が経路から大
きくずれたり、吊り荷が大きく振れた際に、自動運転を
停止し、手動で対応するしかなかった。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、移動中のジブ先端部の位置や吊り荷の振れを計
測し、予め決められた経路と計測されたジブ先端部の位
置を比較し、吊り荷が予め決められた経路に沿って移動
するようにリアルタイムで制御し、かつ、移動中の吊り
荷の振れを計測し、吊り荷に振れが生じた場合に、この
振れを打ち消すように、吊り荷の移動速度をリアルタイ
ムで制御することが可能なクレーンの自動運転装置を提
供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
クレーンの自動運転装置は、起伏及び旋回が可能なジブ
を有するクレーンの自動運転装置であって、作動中のク
レーンのジブ先端部の実際の位置を略常時検知して出力
するジブ先端位置計測手段と、上記ジブの起伏移動用の
起伏駆動手段、上記ジブの旋回移動用の旋回駆動手段及
び上記ジブ先端部からワイヤにより吊り下げられた吊り
荷支持手段の巻き上げ及び巻き下げ移動用の巻上下駆動
手段を制御して、上記吊り荷支持手段の任意の位置から
任意の位置への移動を制御する自動運転制御手段とを具
備してなり、上記自動運転制御手段は、予め決められた
上記吊り荷支持手段の移動開始位置及び移動停止位置に
基づくジブ先端部の移動経路と、上記ジブ先端位置計測
手段から出力されるジブ先端部の現在位置とを比較し、
上記ジブ先端部の移動経路から上記ジブ先端部の現在位
置がずれていた場合に、上記ジブ先端部の位置が移動経
路上に戻るように上記起伏移動手段及び上記旋回駆動手
段を制御することを上記課題の解決手段とした。
【0013】上記構成によれば、クレーンの自動運転に
際し、ジブ先端部の位置が予め決められた吊り荷支持手
段の移動開始位置及び移動停止位置に基づくジブ先端部
の移動経路からずれた場合に、自動運転制御手段がジブ
先端部の移動経路とジブ先端位置計測手段から出力され
るジブ先端部の現在位置とを比較して、ジブ先端部の実
際の位置とジブ先端部の移動経路とがずれたことを把握
することができるとともに、上記自動運転制御手段が、
上記ジブ先端部の位置を移動経路上に戻すように上記起
伏移動手段及び上記旋回駆動手段を制御するので、クレ
ーンの自動運転を継続しても、吊り荷が障害物に近づい
たり、荷降ろし位置がずれたりすることがなく、自動運
転を停止して手動に切り換える必要がない。
【0014】すなわち、クレーンの自動運転をより確実
なものとすることができ、さらなる省力化を図ることが
でき、クレーンのオペレータや合図者の負担を大幅に軽
減することができる。また、クレーンのオペレータや合
図者の負担が軽減されることにより、オペレータや合図
者に、吊り荷の移動に際して周囲の状況をよりきめ細か
く把握する余裕が生じるので、周囲の状況変化により敏
速に対応することができる。
【0015】なお、上記ジブ先端位置計測手段は、誤差
の小さい比較的正確なジブ先端位置を計測できる必要が
ある。すなわち、上記ジブ先端位置計測手段は、ジブの
撓みやジブを支持するタワー等の支持台の曲がりや、ジ
ブの起伏に用いられるワイヤの伸び等の誤差を含まない
ものである必要があり、ジブの旋回駆動手段や起伏駆動
手段に設けられたエンコーダ等の計測手段のデータから
ジブ先端部の位置を算出するものではなく、実際のジブ
先端部の位置を直接計測できるものが好ましい。
【0016】また、ジブ先端位置計測手段が略常時ジブ
先端部の実際の位置を検知するものとしたが、これは、
必ずしも連続してジブ先端位置を計測するものではな
く、ジブ先端部の移動を捕捉できる程度のサイクルタイ
ムでジブ先端部の実際の位置、すなわち、誤差の少ない
正確な位置を計測できれば良いものである。また、上記
ジブ先端部の位置は、クレーンの設置位置の周囲におい
て、荷取り位置や、荷降ろし位置や、障害物の位置を特
定できる三次元座標系のものならば良く、絶対座標位置
でも、クレーン周囲における相対座標位置でも良い。ま
た、座標系はXY座標系に限られるものではなく、旋回
角度と半径方向の距離とにより表される座標系でも良
い。
【0017】そして、具体的なジブ先端位置計測手段と
しては、例えば、周知のGPS(グローバル・ポジショ
ニング.システム)を用いたもの、周知のレーザー光線
を用いた自動追尾型の測量装置(測角装置、測角測距装
置)を用いたものなどを用いることができる。これら
は、ジブ先端部の位置を直接測定することができるの
で、ジブの撓みや、タワー等のジブの支持台の曲がり
や、ワイヤの伸び等に影響されずに、ジブ先端部の位置
を計測することができる。
【0018】また、ジブ先端位置計測手段としては、ジ
ブの旋回駆動手段や起伏駆動手段に設けられたエンコー
ダ等の計測手段のデータからジブ先端部の位置を算出す
るものは好ましくないとしたが、ジブの撓みや、タワー
の曲がりや、ワイヤの伸び等による誤差を補正すること
ができるのならば、上述のような計測手段のデータから
ジブの先端位置を算出するものとしても良い。
【0019】また、自動運転制御手段は、クレーンの旋
回駆動手段、起伏駆動手段、巻上下駆動手段に、これら
を操作する操作信号を出力できるとともに、ジブ先端位
置計測手段から出力される位置データを入力可能な演算
処理装置であり、そのハード構成は、周知の入出力用の
インターフェースを有する自動制御用のコンピュータシ
ステムからなるものであり、自動運転制御手段は、クレ
ーンの運転の制御の仕方に特徴を有するものである。
【0020】また、自動運転制御手段は、吊り荷もしく
は吊り荷支持手段の位置ではなく、ジブ先端位置計測手
段により計測されたジブの先端位置を制御するようにな
っているのは、ジブ先端位置と地表平面に対応するXY
座標位置と、吊り荷のXY座標位置は、吊り荷が振れて
いなければ一致するものであり、ジブ先端位置を制御す
ることにより、吊り荷のXY座標位置を制御できるから
である。また、吊り荷もしくは吊り荷支持手段の位置を
制御しようとすると、上述のようにジブ先端部を加速度
移動した場合に、吊り荷が振れることになり、旋回駆動
手段及び起伏駆動手段で直接的に制御することができな
いからである。
【0021】また、上記クレーンは、旋回及び起伏が可
能なジブを有するジブクレーンであれば、どのようなク
レーンでも良いが、例えば、タワークレーンである。ま
た、上記クレーンの旋回駆動手段とは、例えば、タワー
等の支持台上のジブが設けられた旋回体をエンジン、電
動モータもしくは油圧等の駆動力により左右に回転させ
る旋回装置である。また、上記クレーンの起伏駆動手段
とは、例えば、ジブに取り付けられたワイヤを巻取るウ
ィンチであり、ワイヤを巻き上げたり巻き下げたりする
ことにより、ジブを起伏させるものである。また、上記
クレーンの巻上下駆動手段とは、例えば、吊り荷支持手
段(フックブロック)を吊るワイヤを巻取るウィンチで
ある。
【0022】本発明の請求項2記載のクレーンの自動運
転装置は、上記自動運転制御手段が、上記ジブ先端部の
移動経路に基づくジブ先端部の旋回移動の停止位置及び
ジブ先端部の起伏移動の停止位置と、上記ジブ先端位置
計測手段から出力されたジブ先端部の現在位置とを比較
し、上記現在位置と上記停止位置との間の距離に基づい
て上記旋回移動手段によるジブ先端部の旋回移動の速度
及び上記起伏移動手段によるジブ先端部の起伏移動の速
度を制御することを上記課題の解決手段とした。
【0023】上記構成によれば、自動運転制御手段は、
上記停止位置と現在位置との間の距離に基づいて上記旋
回移動手段によるジブ先端部の旋回移動の速度及び上記
起伏移動手段によるジブ先端部の起伏移動の速度を制御
しているので、ジブ先端部が停止位置から遠い際には加
速し、ジブ先端部が停止位置に近づいたら減速する制御
を実際のジブ先端位置に基づいて行うことができる。従
って、予め、移動経路における位置と速度との関係を完
全にパターン化しなくとも、地表面に対応するXY座標
の正確な停止位置で吊り荷を停止することができるの
で、吊り荷の移動開始前の演算処理を省力化することが
できるとともに、実際のジブ先端部の位置に対応した制
御を行うことができるので、ジブ先端部の移動経路に沿
った予定時間に対応する移動距離にずれが生じても対応
することができる。
【0024】なお、旋回駆動手段による移動は、ジブの
旋回中心を中心とするジブ先端部の水平面内の周方向の
移動である。また、起伏駆動手段による移動は、ジブの
起伏中心を中心とする垂直面内での周方向の移動であ
り、その水平方向の移動成分は、上記旋回駆動手段によ
る周方向の移動に直交する旋回の半径方向の移動とな
る。従って、旋回駆動手段によるジブ先端部の移動の速
度は、旋回の角速度としてとらえることができ、また、
旋回駆動手段によるジブ先端部の移動の距離は、ジブの
変化した旋回角度としてとらえることができるが、実際
のジブ先端部の移動速度は、ジブ先端部からジブの旋回
中心までの水平距離、すなわち、ジブの起伏角により異
なることになるので、ジブの旋回駆動手段による旋回移
動の移動速度の制御は、角速度を制御するものとしても
良いし、ジブの起伏角から決まる実際の移動速度を制御
するものとしても良い。
【0025】また、起伏駆動手段による移動は、起伏す
るジブの角速度としてとらえることができ、また、起伏
駆動手段によるジブ先端部の移動の距離は、ジブの変化
した起伏の角度としてとらえることができ、ジブの起伏
駆動手段による起伏移動の移動速度の制御は、角速度を
制御するものとしても良いが、実際の吊り荷の移動の制
御を考えた場合には、上述の旋回移動と直交する水平方
向の移動成分の速度を制御するものとしても良い。
【0026】本発明の請求項3記載のクレーンの自動運
転装置は、作動中のクレーンのジブ先端部から吊り下げ
られた吊り荷支持手段の振れ方向及び振れ幅を示す指標
を略常時検知して出力する吊り荷振れ幅計測手段を備
え、上記自動運転制御手段は、振れ幅計測手段から出力
される吊り荷の振れ方向及び振れ幅を示す指標に基づ
き、吊り荷が振れた状態となっているか否かを判断する
とともに、吊り荷が振れていると判断した場合に、吊り
荷の現在の振れを打ち消すように旋回駆動手段による吊
り荷の旋回移動の速度の加速もしくは減速と、起伏駆動
手段による吊り荷の起伏移動の速度の加速もしくは減速
とを制御することを上記課題の解決手段とした。
【0027】上記構成によれば、吊り荷振れ幅計測手段
から出力される吊り荷支持手段の振れ方向及び振れ幅を
示す指標が入力された自動運転制御手段が、吊り荷(吊
り荷支持手段)が振れたか否かを判断し、吊り荷が振れ
たと判断された場合に、指標が示す振れ方向及び振れ幅
に基づいて、吊り荷の現在の振れを打ち消すように旋回
駆動手段による吊り荷の旋回移動の速度の加速もしくは
減速と、起伏駆動手段による吊り荷の起伏移動の速度の
加速もしくは減速とを制御することで、吊り荷の振れを
抑制することができる。
【0028】また、吊り荷振れ幅計測手段により実際の
吊り荷の振れを計測して、旋回駆動手段及び起伏駆動手
段の加減速を制御しているので、吊り荷の移動の加減速
による吊り荷の振れだけではなく、風等の外因による吊
り荷の振れにも対応することができる。また、吊り荷の
移動の加減速を予めパターン化して吊り荷の振れを制御
する場合には、上記吊り荷の移動の加減速のパターンが
完全に最適化されていない場合に、吊り荷に振れが生じ
てしまうので、パターンの最適化のために多くの演算処
理を必要とする可能性があるが、本発明によれば、吊り
荷の移動の加減速を簡単にパターン化し、上記パターン
で吊り荷に振れが生じてしまった場合に、振れを打ち消
すように旋回駆動手段及び起伏駆動手段を制御すること
で、吊り荷の振れをなくすことができるので、吊り荷の
移動前の演算処理を省力化することができる。
【0029】なお、上記吊り荷振れ幅計測手段として
は、例えば、吊り荷支持手段の現在位置を検知すること
ができる例えばGPSや自動追尾型の測量装置等を用い
ることができる。これらにより吊り荷の現在位置が分か
れば、上述のジブ先端位置計測手段により計測されたジ
ブ先端部の位置と、吊り荷の位置とを比較することによ
り、ジブ先端部に対する吊り荷の位置のずれから、吊り
荷の振れ幅と振れ方向を算出することができる。
【0030】また、ジブ先端部から吊り荷(吊り荷支持
手段)を吊るワイヤの振れ角を測定し、ワイヤの長さと
ワイヤの振れ角から振れ幅を算出することができる。な
お、ワイヤの長さは、巻上下手段となるウィンチに取り
付けられたエンコーダ等で求めることができる。また、
ワイヤの振れ角を測定する際に、振れ角をX軸方向とY
軸方向との各方向成分に分けて計測することで、振れ方
向を検出することができる。また、レーザ式のXY変位
計を用いてワイヤの位置を計測することで振れ方向を検
知することができる。
【0031】また、ポリゴン式レーザ拡散位置認識方法
を用いるものとしても良い。また、ジブ先端部に設けら
れた監視用のCCD(charge coupled device)カメラ
を用い、カメラに撮影された画面上における吊り荷の位
置から吊り荷の振れを検知するものとしてもよい。ま
た、吊り荷支持手段に加速度計を設け、加速度計により
計測された加速度を吊り荷の振れの指標としても良い。
【0032】本発明の請求項4記載のクレーンの自動運
転装置は、上記クレーンの起伏駆動手段、旋回駆動手
段、巻上下駆動手段を遠隔操作する無線操作手段を備
え、上記自動運転制御手段は、自動運転が停止された状
態で無線操作手段による上記クレーンの起伏駆動手段、
旋回駆動手段、巻上下駆動手段の遠隔操作を可能とする
ことを上記課題の解決手段とした。
【0033】上記構成によれば、建設現場の荷取り場、
荷降ろし場のように、作業員や車両により常時状況が変
化する部分では、自動運転を行わず、荷取り場及び荷降
ろし場にいるオペレータが無線操作手段により操作する
ことができる。すなわち、常時状況が変化する荷取り場
及び荷降ろし場でクレーンの自動運転を行う場合には、
自動運転中は、吊り荷の近傍から作業員や車両を完全に
排除するか、各種監視装置により作業員や車両の動きを
完全に把握する必要があり、実質的に自動運転が不可能
となるので、荷取り場において吊り荷を所定の高さまで
上げる際と、荷降ろし場において吊り荷を所定の高さか
ら降ろす際とにおいて、無線操作手段を用いた手動操作
を行えるようにし、また、クレーンを無線操作手段によ
り遠隔操作できるようにすることで、クレーン側にオペ
レータを配置する必要がなく、クレーンの自動運転の一
部を手動操作としても、省力化を図ることができる。
【0034】上記無線操作手段は、例えば、上記クレー
ンの各駆動手段を操作するための操作信号を出力可能で
携帯可能な送信機と、クレーン側に設けられ、上記送信
機からの操作信号を受信して、受信した操作信号をクレ
ーンの各駆動手段に出力可能な受信機とからなるもので
ある。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態の一
例に付いて図面を参照して説明する。なお、この一例の
クレーン自動運転装置により自動運転されるタワークレ
ーンは、基本的に周知のものであり、図1及び図2に示
すように、基礎構造物上に固定されたマスト(タワー、
図1に図示)1と、マスト1上に左右に旋回可能に設け
られた旋回体2と、旋回体2に上下に起伏可能に設けら
れたジブ3と、ジブ先端部4から吊り下げられるととも
に巻上下可能なフックブロック(吊り荷支持手段、図1
に図示)5とを備えたものである。
【0036】また、図1においては、フックブロック5
にフック5aが取り付けられているが、バケット等を取
り付けるものとしても良い。また、タワークレーンは、
旋回体2を旋回させる旋回装置(旋回駆動手段、図2に
図示)6と、旋回体2に上下に回動可能に支持されたジ
ブ3をワイヤ(図1に図示)7により起伏させる起伏ウ
ィンチ装置(起伏駆動手段)8と、フックブロック5を
吊り下げるワイヤ(図1に図示)9を巻き上げ及び巻き
下げする巻上下ウィンチ装置(巻上下駆動手段)10と
を有するものである。
【0037】そして、この一例のクレーン自動運転装置
は、図3に示すように、タワークレーンのジブ3のジブ
先端部4の位置をほぼリアルタイムで正確に計測可能な
ジブ先端位置計測装置11と、フックブロック(吊り
荷)5の振れ幅及び振れ方向を示す指標をほぼリアルタ
イムで計測可能な吊り荷振れ幅計測装置12と、荷取り
場と荷降ろし場との位置データ、すなわち、自動運転の
開始位置(始点)と終了位置(終点)とを入力する運転
スケジュール入力装置13と、該運転スケジュール入力
装置13から入力された自動運転の開始及び終了位置、
ジブ先端位置計測装置11及び振れ幅計測装置12から
入力された計測データに基づいてタワークレーンを自動
運転する自動運転制御装置14と、タワークレーンを手
動運転する際に、遠隔操作を可能とする無線操作装置1
5と、フックブロック5が移動中に警報を発するフック
ブロック警報装置16とを備えてなるものである。
【0038】上記ジブ先端位置計測装置11は、基本的
に、マスト1やジブ3の撓みや、ワイヤ7の延び等の変
位による誤差を含まない略正確なジブ先端部4の位置
(実際の位置)を略リアルタイムで略常時計測できるよ
うにしたものであり、このようなジブ先端位置計測装置
11としては、以下のようなものを挙げることができ、
以下に挙げるジブ先端位置計測装置11から任意のジブ
先端位置計測装置11を用いることができる。
【0039】第一のジブ先端位置計測装置11は、GP
Sを用いたものであり、図4に示すように、上記タワー
クレーンの旋回体2上に設けられた移動局21と、タワ
ークレーンの近傍の地上に設けれられた地上固定局22
とからなる。上記移動局21には、ジブ先端部4に設け
られた移動局自動整準GPSアンテナ23にブースター
24を介して有線で接続された移動局GPS受信機21
aと、地上固定局22から送信される位置データを受信
する無線受信機21bと、移動局GPS受信機21a及
び無線受信機21bとから入力される位置データに基づ
いてジブ先端部4の位置を算出する位置計測演算処理部
(パーソナルコンピュータ)21cとが備えられてい
る。
【0040】上記地上固定局22には、予め三次元座標
位置が求められた位置に設けられた固定局GPSアンテ
ナ25に接続された固定局GPS受信機22aと、該固
定局GPS受信機22aで受信された位置データを無線
で送信するデータ送信無線機22bとが設けられてい
る。また、前記固定局GPSアンテナ25の設置位置が
現場のローカル座標系における定点に設定されている。
【0041】そして、前記移動局GPS受信機21aで
受信された三次元位置データは、位置計測演算処理部2
1cに入力される。また、前記固定局GPS受信機22
aで受信された三次元位置データは、固定局22のデー
タ送信無線機22bから移動局21の無線受信機21b
に送信され、無線受信機21bから位置計測演算処理部
21cに入力される。そして、位置計測演算処理部21
cにおいては、固定局GPS受信機22aで受信された
位置データに対する移動局GPS受信機21aで受信さ
れた位置データの相対位置を計算し、これによって、固
定局GPS受信機22aの設置位置である、現場のロー
カル座標系における定点に対する前記移動局GPS受信
機21aの座標値を算出するようになっている。つま
り、前記ローカル座標系におけるジブ先端部4の三次元
座標位置を算出し、算出された位置データを自動運転制
御装置14に出力するようになっている。
【0042】第二のジブ先端位置計測装置11は、図5
に示すように、自動追尾測角装置31、31を用いたも
のであり、ジブ先端部4に配置された全周囲コーナーキ
ューブプリズム32と、タワークレーンの外部の二点に
配置された自動追尾測角装置31、31とを備えるとと
もに、これら自動追尾測角装置31、31に接続され、
二台の自動追尾測角装置31、31から出力される高度
角及び水平角が入力されることにより、ジブ先端部4の
位置を算出する地上位置計測演算処理装置(パーソナル
コンピュータ)33と、該地上位置計測演算処理装置3
3で算出されたジブ先端部4の位置を自動運転制御装置
14に送信する送信機34とを備えている。
【0043】なお、自動運転制御装置14には、送信機
34から送信されるジブ先端部4の位置データを受信す
る受信機35が接続され、受信機35から位置データが
自動運転制御装置14に入力されるようになっている。
上記自動追尾測角装置31、31は、周知のように移動
する反射鏡(プリズム32)を追尾するとともに、例え
ば、予め三次元位置が求められた基準点に基づいて反射
鏡の位置の水平角及び高度角を測定するものである。
【0044】なお、それぞれ異なる地点に設置される二
台の自動追尾測角装置31、31は、ジブ先端部4のプ
リズム32をその移動範囲全域に亙って視認できるよう
な位置に設置し、また、この設置位置を現場のローカル
座標系における三次元位置が求めれられた定点に設定し
ておく。この自動追尾測角装置31、31は、上述した
ように、予め三次元座標が求められた位置に設置するこ
とによって、現場のローカル座標系における該自動追尾
測角装置31、31の設置位置座標を定数で与えること
ができる。
【0045】そして、この現場のローカル座標系におけ
る定点で、この自動追尾測角装置を0セットすれば、こ
の自動追尾測角装置31、31の追尾している方向が直
線式で与えられる。すなわち、二台の自動追尾測角装置
31、31から入力されたプリズム対する水平角及び高
度角から地上位置計測演算処理装置33は、異なる位置
に配置された二台の自動追尾測角装置31、31が設置
された定点からジブ先端部4のプリズム32に至る二本
の直線式を求めるとともに、これら直線式の交点の座
標、すなわち、ジブ先端部4のプリズム32の位置を求
めることができるようになっている。
【0046】なお、自動追尾測角装置31、31に代え
て、測角機能と測距機能との両方を備えた自動追尾トー
タルステーションを用いれば、一台の自動追尾トータル
ステーションでも、自動追尾トータルステーションから
の角度と距離とからジブ先端部4のプリズム32の位置
を測定することができるが、現在一般に用いられている
自動追尾トータルステーションでは、測距を行った場合
に、例えば、毎秒二回の測定を行うようになっており、
タワークレーンによる吊り荷の移動に対して時間当たり
の計測回数が少なく、先にジブ先端部4の位置が測定さ
れてから、次にジブ先端部の位置が測定されるまでの間
に、ジブ先端部4が大きく移動してしまう可能性があ
り、リアルタイムで計測された位置データからタワーク
レーンをリアルタイムで制御するのに問題が生じる可能
性がある。
【0047】それに対して、自動追尾測角装置31、3
1では、現状において毎秒10回の測定が可能であり、
自動追尾トータルステーションを用いた場合より細かな
制御が可能となる。また、自動追尾トータルステーショ
ンで、短いサイクルタイムで位置の測定が可能ならば、
自動追尾トータルステーションを用いるものとしても問
題はない。
【0048】第三のジブ先端位置計測装置11は、図6
に示すように、自動追尾測角測距装置(トータルステー
ション)41を用いたものであり、旋回体2上に設けら
れ、旋回体2の傾斜を計測する傾斜計42と、ジブ先端
部4に取り付けられたコーナーキューブプリズム43
と、旋回体2上の所定位置に設けられた自動追尾測角測
距装置41と、旋回装置(図2に図示)6による旋回体
2の旋回角度を計測する旋回検出エンコーダ44と、自
動追尾測角測距装置41及び旋回検出エンコーダ44か
ら入力されるデータからジブ先端部4の上記ローカル座
標系の位置を算出し、自動運転制御装置14にジブ先端
部4の位置データを出力する位置計測演算処理装置45
とを備えたものである。上記自動追尾測角測距装置41
は、上述の周知のトータルステーションであり、旋回体
2の自動追尾測角測距装置41の設置位置に対するプリ
ズム43が設置されたジブ先端部4の相対位置(高度
角、水平角、斜距離)を検出することができる。なお、
この際に自動追尾測角測距装置41が旋回体2とともに
回転するので、自動追尾測角装置41に対するジブ先端
部4の水平角は基本的に一定となる。
【0049】また、上記旋回検出エンコーダ44は、旋
回体2の旋回角度を検出するための周知のエンコーダで
あり、旋回体2の旋回角、すなわち、ジブ3の旋回角を
検出することができる。従って、上記位置計測演算処理
装置45は、旋回中心位置をローカル座標系の定点とす
れば、旋回中心位置と、自動追尾測角測距装置41の設
置位置との位置関係と、旋回検出エンコーダ44により
検出された旋回角と、自動追尾測角測距装置41により
計測されたジブ先端部4のプリズム43の高度角と斜距
離とから、ローカル座標系のジブ先端部4の位置を算出
することができる。なお、上述のようにした場合には、
ジブ3の撓みが測定誤差として含まれることはないが、
タワー(マスト1)の荷重等による曲がりによって、旋
回中心の位置がずれるので、マスト1の曲がりによる誤
差が含まれることになる。また、マスト1の曲がりによ
り旋回体2が傾くので、自動追尾測角測距装置41に測
定された高度角にもずれが生じることになる。
【0050】そこで、傾斜計42により旋回体1の傾斜
を測定することで、自動追尾測角測距装置41の高度角
のずれを補正するとともに、マスト1の曲がりによる旋
回中心位置のずれを推測し、上述のように求められるジ
ブ先端部4の位置を補正する必要がある。なお、旋回中
心位置のずれは、後述する第四のジブ先端位置計測装置
11に示すように求めることができる。また、自動追尾
測角測距装置41を用いた場合には、上述のように計測
サイクルが長くなる可能性があるが、自動追尾測角測距
装置41で計測されるのは、ジブ3の起伏によるジブ先
端部4の位置の変化であり、旋回によるジブ先端部4の
位置の変化は、旋回検出エンコーダ44により短い計測
サイクルで計測が可能なので、ジブ先端部4の移動を捕
捉することができる。
【0051】第四のジブ先端位置計測装置11は、一般
的なクレーンの吊り荷の位置検出手段によるジブ先端位
置の計測値からジブの撓みやマストの曲がりによる誤差
を除去するものであり、図7に示すように、マスト1に
上下複数箇所に設けられた第一の歪計(図示略)と、ジ
ブ3の前後複数箇所に設けられた第二の歪計(図示略)
と、旋回体2上に設けられた傾斜計51と、旋回装置
(図2に図示)6による旋回体2の旋回角度を計測する
旋回検出エンコーダ52と、起伏ウィンチ装置(図1及
び図2に図示)8に取り付けられ、起伏ウィンチ装置8
の回転数からジブの起伏角を計測するための起伏ウィン
チエンコーダ53と、上述の各装置から入力されるデー
タからジブ先端部4の位置を算出する位置計測演算処理
装置54と、位置計測演算処理装置54の記憶装置に予
め記憶されたデータベース(図示略)とを備えたもので
ある。
【0052】上記第一及び第二の歪計は、マスト1及び
ジブ3にかかる自重や吊り荷の荷重によるモーメントに
よって生じるマスト1及びジブ3の歪みを計測するもの
である。また、マスト1及びジブ3の曲がりは、上記モ
ーメントにより決まるものであり、マスト1及びジブ3
の曲がり量と、上記第一及び第二の歪計で計測される歪
みとの間には、相関関係がある。そこで、このジブ先端
位置計測装置11においては、予め、吊り荷の荷重やジ
ブ3の起伏角を変えながら、第一及び第二の歪計の計測
値と実際のマスト1及びジブ3の曲がり量の実測値とを
求め、これら歪計の計測値と曲がり量の実測値との関係
をデータテーブルとしてまとめた上記データベースを作
成することで、位置計測演算処理装置54により、第一
及び第二の歪み計の計測値から上記データベースを参照
してマスト1及びジブ3の曲がり量を求める事ができ
る。
【0053】また、位置計測演算処理装置54は、旋回
検出エンコーダ52から出力されるデータからジブ3の
旋回角を求め、起伏ウィンチエンコーダ53から出力さ
れるデータからジブ3の起伏角を求めることができる。
ここで、マスト1及びジブ3の撓み等の曲がりがないも
のとしたら、マスト1の設置位置から旋回体2の回転中
心位置をローカル座標計の定点として求めることがで
き、旋回体2の回転中心位置と、上記ジブ3の旋回角及
びジブ3の起伏角と、旋回体2のジブ3の取付位置と、
ジブ3の長さとから、ジブ先端部4のローカル座標系の
位置を求めることができる。
【0054】ここで、実際には、マスト1及びジブ3に
上述のような曲がりが発生しているので、旋回体2の回
転中心位置をローカル座標系の定点とすることができな
いので、上述のように求められるマスト1及びジブ3の
曲がり量に基づいて、上述のように求められるジブ先端
部4のローカル座標系の位置を修正する。また、旋回体
2上に設けられた傾斜計51の測定値とマスト1の曲が
り量の実測値とを歪計の計測値と同様にデータベース化
し、傾斜計51と歪計の両方の計測値からマスト1の曲
がり量を求めるようにすることで精度を向上することが
できる。
【0055】また、傾斜計51の計測値により起伏ウィ
ンチエンコーダ53の出力値から求められるジブ3の起
伏角を補正することができる。なお、この方式では、上
述のように起伏ウィンチエンコーダ53等によりジブ先
端部4の位置を求めるものとしても、吊り荷の荷重変化
に対応が可能であり、さらにマスト1やジブ3の歪みを
常時計測することで、タワークレーンの保守・管理及び
使用の安全性の向上も図ることができる。
【0056】上記吊り荷振れ幅計測装置12は、実際の
吊り荷の振れに基づいて、現在の吊り荷の振れを抑える
ように、吊り荷の制振制御を行うために必要なものであ
り、基本的に、吊り荷の振れ方向と振れ幅とを計測する
必要がある。また、吊り荷の振れとは、ジブ先端部の位
置に対する吊り荷(フックブロック5)の位置の差から
求められるものであり、上述のようにジブ先端位置計測
装置11によりジブ先端部の位置が計測されるので、吊
り荷の位置も、例えば、上述のGPSを用いた方法や、
自動追尾測角装置や自動追尾測角測距装置を用いた方法
で吊り荷の位置を計測するものとしても良い。
【0057】また、吊り荷の振れ幅の測定は、上述のよ
うにジブ先端部4に対する吊り荷の振れ幅と方向とがわ
かれば良いので、必ずしも、吊り荷の位置を、上述のジ
ブ先端部4の位置を求めたローカル座標系の位置として
求める必要はなく、例えば、ジブ先端部4に対する吊り
荷の相対位置を求めたり、振れ幅の量と方向とを示す指
標となる数値を求めたりするものとしても良い。そし
て、上記振れ幅計測装置12としては、例えば、以下の
ようなものを用いることができる。
【0058】第一の吊り荷振れ幅計測装置21として
は、吊り荷をジブ先端部4から吊るワイヤ9の角度を、
ワイヤ9に倣って動く倣い装置(図示略)により計測す
るものである。上記倣い装置とは、例えば、タワークレ
ーンのジブ先端部4から吊り荷(フックブロック5)を
吊り下げているワイヤ9の各々に、ワイヤ9の振れに倣
って振れるものであり、例えば、ジブ先端部4の下面に
上端部を揺動自在に接続されるとともに、下端部をワイ
ヤ9に、ワイヤ9が上下に移動可能な状態で係止される
部材である。この倣い装置の振れ角をエンコーダ等の測
角装置で計測するとともに、ジブ先端部4からフックブ
ロック5もしくは吊り荷までの距離を巻上下ウィンチ装
置10に設けられた巻き上げウィンチエンコーダ(図示
略)のワイヤ9の長さを示す出力値と、起伏ウィンチ装
置8に設けられた起伏ウィンチエンコーダ(図示略)の
ジブ3の起伏角を示す出力値とから求めることで、吊り
荷の振れ角から吊り荷の振れ幅を求めることができる。
なお、ジブ3の起伏角を傾斜計で求めるものとしても良
い。
【0059】また、吊り荷の振れ方向は、倣い装置の上
述のエンコーダを、ジブ3の周回移動方向と、該周回移
動方向に直交するジブ3の起伏移動方向との二軸で角度
が測定可能なものとすれば良く、各方向成分の振れ角か
ら振れ方向を求めることができる。なお、吊り荷の制振
制御は、後述するように周回移動方向の振れをジブ4の
旋回移動の加減速で行い、周回移動方向に直交する起伏
移動方向の振れをジブ4の起伏移動の加減速で行うの
で、各方向成分の振れ角を振れ幅及び振れ方向の指標と
してそのまま吊り荷の制振制御用のデータとして用いる
ことができるので必ずしも上記データから実際の振れ幅
の長さや振れ方向を算出する必要はない。なお、吊り荷
の振れ方向を求める方法としては、上述のように二軸の
エンコーダを用いる以外に、レーザ式のXY変位計を用
いて、ワイヤの振れ角及び振れ方向を求めるものとして
も良い。
【0060】第二の吊り荷振れ幅計測装置12は、ポリ
ゴン式レーザ拡散位置認識方法を用いるものである。こ
の吊り荷振れ幅計測装置12は、ジブ先端部4に広い範
囲でレーザを拡散させるポリゴン方式のレーザ装置(図
示略)を設置し、フックブロック5に上述のようなプリ
ズム(図示略)を配置し、フックブロック5のプリズム
から反射される反射光の方向からフックブロックに設け
たプリズムがその拡散範囲内のどの位置にあるかを検知
し、プリズムの方向を計測するものである。
【0061】また、ジブ先端部4に設置されたレーザ装
置のレーザーを、2軸の動きができるようにし、その2
軸の変位量をエンコーダもしくは傾斜計で検出するよう
にすれば、さらに正確にフックブロック5のジブ3に対
する方向を求めることができ、この方向と、ジブ3の起
伏角とから吊り荷の振れ角と、振れ方向を求めることが
できる。また、ジブ3とフックブロック5との間の距離
は、上述のように巻き上げウィンチエンコーダの出力値
とジブの起伏角とにより算出することができる。
【0062】第三の吊り荷振れ幅計測装置12は、画像
処理方式であり、タワークレーンのジブ先端部4に一般
的に取り付けられる監視用のCCDカメラ(図示略)の
画像データを用いて、上記画像データにおけるフックブ
ロック5の動きを認識するものである。すなわち、監視
用のCCDカメラにおいては、フックブロック5が必ず
撮影範囲内に納まるようになっているので、周知の画像
処理方法によりCCDカメラの画像からフックブロック
5を判別するとともに、ジブ先端部4に固定されたCC
Dカメラの撮影範囲内の判別されたフックブロック5の
位置を求めることにより、ジブ先端部4に対するフック
ブロック5の振れ幅及び振れ方向を求められるようにし
たものである。なお、フックブロック5を画像から判別
する方法としては、例えば、フックブロック5もしくは
その一部の色を回りの環境にない色として、画像データ
からフックブロック5の色を識別する色識別により行う
ことができる。
【0063】第四の吊り荷振れ幅計測装置12は、加速
度計(図示略)を用いたものであり、フックブロック5
に例えば、ジブ3の旋回方向と該旋回方向に直交する起
伏方向との2軸の加速度計を設置したものである。そし
て、各軸方向の加速度の大きさから振れの方向と振れの
大きさを検知するものであるが、実際に制振制御を行う
際には、加速度が0に近づくように制御することで、吊
り荷の振れを収束できるので、加速度の値を振れ幅とし
て長さの単位に変更する必要はない。また、フックブロ
ック5が左右に回転するような場合には、加速度計がフ
ックブロックと一緒に回転しないような構成とするか、
加速度計の回転を検知して補正する必要がある。
【0064】次に、運転スケジュール入力装置13につ
いて説明する。上記運転スケジュール入力装置13は、
図示しない演算処理装置と、キーボード及びマウス等の
ポインティングデバイス等からなる入力装置と、ディス
プレイ及びプリンタ等の出力装置とからなるコンピュー
タシステム(パーソナルコンピュータ)であり、自動運
転制御装置14に接続され、自動運転制御装置14にデ
ータを出力可能なものである。そして、運転スケジュー
ル入力装置13においては、たとえば、建築現場に設置
されたタワークレーンの場合、タワークレーン周囲の平
面図(XYローカル座標系)上において、吊り荷の始点
と終点、すなわち、荷取り場と荷降ろし場との位置を例
えばマウスにより入力するようになっている。
【0065】次いで、例えば、平面上の位置を入力され
た始点と終点との側面図がでるので、始点において、自
動運転を開始する高さと、終点において自動運転を停止
する高さとを例えば、マウスにより指定する。この際
に、建築現場の荷取り場及び荷降ろし場においては、作
業者や車両等の動きがあるので、吊り荷が荷取り場もし
くは荷降ろし場に近づいた場合には、これら作業者や車
両等の動きを把握しなければ、タワークレーンを操作す
ることができないので、現状では、荷取り場及び荷降ろ
し場近傍では、自動運転でタワークレーンを操作するよ
りも、操作を手動に切り換えることが好ましく、また、
荷取り場及び荷降ろし場の近傍は、タワークレーンの旋
回体2からの視界を確保することが困難であり、例え
ば、荷取り場及び荷降ろし場からタワークレーンを無線
で操作することが好ましい。
【0066】そこで、この一例では、タワークレーンを
建築現場で操作する際には、上述の無線操作装置15を
用いるので、タワークレーンで自動運転される範囲は、
上述の入力された始点及び終点の高さまでで、それより
下の位置における操作は、無線操作装置15で行われる
ようになっている。なお、運転スケジュール入力装置1
3は、一度に複数の吊り荷の搬送経路及び吊り荷を降ろ
した空の状態でのフックブロック5の搬送経路を入力で
きるようになっているとともに、タワークレーンのジブ
3の旋回範囲内にある障害物の位置(範囲)を入力する
ことができるようになっている。
【0067】また、タワークレーンをダム工事で用いる
際には、運転スケジュール入力装置13の表示装置にお
いて、荷降ろし場となる各打設ブロックの大きさを入力
すると荷降ろし場全体の平面図が自動的に打設ブロック
毎にメッシュ切りされた画面になり、その各メッシュに
打設順を示す番号を入れることにより、終点の入力が完
了する。荷取り場については、例えば、バンカ線上を走
行するバケット受け台車やトランスファーカの位置とな
り、基本的には、タワークレーンの吊り荷の軌道とバン
カ線が交差する位置が、荷取り場の位置となり、例え
ば、終点の位置に対応してタワークレーンのバンカ線か
ら打設ブロックまでの最短の移動経路を決定し、その際
に、バンカ線と吊り荷の移動経路とが交差する位置に、
バケット受け台車やトランスファーカを移動させるもの
としても良い。
【0068】上記自動運転制御装置14は、基本的に、
図示しない演算処理装置と、キーボード及びマウス等の
ポインティングデバイスからなる入力装置と、ディスプ
レイ及びプリンタ等の出力装置とを有するとともに、ジ
ブ先端位置計測装置11、吊り荷振れ幅計測装置12及
び運転スケジュール入力装置13からのデータの入力
と、上記旋回装置6、起伏ウィンチ装置8及び巻上下ウ
ィンチ装置10の駆動を操作するタワークレーン操縦装
置への操作データの出力とを行うインターフェースとを
有するものである。
【0069】そして、自動運転制御装置14は、運転ス
ケジュール入力装置13から入力された自動運転の始
点、終点、障害物の範囲に基づいて吊り荷(フックブロ
ック5)の移動経路を決定する機能を有する。また、自
動運転制御装置14は、ジブ先端位置計測装置11から
短いサイクルタイムで順次入力されるジブ先端部4の位
置と、上述のように決定された移動経路に基づいて求め
られるジブ先端部4の移動経路もしは、地表面に対応す
るXYローカル座標系の吊り荷の移動経路(XYローカ
ル座標系では、吊り荷が振れていない限り、吊り荷とジ
ブ先端部4の座標が一致する)とを比較し、上記移動経
路からジブ先端部4の現在位置が許容範囲以上ずれてい
ないかどうかを判断する機能を有する。
【0070】また、自動運転制御装置14は、上記移動
経路と上述のジブ先端部4の現在位置とがずれていた場
合に、タワークレーン操縦装置を介して旋回装置6及び
起伏ウィンチ装置8とを操作してジブ先端部4の位置を
上記移動経路上に戻すフィードバック制御機能を有す
る。また、自動運転制御装置14は、上述のジブ先端部
4の現在位置と、ジブ3の旋回方向の停止位置との距
離、もしくは、上記現在位置と上記停止位置との間のジ
ブ3の旋回角度に基づいて旋回装置6によるジブ3の旋
回速度を略リアルタイムで制御する機能を有する。
【0071】また、自動運転制御装置14は、上述のジ
ブ先端部4の現在位置と、ジブ3の起伏方向の停止位置
との距離、もしくは、上記現在位置と上記停止位置との
間のジブ3の起伏角度に基づいて起伏ウィンチ装置8に
よるジブ3の起伏速度を略リアルタイムで制御する機能
を有する。また、自動運転制御装置14は、上記吊り荷
振れ幅計測装置12から入力される吊り荷の振れ幅及び
振れ方向を示す指標に基づいて、旋回装置6によるジブ
3の旋回速度を加減速するとともに、起伏ウィンチ装置
8によるジブ3の起伏速度を加減速することにより、吊
り荷の制振制御を行う機能を有する。また、自動運転制
御装置14は、吊り荷の制振制御に際してジブ3の起伏
速度の加減速及びジブ3の旋回速度の加減速をファジィ
制御する機能を有する。
【0072】上記無線操作装置15は、荷取り場及び荷
降ろし場にいるオペレータが携帯するとともに、上記タ
ワークレーン操縦装置への操作データを送信可能な送信
機(図示略)と、上記送信機から送信された操作データ
を自動運転制御装置14を介してタワークレーン操縦装
置に出力可能な受信機(図示略)とからなるものであ
る。そして、無線操作装置15は、上述のように荷取り
場において吊り荷を所定の高さまで吊り上げるまでの間
と、荷降ろし場において、吊り荷を所定の高さから降ろ
すまでの間、荷取り場もしくは荷降ろし場から手動によ
る遠隔操作を行うためのものである。
【0073】上記フックブロック警報装置16は、移動
中の吊り荷の近傍や下方にいる作業員に吊り荷が移動中
であることを報知して、作業員に注意を促すものであ
る。そして、上記フックブロック警報装置16は、フッ
クブロック5に取り付けられた図示しない移動検知装置
と、音声出力装置と、点灯装置と、電源装置とからなる
ものである。上記移動検知装置は、例えば、加速度計か
らなるものであり、吊り荷の振れや旋回移動や移動速度
の増減により加速度が生じたことを検知し、加速度によ
り吊り荷が移動していることを検知するとともに、吊り
荷の移動の検知を示す信号を音声出力装置及び点灯装置
に出力するものである。
【0074】また、移動検知装置は、フックブロック5
のシーブの回転により吊り荷の上下動を検知するものと
しても良い。上記音声出力装置は、移動検知装置が吊り
荷の移動を検知した場合に、例えば、予め音声ROMに
記憶された音声信号を拡声器を介して音声として外部に
出力するものである。上記点灯装置は、移動検知装置が
吊り荷の移動を検知した場合に、警告灯を点灯させるも
のである。
【0075】また、電源装置は、例えば、バッテリであ
るが、電源装置を太陽電池やフックブロック5のシーブ
の回転による発電する発電機や風力発電機とバッテリと
の組み合わとすれば、バッテリの交換や充電といったメ
ンテナンスをなくすことができる。また、フックブロッ
ク警報装置16は、図3に示すように自動運転制御装置
14に接続されて制御されるものとしても良いが、フッ
クブロック警報装置16を上述のような構成とすれば、
フックブロック警報装置16を独立して作動させること
ができ、タワークレーン側の構成に関係なく、フックブ
ロック警報装置16を作動させることができる。
【0076】この一例のタワークレーン装置は、基本的
に上述のような構成を有するものであるが、図8に、タ
ワークレーンをダム工事用のものとし、上記ジブ先端位
置計測装置11として歪計を有する上述の第四のジブ先
端位置計測装置11を用い、吊り荷振れ幅計測装置12
としてポリゴン式レーザ拡散位置認識方法による第二の
吊り荷振れ幅計測装置12を用いたクレーン自動運転装
置の概略構成を図示した。図8に示すクレーン自動運転
装置は、マスト1とジブ3とに破線で図示した歪計取付
部a、bに取り付けられた上述の歪計(図示略)と、ジ
ブ先端部4に取り付けられたポリゴン式レーザー装置
(図示略)と、旋回体2上に設けられた旋回体センサ類
Aと、旋回体2上の操作室に設けられた操作室制御部B
と、フックブロック5に設けられたフックブロックシス
テム部Cとからなるものである。
【0077】なお、このタワークレーンにおいては、フ
ックブロック5にコンクリート打設用のバケットが取り
付けられている。上記旋回体センサ類Aとしては、上述
の各装置として、吊り荷の巻き上げ量及び巻き下げ量を
検知する巻き上げウィンチエンコーダと、ジブ3の起伏
角を検知する起伏ウィンチエンコーダ53と、ジブ3の
旋回角を検知する旋回検出エンコーダ52と、旋回体2
の傾斜角を検知する傾斜計51とを有するとともに、無
線送受信装置を有する。そして、無線送受信装置は、事
務所に配置された施工支援コンピュータとの通信、ダム
工事現場の荷取り場となるバンカー線側のバケット受け
台車及びトランスファーカとの通信を行うようになって
いる。
【0078】また、操作室制御部Bには、自動運転制御
装置14となる自動制御パソコンと、該自動制御パソコ
ンに接続され操作室のオペレータに運転状態等を表示す
るオペレータ表示パソコンと、上記無線送受信装置にお
ける無線通信を統括する無線通信統括パソコンと、起伏
ウィンチ装置8及び巻上下ウィンチ装置10用のウィン
チ制御盤と自動制御パソコンとのインターフェス装置が
配置されている。なお、自動制御パソコンは、ファジィ
推論部による吊り荷の制振制御と、ファジィ推論部によ
る制振制御以外の自動運転の制御である自動運転基本制
御と、安全対策の綜合管理と、荷取り場となるバンカー
線上の車両の移動とバケットを取り付けられたフックブ
ロック5の移動とを対応させるためのバンカー線との通
信の制御とを行うようになっている。
【0079】また、フックブロックシステム部Cには、
上記ポリゴン式レーザ装置のレーザを反射する反射プリ
ズムと、上述のフックブロック警報装置16の移動検知
装置となる加速度計と、上述のフックブロック警報装置
16の音声出力装置及び点灯装置からなる警報装置と、
上述のフックブロック警報装置16の電源装置となる風
力発電機もしくはソーラーパネル(太陽電池)と、フッ
クブロック5に取り付けられたバケットによるコンクリ
ートの打設を操作するための打設側リモコン中継器とが
設けられている。
【0080】次に、上述のような構成を有するクレーン
自動運転装置によるクレーンの自動運転方法を説明す
る。まず、オペレータが運転スケジュール入力装置13
に上述のように吊り荷(フックブロック5)の移動の始
点と終点とを入力するとともに、障害物がある場合に
は、障害物の配置を入力する。次に、運転スケジュール
入力装置13から自動運転制御装置14に上記始点と終
点と障害物の配置とが入力される。
【0081】そして、自動運転制御装置14は、上記始
点と終点と障害物の配置とから吊り荷の始点から終点ま
での移動経路を算出する。基本的にジブ先端部4に吊ら
れた状態の吊り荷の地表面に対するするXY座標上の移
動は、ジブ3の旋回中心を中心とする周回移動と、ジブ
3の起伏移動に基づく上記周回移動と直交する半径方向
の直線移動との組み合わせからなるものであり、障害物
がない場合には、始点の水平角から終点の水平角までの
周回移動と、始点から終点までの上記半径方向に沿った
直線移動(など、三次元上では垂直面内での周回移動と
なる)とを同時に行うように組み合わせることで移動経
路が決定される。
【0082】また、上述のように決められた移動経路上
に障害物がある場合には、基本的に障害物の位置をジブ
3の旋回移動により吊り荷が通過する際にジブ3の起伏
角を大きくして障害物を避けるように移動経路を決定す
ることができる。すなわち、ジブ先端部4の移動経路
は、ジブ3の順次変化する旋回角の値に対するジブ3の
起伏角の値として表すことができ、障害物が存在するジ
ブ3の旋回角の範囲でジブ3の起伏角を大きくすること
により移動経路が決定される。
【0083】次に、実際の吊り荷の移動を行うことにな
るが、吊り荷の移動に際してはフックブロック5を上記
始点となる荷取り場に移動しておく必要があり、この際
にはこれから述べる吊り荷の移動と同様に、フックブロ
ック5を現状の位置から荷取り場に移動するようにクレ
ーンが自動運転されることになる。そして、荷取り場に
フックブロック5が配置された段階で、フックブロック
5に吊り荷が取り付けられる。そして、例えば、建築工
事においては、荷取り場のオペレータが上記無線操作装
置15により、タワークレーンを操作して、巻上下ウィ
ンチ装置10により、吊り荷をほぼ所定の高さまで吊り
上げる操作を行い、吊り荷が吊り上げられた段階で、無
線操作装置15により、自動運転開始の信号を送信する
ことにより自動運転が開始される。
【0084】なお、巻上下ウィンチ装置10による吊り
荷の巻き上げは、巻き上げウィンチエンコーダ(図示
略)と起伏ウィンチエンコーダ(図7に図示)との出力
値に基づきフックブロック5とジブ先端部4との距離が
所定の距離となるように行われるが、これは周知の方法
により行われる。次に、吊り荷が吊り上げられた段階
で、ジブ3の旋回及び起伏による移動が開始される。こ
の際には、上記ジブ先端位置計測装置11からジブ先端
部4の位置が所定のサイクルタイムで自動運転制御装置
14に入力されることになる。
【0085】そして、自動運転制御装置14は、旋回装
置6によるジブ3の旋回移動の開始及び停止と、ジブ3
の旋回速度(加減速)とを制御するとともに、起伏ウィ
ンチ装置8によるジブ3の起伏移動の開始及び停止と、
ジブ3の起伏速度(加減速)とを制御することになる。
なお、吊り荷の振れを防止する上では、旋回装置6によ
るジブ3の旋回移動の速度及び起伏ウィンチ装置8によ
るジブ3の起伏移動の速度は、無段変速もしくは段数の
極めて多い多段変速で制御できるようになっていること
が好ましい。
【0086】そして、ジブ3の旋回移動の速度の制御
は、ジブ先端位置計測装置11から出力されるジブ先端
部4の現在位置と、ジブ3の旋回移動の停止位置との間
の旋回角度によって決められるようになっている。すな
わち、上記現在位置と停止位置との間の旋回角度が大き
い場合は、旋回速度が早く設定され、現在位置と停止位
置との旋回角度が小さくなるほど、旋回速度が遅くなる
ように設定されている。すなわち、停止位置に吊り荷が
近づくと順次旋回速度が減速され、旋回移動を停止した
際に、吊り荷が大きく振れるのを防止するようになって
いる。
【0087】また、旋回移動の開始時は、所定の加速度
でゆっくりと加速されるとともに、実際の旋回速度が上
記現在位置と停止位置との間の旋回角度に対応する旋回
速度となるまで加速されることになる。なお、ジブ先端
部4の旋回移動の速度は、ジブ3の起伏角により変化す
るので、ジブ3の旋回移動の速度を角速度で制御する場
合には、旋回移動の角速度を現在位置と停止位置との旋
回角度とジブ3の起伏角度とに基づいて制御する必要が
ある。
【0088】そして、ジブ3の起伏移動の速度の制御
は、ジブ先端位置計測装置11から出力されるジブ先端
部4の現在位置と、ジブ3の起伏移動の停止位置との間
の起伏角もしくは現在位置から旋回中心までの水平距離
と停止位置から旋回中心までの水平距離との差によって
決められるようになっている。すなわち、上記現在位置
と停止位置との上記距離(起伏角度)が遠い(大きい)
場合は、起伏速度が早く設定され、現在位置と停止位置
との上記距離が短くなるほど、起伏速度が遅くなるよう
に設定されている。すなわち、停止位置に吊り荷が近づ
くと順次起伏速度が減速され、起伏移動を停止した際
に、吊り荷が大きく振れるのを防止するようになってい
る。
【0089】また、起伏移動の開始時は、所定の加速度
でゆっくりと加速されるとともに、実際の起伏速度が上
記現在位置と停止位置との上記距離(起伏角度)に対応
する起伏速度となるまで加速されることになる。なお、
上記停止位置は、終点の位置と一致するものとは限ら
ず、特に障害物を避けるように移動経路を決めた場合に
は、停止位置と終点の位置とが一致しない可能性が高
く、停止位置が複数となる可能性もある。
【0090】また、自動運転制御装置14は、ジブ先端
位置計測装置11から入力されるジブ先端部4の現在位
置と上記移動経路とがずれているかどうかを判定して、
ずれている場合に、ジブ先端部4の位置が上記移動経路
上に配置されるように旋回装置6及び起伏ウィンチ装置
8を制御する。この際には、移動経路を上述のように移
動中のジブ3の各旋回角におけるジブ3の起伏角とみな
すことができるので、基本的に起伏ウィンチ装置8を制
御することにより、ジブ先端部4の位置が上記移動経路
上に配置されるように制御することができる。
【0091】次に、自動運転制御装置14による吊り荷
の制振制御について説明する。吊り荷の制振制御は、基
本的に上記吊り荷振れ幅計測装置12からの出力値、す
なわち、振れ幅と振れ方向とを示す指標に基づき行われ
るものである。そして、上記振れ幅と振れ方向を示す指
標は、ジブ3の旋回方向に沿った方向成分の振れ幅の指
標と、ジブ3の旋回方向に直交する半径方向(起伏方
向)に沿った方向成分の振れ幅の指標とに分けられる。
【0092】そして、旋回方向に対する吊り荷の振れに
対しては、ジブ3の旋回速度を加減速することにより対
応するようになっている。例えば、ジブ先端部3の旋回
速度を加速することにより、吊り荷が旋回方向に沿って
ジブ先端部3の後方側に傾斜した状態となった場合に
は、加速を小さくすることにより、吊り荷の振れを収束
させるようにし、ジブ先端部3の旋回速度を減速するこ
とにより、吊り荷が旋回方向に沿ってジブ先端部3の前
方側に傾斜した状態となった場合には、減速、すなわ
ち、逆方向の加速を小さくすることにより、吊り荷の振
れを収束させるものである。
【0093】そして、旋回の半径方向に対する吊り荷の
振れに対しては、ジブ3の起伏速度を加減速することに
より対応するようになっている。例えば、ジブ先端部3
の起伏速度をジブ3を起こす側に加速することにより、
吊り荷が半径方向に沿ってジブ先端部3の外側に傾斜し
た状態となった場合には、上述の加速を小さくすること
により、吊り荷の振れを収束させるようにし、ジブ先端
部3の起伏速度をジブ3を伏せる側に加速することによ
り、吊り荷が半径方向に沿ってジブ先端部3の内側に傾
斜した状態となった場合には、上述の加速を小さくする
ことにより、吊り荷の振れを収束させるものである。
【0094】なお、振れを収束するために行われる旋回
速度及び起伏速度の加減速の値は、周知のファジィ推論
を用いて求められるものである。たとえば、旋回速度を
制御する場合には、旋回速度、ジブ先端部4の現在位置
から停止位置までの距離(旋回角)、上記吊り荷振れ幅
計測手段12から出力される振れ幅を示す指標の旋回方
向成分等をファジィ入力変数とし、旋回装置6の旋回速
度(もしくは加速度)の変化量をファジィ出力変数とす
る。そして、各ファジィ入出力変数のレンジ(範囲)を
ファジィ集合(NB:負に大きい、NM:負に中くら
い、NS:負に小さい、Z0:ほぼゼロ、PS:正に小
さい、PM:正に中くらい、PB:正に大きい)に配分
し、ファジィ入力変数の各フィジー集合の組み合わせの
パターンからなる前件部と、該前件部に対応するファジ
ィ出力変数のファジィ集合及び重みを示す数値からなる
後件部とからなるファジィルールを作成する。
【0095】なお、各ファジィルールの重みを示す数値
は、そのファジィルールに重みを付けるもので、1より
小さくするとそれほど重要ではないが加味しなければな
らないルールであることを示し、1以上とすると、その
ファジィルールの後件部出力を他のファジィルールの出
力より重視し、そのファジィルールの出力が実際の出力
に大きく影響することを示す。そして、実際の出力は、
制御時に上記ファジィルールのうちの各ファジィ入力変
数の値がファジールールの選定された範囲内にあるファ
ジィルールが有効となり、有効となった各ファジィルー
ルで設定された後件部の出力に重みをかけた値が出力さ
れる。
【0096】そして、有効となった各ファジィルールの
後件部出力値を合成することにより、旋回速度の変化量
の値がファジィ推論部から自動運転制御装置14のメイ
ンの演算処理装置に出力される。また、吊り荷の振れが
旋回移動の加減速や起伏移動の加減速ではなく、風等の
外因により生じた場合にも、上述のように旋回移動及び
起伏移動の加減速を制御することにより吊り荷の振れが
収束される。また、吊り荷を旋回移動した場合には、吊
り荷に遠心力がかかるので、旋回移動速度が早い場合に
は、遠心力も考慮する必要がある。そして、上述のよう
に制御されて吊り荷が荷降ろし場の上に達した段階で、
設定された高さまで自動的に吊り荷が下げられる。ここ
で、無線操作装置15により手動操作で自動運転を停止
するとともに、吊り荷を地上まで降ろすことになる。
【0097】上述のようなこの一例の自動運転制御装置
によれば、ジブ先端位置計測装置11により略リアルタ
イムでジブ先端部4の位置を計測するとともに、吊り荷
振れ幅計測装置12により略リアルタイムで吊り荷の振
れを計測し、これらの計測に基づいて略リアルタイムで
クレーンの自動運転を制御することにより、風等の外因
により吊り荷が振れた場合や、何らかの理由でジブ先端
部の位置が予め決められた移動経路から外れた場合で
も、自動運転を停止することなく自動で対応することが
できる。
【0098】また、従来のように吊り荷の振れを防止す
るために、自動運転を行う前に、旋回移動及び起伏移動
の移動速度の変化を細かくパターン化する必要がなく、
吊り荷が大きく振れない程度に速度を変化させるように
制御し、吊り荷に振れが生じた場合には、上記吊り荷振
れ幅制御装置12から入力される振れ幅等を示す指標に
基づいて制振制御をリアルタイムで行って、吊り荷の振
れが大きくなるのを防止するとともに、吊り荷の振れを
収束させることで対応することができる。すなわち、自
動運転開始時に、旋回移動及び起伏移動の移動速度の変
化を細かくパターン化するための演算処理を省力化する
ことができるので、自動運転開始前の処理の短時間化と
制御装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0099】また、ジブ先端位置計測装置11により計
測された現在位置と旋回移動及び起伏移動の停止位置と
の距離(旋回角、起伏角)と旋回速度及び起伏速度とを
対応させて、旋回速度及び起伏速度を制御することによ
り、従来のように始点及び終点の位置の変更及びそれに
よる移動経路の変更を行う毎に、移動速度の変化を細か
くパターン化する必要がなく、さらに自動運転開始前の
演算処理を省力化することができる。
【0100】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のクレーンの自動
運転装置によれば、クレーンの自動運転に際し、ジブ先
端部の位置が予め決められた吊り荷支持手段の移動開始
位置及び移動停止位置に基づくジブ先端部の移動経路か
らずれた場合に、上記自動運転制御手段が、上記ジブ先
端部の位置を移動経路上に戻すように上記起伏移動手段
及び上記旋回駆動手段を制御するので、クレーンの自動
運転を継続しても、吊り荷が障害物に近づいたり、荷降
ろし位置がずれたりすることがなく、自動運転を停止し
て手動に切り換える必要がない。
【0101】すなわち、クレーンの自動運転をより確実
なものとすることができ、さらなる省力化を図ることが
でき、クレーンのオペレータや合図者の負担を大幅に軽
減することができる。また、クレーンのオペレータや合
図者の負担が軽減されることにより、オペレータや合図
者に、吊り荷の移動に際して周囲の状況をよりきめ細か
く把握する余裕が生じるので、周囲の状況変化により敏
速に対応することができる。
【0102】本発明の請求項2記載のクレーンの自動運
転装置によれば、自動運転制御手段は、上記停止位置と
現在位置との間の距離に基づいて上記旋回移動手段によ
るジブ先端部の旋回移動の速度及び上記起伏移動手段に
よるジブ先端部の起伏移動の速度を制御しているので、
ジブ先端部が停止位置から遠い際には加速し、ジブ先端
部が停止位置に近づいたら減速する制御を実際のジブ先
端位置に基づいて行うことができる。従って、予め、移
動経路における位置と速度との関係を細かく完全にパタ
ーン化しなくとも、地表面に対応するXY座標の正確な
停止位置で吊り荷を停止することができるので、吊り荷
の移動開始前の演算処理を省力化することができるとと
もに、実際のジブ先端部の位置に対応した制御を行うこ
とができる。
【0103】本発明の請求項3記載のクレーンの自動運
転装置によれば、吊り荷振れ幅計測手段から出力される
振れ方向及び振れ幅を示す指標が入力された自動運転制
御手段が、吊り荷が振れたか否かを判断し、吊り荷が振
れた場合に、指標が示す振れ方向及び振れ幅に基づい
て、吊り荷の現在の振れを打ち消すように旋回駆動手段
による吊り荷の旋回移動の速度の加速もしくは減速と、
起伏駆動手段による吊り荷の起伏移動の速度の加速もし
くは減速とを制御することで、吊り荷の振れを抑制する
ことができる。
【0104】また、吊り荷振れ幅計測手段により実際の
吊り荷の振れを計測して、旋回駆動手段及び起伏駆動手
段の加減速を制御しているので、吊り荷の移動の加減速
による吊り荷の振れだけではなく、風等の外因による吊
り荷の振れにも対応することができる。また、吊り荷の
移動の加減速を予めパターン化して吊り荷の振れを制御
する場合には、上記吊り荷の移動の加減速のパターンが
完全に最適化されていない場合に、吊り荷の振れが生じ
てしまうので、パターンの最適化のために多くの演算処
理を必要とする可能性があるが、本発明によれば、吊り
荷の移動の加減速を簡単にパターン化し、上記パターン
で吊り荷に振れが生じてしまった場合に、振れを打ち消
すように旋回駆動手段及び起伏駆動手段を制御すること
で、吊り荷の振れをなくすことができるので、吊り荷の
移動前の演算処理を省力化することができる。
【0105】本発明の請求項4記載のクレーンの自動運
転装置によれば、常時状況が変化する荷取り場及び荷降
ろし場でクレーンの自動運転を行う場合には、自動運転
中は、吊り荷の近傍から作業員や車両を完全に排除する
か、各種監視装置により作業員や車両の動きを完全に把
握する必要があり、実質的に自動運転が不可能となるの
で、荷取り場において吊り荷を所定の高さまで上げる際
と、荷降ろし場において吊り荷を所定の高さから降ろす
際とにおいて、無線操作手段を用いた手動操作を行える
ようにし、また、クレーンを無線操作手段により遠隔操
作できるようにすることで、クレーン側に必ずしもオペ
レータを配置する必要がなく、クレーンの自動運転の一
部を手動操作としても、省力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一例のクレーンの自動運転装置
により自動運転されるタワークレーンを示す側面図であ
る。
【図2】上記例のクレーンの自動運転装置により自動運
転されるタワークレーンを示す平面図である。
【図3】上記例のクレーンの自動運転装置の概略構成を
示すブロック図である。
【図4】上記クレーンの自動運転装置のジブ先端位置計
測装置の一例を説明するための図面である。
【図5】上記ジブ先端位置計測装置の他の例を説明する
ための図面である。
【図6】上記ジブ先端位置計測装置の他の例を説明する
ための図面である。
【図7】上記ジブ先端位置計測装置の他の例を説明する
ための図面である。
【図8】上記例のクレーンの自動運転装置のより具体的
な構成を示す図面である。
【符号の説明】
1 マスト(タワー) 2 旋回体 3 ジブ 4 ジブ先端部 5 フックブロック(吊り荷支持手段) 6 旋回装置(旋回駆動手段) 8 起伏ウィンチ装置(起伏駆動手段) 10 巻上下ウィンチ装置(巻上下駆動手段) 11 ジブ先端位置計測装置(ジブ先端位置計測手段) 12 吊り荷振れ幅計測装置(吊り荷振れ幅計測手段) 14 自動運転制御装置(自動運転制御手段) 15 無線操作装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 正典 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松 建設株式会社内 (72)発明者 赤木 晃 大阪府大阪市東淀川区西淡路1丁目1番 36号 株式会社橘▲高▼工学研究所内 (56)参考文献 特開 平10−29789(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B66C 23/00 B66C 13/00 - 15/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 起伏及び旋回が可能なジブを有するクレ
    ーンの自動運転装置であって、 作動中のクレーンのジブ先端部の実際の位置を略常時検
    知して出力するジブ先端位置計測手段と、 上記ジブの起伏移動用の起伏駆動手段、上記ジブの旋回
    移動用の旋回駆動手段及び上記ジブ先端部からワイヤに
    より吊り下げられた吊り荷支持手段の巻き上げ及び巻き
    下げ移動用の巻上下駆動手段を制御して、上記吊り荷支
    持手段の任意の位置から任意の位置への移動を制御する
    自動運転制御手段とを具備してなり、 上記自動運転制御手段は、予め決められた上記吊り荷支
    持手段の移動開始位置及び移動停止位置に基づくジブ先
    端部の移動経路と、上記ジブ先端位置計測手段から出力
    されるジブ先端部の現在位置とを比較し、上記ジブ先端
    部の移動経路から上記ジブ先端部の現在位置がずれてい
    た場合に、上記ジブ先端部の位置が移動経路上に戻るよ
    うに上記起伏移動手段及び上記旋回駆動手段を制御する
    ことを特徴とするクレーンの自動運転装置。
  2. 【請求項2】 上記自動運転制御手段は、上記ジブ先端
    部の移動経路に基づくジブ先端部の旋回移動の停止位置
    及びジブ先端部の起伏移動の停止位置と、上記ジブ先端
    位置計測手段から出力されたジブ先端部の現在位置とを
    比較し、上記現在位置と上記停止位置との間の距離に基
    づいて上記旋回移動手段によるジブ先端部の旋回移動の
    速度及び上記起伏移動手段によるジブ先端部の起伏移動
    の速度を制御することを特徴とする請求項1記載のクレ
    ーンの自動運転装置。
  3. 【請求項3】 作動中のクレーンのジブ先端部から吊り
    下げられた吊り荷支持手段の振れ方向及び振れ幅を示す
    指標を略常時検知して出力する吊り荷振れ幅計測手段を
    備え、 上記自動運転制御手段は、振れ幅計測手段から出力され
    る吊り荷の振れ方向及び振れ幅を示す指標に基づき、吊
    り荷が振れた状態となっているか否かを判断するととも
    に、吊り荷が振れていると判断した場合に、吊り荷の現
    在の振れを打ち消すように旋回駆動手段による吊り荷の
    旋回移動の速度の加速もしくは減速と、起伏駆動手段に
    よる吊り荷の起伏移動の速度の加速もしくは減速とを制
    御することを特徴とする請求項1または2記載のクレー
    ンの自動運転装置。
  4. 【請求項4】 上記クレーンの起伏駆動手段、旋回駆動
    手段、巻上下駆動手段を遠隔操作する無線操作手段を備
    え、 上記自動運転制御手段は、自動運転が停止された状態で
    無線操作手段による上記クレーンの起伏駆動手段、旋回
    駆動手段、巻上下駆動手段の遠隔操作を可能とすること
    を特徴とする請求項1、2または3記載のクレーンの自
    動運転装置。
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