JP2841953B2 - 鋼板コンクリート製原子炉格納容器の構築方法 - Google Patents

鋼板コンクリート製原子炉格納容器の構築方法

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JP2841953B2
JP2841953B2 JP3219960A JP21996091A JP2841953B2 JP 2841953 B2 JP2841953 B2 JP 2841953B2 JP 3219960 A JP3219960 A JP 3219960A JP 21996091 A JP21996091 A JP 21996091A JP 2841953 B2 JP2841953 B2 JP 2841953B2
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plate
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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)
  • Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は構造躯体が鋼板コンク
リート造で構成される鋼板コンクリート製原子炉格納容
器を構築する構築方法に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】原子炉格
納容器は構造形式上、鋼製、プレストレストコンクリー
ト製、鉄筋コンクリート製、及び鋼板コンクリート製と
に分類され、この内、前三者の構造が現在建設中、ある
いは稼働中の格納容器に適用されているが、いずれもそ
れぞれに構造上、もしくは施工上の問題を抱えている。
【0003】鋼製格納容器は使用される鋼板の板厚に制
限があることから、設計内圧を高くできないため原子炉
出力の増加に伴い、格納容器を大型化させる必要があ
り、耐震上不利である。
【0004】プレストレストコンクリート製や鉄筋コン
クリート製の格納容器は高い構造強度を保有するが、前
者は高密度配筋及びプレストレストテンドン工事に多大
の工数を必要とし、ベースマット内部へのテンドンギャ
ラリーの設置に伴い、ベースマット工事のクリティカル
工期が延長される他、気密性を確保する内側のライナー
プレートが打設コンクリートの型枠を兼ねるためライナ
ープレートの溶接と検査に手間がかかり、またライナー
プレートが構造躯体の内側型枠を兼用することにより躯
体工事とライナープレート工事との取合いの調整が面倒
である。
【0005】鉄筋コンクリート製格納容器は同じく鉄筋
が高密度配筋になると同時に、ライナープレートが型枠
を兼ねるためプレストレストコンクリート製と同様の問
題がある。
【0006】鋼板コンクリート製はプレストレストコン
クリート製や鉄筋コンクリート製に比べ、工数や工期の
問題が少ないが、内側鋼板をライナープレートと兼用す
る場合に、ライナープレートが厚板鋼板となるため温度
荷重に対する座屈問題と、ライナープレートの溶接と検
査、及びライナープレート工事と躯体工事との取合いの
問題が生ずる。
【0007】この発明は以上の現在の格納容器が抱える
問題を踏まえてなされたもので、工数や取合いの問題を
解決する構造の格納容器を提案するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した通り、現在の格
納容器の構造形式にはそれぞれに得失があるが、本発明
では仮設工事を含めて工数が少なく、工期が比較的短期
である鋼板コンクリート造で格納容器の構造躯体を構成
し、その内側鋼板とライナープレートとを切り離すこと
により内側鋼板がライナープレートを兼ねる場合の、温
度荷重に対する座屈問題と、ライナープレート工事と躯
体工事の取合いの問題を回避すると共に、構造躯体とラ
イナープレートの、それぞれに要求される機能を分離
し、工事を簡易化する。
【0009】鋼板コンクリート造の構造躯体はプレスト
レストコンクリート造や鉄筋コンクリート造と同等以上
の強度を持ち得ることから、設計内圧を高く設定するこ
とができるため格納容器の内容量を小さく抑えることを
可能にすると同時に、プレストレストコンクリート造や
鉄筋コンクリート造における高密度配筋や、型枠の組立
及び解体工事が不要であることにより大幅な工数の削減
と工期の短縮化が見込める。特にプレストレストコンク
リート造と比較した場合、テンドンギャラリー、バット
レス、ゴンドラ等の付帯設備がなくなり、メインテナン
スの必要性も低く、施工性が高い、等の利益がある。
【0010】またライナープレートを構造躯体の内側鋼
板から切り離し、機能を分離することによりそれぞれに
必要とされる性能が明確となり、内側鋼板は構造強度や
打設コンクリートに対する強度、及び遮蔽性を、ライナ
ープレートは気密性をそれぞれ分担すればよく、設計が
し易くなると同時に、構造躯体とライナープレートとの
取合いが容易となり、両工事が簡易化される。
【0011】具体的には内側鋼板がライナープレートを
兼ねない結果、その材料、溶接方法、検査の基準が鋼構
造物並みで足り、また気密性が要求されないことから、
鋼板同士の接合が部分溶接やボルト接合等で間に合う
等、設計の自由度が増す。
【0012】加えて分離したライナープレートと内側鋼
板との間にコンクリートが充填されることにより構造躯
体とライナープレート間に断熱効果が生まれ、事故発生
時の鋼板の温度応力が低減される。
【0013】格納容器は互いに距離を隔てて環状に配置
される内側鋼板及び外側鋼板と、両者間に充填されるコ
ンクリートとからなる構造躯体と、その内側に内側鋼板
より距離を隔てて内側鋼板に固定されるライナープレー
トとから構成され、その構築は高さ方向に複数個に分割
された、内側鋼板及び外側鋼板にライナープレートが付
属した鋼板ユニットをベースマット上に順次設置し、上
下に隣接する鋼板ユニットを互いに接合しながら、内側
鋼板と外側鋼板間及び内側鋼板とライナープレート間に
コンクリートを充填する、という手順を繰り返して行わ
れる。
【0014】最下部の鋼板ユニットはベースマットの打
継ぎ面上に設置され、内側鋼板と外側鋼板間、及びその
周囲にコンクリートが打設されて鋼板ユニットの脚部が
ベースマット中に定着される。ベースマットの天端面に
は鋼板ユニットのライナープレートに連続する床面のラ
イナープレートが敷設され、床面のライナープレートと
壁面のライナープレートの連続性が確保される。
【0015】ベースマット中に定着された鋼板ユニット
上には、上方に隣接し、同一構成の鋼板ユニットが吊り
込まれ、鋼板ユニットの吊り込み毎に上下の鋼板ユニッ
トの内側鋼板、外側鋼板及びライナープレートを互いに
接合する作業と、内側鋼板と外側鋼板間及び内側鋼板と
ライナープレート間にコンクリートを充填する作業が一
定高さまで繰り返される。
【0016】一定高さまでの鋼板ユニットの吊り込みと
コンクリートの充填作業後の施工は格納容器の種類によ
って異なり、沸騰水型原子炉の場合は請求項1に記載の
ように最上部の鋼板ユニット上に、内側鋼板及び外側鋼
板と、内側鋼板の内側に距離を隔てて内側鋼板に固定さ
れるライナープレートと、そのライナープレートに連続
する天井面のライナープレートと、支保工鉄骨と上端筋
及び下端筋から構成される床ユニットが吊り込まれる。
【0017】その後、上下の内側鋼板、外側鋼板、及び
ライナープレートを互いに接合し、内側鋼板と外側鋼板
間及び内側鋼板とライナープレート間にコンクリートを
充填すると共に、床ユニットのライナープレート上にコ
ンクリートを打設することにより格納容器が構築され
る。
【0018】鋼板ユニットのライナープレートと天井面
のライナープレートの連続性は、床ユニットの、内側鋼
板の内側に位置する壁面のライナープレートと、その下
の鋼板ユニットのライナープレートが接合されることに
より確保される。
【0019】加圧水型原子炉の場合は請求項2に記載の
ように一定高さまで吊り込まれた鋼板ユニットの内の上
部の鋼板ユニット上に、同一構成で、相対的に下側の鋼
板ユニットより径の小さい鋼板ユニットが順次吊り込ま
れ、吊り込み毎に上下の鋼板ユニットの内側鋼板、外側
鋼板及びライナープレートを互いに接合する作業と、内
側鋼板と外側鋼板間及び内側鋼板とライナープレート間
にコンクリートを充填する作業が繰り返される。
【0020】その後、最上部の鋼板ユニット上に、鋼板
ユニットのライナープレートに連続する天井面のライナ
ープレートと、支保工鉄骨と上端筋及び下端筋から構成
される頂部ユニットを吊り込み、鋼板ユニットのライナ
ープレートと頂部ユニットのライナープレートを接合す
ると共に、頂部ユニットの天井面のライナープレート上
にコンクリートを打設することにより格納容器が構築さ
れる。
【0021】この場合も最上部の鋼板ユニットのライナ
ープレートと頂部ユニットのライナープレートの接合に
よって壁面のライナープレートと天井面のライナープレ
ートの連続性が確保される。
【0022】以上の通り、本発明では基本的に、環状に
配置される内側鋼板及び外側鋼板と、ライナープレート
から構成される鋼板ユニットを順次吊り込み、上下に隣
接する鋼板ユニット同士を接合することと、コンクリー
トを充填することで格納容器を構築できるため、施工の
効率が高い。
【0023】
【実施例】この発明により構築される原子炉格納容器CV
は鋼板コンクリート製の構造躯体Sの内側にライナープ
レート4を張り付けて構成されるもので、ライナープレ
ート4を構造躯体Sの内側鋼板1から切り離し、構造躯
体Sとライナープレート4の機能を分離させたものであ
る。
【0024】図1,図2は沸騰水型原子炉(以下BW
R)の、図3,図4は加圧水型原子炉(以下PWR)の
格納容器CVの概要を示したものであるが、ここに示すよ
うに格納容器CVの構造躯体Sは互いに距離を隔てて環状
に配置される内側鋼板1及び外側鋼板2と、両者間に充
填されるコンクリート3とからなり、構造躯体Sの内周
面側の全面に内側鋼板1から距離を隔ててライナープレ
ート4が張り付けられる。
【0025】ライナープレート4は格納容器CV内の気密
性を確保し、構造躯体Sは構造強度と遮蔽性、及び水密
性を確保する役目を持ち、ライナープレート4と構造躯
体Sはそれぞれ独立した機能を分担する。
【0026】構造躯体Sの内側鋼板1と外側鋼板2は図
1,図3に示すように原子炉建屋のベースマットB中に
埋設され、このベースマットB上に格納容器CVが構築さ
れる。内側鋼板1と外側鋼板2の脚部はベースマットB
の打継ぎ面から上方へ延長する長さを持つアンカーボル
ト7を使用することによりベースマットB上から構築す
ることも可能である。
【0027】図5は格納容器CVとベースマットBとの接
続部分の詳細を示したものであるが、ここに示すように
構造躯体Sの内側鋼板1と外側鋼板2の脚部は必要な定
着長さだけベースマットBのコンクリート3中に埋設さ
れる。ベースマットBのコンクリート3の打継ぎ面のレ
ベルはこの内側鋼板1及び外側鋼板2の定着長さにより
決まる。
【0028】内側鋼板1と外側鋼板2の、ベースマット
Bの打継ぎ面への定着は例えば図示するように下端に接
合されたベースプレート5をベースモルタル6上に載せ
てレベル調整を行い、打継ぎ面から突出するアンカーボ
ルト7にベースプレート5を固定する、という簡易な方
法で行われる。
【0029】ベースマットB中に埋設される内側鋼板1
と外側鋼板2はその両面に突設されるスタッドボルト8
によりコンクリート3と一体化される。
【0030】構造躯体Sを構成する内側鋼板1と外側鋼
板2、及びライナープレート4は後述するように高さ方
向に分割された形で設置されるが、ライナープレート4
は図5に示すように内側鋼板1から、ライナープレート
4,4同士の接合上、あるいは断熱性の確保上十分な距
離を隔てて配置され、内側鋼板1につなぎ材9によって
一体的に取り付いた状態で設置される。
【0031】ライナープレート4はベースマットBの天
端面にも張り付けられるが、構造躯体Sとベースマット
Bの隅角部ではここに床面のライナープレート4と構造
躯体S側のライナープレート4とに接続する形状のコー
ナーアンカー10が設置されることによって2方向のライ
ナープレート4,4の端部の位置が調整され、双方がコ
ーナーアンカー10に溶接されることによって2方向のラ
イナープレート4,4が連続する。ベースマットB上の
ライナープレート4はコンクリート3中に埋め込まれる
下地プレート11に支持されて敷設される。
【0032】高さ方向に隣接するライナープレート4,
4間の接合が両面溶接で行われる場合は、図5〜図7に
破線で示すようにその継手部分の内側鋼板1に開口10
形成すると同時に、ここに塞ぎ板11を設置する等により
内側鋼板1の一部を後付け可能にし、ライナープレート
4,4の溶接と検査後に塞ぎ板11で開口10を塞ぐ構造に
しておく。
【0033】内側鋼板1及び外側鋼板2と、その間に充
填されるコンクリート3とは対向する面に突設され、コ
ンクリート3との付着を高めるスタッドボルト8と、内
側鋼板1と外側鋼板2間に架設され、鋼板面外方向のせ
ん断強度を確保するシアバー12によって一体化される。
コンクリート3は内側鋼板1とライナープレート4間に
も充填され、格納容器CVの内部と構造躯体Sとの間で断
熱性を確保する。
【0034】また図5に示すように構造躯体Sの一部に
は、格納容器CV内への配管貫通用、または機器や資材の
搬入を行うためのスリーブ13が外側鋼板2とライナープ
レート4間を貫通して架設される。
【0035】図6は格納容器CVの壁W部分と中間スラブ
m 部分の接続部分の詳細を示したものである。図示す
る格納容器CVはBWR,あるいは改良型BWR(ABWR)
タイプの場合を示している。
【0036】中間スラブSm は下端筋に相当する天井面
の鋼板18と上端筋15を配筋し、その間にコンクリート3
を充填した半鋼板コンクリート造で構築される。この中
間スラブSm を挟む、壁W部分の上下のライナープレー
ト4,4の間にはこれらと、天井面の鋼板18と鉄筋継手
用スリーブ19を溶接したコーナーアンカー10が設置され
る。ここのコーナーアンカー10は中間スラブSm を貫通
して配置されることから、プレート状をしている。
【0037】また中間スラブSm のコンクリート3中に
は配筋時等の足場を兼ねる、骨組の支保工鉄骨14と上端
筋15が壁Wを挟んで連続的に配置されるが、ここではコ
ーナーアンカー10がライナープレート4と同じ格納容器
の気密境界となるため、支保工鉄骨14と上端筋15、及び
鉄筋継手用スリーブ19はコーナーアンカー10を貫通する
ことなくその両面に突き合わせ溶接される。
【0038】図7は図6に示す部分の上方の壁W部分と
トップスラブSt との接続部分の詳細を示したものであ
る。これもBWR(ABWR)タイプの場合を示している。
【0039】トップスラブSt は支保工鉄骨14と上端筋
15及び下端筋16を配置した鉄筋コンクリート造で構成さ
れる。また天井面に中間スラブSm の鋼板18に代わって
ライナープレート4が張り付けられ、このライナープレ
ート4と壁Wのライナープレート4とがコーナーアンカ
ー10によって連続することは中間スラブSm 部分と同様
である。この部分のコーナーアンカー10はトップスラブ
t のコンクリート3を貫通しないことから、ベースマ
ットB部分と同形状をしている。
【0040】ここでは壁Wの内側鋼板1及び外側鋼板2
はトップスラブSt の天端まで貫通して定着され、トッ
プスラブSt 中の支保工鉄骨14を支持している。トップ
スラブSt の天井面のライナープレート4は支保工鉄骨
14から吊部材17により吊り支持され、床型枠を兼ねる。
【0041】以上の鋼板コンクリート造の格納容器CVは
図8に示すBWRタイプや図9に示すPWRタイプの軽
水炉、あるいは改良型軽水炉ABWR、APWRの他、図10に示
す高速増殖炉(FBR)に適用される。
【0042】次に本発明の構築方法を説明する。
【0043】始めに中間スラブSm を有するBWR(AB
WR)タイプの格納容器CVの施工手順を図11〜図14により
説明する。
【0044】鋼板ユニットUは図11に示すように互いに
距離を隔てる内側鋼板1及び外側鋼板2と、内側鋼板1
の内側に距離を隔てて内側鋼板1に固定されるライナー
プレート4から、吊り上げ可能な高さで環状に組み立て
られている。内側鋼板1と外側鋼板2、及びライナープ
レート4は同心円状に配置されている。
【0045】まず最下部に設置される鋼板ユニットUを
大型クレーンによってベースマットBの打継ぎ面上に吊
り込み、前記した通り、アンカーボルト7にベースプレ
ート5を固定する。
【0046】その後、図12に示すように打継ぎ面上と鋼
板ユニットU内にコンクリート3を打設し、内側鋼板1
と外側鋼板2をベースマットBに定着させて鋼板ユニッ
トUの脚部をベースマットBに固定する。コンクリート
3は内側鋼板1と外側鋼板2間、及び内側鋼板1とライ
ナープレート4間に充填される。ベースマットBの天端
面には図5に示すように床面のライナープレート4が敷
設され、これと鋼板ユニットUのライナープレート4は
共にコーナーアンカー10に溶接されることで連続する。
【0047】続いて図13に示すように最下部の鋼板ユニ
ットU上に隣接する鋼板ユニットUを吊り込み、双方の
内側鋼板1,1、外側鋼板2,2、及びライナープレー
ト4,4を互いに溶接して両鋼板ユニットU,Uを接合
し、内側鋼板1と外側鋼板2間、及び内側鋼板1とライ
ナープレート4間にコンクリート3を充填する。
【0048】BWR(ABWR)タイプの格納容器CVの床の
部分(中間スラブSm 、またはトップスラブSt )は図
14に示すように外側鋼板2と内側鋼板1、及びその内周
に付属するライナープレート4に加え、中間スラブSm
の場合の天井面の鋼板18、もしくはトップスラブSt
場合のライナープレート4と上端筋15及び支保工鉄骨14
を一体化して製作された床ユニットu1を吊り込み、鋼板
ユニットUに無支保工状態で接合する。接合の詳細は図
6に示すように前記した通りである。床がトップスラブ
t の場合、床ユニットu1には下端筋16も付属する。
【0049】次に中間スラブSm を有しないPWR(AP
WR)タイプの格納容器CVの施工手順を図15〜図18により
説明する。
【0050】このタイプの格納容器CVも壁W部分はBW
R(ABWR)タイプの場合と同じ要領で鋼板ユニットUを
吊り込み、互いに接合することにより構築されるが、格
納容器CVの直径がBWR(ABWR)タイプより相対的に大
きくなるため、格納容器CVは図15に示すようにクレーン
の揚重能力に応じてより多くの鋼板ユニットUに分割さ
れる場合がある。
【0051】ドーム状の天蓋部分の鋼板ユニットUは既
に構築済みの鋼板ユニットUのリング剛性によりその上
に単純に載置されるのみでこれに支持されるため、仰角
45°付近までは図16,図17に示すように下側に隣接する
鋼板ユニットU上に鋼板ユニットUを設置し、壁Wに連
続して鋼板コンクリート造で構築される。
【0052】それより大きい角度の部分は図18に示すよ
うに鉄筋コンクリート造で構築される。この部分は図19
に示すように上端筋15及び下端筋16と、鋼板ユニットU
のライナープレート4に連続するライナープレート4、
及び支保工鉄骨14を一体化して組み立てられた頂部ユニ
ットu2を吊り込み、これを最上部の鋼板ユニットU上に
設置し、更に外側鋼板2に連続する型枠を設置してコン
クリート3を打設する、という要領で施工される。頂部
ユニットu2の、最上部の鋼板ユニットUに接続する支保
工鉄骨14と、上端筋15及び下端筋16は鋼板ユニットUの
コンクリート3中へ定着される。
【0053】
【発明の効果】格納容器の構造躯体を鋼板コンクリート
造で構成するため、プレストレストコンクリート造や鉄
筋コンクリート造と同等以上の強度を持たせながら、こ
れらの構造に必要とされるテンドン、鉄筋の高密度配筋
や、それに使用される型枠、仮設設備等の組立と解体工
事が不要となり、施工性が高く、工数の大幅な削減と工
期の短縮化を図ることができる。
【0054】ライナープレートを構造躯体の内側鋼板か
ら切り離してあるため、構造躯体とライナープレートの
機能が明確に分離され、構造躯体とライナープレートと
の取合いが容易になり、それぞれの工事が簡易化される
と同時に、温度荷重に対する座屈の問題が回避される。
【0055】分離したライナープレートと内側鋼板との
間にコンクリートが充填されることで、構造躯体とライ
ナープレート間に断熱効果が生まれるため、事故発生時
の鋼板の温度応力を低減することができる。
【0056】基本的に、環状に配置される内側鋼板及び
外側鋼板と、ライナープレートから構成される鋼板ユニ
ットを順次吊り込み、上下に隣接する鋼板ユニット同士
を接合することと、コンクリートを充填することで格納
容器を構築できるため、施工の効率が高い。また上下に
隣接する鋼板ユニット同士の接合は水平方向の溶接のみ
でよいため、溶接効率がよく、その作業環境もよい。
【0057】鋼板ユニットは吊り込み時に偏心を生じに
くい、安定性の高い環状であることから、吊り込み時に
安定性を確保するための格別な支持材を必要としないた
め、一ユニットの大型化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】沸騰水型原子炉の概要を示した縦断面図であ
る。
【図2】図1の横断面図である。
【図3】加圧水型原子炉の概要を示した縦断面図であ
る。
【図4】図3の横断面図である。
【図5】格納容器の構造躯体とベースマットとの取合い
を示した縦断面図である。
【図6】沸騰水型原子炉格納容器の構造躯体と中間スラ
ブとの取合いを示した縦断面図である。
【図7】沸騰水型原子炉格納容器の構造躯体とトップス
ラブとの取合いを示した縦断面図である。
【図8】沸騰水型原子炉の建屋全体を示した概略図であ
る。
【図9】加圧水型原子炉の建屋全体を示した概略図であ
る。
【図10】高速増殖炉の建屋全体を示した概略図であ
る。
【図11】沸騰水型原子炉格納容器の構築の最初の工程
を示した斜視図である。
【図12】図11の次の工程を示した斜視図である。
【図13】図12の次の工程を示した斜視図である。
【図14】図13の次の工程を示した斜視図である。
【図15】加圧水型原子炉格納容器の構築の最初の工程
を示した斜視図である。
【図16】図15の次の工程を示した斜視図である。
【図17】図16の次の工程を示した斜視図である。
【図18】図17の次の工程を示した斜視図である。
【図19】加圧水型原子炉格納容器の構造躯体の頂部を
示した縦断面図である。
【符号の説明】
CV……格納容器、S……構造躯体、1……内側鋼板、10
……開口、11……塞ぎ板、2……外側鋼板、3……コン
クリート、4……ライナープレート、B……ベースマッ
ト、5……ベースプレート、6……ベースモルタル、7
……アンカーボルト、8……スタッドボルト、9……つ
なぎ材、10……コーナーアンカー、11……下地プレー
ト、12……シアバー、13……スリーブ、W……壁、Sm
……中間スラブ、St ……トップスラブ、14……支保工
鉄骨、15……上端筋、16……下端筋、17……吊部材、18
……鋼板、19……鉄筋継手用スリーブ、u1……床ユニッ
ト、u2……頂部ユニット。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 13/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに距離を隔てて環状に配置される内
    側鋼板及び外側鋼板と、内側鋼板の内側に距離を隔てて
    内側鋼板に固定されるライナープレートから構成される
    鋼板ユニットをベースマットの打継ぎ面上に設置し、内
    側鋼板と外側鋼板間、及びその周囲にコンクリートを打
    設して鋼板ユニットの脚部をベースマット中に定着させ
    ると共に、ベースマットの天端面に、前記鋼板ユニット
    のライナープレートに連続する床面のライナープレート
    を敷設した後、前記鋼板ユニット上に、上方に隣接し、
    同一構成の鋼板ユニットを吊り込み、鋼板ユニットを吊
    り込む毎に上下の鋼板ユニットの内側鋼板、外側鋼板及
    びライナープレートを互いに接合し、内側鋼板と外側鋼
    板間及び内側鋼板とライナープレート間にコンクリート
    を充填する作業を一定高さまで繰り返した後、最上部の
    鋼板ユニット上に、内側鋼板及び外側鋼板と、内側鋼板
    の内側に距離を隔てて内側鋼板に固定されるライナープ
    レートと、そのライナープレートに連続する天井面のラ
    イナープレートと、支保工鉄骨と上端筋及び下端筋から
    構成される床ユニットを吊り込み、上下の内側鋼板、外
    側鋼板、及びライナープレートを互いに接合し、内側鋼
    板と外側鋼板間及び内側鋼板とライナープレート間にコ
    ンクリートを充填すると共に、床ユニットのライナープ
    レート上にコンクリートを打設する鋼板コンクリート製
    原子炉格納容器の構築方法。
  2. 【請求項2】 互いに距離を隔てて環状に配置される内
    側鋼板及び外側鋼板と、内側鋼板の内側に距離を隔てて
    内側鋼板に固定されるライナープレートから構成される
    鋼板ユニットをベースマットの打継ぎ面上に設置し、内
    側鋼板と外側鋼板間、及びその周囲にコンクリートを打
    設して鋼板ユニットの脚部をベースマット中に定着させ
    ると共に、ベースマットの天端面に、前記鋼板ユニット
    のライナープレートに連続する床面のライナープレート
    を敷設した後、前記鋼板ユニット上に、上方に隣接し、
    同一構成の鋼板ユニットを吊り込み、鋼板ユニットを吊
    り込む毎に上下の鋼板ユニットの内側鋼板、外側鋼板及
    びライナープレートを互いに接合し、内側鋼板と外側鋼
    板間及び内側鋼板とライナープレート間にコンクリート
    を充填する作業を一定高さまで繰り返した後、その内の
    上部の鋼板ユニット上に、同一構成で、相対的に下側の
    鋼板ユニットより径の小さい鋼板ユニットを順次吊り込
    む毎に上下の鋼板ユニットの内側鋼板、外側鋼板及びラ
    イナープレートを互いに接合し、内側鋼板と外側鋼板間
    及び内側鋼板とライナープレート間にコンクリートを充
    填する作業を繰り返した後、最上部の鋼板ユニット上
    に、その鋼板ユニットのライナープレートに連続する天
    井面のライナープレートと、支保工鉄骨と上端筋及び下
    端筋から構成される頂部ユニットを吊り込み、鋼板ユニ
    ットのライナープレートと頂部ユニットのライナープレ
    ートを接合すると共に、頂部ユニットのライナープレー
    ト上にコンクリートを打設する鋼板コンクリート製原子
    炉格納容器の構築方法。
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