JP2844495B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は皮膚に対し温和で使用感に優れ、かつ起泡力
の高い洗浄剤組成物に関するものである。

従来の技術および欠点 近年、各種洗浄剤に対する安全性への要求がますます
高まってきており、安全性の高い新規界面活性剤の開発
が求められており、また従来使用の界面活性剤の中で安
全性の高いものが見直しされつつあり、これらを配合し
た製品の需要が次第に多くなってきている。

Ｎ−アシルアミノ酸塩型界面活性剤、アルキロイルア
ルキルタウリン塩型界面活性剤およびリン酸エステル系
界面活性剤は皮膚および毛髪に対する作用が温和な洗浄
剤であり、固形洗剤、ヘアーシャンプー、ボディーシャ
ンプーなどに用いられている。

前述のアルキロイルアルキルタウリン塩型界面活性剤
は生体アミン誘導体であり、皮膚に対し比較的温和なた
め、シャンプーおよびボディシャンプー、洗顔フォーム
等の皮膚および頭髪洗浄剤の基剤として用いられている
が、洗浄後のすすぎ時皮膚にぬめり感が生じやすいとい
う欠点があった。また、モノ及びジアルキルリン酸エス
テル系界面活性剤は皮膚の洗浄剤として用いた場合すす
ぎ易く、皮膚に温和であるが、耐硬水性に欠ける、また
洗浄後に皮膚および頭髪にきしみが生じやすく高級感に
かけるという欠点があった。さらに、Ｎ−アシルアミノ
酸塩型界面活性剤は皮膚および毛髪に対する作用が極め
て温和でしかも使用感がよく、洗浄後に皮膚および毛髪
にしっとり感を付与するが、泡立ちが少ないという欠点
があった。またすすいだ後、皮膚にぬめり感が残りやす
いという欠点があった。

上記の界面活性剤同士の組合せでは、特公昭60−1007
8でアルキロイルアルキルタウリン塩型界面活性剤およ
びリン酸エステル系界面活性剤を併用した例、特開昭54
−120610でＮ−アシルアミノ酸塩型界面活性剤とリン酸
エステル系界面活性剤を併用した例がある。しかしなが
ら、アルキロイルアルキルタウリン塩型開界面活性剤と
リン酸エステル系界面活性剤との組合せでは起泡量の多
いリン酸エステルが多い系では耐硬水性が低い、また、
リン酸エステル型界面活性剤とＮ−アシルアミノ酸塩と
の組合せでは増粘が難しい等の問題点があった。

発明が解決しようとしている課題 本発明の課題は上記の欠点を解決し、耐硬水性があ
り、ぬめり感ときしみ感の無く、洗浄後、皮膚がしっと
りするような洗浄剤組成物を開発することにある。

課題を解決するための手段 本発明者らは、上述のような課題を解決するために種
々の界面活性剤同士の併用効果の検討を行った結果、洗
浄剤組成物として有用で新規な洗浄剤組成物を発明する
に到達した。

即ち本発明は新規な洗浄剤組成物であり、ヘアーシャ
ンプー、ボディーシャンプおよび固形石鹸をふくむ洗浄
剤組成物に良好な使用感と安全性を付与することを可能
としたものであり、（ａ）アルキロイルアルキルタウリ
ン塩型界面活性剤、（ｂ）リン酸エステル系界面活性剤
及び（ｃ）Ｎ−アシルアミノ酸塩型界面活性剤を必須成
分として含み、（ａ）、（ｂ）および（ｃ）の配合比が
（ａ）：（ｂ）＝50:1〜65:35かつ（ａ）と（ｂ）の合
計量：（ｃ）＝5:1〜1:5であることを特徴とする洗浄剤
組成物である。また、この洗浄剤組成物は食塩を0.1〜
８％ふくんでいてもよい。

ここで用いられるアルキロイルアルキルタウリン塩型
界面活性剤とは側鎖の炭素数が８〜22のＮ−アルキロイ
ル−Ｎ−アルキルタウリンであり、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウムなどの金属塩およびトリエタノールアミ
ン、アルギニン、リジン、コリン等の有機弱塩基塩であ
ってもよい。またリン酸エステル系界面活性剤とは、同
じく側鎖の炭素数が８〜22のモノ、ジおよびトリアルキ
ルリン酸エステル系界面活性剤全体をさし、リン酸エス
テル系界面活性剤はエチレンオキシド基が１〜20モル付
加されていてもよく、モノおよびジにあっては未中和の
酸タイプおよびナトリウム、カリウム、カルシウム等の
金属およびトリエタノールアミン、アルギニン、リジ
ン、コリン等の弱塩基などとの塩であってもよい。さら
にＮ−アシルアミノ酸塩型界面活性剤とは側鎖の炭素数
が８〜22のＮ−アシルアミノ酸およびその塩全体をさ
し、Ｎ−アシルグルタミン酸などの酸性アミノのＮ−ア
シル化物およびその塩、Ｎ−アシル−Ｎ−メチルグリシ
ン、Ｎ−アシル−β−アラニンなどの中性アミノ酸のＮ
−アシル化物およびその塩、Ｎ−アシル−アルギニン、
Ｎ−アシル−リジンなどの塩基性アミノ酸のＮ−アシル
化物およびその塩など、酸性、中性、塩基性を含めたす
べてのアミノ酸のＮ−アシル化物およびその塩全体をさ
し、またＮ−アシルアミノ酸はナトリウム、カリウム、
カルシウムなどの金属の塩およびトリエタノールアミ
ン、アルギニン、リジン、コリン等の有機弱塩基塩であ
ってもよい。

本発明の洗浄剤組成物には、上述した必須成分の他、
必要に応じ通常洗浄剤に一般に配合される成分、例えば
高級アルコール系、ヒマシ油誘導体、ポリエチレングリ
コールの脂肪酸誘導体やラノリン誘導体、スクワラン誘
導体その他の炭化水素系等の油性成分、アミノ酸及びそ
の誘導体、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−
B.G.ポリエチレングリコール等のポリオール類、プロテ
インを含む湿潤剤、可溶化剤、またアルキルサルフェー
トおよびそのエチレンオキシド付加物、脂肪酸石鹸、他
のアニオン界面活性剤一般、イミダゾリニウムベタイン
系を含むベタイン型両性界面活性剤一般、ポリエチレン
グリコール及びその誘導体、アルキルジエタノールアミ
ド、アルキルアミンオキシド、アルキルグリコシド等の
非イオン系界面活性剤一般、さらには、アルキルアンモ
ニウム塩、カチオン化セルロース等のコンディショニン
グ剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレンオ
キシド誘導体等の高分子増粘剤一般、硫酸ナトリウム等
の、無機ビルダー、ビタミンＥ、ジブチルヒドロキシト
ルエン等の酸化防止剤および香料、色素等を適宜配合す
ることができる。また、本発明の洗浄剤組成物に食塩を
若干量添加することにより使用目的にあった粘度を得る
ことができる。

発明の効果 即ち本発明は新規で有用な洗浄剤組成物であり、皮膚
および頭髪に洗い上り後のしっとり感を洗浄剤に付与し
ながらしかもぬめり感がなく、更には洗浄時の起泡量が
多いという、使用感に優れ、刺激の少なくかつ耐硬水性
に選れた効果を発揮する洗浄剤組成物である。また、食
塩により液体洗浄剤として適当な粘度を得ることができ
る。形態は固形、練り、液体と様々の形態のものに用い
られるが、その形態のいかんにかかわらず、上記の述べ
た効果をいかんなく発揮する。

本発明の洗浄剤組成物においては、アルキロイルアル
キルタウリン塩型界面活性剤とリン酸エステル系界面活
性剤との比が50:1〜65:35付近に優れた効果が認められ
る。またアルキロイルアルキルタウリン塩型界面活性剤
とリン酸エステル系界面活性剤の合計量とＮ−アシルア
ミノ酸との比は5:1〜1:5で優れた効果が認められる。

以下実施例をあげ説明するが本発明はこれに限られた
ものではない。尚、実施例中、％は重量％を意味する。

実施例１〜3.液体洗浄剤 アルキロイルアルキルタウリンNa塩 リン酸エステル系界面活性剤 合計20％ Ｎ−アシルアミノ酸系界面活性剤 10％ 水 残部 上記組成で液体洗浄剤を調製し、アルキロイルアルキ
ルタウリン系界面活性剤とリン酸エステル系界面活性剤
との比を9:1〜7:3まで変化させ、起泡力を測定した。

比較例１〜7.液体洗浄剤 実施例１〜３とおなじ組成で液体洗浄剤を調製し、ア
ルキロイルアルキルタウリン系界面活性剤とリン酸エス
テル系界面活性剤との比を6:4〜0:10まで変化させ、起
泡力を測定した。

比較例8.液体洗浄剤 実施例１〜３とおなじ組成で液体洗浄剤を調製し、ア
ルキロイルアルキルタウリン系界面活性剤とリン酸エス
テル系界面活性剤との比を10:0とし、起泡力を測定し
た。

起泡力の測定条件（実施例１〜３および比較例１〜８） 試料洗浄剤の15倍希釈水溶液を調製し、この溶液50ml
を家庭用電動ミキサー（岩谷産業（株）製ミルサーIFM
−140）で５秒間撹拌し泡を発生させ、１分間静置後の
泡の体積を読み取った。

また、上記組成の液体洗浄剤に対しパネラー10名（男
６名、女４名）を用い、前腕および上腕を洗浄させ洗浄
後のしっとり感およびすすぎ時の感触について官能評価
を行った。

第１表より明かな通りアルキロイルアルキルタウリン
塩系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤およびＮ
−アシルアミノ酸塩系界面活性剤を併用することにより
起泡力が優れており、きしまず、しっとり感を有する洗
浄剤組成物が得られる。

実施例4.液体洗浄剤 アルキルロイルアルキルタウリンNa塩 12％ リン酸エステル系界面活性剤 ５％ ココイルグルタミン酸TEA 13％ 水 残部 上記組成で液体洗浄剤を調製し、起泡力を測定した。

比較例９〜10.液体洗浄剤 実施例４とおなじ組成で液体洗浄を調製し、ココイル
グルタミン酸TEAをラウリン酸TEAで代替した。またココ
イルグルタミン酸TEAを加えなかった。

上記組成で液洗浄剤を調製し、起泡力を測定した。

起泡力の測定条件（実施例５および比較例８〜９） 試料洗浄剤の５ ドイツ式硬水による15倍希釈水溶液
を調製し、この溶液50mlを家庭用電動ミキサー（岩谷産
業（株）製ミルサーIFM−140）で５秒間撹拌し泡を発生
させ、１分間静置後の泡の体積を読み取った。

第２表より明かな通りアルキロイルアルキルタウリン
塩系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤およびＮ
−アシルアミノ酸塩系界面活性剤を併用することにより
硬水中での起泡力も優れている洗浄剤組成物が得られ
る。

実施例5.シャンプー組成物 ココイルメチルタウリン 10％ ポリオキシエチレン（２） ラウリルエーテルリン酸Na ２％ ココイルグルタミン酸トリエタノールアミン 10％ ココイルジエタノールアミド ２％ 1,3−ブチレングチコール ５％ マーコート550 ２％ 水 残部 上記配合により頭髪および頭皮に温和であり、泡立
ち、泡切れが良く、頭髪にしっとり感を付与するヘアー
シャンプーが得られた。

実施例6.ボディシャンプー組成物 ココイルメチルタウリンNa 10％ ラウリルリン酸Na ５％ Ｎ−ラウロイルザルコシン トリエタノールアミン 13％ ココイルジエタノールアミド ５％ 1,3−ブチレングリコール ５％ 食塩 1.5 エチレンクリコールジステアレート ２ 香料 適宜 水 残部 上記の配合により皮膚に温和であり、泡立ちが良く、
皮膚にしっとり感を付与しながらしかもぬめり感のない
ボディシャンプーが得られた。

実施例7.洗顔用クリーム Ｎ−ミリストイルグルタミン酸Na 15％ ステアロイルメチルタウリンNa 10％ ラウリルリン酸Na ５％ ラウリン酸ジエタノールアミド ３％ ポリオキシエチレン ソルビタンモノラウレート ５％ プロピレングリコール 10％ 香料 0.2％ 水 残部 上記の配合により、皮膚に温和で、起泡力に優れた洗
顔用クリームを得た。

実施例8.固形洗剤 Ｎ−ココイルグルタミン酸Na 40％ ラウロイルメチルタウリンNa 20％ ラウリルリン酸Na ５％ グリセリン 10 食塩 0.5％ 水 残部 上記の配合により、皮膚に温和で、起泡力に優れた固
形石鹸を得た。

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｃ１１Ｄ 1:34 1:10） (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A61K 7/00 - 7/50 C11D 1/00 - 1/37

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】（ａ）アルキロイルアルキルタウリン塩型
   界面活性剤、（ｂ）リン酸エステル系界面活性剤及び
   （ｃ）Ｎ−アシルアミノ酸塩型界面活性剤を必須成分と
   して含み、（ａ）、（ｂ）および（ｃ）の配合比が
   （ａ）：（ｂ）＝50:1〜65:35かつ（ａ）と（ｂ）の合
   計量：（ｃ）＝5:1〜1:5であることを特徴とする洗浄剤
   組成物。
2. 【請求項２】食塩を0.1〜８％含有する特許請求項
   （１）記載の洗浄剤組成物。