JP2841078B2 - 繊維機械用の、リニアモータ駆動レバー型糸案内装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、繊維機械用のレバー型糸案内、特に、メ
リヤス類及び編み織物製品用機械向けのレバー型糸案内
に関する。

〔従来の技術〕

従来の繊維機械は、ボビン等の支持体から繰り出され
る糸が通る管をアームの一端に保持した複数個のレバー
からなる糸案内装置を用いている。

針等の機構に糸を差し込む部材（以下、「送り部材」
という）に、織る色に応じて糸を引っ掛けるために、レ
バーは、この送り部材がある位置よりも高さが高い停止
位置から、下方の位置に移動して、送り部材が糸をつか
めるようにしている。このようなレバーの運動は、公知
の糸案内装置では、タイバー（tie bar）、カムまたは
電磁石等を用いた種々の方法による機械的駆動によりも
たらされる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

このような公知の糸案内装置には、いろいろな欠点が
ある。例えば、機械的または電磁石を用いた駆動の場合
における欠点の１つは、各レバーが、２つの位置、すな
わち各レバーが上昇した停止位置と、各レバーが下降し
て送り部材により糸をつかむことができる作動位置とを
有することである。いったん、作動位置が固定されてし
まうと、機械的または電磁石を用いた駆動装置によりレ
バーをその停止位置に戻すまで、レバーは動くことがで
きない。さらに、ノツトが、管の付近に来て、管に力を
加えることによりその中に入ろうとすると、ノツトは、
レバー（作動位置にある場合には、送り部材の方向に向
かってさらに移動することはできない）に力を加えるこ
とになり、レバーがさらに動くことができなために糸を
破断させることがある。

もう一つの問題は、各位置ごとに特別な電磁石または
カムが必要となり、いったん機械的構造を始めに定める
と、糸案内の動作を種々の位置にプログラム制御できな
いことである。

公知の糸案内装置のさらにもう一つの欠点は、全体の
大きさの点である。

そこで、本願発明の目的は、従来の糸案内装置の上述
した欠点を解消できる糸案内装置を提供することにあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上述した目的及び当業者に明らかになるその他目的
は、リニアモータで駆動する少なくとも１個のレバー
と、このレバーの移動中その占める位置を検知するセン
サ機構とからなることを特徴とする、織物機械用のレバ
ー型糸案内装置により達成される。

〔実施例〕

以下、本発明について、非限定的な実施例を示した添
付図面を参照しながら、さらに詳細に説明する。

添付図面に示すように、本願発明による糸案内装置
は、シヤフト２に回転自在に止められたレバー１であっ
て、リニアモータ３によりこのシヤフトを中心として移
動するレバーを備える。

詳しく述べると、このレバー１は、２本のアーム、す
なわち自由端に糸案内管６を支持する第１アーム４と、
リニアモータ３の一部を構成するコイル７を支持する第
２アーム５とからなる。このリニアモータは、互いに反
対極性の永久磁石８及び９であって、固定構造体10によ
り支持されたものからなる。

レバー１は、レバーの中央部すなわち支点13に形成し
た穴12に入れた軸受け11を介して、シヤフト２を中心と
して回転できる。

ほぼ四角形状のリニアモータ３のコイル７は、例え
ば、２辺14及び15が、レバーの支点13の箇所で収束し永
久磁石８及び９と向かい合うようにした銅線で形成でき
る。

第１図及び第３図に示すように、このコイルは、レバ
ー１の第２アーム５に形成した穴16内に収容される。こ
れとは異なり、第２図に示す実施例では、このコイル７
は、レバー１の第２アーム５の一側に形成した適切な形
状の受部17内に収容される。

先に述べたように、永久磁石８及び９は、固定構造体
10により支持されるが、この固定構造体は、これら永久
磁石の厚さとほぼ等しい厚さの非磁性材料で形成する。

レバー１の移動中それが取る位置を測定するため、レ
バー１に固定した部材21（例えば小型磁石）、固定した
読み取り部材22とからなるセンサ20を設ける。このセン
サ20は、レバー１が取る幾つかの位置を検出できる、例
えばホール効果センサのような公知のセンサで構成する
とよい。このようなセンサの代りに、レバー１が取る種
々の位置を、公知の型のポテンシヨナルメータまたは位
置トランジユーサにより検出できるようにしてもよい。

第３図は、互いに平行に位置付け全てを同じシヤフト
２（図示せず）に回転自在に取り付けた２個以上のレバ
ー１からなる、本発明による糸案内装置を示すものであ
る。これらのレバーは、少なくとも一部が箱形部材30に
より囲まれ、この箱形部材には、レバー１に固定した各
コイルに電流を送り込む導体（図示せず）が通る複数個
の穴（図示せず）を形成する。これらの導体は、レバー
１の第２アーム５の一側に設ける公知の部材（図示せ
ず）を介してコイル７と接続する。さらに、位置センサ
20を、各レバー１と組み合わせる。

箱形部材30により、非磁性材料の固定構造体10を、挟
み込み型の締め付けボルト31等の公知の手段により囲い
込む。

ここで、糸50が、針または送り部材（trans−port me
mber）の方に移動しようとしているものとする。

糸がこのような方向に移動するためには、コイル７に
電流を流し、永久磁石８及び９により作り出される磁界
の中にコイルを置き、（すなわち、コイルと磁石間に磁
気結合をもたらして）、コイル７がその停止位置から移
動する力を受けるようにする。

すると、レバー１が、シヤフト２を中心として回転
し、糸案内管６を通る糸50を針がこの糸をつかむことが
できる位置に引き寄せるように第１アーム４を針の方に
動かす。

この動作の間、センサ20により、第１アーム４の下降
を制御できるようにする。

第１アーム４を上昇させる必要があるときには、第１
アーム４を下降するときに通電した電流の方向とは逆の
方向に電流がコイル７を通るように電流をコイルに流
す。

小さな電流をコイル７に循環させれば、レバー１の第
２アーム５を到達位置に保持する、すなわちレバー１を
停止位置に保持することができる。

もし、糸50が糸案内管６を滑って通過するのをちょっ
との間でも妨げるようなノツトが糸にある場合には、レ
バー１は、作動位置からさらに移動して糸をより針の方
に持っていくことができる。このようにして、ノツト
は、糸案内管６を通り抜けやすくなるので、糸が破断す
ることはない。

本発明による糸案内装置によれば、糸案内レバーは複
数の位置をとることができ、レバー１の動きを位置セン
サ20により制御するマイクロプロセツサによるプログラ
ム化制御がしやすくなる。

上述した糸案内装置のリニアモータは、磁界内で移動
するコイルを備えている。しかしながら、コイルを固定
構造体10に固定し、永久磁石８及び９をレバー１の第２
アーム５に固定することにより、コイルを固定化し永久
磁石を可動にしてもよい。

本発明による糸案内装置は、従来の糸案内装置が有し
ていた先に述べた問題点を解消するものである。本発明
による糸案内装置はまた、全体の寸法が小さくて、極め
てコンパクトであり、したがって、糸案内装置を繊維機
械に位置付けることはたやすい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明によるレバー型糸案内装置の概略斜視
図を示すものであり、第２図は、本発明による糸案内装
置の変形例の一部を断面図で示した概略斜視図を示すも
のであり、第３図は、織物機械に応用するのに適した糸
案内装置の一部を断面図で表わした正面図である。 １……レバー、２……シヤフト、３……リニアモータ、
４……第１アーム、５……第２アーム、６……糸導管、
７……コイル、８及び９……永久磁石、10……固定構造
体、20……センサ機構

Claims (12)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シャフト（２）にこれを中心として回転自
   在に支持された、少なくとも１個の糸案内レバー（１）
   であって、糸案内管（６）を備えたものと、 コイル（７）と少なくとも１個の磁石（８、９）とを備
   えたリニアモータ（３）とからなり、 コイルと磁石のうちの一方は、レバーに設けられ、他方
   は、レバーに近接して固定されて、コイルと磁石間に磁
   気結合をもたらし、センサ機構（20）を設けて、レバー
   （１）がシャフト（２）を中心として回転する間、コイ
   ルと磁石との磁気関係に応じてレバーが取る位置を検出
   する、繊維機械、特にメリヤス類及び編み織物製品用機
   械向けの、リニアモータ（３）駆動されるレバー型糸案
   内装置。
2. 【請求項２】前記磁石（８、９）は、２個の永久磁石か
   らなり、これら永久磁石は、互いに極性が反対になるよ
   うに配置されることを特徴とする請求項第１項に記載の
   糸案内装置。
3. 【請求項３】前記コイル（７）は、前記レバー（１）の
   アーム（５）に支持され、前記永久磁石（８、９）は、
   非磁性材で形成された固定構造体（10）により支持され
   ることを特徴とする請求項第２項に記載の糸案内装置。
4. 【請求項４】前記永久磁石（８、９）は、前記レバー
   （１）のアーム（５）に支持され、前記コイル（７）
   は、固定構造体（10）に支持されることを特徴とする請
   求項第２項に記載の糸案内装置。
5. 【請求項５】前記レバー（１）と、前記コイル（７）
   と、前記永久磁石（８。９）とが位置する各面は、ほぼ
   平行であることを特徴とする請求項第２項、第３項また
   は第４項のいずれかに記載の糸案内装置。
6. 【請求項６】前記コイル（７）と前記レバー（１）とが
   位置する各面は、ほぼ一致することを特徴とする請求項
   第２項、第３項または第４項のいずれかに記載の糸案内
   装置。
7. 【請求項７】少なくとも２個のレバー（１）が、箱型部
   材（30）内に挟まれ、これらレバーの間に、非磁性固定
   構造体（10）が設けられ、前記コイル（７）は、レバー
   （１）の各々に設けられ、前記リニアモータ（３）の永
   久磁石（８、９）は、この固定構造体内に収容されるこ
   とを特徴とする請求項第２項ないし第６項のいずれかに
   記載の糸案内装置。
8. 【請求項８】前記位置センサ機構（20）は、前記レバー
   （１）に固定した部材（21）と、固定構造体に固定した
   読み取り部材（22）とからなることを特徴とする請求項
   第１項に記載の糸案内装置。
9. 【請求項９】前記レバー（１）に固定した前記センサ機
   構（20）の固定部材（21）は、２個の永久磁石からなる
   ことを特徴とする請求項第８項に記載の糸案内装置。
10. 【請求項１０】前記位置センサ機構（20）は、ホール効
    果センサであることを特徴とする請求項第１項に記載の
    糸案内装置。
11. 【請求項１１】前記位置センサ機構（20）は、ポテンシ
    ョンメータであることを特徴とする請求項第８項に記載
    の糸案内装置。
12. 【請求項１２】前記位置センサ機構（20）は、位置トラ
    ンジューサであることを特徴とする請求項第８項に記載
    の糸案内装置。