JP2849748B2 - 焼酎粕の再資源化及びその処理方法 - Google Patents

焼酎粕の再資源化及びその処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、焼酎醸造工程で生成する焼酎粕を有効利用
し、アルコール発酵における原料糖液に還元するととも
に残留物である廃棄物の処理を容易に可能とした方法に
関するものである。
周知の如く、焼酎粕は、PH(ペーハー)の低い酸性で
かつ有機性BODが5〜10万ppmと極めて高く腐敗性の強い
白濁したスラリー状の物性であり、既知の一般的な汚水
処理や焼却処理技術では処理が困難であることから希釈
後、陸から一定距離を置いた指定海域への投棄や事前に
堆肥化するか発酵処理したうえで農地還元する処分方法
が義務付けられている。
しかし、焼酎粕が二次公害である地下浸透による地下
水汚染や土壌の変質をきたすことで農作物の成育に影響
がでたり、悪臭の発生や害虫の発生等が引き起されてい
るため、近頃、社会問題が発生し、産業廃棄物の適正な
処理・処分方法について、行政当局が指導だけでなく監
視を強くすべきだと指摘されている現況である。
この問題は、生産活動に追いつかない廃棄物処理体制
と生産者側の経済的事情等が主な要因になっているが、
中和施設の整備には多額の経費を必要とし、生産者が独
自に備えるには経済的負担が大き過ぎることや中和施設
を備え海洋投棄が可能な処理業者は極くわずかしかない
ことと、生産者が処理業者まで焼酎粕を運搬する経費も
製品のコスト高につながる等の悩みがあるばかりか、焼
酎粕の適正で安価な処理技術の開発が確立されていない
ことが最大の因子である。
この技術開発を困難にしている要因は、焼酎粕中に含
まれている澱粉質であり、このものは葡萄糖が鎖線状に
結合した高分子が繊維のように束になって結晶したもの
で酵素により糖化し易いアミロースと糖化し難いアミロ
ペクチンとに大別される。
前者は、葡萄糖が直鎖状に結合した高分子の化学的な
分子構造で酵素により切鎖糖化が容易であるが、後者
は、結合部の所々から枝分かれしている構造を持ち、こ
の部分は酵素による切鎖糖化し難い。従って、焼酎醸造
工程での澱粉質、即ち、アミロペクチンは、発酵・蒸溜
工程において加熱されるとその一部の結晶が解れるが、
該粕(蒸溜釜残渣)として取り出された残存澱粉質は温
度降下とともに徐々に再結晶し糊状化する。
このものの主成分であるデキストリンは、粒子が極く
微細で加圧濾過すると水分とともに透過し、しかも常圧
では、濾布透過し難いため固液分離を既知の技術で行う
ことは非常に困難である。
汚水処理を行う場合は、5〜6倍の希釈(負荷10〜12
倍)による大幅な増量処理が必要である。また、焼却処
理では、多量の加熱エネルギーが必要となり、被処理物
の物性に見合った焼却炉や補機類の開発、さらには、複
雑な燃焼挙動に対応する高度な運転管理機能を具備した
施設と運転管理技術を必要とする。いずれにしても高額
な設備投資が必要となる。
既に述べたようにこの焼酎粕の水分を除いた主成分
は、有害な成分を含まない有機質であるから飼料や肥料
として、僅かな量であるが再利用を試みているものの、
焼酎粕の物性が貯蔵や運搬に適したものでなく、特に肥
料への加工工程では、水分の調整を必要とし、多量の乾
燥材料を混入するばかりか需要期の片寄りに問題を残す
こととなる。
飼料についても腐敗が早く品質の維持が困難であり、
前述の如く肥料や飼料に利用することは必らずしも安定
排出先とはなり得ていない。
そこで、本発明では、該粕のような糊状の物質は物理
的な濾過による固液分離を避け、積極的に未利用成分の
回収を図り、廃棄物である処理対象物の減量化を図るこ
とで、後段における処理・処分を容易にかつ、適正で安
価にする方法を提供するとともに、既知の化学や物理的
技術で再資源化はもとより既知の極く一般的な汚水処理
や焼却処理技術で完全な無害化処理を実現し、一連の技
術によるシステル化を図ることで非常に大きな効果を上
げることを発明の要点とするものである。
即ち、本発明は、焼酎醸造工程で生成した焼酎焼酎粕
液を、蓚酸等の酸と水蒸気による間接加熱で加水分解し
て糖化液とし、この糖化液に炭酸カルシウムと活性炭を
投入して中和した後に固液分離し、固液分離された固形
分は、廃棄物として系外に搬出すると共に一般的な焼却
処理手段で燃焼処理し、分離濾液である糖化液は、原料
糖液として利用することを要旨とするものである。
次に、本発明をI.焼酎粕の性状,II.焼酎粕の処理に関
する検討,III.有効利用に係る検討の順に説明する。
I.焼酎粕の性状 醸造工程で、諸味がアルコール発酵するに先だって諸
味中の澱粉質が糖に変化するが、この糖分は酵母によっ
て発酵限界濃度に達するまでアルコール発酵する。
甘藷澱粉と麦澱粉とでは高分子化学的な分子構造が異
なり、甘藷澱粉は直鎖状に葡萄糖が結合したアミロース
主体のため酵素によって切鎖糖化が容易であり、一方、
麦澱粉は直鎖状の葡萄糖結合の所々から枝分かれしてい
るアミロペクチンの含有量が多く、枝分かれ近辺では酵
素による糖化が困難であるため、この部分がデキストリ
ンとして残溜する。
精麦や切干甘藷中の繊維質は澱粉質と比べ含有量は非
常に少ない。
従って、焼酎粕固形分の大部分は、酵素で糖化できな
かったデギストリンであると判断できる。
本格焼酎醸造粕の性状分析結果を表−1に示す。
II.焼酎粕の処理に関する検討 焼酎粕の性状に基づき、既知の処理方法について、汚
染処理及び焼却処理の各々の観点から検討を行なった結
果を次に記述する。
1.汚水処理方法について 一般に澱粉は葡萄糖が結合してできた高分子が繊維の
ように[束]となって結晶したものであり、これらの澱
粉結晶をアルカリ溶液または高温水を用いて結晶構造を
解いたものを澱粉糊といい、特に高温水を用いて解いた
ものは、長時間放置すると徐々に再結晶化し粘度が低下
すると共に白濁するという性質を持っている。
焼酎粕中に含まれている澱粉は、これらが再結晶して
できた澱粉糊(デギストリンが主成分)のものが殆どで
あり、これは既知の濾過装置では容易に濾別できない。
デギストリンの多い焼酎粕を濾過した場合、濾液のBO
D(生物化学的酸素要求量)はそれ程低下しないから、
微生物処理の困難な有機物を多量に含む高COD(化学的
酸素要求量)の濾液であると考えられ、このままでは生
物処理は非常に困難である。
一方、比較的繊維質の多いものであっても、その何割
かが濾液中で溶出しているものと思われ濾液のBOD濃度
はやはり高いものであると考えられる。
従って、BOD濃度が高いものはそのまま生物処理が困
難なため、焼酎粕を生物処理可能なBOD濃度とするため
には相当量の稀釈水が必要となり、同量の生し尿を処理
する際の希釈水量より更に4〜12倍の稀釈水を必要とす
る。
これらのことから処理施設規模は生し尿の比ではな
く、維持管理費や施設の建設費についても非常に高価な
ものとなり、焼酎粕の汚水処理方法については経済的理
由から現状では成立し難いも上のと思われる。
2.焼却処理方法について 焼酎粕(麦)の燃焼について、全体空気率を1.5,一次
空気率1.2と設定し自然温度を求めたとき、約731℃(熱
損=出熱の10%)となる。
ここで、A重油で燃焼温度を800℃にコントロールし
た場合、熱損が約9%で重油使用量は17.8kg/焼酎粕1,0
00kg当りと算出された。
これらのことから、焼酎粕の焼却処理はその焼却手法
を選べば、補助燃料なしで自然が充分可能であると考え
ることができるが、問題点は焼酎粕の物性であり、燃焼
自体よりも炉内で適切な焼却可能状態に保てるか否かが
問題となる。
粘度如何によっては、スラリー噴霧ノズルを用いた噴
霧燃焼が可能であり、この方法が最も手軽な手法と思わ
れる。
しかし、噴霧燃焼の場合、自然排気温度が731℃と算
出されても、実際には着火に至るまでの霧滴の乾燥ゾー
ンを通過するため、焼酎粕1,000kgに対してA重油20〜3
0kgの助燃が必要となり、実際には補助燃料を増加させ
ることになると思われる。
また、処理対象物の物性と同様、灰分(ASH)の組成
や,物性がもたらすアルカリ金属ヒュームによる煙道ト
ラブルについては、高温燃焼ガスの水中ダイレクトクエ
ンチ等の技術的対応により防ぎ得るものと考えられる
が、経済的に非常な高価な施設が必要になる。
従って、焼却処理についても汚染処理と同様、何らか
の前処理工程が必要となるため、既知の処理方法では、
効果的なシステムを組立てることは非常に困難であると
思われる。
III.有効利用に係る検討 本発明によるシステムを、表−1の焼酎粕の性状分析
結果を基に生成量とそれに費す経費と廃棄物の生成量を
試算し表−2,表−3にまとめ各々の算出根拠を1〜6の
順に説明する。
1.焼酎醸造工程における該粕発生量算出根拠 1)糖分の発酵によるアルコール転化濃度の算出 ただし、次の代表的な反応式より算出したが、諸味中
のアルコール濃度については15〜16%で発酵が止まるも
のとした。
従って、アルコール濃度は30%となる。
2)アルコール濃度30%における原料100kgに対する糖
化液量の算出 3)アルコール分を含まない該粕1,000kgに対し30%濃
度のアルコールを転化して、16%濃度のアルコールにす
るときの添加量の算出 0.3x/(1,000+x) =0.16 ∴添加量(x) =1,143(kg) これを糖化液量に換算すると 1,143×128.696/100 ≒1,471(kg) ∴糖化液量=670.8(kg),水分=800.2(kg) 4)アルコール発酵前及び糖化完了段階での諸味の組成
に関する糖分、澱粉及び水分量の算出 但し、諸味1,000kgについての各量を示す。
5)該粕の固形分を炭水化物(澱粉)と見なした場合の
利用率 603.7/(603.7+288.3)=0.68 この固形分を糖分と見なした場合の利用率 670.8/(670.8+288.3)=0.70 以上の算出結果から、該粕発生量は原材料の30%前後
と試算できる。
2.焼酎粕から生成される糖化液料の算出根拠 1)算出の条件 表−1より、該粕の含水率は71.17%.固形分は28.83
%である。この固形分中の15%を繊維質や灰分と見なし
た場合、該粕1,000kg当りの各々の成分量は次の通りで
ある。
固形分量:288.3Kg−DS/該粕1,000kg当り 固形分中の有機成分量と不糖化成分量は次に示すとお
りである。
有機成分量:245.1Kg/該粕1,000Kg当り 不糖化成分量:43.2Kg/該粕1,000Kg当り 2)この有機質成分を澱粉及び糖分としてとらえた場合
の生成量の算出 ただし、澱粉及び糖分に近いデキストリンとして有機
質成分を見た場合。
澱 粉:245.1×180/160=273.3Kg/該粕1,000Kg当り 糖 分:245.1×160/160=245.1Kg/該粕1,000Kg当り 従って、本システムにおける糖化液量は澱粉及び糖分
生成量の平均値を用いることとした。
∴糖化液量:272.3+245.1/2=258.7Kg/該粕1,000Kg当り 3.糖化プロセスにおける酸の使用量及びその経費に関す
る算出根拠 本システムにおいて、加水分解で糖化する際、無機酸
または有機強酸でPH(ペーハー)=1程度に調整する
が、加水分解後にこの酸を中和して除去する必要があ
る。
糖化に使用する酸は、無機酸の硫酸(H2SO4)と有機
酸の蓚酸(〔COOH〕・2H2O)が中和除去を容易にする
ことで一般的に用いられる。
これらの酸を炭酸カルシウム(CaCO3)で中和すると
硫酸カルシウム(CaSO4)あるいは蓚酸カルシウム(CaC
2O4・H2O)を生成すると同時に水(H2O)と炭酸ガス(C
O2)を発生する。
これらのカルシウム塩は、溶解度の低いものである
が、特に蓚酸カルシウムは事実上不溶性である。
一方、硫酸カルシウムは、温水に対し溶解度0.1%前
後であるが、糖液の場合、1%前後と予想される。そこ
で本システムでは副反応の少ない蓚酸を使用することと
した。
1)焼酎粕をPH(ペーハー)=1にするために要する蓚
酸結晶の必要量多び薬品費 ただし、市販の蓚酸結晶(〔COOH〕・2H2O,化学当
量=126)を使用するものとし、PH=1の水溶液中の水
素イオン(H+)濃度は0.1kmol/kmol,蓚酸が持つH+2.0km
ol/kmol,130℃水溶液中での水素イオン解離度を90%と
した。
従って、0.1×126/(2×0.9)=7(Kg/該粕1,000Kg
当り)の蓚酸が必要なり、市販単価(ドラム入)は、現
在230円/Kgである。
∴薬品費:7×230=1,610(円/該粕1,000Kg当り) 2)中和に要する炭酸カルシムウの必要量多び薬品費 ただし、市販の炭酸カルシウム(CaCO3,化学当量=14
6)を使用し、反応式は次に示すとおりである。
従って、炭酸カルシウムの必要量は5.56Kg/該粕1,000Kg
当りとなり、市販単価(重質)は現在20円/Kgである。
∴薬品費:5.&×20=112(円/該粕1,000Kg当り) 4.糖化プロセスにおける水蒸気の使用及びその経費に関
する算出根拠 本システムにおいて、澱粉スラリー中に酸を共存させ
酸糖化する場合、一時的に発生する高粘度の糊状態を安
全に乗り切るには間接加熱の場合、装置に種々の問題点
が予想されるものの本システムにおける対象物は、既に
液状であることから間接加熱方法を採用する。
ただし、次に示す条件により1),2),3)による3方
法について算出し、以下に検討した結果を示す。
該粕の比熱は1kcal/Kg℃とする。
加水分解によって発生した熱は無視する。
充分な保温を施工するための熱損失は無視する。
該粕の本施設装入時の温度は10℃とする。
水蒸気は5Kg/cm2Gで158℃とする。
A重油34,000円/Klで蒸発倍率10倍とした場合、3.4円
/水蒸気1Kg当りとする。
1)生蒸気の直接吹き込みにおける水蒸気量及び燃料費
の算出 この場合は、直接加熱と糖化終了後におけるフラッシ
ングによる大気圧までの復圧時に使用する合計が水蒸気
使用量となる。
従って、直接吹き込み水蒸気量を(x)、フラッシン
グ時に使用する水蒸気量を(ζ)として算出する。
1,000×10+651.1×x=(1,000+x)×130 ∴x=277.23(Kg/該粕1,000Kg当り) (1,000+277.23)×130×1 =(1,000+277.23−ζ)×100×1+638.8×ζ ∴ζ=68.33(Kg/該粕1,000Kg当り) 燃料費=(227.23+68.33)×3.4 =1,005(円/該粕1,000Kg当り) また、フラッシング後の糖化液量(y),糖化液の濃
度(z)とした場合の算出は次のとおりである。
∴y=1,000+227.23−68.33 =1,158.9(Kg/該粕1,000Kg当り) ∴z=258.7/1,158.9×100 =22.32% 2)オートクレーブ後の糖化液と焼酎粕を熱交換し、不
足分の熱量を水蒸気で補う場合における水蒸気量及び燃
料費の算出 この場合は、オートクレーブによって130℃に昇温し
た糖化液と該粕を熱交換することで該粕を10℃から80℃
まで予熱し、更にオートクレーブにより、該粕を80℃か
ら130℃の糖化液にするために要いる直接吹き込みの水
蒸気が使用水蒸気量となる。
ただし、直接吹き込み水蒸気量を(x),該粕の予熱
温度を80℃とした時に糖化液から回収した熱量(Qr),
(熱交換後の糖化液温度(T),熱交換後の糖化液量
(y),糖化液の濃度(Z)とした場合の算出は次のと
おりである。なお、糖化液を大気圧までブローしても蒸
気は無視できる。
1,000×80×1+658.1×x=(1,000+x)×130 ∴x=94.68(Kg/該粕1,000Kg当り) 燃料費=94.68×3.4≒332(円/該粕1,000Kg当り) ∴Qr=1,000×(80−10)×1=7×104(kcal) ∴T =(1,000+94.68)×(130−T) =7×104=66.05(℃) ∴y =1,000+94.68 ≒1,094.68(Kg/該粕1,000Kg当り) ∴Z =258.7/1,094.68×100=23.63(%) 3)オートクレーブ後の糖化液と焼酎粕を熱交換した不
足分の熱量を水蒸気による間接加熱によって補う場合に
おける水蒸気量及び燃料費の算出 この場合は、オートクレーブによって130℃に昇温し
た糖化液と該粕を熱交換することで該粕を10℃から80℃
まで予熱し、さらにオートクレーブで水蒸気の間接加熱
で該粕を80℃から130℃の糖化液にするために用いる水
蒸気が使用水蒸気となる。
ここで、間接加熱用水蒸気量(x),該粕の予熱温度
を80℃とした時に糖化液から回収した熱量(Qr),熱交
換後の糖化液温度(T),熱交換後の糖化液量(y),
糖化液の濃度(Z)とした場合の算出は次のとおりであ
る。ただし、糖化液は水蒸気の凝縮により希釈されな
い。また、大気圧までのブローでは蒸発を無視できる。
1,000×(130−80)=498.8x ∴x=100.24(Kg/該粕1,000Kg当り) 燃料費=100.24×3.4≒341(円/該粕1,000Kg当り) ∴Qr=1,000×(80−10)×1=7×104(kcal) ∴T =1,000×(130−T)×1=7×104 =60(℃) ∴y =1,000(Kg) ∴Z =258.7/1,000×100=25.87(%) 4)算出結果に対する検討 前述の1)〜3)の方法の内で、2)項が該粕1,000K
g当りのランニングコストが最も安価であるものの作業
工程面で見た場合、糖化後における濃縮工程が必要とな
り、イニシャルコストが増大する。
従って、総合的に判断して、最も効果的な糖化工程は
3)項のシステムである。
5.糖化液の精製 諸味の蒸溜後、極少量の水蒸気賦活々性炭で処理する
と無味無臭化することも可能であるが、品種によって
は、商品価値が大幅に失われる場合もある。
そこで、糖化液の段階で蓚酸カルシウムや維持質等の
濾過助剤を兼ねて糖化液に対し0.5〜1.0%の活性炭を使
用することとした。
1)活性炭の使用量(K)の算出 ∴K=245.1×(0.005〜0.01) ≒2.5(Kg/該粕1,000Kg当り) 2)糖化液濃度の再検討 発酵可能限界のアルコール濃度16%で該粕中の糖分
が、完全にアルコール発酵する場合において、糖化液濃
度をCとした時の算出根拠は次の通りである。
ただし、次に示す代表的な化学雨反応式により算出し
た。
アルコール濃度16%の時の糖,水及び炭酸ガスは次の
とおり算出される。
従って、糖化液量及び濃度(C)は次のとおり算出さ
れる。
∴糖化液量=31.305+84 =115.305(Kg/該粕1,000Kg当り) ∴C=31.305/115.305=27.15(%) 以上の結果、本システムから還元される糖化液濃度は
25.87%であり、特別に濃縮工程を設ける必要はないと
思われる。
3)アルコール回収量の算出 本システムでは理論上、該粕1,000Kgから258.7Kgの糖
が回収されるので、アルコールと炭酸ガスは次の通り算
出される。
∴アルコール=258.7×92/180=132.22(Kg) ∴炭酸ガス =258.7×88/180=126.48(kg) 従って、25度のアルコールに換算した場合、理論上で
は、次の通り算出される。
∴A=132.22/0.25=528.88(Kg) なお、このアルコール(焼酎)を600mlのボトルに換
算すると882本が回収可能である。
ただし、以上述べた算出根拠は、全てが理論上の値で
あり、実施における生産工程では50〜60%の効果が望め
ると思われる。
6.廃棄物の生成量に関する算出根拠 ただし、本システムでは、フィルタープレスにより濾
過工程を採用しているため脱水効率を50%とし、逆洗水
は10Kg/該粕1,000Kg当りが必要であり、次の通り算出さ
れる。
従って、廃棄物として生成される量は理論上11.76%
に原料化が図れるとともに既知の焼却施設で容易に安価
に処理可能となる。
本発明の再資源化及びその処理方法を以下図面により
説明する。第1図は本発明の再資源化及びその処理方法
の概念を示す系統図である。
先ず、焼酎醸造工程で生成した焼酎粕液aを原粕液槽
1に投入し貯留する。貯留された該粕液a(平均設計温
度10℃)は、該粕液送液ポンプ2により定量(1,000Kg/
15分間)づつ熱交換器3に送液すると同時にオートクレ
ーブ5で予め130℃に糖化された糖化液iと該粕液aを
熱交換させる。ここでは該粕液aは10℃から80℃まで予
熱され予熱焼粕液槽4に一時貯留する。貯留された80℃
の該粕液aはスチーム・ヒータと撹拌機を内蔵したオー
トクレーブ5に定量装入した上で結晶蓚酸b7kgを投入
し、該粕液aとよく混合せしめ80℃から130℃に低圧水
蒸気g(5Kgcm2G,158℃)100.2Kgを使用して15分間で間
接加熱し、該粕液aを分解せしめ糖化液iとする。
この糖化液iは、熱交換器3で該粕液a(10℃)と熱
交換し60℃に降温され、冬期用に使用するスチーム・ヒ
ータと撹拌機を内蔵した中和槽6に貯留される。貯留さ
れた糖化液iに炭酸カルシウムc5.6Kgと活性炭d2.5Kgを
投入してよく混合せしめると炭酸ガスe2.4Kgが大気中に
放出され糖化液iは中和される。中和された糖化液i
は、プランジャーポンプ7により一定量づつフイルター
プレス8に装入され、ここで固液分離が行なわれる。固
液分離された固形分は、フィルタープレス8の逆洗水f,
g(水蒸気も含む)とともに含水率50〜55%の廃棄物h
(117.6Kg)として系外に搬出され、既知の一般的な焼
却処理施設でも適正で容易に自然による処理が可能とな
る。
一方、分離濾液である糖化液iは、糖液槽9に貯留さ
れた順次、原料糖液として有効利用が図れる。
なお、使用された水蒸気gはドレンjとなりそれぞれ
系外に流出される。
以上が、再資源化とその処理方法を組合せてシステム
化を図ったことを特徴とした焼酎粕の再資源化及びその
処理方法である。
本発明は上述のように極めて効率よく経営費の低廉と
相まって人件費も大幅に軽減される点で非常に優れたも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による焼酎粕の再資源化及びその処理方
法を概念的に示す系統図である。 1:原粕液槽 a:焼酎粕液 2:原粕液送液ポンプ b:結晶蓚酸 3:熱交換器 c:炭酸カルシウム 4:予熱粕液槽 d:活性炭 5:オートクレーブ e:炭酸ガス 6:中和槽 f:水 7:プランジャーポンプ g:水蒸気 8:フィルタープレス h:廃棄物 9:糖液槽 i:糖化液 j:ドレン

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼酎醸造工程で生成した焼酎粕液を、蓚酸
    等の酸と水蒸気による間接加熱で加水分解して糖化液と
    し、この糖化液に炭酸カルシウムと活性炭を投入して中
    和した後に固液分離し、固液分離された固形分は、廃棄
    物として系外に搬出すると共に一般的な焼却処理手段で
    燃焼処理し、分離濾液である糖化液は、原料糖液として
    利用することを特徴とする焼酎粕の再資源化及びその処
    理方法。
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