JP2850250B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP2850250B2 JP1169079A JP16907989A JP2850250B2 JP 2850250 B2 JP2850250 B2 JP 2850250B2 JP 1169079 A JP1169079 A JP 1169079A JP 16907989 A JP16907989 A JP 16907989A JP 2850250 B2 JP2850250 B2 JP 2850250B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】 本発明は、自動変速機の変速制御装置に係る。
【従来の技術】
従来、歯車変速機構と複数の摩擦係合装置とを備え、
油圧制御装置の作動により摩擦係合装置の係合を選択的
に切換え、複数個の変速段のうちのいずれかが達成され
るように構成した自動変速機の変速制御装置はすでに広
く知られている。 又、変速中に、摩擦係合装置の係合圧をフイードバツ
ク制御することにより、良好な変速特性を維持するよう
にした技術も既に提案されている。(例えば特開昭63−
12137)。 このフイードバツク制御は、変速が実行されることに
よつて回転速度の変化する部材、例えば、自動変速機内
のタービン軸、各クラツチやブレーキのドラム、あるい
はエンジン等の部材の回転速度を検出し、この回転速度
が変速出力後に該部材の辿るべき目標回転速度の軌跡に
沿つて変化するように、自動変速機内の摩擦係合装置の
係合圧をフイードバツク制御するものである。 このようなフイードバツク制御を採用すると、摩擦係
合装置の係合圧は、製造時あるいは経時的に発生したそ
の車両特有のばらつき等如何に拘らず必ず前記部材の回
転速度が前記目標回転速度の軌跡に沿つて変化するよう
に制御されるため、常に良好な変速特性を得ることが出
来るようになる。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このフイードバツク制御は、変速によ
つて回転速度の変化する部材の回転状態に基づいて行わ
れるためのものであつたため、この回転部材が変速によ
つて回転変化を生ずるまでの間(イナーシヤ相が開始す
るまでの間)については、フイードバツク制御を行うこ
とができないという問題があつた。 従来、この回転部材が回転数変化を開始するまでの油
圧供給については、変速の種類、あるいはエンジン負荷
を反映しているスロツトル開度等の走行パラメータに依
存して、マツプ等によつてその油圧値が定められるよう
になつていた。ところが、自動変速機の油圧系には、前
述したように製造時あるいは経時的に発生したその車両
特有のばらつきが必ず存在し、そのためたとえ走行パラ
メータが同一であつても、即ち変速の種類やスロツトル
開度が同一であつても、発生される油圧は必ずしも同一
ではなく、従つて、このばらつきの如何によつては、摩
擦係合装置を係合させるために供給する油圧(係合圧)
の初期値は最適値から大きくずれ、フイードバツク制御
が開始されると共にこのずれを解消するために極めて大
きな係合圧補正が行われるというような自体が発生るこ
とがあつた。又、はなはだしい時には、フイードバツク
制御が開始されてからの補正量では補正しきれない程の
油圧のずれが発生し、回転部材の回転軌跡を意図した目
標回転速度の軌跡に一致させることが出来ないという問
題が発生することもあつた。 本発明は、このような従来の問題に鑑みて出されたも
のであつて、製造時あるいは経時的に発生した車両固有
のばらつきの如何に拘わらず、油圧供給の初期から最適
な係合圧を供給し、円滑に回転部材の軌跡を目標回転速
度の軌跡に沿わせて変化させ、常に最適な変速特性を維
持することの出来る自動変速機の変速制御装置を提供す
ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1図にその要旨を示すように、変速時に
摩擦係合装置の係合圧をフイードバツク制御することに
より、良好な変速特性を維持するように構成した自動変
速機の変速制御装置において、 車両の走行パラメータ等により、前記係合圧のフイー
ドバツク制御を開始する際の初期値を決定する手段と、
以前の変速時の係合圧のフイードバツク制御における、
イナーシヤ相が開始するまでの時間を検出する手段と、
該イナーシヤ相が開始するまでの時間に基づいて、今回
の係合圧の初期値を補正する手段と、を備えたことによ
り、上記目的を達成したものである。 又、本発明は、変速時に摩擦係合装置の係合圧を制御
することにより、良好な変速特性を維持するように構成
した自動変速機の変速制御装置において、車両の走行パ
ラメータ等により、前記係合圧の制御を開始する際の初
期値を決定する手段と、以前の変速時の係合圧の制御に
おける、イナーシヤ相が開始するまでの時間を研修する
手段と、該イナーシヤ相が開始するまでの時間に基づい
て、今回の係合圧の初期値を補正する手段と、を備えた
ことにより、同じく上記課題を解決したものである。
【作用】
本発明は、係合圧の初期値を決定するにあたつて、基
本的に車両の走行パラメータ、例えば変速の種類、スロ
ツトル開度等に依存してこれを決定するものの、この決
定した初期値を以前の変速時の係合圧のフイードバツク
制御におけるイナーシヤ相が開始するまでの時間に基づ
いて補正するようにしている。 例えば、以前の変速制御において、初期値が種々のば
らつきの関係で低目であつた時には、当該変速のイナー
シヤ相が開始するまでの時間は長かつたはずである。 しかも、このイナーシヤ相開始までの時間の長さは、
初期値が最適値からどの程度ずれているかによつて、異
なつているはずである。 従つて、この以前の変速におけるイナーシヤ相が開始
するまでの時間を確認することにより、今回の係合圧の
初期値を適正に補正することができる。
【実施例】
以下図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明す
る。 この実施例においては、摩擦係合装置の係合圧を制御
するために、アキユムレータの背圧を制御するようにし
ている。又、変速が実行されることによつて回転速度の
変化する部材として、タービン軸を選択するようにして
いる。係合圧のフイードバツク制御は、実際のタービン
回路速度NTがタービン目標回転速度NT0の軌跡に沿つて
変化するようにリニヤソレノイド(SD)を電子制御する
ことによつて行われる。前記タービン目標回路速度NT0
は、変速開始時のタービン回転速度をNS、目標変速時間
(変速開始〜終了まで何秒で行うかの目標値)をTS、変
速後のタービン同期回転速度をNTD(=自動変速機の出
力軸の回転速度n0×変速後のギヤ比iH)、変速開始時の
時間tを零とおくと、t sec後での目標回転速度NT
0(t)は、 NT0(t)={(NS−NTD)/TS}×t+NS ……(1) によって求められる。 このうち、目標変速時間TSはスロツトル開度によつ
て、マツプから値を呼んでくるようになつている。又、
NS、n0、tは、その時々の値を用いる。 第2図にこの実施例が適用される車両用自動変速機の
全体概要を示す。 この自動変速機は、そのトランスミツシヨン部として
トルクコンバータ部20と、オーバードライブ機構部40
と、前進3段後進1段のアンダードライブ機構部60とを
備える。 前記トルクコンバータ部20は、ポンプ21、タービン2
2、ステータ23、及びロツクアツプクラツチ24を備えた
周知のものである。 前記オーバードライブ機構部40は、サンギヤ43、リン
グギヤ44、プラネタリピニオン42、及びキヤリヤ41から
なる1組の遊星歯車装置を備え、この遊星歯車装置の回
転状態をクラツチC0、ブレーキB0、一方向クラツチF0
よつて制御している。 前記アンダードライブ機構部60は、共通のサンギヤ6
1、リングギヤ62、63、プラネタリピニオン64、65及び
キヤリヤ66、67からなる2組の遊星歯車装置を備え、こ
の2組の遊星歯車の回転状態、及び前記オーバードライ
ブ機構との連結状態をクラツチC1、C2、ブレーキB1
B3、及び一方向クラツチF1、F2によつて制御している。 このトランスミツシヨン部はこれ自体周知であるた
め、各構成要素の具体的な連結状態については、第2図
においてスケルトン図示するにとどめ、詳細な説明は省
略する。 この自動変速機は、上述の如きトランスミツシヨン
部、及びコンピユータ(ECU)84を備える。コンピユー
タ84にはエンジン1の出力(トルク)を反映させるため
のスロツトル開度θを検出するスロツトルセンサ80、車
速n0を検出する車速センサ(出力軸70の回転速度セン
サ)82、及び変速過渡状態を反映させるための自動変速
機の前記タービン22の回転速度NTを検出するNTセンサ99
等の各信号が入力される。コンピユータ84は予め設定さ
れたスロツトル開度−車速の変速マツプに従つて油圧制
御回路86内の電磁弁S1、S2(シフトバルブ用)、及びSL
(ロツクアツプクラツチ用)を駆動・制御し、第3図に
示されるような各クラツチ・ブレーキ等の係合の組合せ
を行つて変速を実行する。 第4図に上記油圧制御回路86の要部を示す。 図において、符号SDがリニヤソレノイド、108がアキ
ユムレータコントロールバルブ、110がモジユレータバ
ルブ、112がアキユムレータ、114がシフトバルブであ
る。 この図においては、摩擦係合装置として、ブレーキB2
が代表的に示されている。第3図から明らかなように、
ブレーキB2は第1速段から第2速段への変速を達成する
ときに係合させられる摩擦係合装置である。 図示せぬオイルポンプによつて発生される油圧を基圧
として、ライン圧PLが周知の方法で作り出される。この
ライン圧PLはモジユレータバルブ110のポート110Aに印
加される。モジユレータバルブ110は、このライン圧PL
を受けて所定のモジユレータ圧Pmを周知の方法でポート
110Bに発生する。 リニヤソレノイドSDは、このモジユレータ圧Pmを受け
てタービン回転速度NTとタービン目標回転速度NT0との
差に応じたソレノイド圧PS1を周知の方法で発生する。
即ち、コンピユータ84には、前述したようにタービン22
の回転速度NTが入力されている。このタービン回転速度
NTは、エンジントルク及び変速の種類に応じて予め設定
されたタービン目標回転速度NT0と比較される。例えば
1→2変速の場合、該1→2変速の実行によつてタービ
ン回転速度NTが低下する。もしタービン回転速度NTが目
標回転速度NT0より早めに低下した場合(NT−NT0<0の
場合)は、変速の進行が速過ぎることになるため、ブレ
ーキB2の係合過渡油圧を減少させるべく、このNT−NT0
に対応するデユーテイ比に基づく負荷電流指令がリニヤ
ソレノイドSDに印加され、リニヤソレノイドSDは、この
負荷電流に応じたソレノイド圧PS1を周知の方法で発生
するものである。 なお、この実施例ではデユーテイ比が増加すると(10
0%に近づくと)、発生されるソレノイド圧PS1が大きく
なるようになつている。 このソレノイド圧PS1は、アキユムレータコントロー
ルバルブ108のポート108Aに入力される。アキユムレー
タコントロールバルブ108は、ライン圧PL1及びリニヤソ
レノイドSDからのソレノイド圧PS1を入力信号とし、ポ
ート108Bのライン圧PL2をアキユムレータ背圧Pasに調圧
する。 即ち、アキユムレータ背圧Pacは、換言すると基本的
にライン圧PL2がライン圧PL1及びスプリング108Cの付勢
力によつて調圧され、且つ、リニヤソレノイドSDのソレ
ノイド圧PS1によつて補正されたものである。なお、こ
のアキユムレータ背圧Pacはデユーテイ比の増加に従つ
て低下する特性となる。 コンピユータ84によつて変速判断(この場合、第1速
段から第2速段への変速判断)が行われると、電磁弁S1
を介してシフトバルブ114が周知の方法で切換えられ、
ライン圧PL(PB0)がブレーキB2に向つて供給され始め
る。 この供給開始時の油圧の設定がこの実施例装置での大
きな特徴となつているものである。これについては後に
詳述する。 この供給を受けてアキユムレータ112のピストン112A
が上昇を開始する。このピストン112Aが上昇している間
は、ブレーキB2に供給される油圧(PB0)が、スプリン
グ112Bの下向きの付勢力及びピストン112Aに働く下向き
の力と釣合つたほぼ一定の油圧に維持されることにな
る。ピストン112Aを下向きに押そうとする力は、アキユ
ムレータ112の背圧室112Cにかかるアキユムレータ背圧P
acによつて発生される。そのため、アキユムレータ背圧
Pacを前述のようにモジユレータバルブ110、リニヤソレ
ノイドSD及びアキユムレータコントロールバルブ108を
介して制御することによつてブレーキB2への係合時の過
渡油圧PB0を任意に制御することが可能となる。具体的
にはデユーテイ比をより増加すると(100%に近づける
と)係合圧はより低下する特性となる。 リニヤソレノイドSDは、前述のように、タービン回転
速度NTとタービン目標回転速度NT0との差に依存して制
御されるため、結局、このような油圧系により、タービ
ン回転速度NTがタービン目標回転速度NT0に沿つて変化
するようにフイードバツク制御することができる。 ところで、車両間の製造時のばらつきや経時変化等が
生じたとしても、回転メンバ変速による回転数変化を生
じた後、即ち、イナーシヤ相の開始後(フイードバツク
制御開始後)ならば、該フイードバツク制御によつてあ
る程度対応することが可能であるが、変速指令が出され
た後油圧が供給され始め、この供給によつて回転メンバ
が回転変化を開始するまで(イナーシャ相が開始される
まで)の間は、フイードバツク制御を行いようがないた
め、この係合圧の初期値が各種ばらつき等によつて高目
あるいは低目にずれたときには、イナーシャ相の開始自
体が異常に早まつたり、あるいは遅くなつたりすること
がある。又、はなはだしい時には、例えば第8図に示さ
れるように、イナーシヤ相開始後のフイードバツク制御
によつて十分な係合圧の補正がしきれず、従つて、アキ
ユムレータの緩衝領域K内で変速が終了しきれず、該ア
キユムレータの緩衝領域Kの終了と共に出力軸トルクが
急激に変化し、これが変速シヨツクとなつて感じられる
ようになつてしまう。 この不具合は、変速指令からイナーシヤ相が開始され
るまでの係合圧の初期値が走行パラメータ(変速の種類
及びスロツトル開度)のみによつて決定され、エンジン
トルクや摩擦係合装置の摩擦材の摩擦係数等のばらつき
が全く考慮されていないことによつて生ずるものであ
る。 従つて、これを解決するためには、各種ばらつきや経
時変化をも考慮した初期係合圧の設定を行えばよい、即
ち、ある変速を行う場合、それ以前に行われた同一のス
ロツトル開度、同一の変速の種類の変速特性からその時
設定された初期係合圧が妥当であつたか否かを判定し、
その結果に基づいて今回行おうとする変速の初期係合圧
を学習・決定すればよい。以前行われた変速の初期係合
圧の妥当性の判定は、その時のフイードバツク制御中の
補正量(デユーテイ比)の変化態様に基づいて行う。 もとより、変速時の各諸元が設定値に非常に近く、設
計段階で設定された初期係合圧によつて変速が正常に行
われる場合、フイードバツク制御中のデユーテイ比の変
化は非常に小さくなり、変速特性も良好となる。[第5
図参照]。 ところが、例えば第6図に示されるように、初期係合
圧の設定値が低すぎた場合には、デユーテイをさげて係
合圧を上げる補正が行われる。なお、変速の終期にデユ
ーテイ比が高められているのは、摩擦係合装置が係合し
終わるときに係合圧を下げて変速シヨツクを低減するた
めである。逆に、初期係合圧が高すぎる場合はデユーテ
イ比を高めて係合圧を下げる補正が行われる。従って、
以前行われた変速のデユーテイ比の変化の大きさと方向
によつて、その時設定された初期係合圧が高すぎたのか
低すぎたのか、あるいは妥当だつたのかが判定できる。
デユーテイ比の変化態様から初期デユーデイ比を補正す
る過程は種々考えられるが、この実施例装置において
は、次のようにしてこれを行つている。 係合圧のフイードバツク制御中のデユーテイ比の変化
から、最初に現れるデユーテイ比の最大値Dmax及び最小
値Dminを求める。初期デユーテイ比をDsとした時、次回
変速での初期デユーテイ比はDsnは、例えば第7図
(A)に示されるように、 Dmax=Dsの時は、 Dsn=Ds−(Ds−Dmin)×0.5 とする。又、第7図(B)に示されるように、Dmax>Ds
の時は、 Dsn=Ds+(Dmax−Ds)×0.5 とする。 第9図に上記ロジツクのフローチヤートを示す。既に
行われた変速のうち、どの変速が学習の参考とされるか
は、変速の種類やスロツトル開度が同一という条件のほ
か、その変速が行われた時期や、油温等の条件によつて
決定される。例えばエンジン始動直後の極低油温時に行
われた変速や、ずつと以前に行われた変速は参考にはな
らない。更に、初期係合圧の学習は、前に行われた変速
のうちの一回だけを参考にするとは限らず、何回かの変
速を例えば加重平均によつて参考にするようにしてもよ
い。 なお、この実施例では、例えば第8図に示されるよう
に、初期係合圧が極端に低く、従つてイナーシヤ相の開
始が極端に遅れ、イナーシヤ相開始後アキユムレータの
緩衝領域Kの終了時点に至つても変速が未だ終了してお
らず、該アキユムレータの緩衝領域Kの終了と共に油圧
が急激に立ち上がつたことことによつて変速が直ちに終
了した場合を考慮している。それは、このような場合、
フイードバツク制御の時間が短く、デユーテイ比の変化
が顕れる前に変速が終了してしまうため、デユーテイ比
の変化態様だけでは初期係合圧の妥当性を判断できなく
なることが考えられるためである。 そこで、この実施例では、アキユムレータ緩衝領域K
内で変速が終了できない程イナーシヤ相の開始が遅れた
ような場合を、変速開始からイナーシヤ相の開始までの
時間を測定することによつて検出し、後述するような所
定の補正を行うようになつている。 この第9図の制御フローは、車速及びスロツトル開度
のマツプによつて変速の必要性が判断された時からスタ
ートされる。 まず、ステツプ202において当該変速の種類及びスロ
ツトル開度に基づいてマツプから摩擦係合装置を係合さ
せるための初期係合圧に対応する初期デユーテイ比を読
込む。又、イナーシヤ相が開始されるまでの時間を測定
するためにタイマTのリセツトが行われる。 ステツプ204では、この初期係合圧が設定され、又タ
イマTが時間経過と共にカウントされ始める。 ステツプ206では、イナーシヤ相が開始したか否かが
判定される。この判定は、摩擦係合装置の係合が開始す
ることによつて、自動変速機中の回転メンバ、例えばタ
ービン軸の回転数NTが低下しはじめたことを検出するこ
とによつて行う。より具体的には、タービン回路速度NT
が出力軸回転速度n0に変速前のギア比iLを乗じた値から
定数ΔNtを引いた回転速度より小さくなつたか否か(NT
<n0×iL−ΔN)を検出することによつて行なう。イナ
ーシャ相が開始されるまでは、ステツプ204に戻つて初
期係合圧がそのまま印加され続ける。 やがてステツプ206においてイナーシヤ相が開始され
たと判断されると、ステツプ208において該イナーシヤ
相が開始されるまでのタイマTのインクリメントが中止
され、その時点の値Tsiが記憶される。又、ステツプ210
においては、摩擦係合装置のフイードバツク制御が開始
される。このフイードバツク制御の具体的な方法は前述
した通りであり、このフイードバツク制御が行われてい
る途中において、デユーテイ比の最大値Dmax、最小値Dm
inの更新があつた時にはその都度書換えが行われる。 ステツプ212においては、変速が終期に至つたか否か
が判定される。この判定は、タービン回転速度NTが出力
軸回転速度n0に変速後のギア比iHを乗じた値から所定値
ΔN2を引いた値より大きくなつたか否か、即ちNT>n0×
iH−ΔN2が成立したか否かを判定することによつて行
う。 変速が終期に至らないうちはステツプ210でのフイー
ドバツク制御が続けられる。 やがてステツプ212において変速が終期に至つたと判
定された時には、ステツプ214で変速の終期制御が実行
される。この変速の終期制御とは、デユーテイ引を最大
にまで増大させることによつて油圧を一時的に低下さ
せ、摩擦係合装置の摩擦材が係合し終わる瞬間における
伝達トルクを低減し、変速シヨツクを低減させるという
ものである。この変速終期制御は、ステツプ216によつ
て変速の終了が検出されるまで続けられる。変速の終了
は、NT>n0×iH−ΔN3(はセンサ系の誤差や回転系の脈
動の影響を排除するためのもので、ΔN2より小さな値に
設定される)が成立したか否かによつて判定する。 変速が終了したと判定されると、ステツプ218以降に
進んで初期係合圧の学習フローに入る。まず、ステツプ
218においてフイードバツク制御中に書換えられたDmax
が初期デユーテイ比Dsに等しいか否かが判定される。も
しDmax=Dsであつた場合には、ステツプ220に進んで次
回の初期係合圧を発生させるためのデユーテイ比DsnがD
s−(Ds−Dmin)×0.5に補正される。一方、DmaxがDsに
等しくなかつた時は、ステツプ202に進んで次回の初期
係合圧を発生させるためのデユーテイ比DsnがDs+(Dma
x−Ds)×0.5に補正される。 その後、ステツプ224に進み、変速指令が出されてか
ら、イナーシヤ相が開始するまでの時間Tsiがストツト
ル開度及び変速の種類に応じてあらかじめ設定された閾
値Tlimより大きいか否かが判定される。もしこの時間Ts
iが閾値Tlimより小さかつた時は、特に問題がないた
め、次回の初期デユーテイ比Dsnはステツプ220又は222
において求められたDsnに確定される(ステツプ228)。 しかしながら、もし時間Tsiが閾値Tlimより大きかつ
た場合は、前回の初期デユーテイ比Dsが変速がアキユム
レータの緩衝領域内で終了できない程に低目であつたこ
とを意味するため、ステツプ226におてい次回の初期デ
ユーテイ比Dsnは、ステツプ220又は222において求めら
れたDsnよりも更に所定値Dstだけ少ない値とされ、それ
だけ高目の初期係合圧にて次回の変速が開始される。 このようにして、以前の変速におけるデユーテイ比の
変化態様(係合圧の補正量の変化態様)が次回の係合圧
の初期値の補正に順次反映されるため、個々の車両の各
所ばらつきの如何に拘らず油圧を供給する当初から良好
な係合圧設定が行われることになる。 第10図は上記第9図の制御フローをより具体的なレベ
ルまで書直した制御フローである。この制御フローは、
6つのPHASEを使用することによつて第9図と実質的に
同様な作用が得られるように構成したものである。各ス
テツプに記載した内容を見れば第9図の流れ図がどのよ
うに具体化されているか容易に理解できると思われるた
め、図中で第9図と同様なステツプに同一符号を付すに
止め、重複して詳述するのは省略する。 係合圧のフイードバツク制御中のデユーテイ比の変化
から次回の初期デイーテイー比を決める手段としては、
第11図(A)(B)に示すような他の実施例も考えられ
る。 まず、係合圧のフイードバツク制御開始からデユーテ
イ比の変化を監視し、最初にデユーテイ比変化のピーク
が現れた時点のデユーテイ比の値Dpとその時刻Tpを記憶
しておく。一方、前回の初期デユーテイ比をDs、イナー
シヤ相開始認識時刻をTsとし、これら4つの値からフイ
ードバツク開始後におけるデユーテイ比の変化方向と該
デユーテイ比の変化方向が変わるまでの変化率を求め
る。この結果に応じて次回の初期デユーテイ比Dsnを決
める。この場合初期デユーテイ比Dsnは、 Dsn=Ds+(Dp−Ds)/Tp−Ts×αとして求められる。
なお、第11図(A)(B)に示されるように、(Dp−D
s)/(Tp−Ts)はフイードバツク制御開始後デユーテ
イ比の変化方向が変わるまでのデユーテイ比の平均傾き
を示している。 このような補正をすると、初期デユーテイ比の設定が
高すぎてフイードバツク制御開始と同時にデユーテイ比
を引き下げる補正が始まる場合は、次の初期デユーテイ
比Dsnは低目に設定され、しかも、フイードバツク開始
後の補正が急であればあるほど次回の初期デユーテイ比
Dsnの補正が大きくなるため前回の履歴を良好に反映さ
せることができる。
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、油圧供給指令か
ら回転メンバの回転数変化が開始するまでの時間(イナ
ーシヤ相が開始されるまでの時間)の係合圧について
も、個々の車両のばらつき等を考慮した的確な値に設定
することができるようになり、変速制御を一層円滑に行
うことができるようになるという優れた効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の要旨を示すブロツク図、 第2図は、本発明の実施例が適用された車両用自動変速
機の概略ブロツク図、 第3図は、上記自動変速機における摩擦係合装置の作用
状態を示す線図、 第4図は、上記自動変速機の油圧制御装置の要部を示す
油圧回路図、 第5図は、フイードバツク制御が良好に行われた時の変
速特性を示す線図、 第6図は、初期係合圧が低すぎる場合の変速特性を示す
線図、 第7図(A)(B)は、それぞれデユーテイ比の履歴か
ら次回の初期デユーテイ比を求める方法を説明するため
の線図、 第8図は、初期係合圧が低過ぎて、変速がアキユムレー
タの緩衝領域で終了しきれなかつたときの変速特性を示
す線図、 第9図は、上記実施例装置における制御フローを示す線
図、 第10図は、第9図の制御フローをより具体的に書直した
線図、 第11図は、デユーテイ比の履歴から次回の初期デユーテ
イ比を求める際の他の例を示すデユーテイ比線図であ
る。 108……アキユムレーターコントロールバルム、 112……アキユムレータ、 SD……リニアソレノイド、 PS1……ソレノイド圧、 NT……タービン回転速度、 NT0……タービン目標回転速度、 Dn……以前の変速の初期デユーテイ比、 Dsn……以前の変速の初期デユーテイ比。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変速時に摩擦係合装置の係合圧をフイード
    バツク制御することにより、良好な変速特性を維持する
    ように構成した自動変速機の変速制御装置において、 車両の走行パラメータ等により、前記係合圧のフイード
    バツク制御を開始する際の初期値を決定する手段と、 以前の変速時の係合圧のフイードバツク制御における、
    イナーシヤ相が開始するまでの時間を検出する手段と、 該イナーシヤ相が開始するまでの時間に基づいて、今回
    の係合圧の初期値を補正する手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】請求項2において、更に、 イナーシヤ相が開始するまでの時間に関して、所定の閾
    値を予め設定する手段を備え、 前記イナーシヤ相が開始するまでの時間に基づいた学習
    を、該所定の閾値と実際のイナーシヤ相が開始するまで
    の時間との比較に基づいて実行する ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】変速時に摩擦係合装置の係合圧を制御する
    ことにより、良好な変速特性を維持するように構成した
    自動変速機の変速制御装置において、 車両の走行パラメータ等により、前記係合圧の制御を開
    始する際の初期値を決定する手段と、 以前の変速時の係合圧の制御における、イナーシヤ相が
    開始するまでの時間を検出する手段と、 該イナーシヤ相が開始するまでの時間に基づいて、今回
    の係合圧の初期値を補正する手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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