JP2838584B2 - 光記録ディスク - Google Patents

光記録ディスク

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JP2838584B2
JP2838584B2 JP2192255A JP19225590A JP2838584B2 JP 2838584 B2 JP2838584 B2 JP 2838584B2 JP 2192255 A JP2192255 A JP 2192255A JP 19225590 A JP19225590 A JP 19225590A JP 2838584 B2 JP2838584 B2 JP 2838584B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、光記録媒体、特にコンパクトディスク規格
に対応する可能なライト・ワンス型の光記録ディスクに
関する。
<従来の技術> 基板上に反射層を有する光情報媒体として、例えば、
コパクトディスク(以下、CDと略称する)規格に対応し
て追記ないし記録を行なうことのできる光記録ディスク
が提案されている(日経エレクトロニクス1989年1月23
日号,No.465,P107、社団法人近畿化学協会機能性色素部
会,1989年3月3日,大阪科学技術センター、SPIE vol
1078 Optical Data Storage Topical Meeting,80 1989
等)。
このものは、透明樹脂基板上に、色素層、Au反射層お
よび保護膜をこの順に設層して形成される。すなわち、
反射層を色素層に密着して設けるものである。
従来は、色素層にビットを形成するために色素層上に
空気層を設けていたが、この提案では、反射層を色素層
に密着して設ける密着型であるので、CD規格のディスク
全厚1.5mm以上の構成が可能となっている。
このような反射層と色素を含有する記録層とを密着し
て設ける密着型の媒体の場合には、特に、記録層の記録
光および再生光に対し、60%以上、特にCD規格では70%
以上の反射率をもつ必要がある。
<発明が解決しようとする課題> 本発明者らは、このような光記録ディスクについて種
々追試を行なった。
その結果、このような反射層と色素を含有する記録層
とを密着して設ける場合には、基板と記録層との界面に
形成される微小記録部が色素等の記録層材質の分解物を
含有し、かつ基板材質を含有しない場合は、ビット形状
が良好で、記録・再生の際のノイズが小さく、十分なS/
NないしC/Nが得られること等を見い出し、その旨を提案
している(特願平2−48435号)。
しかし、このような媒体は、太陽光下にて長時間保存
されるようなときに、可視〜紫外光成分によって色素が
退色し、書き込み感度や再生信号のC/Nやジッターが劣
化するという不都合がある。
このような不都合を解消するためには、米国特許第48
9,800号などに提案されているように、透明基板に着色
剤として可視〜紫外光吸収剤を練り込む方法を採用する
ことが考えられる。
<発明が解決しようとする課題> しかし、可視〜紫外光吸収剤を着色剤として基板中に
練り込むときには、基板樹脂材質と相溶性の高い色素を
用いるため、基板の射出成形の際に用いるモールドやス
タンパが汚染される。
このため、使用用途に応じて、着色剤の種類をかえた
り、非着色基板とするようなときには、製造ごとにこれ
らを十分洗浄しないと、基板を安定に製造することがで
きない。
また、光記録ディスクでは、樹脂基板の裏面の帯電に
よるホコリの付着や、傷付き等により、記録再生特性に
影響が生じる。
これらの影響を防止するためには、帯電防止機能を有
するハードコートを設ける必要があるが、このときに
は、基板製造がさらに複雑となる。
本発明の目的は、着色された保護シートを基板に装着
することにより、太陽光による色素層の退色を防止し
て、C/Nやジッターの低下を防止するとともに、ホコリ
付着や傷付き等からディスクを保護でき、しかも基板製
造を容易にする光記録ディスクを提供することにある。
<課題を解決するための手段> このような目的は下記(1)〜(6)の本発明によっ
て達成される。
(1)樹脂製の基板の一方の面上に色素を含有する記録
層を有し、この記録層上に反射層を有し、この反射層上
に保護膜を有し、前記基板を通して記録光を前記記録層
に照射して微小記録部を形成し、前記基板を通して再生
光により再生を行なう光記録ディスクにおいて、 前記基板の他方の面上に、着色された保護シートを設け
たことを特徴とする光記録ディスク。
(2)前記保護シートは、通気孔を有する粘着剤層を介
して設けられている上記(1)に記載の光記録ディス
ク。
(3)前記保護膜の25℃における鉛筆硬度がH〜8Hであ
る上記(1)または(2)に記載の光記録ディスク。
(4)基板側から再生光を照射したとき、未記録部分の
反射率が60%以上であり、記録部分の反射率が未記録部
分の反射率の60%以下である上記(1)ないし(3)の
いずれかに記載の光記録ディスク。
(5)記録光および再生光の波長における前記記録層の
消衰係数kが0.03〜0.25であり、記録光および再生光の
波長における前記記録層の屈折率nが1.8〜4.0である上
記(4)に記載の光記録ディスク。
(6)記録光および再生光の波長が770〜900nmである上
記(4)または(5)に記載の光記録ディスク。
<作用> 本発明によれば、樹脂と着色剤を練り込んで、射出成
形により基板を製造する際に、射出成形機が着色剤によ
り汚染されることがなくなる。
また、樹脂基板裏面に、保護シートを装着するので、
太陽光に含まれる可視〜紫外光を遮断でき、基板上への
異物の付着、傷付き等も防止される。
<具体的構成> 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明の光記録ディスクの好適例として第1図および
第2図に示される光記録ディスクを例に挙げて説明す
る。
この光記録ディスク1は、基板3上に、色素を含有す
る記録層4を有し、記録層4に密着して、反射層5、保
護膜6を形成した密着型のものである。
基板3は、記録光および再生光(600〜900nm程度、特
に770〜900nm程度の半導体レーザー光、特に780nm)に
対し、実質的に透明(好ましくは透過率88%以上)な樹
脂あるいはガラスから形成される。これにより、基板裏
面側からの記録および再生が可能となる。
基板3は、通常のサイズのディスク状であって、CDと
して用いる場合、厚さは1.2mm程度、直径は80〜120mm程
度とする。
この場合、基板材質としては、樹脂を用いることが好
ましく、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アモル
ファスポリオレフィン、TPX等の各種熱可塑性樹脂が好
適である。
上記基板3の裏面に設ける保護シート2は基板3の全
面を被覆できるように基板3と同一形状および寸法であ
って、厚さは0.05〜0.2mm程度とする。
この場合、保護シート材質としては、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)等のポリエステル、ポリエーテル
エーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルホン(PE
S)等のフィルムなどを用いることが好ましい。
なお、保護シート2は、通常、粘着剤層7を介して基
板3に固定するのがよく、必要に応じて取り外し可能と
してもよい。
粘着剤層7には導通用の通気孔71を設けることが好ま
しい。
保護シート2は、上記構成により、ホコリ付着や傷付
きおよび記録層の退光等の防止機能を有するが、本発明
ではさらに、この保護シートに色素、染料等の着色剤を
相溶させて太陽光中の可視〜紫外光吸収剤として機能さ
せ、遮光する。
着色剤は上記基板材質に染料や色素を相溶させて設層
すればよい。
保護シート2に相溶させる紫外光吸収剤に特に制限は
ないが、300〜500nmにおける透過率が30%以下となる程
度の量を含有させることが好ましい。
用いる紫外光吸収剤としては、サリチル酸エステル系
化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール
系化合物、シアノアクリレート系化合物等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
保護シート2に相溶させる可視光吸収剤に特に制限は
ないが、450〜760nmにおける透過率が30%以下となる程
度の量を含有させることが好ましい。
用いる可視光吸収剤としては、プラスチック着色用染
料として公知の色素、ソルベント イエロー、ソルベン
ト レッド、ソルベント ブルー、ソルベント グリー
ン、ソルベント オレンジ、ソルベント バイオレッ
ト、ソルベント ブラックはいずれも使用可能である。
そのような中で、可視光吸収剤として特に好適に用い
られるのには、フタロシアニン系化合物、アゾ系、特に
アゾクロームキレート系化合物、アントラキノン系化合
物、キノフタロン系化合物、メチン系化合物、縮合多環
系化合物が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
この場合、保護シート2に含有させる吸収剤は1種類
に限定する必要はなく、相溶性の良い数種類の吸収剤を
併用してもよい。保護シートへ吸収剤を相用させる方法
は通常の方法を用いればよい。
基板3の記録層4形成面には、トラッキング用のグル
ープが形成されることが好ましい。
グループは、スパイラル状の連続型グループであるこ
とが好ましく、深さは500〜1200Å、幅は0.2〜1.1μ
m、特に0.3〜0.6μm、ランド(隣り合うグループ同士
の間の部分)幅は0.5〜1.4μm、特に1.0〜1.3μmであ
ることが好ましい。
グループをこのような構成とすることにより、グルー
プ部の反射レベルを下げることなく良好なトラッキング
信号を得ることができる。
なお、グループには、アドレス信号用の凹凸を設ける
こともできる。
本発明では、基板がグループを有する場合、記録光は
グループ内の記録層に照射されるよう構成されることが
好ましい。すなわち、本発明の光記録媒体は、グループ
記録の光記録媒体として用いられることが好ましい。グ
ループ記録とすることにより、記録層の有効厚さを大き
くすることができる。
記録層4は、1種あるいは2種以上の色素を相溶して
形成される。
記録層4の記録光および再生光波長における消衰係数
(複素屈折率の虚部)kは、0.03〜0.25であることが好
ましい。
kが0.03未満となると記録層の吸収率が低下し、通常
の記録パワーで記録を行うことが困難である。
また、kが0.25をこえると、反射率が60%を下回って
しまい、CD規格による再生を行うことが困難である。
この場合、kが0.04〜020、特に0.05〜015であると、
きわめて好ましい結果をうる。
また、屈折率(複素屈折率の実部)nは、1.8〜4.0、
より好ましくは、2.2〜3.3であることが好ましい。
n<1.8では反射率が低下し、また信号変調度が小さ
くなり、CD規格による再生が困難となる傾向にある。ま
た、n>4.0とするためには、原料色素の入手が難し
い。
用いる光吸収性の色素としては、吸収極大が600〜900
nm、好ましくは600〜800nm、より好ましくは650〜750nm
であれば、他に特に制限はないが、シアニン系、フタロ
シアニン系、ナフタロシアニン系、アントラキノン系、
アゾ系、トリフェニルメタン系、ピリリウムないしチア
ピリリウム塩系、スクワリリウム系、クロコニウム系、
金属錯体色素系等の1種ないし2種以上が好ましい。
シアニン色素としては、インドレニン環、特にベンゾ
インドレニン環を有するシアニン色素であることが好ま
しい。
また、光吸収色素にクエンチャーを混合してもよい。
さらに、色素カチオンとクエンチャーアニオンとのイオ
ン結合体を光吸収色素として用いてもよい。
クエンチャーとしては、アセチルアセトナート系、ビ
スチオ−α−ジケトン系やビスフェニルジチオール系な
どのビスチオール系、チオカテコール系、サリチルアル
デヒドオキシム系、チオビスフェノレート系等の金属錯
体が好ましい。
また、窒素のラジカルカチオンを有するアミン系化合
物やヒンダードアミン等のアミン系のクエンチャーも好
適である。
結合体を構成する色素としては、インドレニン環を有
するシアニン色素が、またクエンチャーとしてはビスフ
ェニルジチオール金属錯体等の金属錯体色素が好まし
い。
好ましい色素、クエンチャー、結合体の詳細について
は特開昭59−24692号、同59−55794号、同59−55795
号、同59−81194号、同59−83695号、同60−18387号、
同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60
−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−445
55号、同60−44389号、同60−44390号、同60−47069
号、同60−20991号、同60−11294号、同60−54892号、
同60−71295号、同60−71296号、同60−73891号、同60
−73892号、同60−73893号、同60−83892号、同60−854
49号、同60−92893号、同60−159087号、同60−162691
号、同60−203488号、同60−201988号、同60−234886
号、同60−234892号、同61−16894号、同61−11292号、
同61−11294号、同61−16891号、同61−8384号、同61−
14988号、同61−163243号、同61−210539号、特願昭60
−54013号、特開昭62−30088号、同62−32132号、同62
−31792号、CMC出版刊「機能性色素の化学」P74〜76等
に記載されている。
なお、クエンチャーは、光吸収色素と別個に添加して
も、結合体の形で添加してもよいが、光吸収色素の総計
の1モルに対し1モル以下、特に0.05〜0.5モル程度添
加することが好ましい。
これにより耐光性より一層改善される。
本発明では、上記のような光吸収性の色素、色素−ク
エンチャー混合物、色素−クエンチャー結合体から上記
範囲のnおよびkを有するものを選択するか、あるいは
新たに分子設計を行ない合成することもできる。
なお、色素の記録光および再生光に対するkは、その
骨格や置換基により0〜2程度まで種々変化しているた
め、例えばkが0.03〜0.25の色素を選定するに際して
は、その骨格や置換基に制限がある。このため、塗布溶
媒に制限を生じたり、基板材質によっては塗工できない
こともある。あるいは気相成膜できないこともある。ま
た、新たに分子設計を行なう場合、設計および合成に大
きな労力を必要とする。
一方、本発明者らの実験によれば、2種以上の色素を
含有する混合色素層のkは、用いる各色素単独から構成
される色素層のkに応じ、その混合比にほぼ対応する値
になることが判明した。従って、本発明では、記録層3
は2種以上の色素を相溶して形成されてもよい。
この際、ほとんどの色素の混合系で混合比にほぼ比例
したkがえられるものである。すなわち、i種の色素の
混合分率ほよびkをそれぞれCiおよびkiとしたとき、k
は、ほぼΣCikiとなる。従って、kの異なる色素同士を
混合比を制御して混合することにより、k=0.03〜0.25
の色素層を得ることができる。このため、きわめて広い
範囲の色素群の中から用いる色素を選択することができ
る。
このことは、波長依存性の改善にも適用できる。半導
体レーザーの波長は通常±10nmの範囲にあり、市販のCD
プレーヤにおいては、770から790nmの範囲で反射率を70
%以上に確保する必要がある。一般に色素のk値は大き
な波長依存性をもつものが多く、780nmでは適切な値で
あっても、770あるいは790nmでは大きくはずれてしまう
場合が多い。このような場合には、第二の色素を混合す
ることによって、780±10nmの範囲で常に適切なnおよ
びk値が得れるように設定することができる。
この結果、塗布溶媒等の制約など成膜法に制限はなく
なり、また、合成が容易で安価な色素の使用や、特性の
良好な色素の使用や、難溶性の色素の使用をも可能とす
ることができる。
記録層3を混合色素層とする場合、用いる色素は、n
=1.6〜6.5、k=0〜2の範囲内のものから選択すれば
よい。
なお、nおよびkの測定に際しては、所定の透明基板
上に記録層を例えば400〜1000Å程度の厚さに実際の条
件にて設層して、測定サンプルを作製する。次いで、基
板を通しての、あるいは記録層側からの反射類を測定す
る。反射率は記録再生光波長を用いて鏡面反射(5゜程
度)にて測定する。また、サンプルの透過率を測定す
る。これらの測定値から、例えば、共立全書「光学」石
黒浩三P168〜178に準じ、n、kを算出すればよい。
このような記録層4の厚さは、500〜2000Åとするこ
とが好ましい。この範囲外では反射率が低下して、CD規
格の再生を行うことが難しくなる。
記録層4の設層方法に特に制限はないが、本発明で
は、色素選択や、媒体設計や、製造上の自由度や容易さ
がより拡大する点で、塗布によって設層することが好ま
しい。
記録層4の塗設には、ケトン系、エステル系、エーテ
ル系、芳香族系、ハロゲン化アルキル系、アルコール系
等の各種溶媒を用いることができ、溶媒選択の自由度も
大きい。塗布には、スピンコート等を用いればよい。
記録層4は、色素の蒸着膜によって形成されてもよ
い。
この場合の色素は、フタロシアニン系、ナフタロシア
ニン系、アントラキノン系、アゾ系、トリフェニルメタ
ン系、ピリリウムないしチアピリリウム塩系、スクワリ
リウム系、クロコニウム系、金属錯体色素系等の昇華性
の色素を用いるのがよく、特に、フタロシアニン系、ナ
フタロシアニン系の色素を用いることが好ましい。
このような昇華性の色素を用いることによって、ピッ
ト形状が良好となり、ジッターが減少することもある。
CD対応のライト・ワンス型の媒体とする場合このよう
な記録層4には、直接密着して反射層5が設層される。
反射層5としては、Au、Cu等の高反射率金属を用いる
のがよいが、Cuを95〜97wt%含むCuAl、CuTi等のCu合金
を用いてもよい。
反射層5の厚さは500Å以上であることが好ましく、
蒸着、スパッタ等により設層すればよい。また、厚さの
上限に特に制限はないが、コスト、生産作業時間等を考
慮すると、1700Å程度以下であることが好ましい。
これにより、反射層5単独での反射率は、90%以上、
媒体の未記録部の基板をとおしての反射率は、60%以
上、特に70%以上がえられる。
反射層5上には、保護膜6が設層される。
保護膜6は、例えば紫外線硬化樹脂等の各種樹脂材質
から、通常は、1〜100μm程度の厚さに設層すればよ
い。保護膜6は、層状であってもシート状であってもよ
い。
保護膜6は、特に放射線硬化型化合物および光重合増
感剤を含有する塗膜を放射線硬化したものであることが
好ましい。
そして、保護膜6の硬度が、25℃における鉛筆硬度
(JIS K−5400)で、H〜8H、特に2H〜7Hであるように
構成されることが好ましい。
このように構成することにより、ジッターが格段と減
少する。
また、高温・高湿あるいは温湿度変化条件下の保存に
おいても、保護膜と反射層との剥離が生じない。
より具体的には、保護膜の硬度がHより軟らかいとジ
ッターが増大し、8Hより硬くなると塗膜がもろくなり膜
形成能が低下する他、反射層との接着力が低下する。
このような保護膜形成に用いる放射線硬化型化合物に
は、オリゴエステルアクリレートが含まれることが好ま
しい。
オリゴエステルアクリレートは、アクリレート基また
はメタクリレート基を複数有するオリゴエステル化合物
である。そして好ましいオリゴステルアクリレートとし
ては、分子量1000〜10000、好ましくは2000〜7000であ
って、重合度2〜10、好ましくは、3〜5のものが挙げ
られる。また、これらのうちアクリレート基またはメタ
クリレート基を2〜6個、好ましくは3〜6個有する多
官能オリゴエステルアクリレートが好ましい。
多官能オリゴエステルアクリレートとしてはアロニッ
クスM−7100、M−5400、M−5500、M−5700、M−62
50、M−6500、M−8030、M−8060、M−8100等(東亜
合成化学社製)として市販されているものを用いること
ができ、これらは下記式(A)、(B)で示されるもの
である。
A:アクリレート基またはメタクリレート基、M:2価ア
ルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、1,6−ヘキサングリコール、ビスフェノール
A等)残基、N:2塩基酸(例えば、テレフタル酸、イソ
フタル酸、アジピン酸、コハク酸等)残基、 n:1〜10、好ましくは2〜5 これらのうちでは、(A)で示されるものが好まし
い。
このようなオリゴエステルアクリレートは単独で使用
してもよい。
また、他の放射線硬化型化合物を併用してもよい。そ
のような場合、オリゴエステルアクリレートは、放射線
硬化型化合物中20wt%以上存在することが好ましい。
上記のオリゴエステルアクリレートには、他の放射線
硬化型化合物を併用することができ、このようなものと
しては、イオン化エネルギーに感応し、ラジカル重合性
を示す不飽和二重結合を有するアクリル酸、メタクリル
酸、あるいはそれらのエステル化合物のようなアクリル
系二重結合、ジアリルフタレートのようなアリル系二重
結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽和二重結
合等の放射線照射による架橋あるいは重合する基を分子
中に含有または導入したモノマー、オリゴマーおよびポ
リマー等を挙げることができる。これらは多官能、特に
3官能以上であることが好ましい。
放射線硬化型モノマーとしては、分子量2000未満の化
合物が、オリゴマーとしては分子量2000〜10000のもの
が用いられる。
これらはスチレン、エチルアクリレート、エチレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールメタクリレート、1,6−ヘキサングリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメ
タクリレート等も挙げられるが、特に好ましいものとし
ては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(メタ
クリレート)、ペンタエリスリトールアクリレート(メ
タクリレート)、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート(メタクリレート)、トリメチロールプロパンジア
クリレート(メタクリレート)、ウレタンエラストマー
(ニッポラン4040)のアクリル変性体、あるいはこれら
のものにCOOH等の官能基が導入されたもの、フェノール
エチレンオキシド付加物のアクリレート(メタクリレー
ト)、下記一般式で示されるペンタエリスリトール縮合
環にアクリル基(メタクリル基)またはε−カプロラク
トン−アクリル基のついた化合物、 式中、m=1、a=2、b=4の化合物(以下、特殊
ペンタエリスリトール縮合物Aという)、 m=1、a=3、b=3の化合物(以下、特殊ペンタ
エリスリトール縮合物Bという)、 m=1、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタ
エリスリトール縮合物Cという)、 m=2、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタ
エリスリトール縮合物Dという)、 および下記一般式で示される特殊アクリレート類等が
挙げられる。
また、放射線硬化型オリゴマーとしては、ウレタンエ
ラストマーのアクリル変性体、あるいはこれらのものに
COOH等の官能基が導入されたもの等が挙げられる。
また、上記の化合物に加えて、あるいはこれにかえて
熱可塑性樹脂を放射線感応変性することによって得られ
る放射線硬化型化合物を用いてもよい。
このような放射線硬化性樹脂の具体例としては、ラジ
カル重合性を示す不飽和二重結合を有するアクリル酸、
メタクリル酸、あるいはそれらのエステル化合物のよう
なアクリル系二重結合、ジアリルフタレートのようなア
リル系二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不
飽和結合等の、放射線照射による架橋あるいは重合する
基を熱可塑性樹脂の分子中に含有、または導入した樹脂
である。
放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例とし
ては、塩化ビニル系共重合体、飽和ポリエステル樹脂、
ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ
キシ系樹脂、繊維素誘導体等を挙げることができる。
その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂と
しては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステ
ル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体(PVP
オレフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸基を
含有するアクリルエステルおよびメタクリルエステルを
重合成分として少くとも一種含むアクリル系樹脂等も有
効である。
このような放射線硬化型化合物の保護膜の膜厚は1〜
30μm、より好ましくは3〜10μmである。
この膜厚が1μm未満になると、一様な膜を形成しに
くく、湿度が高い雰囲気中での防湿効果が十分でなく、
記録層の耐久性が下がる。しかも、ジッター防止効果が
低下する。
また、30μmをこえると、樹脂膜の硬化の際に伴う収
縮により記録媒体の反りや保護膜中のクラックが生じや
すい。
このような塗膜は、通常、スピンナーコート、グラビ
ア塗布、スプレーコート、ディッピング等、種々の公知
の方法を組み合わせて設層すればよい。この時の塗膜の
設層条件は、塗膜組成の混合物の粘度、目的とする塗膜
厚さ等を考慮して適宜決定すればよい。
本発明において塗膜に照射する放射線としては、紫外
線、電子線等が挙げられるが、紫外線が好ましい。
紫外線を用いる場合には、前述したような放射線硬化
型化合物の中には、通常、光重合増感剤が加えられる。
本発明に用いる光重合増感剤としては、下記一般式
(I)で表わされる化合物が好ましい。このものを、多
官能オリゴエステルアクリレートと用いることにより、
前記の硬度が容易に得られ、膜物性も良好となる。
そして、接着剤層の剥離も少なくなり、耐久性、耐湿
性も良好となる。
一般式(I) 上記一般式(I)において、Rは炭素数1〜4の置換
もしくは非置換のアルキル基、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等を表わし、なかでもメチル
基、エチル基等が好ましい。
Lは炭素数1〜3の置換もしくは非置換のアルキレン
基、例えば−CH2−、 等を表わし、なかでも が好ましい。
Yは、複素環基、例えばモルホリノ基、2−モルホリ
ニル基、、ピペリジノ基、4−ピペリジニル基、2−ピ
リジル基、2−キノリル基、1−ピロリジニル基、1−
ピロリル基、2−チエニル基、2−フリル基等を表わ
し、なかでもモルホリノ基が好ましい。
RS−は、一般式(I)中のベンゼン環の置換可能ない
ずれの位置でベンゼン環と結合してもよいが、 のp位であることが好ましい。
本発明において、一般式(I)で表わされる化合物の
うちで、最も好ましいものは以下のものである。
化合物A この化合物Aは、IRGACURE907(日本チバガイギー社
製)として市販されているものである。
一般式(I)で表わされる化合物は、放射線硬化の際
光重合開始剤ないし光重合増感剤として作用するもので
ある。
このような化合物の有機保護コート層における含有量
は、0.1〜20wt%、好ましくは1〜10wt%とするのがよ
い。
0.1wt%未満では光重合開始剤ないし光重合増感剤と
しての作用が十分ではないからであり、20wt%をこえる
と残存する光重合開始剤ないし光重合増感剤が記録層に
浸透し、記録層に悪影響を与えるからである。
また、光重合増感剤としては、必要に応じて前記の一
般式(I)で表わされる化合物の他に、次のような公知
のものが併用できる。
例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチル
エーテル、α−メチルベンゾイン、α−クロルデオキシ
ベンゾイン等のベンゾイン系、ベンゾフェノン、アセト
フェノン、ビスジアルキルアミノベンゾフェノン等のケ
トン類、アセトラキノン、フェナントラキノン等のキノ
ン類、ベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモ
ノスルフィド等のスルフィド類等を挙げることができ
る。
そして、このような光重合増感剤と放射線硬化型化合
物を含有する塗膜を紫外線によって硬化させるには、公
知の種々の方法に従えばよい。
たとえば、キセノン放電管、水銀放電管などの紫外線
電球等を用いればよい。
また、場合によっては電子線を用いることもできる。
このような構成の光記録媒体1に記録ないし追記を行
なうには、例えば780nmの記録光を、基板2をとおして
パルス状に照射する。
これにより、記録層6が光を吸収して発熱し、同時に
基板3も加熱される。この結果、基板3と記録層4との
界面近傍において、色素等の記録層材質の融解や分解が
生じ、記録層3と基板3との界面に圧力が加わり、グル
ーブの底壁や側壁を変形させることがある。
<実施例> 以下、本発明の実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に
説明する。
実施例1 紫外光吸収剤としてフェニルサリシレート、可視光吸
収剤としてフタロシアニンを練り込んだPET製の保護シ
ートを120mmφ、厚さ0.1mmに成形した。
吸収剤の含有量は0.5wt%とし、300〜750nmにおける
透過率を30%以下とした。
一方、連続グルーブを有する120mmφ、厚さ1.2mmのポ
リカーボネート樹脂基板上に色素を含有する記録層を設
層した。この記録層上に、スパッタリングによりAu薄膜
を1500Å厚に設層して反射層とし、さらに、オリゴエス
テルアクリレートを含有する紫外線硬化型樹脂を塗布受
した後紫外線硬化して5μm厚の保護膜とし、光記録デ
ィスクサンプルを得た。
記録層に含有される色素を下記に示す。
記録層の設層は、基板を500rpmで回転させながらスピ
ンコート塗布により行なった。塗布溶液としては、3.5w
t%ジアセトンアルコール溶液を用いた。乾燥後の色素
層の厚さはグルーブ部で1400Å、ランド部で1000Åであ
った。
サンプルの記録層に含有される色素およびその含有量
比はA1が60wt%、A2が30wt%、一重項酸系クエンチャー
が10wt%であり、記録層の屈折率(n)は2、6、消衰
係数(k)は、0.06であった。
保護膜用塗布組成物としては、光重合性アクリレート
である大日本インキ(株)製SD−17を用いこれを塗布
後、120W/cmの紫外線を5sec照射し架橋硬化させ、硬化
膜とした。この膜の鉛筆硬度は2Hであった。
得られたディスクサンプルに保護シートを装着し、波
長780nm、7mWのレーザーにてコンパクトディスク信号の
記録を行ない、次いで市販のコンパクトディスクプレー
ヤで再生を行なった。
この結果、十分なC/Nが得られ、またジッターは100ns
以下であった。
なお、ジッターは、MEGURO社製CDジッターメーターMJ
M−631で測定した。
次に、このサンプルに、80Klmxの光を基板側から50時
間照射したのち、信号の大きさとジッターを測定したと
ころ、これらはほとんど変化がなかった。
これに対し、前記保護シートにおいて紫外光および可
視光吸収剤を含有させないPET製透明保護シートを用
い、上記の耐光試験を行なったところ、信号の大きさは
20%以上低下し、ジッターが2倍に増加した。
なお、保護膜の組成をかえ、その鉛筆硬度をかえてジ
ッターを測定したところ、H〜8Hでは100nsec以下のジ
ッターであったが、鉛筆硬度がB以上となると、ジッタ
ーは200nsecをこえてしまった。
以上から本発明の効果があきらかである。
<発明の効果> 本発明によれば、ホコリやスリキズを防止して、基板
の表面状態を良好に保つとともに、紫外〜可視光を遮断
することにより、色素を環境光から保護し、信号出力や
C/Nの低下やジッターの増大を防止し、保存性のよいデ
ィスクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の光記録媒体の縦断面図であり、第2
図は、第1図の部分斜視図である。 符号の説明 1……光記録ディスク 2……保護シート 3……基板 4……記録層 5……反射膜 6……保護膜 7……粘着剤層 71……通気孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 7/24 535 G11B 7/24 538 G11B 23/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂製の基板の一方の面上に色素を含有す
    る記録層を有し、この記録層上に反射層を有し、この反
    射層上に保護膜を有し、前記基板を通して記録光を前記
    記録層に照射して微小記録部を形成し、前記基板を通し
    て再生光により再生を行なう光記録ディスクにおいて、 前記基板の他方の面上に、着色された保護シートを設け
    たことを特徴とする光記録ディスク。
  2. 【請求項2】前記保護シートは、通気孔を有する粘着剤
    層を介して設けられている請求項1に記載の光記録ディ
    スク。
  3. 【請求項3】前記保護膜の25℃における鉛筆硬度がH〜
    8Hである請求項1または2に記載の光記録ディスク。
  4. 【請求項4】基板側から再生光を照射したとき、未記録
    部分の反射率が60%以上であり、記録部分の反射率が未
    記録部分の反射率の60%以下である請求項1ないし3の
    いずれかに記載の光記録ディスク。
  5. 【請求項5】記録光および再生光の波長における前記記
    録層の消衰係数kが0.03〜0.25であり、記録光および再
    生光の波長における前記記録層の屈折率nが1.8〜4.0で
    ある請求項4に記載の光記録ディスク。
  6. 【請求項6】記録光および再生光の波長が770〜900nmで
    ある請求項4または5に記載の光記録ディスク。
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