JP2842106B2 - 音響信号の伝送方法 - Google Patents

音響信号の伝送方法

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JP2842106B2
JP2842106B2 JP32276992A JP32276992A JP2842106B2 JP 2842106 B2 JP2842106 B2 JP 2842106B2 JP 32276992 A JP32276992 A JP 32276992A JP 32276992 A JP32276992 A JP 32276992A JP 2842106 B2 JP2842106 B2 JP 2842106B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は音響信号の情報量を圧縮
して伝送する音響信号の伝送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アナログ信号をデジタル信号、例
えばPCM(パルスコードモジュレーション)信号とし
て伝送(あるいは記録再生)することが多くなったが、
前記のPCM信号は情報量が多いために、PCM信号の
伝送(あるいは記録再生)のためには広い伝送帯域が必
要とされる。それでデジタル信号の信号処理を行う伝送
機器(記録再生機器)、その他の各種の機器においては、
従来からデジタル信号を少ない情報量で効率的に処理す
ることが行なわれている。そして信号をより少ない情報
量で効率的に符号化できるようにした高能率符号化方式
としては、信号の予測を行なって予測値からのずれの成
分(残差成分)だけを記録,伝送するようにした各種の
高能率符号化方式や、信号に対してある種の変換(一般
には直交変換)を施して信号の特徴を抽出し、その信号
の特徴部分、あるいは人間の視覚や聴覚が信号の変化の
少ない部分での変化に対しては敏感であるが信号の変化
の激しい部分においてはある程度の誤差があっても検知
し難いという性質を利用するなどして、各サンプルあた
りの情報量(ビット数)を少なくするようにした各種の高
能率符号化方式等が従来から提案されて来ていることは
周知のとおりである。
【0003】しかしながら、例えば、電話の音声信号の
伝送に際して情報量の圧縮を行なうために実用されてい
る線形予測を適用して構成されている周知の高能率符化
方式では、予測系の分子(零)と分母(極)とを予測す
るようにしているが、その予測能力は余り良好ではな
く、音楽信号の伝送には殆ど効果がない。なお、線形予
測を行なうものには、他に、例えばパーコ方式等が存在
するが、これにも性能的に限界がある。そして、前記の
ように、音楽信号の伝送(記録)に関する情報量の圧縮
に適した予測法が無かったこれまでの間に、音楽信号の
伝送(記録)に関する情報量の圧縮のために最も広く用
いられてきたビット圧縮方法は、例えば直交変換による
近接周波数間のマスキング効果を利用してビット圧縮を
行なうものであり、それは例えば、音響信号から所定数
の標本点を有する期間を、窓関数を掛けて順次の各フレ
ームの繋ぎ目を互に重複させて緩やかに繋がるような状
態の順次の1フレーム期間として切出し、各1フレーム
毎に高速フーリエ変換(FFT)により直交変換を行なっ
た後に、前記の高速フーリエ変換によって得られたデー
タに関してマスキング曲線の演算を行なって、前記のマ
スキング曲線よりも大きな振幅を有するスペクトラムは
伝送(記録)して、マスキング曲線よりも小さな振幅を
有するスペクトラムは伝送(記録)しない、というよう
に、主スペクトラムによってマスクされて聞えないスペ
クトラムは、それを記録,伝送しないようにするもので
ある。なお、直交変換としてはDFT,DCT、その他
も使用できる。
【0004】ところで、前記のようにして音響信号のデ
ータを減少させることができる理由は、人間の聴覚の性
質として、ある周波数成分の音が強く放射されている場
合には、その周波数成分の近傍の周波数についての検知
能力が低下するからであり、検知能力が低下している部
分の周波数成分については少ないビット数を割当て、小
振幅の信号成分は全く伝送しない、等の手段によりデー
タ量の減少が実現できる。そして前記のようなデータ量
の減少により信号精度はかなり低下するが、聴感上にお
いては聴覚のマスキング効果によって、原信号を聴取し
た場合と区別ができないようにできることが多い。前記
のように、従来は高能率符号化を行なうのに、信号を予
測したり、信号を直交変換したりすることが行なわれて
来たが、信号の予測技術と直交変換技術との双方をうま
く融合させて、直交変換されたデータから次のフレーム
の直交変換された信号の予測をできるようにすれば一層
の高能率符号化が達成できるが、そのようなことは従来
行なわれていなかった。
【0005】本出願人会社では前記の問題点の解決のた
めに、先に、特願平4ー30076号「音響信号の位相
予測方法」により、予め定められた一定の時間長を有す
るように音響信号から切出された順次の各フーリエ変換
フレームにおける第1,第2の各フーリエ変換フレーム
に同じ窓関数を用いて離散的にフーリエ変換して、前記
した第1,第2の各フーリエ変換フレーム毎のフーリエ
変換の結果として求められた同一な所定数の離散周波数
毎のデータにより、前記した第1,第2の各フーリエ変
換フレーム毎に、それぞれの離散周波数毎の位相情報を
得て、前記した第1,第2の各フーリエ変換フレームに
おいて互に対応している同一な離散周波数毎の位相情報
の変化の態様を求め、前記した個々の離散周波数毎の位
相情報の変化の態様が時間軸上で一定であるとして、前
記した第1の時間位置と第2の時間位置との時間差の整
数倍の時間位置に存在している第3の時間位置のフーリ
エ変換フレーム内の所定数の離散周波数の個々の位相情
報を決定して、第3の時間位置のフーリエ変換フレーム
の位相情報を予測する方法を提案しており、前記の位相
情報の予測方法の応用による音響信号の高能率符号化に
より、音響信号の伝送(記録)、楽器の音源の構成等を
容易にした。
【0006】図9は前記した本出願人会社による既提案
の位相情報の予測方法の応用例でも使用されうるエンコ
ーダのブロック図であり、また、図10はデコーダのブ
ロック図である。図11において最上方の部分に記載の
AUDIOという表示の波形は高能率符号化の対象にさ
れている音響信号であり、また、前記の音響信号はFr
ame Windowの表示のある部分に示されている
0,1,2…のように、それぞれ一定の時間長を有する
ように切出されて、順次のフーリエ変換フレームとされ
る。前記した各フーリエ変換フレームは、音響信号から
それぞれ例えば1024点の標本点を有する期間となる
ように、窓関数を掛けて順次の各フレームの繋ぎ目を互
に重複させて緩やかに繋がるような状態の順次の1フレ
ーム期間として切出されたものである。前記した各1フ
レーム毎のフーリエ変換フレームは、例えば離散的有限
系列のフーリエ変換(DFT)または高速フーリエ変換
(FFT)により直交変換が行なわれる。以下の説明で
は前記の直交変換が高速フーリエ変換(FFT)によって
行なわれるものとして記述されている。
【0007】さて、各1フレーム毎のフーリエ変換フレ
ームについてFFT演算を行なった場合に、前記した各
1フレーム毎のフーリエ変換フレームにおけるデータ数
(標本数)をNとし、標本化周波数をfsとすると、f
=fs/N で示されるfの周波数間隔毎の離散的な各
周波数(合計N個の周波数)についてのFFT演算結果
が得られるが、前記したFFT演算結果は、離散的な各
周波数毎に実数部(Real)振幅と、虚数部(Ima
g)振幅とからなるものである。前記した離散的な各周
波数毎の実数部(Real)振幅と、虚数部(Imag)振
幅とを用いて、次の数1及び数2により、前記した離散
的な各周波数毎に、極座標変換により合成振幅項(Am
p)と位相項(Phase)とを求める。ところで、FF
T演算結果として離散的な各周波数毎に得られたN個の
実数部(Real)振幅とN個の虚数部(Imag)振幅
とにおいて、N個の実数部(Real)振幅には同じ値の
ものが2個ずつ現われており、また、N個の虚数部(I
mag)振幅には絶対値で同じ値のものが2個ずつ現わ
れているから、有効な合成振幅項(Amp)の項数が総数
の1/2となり、また有効な位相項(Phase)の項
数も総数の1/2となるから、FFT出力データ数をF
FTの実数入力データ数と等しくできる。
【0008】
【数1】
【数2】
【0009】今、時間軸上で連続する順次のフーリエ変
換フレーム(フレーム)について、それぞれの離散的な
各周波数毎の実数部(Real)振幅と、虚数部(Ima
g)振幅とを用いて、数1及び数2により、前記した離
散的な各周波数毎に極座標変換により合成振幅項(Am
p)と位相項(Phase)とを求めた場合に、最も常識
的な考え方をとれば、時間軸上で隣り合う2つのフレー
ムでは、同じ振幅になるであろう、と予測するのが自然
でもあり、また実際に例えば標本化周波数が44.1K
Hzで、フレーム長(フレーム長は約1/40秒)として
1024点の標本数を有するものとして、ピアノの音の
信号をFFT演算した場合に得られるFFT演算結果に
よるスペクトルをみても、ある1つのフレームにおける
512個の振幅と、そのフレームの次のフレームにおけ
る512個の振幅とを比べても、あるいは、前記の次の
フレームの次のフレームにおける512個の振幅と比べ
ても、異なるフレームにおけるスペクトル間の変化量が
極めて少ないことが確められてもいる。
【0010】一方、時間軸上で連続している順次のフレ
ームにおける位相の予測は困難であろうことは、順次の
フレームの繰返し時間と、信号の周波数との間は無関係
であり、信号の位相と無関係にフレームが始まり、終了
することから考えても明らかであり、このことから従来
は直交変換による信号予測が困難であるとされて来てい
る。そして、標本化周波数を44.1KHzとし、フレ
ーム長として1024点の標本数を有するものとして、
実際にピアノの音の信号をFFT演算して得たFFT演
算結果によるある1つのフレームにおける512個の位
相の分布をみても、その位相の分布はランダムであるた
めに、その位相の分布によって次のフレームにおける5
12個の位相の分布を予測することはできないことが判
った。
【0011】本出願人会社による前記した既提案の発明
者の高橋氏は、時間軸上の順次のフレームにおける1つ
のフレームについての位相情報を用いても、他のフレー
ムの位相情報の予測を行なうことはできないが、2つの
フレームについて、それぞれのフーリエ変換フレーム毎
のフーリエ変換の結果として求められた同一な所定数の
離散周波数毎の位相情報間の位相情報の変化態様が時間
軸上で一定であるとすればその関係を用いることにより
他のフレームの位相情報の予測も可能となる、というこ
とに着目して、前記した「2つのフレームについて、そ
れぞれのフーリエ変換フレーム毎のフーリエ変換の結果
として求められた同一な所定数の離散周波数毎の位相情
報間の位相情報の変化態様は時間軸上で一定である」と
いう仮説(以下、高橋の仮説と記載する)を立て、実際
に、単一の周波数の正弦波信号、複数の周波数の正弦波
信号の合成信号、楽器(ピアノ)の音の信号、等の各種
の信号を用いて実験を行なってみたところ、前記の仮説
に従って予測したフレームの位相と実際のフレームの位
相とが、実用的に一致していると認められる程度に正し
い予測結果が得られており、高橋の仮説が実用上で成立
つとすることは各種の実験結果によって裏付けられてい
る。
【0012】高橋の仮説によれば、図11中に示されて
いる例えばフレーム1における離散的な各周波数毎に求
めたN/2個の位相項のデータθi(1)と、例えばフレ
ーム2における離散的な各周波数毎に求めたN/2個の
位相項のデータθi(2)と、例えばフレーム3における
離散的な各周波数毎に求めたN/2個の位相項のデータ
θi(3)と、例えばフレーム4における離散的な各周波
数毎に求めたN/2個の位相項のデータθi(4)とにお
ける、互に同一の周波数値における位相項のデータにつ
いて、フレーム1における位相項のデータが例えばθ1
であり、またフレーム2における位相項のデータが例え
ばθ2であり、さらにフレーム3における位相項のデー
タが例えばθ3であり、さらにまたフレーム4における
位相項のデータが例えばθ4であったとした場合に、θ2
−θ1≒θ3−θ2≒θ4−θ3≒Δθaのように各フレー
ム間における位相の変化量が略々同一となる、というも
のであるから、この仮説が成立つとするならば、2つの
フレームについてそれぞれの離散的な各周波数毎に求め
たN/2個の位相項における互に対応しているすべての
周波数値の位相項のデータ間の位相の差を知れば、前記
した2つのフレームとは異なる他のフレームの位相の予
測を行なうことができるのであり、具体的にいうと、前
記した例のように、フレーム1におけるある特定な周波
数値faの位相項のデータがθ1で、フレーム2におけ
るある特定な周波数値faの位相項のデータがθ2であ
る場合には、前記したフレーム2の次のフレームにおけ
るある特定な周波数値faの位相項のデータθ3を、 θ3
≒θ2+(θ2−θ1)=2θ2−θ1 …(a)のように予
測する、というようにして、前記のような位相の予測を
フレーム1,2中の離散的な各周波数のすべてについて
個々に行なうことにより、フレーム3の信号の位相の予
測が可能である、としているのである。
【0013】前記した高橋の仮説に従うと、1つのフレ
ームの位相情報、例えばフレーム1だけの位相情報が判
っても、その位相情報を用いて他のフレームの位相情報
を予測することは不可能であるが、2つのフレームの位
相情報が判れば、他のフレームの位相情報を予測するこ
とが可能となるのであり、隣接している2つのフレー
ム、例えばフレーム1の位相情報とフレーム2の位相情
報とが判かれば、前記した2つのフレーム以外の他のフ
レームの位相情報の予測が可能であることを示してお
り、また、1フレームの時間長のK倍だけ離れている2
つのフレーム、例えばフレーム1の位相情報とフレーム
4の位相情報とが判かれば、フレーム4から1フレーム
の時間長のK倍だけ離れている他のフレーム、例えばフ
レーム7の位相情報を予測することも可能なのであっ
て、前記した高橋の仮説を一般的に表現すると、「予め
定められた一定の時間長を有するように音響信号から切
出された順次の各フーリエ変換フレームにおける第1,
第2の各フーリエ変換フレームに同じ窓関数を用いて離
散的にフーリエ変換して、前記した第1,第2の各フー
リエ変換フレーム毎のフーリエ変換の結果として求めら
れた同一な所定数の離散周波数毎のデータにより、前記
した第1,第2の各フーリエ変換フレーム毎に、それぞ
れの離散周波数毎の位相情報を得て、前記した第1,第
2の各フーリエ変換フレームにおいて互に対応している
同一な離散周波数毎の位相情報の変化の態様を求め、前
記した個々の離散周波数毎の位相情報の変化の態様が時
間軸上で一定であるとして、前記した第1の時間位置と
第2の時間位置との時間差の整数倍の時間位置に存在し
ている第3の時間位置のフーリエ変換フレーム内の所定
数の離散周波数の個々の位相情報を決定して、第3の時
間位置のフーリエ変換フレームの位相情報を予測でき
る」とすることができる。
【0014】図9に示すブロック図は、前記したような
高橋の仮説による音響信号の位相予測技術を応用して、
記録,伝送の対象にされる信号の情報量の圧縮を行なっ
て記録,伝送を行なう場合に、各フレーム毎に振幅の残
差信号Ai(m)−Ai(m-1)と、位相の残差信号Δθi
(m)=θi(m)−{2θi(m-1)−θi(m-2)}とを記
録,伝送するように構成されたエンコーダの構成例を示
したものであり、また図10はデコーダの構成例を示し
ている。前記の各残差信号は、予測が当っていれば零に
なるが、通常は予測値との僅かなずれが発生するから、
前記の残差信号が零になることは少ないが元の信号の情
報量に比べで残差信号の情報量は遥かに少ないものにな
る。
【0015】図9において、1は記録,伝送の対象にさ
れているデジタル音響信号の入力端子であり、前記した
デジタル音響信号の入力端子1に供給されたデジタル音
響信号から、オーバーラップ部2によってオーバーラッ
プされた状態で予め定められた一定の時間長を有するよ
うに切出された順次のフーリエ変換フレームは、窓関数
処理部3がおいて、それぞれが例えばN点の標本点を有
する期間毎に窓関数が乗算されて、順次の各フレームの
繋ぎ目を互に重複させて緩やかに繋がるような状態の順
次の1フレーム期間となるようにされた後に、ブロック
4において高速フーリエ変換演算(FFT演算)が行なわ
れる。FFT演算の結果としてそれぞれのフーリエ変換
フレーム毎に、同一の一定な周波数間隔f{ただし各1
フレーム毎のフーリエ変換フレームにおけるデータ数標
本数をNとし、標本化周波数をfsとして、f=fs/
N}を有するN個の離散的な周波数毎に実数部(Rea
l)振幅と、虚数部(Imag)振幅とからなるFFT演
算結果のデータが得られる。
【0016】前記のようにFFT演算の結果として得ら
れたN個の離散的な周波数毎のデータは、それぞれの離
散的な周波数のデータ毎に、それぞれ異なる信号処理装
置によって信号処理が行なわれるのであるが、図9には
N個の信号処理装置の内の1個の信号処理装置の構成だ
けが例示されている。図9において前記の信号処理装置
は直交座標→極座標変換部6とマルチプレクサ18との
間の構成部分である。FFT演算の結果として得られた
N個の離散的な周波数毎の実数部と虚数部とからなる特
定な離散的な周波数のデータは、直交座標→極座標変換
部6において極座標変換されて振幅項と位相項とに分離
された後に、既述の数1に従った振幅の計算と、既述の
数2に従った位相の計算とが行なわれることにより、順
次のフレームについて前記した離散的な各周波数毎に、
合成振幅項Ai(m)と位相項θi(m)とを求められ
る。前記した直交座標→極座標変換部6の計算結果とし
て得られる特定な離散的な周波数の合成振幅項Ai
(m)はラッチ回路7と減算器8とデータセレクタ9と
に供給される。前記したデータセレクタ9は、端子34
に供給される切換信号によって、前記した合成振幅項A
i(m)による設定データと、前記した減算器8から出
力された残差データとの何れか一方を選択してマルチプ
レクサ18に出力させる。前記したデータセレクタ9の
切換動作は、後述のデータセレクタ16の切換動作と連
動して行なわれる。
【0017】また、前記した直交座標→極座標変換部6
の計算結果として得られる特定な離散的な周波数の位相
項θi(m)はラッチ回路10と減算器14とデータセ
レクタ16とに供給される。m番目のフレームにおける
特定な離散的な周波数(今、仮にfaとする)の位相の
計算結果として直交座標→極座標変換部6から出力され
た位相θi(m)のデータがラッチ回路10に保持され
る以前にラッチ回路10に保持されていた位相のデー
タ、すなわちm-1番目のフレームにおける特定な離散的
な周波数faの位相の計算結果として直交座標→極座標
変換部6から出力されていた位相θi(m-1)のデータ
は、位相予測部PFCにおけるラッチ回路12に保持さ
れる。前記した位相予測部PFCは、図示の構成例では
ラッチ回路12と利得が2の増幅器11と、減算器13
とによって構成されている。前記した位相θi(m-1)の
データがラッチ回路12に保持される以前にラッチ回路
12に保持されていた位相のデータ、すなわち、m-2番
目のフレームにおける特定な離散的な周波数faの位相
の計算結果として直交座標→極座標変換部6から出力さ
れていた位相θi(m-2)のデータは、減算器13に対し
て減数信号として供給されており、前記の減算器13に
対して被減数信号として供給されているのは、前記した
利得が2の増幅器11からの出力であるから、前記の減
算器13から出力される予測位相のデータ、すなわち、
位相予測部PFCから出力される予測位相のデータは2
θi(m-1)−θi(m-2)である。
【0018】前記の直交座標→極座標変換部6の計算結
果として得られる特定な離散的な周波数の位相θi(m)
は、ラッチ回路10と減算器13とデータセレクタ16
とに供給される。m番目のフレームにおける特定な離散
的な周波数(今、仮にfaとする)の位相の計算結果と
して直交座標→極座標変換部6から出力された位相θi
(m)のデータがラッチ回路10に保持される以前にラッ
チ回路10に保持されていた位相のデータ、すなわちm
-1番目のフレームにおける特定な離散的な周波数faの
位相の計算結果として直交座標→極座標変換部6から出
力されていた位相θi(m-1)のデータは、ラッチ回路1
2と利得が2の増幅器11と、減算器13とによって構
成されている位相予測部PFCにおけるラッチ回路12
に保持される。なお端子5はシフトクロック信号の供給
端子である。前記した位相θi(m-1)のデータがラッチ
回路12に保持される以前にラッチ回路12に保持され
ていた位相のデータ、すなわち、m-2番目のフレームに
おける特定な離散的な周波数faの位相の計算結果とし
て直交座標→極座標変換部6から出力されていた位相θ
i(m-2)のデータは、減算器13に対して減数信号とし
て供給されており、前記の減算器13に対して被減数信
号として供給されているのは、前記した利得が2の増幅
器11からの出力であるから、前記の減算器13から出
力される予測位相のデータ、すなわち、位相予測部PF
Cから出力される予測位相のデータは2θi(m-1)−θ
i(m-2)である。
【0019】前記した位相予測部PFCから出力された
予測位相のデータ2θi(m-1) −θi(m-2)が、減算
器14において実際の位相データθi(m)から減算され
ることによって、前記の減算器14からは位相残差信号
Δθi(m)=θi(m)-{2θi(m-1)−θi(m-2)}
が出力されて、それがデータセレクタ16を介して量子
化スケーリング部17に供給され、そこで、周波数に従
って量子化サイズが設定された後に、マルチプレクサ1
8に供給される。前記したマルチプレクサ18では、特
定な離散的な周波数(今、仮にfaとする)の振幅残差
信号ΔAi(m)と、特定な離散的な周波数faの位相
残差信号Δθi(m)とを合わせて出力端子19に供給す
る。なお、前記した出力端子19には、少なくとも1度
はオリジナルの振幅成分Ai(m)や、位相成分θi
(m)、供給されていることはいうまでもない。そして前
記したマルチプレクサ18には、フーリエ変換フレーム
内の所定数の離散周波数毎の振幅残差信号ΔAi(m)
と、位相残差信号Δθi(m)とを発生させている他のす
べての信号処理回路からの出力データも供給されている
から、マルチプレクサ18からは、情報量が圧縮された
状態の音響信号のデータが出力されて、出力端子19を
介して伝送路に送出されることになる。
【0020】次に図10を参照して伝送系の受信側の一
例構成について説明する。図10において、20は受信
側に設けられたデコーダの入力端子であり、この入力端
子20には、図9を参照して既述した送信側から伝送路
(図示していない)を介して受信側に伝送されて来た情報
量が圧縮された状態の音響信号のデータ、すなわちフー
リエ変換フレーム内の所定数の離散周波数毎の振幅残差
信号ΔAi(m)と、位相残差信号とを含んで構成されて
いる音響信号のデータから、図示されていないデ・マル
チプレクサによって分離された、特定な離散周波数毎の
振幅残差信号ΔAi(m)と、位相残差信号Δθi(m)
とを含んでいる信号が供給されている。前記した入力端
子20に供給された特定な離散周波数毎の振幅残差信号
ΔAi(m)と位相残差信号Δθi(m)とを含んでいる
信号は、ある特定な離散的な周波数のデータについての
信号処理を行なう信号処理装置によって所定の信号処理
を受ける。図10にはある特定な離散的な周波数のデー
タについての信号処理を行なう1個の信号処理装置が代
表的に示されている。
【0021】入力端子20に特定な離散周波数のオリジ
ナルの振幅成分Ai(m)や、位相成分θi(m)、及び
振幅残差信号ΔAi(m)や位相残差信号Δθi(m)な
どを含んで構成されている信号が供給された信号処理回
路では、デマルチプレクサ21によって特定な離散周波
数(今、仮にfaとする)のオリジナルの振幅成分Ai
(m)や、位相成分θi(m)、及び振幅残差信号ΔAi
(m)や位相残差信号Δθi(m)を分離して、振幅成分
の信号処理回路と、位相成分の処理回路とに供給する。
図10においてラッチ回路24から加算器25に与えら
れているデータは、前記したデマルチプレクサ21から
加算器25に与えられている振幅残差信号ΔAi(m)
が、m番目のフレームにおける振幅残差信号ΔAi(m)
である場合には、m-1番目のフレームの合成振幅項のデ
ータAi(m-1)であるから、加算器25においてm-1番
目のフレームの合成振幅項のデータAi(m-1)と、m番
目のフレームにおける振幅残差信号ΔAi(m)とが加
算されて、加算器25からはm番目のフレームの合成振
幅項のデータAi(m)が出力され、それがラッチ回路2
4によって保持されるとともに、データセレクタ26を
介して極座標→直角座標変換部27に供給される。
【0022】また前記のようにデマルチプレクサ21に
よって分離された特定な離散周波数(今、仮にfaとす
る)のオリジナルの振幅成分Ai(m)や、位相成分θ
i(m)及び振幅残差信号ΔAi(m)や位相残差信号Δ
θi(m)とにおける位相成分θi(m)及び位相残差信号
Δθi(m)は、再量子化器22によって再量子化され
た後に、加算器29とデータセレクタ30とに供給され
ている。前記した加算器29から出力されるデータが、
m番目のフレームにおける特定な離散的な周波数の位相
項のデータθi(m)となることは、前記した加算器29
で加算される2つのデータが、デマルチプレクサ21か
ら加算器29に与えられている位相残差信号Δθi(m)
が、m番目のフレームにおける位相残差信号Δθi(m)
と、位相予測部PFCから出力された2θi(m-1)−θ
i(m-2)とであるからである。前記した加算器29から
出力されたm番目のフレームにおける特定な離散的な周
波数の位相項のデータθi(m)は、データセレクタ30
を介して極座標→直角座標変換部27に供給されるとと
もに、ラッチ回路28に供給されている。なお、端子2
3にはシフトクロック信号が供給されている。
【0023】前記した加算器29から出力された位相θ
i(m)のデータがラッチ回路28に保持される以前に、
ラッチ回路28に保持されていた位相のデータ、すなわ
ち、m-1番目のフレームにおける特定な離散的な周波数
faの位相θi(m-1)のデータは、ラッチ回路12と利
得が2の増幅器11と、減算器13とによって構成され
ている位相予測部PFCにおけるラッチ回路12に保持
される。前記した位相θi(m-1)のデータがラッチ回路
12に保持される以前にラッチ回路12に保持されてい
た位相のデータ、すなわち、m-2番目のフレームにおけ
る特定な離散的な周波数faの位相θi(m-2)のデータ
は、減算器13に対して減数信号として供給されてお
り、前記の減算器13に対して被減数信号として供給さ
れているのは、前記した利得が2の増幅器11からの出
力であるから、前記の減算器13から出力される予測位
相のデータ、すなわち、位相予測部PFCから出力され
る予測位相のデータθi(m)は2θi(m-1)−θi(m-
2)である。それで、前記した位相予測部PFCから出
力された予測位相のデータθi(m)=2θi(m-1) −
θi(m-2)と、m番目のフレームの位相残差信号Δθi
(m)=θi(m)−{2θi(m-1) −θi(m-2)}と
が加算器29で加算されると、加算器29からはm番目
のフレームにおける特定な離散的な周波数faの位相項
のデータθi(m)が出力されることになる。
【0024】前記のように加算器25から出力されたm
番目のフレームの合成振幅項のデータAi(m)と、加算
器29から出力されたm番目のフレームにおける特定な
離散的な周波数の位相項のデータθi(m)とが、それぞ
れ、所定のデータセレクタ26,30を介して極座標→
直角座標変換部27に供給されることにより、極座標→
直角座標変換部27では、前記したm番目のフレームの
合成振幅項のデータAi(m)と、加算器29から出力さ
れたm番目のフレームにおける特定な離散的な周波数の
位相項のデータθi(m)とによって、前記した特定な離
散的な周波数faにおける実数部(Real)振幅と、虚
数部(Imag)振幅とを計算により求めて出力し、それ
を逆FFT演算部31に供給する。前記した逆FFT演
算部31には、フーリエ変換フレーム内の所定数の離散
周波数毎に設けられているすべての信号処理回路からの
出力データが供給されているから、逆FFT演算部31
からはもとの音響信号のデータが復原され、それに窓関
数処理部32と、オーバーラップ加算部33とにおいて
窓関数の乗算とオーバーラップ加算とが施されることに
より、もとのデジタル音響信号に復原されて出力端子3
5に送出されることになる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】そして、前記した本出
願人会社の既提案の「音響信号の位相予測方法」を応用
して音響信号の伝送(記録,再生)を行なえば、音響信
号を高能率符号化して伝送(記録,再生)できるため
に、所期の効果が得られるのであるが、なお一層の高能
率符号化によりデータ量を圧縮し、しかも、高品質の状
態で音響信号を伝送(記録,再生)することのできる音
響信号の伝送方法が求められた。それで本出願人会社で
は、先に、特願平4ー265340号において、予め定
められた一定の時間長を有するように音響信号から切出
された順次の各フーリエ変換フレームの信号に同じ窓関
数を用いて離散的にフーリエ変換し、前記した各フーリ
エ変換フレーム毎のフーリエ変換の結果として求められ
た同一な所定数の離散周波数毎のデータを用いて、前記
した各フーリエ変換フレーム毎に得た各離散周波数毎の
振幅成分と位相成分とを、それぞれ、高能率符号化した
後に伝送する音響信号の伝送方法において、順次のフー
リエ変換フレーム毎にフーリエ変換の結果として求めた
同一な所定数の離散周波数毎のデータから得た位相成分
の内で、最初に伝送すべきフーリエ変換フレームにおけ
る位相成分を初期設定データとして伝送し、予め定めら
れた間隔を隔てて選択された2つのフーリエ変換フレー
ムにおける位相成分によって決定される傾斜を公差とす
る等差数列により、前記した2つのフーリエ変換フレー
ムの間に存在している各フーリエ変換フレームにおける
位相成分についての予測を行なって得た位相成分の予測
残差と、前記した公差データとを伝送するようにした音
響信号の伝送方法、及び順次のフーリエ変換フレーム毎
にフーリエ変換の結果として求めた同一な所定数の離散
周波数毎のデータから得た位相成分の内で、N(ただ
し、Nは3以上の自然数)個のフーリエ変換フレームに
おける1番目のフーリエ変換フレームの位相成分を初期
設定データとして伝送するようにし、また前記したN個
のフーリエ変換フレームにおける1番目のフーリエ変換
フレームの位相成分とN番目のフーリエ変換フレームの
位相成分によって決定される傾斜を公差とする等差数列
により、前記したN個のフーリエ変換フレームにおける
1番目のフーリエ変換フレームとN番目のフーリエ変換
フレームとの間に存在する各フーリエ変換フレームにお
ける位相成分の予測を行なって得た位相成分の予測残差
と前記した公差データとを伝送するようにした音響信号
の伝送方法、その他の音響信号の伝送方法を提案してい
る。
【0026】そして、前記した本出願人会社による既提
案の音響信号の伝送方法によれば、音響信号を高能率符
号化して伝送することを可能にしたが、前記した既提案
の音響信号の伝送方法では、予め定められた2つのフー
リエ変換フレームにおけるリ相成分によって決定される
傾斜を公差とする等差数列により、前記した2個のフー
リエ変換フレームの間に存在する各フーリエ変換フレー
ムにおける位相成分の予測を行なって位相成分の予測残
差を得ているから、前記した2個のフーリエ変換フレー
ムの選択が適当でない場合には、例えば図4の(a),
(b)中の実線で示されている直線と、各フーリエ変換
フレームにおける位相成分との隔たりによって表わされ
ている残差が大きなものになるということが問題にな
り、それの解決策が求められた。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、予め定められ
た一定の時間長を有するように音響信号から切出された
順次の各フーリエ変換フレームの信号に同じ窓関数を用
いて離散的にフーリエ変換し、前記した各フーリエ変換
フレーム毎のフーリエ変換の結果として求められた同一
な所定数の離散周波数毎のデータを用いて、前記した各
フーリエ変換フレーム毎に得た各離散周波数毎の振幅成
分と位相成分とを、それぞれ高能率符号化した後に伝送
する音響信号の伝送方法において、順次のフーリエ変換
フレーム毎にフーリエ変換の結果として求めた同一な所
定数の離散周波数毎のデータから得た位相成分の内で、
最初に伝送すべきフーリエ変換フレームにおける位相成
分を初期設定データとして伝送するとともに、連続する
3個以上のフーリエ変換フレームを個々の群として設定
された順次のフーリエ変換フレーム群について、各フー
リエ変換フレーム群毎に、フーリエ変換フレーム群の一
方の端部のフーリエ変換フレームにおける位相成分と、
その群における他の個々のフーリエ変換フレームにおけ
る位相成分とによってそれぞれ個別に決定される傾斜の
値の算術平均値を、それぞれのフーリエ変換フレーム群
の公差データとして伝送するようにした音響信号の伝送
方法、及び前記の音響信号の伝送方法において、順次の
フーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換の結果として求
めた同一な所定数の離散周波数毎のデータから得た位相
成分の内で、最初に伝送すべきフーリエ変換フレームに
おける位相成分を初期設定データとして伝送するととも
に、連続する3個以上のフーリエ変換フレームを個々の
群として設定された順次のフーリエ変換フレーム群につ
いて、各フーリエ変換フレーム群毎に、フーリエ変換フ
レーム群を構成している各フーリエ変換フレームにおけ
る位相成分を用いて最小二乗法の適用により決定される
傾斜の値を、それぞれのフーリエ変換フレーム群の公差
データとして伝送するようにした音響信号の伝送方法、
ならびに前記の音響信号の伝送方法において、順次のフ
ーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換の結果として求め
た同一な所定数の離散周波数毎のデータから得た位相成
分の内で、最初に伝送すべきフーリエ変換フレームにお
ける位相成分を初期設定データとして伝送するととも
に、連続する3個以上のフーリエ変換フレームを個々の
群として設定された順次のフーリエ変換フレーム群につ
いて、各フーリエ変換フレーム群毎に、フーリエ変換フ
レーム群の一方の端部のフーリエ変換フレームにおける
位相成分と、その群における他の個々のフーリエ変換フ
レームにおける位相成分とによってそれぞれ個別に決定
される傾斜の値の算術平均値を、それぞれのフーリエ変
換フレーム群の公差とする等差数列により、前記した個
々のフーリエ変換フレーム群に属する各フーリエ変換フ
レームにおける位相成分についての予測を行なって得た
位相成分の予測残差と、前記した公差データとを伝送す
るようにした音響信号の伝送方法、及び前記の音響信号
の伝送方法において、順次のフーリエ変換フレーム毎に
フーリエ変換の結果として求めた同一な所定数の離散周
波数毎のデータから得た位相成分の内で、最初に伝送す
べきフーリエ変換フレームにおける位相成分を初期設定
データとして伝送するとともに、連続する3個以上のフ
ーリエ変換フレームを個々の群として設定された順次の
フーリエ変換フレーム群について、各フーリエ変換フレ
ーム群毎に、前記のフーリエ変換フレーム群を構成して
いる各フーリエ変換フレームにおける位相成分を用いて
最小二乗法の適用により決定される傾斜の値を、それぞ
れのフーリエ変換フレーム群の公差とする等差数列によ
り個々のフーリエ変換フレーム群に属する各フーリエ変
換フレームにおける位相成分についての予測を行なって
得た位相成分の予測残差と、前記した公差データとを伝
送するようにした音響信号の伝送方法、及び前記の音響
信号の伝送方法において、順次のフーリエ変換フレーム
毎にフーリエ変換の結果として求めた同一な所定数の離
散周波数毎のデータから得た位相成分の内で、N(ただ
し、Nは3以上の自然数)個のフーリエ変換フレームに
おける1番目のフーリエ変換フレームの位相成分を初期
設定データとして伝送するようにし、また前記したN個
のフーリエ変換フレームにおける1番目のフーリエ変換
フレームの位相成分と他のN−1個のフーリエ変換フレ
ームの個々の位相成分とによってそれぞれ個別に決定さ
れる傾斜の値の算術平均値を、それぞれのフーリエ変換
フレーム群の公差データとして伝送するようにした音響
信号の伝送方法、及び前記の音響信号の伝送方法におい
て、順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換の結
果として求めた同一な所定数の離散周波数毎のデータか
ら得た位相成分の内で、N(ただし、Nは3以上の自然
数)個のフーリエ変換フレームにおける1番目のフーリ
エ変換フレームの位相成分を初期設定データとして伝送
するようにし、また前記したN個のフーリエ変換フレー
ムにおける位相成分を用いて最小二乗法の適用により決
定される傾斜の値を公差データとして伝送するようにし
た音響信号の伝送方法、及び前記の音響信号の伝送方法
において、順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変
換の結果として求めた同一な所定数の離散周波数毎のデ
ータから得た位相成分の内で、N(ただし、Nは3以上
の自然数)個のフーリエ変換フレームにおける1番目の
フーリエ変換フレームの位相成分を初期設定データとし
て伝送するようにし、また前記したN個のフーリエ変換
フレームにおける1番目のフーリエ変換フレームの位相
成分と他のN−1個のフーリエ変換フレームの個々の位
相成分とによってそれぞれ個別に決定される傾斜の値の
算術平均値を、それぞれのフーリエ変換フレーム群の公
差データとする等差数列により、前記したN個のフーリ
エ変換フレームにおける1番目のフーリエ変換フレーム
とN番目のフーリエ変換フレームとの間に存在する各フ
ーリエ変換フレームにおける位相成分の予測を行なって
得た位相成分の予測残差と、前記した公差データとを伝
送するようにした音響信号の伝送方法、ならびに前記の
音響信号の伝送方法において、順次のフーリエ変換フレ
ーム毎にフーリエ変換の結果として求めた同一な所定数
の離散周波数毎のデータから得た位相成分の内で、N
(ただしNは3以上の自然数)個のフーリエ変換フレー
ムにおける1番目のフーリエ変換フレームの位相成分を
初期設定データとして伝送するようにし、また前記した
N個のフーリエ変換フレームにおける位相成分を用いて
最小二乗法の適用により決定される傾斜の値を公差デー
タとする等差数列により、前記したN個のフーリエ変換
フレームにおける1番目のフーリエ変換フレームとN番
目のフーリエ変換フレームとの間に存在する各フーリエ
変換フレームにおける位相成分の予測を行なって得た位
相成分の予測残差と、前記した公差データとを伝送する
ようにした音響信号の伝送方法を提供する。
【0028】
【作用】予め定められた一定の時間長を有するように音
響信号から切出された順次の各フーリエ変換フレームの
信号に同じ窓関数を用いて離散的にフーリエ変換し、前
記した各フーリエ変換フレーム毎のフーリエ変換の結果
として求められた同一な所定数の離散周波数毎のデータ
を用いて、前記した各フーリエ変換フレーム毎に得た各
離散周波数毎の位相成分の内で、最初に伝送すべきフー
リエ変換フレームにおける位相成分を初期設定データと
して伝送するとともに、連続する3個以上のフーリエ変
換フレームを個々の群として設定された順次のフーリエ
変換フレーム群について、各フーリエ変換フレーム群毎
に、フーリエ変換フレーム群の一方の端部のフーリエ変
換フレームにおける位相成分と、その群における他の個
々のフーリエ変換フレームにおける位相成分とによって
それぞれ個別に決定される傾斜の値の算術平均値を、そ
れぞれのフーリエ変換フレーム群の公差データとして伝
送する。予め定められた一定の時間長を有するように音
響信号から切出された順次の各フーリエ変換フレームの
信号に同じ窓関数を用いて離散的にフーリエ変換し、前
記した各フーリエ変換フレーム毎のフーリエ変換の結果
として求められた同一な所定数の離散周波数毎のデータ
を用いて、前記した各フーリエ変換フレーム毎に得た各
離散周波数毎の位相成分の内で、最初に伝送すべきフー
リエ変換フレームにおける位相成分を初期設定データと
して伝送するとともに、連続する3個以上のフーリエ変
換フレームを個々の群として設定された順次のフーリエ
変換フレーム群について、前記した各フーリエ変換フレ
ーム群毎に、フーリエ変換フレーム群を構成している各
フーリエ変換フレームにおける位相成分を用いて最小二
乗法の適用により決定される傾斜の値を、それぞれのフ
ーリエ変換フレーム群の公差データとして伝送する。順
次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換の結果とし
て求めた同一な所定数の離散周波数毎のデータから得た
位相成分の内で、最初に伝送すべきフーリエ変換フレー
ムにおける位相成分を初期設定データとして伝送すると
ともに、連続する3個以上のフーリエ変換フレームを個
々の群として設定された順次のフーリエ変換フレーム群
について、前記した各フーリエ変換フレーム群毎に、フ
ーリエ変換フレーム群の一方の端部のフーリエ変換フレ
ームにおける位相成分と、その群における他の個々のフ
ーリエ変換フレームにおける位相成分とによってそれぞ
れ個別に決定される傾斜の値の算術平均値を、それぞれ
のフーリエ変換フレーム群の公差とする等差数列によ
り、個々のフーリエ変換フレーム群に属する各フーリエ
変換フレームにおける位相成分についての予測を行なっ
て得た位相成分の予測残差と、前記した公差データとを
伝送する。順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変
換の結果として求めた同一な所定数の離散周波数毎のデ
ータから得た位相成分の内で、最初に伝送すべきフーリ
エ変換フレームにおける位相成分を初期設定データとし
て伝送するとともに、連続する3個以上のフーリエ変換
フレームを個々の群として設定された順次のフーリエ変
換フレーム群について、前記した各フーリエ変換フレー
ム群毎に、フーリエ変換フレーム群を構成している各フ
ーリエ変換フレームにおける位相成分を用いて最小二乗
法の適用により決定される傾斜の値を、それぞれのフー
リエ変換フレーム群の公差とする等差数列により、個々
のフーリエ変換フレーム群に属する各フーリエ変換フレ
ームにおける位相成分についての予測を行なって得た位
相成分の予測残差と、前記した公差データとを伝送す
る。順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換の結
果として求めた同一な所定数の離散周波数毎のデータか
ら得た位相成分の内で、N(ただし、Nは3以上の自然
数)個のフーリエ変換フレームにおける1番目のフーリ
エ変換フレームの位相成分を初期設定データとして伝送
するとともに、前記したN個のフーリエ変換フレームに
おける1番目のフーリエ変換フレームの位相成分と他の
N−1個のフーリエ変換フレームの個々の位相成分とに
よってそれぞれ個別に決定される傾斜の値の算術平均値
を、それぞれのフーリエ変換フレーム群の公差データと
して伝送する。 順次のフーリエ変換フレーム毎にフー
リエ変換の結果として求めた同一な所定数の離散周波数
毎のデータから得た位相成分の内で、N(ただし、Nは
3以上の自然数)個のフーリエ変換フレームにおける1
番目のフーリエ変換フレームの位相成分を初期設定デー
タとして伝送するとともに、前記したN個のフーリエ変
換フレームにおける位相成分を用いて最小二乗法の適用
により決定される傾斜の値を公差データとして伝送す
る。順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換の結
果として求めた同一な所定数の離散周波数毎のデータか
ら得た位相成分の内で、N(ただし、Nは3以上の自然
数)個のフーリエ変換フレームにおける1番目のフーリ
エ変換フレームの位相成分を初期設定データとして伝送
するとともに、前記したN個のフーリエ変換フレームに
おける1番目のフーリエ変換フレームの位相成分と他の
N−1個のフーリエ変換フレームの個々の位相成分とに
よってそれぞれ個別に決定される傾斜の値の算術平均値
を、それぞれのフーリエ変換フレーム群の公差データと
する等差数列により、前記したN個のフーリエ変換フレ
ームにおける1番目のフーリエ変換フレームとN番目の
フーリエ変換フレームとの間に存在する各フーリエ変換
フレームにおける位相成分の予測を行なって得た位相成
分の予測残差と、前記した公差データとを伝送する。順
次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換の結果とし
て求めた同一な所定数の離散周波数毎のデータから得た
位相成分の内で、N(ただし、Nは3以上の自然数)個
のフーリエ変換フレームにおける1番目のフーリエ変換
フレームの位相成分を初期設定データとして伝送すると
ともに、前記したN個のフーリエ変換フレームにおける
位相成分を用いて最小二乗法の適用により決定される傾
斜の値を公差データとする等差数列により、前記したN
個のフーリエ変換フレームにおける1番目のフーリエ変
換フレームとN番目のフーリエ変換フレームとの間に存
在する各フーリエ変換フレームにおける位相成分の予測
を行なって得た位相成分の予測残差と、前記した公差デ
ータとを伝送する。
【0029】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の音響信号
の伝送方法の具体的内容について詳細に説明する。図1
及び図3は本発明の音響信号の伝送方法に使用されるエ
ンコーダの構成例を示すブロック図、図2は本発明の音
響信号の伝送方法に使用されるデコーダの構成例を示す
ブロック図、図4乃至図8は本発明の音響信号の伝送方
法の説明に使用される図、図9は既提案の音響信号の伝
送方法に使用されるエンコーダの構成例を示すブロック
図、図10は既提案の音響信号の伝送方法に使用される
デコーダの構成例を示すブロック図、図11は既提案の
音響信号の伝送方法の説明に用いられる図である。本発
明の音響信号の伝送方法で使用されるエンコーダの構成
例を示す図1及び図3において図9を参照して既述した
既提案の音響信号の伝送方法で使用されるエンコーダに
おける構成部分と対応する構成部分には、図9に示され
ているエンコーダで使用した図面符号と同一の図面符号
を使用しており、また、本発明の音響信号の伝送方法で
使用されるデコーダの構成例を示す図2において、図1
0を参照して既述した既提案の音響信号の伝送方法で使
用されるエンコーダにおける構成部分と対応する構成部
分には、図10に示されているエンコーダで使用した図
面符号と同一の図面符号を使用している。
【0030】本発明の音響信号の伝送方法で使用される
エンコーダの構成例を示している図1及び図3におい
て、1は記録,伝送の対象にされているデジタル音響信
号の入力端子であり、前記したデジタル音響信号の入力
端子1に供給されたデジタル音響信号が、オーバーラッ
プ部2でオーバーラップされた状態で予め定められた一
定の時間長を有するように切出された順次のフーリエ変
換フレームは、窓関数処理部3において、それぞれが例
えばN点の標本点を有する期間毎に窓関数が乗算され
て、順次の各フレームの繋ぎ目を互に重複させて緩やか
に繋がるような状態の順次の1フレーム期間とされた後
に、ブロック4で示す高速フーリエ変換演算部4におい
て高速フーリエ変換演算(FFT演算)が行なわれる。
そして、前記した高速フーリエ変換演算部4におけるF
FT演算の結果としてそれぞれのフーリエ変換フレーム
毎に、同一の一定な周波数間隔f{ただし、各1フレー
ム毎のフーリエ変換フレームにおけるデータ数標本数を
Nとし、標本化周波数をfsとして、f=fs/N}を
有するN個の離散的な周波数毎に実数部(Real)振
幅と、虚数部(Imag)振幅とからなるFFT演算結
果のデータが得られる。
【0031】前記のようにFFT演算の結果として得ら
れたN個の離散的な周波数毎のデータは、それぞれの離
散的な周波数のデータ毎に、それぞれ異なる信号処理装
置により信号処理が行なわれるのであるが、図1及び図
3中にはN個の信号処理装置の内の1個の信号処理装置
の構成だけが、図中の直交座標→極座標変換部6とマル
チプレクサ18との間に示されている。FFT演算の結
果として得られたN個の離散的な周波数毎の実数部と虚
数部とからなる特定な離散的な周波数のデータは、直交
座標→極座標変換部6で極座標変換されて振幅項と位相
項とに分離された後に、既述の数1による振幅の計算
と、既述の数2による位相の計算とが行なわれることに
より、順次のフレームについて前記した離散的な各周波
数毎に、合成振幅項Ai(m)と位相項θi(m)とが
求められる。
【0032】そして、前記した直交座標→極座標変換部
6の計算結果として得られる特定な離散的な周波数の合
成振幅項Ai(m)は記憶装置(メモリ)36に供給されて
記憶され、また、前記した直交座標→極座標変換部6の
計算結果として得られる特定な離散的な周波数の位相項
θi(m)は記憶装置(メモリ)37に供給されて記憶さ
れる。前記したメモリ36としては、少なくとも現フレ
ームに関する情報と、1つ前のフレームに関する情報と
が記憶できるような機能を有するものが使用され、また
前記したメモリ37としては後述されているような信号
処理態様での位相成分に対する信号処理を行なうために
必要とされる予め定められたフレーム数の複数フレーム
に関する情報が記憶できるような機能を有するものが使
用される。
【0033】前記した直交座標→極座標変換部6の計算
結果として得られた特定な離散的な周波数の合成振幅項
の順次のデータが記憶されているメモリ36からは、図
示されていない制御装置の制御の下に、時間軸上で隣接
してメモリ36に記憶されていた2つの合成振幅項のデ
ータAi(m),Ai(m−1)が読出される。前記の2
つの合成振幅項のデータAi(m),Ai(m−1)の内
の一方の合成振幅項のデータAi(m)は、被減数信号
として減算器8に供給されるとともに、データセレクタ
9に供給され、また、前記の2つの合成振幅項のデータ
Ai(m),Ai(m−1)の内の他方の合成振幅項のデ
ータAi(m−1)は、減算器8に供給される。そして前
記したデータセレクタ9は、図示されていない制御装置
から出力される切換信号によって、前記した合成振幅項
Ai(m)による設定データと、前記した減算器8から出
力された残差データとの何れか一方を選択してマルチプ
レクサ18に出力させる。図3に示されているエンコー
ダの場合には、前記したデータセレクタ9の切換動作
が、後述のデータセレクタ16の切換動作と連動して行
なわれる。なお、前記したメモリ36に記憶されていた
データ、すなわち、直交座標→極座標変換部6の計算結
果として得られた特定な離散的な周波数の合成振幅項の
順次のデータに対して、マスキング法、データの間引き
等の各種の手法による適応量子化を施すなどによって、
より一層の高能率符号化が行なわれるようにすることは
望ましい実施の態様である。
【0034】図1に示されているエンコーダにおける前
記した直交座標→極座標変換部6の計算結果として得ら
れた特定な離散的な周波数の位相項θi(m)の順次のデ
ータが記憶されているメモリ37には、公差変化点決定
部38、公差計算部39、加算器40、量子化スケーリ
ング部17等の各構成部分が接続されており、また図3
に示されているエンコーダにおける前記した直交座標→
極座標変換部6の計算結果として得られた特定な離散的
な周波数の位相項θi(m)の順次のデータが記憶されて
いるメモリ37には、公差変化点決定部38、公差計算
部39、加算器40、減算器14とデータセレクタ16
等の各構成部分が接続されている。
【0035】本発明の音響信号の伝送方法に使用される
エンコーダとして示されている図1のエンコーダでは、
前記したメモリ37及び前記の各構成部分における信号
処理により、前記した各フーリエ変換フレーム毎のフ
ーリエ変換の結果として求められた同一な所定数の離散
周波数毎のデータを用いて、前記した各フーリエ変換フ
レーム毎に得た各離散周波数毎の位相成分の内で、最初
に伝送すべきフーリエ変換フレームにおける位相成分を
初期設定データとして伝送するとともに、連続する3個
以上のフーリエ変換フレームを個々の群として設定され
た順次のフーリエ変換フレーム群について、各フーリエ
変換フレーム群毎に、フーリエ変換フレーム群の一方の
端部のフーリエ変換フレームにおける位相成分と、その
群における他の個々のフーリエ変換フレームにおける位
相成分とによってそれぞれ個別に決定される傾斜の値の
算術平均値を、それぞれのフーリエ変換フレーム群の公
差データとして伝送するようにしたり、前記した各フ
ーリエ変換フレーム毎に得た各離散周波数毎の位相成分
の内で、最初に伝送すべきフーリエ変換フレームにおけ
る位相成分を初期設定データとして伝送するとともに、
連続する3個以上のフーリエ変換フレームを個々の群と
して設定された順次のフーリエ変換フレーム群につい
て、前記した各フーリエ変換フレーム群毎に、フーリエ
変換フレーム群を構成している各フーリエ変換フレーム
における位相成分を用いて最小二乗法の適用により決定
される傾斜の値を、それぞれのフーリエ変換フレーム群
の公差データとして伝送するようにしたり、順次のフ
ーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換の結果として求め
た同一な所定数の離散周波数毎のデータから得た位相成
分の内で、N(ただし、Nは3以上の自然数)個のフー
リエ変換フレームにおける1番目のフーリエ変換フレー
ムの位相成分を初期設定データとして伝送するととも
に、前記したN個のフーリエ変換フレームにおける1番
目のフーリエ変換フレームの位相成分と他のN−1個の
フーリエ変換フレームの個々の位相成分とによってそれ
ぞれ個別に決定される傾斜の値の算術平均値を、それぞ
れのフーリエ変換フレーム群の公差データとして伝送し
たり、順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換
の結果として求めた同一な所定数の離散周波数毎のデー
タから得た位相成分の内で、N(ただし、Nは3以上の
自然数)個のフーリエ変換フレームにおける1番目のフ
ーリエ変換フレームの位相成分を初期設定データとして
伝送するとともに、前記したN個のフーリエ変換フレー
ムにおける位相成分を用いて最小二乗法の適用により決
定される傾斜の値を公差データとして伝送したりする動
作を行なう。
【0036】また、本発明の音響信号の伝送方法に使用
されるエンコーダとして示されている図3のエンコーダ
では、前記したメモリ37及び前記の各構成部分におけ
る信号処理により、順次のフーリエ変換フレーム毎に
フーリエ変換の結果として求めた同一な所定数の離散周
波数毎のデータから得た位相成分の内で、最初に伝送す
べきフーリエ変換フレームにおける位相成分を初期設定
データとして伝送するとともに、連続する3個以上のフ
ーリエ変換フレームを個々の群として設定された順次の
フーリエ変換フレーム群について、前記した各フーリエ
変換フレーム群毎に、フーリエ変換フレーム群の一方の
端部のフーリエ変換フレームにおける位相成分と、その
群における他の個々のフーリエ変換フレームにおける位
相成分とによってそれぞれ個別に決定される傾斜の値の
算術平均値を、それぞれのフーリエ変換フレーム群の公
差とする等差数列により、個々のフーリエ変換フレーム
群に属する各フーリエ変換フレームにおける位相成分に
ついての予測を行なって得た位相成分の予測残差と、前
記した公差データとを伝送したり、順次のフーリエ変
換フレーム毎にフーリエ変換の結果として求めた同一な
所定数の離散周波数毎のデータから得た位相成分の内
で、最初に伝送すべきフーリエ変換フレームにおける位
相成分を初期設定データとして伝送するとともに、連続
する3個以上のフーリエ変換フレームを個々の群として
設定された順次のフーリエ変換フレーム群について、前
記した各フーリエ変換フレーム群毎に、フーリエ変換フ
レーム群を構成している各フーリエ変換フレームにおけ
る位相成分を用いて最小二乗法の適用により決定される
傾斜の値を、それぞれのフーリエ変換フレーム群の公差
とする等差数列により、個々のフーリエ変換フレーム群
に属する各フーリエ変換フレームにおける位相成分につ
いての予測を行なって得た位相成分の予測残差と、前記
した公差データとを伝送したり、順次のフーリエ変換
フレーム毎にフーリエ変換の結果として求めた同一な所
定数の離散周波数毎のデータから得た位相成分の内で、
N(ただし、Nは3以上の自然数)個のフーリエ変換フ
レームにおける1番目のフーリエ変換フレームの位相成
分を初期設定データとして伝送するとともに、前記した
N個のフーリエ変換フレームにおける1番目のフーリエ
変換フレームの位相成分と他のN−1個のフーリエ変換
フレームの個々の位相成分とによってそれぞれ個別に決
定される傾斜の値の算術平均値を、それぞれのフーリエ
変換フレーム群の公差データとする等差数列により、前
記したN個のフーリエ変換フレームにおける1番目のフ
ーリエ変換フレームとN番目のフーリエ変換フレームと
の間に存在する各フーリエ変換フレームにおける位相成
分の予測を行なって得た位相成分の予測残差と、前記し
た公差データとを伝送したり、順次のフーリエ変換フ
レーム毎にフーリエ変換の結果として求めた同一な所定
数の離散周波数毎のデータから得た位相成分の内で、N
(ただし、Nは3以上の自然数)個のフーリエ変換フレ
ームにおける1番目のフーリエ変換フレームの位相成分
を初期設定データとして伝送するとともに、前記したN
個のフーリエ変換フレームにおける位相成分を用いて最
小二乗法の適用により決定される傾斜の値を公差データ
とする等差数列により、前記したN個のフーリエ変換フ
レームにおける1番目のフーリエ変換フレームとN番目
のフーリエ変換フレームとの間に存在する各フーリエ変
換フレームにおける位相成分の予測を行なって得た位相
成分の予測残差と、前記した公差データとを伝送したり
する動作を行なう。
【0037】前記した本発明の音響信号の伝送方法に使
用される図1及び図3のエンコーダにおいて位相成分に
対して行なわれる信号処理による高能率符号化の〜
の態様において、前記した,の高能率符号化の態様
の場合には、連続する3個以上のフーリエ変換フレーム
を個々の群として設定された順次のフーリエ変換フレー
ム群について、前記した各フーリエ変換フレーム群毎
に、フーリエ変換フレーム群の一方の端部のフーリエ変
換フレームにおける位相成分と、その群における他の個
々のフーリエ変換フレームにおける位相成分とによって
それぞれ個別に決定される傾斜の値の算術平均値を、そ
れぞれのフーリエ変換フレーム群の公差とし、また、前
記した,の高能率符号化の態様の場合には連続する
3個以上のフーリエ変換フレームを個々の群として設定
された順次のフーリエ変換フレーム群について、前記し
た各フーリエ変換フレーム群毎に、フーリエ変換フレー
ム群を構成している各フーリエ変換フレームにおける位
相成分を用いて最小二乗法の適用により決定される傾斜
の値を、それぞれのフーリエ変換フレーム群の公差とし
ている。
【0038】ここで、前記したフーリエ変換フレーム群
における公差の求め方について図4乃至図8等を参照し
て記述する。図4は前記した,の高能率符号化の態
様の場合のように、連続する3個以上のフーリエ変換フ
レームによる一群のフーリエ変換フレーム群について、
各フーリエ変換フレーム群における一方の端部のフーリ
エ変換フレームにおける位相成分と、その群における他
の個々のフーリエ変換フレームにおける位相成分とによ
ってそれぞれ個別に決定される傾斜の値の算術平均値を
そのフーリエ変換フレーム群の平均の傾斜とする場合の
説明図であり、また、図5及び図6は前記した,の
高能率符号化態様の場合における前記した図4に示すフ
ーリエ変換フレーム群における平均の傾斜と、既述した
既提案におけるフーリエ変換フレーム群における傾斜と
を対比して示す図であり、さらに図7及び図8は前記し
た,の高能率符号化態様の場合における連続する3
個以上のフーリエ変換フレームによる一群のフーリエ変
換フレーム群の個々のフーリエ変換フレームにおける位
相成分を用いて最小二乗法の適用により決定される傾斜
を説明するための図であり、さらにまた、図7は一群の
フーリエ変換フレーム群における端部のフーリエ変換フ
レームにおける位相成分を原点として、最小二乗法を適
用して前記の傾斜を求める場合の説明に使用される図で
あり、図8は群のフーリエ変換フレーム群における端部
のフーリエ変換フレームにおける位相成分を原点としな
い、一般的な最小二乗法を適用して前記の傾斜を求める
場合の説明に使用される図である。
【0039】図4乃至図6において横軸の0,1,2…
の数字は順次のフーリエ変換フレームを示している番号
であり、また前記の各図中で前記の横軸に示されている
0,1,2…の各位置に示されている縦線は、既述した
θi(m){ただし、mは順次のフーリエ変換フレーム
を示す番号0,1,2…である}、すなわち、順次のフ
ーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換の結果として求め
た同一な所定数の離散周波数毎のデータから得た位相成
分θi(0),θi(1),θi(2)…を例示している
ものである。そして、前記した図4乃至図6に示されて
いる例は、順次のフーリエ変換フレーム(横軸の数字
0,1,2…で示す)毎に、フーリエ変換の結果として
求めた同一な所定数の離散周波数毎のデータから得た位
相成分{θi(0),θi(1),θi(2)…}の内で、前
記の位相成分が初期設定データとして伝送されるフーリ
エ変換フレーム、すなわち、最初に位相成分が伝送され
るべきフーリエ変換フレームが、フーリエ変換フレーム
0である場合の例である。まず図4を参照して前記した
,の高能率符号化態様の場合におけるフーリエ変換
フレーム群における平均の傾斜の求め方を説明すると次
のとおりである。図4において順次のフーリエ変換フレ
ーム毎にフーリエ変換の結果として求めた同一な所定数
の離散周波数毎のデータから得た各位相成分θi(0),
θi(1),θi(2)…のデータの座標(x0,y0),(x
1,y),(x2,y2)…における初期値の座標x0,y0の
点を始端(原点)として、前記の原点の座標(x0,y0)
と、座標(x1,y)とを結ぶ直線の傾斜、前記の原点の
座標(x0,y0)と座標(x2,y2)とを結ぶ直線の傾斜、
前記の原点の座標(x0,y0)と座標(x3,y3)とを結ぶ
直線の傾斜、というようにして、一群のフーリエ変換フ
レーム群における原点の座標(x0,y0)と、前記した原
点の座標(x0,y0)以外のすべての各座標(x1,y1),
(x2,y2)…とを結ぶ直線の傾斜を求め、前記のように
個別に決定された直線の傾斜の値の算術平均値の傾斜を
有する図4中の破線で示す直線Laの傾斜の値を公差k
として用いる。前記した図4中の破線で示す直線Laの
傾斜の具体的な計算は、次の「数3」に従って求められ
る。なお、図4中において実線で示す直線Lrは、既述
した既提案の音響信号の伝送方法のように、一群のフー
リエ変換フレーム群における両端部の座標間を直接に結
ぶ直線である。
【0040】
【数3】
【0041】図4の(a),(b)の何れの場合におい
ても、各一群のフーリエ変換フレームの残差の総量は、
既提案の音響信号の伝送方法に比べて本発明の音響信号
の伝送方法の場合の方が少なくなっている。図4中にお
いて破線図示の垂直方向の矢印は本発明の音響信号の伝
送方法の場合における残差量を示し、また実線図示の垂
直方向の矢印は既提案の音響信号の伝送方法の場合にお
ける残差量を示している。図5は図4を参照して既述し
たフーリエ変換フレーム群の平均の傾斜の求め方によっ
て求めた順次の各フーリエ変換フレーム群の平均の傾斜
を公差kとして、前記した図1に例示されている構成の
エンコーダを用いて,の高能率符号化態様(残差を
送らない態様)での高能率符号化を行なった場合を例示
したものであり、この場合の公差kは「数4」によって
表わされる。また、図6は図3に例示されている構成の
エンコーダを用いて図4を参照して既述したフーリエ変
換フレーム群の平均の傾斜の求め方によって求めた順次
の各フーリエ変換フレーム群の平均の傾斜を公差kとし
て、前記した図3に例示されている構成のエンコーダを
用いて,の高能率符号化態様(残差も送る態様)で
の高能率符号化を行なった場合を例示したものであり、
この場合の公差kは「数5」によって表わされる。
【0042】次に、,の高能率符号化の態様の場合
における連続する3個以上のフーリエ変換フレームによ
る一群のフーリエ変換フレーム群の個々のフーリエ変換
フレームにおける位相成分を用いて最小二乗法の適用に
より決定される傾斜を説明するための図7及び図8にお
いて、一群のフーリエ変換フレーム群における端部のフ
ーリエ変換フレームにおける位相成分を原点として、最
小二乗法を適用して前記の傾斜を求める場合の説明に使
用される図7において、図中に示されている各データの
座標(x0,y0),(x1,y),(x2,y2)…における初期
値の座標x0,y0の点を始端(原点)とする破線で示す
直線を、 y=ax+b とすると、前記の直線は原点を
通っているので、この直線は y−y0=a(x−x0)
として表わせる。今、前記した各データの座標と前記の
直線との誤差をΔi(i=1,2,3…)として、前記の
誤差 Δi=y−y0=a(x−x0) が最小となるよ
うな直線を最小二乗法で求めるには、「数6」をaで偏
微分したものが0になれば良く、「数7」を解いて「数
8」,「数9」を得る。
【0043】
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】
【0044】また、本発明の音響信号の伝送方法を図1
に例示されている構成態様のエンコーダを用いて、位相
成分の残差を送らない態様で実施する場合には、前記し
た「数9」中における変数を本発明の音響信号の伝送方
法の説明中で使用されている変数に置換して「数10」
を得て、その「数10」を整理し、「数11」によって
公差を求める。なお、本発明の音響信号の伝送方法を図
3に例示されている構成態様のエンコーダを用いて、位
相成分の残差を送るようにする態様で実施する場合には
「数11」中におけるkをk−1として公差を求めるよ
うにする。
【0045】次に、,の高能率符号化の態様の場合
における連続する3個以上のフーリエ変換フレームによ
る一群のフーリエ変換フレーム群の個々のフーリエ変換
フレームにおける位相成分を用いて最小二乗法の適用に
より決定される傾斜を説明するための図8において、一
群のフーリエ変換フレーム群における端部のフーリエ変
換フレームにおける位相成分を原点としない、一般的な
最小二乗法を適用して前記の傾斜を求める場合の説明に
使用される図8において、図中に示されている各データ
の座標(x0,y0),(x1,y1),(x2,y2)…における初
期値の座標x0,y0の点を始端(原点)としない破線で
示す直線を、 y=ax+b とし、前記した各データの
座標と前記の直線との誤差をΔi(i=1,2,3…)と
して、前記の誤差 Δi=y−y0=a(x−x0) が
最小となるような直線を最小二乗法で求めるには、「数
12」をaで偏微分したものが0になれば良く、「数1
3」を解いて「数14」,「数15」を得る。また、
「数12」をbで偏微分したものが0になれば良く、
「数16」を解いて得た「数17」のbを「数14」に
代入して「数18」を得て、「数19」のaを得る。ま
た、「数19」のaを「数17」に代入して「数20」
を得る。この場合においても、本発明の音響信号の伝送
方法を図1に例示されている構成態様のエンコーダを用
いて、位相成分の残差を送らない実施の態様としたり、
あるいは本発明の音響信号の伝送方法を図3に例示され
ている構成態様のエンコーダを用いて、位相成分の残差
を送る実施の態様として実施することができる。
【0046】
【数12】
【数13】
【数14】
【数15】
【数16】
【数17】
【数18】
【数19】
【数20】
【0047】さて、図1に示されているエンコーダで
は、前記した直交座標→極座標変換部6の計算結果とし
て得られた特定な離散的な周波数の位相項θi(m)の順
次のデータが記憶されているメモリ37と、公差変化点
決定部38、公差計算部39、加算器40、量子化スケ
ーリング部17等の各構成部分における位相成分に対す
る信号処理により、既述した〜の高能率符号化態様
の内の何れかの高能率符号化態様での高能率符号化を行
なう。図1に示されているエンコーダが、既述したの
高能率符号化態様での高能率符号化を行なう場合には、
前記した各フーリエ変換フレーム毎のフーリエ変換の結
果として求められた同一な所定数の離散周波数毎のデー
タを用いて、前記した各フーリエ変換フレーム毎に得た
各離散周波数毎の位相成分の内で、メモリ37から読出
された最初に伝送すべきフーリエ変換フレームにおける
位相成分を、図示されていない制御部の動作により量子
化スケーリング部17に与え、それを量子化スケーリン
グ部17で所定のビット数の初期設定データとしてか
ら、マルチプレクサ18に供給し、また、連続する3個
以上のフーリエ変換フレームについて公差変化点決定部
38によって個々の群として設定された順次のフーリエ
変換フレーム群における公差kは、図示されていない制
御部の動作の下にメモリ37から読出されて公差計算部
39に供給された各フーリエ変換フレーム群毎の位相成
分のデータを用いて、既述した「数3」に従って公差計
算部39で行なわれる演算によって求め、フーリエ変換
フレーム群の一方の端部のフーリエ変換フレームにおけ
る位相成分と、その群における他の個々のフーリエ変換
フレームにおける位相成分とによってそれぞれ個別に決
定される傾斜の値の算術平均値を公差として、その公差
データをマルチプレクサ18に供給する。
【0048】また図1に示されているエンコーダが、既
述したの高能率符号化態様での高能率符号化を行なう
場合には、前記した各フーリエ変換フレーム毎のフーリ
エ変換の結果として求められた同一な所定数の離散周波
数毎のデータを用いて、前記した各フーリエ変換フレー
ム毎に得た各離散周波数毎の位相成分の内で、メモリ3
7から読出された最初に伝送すべきフーリエ変換フレー
ムにおける位相成分は、図示されていない制御部の動作
により量子化スケーリング部17に与えられ、それが量
子化スケーリング部17で所定のビット数の初期設定デ
ータとされてからマルチプレクサ18に供給し、また、
連続する3個以上のフーリエ変換フレームについて、公
差変化点決定部38によって個々の群として設定された
順次のフーリエ変換フレーム群における公差kは、図示
されていない制御部の動作の下にメモリ37から読出さ
れて公差計算部39に供給された各フーリエ変換フレー
ム群毎の位相成分のデータを用いて、既述した「数8」
あるいは「数19」もしくは「数20」に従って公差計
算部39で行なわれる演算によって最小二乗法の適用に
より決定される傾斜の値が公差データとして求められ、
その公差データがマルチプレクサ18に供給される。
【0049】さらに、図1に示されているエンコーダ
が、既述したの高能率符号化態様での高能率符号化を
行なう場合には、前記した各フーリエ変換フレーム毎の
フーリエ変換の結果として求められた同一な所定数の離
散周波数毎のデータを用いて、前記した各フーリエ変換
フレーム毎に得た各離散周波数毎の位相成分の内で、メ
モリ37から読出されたN個のフーリエ変換フレームの
内の最初に伝送すべきフーリエ変換フレームにおける位
相成分は、図示されていない制御部の動作により量子化
スケーリング部17に与えられ、それが量子化スケーリ
ング部17で所定のビット数の初期設定データとされて
からマルチプレクサ18に供給され、また前記したN個
のフーリエ変換フレームについて、公差変化点決定部3
8によって個々の群として設定されたN個の順次のフー
リエ変換フレーム群における公差kは、図示されていな
い制御部の動作の下にメモリ37から読出されて公差計
算部39に供給された各フーリエ変換フレーム群毎の位
相成分のデータを用いて、既述した「数4」(数4中の
jは前記のNである)に従って公差計算部39で行なわ
れる演算によって、フーリエ変換フレーム群の一方の端
部のフーリエ変換フレームにおける位相成分と、その群
における他の個々のフーリエ変換フレームにおける位相
成分とによってそれぞれ個別に決定される傾斜の値の算
術平均値が公差として求められ、その公差データがマル
チプレクサ18に供給される。
【0050】さらにまた、図1に示されているエンコー
ダが、既述したの高能率符号化態様での高能率符号化
を行なう場合には、前記した各フーリエ変換フレーム毎
のフーリエ変換の結果として求められた同一な所定数の
離散周波数毎のデータを用いて、前記した各フーリエ変
換フレーム毎に得た各離散周波数毎の位相成分の内で、
メモリ37から読出されたN個のフーリエ変換フレーム
の内で最初に伝送すべきフーリエ変換フレームにおける
位相成分は、図示されていない制御部の動作により量子
化スケーリング部17に与えられ、それが量子化スケー
リング部17で所定のビット数の初期設定データとされ
てからマルチプレクサ18に供給され、また連続するN
個のフーリエ変換フレームについて、公差変化点決定部
38によって個々の群として設定された順次のフーリエ
変換フレーム群における公差kは、図示されていない制
御部の動作の下にメモリ37から読出されて公差計算部
39に供給された各フーリエ変換フレーム群毎の位相成
分のデータを用いて、既述した「数8」あるいは「数1
9」もしくは「数20」に従って公差計算部39で行な
われる演算によって最小二乗法の適用により決定される
傾斜の値が公差データとして求められ、その公差データ
がマルチプレクサ18に供給される。
【0051】他方、本発明の音響信号の伝送方法に使用
されるエンコーダとして示されている図3に示されてい
るエンコーダでは、前記した直交座標→極座標変換部6
の計算結果として得られた特定な離散的な周波数の位相
項θi(m)の順次のデータが記憶されているメモリ37
と、公差変化点決定部38、公差計算部39、加算器4
0、減算器14とデータセレクタ16等の各構成部分に
おける位相成分に対する信号処理により、既述した〜
の高能率符号化態様の内の何れかの高能率符号化態様
での高能率符号化を行なう。図3に示されているエンコ
ーダが、既述したの高能率符号化態様での高能率符号
化を行なう場合には、前記した各フーリエ変換フレーム
毎のフーリエ変換の結果として求められた同一な所定数
の離散周波数毎のデータを用いて、前記した各フーリエ
変換フレーム毎に得た各離散周波数毎の位相成分の内
で、メモリ37から読出された最初に伝送すべきフーリ
エ変換フレームにおける位相成分を、図示されていない
制御部の動作によりデータセレクタ16を介して量子化
スケーリング部17に与え、それを量子化スケーリング
部17で所定のビット数の初期設定データとしてから、
マルチプレクサ18に供給し、また、連続する3個以上
のフーリエ変換フレームについて公差変化点決定部38
によって個々の群として設定された順次のフーリエ変換
フレーム群における公差kは、図示されていない制御部
の動作の下にメモリ37から読出されて公差計算部39
に供給された各フーリエ変換フレーム群毎の位相成分の
データを用いて、既述した「数3」に従って公差計算部
39で行なわれる演算によって求め、フーリエ変換フレ
ーム群の一方の端部のフーリエ変換フレームにおける位
相成分と、その群における他の個々のフーリエ変換フレ
ームにおける位相成分とによってそれぞれ個別に決定さ
れる傾斜の値の算術平均値を公差として、その公差デー
タをマルチプレクサ18に供給し、さらに、前記した公
差kとメモり37から読出された位相成分θi(m-1)
のデータとを加算器40で加算して位相成分の予測値を
求め、それを減算器14に被減数信号として与え、前記
の減算器14にメモリ37から読出された位相成分θi
(m)を被減数信号として供給することにより、減算器
14から位相成分の残差成分Δθ(m)を出力させて、そ
れをデータセレクタ16を介して量子化スケーリング部
17に与え、それを量子化スケーリング部17で所定の
ビット数の初期設定データとしてからマルチプレクサ1
8に供給する。
【0052】また、図3に示されているエンコーダが、
既述したの高能率符号化態様での高能率符号化を行な
う場合には、前記した各フーリエ変換フレーム毎のフー
リエ変換の結果として求められた同一な所定数の離散周
波数毎のデータを用いて、前記した各フーリエ変換フレ
ーム毎に得た各離散周波数毎の位相成分の内で、メモリ
37から読出されたフーリエ変換フレームの内の最初に
伝送すべきフーリエ変換フレームにおける位相成分は、
図示されていない制御部の動作によりデータセレクタ1
6を介して量子化スケーリング部17に与えられ、それ
が量子化スケーリング部17で所定のビット数の初期設
定データとされてからマルチプレクサ18に供給され、
また連続する3個以上のフーリエ変換フレームについ
て、公差変化点決定部38によって個々の群として設定
された順次のフーリエ変換フレーム群における公差k
は、図示されていない制御部の動作の下にメモリ37か
ら読出されて公差計算部39に供給された各フーリエ変
換フレーム群毎の位相成分のデータを用いて、既述した
「数8」あるいは「数19」もしくは「数20」に従っ
て公差計算部39で行なわれる演算によって最小二乗法
の適用により決定される傾斜の値を公差データとして、
その公差データをマルチプレクサ18に供給し、さらに
前記した公差kとメモり37から読出された位相成分θ
i(m-1)のデータとを加算器40で加算して位相成分
の予測値を求め、それを減算器14に被減数信号として
与え、前記の減算器14にメモリ37から読出された位
相成分θi(m)を被減数信号として供給することによ
り、減算器14から位相成分の残差成分Δθ(m)を出力
させて、それをデータセレクタ16を介して量子化スケ
ーリング部17に与え、それを量子化スケーリング部1
7で所定のビット数の初期設定データとしてからマルチ
プレクサ18に供給する。
【0053】さらに図3に示されているエンコーダが、
既述したの高能率符号化態様での高能率符号化を行な
う場合には、前記した各フーリエ変換フレーム毎のフー
リエ変換の結果として求められた同一な所定数の離散周
波数毎のデータを用いて、前記した各フーリエ変換フレ
ーム毎に得た各離散周波数毎の位相成分の内で、メモリ
37から読出されたN個のフーリエ変換フレームの内の
最初に伝送すべきフーリエ変換フレームにおける位相成
分を、図示されていない制御部の動作によりデータセレ
クタ16を介して量子化スケーリング部17に与え、そ
れを量子化スケーリング部17で所定のビット数の初期
設定データとしてから、マルチプレクサ18に供給し、
また、前記したN個のフーリエ変換フレームについて、
公差変化点決定部38によって個々の群として設定され
たN個の順次のフーリエ変換フレーム群における公差k
は、図示されていない制御部の動作の下にメモリ37か
ら読出されて公差計算部39に供給された各フーリエ変
換フレーム群毎の位相成分のデータを用いて、既述した
「数4」(数4中のjは前記のNである)に従って公差
計算部39で行なわれる演算によって、フーリエ変換フ
レーム群の一方の端部のフーリエ変換フレームにおける
位相成分と、その群における他の個々のフーリエ変換フ
レームにおける位相成分とによってそれぞれ個別に決定
される傾斜の値の算術平均値を公差として、その公差デ
ータをマルチプレクサ18に供給し、さらに、前記した
公差kとメモり37から読出された位相成分θi(m-
1)のデータとを加算器40で加算して位相成分の予測
値を求め、それを減算器14に被減数信号として与え、
前記の減算器14にメモリ37から読出された位相成分
θi(m)を被減数信号として供給することにより、減
算器14から位相成分の残差成分Δθ(m)を出力させ
て、それをデータセレクタ16を介して量子化スケーリ
ング部17に与え、それを量子化スケーリング部17で
所定のビット数の初期設定データとしてからマルチプレ
クサ18に供給する。
【0054】さらにまた、図3に示されているエンコー
ダが、既述したの高能率符号化態様での高能率符号化
を行なう場合には、前記した各フーリエ変換フレーム毎
のフーリエ変換の結果として求められた同一な所定数の
離散周波数毎のデータを用いて、前記した各フーリエ変
換フレーム毎に得た各離散周波数毎の位相成分の内で、
メモリ37から読出されたN個のフーリエ変換フレーム
の内で最初に伝送すべきフーリエ変換フレームにおける
位相成分は、図示されていない制御部の動作によりデー
タセレクタ16を介して量子化スケーリング部17に与
えられ、それが量子化スケーリング部17で所定のビッ
ト数の初期設定データとされてからマルチプレクサ18
に供給され、また連続するN個のフーリエ変換フレーム
について、公差変化点決定部38によって個々の群とし
て設定された順次のフーリエ変換フレーム群における公
差kは、図示されていない制御部の動作の下にメモリ3
7から読出されて公差計算部39に供給された各フーリ
エ変換フレーム群毎の位相成分のデータを用いて既述し
た「数8」あるいは「数19」もしくは「数20」に従
って公差計算部39で行なわれる演算によって最小二乗
法の適用により決定される傾斜の値が公差データとして
求められ、その公差データがマルチプレクサ18に供給
され、さらに前記した公差kとメモり37から読出され
た位相成分θi(m-1)のデータとを加算器40で加算
して位相成分の予測値を求め、それを減算器14に被減
数信号として与え、前記の減算器14にメモリ37から
読出された位相成分θi(m)を被減数信号として供給
することにより、減算器14から位相成分の残差成分Δ
θ(m)を出力させて、それをデータセレクタ16を介し
て量子化スケーリング部17に与え、それを量子化スケ
ーリング部17で所定のビット数の初期設定データとし
てからマルチプレクサ18に供給する。
【0055】本発明の音響信号の伝送方法による音響信
号のデータの伝送が、図5中の破線Laに示されるよう
にして実施される場合、すなわち、順次のフーリエ変換
フレーム毎にフーリエ変換の結果として求めた同一な所
定数の離散周波数毎のデータから得た位相成分の内で、
最初に伝送すべきフーリエ変換フレームにおける位相成
分を初期設定データとして伝送した後は、連続する3個
以上のフーリエ変換フレームを個々の群として設定され
た順次のフーリエ変換フレーム群について、各フーリエ
変換フレーム群毎に、フーリエ変換フレーム群の一方の
端部のフーリエ変換フレームにおける位相成分と、その
群における他の個々のフーリエ変換フレームにおける位
相成分とによってそれぞれ個別に決定される傾斜の値の
算術平均値を、それぞれのフーリエ変換フレーム群の公
差データとして伝送するだけで、残差を送らないように
した場合には、最初のフーリエ変換フレーム群に続くフ
ーリエ変換フレーム群以降のフーリエ変換フレーム群に
おける位相成分のデータは真の位相成分のデータに対し
て異なるものとなるが、位相成分の残差を送らないよう
にしていることにより伝送されるデータ量の圧縮率は大
きなものとなるから、前記のようにして位相成分のデー
タ量を大幅に圧縮しても、聴感上で大きな問題が生じな
いような用途、例えば、楽器音の音源における楽音信号
を少ないデータ量で記憶させる場合には良好に適用でき
る。
【0056】前記のように本発明の音響信号の伝送方法
による音響信号のデータの伝送が、図5中の破線Laに
示されるようにして実施される場合におけるデータの圧
縮量の一例を示すと次のとおりである。今、各一群のフ
ーリエ変換フレーム群を構成するフーリエ変換フレーム
を構成するフーリエ変換フレームの個数を10個とした
場合には、最初に伝送すべきフーリエ変換フレームにお
ける位相成分を初期設定データとして伝送し、また、残
りの9フーリエ変換フレームにおける位相成分のデータ
としては公差を送るだけであるから、一群のフーリエ変
換フレームにおける位相成分を伝送するためのデータ量
は9分の2に圧縮されることになる。データ量の圧縮率
は各一群のフーリエ変換フレーム群を構成するフーリエ
変換フレームを構成するフーリエ変換フレームの個数が
多くなるに従って大きくなることはいうまでもない。な
お、最初に伝送すべきフーリエ変換フレームにおける位
相成分を初期設定データとして伝送した一群のフーリエ
変換フレーム群の次のフーリエ変換フレーム群以降の各
フーリエ変換フレーム群では、公差データだけを伝送す
ればよいから、データ量の圧縮率は9分の1となる。
【0057】ところで、実際のデータはある程度の時間
長(例えばピアノの音は約10秒)を有するものなの
で、全体としては略々9分の1にデータ量が圧縮される
ことになる。また、振幅成分についても、例えばマスキ
ング処理法等の適用によって、データ量は4分の1〜5
分の1に圧縮されるから、音響信号のデータの圧縮率は
トータルで50分の1程度にある。一方、従来より行な
われているマスキング処理法等を利用した音響信号のデ
ータ量の圧縮方法は、通常4分の1〜5分の1の圧縮率
である。それで本発明の音響信号の伝送方法によれば、
窓関数処理に伴うオーバーラップ分を除けば、従来法に
比べて大幅なデータ量の圧縮が可能となるのである。
【0058】また、本発明の音響信号の伝送方法による
音響信号のデータの伝送が、図5中の破線Laに示され
るようにして実施される場合には、公差値の伝送時に公
差自体の値が丸められることによる累積誤差成分の影響
が考えられるが、個々の群として設定される順次のフー
リエ変換フレーム群が、多数個のフーリエ変換フレーム
によって構成されたものとして実施される場合には、一
群を構成するフーリエ変換フレーム数に応じて公差値の
桁数を多くする(精度を上げる)とよい。なお、本発明
の音響信号の伝送方法による音響信号のデータの伝送
が、図5中の破線Laに示されるようにして実施される
場合において、位相成分を初期設定データとして伝送し
たフーリエ変換フレームを有する一群のフーリエ変換フ
レーム群の次の一群のフーリエ変換フレーム群における
位相成分の傾斜の平均値の算出に用いるべき原点として
は、前記した次の一群のフーリエ変換フレーム群の最初
のフーリエ変換フレームの位相成分を示す座標{図5中
の(x,y)ではなく(x,y’)を用いる。
【0059】本発明の音響信号の伝送方法による音響信
号のデータの伝送が、図5中の破線Laに示されるよう
にして実施される場合には、一群のフーリエ変換フレー
ム群における位相成分の傾斜の平均値間で、位相が不連
続になる可能性があるが、人間の聴覚は高域になるに従
って位相について鈍感になるから、位相の不連続の程度
がどの程度になると聴感上で目立つようになるのかは、
その周波数スぺクトルの周波数値によって異なる。それ
で、どの程度の位相の不連続が発生した場合に聴感上で
問題が生じるのかを、予め、位相検知限周波数特性を求
めておき、それをテーブル化しておき、各一群のフーリ
エ変換フレーム群間で生じる位相の不連続量と、前記の
テーブル上の値とを比較して、前記の不連続量が許容値
以下になっているか否かを判断し、前記の不連続量が許
容値以下の場合には、そのまま伝送し、また、前記の不
連続量が許容値以上の場合には、位相の残差量が多少増
加するとしても、位相の不連続性が改善されるように、
お互いの位相成分の傾斜を近付けるようにする。なお、
プリセット音源のように一群のフーリエ変換フレーム群
を構成するフーリエ変換フレームを構成するフーリエ変
換フレームの個数を任意に変化してもよい場合には、前
記した位相の不連続の程度が許容限界値以下となるよう
に、各一群のフーリエ変換フレーム群について、それぞ
れのフーリエ変換フレームを構成するフーリエ変換フレ
ームの個数を変化させてもよい。
【0060】また、本発明の音響信号の伝送方法による
音響信号のデータの伝送を、図5中の破線Laに示され
るようにして実施した上で位相成分の残差も伝送した場
合、すなわち、順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリ
エ変換の結果として求めた同一な所定数の離散周波数毎
のデータから得た位相成分の内で、最初に伝送すべきフ
ーリエ変換フレームにおける位相成分を初期設定データ
として伝送した後は、連続する3個以上のフーリエ変換
フレームを個々の群として設定された順次のフーリエ変
換フレーム群について、各フーリエ変換フレーム群毎
に、フーリエ変換フレーム群の一方の端部のフーリエ変
換フレームにおける位相成分と、その群における他の個
々のフーリエ変換フレームにおける位相成分とによって
それぞれ個別に決定される傾斜の値の算術平均値を、そ
れぞれのフーリエ変換フレーム群の公差データとして伝
送した上に、位相成分の残差も伝送した場合には、位相
成分の残差のデータ量だけデータ量が増加するが、従来
法に比べて伝送されるデータ量を大幅に圧縮した状態で
音響信号を品質良く伝送できる。
【0061】次に、本発明の音響信号の伝送方法による
音響信号のデータの伝送が、図6中の破線Laに示され
るようにして実施される場合には、すなわち、順次のフ
ーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換の結果として求め
た同一な所定数の離散周波数毎のデータから得た位相成
分の内で、N(ただし、Nは3以上の自然数)個のフー
リエ変換フレームにおける1番目のフーリエ変換フレー
ムの位相成分を初期設定データとして伝送するように
し、また前記したN個のフーリエ変換フレームにおける
1番目のフーリエ変換フレームの位相成分と他のN−1
個のフーリエ変換フレームの個々の位相成分とによって
それぞれ個別に決定される傾斜の値の算術平均値を、そ
れぞれのフーリエ変換フレーム群の公差データとして伝
送するようにした場合には、各一群のフーリエ変換フレ
ーム毎に1番目のフーリエ変換フレームの位相成分を初
期設定データとして伝送する分だけデータ量が増加する
が、図5について既述したような位相の不連続の問題も
生じることなく、音響信号を品質良く伝送することがで
きる。
【0062】次いで本発明の音響信号の伝送方法による
音響信号のデータの伝送を、図6中の破線Laに示され
るようにして実施した上で位相成分の残差も伝送した場
合、すなわち、順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリ
エ変換の結果として求めた同一な所定数の離散周波数毎
のデータから得た位相成分の内で、N(ただし、Nは3
以上の自然数)個のフーリエ変換フレームにおける1番
目のフーリエ変換フレームの位相成分を初期設定データ
として伝送するようにし、また前記したN個のフーリエ
変換フレームにおける1番目のフーリエ変換フレームの
位相成分と他のN−1個のフーリエ変換フレームの個々
の位相成分とによってそれぞれ個別に決定される傾斜の
値の算術平均値を、それぞれのフーリエ変換フレーム群
の公差データとして伝送するとともに、位相成分の残差
も伝送するようにした場合には、各一群のフーリエ変換
フレーム毎に1番目のフーリエ変換フレームの位相成分
のデータ量と位相成分のデータ量とが増加するが、図5
について既述したような位相の不連続の問題も生じるこ
となく、従来法に比べて伝送されるデータ量を大幅に圧
縮した状態で音響信号を品質良く伝送できる。前記の音
響信号の伝送態様は、楽器音の場合とは異なり種々な周
波数成分を含む音響信号の伝送の場合に適するものとい
える。前記した位相の残差成分に割当てるべきビット数
は、初期設定データに割当てるビット数に比べて少なく
(例えば4分の1程度)ても良いことは当然である。ま
た、本発明の音響信号の伝送方法による音響信号のデー
タの伝送を、図6中の破線Laに示されるようにして実
施したときには、途中再生も可能となる利点もある。
【0063】次に、本発明の音響信号の伝送方法による
音響信号のデータの伝送が、順次のフーリエ変換フレー
ム毎にフーリエ変換の結果として求めた同一な所定数の
離散周波数毎のデータから得た位相成分の内で、最初に
伝送すべきフーリエ変換フレームにおける位相成分を初
期設定データとして伝送するとともに、連続する3個以
上のフーリエ変換フレームを個々の群として設定された
順次のフーリエ変換フレーム群について、各フーリエ変
換フレーム群毎に、フーリエ変換フレーム群を構成して
いる各フーリエ変換フレームにおける位相成分を用いて
最小二乗法の適用により決定される傾斜の値を、それぞ
れのフーリエ変換フレーム群の公差データとして伝送す
るようにしたり、あるいは、順次のフーリエ変換フレー
ム毎にフーリエ変換の結果として求めた同一な所定数の
離散周波数毎のデータから得た位相成分の内で、最初に
伝送すべきフーリエ変換フレームにおける位相成分を初
期設定データとして伝送するとともに、連続する3個以
上のフーリエ変換フレームを個々の群として設定された
順次のフーリエ変換フレーム群について、各フーリエ変
換フレーム群毎に、フーリエ変換フレーム群を構成して
いる各フーリエ変換フレームにおける位相成分を用いて
最小二乗法の適用により決定される傾斜の値を、それぞ
れのフーリエ変換フレーム群の公差とする等差数列によ
り、個々のフーリエ変換フレーム群に属する各フーリエ
変換フレームにおける位相成分についての予測を行なっ
て得た位相成分の予測残差と、前記した公差データとを
伝送するようにしたり、または順次のフーリエ変換フレ
ーム毎にフーリエ変換の結果として求めた同一な所定数
の離散周波数毎のデータから得た位相成分の内で、N
(ただし、Nは3以上の自然数)個のフーリエ変換フレ
ームにおける1番目のフーリエ変換フレームの位相成分
を初期設定データとして伝送するようにし、また前記し
たN個のフーリエ変換フレームにおける位相成分を用い
て最小二乗法の適用により決定される傾斜の値を公差デ
ータとする等差数列により、前記したN個のフーリエ変
換フレームにおける1番目のフーリエ変換フレームとN
番目のフーリエ変換フレームとの間に存在する各フーリ
エ変換フレームにおける位相成分の予測を行なって得た
位相成分の予測残差と、前記した公差データとを伝送す
るようにしたりして音響信号の伝送が実施された場合に
は、図7及び図8について既述したような2つの方法の
何れかの最小二乗法により、各一群のフーリエ変換フレ
ーム群における位相成分の傾斜を求めて、それを位相成
分の公差とするようにした点を除いて図5及び図6を参
照して既述したところと同様である。
【0064】次に、図2を参照してデコーダの一例構成
について説明する。図2において20は受信側に設けら
れたデコーダの入力端子であり、この入力端子20に
は、図1を参照して既述した送信側から伝送路(図示し
ていない)を介して受信側に伝送されて来た情報量が圧
縮された状態の音響信号のデータ、すなわち特定な離散
周波数のオリジナルの振幅成分Ai(m)や振幅残差信
号ΔAi(m)、及び特定な離散周波数のオリジナルの
位相成分θi(m){例えば、初期設定データを伝送すべ
く選択された最初のフーリエ変換フレーム0における位
相成分、あるいは、N個のフーリエ変換フレームにおけ
る1番目のフーリエ変換フレームの位相成分}と、フー
リエ変換フレームの位相成分によって決定される等差数
列の公差kに関する情報、前記の公差kを用いて各フー
リエ変換フレームにおける位相成分の予測を行なって得
た位相成分の予測残差Δθi(m)などを含んで構成され
ている音響信号のデータから、図示されていないデマル
チプレクサによって分離された特定な離散周波数のオリ
ジナルの振幅成分Ai(m)、振幅残差信号ΔAi(m)、
特定な離散周波数のオリジナルの位相成分θi(m)、公
差kに関する情報、位相成分の予測残差Δθi(m)など
の内の所定のものが供給される。なお、図2にはある特
定な離散的な周波数のデータについての信号処理を行な
う1個の信号処理部だけが代表的に示されている。
【0065】入力端子20に対して、特定な離散周波数
のオリジナルの振幅成分Ai(m)や、振幅残差信号Δ
Ai(m)、特定な離散周波数のオリジナルの位相成分
θi(m)、公差kに関する情報、位相成分の予測残差Δ
θi(m)などの内の所定のものを含んで構成されている
信号が供給された信号処理回路では、デマルチプレクサ
21によって特定な離散周波数(今、仮にfaとする)の
オリジナルの振幅成分Ai(m)や、位相成分θi(m)、
及び振幅残差信号ΔAi(m)や位相残差信号Δθi
(m)、公差kに関する情報などを分離して、前記のオリ
ジナルの振幅成分Ai(m)や、位相成分θi(m)、及び
振幅残差信号ΔAi(m)や位相残差信号Δθi(m)など
の各信号はバス41を介して振幅成分の信号処理回路
や、位相成分の処理回路に設けられている再量子化部4
2〜45におけるそれぞれ対応するものに供給されてお
り、また、前記した公差kに関する情報は位相成分の処
理回路に設けられているラッチ回路54に供給されてい
る。すなわち、前記したデマルチプレクサ21によって
分離された前記の各信号の内で、オリジナルの振幅成分
Ai(m)はバス41を介して振幅成分の信号処理回路
に設けられている再量子化部43に供給され、また、位
相成分θi(m)はバス41を介して位相成分の処理回路
に設けられている再量子化部44に供給されており、さ
らに振幅残差信号ΔAi(m)はバス41を介して振幅
成分の信号処理回路に設けられている再量子化部42に
供給されており、さらにまた位相残差信号Δθi(m)は
バス41を介して位相成分の処理回路に設けられている
再量子化部45に供給されており、前記した公差kに関
する情報はバス41を介して位相成分の処理回路に設け
られているラッチ回路54に供給されている。
【0066】図2に示すデコーダにおいて、再量子化部
43で再量子化されたオリジナルの振幅成分Ai(m)
は、振幅成分の信号処理回路に設けられているデータセ
レクタ26に供給されており、また、再量子化部42で
再量子化された振幅残差信号ΔAi(m)は、振幅成分
の信号処理回路に設けられている加算器50に供給され
ている。前記の加算器50では前記した振幅残差信号Δ
Ai(m)と、バス49を介して加算器50に供給され
ている所要の振幅成分データとを加算して、その出力信
号Ai(m)=Ai(m−1)+ΔAi(m)をデータ
セレクタ26に与える。すなわち、再量子化部42から
前記の加算器50に与えられている振幅残差信号ΔAi
(m)が、例えばm番目のフレームにおける振幅残差信号
ΔAi(m)である場合には、メモリ47から読出されて
バス47を介して加算器50に供給されている合成振幅
項のデータはm−1番目のフレームの合成振幅項のデー
タAi(m−1)であるから、加算器50においてm−1番
目のフレームの合成振幅項のデータAi(m−1)と、m
番目のフレームにおける振幅残差信号ΔAi(m)とが
加算されて、加算器50からはm番目のフレームの合成
振幅項のデータAi(m)が出力され、それが入力端子3
4に供給されている切換信号によって所定のタイミング
で切換動作を行なうデータセレクタ26とバス49とを
介してメモリ47に供給されて記憶されるとともに、前
記のデータセレクタ26を介して極座標→直角座標変換
部27に供給される。
【0067】また位相成分の処理回路に設けられている
再量子化部44から出力されたm番目のフレームにおけ
る特定な離散的な周波数の位相項のデータθi(m)や公
差kに関する情報が供給されているデータセレクタ30
は、前記したデータθi(m)と、後述の加算器29から
出力された位相項のデータとを入力端子34に供給され
ている切換信号によって切換えて出力する。前記のデー
タセレクタ30から出力されたデータはバス48とを介
してメモリ46に供給されて記憶されるとともに、前記
したデータセレクタ30から出力されたデータの内で再
量子化部44から出力されたm番目のフレームにおける
特定な離散的な周波数の位相項のデータθi(m)や後述
の加算器29から出力された位相項のデータなどは極座
標→直角座標変換部27に供給される。位相成分の処理
回路に設けられている前記のメモリ46に対するデータ
の書込み動作とメモリ46からのデータの読出し動作や
信号処理動作などは、図示されていない制御装置の制御
の下に行なわれるのであるが、図2に示すデコーダでは
図1を参照して既述したエンコーダにおいて適用された
〜の高能率符号化の信号処理態様の違いと対応し
て、それぞれ異なった信号処理態様での信号処理が行な
われる。
【0068】図1に示されているエンコーダから図2に
示されているデコーダに対して本発明の音響信号の伝送
方法に従って伝送されて来た音響信号における位相項の
情報が、図1に示されているエンコーダについて既述し
た,の信号処理態様での高能率符号化を適用して発
生されたものであったもの、すなわち、図1を参照して
記述されていたフーリエ変換の結果として求めた同一な
所定数の離散周波数毎のデータから得た位相成分{θi
(0),θi(1),θi(2)…}の内で、初期設定データ
を伝送すべく選択された最初のフーリエ変換フレーム0
における位相成分θi(0)と、フーリエ変換フレーム群
の各フレーム変換フレームの位相成分によって決定され
る平均の傾斜による公差k、またはフーリエ変換フレー
ム群の各フレーム変換フレームの位相成分を用いて最小
二乗法の適用により決定された傾斜の値による公差デー
タkとが、エンコーダ側からデコーダ側に伝送されて来
ている場合には、デコーダ側における図示されていない
制御装置では、エンコーダ側から伝送されて来た初期設
定データを伝送すべく選択された最初のフーリエ変換フ
レームm=0における位相成分θi(0)を、データセレ
クタ30とバス48とを介してメモリ46に記憶させ、
またメモリ46に記憶した前記の最初のフーリエ変換フ
レームm=0における位相成分θi(0)を読出して加算
器53に与えて、前記の加算器53では前記の最初のフ
ーリエ変換フレームm=0における位相成分θi(0)と
既述したラッチ回路54でラッチされていた公差kとを
加算して得たデータを出力する。前記の加算器53から
順次に出力された所定のフーリエ変換フレームの位相成
分θi(m)は加算器29とデータセレクタ30を介して
極座標→直角座標変換部27に供給されるとともに、バ
ス48を介してメモリ46に記憶されようにする信号処
理が行なわれる制御動作を行なう。
【0069】前記のように加算器8から出力されたm番
目のフレームの合成振幅項のデータAi(m)と、加算器
29から出力されたm番目のフレームにおける特定な離
散的な周波数の位相項のデータθi(m)とが、それぞれ
所定のデータセレクタ9,30を介して極座標→直角座
標変換部27に供給されることにより、極座標→直角座
標変換部27では、前記したm番目のフレームの合成振
幅項のデータAi(m)と、加算器29から出力されたm
番目のフレームにおける特定な離散的な周波数の位相項
のデータθi(m)とによって、前記した特定な離散的な
周波数faにおける実数部(Real)振幅と、虚数部
(Imag)振幅とを計算により求めて出力し、それをメ
モリ51に記憶する。前記のメモリ51から読出したデ
ータが逆FFT演算部31に供給されるが、前記した逆
FFT演算部31には、フーリエ変換フレーム内の所定
数の離散周波数毎に設けられているすべての信号処理回
路からの出力データが供給されているから、逆FFT演
算部31からはもとの音響信号のデータが復原されてメ
モリ52に記憶される。前記したメモリ52に記憶され
た音響信号の復原データは、それにブロック32で示さ
れている窓関数掛けと、ブロック33で示されているオ
ーバーラップ加算とが施されることにより、もとのデジ
タル音響信号が出力端子35に送出される。
【0070】次に図1に示されているエンコーダから図
2に示されているデコーダに対して本発明の音響信号の
伝送方法に従って伝送されて来た音響信号における位相
項の情報が、図1のエンコーダについて既述した,
の信号処理態様での高能率符号化を適用して発生された
ものであったもの、すなわち図1を参照して記述されて
いたフーリエ変換の結果として求めた同一な所定数の離
散周波数毎のデータから得た位相成分{θi(0),θi(1),
θi(2) …}の内で初期設定データを伝送すべく選択され
た最初のフーリエ変換フレームにおける位相成分だけ
を、各N個のフーリエ変換フレームよりなる各一群のフ
ーリエ変換フレーム群毎に初期設定データとして伝送す
るとともに、フーリエ変換フレーム群の各フレーム変換
フレームの位相成分によって決定される平均の傾斜によ
る公差k、またはフーリエ変換フレーム群の各フレーム
変換フレームの位相成分を用いて最小二乗法の適用によ
り決定された傾斜の値による公差データkとが、エンコ
ーダ側からデコーダ側に伝送されて来ている場合に、デ
コーダ側で行なわれる信号処理は、前記した図1に示さ
れているエンコーダについて既述した,の場合のデ
ータの処理に関する記述内容から容易に類推できるの
で、その詳細な記述は省略する。
【0071】次に、図3に示されているエンコーダから
図2に示されているデコーダに対して、本発明の音響信
号の伝送方法に従って伝送されて来た音響信号における
位相項の情報が、図3に示されているエンコーダについ
て既述した,の信号処理態様での高能率符号化を適
用して発生されたものであったもの、すなわち、フーリ
エ変換の結果として求めた同一な所定数の離散周波数毎
のデータから得た位相成分{θi(0),θi(1),θi
(2)…}の内で、初期設定データを伝送すべく選択さ
れた最初のフーリエ変換フレーム0における位相成分θ
i(0)と、フーリエ変換フレーム群の各フレーム変換フ
レームの位相成分によって決定される平均の傾斜による
公差k、またはフーリエ変換フレーム群の各フレーム変
換フレームの位相成分を用いて最小二乗法の適用により
決定された傾斜の値による公差データkと、位相成分の
残差とが、エンコーダ側からデコーダ側に伝送されて来
ている場合には、デコーダ側における図示されていない
制御装置では、エンコーダ側から伝送されて来た初期設
定データを伝送すべく選択された最初のフーリエ変換フ
レームm=0における位相成分θi(0)を、データセレ
クタ30とバス48とを介してメモリ46に記憶させ、
またメモリ46に記憶した前記の最初のフーリエ変換フ
レームm=0における位相成分θi(0)を読出して加算
器53に与え、前記の最初のフーリエ変換フレームm=
0における位相成分θi(0)と既述したラッチ回路54
でラッチされていた公差kと加算して、加算器53の出
力データを加算器29に供給させ、次いで加算器29で
は位相成分の予測残差Δθi(m)と、前記した加算器5
3から供給されたデータとの加算を行なって、順次に所
定のフーリエ変換フレームの位相成分θi(m)が加算器
29からデータセレクタ30を介して極座標→直角座標
変換部27に供給されるとともに、バス48を介してメ
モリ46に記憶されようにする信号処理が行なわれる制
御動作を行なう。
【0072】前記のように加算器8から出力されたm番
目のフレームの合成振幅項のデータAi(m)と、加算器
29から出力されたm番目のフレームにおける特定な離
散的な周波数の位相項のデータθi(m)とが、それぞれ
所定のデータセレクタ9,30を介して極座標→直角座
標変換部27に供給されることにより、極座標→直角座
標変換部27では、前記したm番目のフレームの合成振
幅項のデータAi(m)と、加算器29から出力されたm
番目のフレームにおける特定な離散的な周波数の位相項
のデータθi(m)とによって、前記した特定な離散的な
周波数faにおける実数部(Real)振幅と、虚数部
(Imag)振幅とを計算により求めて出力し、それをメ
モリ51に記憶する。前記のメモリ51から読出したデ
ータが逆FFT演算部31に供給されるが、前記した逆
FFT演算部31には、フーリエ変換フレーム内の所定
数の離散周波数毎に設けられているすべての信号処理回
路からの出力データが供給されているから、逆FFT演
算部31からはもとの音響信号のデータが復原されてメ
モリ52に記憶される。前記したメモリ52に記憶され
た音響信号の復原データは、それにブロック32で示さ
れている窓関数掛けと、ブロック33で示されているオ
ーバーラップ加算とが施されることにより、もとのデジ
タル音響信号に復原されて出力端子35に送出される。
【0073】次に、図3に示されているエンコーダから
図2に示されているデコーダに対して本発明の音響信号
の伝送方法に従って伝送されて来た音響信号における位
相項の情報が、図3のエンコーダについて既述した,
の信号処理態様での高能率符号化を適用して発生され
たものであったもの、すなわち、図3を参照して記述さ
れていたフーリエ変換の結果として求めた同一な所定数
の離散周波数毎のデータから得た位相成分{θi(0),
θi(1),θi(2)…}の内で、初期設定データを伝送
すべく選択された最初のフーリエ変換フレームにおける
位相成分だけを、各N個のフーリエ変換フレームよりな
る各一群のフーリエ変換フレーム群毎に初期設定データ
として伝送するとともに、フーリエ変換フレーム群の各
フレーム変換フレームの位相成分によって決定される平
均の傾斜による公差k、またはフーリエ変換フレーム群
の各フレーム変換フレームの位相成分を用いて最小二乗
法の適用により決定された傾斜の値による公差データk
とが、エンコーダ側からデコーダ側に伝送されて来てい
る場合に、デコーダ側で行なわれる信号処理は、前記し
た図3のエンコーダについて既述した,の場合デー
タの処理に関する記述内容から容易に類推できるので、
その詳細な記述は省略する。
【0074】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の音響信号の伝送方法は、予め定められ
た一定の時間長を有するように音響信号から切出された
順次の各フーリエ変換フレームの信号に同じ窓関数を用
いて離散的にフーリエ変換し、前記した各フーリエ変換
フレーム毎のフーリエ変換の結果として求められた同一
な所定数の離散周波数毎のデータを用いて、前記した各
フーリエ変換フレーム毎に得た各離散周波数毎の位相成
分の内で、最初に伝送すべきフーリエ変換フレームにお
ける位相成分を初期設定データとして伝送するととも
に、連続する3個以上のフーリエ変換フレームを個々の
群として設定された順次のフーリエ変換フレーム群につ
いて、各フーリエ変換フレーム群毎に、フーリエ変換フ
レーム群の一方の端部のフーリエ変換フレームにおける
位相成分と、その群における他の個々のフーリエ変換フ
レームにおける位相成分とによってそれぞれ個別に決定
される傾斜の値の算術平均値を、それぞれのフーリエ変
換フレーム群の公差データとして伝送たり、予め定めら
れた一定の時間長を有するように音響信号から切出され
た順次の各フーリエ変換フレームの信号に同じ窓関数を
用いて離散的にフーリエ変換し、前記した各フーリエ変
換フレーム毎のフーリエ変換の結果として求められた同
一な所定数の離散周波数毎のデータを用いて、前記した
各フーリエ変換フレーム毎に得た各離散周波数毎の位相
成分の内で、最初に伝送すべきフーリエ変換フレームに
おける位相成分を初期設定データとして伝送するととも
に、連続する3個以上のフーリエ変換フレームを個々の
群として設定された順次のフーリエ変換フレーム群につ
いて、前記した各フーリエ変換フレーム群毎に、フーリ
エ変換フレーム群を構成している各フーリエ変換フレー
ムにおける位相成分を用いて最小二乗法の適用により決
定される傾斜の値を、それぞれのフーリエ変換フレーム
群の公差データとして伝送したり、順次のフーリエ変換
フレーム毎にフーリエ変換の結果として求めた同一な所
定数の離散周波数毎のデータから得た位相成分の内で、
最初に伝送すべきフーリエ変換フレームにおける位相成
分を初期設定データとして伝送するとともに、連続する
3個以上のフーリエ変換フレームを個々の群として設定
された順次のフーリエ変換フレーム群について、前記し
た各フーリエ変換フレーム群毎に、フーリエ変換フレー
ム群の一方の端部のフーリエ変換フレームにおける位相
成分と、その群における他の個々のフーリエ変換フレー
ムにおける位相成分とによってそれぞれ個別に決定され
る傾斜の値の算術平均値を、それぞれのフーリエ変換フ
レーム群の公差とする等差数列により、個々のフーリエ
変換フレーム群に属する各フーリエ変換フレームにおけ
る位相成分についての予測を行なって得た位相成分の予
測残差と、前記した公差データとを伝送したり、順次の
フーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換の結果として求
めた同一な所定数の離散周波数毎のデータから得た位相
成分の内で、最初に伝送すべきフーリエ変換フレームに
おける位相成分を初期設定データとして伝送するととも
に、連続する3個以上のフーリエ変換フレームを個々の
群として設定された順次のフーリエ変換フレーム群につ
いて、前記した各フーリエ変換フレーム群毎に、フーリ
エ変換フレーム群を構成している各フーリエ変換フレー
ムにおける位相成分を用いて最小二乗法の適用により決
定される傾斜の値を、それぞれのフーリエ変換フレーム
群の公差とする等差数列により、個々のフーリエ変換フ
レーム群に属する各フーリエ変換フレームにおける位相
成分についての予測を行なって得た位相成分の予測残差
と、前記した公差データとを伝送したり、順次のフーリ
エ変換フレーム毎にフーリエ変換の結果として求めた同
一な所定数の離散周波数毎のデータから得た位相成分の
内で、N(ただし、Nは3以上の自然数)個のフーリエ
変換フレームにおける1番目のフーリエ変換フレームの
位相成分を初期設定データとして伝送するとともに、前
記したN個のフーリエ変換フレームにおける1番目のフ
ーリエ変換フレームの位相成分と他のN−1個のフーリ
エ変換フレームの個々の位相成分とによってそれぞれ個
別に決定される傾斜の値の算術平均値を、それぞれのフ
ーリエ変換フレーム群の公差データとして伝送したり、
順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換の結果と
して求めた同一な所定数の離散周波数毎のデータから得
た位相成分の内で、N(ただし、Nは3以上の自然数)
個のフーリエ変換フレームにおける1番目のフーリエ変
換フレームの位相成分を初期設定データとして伝送する
とともに、前記したN個のフーリエ変換フレームにおけ
る位相成分を用いて最小二乗法の適用により決定される
傾斜の値を公差データとして伝送したり、順次のフーリ
エ変換フレーム毎にフーリエ変換の結果として求めた同
一な所定数の離散周波数毎のデータから得た位相成分の
内で、N(ただし、Nは3以上の自然数)個のフーリエ
変換フレームにおける1番目のフーリエ変換フレームの
位相成分を初期設定データとして伝送するとともに、前
記したN個のフーリエ変換フレームにおける1番目のフ
ーリエ変換フレームの位相成分と他のN−1個のフーリ
エ変換フレームの個々の位相成分とによってそれぞれ個
別に決定される傾斜の値の算術平均値を、それぞれのフ
ーリエ変換フレーム群の公差データとする等差数列によ
り、前記したN個のフーリエ変換フレームにおける1番
目のフーリエ変換フレームとN番目のフーリエ変換フレ
ームとの間に存在する各フーリエ変換フレームにおける
位相成分の予測を行なって得た位相成分の予測残差と、
前記した公差データとを伝送したり、順次のフーリエ変
換フレーム毎にフーリエ変換の結果として求めた同一な
所定数の離散周波数毎のデータから得た位相成分の内
で、N(ただし、Nは3以上の自然数)個のフーリエ変
換フレームにおける1番目のフーリエ変換フレームの位
相成分を初期設定データとして伝送するとともに、前記
したN個のフーリエ変換フレームにおける位相成分を用
いて最小二乗法の適用により決定される傾斜の値を公差
データとする等差数列により、前記したN個のフーリエ
変換フレームにおける1番目のフーリエ変換フレームと
N番目のフーリエ変換フレームとの間に存在する各フー
リエ変換フレームにおける位相成分の予測を行なって得
た位相成分の予測残差と、前記した公差データとを伝送
するものであるから、この本発明の音響信号の伝送方法
では、従来の音響信号の伝送方法に比べて大幅にデータ
の圧縮を行なった状態で音響信号の伝送を行なうことが
できる。例えば、電子楽器においては原音響に対して感
聴上で同一である必要はなく最終的に出力される音響が
楽器音として高品質であればよいから、例えば本発明の
音響信号の伝送方法を、予め定められた一定の時間長を
有するように音響信号から切出された順次の各フーリエ
変換フレームの信号に同じ窓関数を用いて離散的にフー
リエ変換し、前記した各フーリエ変換フレーム毎のフー
リエ変換の結果として求められた同一な所定数の離散周
波数毎のデータを用いて、前記した各フーリエ変換フレ
ーム毎に得た各離散周波数毎の位相成分の内で、最初に
伝送すべきフーリエ変換フレームにおける位相成分を初
期設定データとして伝送するとともに、フーリエ変換フ
レーム群の各フレーム変換フレームの位相成分によって
決定される平均の傾斜による公差k、またはフーリエ変
換フレーム群の各フレーム変換フレームの位相成分を用
いて最小二乗法の適用により決定された傾斜の値による
公差データkだけを伝送させるという、極めてデータの
圧縮率の高い状態で実施できる。すなわち、電子楽器の
場合には、多種類の楽曲の演奏のために多くの音響デー
タを楽器音の音源に収録しておく必要がある他に、演奏
直後に時間遅れなく発音させることが必要とされるか
ら、楽器音のデータは読出し速度の早い固体メモリに記
憶させることが要求されるが、数百種類の楽器音を所要
の高音質で収録するためには、現在においても記憶容量
に限界のある数多くのメモリ素子を備えなければならな
いことになる。それで、位相成分の残差データをできる
限り伝送せず、すなわち、位相成分の残差データの量子
化スケールを、できる限り粗くした状態で伝送すること
で収録音響のデータを限界までに減少させる必要がある
が、このような場合に、本発明によれば前述のような平
均の傾斜による位相予測法を適用することで、位相成分
の残差のばらつきをできるだけ押えた上でデータ量の大
幅な圧縮を可能としても、個々の位相成分の残差の絶対
量の減少によって位相成分の残差を送らない場合の音響
に与える影響を全体的に平均化できるので良好な状態で
音響信号の伝送(記録)を実現できる。また、位相成分
の残差を送らない状態で、既提案のように順次のフーリ
エ変換フレーム間の位相差のみを公差として位相予測を
続けると、位相予測は徐々に外れて行くが、その理由
は、自然楽音の場合には位相成分自身が揺らいでおり、
また、データの取込み時のノイズの存在や、量子化誤差
もあるために、2フーリエ変換フレーム間の位相差によ
って全体を予測することが困難であるためであり、ま
た、圧縮効率やリアルタイムエンコードの実現、実用コ
スト等を考慮すると、初期公差の算出時の演算精度や伝
送時の量子化スケーリング精度などを余り高くできない
ことによる。そして、位相予測がずれて行くとノイズの
入ったような音を生じさせたり、窓の周波数が聴感上聞
えてしまうようなことも起こるし、次のオリジナルフレ
ームの再生時に音色が極端に変化するためにオリジナル
フレームの位置が聴感上で明瞭に認識できるようになり
実用に程遠いものになってしまうが、本発明の音響信号
伝送方法を音源に適用する際に位相成分の残差を送らず
に大幅にデータ圧縮を行なった場合には、前記のような
問題点を生じなくすることができる。以上述べたよう
に、本発明の音響信号伝送方法では、予め定められた一
定の時間長を有するように音響信号から切出された順次
の各フーリエ変換フレームの信号に同じ窓関数を用いて
離散的にフーリエ変換し、前記した各フーリエ変換フレ
ーム毎のフーリエ変換の結果として求められた同一な所
定数の離散周波数毎のデータを用いて、前記した各フー
リエ変換フレーム毎に得た各離散周波数毎の位相成分の
内で、最初に伝送すべきフーリエ変換フレームにおける
位相成分を初期設定データとして伝送するとともに、フ
ーリエ変換フレーム群の各フレーム変換フレームの位相
成分によって決定される平均の傾斜による公差k、また
はフーリエ変換フレーム群の各フレーム変換フレームの
位相成分を用いて最小二乗法の適用により決定された傾
斜の値による公差データkを伝送する他に、位相信号の
残差をも伝送したり、各フーリエ変換フレーム群毎に最
初に伝送すべきフーリエ変換フレームにおける位相成分
を初期設定データとして伝送することにより、従来法に
よる音響信号の伝送方法に比べて大きなデータ量の圧縮
がなされた状態で良好な音質の音響信号の伝送(記録)
を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音響信号の伝送方法に使用されるエン
コーダの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の音響信号の伝送方法に使用されるデコ
ーダの構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の音響信号の伝送方法に使用されるエン
コーダの構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の音響信号の伝送方法の説明に使用され
る図である。
【図5】本発明の音響信号の伝送方法の説明に使用され
る図である。
【図6】本発明の音響信号の伝送方法の説明に使用され
る図である。
【図7】本発明の音響信号の伝送方法の説明に使用され
る図である。
【図8】本発明の音響信号の伝送方法の説明に使用され
る図である。
【図9】既提案の音響信号の伝送方法に使用されるエン
コーダの構成例を示すブロック図である。
【図10】既提案の音響信号の伝送方法に使用されるデ
コーダの構成例を示すブロック図である。
【図11】既提案の音響信号の伝送方法の説明に用いら
れる図である。
【符号の説明】
1…記録,伝送の対象にされているデジタル音響信号の
入力端子、2…オーバーラップ部、3,32…窓関数処
理部、4…高速フーリエ変換演算(FFT演算)部、6…
直交座標→極座標変換部、7,10,12,24,28
…ラッチ回路、8,13,14…減算器、9,16,2
6,30…データセレクタ、11…利得が2の増幅器、
17…量子化スケーリング部、18…マルチプレクサ、
20…受信側に設けられたデコーダの入力端子、21…
デマルチプレクサ、22…再量子化器、25,29…加
算器、27…極座標→直角座標変換部、31…逆FFT
演算部、36,37…メモリ、38…公差変化点決定
部、39…公差計算部、40…加算器、
【数4】
【数5】
【数10】
【数11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−221800(JP,A) 特開 平3−144700(JP,A) 特開 平5−216482(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G10L 3/00 - 9/18 H03M 7/30 H04B 14/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定められた一定の時間長を有するよ
    うに音響信号から切出された順次の各フーリエ変換フレ
    ームの信号に同じ窓関数を用いて離散的にフーリエ変換
    し、前記した各フーリエ変換フレーム毎のフーリエ変換
    の結果として求められた同一な所定数の離散周波数毎の
    データを用いて、前記した各フーリエ変換フレーム毎に
    得た各離散周波数毎の振幅成分と位相成分とを、それぞ
    れ高能率符号化した後に伝送する音響信号の伝送方法に
    おいて、順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換
    の結果として求めた同一な所定数の離散周波数毎のデー
    タから得た位相成分の内で、最初に伝送すべきフーリエ
    変換フレームにおける位相成分を初期設定データとして
    伝送するとともに、連続する3個以上のフーリエ変換フ
    レームを個々の群として設定された順次のフーリエ変換
    フレーム群について、各フーリエ変換フレーム群毎に、
    フーリエ変換フレーム群の一方の端部のフーリエ変換フ
    レームにおける位相成分と、その群における他の個々の
    フーリエ変換フレームにおける位相成分とによってそれ
    ぞれ個別に決定される傾斜の値の算術平均値を、それぞ
    れのフーリエ変換フレーム群の公差データとして伝送す
    るようにした音響信号の伝送方法。
  2. 【請求項2】 予め定められた一定の時間長を有するよ
    うに音響信号から切出された順次の各フーリエ変換フレ
    ームの信号に同じ窓関数を用いて離散的にフーリエ変換
    し、前記した各フーリエ変換フレーム毎のフーリエ変換
    の結果として求められた同一な所定数の離散周波数毎の
    データを用いて、前記した各フーリエ変換フレーム毎に
    得た各離散周波数毎の振幅成分と位相成分とを、それぞ
    れ高能率符号化した後に伝送する音響信号の伝送方法に
    おいて、順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換
    の結果として求めた同一な所定数の離散周波数毎のデー
    タから得た位相成分の内で、最初に伝送すべきフーリエ
    変換フレームにおける位相成分を初期設定データとして
    伝送するとともに、連続する3個以上のフーリエ変換フ
    レームを個々の群として設定された順次のフーリエ変換
    フレーム群について、各フーリエ変換フレーム群毎に、
    フーリエ変換フレーム群を構成している各フーリエ変換
    フレームにおける位相成分を用いて最小二乗法の適用に
    より決定される傾斜の値を、それぞれのフーリエ変換フ
    レーム群の公差データとして伝送するようにした音響信
    号の伝送方法。
  3. 【請求項3】 予め定められた一定の時間長を有するよ
    うに音響信号から切出された順次の各フーリエ変換フレ
    ームの信号に同じ窓関数を用いて離散的にフーリエ変換
    し、前記した各フーリエ変換フレーム毎のフーリエ変換
    の結果として求められた同一な所定数の離散周波数毎の
    データを用いて、前記した各フーリエ変換フレーム毎に
    得た各離散周波数毎の振幅成分と位相成分とを、それぞ
    れ高能率符号化した後に伝送する音響信号の伝送方法に
    おいて、順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換
    の結果として求めた同一な所定数の離散周波数毎のデー
    タから得た位相成分の内で、最初に伝送すべきフーリエ
    変換フレームにおける位相成分を初期設定データとして
    伝送するとともに、連続する3個以上のフーリエ変換フ
    レームを個々の群として設定された順次のフーリエ変換
    フレーム群について、各フーリエ変換フレーム群毎に、
    フーリエ変換フレーム群の一方の端部のフーリエ変換フ
    レームにおける位相成分と、その群における他の個々の
    フーリエ変換フレームにおける位相成分とによってそれ
    ぞれ個別に決定される傾斜の値の算術平均値を、それぞ
    れのフーリエ変換フレーム群の公差とする等差数列によ
    り、個々のフーリエ変換フレーム群に属する各フーリエ
    変換フレームにおける位相成分についての予測を行なっ
    て得た位相成分の予測残差と、前記した公差データとを
    伝送するようにした音響信号の伝送方法。
  4. 【請求項4】 予め定められた一定の時間長を有するよ
    うに音響信号から切出された順次の各フーリエ変換フレ
    ームの信号に同じ窓関数を用いて離散的にフーリエ変換
    し、前記した各フーリエ変換フレーム毎のフーリエ変換
    の結果として求められた同一な所定数の離散周波数毎の
    データを用いて、前記した各フーリエ変換フレーム毎に
    得た各離散周波数毎の振幅成分と位相成分とを、それぞ
    れ高能率符号化した後に伝送する音響信号の伝送方法に
    おいて、順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換
    の結果として求めた同一な所定数の離散周波数毎のデー
    タから得た位相成分の内で、最初に伝送すべきフーリエ
    変換フレームにおける位相成分を初期設定データとして
    伝送するとともに、連続する3個以上のフーリエ変換フ
    レームを個々の群として設定された順次のフーリエ変換
    フレーム群について、各フーリエ変換フレーム群毎に、
    フーリエ変換フレーム群を構成している各フーリエ変換
    フレームにおける位相成分を用いて最小二乗法の適用に
    より決定される傾斜の値を、それぞれのフーリエ変換フ
    レーム群の公差とする等差数列により、個々のフーリエ
    変換フレーム群に属する各フーリエ変換フレームにおけ
    る位相成分についての予測を行なって得た位相成分の予
    測残差と、前記した公差データとを伝送するようにした
    音響信号の伝送方法。
  5. 【請求項5】 予め定められた一定の時間長を有するよ
    うに音響信号から切出された順次の各フーリエ変換フレ
    ームの信号に同じ窓関数を用いて離散的にフーリエ変換
    し、前記した各フーリエ変換フレーム毎のフーリエ変換
    の結果として求められた同一な所定数の離散周波数毎の
    データを用いて、前記した各フーリエ変換フレーム毎に
    得た各離散周波数毎の振幅成分と位相成分とを、それぞ
    れ高能率符号化した後に伝送する音響信号の伝送方法に
    おいて、順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換
    の結果として求めた同一な所定数の離散周波数毎のデー
    タから得た位相成分の内で、N(ただし、Nは3以上の
    自然数)個のフーリエ変換フレームにおける1番目のフ
    ーリエ変換フレームの位相成分を初期設定データとして
    伝送するようにし、また前記したN個のフーリエ変換フ
    レームにおける1番目のフーリエ変換フレームの位相成
    分と他のN−1個のフーリエ変換フレームの個々の位相
    成分とによってそれぞれ個別に決定される傾斜の値の算
    術平均値を、公差データとして伝送するようにした音響
    信号の伝送方法。
  6. 【請求項6】 予め定められた一定の時間長を有するよ
    うに音響信号から切出された順次の各フーリエ変換フレ
    ームの信号に同じ窓関数を用いて離散的にフーリエ変換
    し、前記した各フーリエ変換フレーム毎のフーリエ変換
    の結果として求められた同一な所定数の離散周波数毎の
    データを用いて、前記した各フーリエ変換フレーム毎に
    得た各離散周波数毎の振幅成分と位相成分とを、それぞ
    れ高能率符号化した後に伝送する音響信号の伝送方法に
    おいて、順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換
    の結果として求めた同一な所定数の離散周波数毎のデー
    タから得た位相成分の内で、N(ただし、Nは3以上の
    自然数)個のフーリエ変換フレームにおける1番目のフ
    ーリエ変換フレームの位相成分を初期設定データとして
    伝送するようにし、また前記したN個のフーリエ変換フ
    レームにおける位相成分を用いて最小二乗法の適用によ
    り決定される傾斜の値を公差データとして伝送するよう
    にした音響信号の伝送方法。
  7. 【請求項7】 予め定められた一定の時間長を有するよ
    うに音響信号から切出された順次の各フーリエ変換フレ
    ームの信号に同じ窓関数を用いて離散的にフーリエ変換
    し、前記した各フーリエ変換フレーム毎のフーリエ変換
    の結果として求められた同一な所定数の離散周波数毎の
    データを用いて、前記した各フーリエ変換フレーム毎に
    得た各離散周波数毎の振幅成分と位相成分とを、それぞ
    れ高能率符号化した後に伝送する音響信号の伝送方法に
    おいて、順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換
    の結果として求めた同一な所定数の離散周波数毎のデー
    タから得た位相成分の内で、N(ただし、Nは3以上の
    自然数)個のフーリエ変換フレームにおける1番目のフ
    ーリエ変換フレームの位相成分を初期設定データとして
    伝送するようにし、また前記したN個のフーリエ変換フ
    レームにおける1番目のフーリエ変換フレームの位相成
    分と他のN−1個のフーリエ変換フレームの個々の位相
    成分とによってそれぞれ個別に決定される傾斜の値の算
    術平均値を、それぞれのフーリエ変換フレーム群の公差
    データとする等差数列により、前記したN個のフーリエ
    変換フレームにおける1番目のフーリエ変換フレームと
    N番目のフーリエ変換フレームとの間に存在する各フー
    リエ変換フレームにおける位相成分の予測を行なって得
    た位相成分の予測残差と、前記した公差データとを伝送
    するようにした音響信号の伝送方法。
  8. 【請求項8】 予め定められた一定の時間長を有するよ
    うに音響信号から切出された順次の各フーリエ変換フレ
    ームの信号に同じ窓関数を用いて離散的にフーリエ変換
    し、前記した各フーリエ変換フレーム毎のフーリエ変換
    の結果として求められた同一な所定数の離散周波数毎の
    データを用いて、前記した各フーリエ変換フレーム毎に
    得た各離散周波数毎の振幅成分と位相成分とを、それぞ
    れ高能率符号化した後に伝送する音響信号の伝送方法に
    おいて、順次のフーリエ変換フレーム毎にフーリエ変換
    の結果として求めた同一な所定数の離散周波数毎のデー
    タから得た位相成分の内で、N(ただし、Nは3以上の
    自然数)個のフーリエ変換フレームにおける1番目のフ
    ーリエ変換フレームの位相成分を初期設定データとして
    伝送するようにし、また前記したN個のフーリエ変換フ
    レームにおける位相成分を用いて最小二乗法の適用によ
    り決定される傾斜の値を公差データとする等差数列によ
    り、前記したN個のフーリエ変換フレームにおける1番
    目のフーリエ変換フレームとN番目のフーリエ変換フレ
    ームとの間に存在する各フーリエ変換フレームにおける
    位相成分の予測を行なって得た位相成分の予測残差と、
    前記した公差データとを伝送するようにした音響信号の
    伝送方法。
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