JP2846096B2 - 可変容量式斜板型圧縮機 - Google Patents

可変容量式斜板型圧縮機

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JP2846096B2
JP2846096B2 JP2273035A JP27303590A JP2846096B2 JP 2846096 B2 JP2846096 B2 JP 2846096B2 JP 2273035 A JP2273035 A JP 2273035A JP 27303590 A JP27303590 A JP 27303590A JP 2846096 B2 JP2846096 B2 JP 2846096B2
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英顕 笹谷
和仁 宮川
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/10Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis having stationary cylinders
    • F04B27/1036Component parts, details, e.g. sealings, lubrication
    • F04B27/1054Actuating elements
    • F04B27/1072Pivot mechanisms

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は斜板圧縮機に関するもので、例えば自動車空
調装置の冷媒圧縮機として用いて有効である。
〔従来技術およびその問題点〕 可変容量式斜板型圧縮機として、斜板を跨ぐようにし
てピストンを配置し、そのピストンの一面側の端面に第
1作動室を形成し、かつピストンの他面側に第2作動室
を形成するいわゆる斜板型圧縮機において、斜板の傾斜
角を変動させると同時に斜板の回転中心位置をずらし、
第1作動室側では斜板の傾斜角変動に係わらず、その上
死点位置がほぼ一定に制御され、かつ第2作動室側では
斜板の傾斜角に応じてデッドボリュームが増大するよう
にしたものは本発明者等によりすでに提案されている。
本発明は、このタイプの可変容量式斜板型圧縮機の改
良に関するもので、特に斜板のスラスト方向の荷重を支
持するスラストベアリングの耐久性向上を図るものであ
る。
すななち、本発明者らの検討によれば、従来の可変容
量式斜板型圧縮機では、斜板の傾斜角度および回転中心
位置を変位させることと相まって、多大なスラスト荷重
がスラストベアリングに加わり、その結果スラストベア
リングの耐久性が問題となるということが確かめられ
た。ここで、スラストベアリングの耐久性が損なわれる
ことは、ひいては斜板型圧縮機の円滑な回転が損なわれ
ることにもなり、圧縮機全体としての寿命を短くしてし
まうものであった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上記点に鑑みて案出されたもので、可変容量
式斜板型圧縮機のスラストベアリングの長寿命化を図る
ことを目的とする。
〔構成〕
上記目的を達成するため、本発明者らは斜板型可変容
量式圧縮機特有のスラスト荷重の変動につき種々の検討
を行なった。すなわち、この種の可変容量式圧縮機で
は、斜板がピン等の連結手段を介してシャフトに揺動可
能に係合しており、かつこの連結手段の位置がシャフト
の軸方向に変動されることにより、斜板の回転中心位置
と傾斜角が同時に変動するようにしているものである。
従って、斜板型圧縮機の運転時には、圧縮過程にある斜
板の瞬間回転中心位置から、上記連結手段による回転中
心位置までの距離が斜板型圧縮機内部の力のモーメント
を定めるのに重要な因子となる。このモーメントにつり
あう力がスプールに加えられ、これがスラスト荷重とし
て作用するものであるため、モーメントを変動させるこ
となく力の絶対値を減少させるためには連結手段の回転
中心から瞬間回転中心までの距離を長くするようにすれ
ばよい。
そこで、本発明の斜板型圧縮機では、連結手段の回転
中心位置を、シャフトの中心軸と斜板の中心軸の交点よ
りも、圧縮過程にある第1作動室より遠ざかる位置に配
設するという構成を採用する。
〔作動〕
圧縮機が運転途中にある場合、ピストンによる圧縮反
力はピストンを介して斜板に伝達される。またこの状態
において斜板の傾斜角に保持するためもしくは斜板の傾
斜角を変動させるために、スプールには所定の圧力が付
加されている。この場合、ピストンに加わる流体の反力
は、斜板より垂直方向に伸ばされた垂線上に位置する瞬
間回転中心Aに見掛け上集約される。一方スプールに加
えられる圧力は連結手段の回転中心上に見掛け上集約さ
れる。
そこで本発明の圧縮機では連結手段の回転中心位置を
シャフト中心よりずらして配設されるものであるため、
この見掛け上の瞬間回転中心A点から斜板の回転中心ま
での距離が長くなることになる。その結果同様のモーメ
ントを保持しつつ、スラスト荷重として圧縮機内部に生
じる力を減少させることができる。
〔発明の効果〕
従って、本発明の可変容量式斜板型圧縮機によれば、
従来と同等の可変容量作動を達成しつつ、圧縮機内部に
生ずるスラスト荷重を大幅に減少させることができる。
その結果、圧縮機の耐久性向上が図れ、長寿命化が達成
できる。さらに内部に生ずるスラスト荷重が減少するこ
とに伴い、圧縮機ハウジングとの薄肉化も図れ、その場
合には圧縮機全体の軽量化も達成できる。
〔実施例〕
以下本発明の一実施例を図に基づいて述べる。第1図
は可変容量式斜板型圧縮機の縦断面図である。アルミニ
ウム合金製のフロントハウジング4,フロントサイドプレ
ート8,吸入弁9,フロントシリンダブロック5,リアシリン
ダブロック6,吸入弁12,リアサイドプレート11及びリア
ハウジング13はスルーボルト16によって一体的に固定さ
れ、圧縮機の外殻を成している。シリンダブロック5,6
にはシリンダ64,65が夫々5ヶ所、各シリンダ64,65が互
いに平行になるように形成されている。図示しない自動
車走行用エンジンの駆動力を受けて回転するシャフト1
はベアリング2及びベアリング3を介してそれぞれフロ
ントシリンダブロック5及びスプール30に回転自在に軸
支されている。また、シャフト1に加わるスラスト力
(図中左方向へ働く力)はスラスト軸受15を介してフロ
ントシリンダブロック5で受けている。
シャフト1の後端は支持部405に摺動自在に挿入さ
れ、また、支持部405はベアリング3を介してスプール3
0に回転自在に軸支されている。尚、シャフト1は後端
と支持部405との間には、スプール30に図中右側へ向か
う予荷重を与えるスプリング308が配設されている。
又、支持部405に働くスラスト力(図中右方向へ働く
力)はスラスト軸受14を介してスプール30を受けてい
る。スプール30はリアシリンダブロック6の円筒部66及
びリアハウジング13の円筒部135内に軸方向摺動可能に
配されている。
支持部405は第2図のように略円柱状をしており、内
部の貫通穴401内にシャフト1が挿入される。また支持
部の外周にはピン407が2ヶ所それぞれ垂直に突出形成
されている。本例ではこのピンが連結手段として作動
し、このピン407の中心軸の直線は後述するようにシャ
フトの中心軸線よりもずれている。ピン407上には円筒
状のブッシュ409が配設されている。
また第3図に示すように斜板10の中心位置には凹部10
7が形成されており、この凹部107内に支持部405が挿入
される構造となっている。第4図および第5図に示すよ
うに凹部には上記ブッシュ406を嵌入する保持溝106が形
成されている。そして保持溝106内にブッシュ409を挿入
した状態で保持板108によりブッシュ409が狭持される構
造となっている。なお、保持板108は斜板10にめ固定
される。
従って、斜板10はピン407を介して支持部405に対し揺
動可能に連結されることになる。しかもその揺動位置は
シャフト1の中心軸線より第3図において下方向に変位
するものとなる。
斜板10のフロント側面にはスリット105が形成されて
おり、シャフト1には平板部165が形成されている。そ
して、平板板165がスリット105内壁に面接触するように
して配されることにより、シャフト1に与えられた回転
駆動力を斜板10に伝えるようになっている。
また、斜板10両面側にはシュー18及びシュー19が摺動
自在に配設されている。一方、フロントシリンダブロッ
ク5のシリンダ64及びリアシリンダブロック6のシリン
ダ65内にはピストン7が摺動可能に配されている。上述
のようにシュー18及び19は斜板10に対し、摺動自在に取
り付けられており、またシュー18及び19はピストン7の
内面に対し、回転可能に係合している。従って、斜板10
の回転を伴う揺動運動は、このシュー18及び19を介しピ
ストンに往復運動として伝達される。尚、シュー18,19
は斜板10上に組み付けられた状態で、外面が同一球面上
にくるように形成されている。
前記シャフト1の平板部165には長溝166が設けられて
おり、また、斜板10にはピン通し孔109が形成されてい
る。シャフト1の平板部165は斜板10のスリット105に配
された後、ピン80及び止め輪によりシャフト1の長溝16
6に係止される。この長溝166内のピン80の位置により斜
板の傾きが変わるのであるが、傾きが変わると共に斜板
中心の位置も変わる。すなわち、第1図中右側の第1作
動室60においては、斜板10の傾きが変わってピストン7
のストロークが変化しても、ピストン7の作動室60側の
上死点は殆ど変わらずデッドボリュームの増加が実質的
に生じないように長溝166が設けられている。一方、図
中左方向の第2作動室50では斜板の傾きが変わると共に
ピストン7の上死点は変化するため、デッドボリューム
も変化する。
尚、長溝166は厳密には曲線状となるが、実際の形成
に当たってはほぼ直線の長溝で近似できることになる。
さらに本例では長溝166の形成により平板部165の形状が
過大となることがないように、長溝166はシャフト1の
軸線上に配設されている。
図中符号21は軸封装置であり、シャフト1を伝って冷
媒ガスや潤滑オイルが外部へ洩れるのを防いでいる。図
中符号24は作動室50,60に開口し、吐出室90,93と連通す
る吐出口であり、この吐出口24は、吐出弁23によって開
閉される。吐出弁は図示しない弁押さえと共に図示しな
いボルトによりフロントサイドプレート8及びリアサイ
ドプレート11に固定されている。図中符号25は作動室5
0,60と吸入室72,74とを連通する吸入口で、吸入弁9及
び吸入べっ12によって開閉される。
図中500は制御圧室200に導入される信号圧力を、吐出
空間93内圧力と、吸入空間74内圧力との間で連続的に制
御する制御弁である。
上記構成により圧縮機の作動について述べる。図示し
ない電磁クラッチが接続され、シャフト1にエンジンか
らの駆動力が伝えられると圧縮機は起動する。
圧縮機が長期間停止していた状態から始動する場合に
は、圧縮機内部に圧力差を生じていない。従って、制御
圧室200内の圧力も、吸入空間74内圧力とさほど差がな
いことになる。このように、スプール30の前後で圧力差
が生じなくなっている。すなわち、起動時においては、
支持部405に対して斜板10を傾斜させる方向には荷重が
加わっていない。そして、スプリング308の設定荷重に
よりスプール30は図中右側へ変位し、斜板10はその傾斜
角が最小となった状態で保持されている。
このような状態でシャフト1が回転を開始すると、シ
ャフト1の回転は斜板10を介してピストン7を往復駆動
することになる。このピストン7の往復移動に伴う作動
室50,60内で冷媒の吸入,圧縮,吐出が行なわれること
になる。
そして、吸入ポート(冷凍サイクルの蒸発器につなが
る)より吸入される冷媒ガスは、中央部の吸入空間70へ
入り、次いで吸入通路71,73を通り、フロント・リア側
の吸入室72,74へ入る。その後、ピストン7の吸入行程
において、吸入弁12を介して吸入口25より作動室50,60
内へ吸入される。吸入された冷媒ガスは圧縮行程で圧縮
され、所定圧まで圧縮されれば吐出口24より吐出弁23を
押し開いて吐出室90,93へ吐出される。高圧の冷媒ガス
は吐出通路を通り、吐出ポートより冷凍サイクルの図示
しない凝縮器に吐出される。
この際、フロント側第2の作動室50はデッドボリュー
ムが大きいため、リア側の第1作動室60よりも圧縮比が
小さく、第2作動室50内の冷媒ガスの圧力は吐出空間内
圧力(リア側第1作動室60の吐出圧力が導かれている)
よりも低くなる。従って、フロント側第2作動室50での
冷媒ガスの吸入,吐出作用は行なわれない。
圧縮機の起動時には、上述したように圧縮機吐出容量
を最小容量とする。しかし冷凍サイクルより要求される
圧縮機の能力が高い場合には、圧縮機の吐出容量を増大
させる必要がある。
ここで、圧縮機に要求される能力、すなわち冷房負荷
は、圧縮機の吸入側圧力と相関関係があることが知られ
ている。すなわち、冷房負荷が高く、圧縮機に大きな容
量が必要とされる場合には、蒸発器におけるスーパーヒ
ートに伴い、吸入側圧力が高くなる。逆に、冷房負荷が
小さく、圧縮機に要求される吐出容量が少なくてよい場
合には、蒸発器での大きなスーパーヒートがなく、吸入
側圧力は低くなる。
本例の制御弁500では、この吸入側の圧力が低くなっ
た時、ダイヤフラム503がスプリング502の付勢力に打ち
勝って変位し、弁体504が弁座506に着座して信号圧通路
402と低圧導入通路403とを遮断する。そのため、制御圧
室200内の圧力が上昇する。
圧縮機の起動に伴い、吐出空間93内の圧力が上昇して
くると、この圧力上昇を受けて、制御圧室200内の圧力
も上昇することになる。
そのため、スプール30に対し、圧力差により図中左方
向へ働く力(制御圧室200と吸入空間74との圧力差によ
る)は圧縮機の回転に伴い次第に上昇する。そして、こ
の力が前述した球面支持部405を図中右方向へ押す力及
びスプリング308の合力に打ち勝つと、スプール30は次
第に図中右方向へ移動し始める。そしてシャフト1の長
溝166とピン80の作用により斜板10はその回転中心(支
持部405上のピン407)を図中左方向へ移動しつつその傾
きを大きくしてゆく。更に制御圧室200内圧力が上がっ
てゆくと、スプール30はその肩部305がリアサイドプレ
ート11に当たるまで図中左方向へ移動し、最大容量状態
を実現する。これが第1図の状態である。第1図の状態
では、吸入ポートより吸入される冷媒ガスは中央の吸入
空間70に入り、吸入通路を通ってそれぞれ吸入室72及び
74へ流入する。そして、吸入行程では吸入口25より吸入
弁9及び12を介して、それぞれ作動室50及び60へ入り、
次いでピストン7の変位と共に圧縮され、吐出口24より
吐出弁23を介して、それぞれ吐出空間へ入り、吐出通路
を通り吐出ポートより吐出され、外部配管で合流するも
のである。この状態では作動室50及び作動室60共に冷媒
ガスの吸入,吐出作用を行っている。
圧縮機が作動を開始した後、冷房負荷が低減し吸入側
の圧力が再度減少してくると、その圧力に応じて制御弁
500は信号圧縮機402へ出力する圧力を制御することにな
る。すなわち、低圧通路403を介して導入される吸入圧
を適宜圧力信号として出力する。
第6図は圧縮機の作動中における圧力状態を示す模式
図である。スプール30にはスプールの投影面積に信号圧
室200内圧力と吸入室74内圧力との差圧を乗じた力が軸
方向に加えられることになる。一方、斜板10にはピスト
ン7の圧縮に伴う反力が加えられる。ここで、斜板10は
長溝166とピン80との係合によりその角度が保持される
ものであるため、斜板10に生じる圧力の瞬間中心Aは斜
板10から垂線方向に伸ばした線とピン80と長溝166との
係合面より垂線方向に伸ばした線との交点として求めら
れることになる。
この瞬間中心A周りに生じる斜板を傾斜させようとす
るモーメントMAはスプール30に生じる軸方向の力とつり
あうことになる。またこのスプール30に生じる軸方向の
力はひいてはピン407に加わる軸方向の力Fbrと一致す
る。従って、瞬間中心Aからピン407までの距離とをLA
とした場合、上記モーメントMAと軸方向荷重Fbrとの関
係は、 MA/LA=Sc(Pc−Ps)=Fbr として計算されることになる。
この式より明らかなように、ピンに加わるスラスト方
向の荷重Fbrを小さくするためには、瞬間中心Aまでの
距離LAを長くすればよい。換言すれば、ピン407が配置
される位置をシャフトの中心軸と斜板10の中心軸の交点
よりも、圧縮途中にある第1作動室60よりは遠ざかる方
向に(第1図中下方向)変位させればよい。
第7図はガイドピン80に加わる荷重およびフロント側
のスラストベアリング15に加わる荷重を示す模式図であ
る。上述のように、本発明に係る圧縮機ではピン407の
位置をシャフト1の中心軸線より図中下方向にずらして
いるため、ピン407に生じる軸方向の荷重Fbrを小さくで
きる。そしてこれにともないガイドピン80に加わる荷重
Fpおよびフロント側のスラストベアリング15に加わる荷
重Fbfも小さくできる。なぜなら、ピン407の位置をB
し、このB点周りのモーメントをMBを考えると、ガイド
ピン80に加わる荷重Fpおよびフロント側スラストベアリ
ング15に生じるFbfは、 となる。なお、Lpはガイドピン80とピン407との距離を
表す。ここでモーメントMBはおよそ偶力モーメントと考
えられるので、ピン407をシャフトの中心軸よりずらし
たとしても、そのずらし量δが小さい時にはほとんど
変らないとみなすことができる。一方、この変位δ
伴いピン407とガイドピン80との距離は変動する。すな
わち、第7図においてLpのほうがLp0よりも大きくな
る。かつピン407とガイドピン80とを結ぶ線の仰角はβ
のほうがβよりも大きくなる。ここで、長溝166の仰
角αは明らかに0度以上90度以下の大きさであるため、 cos(α−β)>cos(α−β) の関係となる。この関係よりガイドピン80に加わるFpは
ずらし量δが0の場合の荷重Fp0より明らかに小さく
なり、同様にスラストベアリング15に生じる荷重Fbf
明らかにずらし量δが0の場合の荷重Fbf0よりも小さ
くなる。このように、ピン407の位置を図において下方
向にずらすことにより、ピン407に生じる荷重のみなら
ずガイドピン80に生じる荷重およびフロント側のスラス
トベアリング15に生じる荷重も減少できることになる。
なお、圧縮機が第1図図示状態、すなわち100%容量
で作動する状態においては、フロント側のスラストベア
リング15に生じる荷重とリア側のスラストベアリング14
に生じる荷重とは等しくなる。
第8図は上述したスラスト荷重低減効果を発揮できる
ために必要なピン407の位置を示す。
斜板10の傾斜角を変化させて圧縮機の吐出容量を制御
する際にその斜板10の挙動がピン407の位置によって変
動することがあっては良好な制御ができない。そのた
め、瞬間中心Aは常にA0W上になければならない。ここ
でA0はずらし量δが0の場合のピストン7の瞬間中心
を示す。Wはその瞬間中心A0より斜板10におろした垂線
の交点を示す。
また、ピン407の位置をずらした時に瞬間中心Aから
ピン407の中心までの距離LAはピン407の位置を変更する
前の距離LA0より長くなければ、本願発明の作用が達成
できず、そのためのピン407の位置は第8図中破線で示
した線より下方向でなければならない。なお、第8図中
破線で示したのはずらし量δが0の場合のピン407の
位置を示す。
さらに、斜板10の傾斜角を変位させることができるた
めにも、ピン407の位置はガイドピン80の位置よりスプ
ール30側、すなわち第8図において左側でなければなら
ない。また同様に斜板10の傾斜角を変位させるために
も、ピン407の位置はW点より右側でなければならな
い。従って、ピン407が配置可能な位置は第8図におい
て斜線で区切られた範囲内となる。なお、本発明者らの
検討によれば、ピン407を第8図における斜線で区切ら
れた範囲内に配置した場合、瞬間中心A点周りのモーメ
ントMAはこの範囲でほとんど変動がないことが確認され
ている。
ところでガイドピン80に生じる荷重Fpは、ピン407の
位置を第8図において右側にずらすような場合には明ら
かに減少することとなるが、ピン407を第8図において
左側にずらした場合にはガイドピン荷重が増加してしま
う場合もある。そのため、圧縮機全体としてスラスト荷
重を低減させるようにするためには第8図における斜線
によって区切られた範囲内であっても特に第8図におけ
るδの範囲が望ましい。
なお、ピン407の位置を軸方向にもずらす場合には、
瞬間中心Aが上述のごとく常にA0−W線上にくるように
傾斜溝166の傾斜角度を変動させる必要がある。
第9図はピン407のずらし量δとスラスト荷重Fbと
の関係を示す。条件は圧縮機の吐出圧が25kg/cm2G,吸入
圧力Psが3kg/cm2Gとし、かつ圧縮機回転数が700回転で
圧縮機の吐出容量が100%の状態を示す。この状態で
は、フロント側のスラストベアリング15に生じるスラス
ト荷重Fbfとリア側のスラストベアリング14に生じるス
ラスト荷重Fbrは等しくなる。図よりずらし量Σを10m
mとした場合約20%程度スラスト荷重を低減させること
ができる。
第10図は第9図と同じ条件のもと、ガイドピン80に生
じる荷重Fpを示したものである。この場合もずらし量δ
を10mmとした場合約20%の荷重低減が認められる。さ
らにガイドピン80に加わる荷重は軸方向のずらし量Σ
を10mm程度持った場合には約10%低減することができ
る。
このように本例の圧縮機ではピン407の位置をシャフ
ト1の中心軸よりずらしたため、スラスト荷重を大幅に
低減することができる。
なお、第11図は本発明の他の実施例を示す。この例は
連結手段としてピンに代えて球面支持部405を採用して
いる。即ち、シャフト10は球面支持部405を介して揺動
自在に支持されるようにしている。そしてこの球面支持
部405の中心位置は上述の第1図のピンと同様シャフト
1の中心軸線上よりずらすようにしている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明圧縮機の第1実施例を示す断面図、第2
図は第1図図示支持部の斜視図、第3図は第1図図示支
持部とシャフトとの係合状態を示す断面図、第4図は第
3図をIV方向より見た正面図、第5図は第3図のV−V
矢視断面図、第6図は第1図図示圧縮機の圧力状態を示
す模式図、第7図は第1図図示圧縮機のガイドピン80周
りの圧力状態を示す模式図、第8図は第1図図示圧縮機
におけるピンの配置可能位置を示す模式図、第9図およ
び第10図は第1図図示圧縮機の効果例を示すグラフ、第
11図は本発明圧縮機の他の実施例を示す断面図である。 1……シャフト,5,6……シリンダブロック、7……ピス
トン,10……斜板,30……スプール,405……支持部,407…
…ピン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹谷 英顕 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式 会社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 宮川 和仁 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−219363(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04D 27/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部にシリンダ室を有するシリンダブロッ
    クと、 このシリンダブロック内に回転自在に配置されたシャフ
    トと、 このシャフトに連結手段を介して連結し、この連結手段
    回りに揺動自在に配置された斜板と、 前記シリンダ室内に摺動自在に配置されて、前記斜板の
    揺動運動を受けて前記シリンダ室内を往復移動するピス
    トンと、 このピストンの両側の端部のそれぞれに前記シリンダ室
    内面との間で形成され、流体の吸入,圧縮,吐出を行な
    う作動室と、 前記連結手段に係合し、前記連結手段の位置を前記シャ
    フトの軸方向に変位させるとともに、前記斜板の傾斜角
    を変位させ、前記ピストンのうち一方の側に形成される
    第1作動室では、前記斜板の傾斜角に係わらず、その上
    死点位置がほぼ一定になるようにし、前記ピストンのう
    ち他方の側に形成される第2作動室では前記斜板の傾斜
    角に応じてデッドボリュームが変動するよう制御するス
    プールとを備え、 前記連結手段の回転中心位置を前記シャフトの中心線と
    前記斜板の中心線の交点より、圧縮状態にある第1作動
    室より遠ざかる方向にずらして設けたことを特徴とする
    可変容量式斜板型圧縮機。
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